JP2018139276A - 炭化珪素半導体装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極−炭化珪素半導体層間の電気抵抗の増大を抑制しつつ、電極の剥離を抑制する。【解決手段】炭化珪素半導体装置は、炭化珪素半導体層と、炭化珪素半導体層の表面に設けられているニッケルシリサイド層と、ニッケルシリサイド層の表面に設けられており、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第1金属を主体とする第1金属層と、第1金属層の表面に設けられている窒化物金属層と、窒化物金属層と第1金属層とニッケルシリサイド層を介して炭化珪素半導体層に接合される電極とを備えている。【選択図】図1
Description
本明細書は、炭化珪素半導体装置に関する技術を開示する。
炭化珪素半導体を利用した半導体装置の開発が進められている。特許文献1の炭化珪素半導体装置では、炭化珪素半導体層の表面にチタンとニッケルを含む層を形成して加熱することにより、炭化珪素半導体層の表面にニッケルシリサイド層と炭化チタン層を形成している。ニッケルシリサイド層を形成することにより、ニッケルシリサイド層と炭化珪素半導体層のオーミックコンタクトを実現している。また、炭化チタン層を形成することにより、ニッケルシリサイド層の表面に、炭化珪素半導体層を由来とする炭素が析出することを抑制することができる。なお、炭化チタン層を形成しないと、ニッケルシリサイド層の表面に炭素が析出し、ニッケルシリサイド層の表面に形成される電極がニッケルシリサイド層から剥離しやすくなる。特許文献1は、ニッケルシリサイド層の表面に炭化チタン層を形成することにより、電極がニッケルシリサイド層から剥離することを抑制している。
特許文献1のようにニッケルシリサイド層の表面に炭化チタン層を形成することにより、電極がニッケルシリサイド層から剥離することを抑制することはできる。しかしながら、炭化物である炭化チタンは機械的に極めて脆い物質である。そのため、ニッケルシリサイド層の表面に炭化チタン層を形成すると、炭化チタン層が形成された部位の信頼性が損なわれる。このため、ニッケルシリサイド層の表面に炭化チタン層を形成することは望ましくない。
また、電極を構成している金属が炭化珪素半導体層に拡散することを防止するため、ニッケルシリサイド層の表面に窒化物金属層を設けることがある。しかしながら、炭化珪素半導体層を由来とする炭素に対策していないと、ニッケルシリサイド層の表面に炭素が析出し、ニッケルシリサイド層と窒化物金属層の間で剥離が生じ、結果的に電極が炭化物半導体層から剥離する。
本明細書は、炭化珪素半導体装置において、電極−炭化珪素半導体層間の電気抵抗の増大を抑制しつつ、電極の剥離を抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する炭化珪素半導体装置は、炭化珪素半導体層と、炭化珪素半導体層の表面に設けられているニッケルシリサイド層と、ニッケルシリサイド層の表面に設けられており、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第1金属を主体とする第1金属層と、第1金属層の表面に設けられている窒化物金属層と、窒化物金属層と第1金属層とニッケルシリサイド層を介して炭化珪素半導体層に接合される電極とを備えていてよい。
上記炭化珪素半導体装置では、ニッケルシリサイド層と窒化物金属層の間に、第1金属を主体とする第1金属層が設けられている。第1金属は、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下である。原子半径が1.9Å以上の金属は、炭素と固溶体(侵入型固溶体)を形成することができる。そのため、ニッケルシリサイド層の表面に第1金属層を設けることにより、炭化珪素半導体層を由来とする炭素がニッケルシリサイド層の表面に析出することを防止することができる。これにより、電極の剥離を抑制することができる。さらに、第1金属層は、炭素が固溶した状態で含まれており、炭化物ではないことから、導電性である。このため、電極−炭化珪素半導体層間の電気抵抗の増大を抑制することができる。
また、第1金属としてイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の金属を用いることにより、窒化物金属層内の窒素が第1金属層と固溶し、第1金属層と窒化物金属層の密着性が増す。そのため、第1金属層と窒化物金属層が剥離することも抑制できる。なお、「第1金属を主体とする第1金属層」とは、第1金属層が単体の第1金属で構成されていること、あるいは、第1金属層の構成金属のうち第1金属の割合が最も高い合金のことを意味する。
上記した第1金属は、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルから選択される金属であってよい。これらの金属は、原子半径1.9Å以上、イオン化ポテンシャル160kcal/mol以下を満足する。
窒化物金属層と電極の間に設けられており、窒化物金属層と電極の双方に接しており、イオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第2金属を主体とする第2金属層が設けられていてもよい。窒化物金属層の窒素が第2金属層に固溶し、窒化物金属層と電極の密着性が増す。
第2金属は、スカンジウム、チタン、バナジウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルから選択される金属であってよい。これらの金属は、イオン化ポテンシャル160kcal/mol以下を満足する。
本明細書では、炭化珪素半導体装置の製造方法も開示する。その製造方法は、炭化珪素半導体層の表面にニッケル層を形成する工程と、炭化珪素半導体層を熱処理する工程と、熱処理後の前記炭化珪素半導体層の表面に、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第1金属を主体とする第1金属層を形成する工程と、第1金属層の表面に窒化物金属層を形成する工程と、窒化物金属層と第1金属層とニッケル層を介して炭化珪素半導体層に電極を接合する工程と、を備える。
図1を参照し、半導体装置100について説明する。図1は、半導体装置100の一部を示している。具体的には、炭化珪素半導体層2と電極12の接合部分を示している。半導体装置100は、炭化珪素半導体層2と、電極12と、炭化珪素半導体層2と電極12を接合している接合層20を備えている。電極12の材料は銅である。電極12は、接合層20を介して炭化珪素半導体層2に接合されている。
接合層20は、ニッケルシリサイド層4と、第1金属層6と、窒化物金属層8と、第2金属層10を備えている。ニッケルシリサイド層4は、炭化珪素半導体層2の表面に設けられている。ニッケルシリサイド層4の厚みは、およそ20nmに調整されている。ニッケルシリサイド層4は、炭化珪素半導体層2とオーミックコンタクトする。ニッケルシリサイド層4を設けることによって、電極12が炭化珪素半導体層2とオーミックコンタクトする。ニッケルシリサイド層4は、炭化珪素半導体層2の表面にニッケル(Ni)を成膜し、熱処理を行うことにより形成される。
第1金属層6は、ニッケルシリサイド層4の表面に設けられている。第1金属層6の材料はニオブ(Nb)である。第1金属層6の厚みは、およそ100nmに調整されている。第1金属層6は、ニッケルシリサイド層4を形成する工程(熱処理)でニッケルシリサイド層4の表面に析出した炭素を除去する。具体的には、炭化珪素半導体層2に由来する炭素が第1金属層6に固溶し、第1金属層6が炭素を含む侵入型固溶体となる。なお、ニオブの原子半径は1.98Åであり、炭素の原子半径は0.67Åである。ニオブの原子半径は、およそ炭素の原子半径の3倍である。ニオブは、炭素を5at%以上含む侵入型固溶体を形成し得る。なお、ニオブのイオン化ポテンシャルは156kcal/molである。また、第1金属層6は、機械的強度が比較的に強い。例えば、背景技術で説明した窒化チタンと比較すると、第1金属層6の機械的強度は強い。このため、電極12と炭化珪素半導体層2の接合強度が高くなる。
窒化物金属層8は、第1金属層6の表面に設けられている。窒化物金属層8の材料は窒化タンタル(TaN)である。窒化物金属層8の厚みは、およそ100nmに調整されている。窒化物金属層8は、電極12を構成している銅が炭化珪素半導体層2に拡散することを防止する。窒化物金属層8は、バリアメタル層と評価することができる。なお、上記したように、第1金属層6は、イオン化ポテンシャルが156kcal/molであるニオブで構成されている。イオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の元素は、平衡状態図状で窒素(N)を5at%以上固溶することができる。第1金属層6の材料としてニオブを用いることにより、第1金属層6と窒化物金属層8の密着性も向上する。
第2金属層10は、窒化物金属層8の表面に設けられている。第2金属層10は、窒化物金属層8と電極12の間に設けられており、窒化物金属層8と電極12の双方に接している。第2金属層10の材料もニオブである。第2金属層10厚みは、およそ100nmに調整されている。上記したように、ニオブのイオン化ポテンシャルは156kcal/molである。第2金属層10は、窒素を5at%以上固溶することができる。第2金属層10の材料としてニオブを用いることにより、窒化物金属層8中の窒素が第2金属層10に固溶する。第2金属層10と窒化物金属層8の密着性が向上し、電極12と窒化物金属層8の密着性が向上する。なお、図2に示す半導体装置100aのように、第2金属層10は省略することもできる。
なお、第1金属層6の材料として、ニオブに代えて、単体のイットリウム,ジルコニウム,ハフニウム,タンタル、又は、ニオブ,イットリウム,ジルコニウム,ハフニウム,タンタルを主体(50at%以上)とする合金を用いることもできる。また、第2金属層10の材料として、ニオブに代えて、単体のスカンジウム,チタン,バナジウム,イットリウム,ジルコニウム,ハフニウム,タンタル、又は、ニオブ,スカンジウム,チタン,バナジウム,イットリウム,ジルコニウム,ハフニウム,タンタルを主体とする合金を用いることもできる。
上記金属元素の原子半径及びイオン化ポテンシャルを図8に示している。図8に示すように、第1金属層6として用いることが可能な金属は、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下である。また、第2金属層10として用いることが可能な金属は、イオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下である。
なお、第1金属層6の厚みは、10nm以上200nm以下であってよい。10nm以上の場合、炭化珪素半導体層2に由来する炭素を十分に固溶することができる。200nm以下の場合、第1金属層6の電気抵抗を低く抑えることができる。
また、電極12の材料として、銅に代えて、銅を主体(50at%以上)とする銅合金を用いることもできる。さらに、電極12の材料として、銅に代えて、単体の銀、または、銀を主体(50at%以上)とする銀合金を用いることもできる。また、窒化物金属層8の材料として、窒化タンタルに代えて、窒化チタン(TiN)を用いることもできる。窒化タンタル及び窒化チタンは、電極12に含まれる銅又は銀が炭化珪素半導体層2に拡散することを防止できる。
図3から図5を参照し、半導体装置100の製造方法について説明する。まず、図3に示すように、炭化珪素半導体層2の表面にニッケル層14を形成する。ニッケル層14は、公知の真空蒸着法、スパッタリング法等を用いて形成することができる。次に、図4に示すように、炭化珪素半導体層2を、3%の水素を含む窒素雰囲気(N2−3%H2)で900℃で30分間熱処理する。熱処理は、電気炉、レーザ等を用いて行うことができる。熱処理によって、ニッケル層14がシリサイド化され、ニッケルシリサイド層4が形成される。なお、熱処理は、500〜1200℃で行ってよい。
次に、ニッケルシリサイド層4の表面をエッチングし、シリサイド化の過程(熱処理)でニッケルシリサイド層4の表面に析出した炭素を除去する。エッチングは、逆スパッタリング法等の物理的エッチング法等、公知の技術を利用することができる。
次に、図5に示すように、ニッケルシリサイド層4の表面に、常温(室温)で、第1金属層6、窒化物金属層8及び第2金属層10を形成する。これにより、炭化珪素半導体層2の表面に接合層20が形成される。ニッケルシリサイド層4の表面に第1金属層6を形成することにより、ニッケルシリサイド層4の表面に残存していた炭素が第1金属層6に固溶し、ニッケルシリサイド層4と第1金属層6の界面の炭素が除去される。また、窒化物金属層8に含まれる窒素も、第1金属層6に固溶される。その後、接合層20の表面に電極12を形成することにより、図1に示す半導体装置100が完成する。なお、第1金属層6、窒化物金属層8及び第2金属層10を形成するときに、雰囲気温度を室温以上、例えば、室温〜500℃に調整してもよい。なお、第1金属層6、窒化物金属層8及び第2金属層10は、スパッタリング、イオンプレーティング法等、飛来粒子が大きな運動エネルギーを持つ方法で成膜されることが好ましい。
なお、ニッケル層14の表面に第1金属層6を形成した後に、ニッケル層14をシリサイド化(熱処理)してもよい。また、ニッケル層14の表面に第1金属層6,窒化物金属層8及び第2金属層10を形成した後に、ニッケル層14をシリサイド化してもよい。あるいは、ニッケル層14の表面に第1金属層6,窒化物金属層8,第2金属層10及び電極12を形成した後に、ニッケル層14をシリサイド化してもよい。いずれの場合も、シリサイド化(熱処理)に伴なって生じた炭素は、第1金属層6に固溶される。また、半導体装置100a(図2)を形成する場合、第2金属層10を省略し、窒化物金属層8の表面に電極12を形成してよい。
(実験例)
接合層20の構造が異なる半導体装置100(試料1〜7)を作成し、冷熱サイクル試験を行い、試験後の電極12の剥離の有無、接合層20内のボイドの有無について評価した。本実験例で用いた半導体装置100の特徴を図7に示す。なお、冷熱サイクル試験は、図6に示す試験体200を用いて行った。試験体200は、5μmのすず(Sn)が被覆された銅板30上に電極12が接する状態で半導体装置100を積層し、N2−3%H2雰囲気で350℃で5分間加熱し、電極12−銅板30間にCu−Sn化合物32を生成させ、半導体装置100と銅板30を接合させて作成した。以下、試料1〜7について説明する。
接合層20の構造が異なる半導体装置100(試料1〜7)を作成し、冷熱サイクル試験を行い、試験後の電極12の剥離の有無、接合層20内のボイドの有無について評価した。本実験例で用いた半導体装置100の特徴を図7に示す。なお、冷熱サイクル試験は、図6に示す試験体200を用いて行った。試験体200は、5μmのすず(Sn)が被覆された銅板30上に電極12が接する状態で半導体装置100を積層し、N2−3%H2雰囲気で350℃で5分間加熱し、電極12−銅板30間にCu−Sn化合物32を生成させ、半導体装置100と銅板30を接合させて作成した。以下、試料1〜7について説明する。
試料1について説明する。まず、5mm×5mm,厚さ1mmの炭化珪素チップの表面にスパッタリングにより20nmのニッケル膜を成膜し、900℃で30分間加熱することにより、炭化珪素チップの表面にニッケルシリサイド膜を成膜した。次に、ニッケルシリサイド膜の表面を逆スパッタリングを利用してエッチングし、ニッケルシリサイド膜の表面をクリーニング(析出炭素の除去)した。その後、スパッタリングを利用して、ニッケルシリサイド膜の表面に膜厚100nmのNb(第1金属層)、膜厚100nmのTaN(窒化物金属層)、膜厚100nmのNb(第2金属層)、膜厚5μmのCu(電極)をこの順に成膜した。その後、5μmのすずが被覆された銅板30上に半導体装置100を積層し、N2−3%H2雰囲気で350℃で5分間加熱した。
他の試料(試料2〜7)について説明する。試料2は、試料1のNb(第1金属層,第2金属層)に代えて、Hfを用いた。試料3は、試料1のNb(第1金属層,第2金属層)に代えて、Taを用いた。試料4は、TaN(窒化物金属層)の表面に直接Cu(電極)を成膜した。すなわち、試料4は、第2金属層を省略した。試料4の他の構成は試料1と同一とした。試料5は、炭化珪素チップの表面に、ニッケル膜、Nb(第1金属層)、TaN(窒化物金属層)、Nb(第2金属層)Cu(電極)を成膜した後に、ニッケル膜のシリサイド化(900℃、30分間の熱処理)を行った。試料6は、ニッケルシリサイド膜の表面に直接TaN(窒化物金属層)を成膜した。すなわち、試料6は、第1金属層を省略した。試料6の他の構成は試料1と同一とした。試料7は、試料1のNb(第1金属層)に代えて、Niを用いた。
冷熱サイクル試験について説明する。試験体200を200℃で30分間加熱し、−40℃で30分間冷却する処理を1サイクルとし、この処理を100サイクル行った。100サイクル終了後の半導体装置100について、表面からの超音波顕微鏡による観察、断面の走査顕微鏡による観察を行い、剥離、ボイド等の有無を確認した。結果を図7に示す。
図7に示すように、ニッケルシリサイド層の表面に第1金属層としてNb,Hf又はTaを設けた試料(試料1〜5)は、剥離及びボイドが確認されなかった。Nb,Hf,Taの原子半径は1.9Å以上である(図8も参照)。一方、ニッケルシリサイド層の表面に第1金属層を設けなかった試料(試料6)は、ニッケルシリサイド層とTaN(窒化物金属層)の間に剥離が観察された。また、ニッケルシリサイド層の表面に第1金属層としてNiを設けた試料(試料7)は、NiとTaNの間に剥離が観察された。Niの原子半径は1.49Å(1.9Å未満)である。この結果は、ニッケルシリサイド膜の表面に原子半径が1.9Å以上の金属層(第1金属層)を設けることにより、シリサイド化に伴って生じる炭素が第1金属層に固溶し、ニッケルシリサイド層と第1金属層の界面に炭素が残存していないことを示している。
また、シリサイド化(熱処理)のタイミングは、ニッケル層の表面に第1金属層を作成する前(試料1)であっても、ニッケル層の表面に第1金属層を作成した後(試料5)であっても、シリサイド化に伴って生じる炭素は第1金属層に固溶されることが確認された。なお、試料1及び試料5の結果より、ニッケルシリサイド膜の表面をエッチング等を利用してクリーニングする(析出炭素の除去)工程は必須でないことが分かる。また、試料1及び試料4の結果より、第2金属層も必須でないことが分かる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:炭化珪素半導体層
4:ニッケルシリサイド層
6:第1金属層
8:窒化物金属層
10:第2金属層
12:電極
100:炭化珪素半導体装置
4:ニッケルシリサイド層
6:第1金属層
8:窒化物金属層
10:第2金属層
12:電極
100:炭化珪素半導体装置
Claims (5)
- 炭化珪素半導体装置であり、
炭化珪素半導体層と、
前記炭化珪素半導体層の表面に設けられているニッケルシリサイド層と、
前記ニッケルシリサイド層の表面に設けられており、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第1金属を主体とする第1金属層と、
前記第1金属層の表面に設けられている窒化物金属層と、
前記窒化物金属層と前記第1金属層と前記ニッケルシリサイド層を介して前記炭化珪素半導体層に接合される電極と、
を備えている炭化珪素半導体装置。 - 前記第1金属は、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルから選択される金属である請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
- 前記窒化物金属層と前記電極の間に設けられており、前記窒化物金属層と前記電極の双方に接しており、イオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第2金属を主体とする第2金属層が設けられている請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
- 前記第2金属は、スカンジウム、チタン、バナジウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタルから選択される金属である請求項3に記載の炭化珪素半導体装置。
- 炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
炭化珪素半導体層の表面にニッケル層を形成する工程と、
前記炭化珪素半導体層を熱処理する工程と、
熱処理後の前記炭化珪素半導体層の表面に、原子半径が1.9Å以上であるとともにイオン化ポテンシャルが160kcal/mol以下の第1金属を主体とする第1金属層を形成する工程と、
前記第1金属層の表面に窒化物金属層を形成する工程と、
前記窒化物金属層と前記第1金属層と前記ニッケル層を介して前記炭化珪素半導体層に電極を接合する工程と、
を備える製造方法。
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