JP2006321358A - シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 - Google Patents

シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両に搭載されるシートベルトリトラクタにおいて、シートベルトの格納操作を電動モータを用いて確実に行うのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 車両に搭載されるシートベルト装置100のシートベルトリトラクタ1において、シートベルト3に対応する車両ドア90が閉止状態から開放状態となったことき、動力伝達モードに切り換えてスプールによるシートベルト巻き取り動作を行うとともに、このシートベルト巻き取り動作後に動力伝達許容モードに切り換えて、スプールと動力伝達機構との物理的な接続状態を維持する制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に関するものである。
従来、車両乗員を拘束するシートベルト(ウェビング)によって当該車両乗員の保護を図る構成のシートベルト装置が知られている。例えば、下記特許文献1には、シートベルト装置において、電動モータによってスプール(巻き取り軸)を回転駆動させてシートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うシートベルトリトラクタの構成が開示されている。
特表2003−507252号公報
特許文献1に記載の技術では、シートベルトリトラクタの構造として、スプールによるシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を、電動モータによって行う可能性が提示されているが、電動モータを用いてシートベルトの格納操作を行うこの種の装置の設計に際しては、シートベルトを格納すべきときに格納されずにシートベルト巻き出しのままの状態が継続されるような状況の発生を確実に防止する要請がある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両に搭載されるシートベルトリトラクタにおいて、シートベルトの格納操作を電動モータを用いて確実に行うのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。本発明は、典型的には自動車の車両に搭載されるシートベルトリトラクタに適用することができるが、自動車以外の車両、例えば飛行機、船舶、電車等に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に対し本発明を応用し得る。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項1に記載のこのシートベルトリトラクタは、スプール、電動モータ、動力伝達機構、制御手段を少なくとも備える。
本発明のスプールは、シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行う部材として構成される。このスプールに対し巻き取り及び巻き出しされるシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員を、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束することによって当該車両乗員の保護が図られる。
本発明の動力伝達機構は、電動モータとスプールとの間に介在して、これら電動モータとスプールとが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する機構として構成される。この動力伝達機構は、ギア部材等を組み合わせて形成されるいわゆる「クラッチ」とも称呼される。
この動力伝達機構の接続状態は、スプールが動力伝達機構と物理的に接続され、電動モータの動力を動力伝達機構を介してスプールに伝達可能な状態である。従って、この接続状態において電動モータが駆動されることによって、当該電動モータの動力が動力伝達機構を介してスプールに伝達される。また、この接続状態において電動モータが駆動停止されている場合には、当該電動モータの動力がスプールに伝達されることはないが、スプールと物理的な接続状態にある動力伝達機構によって、スプールに対し高い巻き出し抵抗が付与されるため、スプールからのシートベルトの巻き出し(引き出し)が規制された状態が形成される。具体的にはスプールからシートベルトを巻き出し(引き出し)にくい状況、或いは巻き出し(引き出し)が不能とされた状況が形成される。
これに対し、動力伝達機構の接続解除状態においては、電動モータの駆動及び駆動停止に関わらず、スプールとの物理的な接続状態が解除された動力伝達機構からスプールに対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、スプールからシートベルトを容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。
本発明の制御手段は、少なくとも動力伝達モード、動力伝達許容モード、動力伝達遮断モードに切り換えるべく、電動モータ及び動力伝達機構を制御する手段として構成される。
動力伝達モードでは、電動モータが駆動され動力伝達機構が接続状態とされる。従って、この動力伝達モードに制御されることによって、電動モータの動力が動力伝達機構を介してスプールに伝達されて、シートベルトの巻き取り(格納)動作が遂行されることとなる。
また、動力伝達許容モードでは、電動モータが駆動停止され動力伝達機構が接続状態とされる。この動力伝達許容モードに制御されると、上述のようにスプールと物理的な接続状態にある動力伝達機構によって、スプールに対し高い巻き出し抵抗が付与されて、スプールからのシートベルトの巻き出し(引き出し)が規制された状態となる。
また、動力伝達遮断モードでは、動力伝達機構が接続解除状態とされる。この動力伝達遮断モードに制御されると、上述のように電動モータの駆動及び駆動停止に関わらず、スプールとの物理的な接続状態が解除された動力伝達機構からスプールに対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、シートベルトを容易に巻き出す(引き出す)ことが可能な状況となる。
なお、この制御手段は、典型的にはCPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成される。この制御手段は、シートベルトリトラクタに専用に設けられてもよいし、或いは車両の駆動系や電装系を制御するその他の制御手段によって兼用化されてもよい。
本発明の制御手段は、特に、シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態から開放状態となったとき、すなわち車両乗員の乗降時において、動力伝達モードに切り換えてスプールによるシートベルト巻き取り動作(シートベルト格納動作)を行う構成とされる。これにより、電動モータを用いたシートベルト格納動作が行われることとなる。なお、このシートベルト格納動作に際しては、シートベルトがスプールから引き出された引き出し状態であってもよいし、或いはシートベルトが既に格納状態までスプールに巻き取られた状態であってもよい。
また、本発明の制御手段は、このシートベルト巻き取り動作後に、引き続き動力伝達許容モードに切り換えて動力伝達機構の接続状態を維持する制御を行う構成とされる。これにより、動力伝達機構によりスプールに対し高い巻き出し抵抗が付与された状態が維持されることとなり、スプールからのシートベルトの巻き出し(引き出し)が規制された状態が形成される。なお、車両ドアが閉止状態から開放状態となったか否かの検出は、各車両ドアに対し設置される車両ドア開閉センサを用いて行うことができる。この車両ドア開閉センサを含めて、本発明のシートベルトリトラクタ或いはシートベルト装置とすることもできる。
ここで、例えば車両ドアの開閉やシートベルトバックル操作のみをトリガとしてシートベルト格納操作を行う従来構成においては、車両ドアの開放状態で、車両乗員がシートベルトを装着しようとしてシートベルト引き出し操作を開始したが、そのとき用事を思い出してシートベルトバックル操作を行うことなくシートベルト引き出し操作を中断して降車しようとした際に、シートベルト引き出しのままの状況が発生して当該シートベルトが車両ドアに挟み込まれることが想定される。そこで、本発明では、このような不具合を解消するべく、車両ドアが閉止状態から開放状態となったときには、シートベルト巻き取り動作(シートベルト格納動作)を行ったのちにスプールからのシートベルトの巻き出し(引き出し)が規制された状態、具体的にはシートベルトが巻き出し(引き出し)にくい状況、或いは巻き出し(引き出し)が不能とされた状況を形成させるようにしている。これにより、シートベルトが引き出されたまま、モータ起動のトリガの目処がないような状態が形成される上記想定自体が発生するのを根本から防止することができ、シートベルトの格納操作を電動モータを用いて確実に行うことが可能とされる。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項2に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に動力伝達許容モードに切り換えたとき、車両ドアが開放状態から閉止状態となったことを条件として当該動力伝達許容モードから動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行う構成とされる。すなわち、シートベルト巻き取り動作(シートベルト格納動作)を行ったのちに、開放状態の車両ドアが再び閉止状態となったときには、動力伝達遮断モードとされ、シートベルトを容易に巻き出すことが可能となる。
このような制御によれば、車両ドアが開放状態のときには、シートベルトの引き出し操作自体を規制することで、シートベルトが引き出されたままとなるのを防止することができる一方、その後に車両ドアが閉止状態されて車両乗員がシートベルトを装着しようとするときには、シートベルトの引き出し操作を許容することで、車両乗員によるシートベルト装着操作が円滑化される。従って、このような制御は、例えば車両乗員が車両ドアの開放状態でシートベルト引き出し操作を途中で中断し降車したのち再び乗車し、車両ドアを閉止状態としてシートベルトを装着するような想定おいて特に有効あり、車両乗員の一連の行動パターンを想定した合理的な制御となる。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項3に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に動力伝達許容モードに切り換えたとき、予め設定された規定時間が経過したことを条件として当該動力伝達許容モードから動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行う構成とされる。
このような制御によれば、車両ドアが開放状態のときには、シートベルトの引き出し操作自体を規制することで、シートベルトが引き出されたままとなるのを防止することができる一方、その後に車両乗員が乗車してシートベルトを装着しようとするときには、規定時間経過後には車両ドアの開閉状況に関わらずシートベルトの引き出し操作を許容することで、車両乗員によるシートベルト装着操作が円滑化される。従って、このような制御は、例えば車両乗員が車両ドアの開放状態でシートベルト引き出し操作を途中で中断し降車したのち、車両ドアの開放状態のまま暫くして乗車してシートベルトを装着するような想定おいて特に有効であり、車両乗員の一連の行動パターンを想定した合理的な制御となる。
なお、本発明では、動力伝達許容モードから動力伝達遮断モードへと切り換えるタイミングの基礎となる経過時間のカウント開始時期は、車両ドアが開放状態とされて以降であれば、任意の時期に設定することができる。具体的には、シートベルト巻き取り動作が開始された時期、シートベルト巻き取り動作が終了した時期、降車前に車両ドアが開放状態となった時期などに、経過時間のカウントを開始するように設定することができる。そして、この経過時間のカウント開始時期に見合った長さの規定時間を予め想定し設定することができる。例えば、シートベルト巻き取り動作が開始された時期に経過時間のカウントを開始する設定では、「シートベルト巻き取り動作が開始されてからシートベルト巻き取り動作が終了するまでの時間」に「降車乗員が暫くして乗車するまでの時間」を加えた時間を予め想定し、当該時間に基づいて規定時間を設定することができる。また、シートベルト巻き取り動作が終了した時期に経過時間のカウントを開始する設定では、「降車乗員が暫くして乗車するまでの時間」を予め想定し、当該時間に基づいて規定時間を設定することができる。
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項4に記載のこのシートベルト装置は、シートベルト、スプール、電動モータ、動力伝達機構、制御手段を少なくとも備える。シートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員を、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束することによって当該車両乗員の保護が図られる。本発明のスプール、電動モータ、動力伝達機構、制御手段は、請求項1に記載のシートベルトリトラクタの構成要素であるスプール、電動モータ、動力伝達機構、制御手段と実質的に同様の構成を有する。
従って、本発明によれば、シートベルトの格納操作を電動モータを用いて確実に行うことが可能なシートベルト装置が提供されることとなる。
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項5に記載のこのシートベルト装置では、請求項4に記載の制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に動力伝達許容モードに切り換えたとき、車両ドアが開放状態から閉止状態となったことを条件として当該動力伝達許容モードから動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行う構成とされる。
このような制御によれば、車両ドアが開放状態のときには、シートベルトの引き出し操作自体を規制することで、シートベルトが引き出されたままとなるのを防止することができる一方、その後に車両ドアが閉止状態されて車両乗員がシートベルトを装着しようとするときには、シートベルトの引き出し操作を許容することで、車両乗員によるシートベルト装着操作が円滑化される。従って、このような制御は、例えば車両乗員が車両ドアの開放状態でシートベルト引き出し操作を途中で中断し降車したのち再び乗車し、車両ドアを閉止状態としてシートベルトを装着するような想定おいて特に有効あり、車両乗員の一連の行動パターンを想定した合理的な制御となる。
(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項6に記載のこのシートベルト装置では、請求項4に記載の制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に動力伝達許容モードに切り換えたとき、予め設定された規定時間が経過したことを条件として当該動力伝達許容モードから動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行う構成とされる。
このような制御によれば、車両ドアが開放状態のときには、シートベルトの引き出し操作自体を規制することで、シートベルトが引き出されたままとなるのを防止することができる一方、その後に車両乗員が乗車してシートベルトを装着しようとするときには、規定時間経過後には車両ドアの開閉状況に関わらずシートベルトの引き出し操作を許容することで、車両乗員によるシートベルト装着操作が円滑化される。従って、このような制御は、例えば車両乗員が車両ドアの開放状態でシートベルト引き出し操作を途中で中断し降車したのち、車両ドアの開放状態のまま暫くして乗車してシートベルトを装着するような想定おいて特に有効であり、車両乗員の一連の行動パターンを想定した合理的な制御となる。
(本発明の第7発明)
前記課題を解決する本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりのシートベルト装置付車両である。
請求項7に記載のこのシートベルト装置付車両は、請求項4〜請求項6のいずれかに記載のシートベルト装置と、シートベルトに対応する車両ドアと、車両ドアの開閉に関する情報を検出する検出センサとを少なくとも備える。本発明の車両では、当該シートベルト装置が、車両内の収容空間、例えばピラー内の収容空間、シート内の収容空間、あるいは車両内のその他の部位の収容空間に収容された構成の車両である。検出センサとしては、例えば車両ドア側の第1接点と、車体ピラー側の第2接点とが接触することで車両ドアの閉止状態を検出可能な接触式センサを用いることができる。
このような構成によれば、電動モータを用いてシートベルトの格納操作に関する確実性を向上させたシートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成の車両が提供される。
以上のように、本発明によれば、特にシートベルトリトラクタの構造に関し、シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態から開放状態となったことき、動力伝達モードに切り換えてスプールによるシートベルト巻き取り動作を行うとともに、このシートベルト巻き取り動作後に動力伝達許容モードに切り換えて、スプールと動力伝達機構との物理的な接続状態を維持する制御を行うことによって、シートベルト格納操作に関する確実性向上を図るのに有効な技術が提供されることとなった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜図4を参照しながら、本発明の一実施の形態を説明する。
ここで、図1は、本発明にかかる「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を示す図である。また、図2は、図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。また、図3は、本発明にかかる「シートベルトリトラクタ」の一実施の形態であるシートベルトリトラクタ1の分解斜視図を示す。また、図4は、図3に示す例のシートベルトリトラクタをリテーナカバーを外した状態で示し、図中(a)は斜視図、図中(b)は左側面図である。なお、以下の説明において、特に断らない限り、「左」、「右」は説明に使用する図において「左」、「右」であり、また、「時計回り」、「反時計回り」は説明に使用する図において「時計回り」、「反時計回り」である。
図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、本発明の「シートベルト装置付車両」である自動車車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ1、シートベルト3、ECU68等を主体に構成されている。また、車両には、当該車両の衝突予知や衝突発生に関する情報、当該車両の運転状態に関する情報、シートに着座している車両乗員の着座位置や体格に関する情報、周辺の交通状況に関する情報、天候や時間帯に関する情報などの各種の情報を検出して、その検出情報をECU68に対し入力する入力要素70が搭載されている。この入力要素70の検出情報が、常時又は所定時間毎にECU68に伝達され、シートベルト装置100などの動作制御に用いられる。また、車両に搭載された車両ドア開閉センサ91によって車両ドア90の開閉状態が検出されるようになっている。この車両ドア開閉センサ91が、本発明における「車両ドアの開閉に関する情報を検出する検出センサ」に対応している。この車両ドア開閉センサ91としては、例えば車両ドア側の第1接点と、車体ピラー側の第2接点とが接触することで車両ドアの閉止状態を検出可能な接触式センサを用いることができる。この車両ドア開閉センサ91によって検出された検出情報はECU68に伝達され、図9を用いて後述する「リトラクタ制御処理」において用いられる。
シートベルト3は、運転席である車両シート80に着座した車両乗員Cの拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルト(ウェビング)である。このシートベルト3が、本発明における「シートベルト」に対応している。このシートベルト3は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ1から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー60を経由し、トング(タング)62を通ってアウトアンカー64に連結されている。ショルダーガイドアンカー60は、車両乗員Cの乗員肩部領域においてシートベルト3を係止しガイド(誘導)する機能を有する。そして、車体に対し固定されたバックル66にトング(タング)62が挿入されることによって、当該シートベルト3が車両乗員Cに対し装着状態となる。なお、バックル66にはバックルスイッチ66aが内蔵されており、バックル66にトング(タング)62が挿入されシートベルトバックル操作がなされたこと(実質的にはシートベルト装着状態になったこと)が、このバックルスイッチ66aによって検出される。
シートベルトリトラクタ1は、後述するスプール4を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置であり、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。このリトラクタ1は、図1に示す例では、車両のBピラー82内の収容空間に装着されている。
ECU68は、入力要素70からの入力信号に基づいて、シートベルトリトラクタ1をはじめ、各種の動作機構に関する制御を行う機能を有し、CPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成されている。特に本実施の形態の説明では、このECU68が、シートベルトリトラクタ1の後述するモータ6に関する制御を行う。具体的には、ECU68が、モータ6の電磁コイルに供給される電流供給量や電流供給方向を制御することによって、モータシャフトの回転速度や回転方向が可変とされる。詳細については後述するが、このECU68は、モータ6の駆動制御を行うとともに、後述する動力伝達機構8及び動力伝達モード切換機構9を制御してスプール4にモータ6の動力が伝達される状態を切り換える手段として構成され、本発明における「制御手段」に対応している。このECU68によって、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達遮断モードと、低減速比動力伝達モードと、高速比動力伝達モードとに切り換え制御される。なお、このECU68は、シートベルトリトラクタ1に専用に設けられてもよいし、或いは車両の駆動系や電装系を制御するその他の制御手段によって兼用化されてもよい。
また、図2に示すように、シートベルトリトラクタ1には、スプール4の回転に関する情報を直接的に検出する検出センサ50が搭載されている。この検出センサ50は、スプール4の回転動作に関する回転動作情報を検出するセンサである。この検出センサ50によって検出された検出情報に基づいて、ECU68によるモータ6の制御が可能とされる。検出センサ50による検出情報として、スプール4の回転動作の有無、回転角度、回転方向、回転速度、回転量などを適宜用いることができる。この検出センサ50としてホールセンサ、ボリューム、フォトインタラプタなどのセンサ類を適宜用いることができる。
次に、本実施の形態のシートベルトリトラクタ1の詳細構成を説明する。
図3に示すように、この例のシートベルトリトラクタ1は、大きく分けてフレーム2と、必要時に乗員を拘束するシートベルト3と、このシートベルト3を巻き取るスプール4と、フレーム2の一側に配設され、衝突時等の所定減速度以上の大減速度時に作動してスプール4のベルト引出し方向αの回転を阻止するロック手段5と、スプール4に付与する回転トルクを発生するモータ6と、モータ6の回転を比較的高い減速比で減速してスプール4に伝達する高減速比減速機構7aとモータ6の回転を比較的低い減速比で減速してスプール4に伝達する低減速比減速機構7bとを有するとともに、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが設定されて、モータ6の回転トルクをこれらの第1動力伝達経路および第2動力伝達経路のいずれか一方を選択的に介してスプール4に伝達する動力伝達機構8と、動力伝達機構8を第1動力伝達経路と第2動力伝達経路のいずれか一方に選択的に切り換え設定する動力伝達モード切換機構9とからなっている。
これら動力伝達機構8及び動力伝達モード切換機構9は、モータ6とスプール4との間に介在して、これらモータ6とスプール4とが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する機構(いわゆる「クラッチ」と称呼される機構)を構成するものであり、本発明における「動力伝達機構」に対応している。この接続状態は、モータ6の動力をスプール4に伝達可能な状態であり、モータ6が駆動されることによって当該モータ6の動力がスプール4に伝達される。また、この接続状態においてモータ6が駆動停止されている場合には、スプール4に対し高い巻き出し抵抗が付与されるため、スプールからのシートベルトの巻き出し(引き出し)が規制された状態が形成される。これに対し、接続解除状態においては、スプール4に対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、スプール4からシートベルト3を容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。
フレーム2は、平行な一対の側壁2a,2bとこれらの側壁2a,2bを連結する背板2cとからなっている。このフレーム2内の両側壁2a,2b間には、シートベルト3を巻き取るためのスプール4が回転可能に配設されている。このスプール4は、シートベルトリトラクタ1において従来周知慣用のスプールを用いることができる。このスプール4は、シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行う部材として構成され、本発明における「スプール」に対応している。
一方の側壁2aには、ロック手段5が取り付けられている。このロック手段5もシートベルトリトラクタにおいて従来周知慣用のロック手段を用いることができる。すなわち、ロック手段5は、車両に加えられる所定減速度以上の大減速度をヴィークルセンサ(減速度感知センサ)が感知して作動したとき、あるいはシートベルト3の所定速度以上の引出し速度をウェビングセンサ(ベルト引出し速度感知センサ)が感知して作動したとき作動して、スプール4の引出し方向αの回転を阻止するようになっている。
なお、図示しないがスプール4とロック手段5との間には、ロック手段5の作動によりシートベルト3の引出しが阻止されたとき、シートベルト3の荷重を制限する従来周知慣用のフォースリミッタ機構(エネルギ吸収機構:以下、EA機構ともいう)が設けられている。このEA機構としては、例えば従来周知のトーションバーから構成することができ、ロック手段5の作動によりシートベルト3の引出しが阻止されたとき、このトーションバーがねじれ変形することで、シートベルト3の荷重が制限され、衝撃エネルギが吸収されるようになっている。
図3および図4(a)に示すように、モータ6は、フレーム2の他方の側壁2bに3個のねじ10により取り付けられているリテーナ11のフレーム2取付面側に、一対のねじ12により取り付けられる。このモータ6のモータ回転軸6aがリテーナ11の貫通孔11aを貫通しており、リテーナ11のフレーム2側と反対側に突出したモータ回転軸6aに外歯を有するモータギヤ13がモータ回転軸6aと一体回転可能に取り付けられている。このモータ6は、電動式のモータとして構成され、本発明における「電動モータ」に相当する。
図3に示すように、スプール4および前述のEA機構(例えば、トーションバー)の両方と減速機構7a,7bとの間には、これらを回転方向に連結するコネクタ14が設けられている。このコネクタ14は、スプール4およびEA機構の両方と回転方向に連結する第1回転連結部14aと、コネクタ側軸受け15と回転方向に連結する第2回転連結部14bと、スプライン状に形成されて減速機構7a,7bと回転方向に連結する第3回転連結部14cとから構成されている。
第1回転連結部14aは、図3に明瞭に示されていないが多角筒状に形成されており、その外面側がスプール4にこのスプール4と一体回転可能に連結されるとともに、その内面側がEA機構(例えば、トーションバー)にこのEA機構と一体回転可能に連結されるようになっている(なお、コネクタ14とスプール4およびEA機構との一体回転可能な連結構造は従来周知であるので、その具体的な説明は省略する)。
第2回転連結部14bの外周面が断面多角形状に形成されているとともに、コネクタ側軸受け15の内周面が同じ断面多角形状に形成されている。そして、コネクタ側軸受け15が第2回転連結部14bに嵌合することで、コネクタ側軸受け15はコネクタ14に相対回転不能に取り付けられる。このコネクタ側軸受け15が、リテーナ11の孔11bに相対回転不能に取り付けられるリテーナ側軸受け16に相対回転可能に支持されることにより、コネクタ14がリテーナ11に回転可能に支持されている。
第3回転連結部14cには、例えばスプライン溝のような軸方向に延びる所定数の係合溝が周方向に等間隔をおいて形成されている。
高減速比減速機構7aは、環状のキャリヤギヤ17と、このキャリヤギヤ17に回転可能に取り付けられる所定数(図示例では3個)のプラネットギヤ18と、円環状のリング部材19と、サンギヤ部材20とを備えている。
キャリヤギヤ17の内周面17aのコネクタ14側部分には、例えばスプライン溝のような軸方向に延びる所定数の係合溝が周方向に等間隔をおいて形成されている。この内周面17aの係合溝がコネクタ14の第3回転連結部14cの係合溝間の凸部に嵌合しかつ内周面17aの係合溝間の凸部がコネクタ14の第3回転連結部14cの係合溝に嵌合(スプライン嵌合と同様の嵌合)することで、キャリヤギヤ17がコネクタ14に相対回転不能に、つまりコネクタ14と一体回転可能に連結される。また、このキャリヤギヤ17の外周面には、外歯17bが形成されている。
プラネットギヤ18は減速プレート21を介して減速ピン22によりキャリヤギヤ17に回転可能に取り付けられる。
リング部材19は、内周面に形成されたインターナルギヤ19aと外周面に形成されたラチェット歯19bとを備えており、これらのインターナルギヤ19aとラチェット歯19bは互いに一体に回転するようになっている。
サンギヤ部材20は、図5(a)および(b)に示すように小径の外歯からなるサンギヤ20aと大径の外歯20bを備えており、これらのサンギヤ20aと外歯20bは互いに一体に回転するようになっている。
そして、キャリヤギヤ17に支持された各プラネットギヤ18がともにサンギヤ20aとインターナルギヤ19aとに常時噛合して、遊星機構が構成されている。これにより、減速機構7は、サンギヤ20a入力でキャリヤギヤ17出力の遊星歯車減速機構として構成される。
図3に示すように動力伝達機構8は、更に、コネクトギヤ23と、一対のクラッチスプリング24と、一対のプーリ25と、外歯を有する下側コネクトギヤ26と、外歯を有する上側コネクトギヤ27と、ガイドプレート28と、外歯を有するアイドルギヤ29とを備えている。
コネクトギヤ23は、リテーナ11に立設された回転軸11cに回転可能に支持され、大径の外歯からなる第1コネクトギヤ23aと小径の第2コネクトギヤ23bを備えており、これらの第1および第2コネクトギヤ23a,23bは互いに一体に回転するようになっている。その場合、図4(a)および(b)に示すように大径の第1コネクトギヤ23aはモータギヤ13に常時噛合されている。
図3に示すように、下側コネクトギヤ26の両側面には回転軸26aがそれぞれ突設されており(図3には、一方の回転軸26aのみ図示)、これらの回転軸26aを軸方向に貫通する貫通孔26bが穿設されている。各回転軸26aには平坦部が形成されているとともに、各プーリ25の長孔25aが平坦部の平面に沿うようにして嵌合されている。これにより、各プーリ25がともに下側コネクトギヤ26の両側面に下側コネクトギヤ26と一体回転可能に支持されている。各プーリ25には、それぞれクラッチスプリング24が第1湾曲係止部24aが係止されている。更に、下側コネクトギヤ26の一側の回転軸26aには上側コネクトギヤ27が下側コネクトギヤ26と一体回転可能に支持されている。そして、各プーリ25、下側コネクトギヤ26および上側コネクトギヤ27がリテーナ11に立設された回転軸11dに回転可能に支持される。
ガイドプレート28は、その一対の孔28aがリテーナ11に立設された一対の支持軸11eにそれぞれ嵌合支持された状態で、一対のねじ30をガイドプレート28の対応するねじ孔28bを貫通させかつリテーナ11に穿設された一対のねじ孔11fに螺合することで、リテーナ11に取り付けられている。このガイドプレート28に立設された回転軸28cに、アイドルギヤ29が回転可能に支持されている。
図4(a)および(b)に示すように、このアイドルギヤ29は、サンギヤ部材20の外歯20b、コネクトギヤ23の小径の第2コネクトギヤ23bおよび上側コネクトギヤ27のいずれにも常時噛合されている。
そして、低減速比減速機構7bは、上側コネクトギヤ27と、下側コネクトギヤ26と、クラッチギヤ31およびキャリヤギヤ17とを備えている。
したがって、アイドルギヤ29に伝達されたモータ6の回転トルクは、アイドルギヤ29から低減速比減速機構7bを介してスプール4に伝達されるか、あるいはアイドルギヤ29から高減速比減速機構7aを介してスプール4に伝達されるようになる。
図3に示すように、動力伝達モード切換機構9は、外歯を有するクラッチギヤ31と、回転軸32と、クラッチアーム33と、クラッチパウル34と、抵抗スプリング35と、スプリングストッパ36とを備えている。
図7に示すようにクラッチギヤ31は、このクラッチギヤ31より大径のキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合可能とされているとともに、図示しないが下側コネクトギヤ26に常時噛合されている。回転軸32は、クラッチギヤ31の中心孔31aを貫通してこのクラッチギヤ31を回転可能に支持している。
クラッチアーム33は両側壁33a,33bと底部(不図示)とからなる断面コ字状に形成されている。両側壁33a,33bの一端側は底部が突出しており、これらの突出部に直線状の支持溝33cが形成されている。そして、両側壁33a,33bの両突出部の間にクラッチギヤ31が配置され、クラッチギヤ31の両側面から突出する回転軸32がそれぞれ対応する支持溝33cにこれらの支持溝33cに沿って移動可能に支持されている。更に、回転軸32の両側壁33a,33bから突出する突出部分に各クラッチスプリング24の第2湾曲係止部24bが係止されている。更に、回転軸32の一端側は、リテーナ11に穿設されたガイド孔11gに嵌合支持されている。このガイド孔11gは、回転軸11dを中心とした円の円弧として形成されている。したがって、回転軸32はガイド孔11gにガイドされて、回転軸11dを中心とした円の円周に沿って移動可能となっている。
また、両側壁33a,33bの他端側には、それぞれ長孔33dが穿設されているとともにほぼ円弧状の係合部33eが突設されている。更に、両側壁33a,33bの長手方向中央部には、それぞれ支持孔33fが穿設されている。クラッチアーム33は、これらの支持孔33fがリテーナ11に立設された支持軸11hに嵌合されて回動可能に支持され、Eリング37を支持軸11hに組み付けることで抜け止めされている。
クラッチパウル34は、一端側に支持孔34aが穿設されているとともに、他端側に係止爪34bが形成されている。また、クラッチパウル34の他端側つまり係止爪34b側には、係合ピン34cが立設されている。係合ピン34cはクラッチアーム33の長孔33dに嵌合されていて、クラッチアーム33に対して相対回動可能にかつ長孔33dに沿って相対移動可能とされている。図6に示すように、クラッチパウル34は、パウルピン38を支持孔34aに貫通させかつリテーナ11のピン孔11iに挿入係止させることで、リテーナ11に回動可能に取り付けられる。そして、図8に示すように係止爪34bがリング部材19の時計回り(スプール4のベルト引出し方向αに対応)の回転に対してラチェット歯19bに係止可能となっており、係止爪34bがラチェット歯19bに係止したときは、リング部材19の時計回りの回転が阻止される。
抵抗スプリング35は帯状の板ばねから構成されており、下端部がL字状に形成された支持部35aとされているとともに、長手方向中央より上方位置にコ字状の凹部35bが形成されている。この凹部35bより下方の支持部35aまでが平面とされているとともに、凹部35bより上端までが湾曲面とされている。
この凹部35bには、クラッチアーム33の係合部33eが係脱可能とされている。図6に示すように、この係合部33eが凹部35bに係合した状態では、支持溝33cの延設方向がガイド孔11gの円弧の接線方向となり、回転軸32がガイド孔11gから支持溝33cへおよび逆の支持溝33cからガイド孔11gへ移動可能となっている。
スプリングストッパ36はL字状に形成されており、このスプリングストッパ36とリテーナ11に形成されたスプリング取付部11jとの間に支持部35aが挟持されることで、抵抗スプリング35がリテーナ11に上端を自由端とした片持ち支持で取り付けられている。
前述の減速機構7、動力伝達機構8および動力伝達モード切換機構9の各構成要素が、リテーナ11のフレーム2取付側と反対側の面に形成された凹部内に組み付けられた状態で、この面にリテーナカバー39が所定数(図示例では4個)のねじ40で取り付けられて、これらの構成要素がカバーされる。
このように構成された動力伝達機構8および動力伝達モード切換機構9は、ECU68によって次の3つのモードに切り換え制御される。これら3つのモードを図6〜図8を参照しながら説明する。ここで、図6は、図3に示す例のシートベルトリトラクタにおける動力伝達遮断モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。また、図7は、図3に示す例のシートベルトリトラクタにおける低減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。また、図8は、図3に示す例のシートベルトリトラクタにおける高減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。
(1)動力伝達遮断モード(フリーモード)
図6に示すように、動力伝達遮断モードでは動力伝達モード切換機構9におけるクラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bに係合した状態にされる。また、係合部33eが凹部35bに係合した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに係合されなく、リング部材19は回転自由となっている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との間のトルク伝達経路(後述するように、低速かつ高トルク伝達経路)は遮断される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの右端に当接してクラッチギヤ31は最右位置に設定される。この最右位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bから離れている。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間のトルク伝達経路(後述するように、高速かつ低トルク伝達経路)が遮断される。
したがって、動力伝達遮断モードはスプール4とモータ6が接続されず、モータ6の回転トルクがスプール4へ伝達されない、かつ、スプール4の回転トルクもモータ6へ伝達されない動力伝達モードである。すなわち、この動力伝達遮断モードは、スプール4と動力伝達機構8との物理的な接続状態(本発明における「動力伝達機構の接続状態」に対応)が解除された接続解除状態(本発明における「動力伝達機構の接続解除状態」に対応)として規定される。この状態では、スプール4が動力伝達機構8側(モータ6側)から完全に切り離されることで動力伝達機構8によりスプール4に対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、スプール4の回転動作が容易とされるため、モータ6の駆動及び駆動停止に関わらず、当該スプール4に巻き取られているシートベルト3の引き出し操作(巻き出し操作)が容易となる。この動力伝達遮断モードが、本発明における「動力伝達遮断モード」に相当する。
(2)低減速比動力伝達モード
図7に示すように、低減速比動力伝達モードでは、動力伝達遮断モードと同様にクラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bに係合した状態にされる。また、係合部33eが凹部35bに係合した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに係合されなく、リング部材19は回転自由となっている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路は遮断される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの中央の最高位置(スプール4の回転軸に最も接近した位置)に設定され、クラッチギヤ31も最高位置(スプール4の回転軸に最も接近した位置)に設定される。この最高位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間の高速かつ低トルク伝達経路が接続される。すなわち、モータ6は、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29、上側コネクトギヤ27、下側コネクトギヤ26、クラッチギヤ31、キャリヤギヤ17およびコネクタ14を介してスプール4に接続されている。したがって、低減速比の動力伝達経路が設定される。また、回転軸32の最高位置では、回転軸32はクラッチアーム33の支持溝33c内に進入してクラッチアーム33に当接して
いる。
このように、この低減速比動力伝達モードは低減速比で、高速かつ低トルク伝達経路が設定される動力伝達モードである。この低減速比動力伝達モードでは、モータ6の駆動により迅速なベルト巻取りが可能となる。この低減速比動力伝達モード及び後述の高減速比動力伝達モードは、いずれもスプール4と動力伝達機構8とが物理的に接続され、モータ6の動力を動力伝達機構8を介してスプール4に伝達可能な接続状態として規定される。
特に、モータ6が駆動され動力伝達機構8が低減速比動力伝達モード或いは後述の高減速比動力伝達モードに設定されている状態は、モータ6の動力が動力伝達機構8を介してスプール4に伝達される状態であり、本発明における「動力伝達モード」に相当する。また、モータ6が駆動停止され動力伝達機構8が低減速比動力伝達モード或いは後述の高減速比動力伝達モードに設定されている状態は、スプール4と物理的な接続状態にある動力伝達機構8によって、スプール4に対し高い巻き出し抵抗が付与され、スプール4からシートベルト3を巻き出し(引き出し)にくい状況、或いは巻き出し(引き出し)が不能とされた状況が形成される状態であり、本発明における「動力伝達許容モード」に相当する。
(3)高減速比動力伝達モード
図8に示すように、高減速比動力伝達モードでは、クラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bから脱出し、抵抗スプリング35の凹部35bより上方の湾曲部に位置した状態にされる。また、このように係合部33eが凹部35bから脱出した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに時計回りに係合し、リング部材19は時計回りの回転が阻止されている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路が接続される。すなわち、モータ6は、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29、サンギヤ部材20の外歯20b、サンギヤ20a、プラネットギヤ18、キャリヤギヤ17およびコネクタ14を介してスプール4に接続されている。したがって、遊星機構により高減速比の動力伝達経路が設定される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの左端に当接してクラッチギヤ31は最左位置に設定される。この最左位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bから離れている。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間の高速かつ低トルク伝達経路が遮断される。
このように、この高減速比動力伝達モードは高減速比で、低速かつ高トルク伝達経路が設定される動力伝達モードである。この高減速比動力伝達モードでは、モータ6の駆動により高ベルト張力でのベルト巻取りが行われる。
これらの動力伝達遮断モード、低減速比動力伝達モード、高減速比動力伝達モード間の動力伝達モード切換は、動力伝達モード切換機構9によって行われる。例えば、以下に示す3つの態様にしたがって各モードの切り換えが遂行される。
(1)動力伝達遮断モード→低減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換
図6に示す動力伝達遮断モードの状態から、モータ6が正回転(図6においてモータ回転軸6aが時計回り:スプール4のベルト巻取り方向(図3中の方向β)の回転に対応)すると、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29および上側クラッチギヤ27を介して下側コネクトギヤ26とプーリ25とがそれぞれスプール4のベルト巻取り方向βに対応した方向に回転する。すると、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合していないので空転するとともに、回転軸32が抵抗を受けないのでクラッチスプリング24がプーリ25と同方向に回動する。これにより、クラッチギヤ31および回転軸32がガイド孔11gに沿って左方に移動し、図7に示すように回転軸32がクラッチアーム33に当接する。
この回転軸32がクラッチアーム33に当接した位置では、図7に示すようにクラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置に設定されて、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。これにより、クラッチギヤ31の回転がキャリヤギヤ17に伝達され、キャリヤギヤ17が回転する。このとき、シートベルト3にスラックがあると、このキャリヤギヤ17の回転でシートベルト3がスプール4に巻き取られる。このスラックが除去されると、スプール4が回転しなくなるので、キャリヤギヤ17も回転しなくなる。このため、クラッチギヤ31もキャリヤギヤ17から抵抗を受けて回転しなくなる。
しかし、モータ6の回転トルクにより下側コネクトギヤ26が回転しようとするので、下側コネクトギヤ26の回転トルクにより、回転軸32に前述の最左位置方向に向かう力が加えられる。このとき、回転軸32がクラッチアーム33に当接しているので、この力により回転軸32がクラッチアーム33を押圧する。しかし、このときシートベルト3の張力が所定値以下であるので、回転軸32の押圧力によるクラッチアーム33を時計回りに回転させようとするモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより小さい。したがって、係合部33eが凹部35bから脱出しなく、クラッチアーム33は回動しなく、回転軸32がこのクラッチアーム33に当接した位置に停止する。
この回転軸32の停止により、クラッチギヤ31および回転軸32が図7に示す前述の最高位置に保持される。クラッチギヤ31が最高位置に保持されることで、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17の外歯17bとの噛合が保持され、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との高速かつ低トルク伝達経路の接続が保持される。また、クラッチアーム33が回動しないので、クラッチパウル34も回動しなく、係止爪34bはラチェット歯19bに係合しない位置に保持される。これにより、リング部材19が自由となり、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路の遮断が保持される。
こうして、動力伝達機構8の動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は低減速比動力伝達モードに設定される。
(2)低減速比動力伝達モード→高減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換
高減速比動力伝達モードはモータ6の比較的高い回転トルクにより設定される。その場合、高減速比動力伝達モードは、動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードを介して設定される。
動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換は前述と同じである。しかし、高減速比動力伝達モードの設定ではシートベルト3の張力が所定値より大きいので、図7に示す低減速比動力伝達モードの状態で、回転軸32の押圧力によりクラッチアーム33に加えられるモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより大きくなる。このため、係合部33eが凹部35bから脱出可能となる。
したがって、クラッチスプリング24が反時計回りに更に回動すると、回転軸32がクラッチアーム33をその支持軸11hを中心に時計回りに回動させながら、ガイド孔11gに沿って左方へ移動する。これにより、クラッチギヤ31も更に左方へ移動する。回転軸32がガイド孔11gの左端に当接すると、それ以上の移動が阻止され、クラッチギヤ31、回転軸32およびクラッチスプリング24が停止する。これにより、図8に示すようにクラッチギヤ31および回転軸32は前述の最左位置に設定される。この最左位置では、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bから外れ、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との高速かつ低トルク伝達経路は遮断される。
一方、クラッチアーム33の回動に連動して、クラッチパウル34がクラッチパウルピン38を中心に反時計回りに回動し、図8に示すようにその係止爪34bがラチェット歯19bに係止可能な位置に設定される。このとき、モータ6の回転トルクでサンギヤ部材20が回転してリング部材19も時計回りに回転しているので、ラチェット歯19bが係止爪34bに係止する。これにより、リング部材19の回転が停止し、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路が接続される。
こうして、動力伝達機構8の低減速比動力伝達モードから高減速比動力伝達モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は高減速比動力伝達モードに設定される。
(3)高減速比動力伝達モード→(低減速比動力伝達モード)→動力伝達遮断モードの動力伝達モード切換
図8に示す高減速比動力伝達モードの状態で、モータ6が逆回転(図6においてモータ回転軸6aが反時計回り:スプール4のベルト引出し方向(図3中の方向α)の回転に対応)すると、下側コネクトギヤ26およびプーリ25も前述と逆回転する。すると、クラッチスプリング24も同様に前述と逆方向に回動するので、クラッチギヤ31および回転軸32がクラッチアーム33を反時計回りに回動させながらガイド孔11gに沿って右方へ移動する。
クラッチアーム33の反時計回りの回動に連動してクラッチパウル34が時計回りに回動するので、クラッチパウル34はラチェット歯19bと係合しない非係合位置となる。これにより、リング部材19が回転自由になり、低速かつ高トルク伝達経路が遮断される。
クラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置になったとき、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合して一時的に図7に示す低減速比動力伝達モードとなるが、クラッチギヤ31および回転軸32の右方への移動が継続しているので、すぐにクラッチギヤ31は外歯17bから外れ、空転する。これにより、高速かつ低トルク伝達経路は一時的接続されるがすぐに遮断される。なお、高速かつ低トルク伝達経路が一時的接続されたとき、モータ6が逆回転しているので、スプール4はベルト引出し方向αに一時的に回転するが、すぐに停止する。
回転軸32がガイド孔11gの右端に当接すると、それ以上の移動が阻止され、クラッチギヤ31、回転軸32およびクラッチスプリング24が停止する。これにより、クラッチギヤ31および回転軸32は前述の図6に示す最右位置に設定される。
こうして、動力伝達機構8の高減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は動力伝達遮断モードに設定される。
このように本実施の形態において、動力伝達機構8の設定はモータ6の回転制御によって切り換る。
具体的には、低減速比動力伝達モードに関しては、モータ6が正回転方向に回転制御されることによって動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードへと切り換り当該低減速比動力伝達モードが継続される一方、モータ6が逆回転方向に回転制御されることによって低減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへと切り換り当該低減速比動力伝達モードが解除される。
また、高減速比動力伝達モードに関しては、モータ6が逆回転方向に制御されることによって低減速比動力伝達モードから高減速比動力伝達モードへと切り換り当該高減速比動力伝達モードが継続される一方、モータ6が正回転方向に制御されることによって高減速比動力伝達モードから低減速比動力伝達モードへと切り換り当該高減速比動力伝達モードが解除される。
更に、この例のシートベルトリトラクタ1は、シートベルト3の次の7つのベルトモードが設定されている。
(1)ベルト格納モード
ベルト格納モードは、シートベルト3が使用されずスプール4に完全に巻き取られている状態のベルトモードである。このベルト格納モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ6が駆動されず、かつ動力伝達機構8が動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じているだけであり(ごく弱いベルト張力が生じていることについては、後述の格納用ベルト巻取りモードで説明)、また消費電力がゼロである。
(2)ベルト引出しモード
ベルト引出しモードは、シートベルト3を装着するためにスプール4から引き出す状態のベルトモードである。同様にこのベルト引出しモードでも、シートベルトリトラクタ1は動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3を弱い力で引き出すことが可能となっている。このときにも、モータ6が駆動されず、消費電力がゼロである。
(3)フィッティング用ベルト巻取りモード
フィッティング用ベルト巻取りモードは、シートベルト3を引き出してトング(図1中のトング(タング)62)をバックルに挿入係合してバックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ66a)がONした後、シートベルト3を乗員にフィットさせるために、余分に引き出されたシートベルト3を巻き取る状態、およびシートベルト3の通常装着状態(このとき、バックルスイッチはON状態となっている)で、乗員が動いてシートベルト3が所定量引き出された後、乗員が再び正規位置に着座したとき、引き出されたシートベルト3を巻き取る状態のベルトモードである。このフィッティング用ベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ6がベルト巻取り方向に駆動され、かつ動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定される。したがって、シートベルト3は低トルクで迅速に巻き取られ、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときモータ6が停止することで、シートベルト3は乗員にフィットした状態で装着される。
(4)通常装着モード(コンフォートモード)
通常装着モード(コンフォートモード)は、フィッティング用ベルト巻取りモード終了後に設定される、シートベルト3の通常装着状態のベルトモードである。この通常装着モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ6が駆動されず、かつ動力伝達機構8が動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じているだけであるので、乗員はシートベルト3が装着されても圧迫感を抱くことはない。また、消費電力がゼロである。
(5)警報モード
警報モードは、通常装着モードで車両走行中にドライバの居眠りや車輌進行方向前方の障害物を検知して、シートベルト3の巻取りを所定回数繰り返すことで、ドライバに警報を発する状態のベルトモードである。この警報モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ6が繰り返し駆動されるように設定される。
したがって、シートベルト3に比較的強いベルト張力(後述する緊急モードのベルト張力より弱い)とごく弱いベルト張力とが乗員に繰り返し加えられるので、ドライバは居眠りや車輌進行方向前方の障害物に対して注意を促される。
(6)緊急モード
警報モードは、通常装着モードで車両走行中に車輌が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い場合に設定されるベルトモードであり、次の2つの段階からなる。
(i)初期段階
緊急モードの初期段階では、シートベルトリトラクタ1は、モータ6が比較的高い回転トルクで正回転される。すると、動力伝達遮断モードからクラッチスプリング24が回動して、クラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置に移動し、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。この時点では、シートベルト3のスラックが除去されかつシートベルト3の張力が所定値以下であるので、キャリヤギヤ17からのクラッチギヤ31への抵抗が比較的小さい。このため、モータ6の回転トルクが比較的高くても、回転軸32はクラッチアーム33を回動させないので、動力伝達機構8は低減速比動力伝達モードに設定される。したがって、クラッチギヤ31の回転がキャリヤギヤ17に伝達されてキャリヤギヤ17が回転し、シートベルト3は低トルクで迅速に巻き取ら
れて、シートベルト3のスラックが迅速に除去される。
(ii)後期段階
前述の初期段階においてシートベルト3のスラックが除去されると、この初期段階に続いて緊急モードの後期段階となる。この後期段階では、シートベルト3の張力が所定値より大きくなるのに伴い、キャリヤギヤ17からのクラッチギヤ31への抵抗が比較的大きくなるのでキャリヤギヤ17およびクラッチギヤ31が回転しなくなる。しかし、モータ6の回転トルクにより下側コネクトギヤ26が回転しようとするので、下側コネクトギヤ26の回転トルクにより、回転軸32に前述の最左位置方向に向かう力が加えられる。このとき、モータ6の回転トルクが比較的高いので、回転軸32の押圧力によるクラッチアーム33を時計回りに回転させようとするモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより大きくなる。このため、クラッチアーム33の係合部33eと抵抗スプリング35の凹部35bとの係合が解除されて、回転軸32がクラッチアーム33を回動させながら前述の最左位置の方へ移動する。このクラッチアーム33の回動に連動してクラッチパウル34が回動するので、クラッチパウル34の係止爪34bがラチェット歯19bに係合し、リング部材19の回転が阻止される。これにより、動力伝達機構8が高減速比動力伝達モードに設定される。したがって、シートベルト3は高トルクで巻き取られて、きわめて強いベルト張力で乗員が拘束される。
(7)格納用ベルト巻取りモード
格納用ベルト巻取りモードは、シートベルト3の装着を解除するために、トング(図1中のトング(タング)62)をバックルから抜き出し、バックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ66a)がOFFとなったとき、シートベルト3を格納状態にするために完全に巻き取る状態のベルトモードである。この格納用ベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ6が比較的低い回転トルクでベルト巻取り方向に駆動されて、動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードに設定される。したがって、引き出されたシートベルト3は低トルクで迅速に巻き取られる。
そして、シートベルト3が完全に巻き取られて、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときにモータ6が停止することで、シートベルト3は前述のごく弱いベルト張力が生じているベルト格納モードとなる。
この格納用ベルト巻取りモードに関し、本実地の形態では、シートベルト3を格納すべきときに格納されずにシートベルト巻き出しのままの状態が継続されるような状況の発生を防止して、シートベルトの格納操作を電動モータを用いて確実に行うべく、開閉ドアの開閉状況に基づいて動力伝達機構8の設定を切り換える制御が行われるようになっている。この制御は、制御手段(図1及び図2中のECU68)が例えば図9に示す「リトラクタ制御処理」を遂行することによって可能とされる。ここで図9には、本実施の形態のリトラクタ制御処理のフローチャートが示される。
図9に示すリトラクタ制御処理では、まずステップS10によって、車両ドア(例えば図1中の車両ドア90)が閉止状態から開放状態になったことを検出する。当該検出は、車両ドア開閉センサ91による情報をECU68が検出することによって可能となる。
そして、ステップS20によってシートベルト格納制御を行う。このシートベルト格納制御では、動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードに設定するべくモータ6を駆動制御し、引き出されたシートベルト3をスプール4に低トルクで迅速に巻き取る(格納する)動作を行う。この動作に際しては、シートベルト3が引き出し状態にある場合であってもよいし、或いは既に格納状態にある場合であってもよい。
ステップS30では、ステップS20で遂行したシートベルト格納制御後のシートベルト格納状態を検出するべく、モータ6のモータ電流値を検出(測定)する。このモータ電流値は、図2中のモータ電流検出計69により検出する。ステップS30によって検出したモータ電流値が規定値以上である場合には、ステップS40においてモータ負荷が相対的に高くシートベルト格納状態にあると判定される。
ステップS40においてシートベルト3が格納状態であると判定した場合(ステップS40のYES)にはステップS50にすすみ、モータ6の駆動停止(回転停止制御)を行う。この駆動停止制御によってモータ6の回転が停止された状態にあっては、動力伝達機構8の設定が低減速比動力伝達モードのままであり、モータ6とスプール4とが接続された状態が継続される。従って、動力伝達機構8によりスプール4に対し高い巻き出し抵抗が付与され、スプール4からのシートベルト3の巻き出し(引き出し)が規制された状態が維持される。具体的には、スプール4からシートベルト3を巻き出し(引き出し)にくい状況、或いは巻き出し(引き出し)が不能とされた状況が維持される。一方、ステップS30によって検出したモータ電流値が規定値を下回り、ステップS40においてシートベルト3が未だ格納状態でないと判定した場合(ステップS40のNO)にはステップS20へ戻る。
ステップS50に引き続きステップS60では、車両ドア90が開放状態であるか否かを判定する。そして、ステップS60において車両ドア90が開放状態でない、すなわち開放状態から閉止状態になったと判定した場合(ステップS60のNO)にのみ、ステップS70にすすむ。要するに、図9に示す実施の形態では、車両ドア90が開放状態から閉止状態となったことを条件として、ステップS70の動力伝達解除処理を行う。
ステップS70の動力伝達解除処理では、動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへ切り換えるべくモータ6を駆動制御し、切り換え完了後にモータ6の駆動停止(回転停止制御)を行う。この駆動停止制御によってモータ6の回転が停止された状態にあっては、動力伝達機構8の設定によってモータ6とスプール4との接続状態が解除された接続解除状態が形成される。従って、スプール4が動力伝達機構8側(モータ6側)から完全に切り離されることで動力伝達機構8によりスプール4に対し付与される巻き出し抵抗が低くなり、スプール4の回転動作が容易とされるため、当該スプール4に巻き取られているシートベルト3の引き出し操作(巻き出し操作)が容易となる。
ここで、例えば車両ドアの開閉やシートベルトバックル操作のみをトリガとしてシートベルト格納操作を行う従来構成においては、車両ドアの開放状態で、車両乗員がシートベルトを装着しようとしてシートベルト引き出し操作を開始したが、そのとき用事を思い出してシートベルトバックル操作を行うことなくシートベルト引き出し操作を中断して降車しようとした際に、シートベルト引き出しのままの状況が発生して当該シートベルトが車両ドアに挟み込まれることが想定される。
そこで、本実施の形態のシートベルトリトラクタ1では、このような不具合を解消するべく、車両ドア90が閉止状態から開放状態となったときには、シートベルト巻き取り動作(シートベルト格納動作)を速やかに行ったのちに動力伝達機構8の設定を低減速比動力伝達モードのままとし、スプール4からのシートベルト3の巻き出し(引き出し)が規制された状態を形成させるようにしている(図9中のステップS10〜ステップS50)。これにより、シートベルトが引き出されたまま、モータ起動のトリガの目処がないような状態が形成される上記想定自体が発生するのを根本から防止することができ、シートベルト3の格納操作を、モータ6を用いて確実に行うことが可能とされる。
そのうえ、本実施の形態では、車両ドア90が開放状態のときには、シートベルト3の引き出し操作自体を規制することで、シートベルト3が引き出されたままとなるのを防止することができる一方、その後に車両ドア90が閉止状態されて車両乗員Cがシートベルト3を装着しようとするときには、シートベルト3の引き出し操作を許容することで、車両乗員Cによるシートベルト装着操作が円滑化される。従って、このような制御は、例えば車両乗員Cが車両ドア90の開放状態でシートベルト引き出し操作を途中で中断し降車したのち再び乗車し、車両ドア90を閉止状態としてシートベルト3を装着するような想定おいて特に有効あり、車両乗員Cの一連の行動パターンを想定した合理的な制御となる。
また、図9に示すリトラクタ制御処理にかえて、図10に示す「リトラクタ制御処理」を採用することもできる。ここで図10には、別の実施の形態のリトラクタ制御処理のフローチャートが示される。
図10に示すリトラクタ制御処理では、図9に示すリトラクタ制御処理のステップS60にかえてステップS62及びステップS64を遂行する。その他のステップについては図9に示すリトラクタ制御処理と同様であるため、ここではステップS62及びステップS64についてのみ説明する。
図10に示すステップS62では、ステップS50に引き続き、例えばタイマ(図示省略)による経過時間Tのカウントを開始する。このステップS62によって、シートベルト巻き取り動作後(シートベルト格納動作後)からの経過時間Tが検出されることとなる。そして、図10に示すステップS64において経過時間Tが予め設定された規定時間Ta(本発明における「予め設定された規定時間」に相当する)に達したか否かを判定する。ステップS64における規定時間Taは、一旦降車した車両乗員が暫くして乗車するまでの時間を想定したうえで適宜設定されるのが好ましく、一例として数分程度に設定される。ステップS64において経過時間Tが規定時間Taに達したと判定した場合(ステップS64のYES)にのみステップS70の動力伝達解除処理を行う。要するに、図10に示す実施の形態では、予め設定された規定時間Taが経過したことを条件として、ステップS70の動力伝達解除処理を行う。これにより、シートベルト巻き取り動作後(シートベルト格納動作後)に規定時間Taが経過すると、動力伝達機構8が低減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへと切り換えられ、これによってスプール4に巻き取られているシートベルト3の引き出し操作(巻き出し操作)が容易となる。
このような制御によれば、車両ドア90が開放状態のときには、シートベルト3の引き出し操作自体を規制することで、シートベルト3が引き出されたままとなるのを防止することができる一方、その後に車両乗員Cが乗車してシートベルト3を装着しようとするときには、規定時間Ta経過後には車両ドア90の開閉状況に関わらずシートベルトの引き出し操作を許容することで、車両乗員Cによるシートベルト装着操作が円滑化される。従って、このような制御は、例えば車両乗員Cが車両ドア90の開放状態でシートベルト引き出し操作を途中で中断し降車したのち、車両ドアの開放状態のまま暫くして乗車してシートベルト3を装着するような想定おいて特に有効であり、車両乗員の一連の行動パターンを想定した合理的な制御となる。
なお、図10に示す実施の形態では、動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへと切り換えるタイミングの基礎となる経過時間のカウント開始時期(図10中のステップS62)を、シートベルト巻き取り動作が終了した時期に設定しているが、本発明では、このカウント開始時期は、車両ドア90が開放状態とされて以降(図10中のステップS10からステップS64の前までのタイミング)であれば、任意の時期に設定することができる。具体的には、シートベルト巻き取り動作が開始された第1の時期(ステップS20に相当する時期)や、降車前に車両ドアが開放状態となった第2の時期(ステップS10に相当する時期)などに、経過時間のカウントを開始するように設定することもできる。一例として、第1の時期にカウント開始時期を設定する場合には、「シートベルト巻き取り動作が開始されてからシートベルト巻き取り動作が終了するまでの時間」に「降車乗員が暫くして乗車するまでの時間」を加えた時間を予め想定し、当該時間に基づいて規定時間Taを設定することができる。
また、本実施の形態のシートベルトリトラクタ1によれば、動力伝達機構8に高速かつ低トルク動力伝達経路からなる低減速比動力伝達モードと低速かつ高トルク動力伝達経路からなる高減速比動力伝達モードとの2つの動力伝達経路を設定しているので、低減速比動力伝達モードによる、シートベルト3のスラック除去のための迅速なベルト巻取りと、高減速比動力伝達モードによる、乗員拘束のための高トルクでのベルト巻取りという2つの巻取り性能を実現することができる。
しかも、これらの2つの動力伝達経路が設定されることで、モータ6の回転トルクを効率よくスプール4に伝達することができるので、限られた消費電力でこれらの2つの巻取り性能を確実に発揮することができる。特に、乗員拘束のための高トルクでのベルト巻取りを低速かつ高トルク動力伝達経路で実現されるので、モータ6の回転トルクを従来に比して小さくすることができる。これにより、モータ6の消費電力を低減することができるとともに、より小型のモータを使用することができ、その分、シートベルトリトラクタ1をコンパクトにできる。
また、前述の2つの巻取り性能を実現できることで、シートベルトリトラクタ1にモータ6の回転トルクによるプリテンショニング機能を持たせることができる。したがって、従来のシートベルトリトラクタにおける反応ガスを用いたプリテンショナーを不要にできるので、コストを削減することができる。
更に、シートベルト3の張力に応じて動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードまたは高減速比動力伝達モードに設定しているので、モータ6の回転トルクを制御することなく、モード切換を簡単に行うことができるようになる。
更に、動力伝達機構8にモータ6の回転トルクをスプールに伝達しない動力伝達遮断モードを設定しているので、シートベルト3の引出し、シートベルト3の圧迫感のない通常装着、非装着時のシートベルト3の格納を、モータ6に影響されることなく行うことができる。
更に、シートベルト3の格納巻取動作をモータ6の回転トルクのみで行っているので、シートベルト3に常時作用するうずまきばね等の巻取り手段によるシートベルト巻取方向の付勢力を、テンションレデューサ等の追加モジュールを用いることなく排除あるいはきわめて小さく設定することができる。
その場合、この巻取り手段による付勢力を、乗員がシートベルト3の装着時に行うフィッティング動作のために最低限必要な範囲内で設定した場合であっても、モータ6の回転を低減速比動力伝達モードでスプール4に伝達することによりシートベルト3の巻取りを補助することで、シートベルト3の格納巻取り動作を確実に行うことが可能となる。
更に、高減速比減速機構7aを遊星機構により構成しているので、低速かつ高トルク伝達経路をコンパクトに形成することができる。これにより、動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードまたは高減速比動力伝達モードを有するようにしても、シートベルトリトラクタ1の大型化をより効果的に抑制することができる。
更に、高減速比減速機構7aのキャリヤと低減速比減速機構7bの外歯17bとを1つの共通のキャリヤギヤ17で構成しているので、部品点数を削減できるとともに、その分、よりコンパクトになる。
更に、シートベルト3の張力に応じて動力伝達モード切換機構9により遊星機構のインターナルギヤ19aの回転制御および小径のクラッチギヤ31と大径のキャリヤギヤ17の外歯17bとの間の噛合制御を行うことで、動力伝達モードを簡単に切り換えることができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、モータ6の回転動作によって動力伝達モードと動力伝達遮断モードとが切り換る構成のシートベルトリトラクタ1について記載したが、本発明では、モータの回転動作によって動力伝達状態と動力伝達解除状態とが切り換る構成にかえて、動力伝達モードと動力伝達遮断モードとを電磁式の切り換え機構によって切り換えるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、自動車に装着されるシートベルトリトラクタ1の構成について記載したが、本発明のシートベルトリトラクタは、例えば自動車、飛行機、船舶、電車等の乗員を乗せて移動する車両に装備されるシートベルト装置に用いられ、乗員を拘束保護するためのシートベルトをモータにより巻取るシートベルトリトラクタに好適に利用することができる。
本発明にかかる「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を示す図である。 図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。 本発明にかかるシートベルトリトラクタの一実施の形態であるシートベルトリトラクタ1を示す分解斜視図である。 図3に示す例のシートベルトリトラクタ1をリテーナカバーを外した状態で示し、図中(a)は斜視図、図中(b)は左側面図である。 図3に示す例のシートベルトリトラクタ1に用いられるサンギヤ部材を示し、(a)はその斜視図、(b)は(a)におけるIIIB方向から見た斜視図である。 図3に示す例のシートベルトリトラクタ1における動力伝達遮断モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 図3に示す例のシートベルトリトラクタ1における低減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 図3に示す例のシートベルトリトラクタ1における高減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 本実施の形態のシートベルトリトラクタ1におけるリトラクタ制御処理を示すフローチャートである。 別の実施の形態のリトラクタ制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 シートベルトリトラクタ
2 フレーム
3 シートベルト
4 スプール
5 ロック手段
6 モータ
6a モータ回転軸
7 減速機構
7a 高減速比減速機構
7b 低減速比減速機構
8 動力伝達機構
9 動力伝達モード切換機構
13 モータギヤ
17 キャリヤギヤ
18 プラネットギヤ
19 リング部材
19a インターナルギヤ
19b ラチェット歯
20 サンギヤ部材
20a サンギヤ
23 コネクトギヤ
24 クラッチスプリング
25 プーリ
26 下側コネクトギヤ
27 上側コネクトギヤ
29 アイドルギヤ
31 クラッチギヤ
32 回転軸
33 クラッチアーム
33c 支持溝
33e 係合部
34 クラッチパウル
34b 係止爪
35 抵抗スプリング
35b 凹部
40 ねじ
50 検出センサ
60 ショルダーガイドアンカー
62 トング(タング)
64 アウトアンカー
66 バックル
66a バックルスイッチ
68 ECU
69 モータ電流検出計
70 入力要素
80 車両シート
82 Bピラー
90 車両ドア
91 車両ドア開閉センサ
100 シートベルト装置

Claims (7)

  1. シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うスプールと、
    電動モータと、
    前記電動モータと前記スプールとの間に介在して、これら電動モータとスプールとが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する動力伝達機構と、
    前記電動モータが駆動され前記動力伝達機構が前記接続状態とされた動力伝達モードと、前記電動モータが駆動停止され前記動力伝達機構が前記接続状態とされた動力伝達許容モードと、前記動力伝達機構が前記接続解除状態とされた動力伝達遮断モードとに切り換えるべく、前記電動モータ及び動力伝達機構を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態から開放状態となったとき、前記動力伝達モードに切り換えて前記スプールによるシートベルト巻き取り動作を行うとともに、このシートベルト巻き取り動作後に前記動力伝達許容モードに切り換えて前記動力伝達機構の前記接続状態を維持する制御を行うことを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に前記動力伝達許容モードに切り換えたとき、前記車両ドアが開放状態から閉止状態となったことを条件として当該動力伝達許容モードから前記動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行うことを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  3. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に前記動力伝達許容モードに切り換えたとき、予め設定された規定時間が経過したことを条件として当該動力伝達許容モードから前記動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行うことを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  4. 車両乗員に対し装着されるシートベルトと、
    前記シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うスプールと、
    電動モータと、
    前記電動モータと前記スプールとの間に介在して、これら電動モータとスプールとが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する動力伝達機構と、
    前記電動モータが駆動され前記動力伝達機構が前記接続状態とされた動力伝達モードと、前記電動モータが駆動停止され前記動力伝達機構が前記接続状態とされた動力伝達許容モードと、前記動力伝達機構が前記接続解除状態とされた動力伝達遮断モードとに切り換えるべく、前記電動モータ及び動力伝達機構を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態から開放状態となったとき、前記動力伝達モードに切り換えて前記スプールによるシートベルト巻き取り動作を行うとともに、このシートベルト巻き取り動作後に前記動力伝達許容モードに切り換えて前記動力伝達機構の前記接続状態を維持する制御を行うことを特徴とするシートベルト装置。
  5. 請求項4に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に前記動力伝達許容モードに切り換えたとき、前記車両ドアが開放状態から閉止状態となったことを条件として当該動力伝達許容モードから前記動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行うことを特徴とするシートベルト装置。
  6. 請求項4に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、シートベルト巻き取り動作後に前記動力伝達許容モードに切り換えたとき、予め設定された規定時間が経過したことを条件として当該動力伝達許容モードから前記動力伝達遮断モードへと切り換える制御を行うことを特徴とするシートベルト装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載のシートベルト装置と、前記シートベルトに対応する車両ドアと、前記車両ドアの開閉に関する情報を検出する検出センサと、
    を備え、
    前記シートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成のシートベルト装置付車両。
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