JP2007112267A - シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 - Google Patents

シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両に搭載されるシートベルトリトラクタにおいて、シートベルトが巻き出されたままの状態が維持されるのを防止するべく行う、電動モータを用いたシートベルト格納巻き取り動作に関し、当該シートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図るのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 車両に搭載されるシートベルト装置100のシートベルトリトラクタ1は、シートベルト格納巻き取り動作中のシートベルト3の負荷上昇に伴ってシートベルト巻き取り用のモータの駆動を停止させて当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、この停止時の停止時間をシートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定する構成とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に関するものである。
従来、車両乗員を拘束するシートベルト(ウェビング)によって当該車両乗員の保護を図る構成のシートベルト装置が知られている。例えば、下記特許文献1には、シートベルト装置において、電動モータによってスプール(巻き取り軸)を回転駆動させてシートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うシートベルトリトラクタの構成が開示されている。
特表2003−507252号公報
特許文献1に記載の技術では、車両用のシートベルトリトラクタの構造として、スプールによるシートベルト巻き取り動作を、電動モータによって行う可能性が提示されているが、この構成を、シートベルトがスプールから巻き出されたままの状態が維持されるのを解消するべくシートベルトを巻き取る動作、いわゆる「シートベルト格納巻き取り動作」に用いる場合には、スプールによるシートベルト巻き取り動作を、電動モータの適正な制御によって円滑に行う要請がある。
具体的には、このシートベルト格納巻き取り動作の際には、シートベルトが車両乗員や車両シート等に引っ掛かったり、シートベルトが車両乗員によって引き出されたりすることが想定される。そこで、シートベルト格納巻き取り動作中にシートベルト負荷が上昇(モータ電流の上昇を検出)した場合には、当該負荷上昇の要因が取り除かれるまでの間、シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止した後、シートベルト格納巻き取り動作を再開するような制御を繰り返す対応が考えられる。ところが、シートベルトが車両乗員や車両シート等に引っ掛かった場合には、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要なく、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にすると、かえって車両ドアによるシートベルトやトングの挟み込み発生のおそれがある。一方、シートベルトが車両乗員によって引き出される場合には、車両乗員によるシートベルト引き出し操作に比較的長い時間を要するため、シートベルト巻き取り動作の停止時間を短くし過ぎると、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われることとなり、車両乗員に対し違和感を与えるという問題がある。そこで、本発明者らは、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図る上では、シートベルトの負荷上昇に伴って当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、この停止時間をシートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定する必要があると考え、本発明を想到したものである。
本発明では、車両に搭載されるシートベルトリトラクタにおいて、シートベルトが巻き出されたままの状態が維持されるのを防止するべく行う、電動モータを用いたシートベルト格納巻き取り動作に関し、当該シートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。本発明は、典型的には自動車の車両に搭載されるシートベルトリトラクタに適用することができるが、自動車以外の車両、例えば飛行機、船舶、電車、バス等に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に対し本発明を応用し得る。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項1に記載のこのシートベルトリトラクタは、車両に搭載されるものであって、電動モータ、スプール、制御手段を少なくとも備える。
本発明のスプールは、電動式の電動モータの駆動に伴って作動し、乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材として構成される。このスプールに対し巻き取り及び巻き出しされるシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員が、車両衝突などの乗員拘束時にこのシートベルトにより拘束されることとなる。なお、本発明では、電動モータとスプールとの間に、モータとスプールとが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する機構としての動力伝達機構を、必要に応じて適宜介在させることができる。また、本発明において、スプールによるシートベルト巻き取り動作は、電動モータの駆動力のみで行われてもよいし、或いはスプールに作用するリターンスプリング等の弾性部材による巻き取り力に加え、電動モータの駆動力が補助的に用いられることで行われてもよい。
本発明の制御手段は、少なくとも電動モータの駆動制御を行う手段として構成され、電動モータの駆動方向、駆動時間、駆動力等を制御する。この制御手段は、典型的にはCPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成される。この制御手段は、本発明のシートベルトリトラクタに専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタのみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段と兼用されてもよい。
特に、本発明における制御手段は、シートベルトが車両乗員に対し装着された状態であるか否かの情報、及び当該シートベルトに対応する車両ドアの開閉情報により定まるシートベルト格納開始条件の成立によって、スプールがシートベルト巻き取り動作するように電動モータを駆動制御する。当該駆動制御は、シートベルトが巻き出されたままの状態が発生するのを防止するべくシートベルトをスプールによって巻き取る動作、いわゆる「シートベルト格納巻き取り動作」を可能とする。
ところで、このシートベルト格納巻き取り動作を行う際には、シートベルトが車両乗員や車両シート等に引っ掛かったり、シートベルトが車両乗員によって引き出されたりすることが想定される。そこで、本発明では、シートベルト格納巻き取り動作に際し、電動モータの駆動制御中にシートベルトに作用するシートベルト負荷が上昇した場合は、この負荷上昇の要因が取り除かれるまでの間、当該駆動制御を一時的に停止(「中断」ともいう)するように構成している。また、この駆動制御の停止に関しては、シートベルト負荷の上昇要因が、車両乗員や車両シート等に対するシートベルトの引っ掛かりである場合と、車両乗員によるシートベルトの引き出し操作である場合とでは、適正な停止時間を変える必要がある。すなわち、シートベルトが車両乗員や車両シートに引っ掛かった場合には、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要なく、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にすると、かえって車両ドアによるシートベルトやトングの挟み込み発生のおそれがある。一方、シートベルトが車両乗員によって引き出される場合には、車両乗員によるシートベルト引き出し操作に比較的長い時間を要するため、シートベルト巻き取り動作の停止時間を短くし過ぎると、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われることとなり、車両乗員に対し違和感を与えるという問題がある。
そこで、本発明では、シートベルト格納巻き取り動作中において、シートベルトの負荷上昇に伴って電動モータの駆動を停止させて当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、更にこの停止時の停止時間(インターバル)を、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定するように構成している。すなわち、本発明では、シートベルト格納巻き取り動作の開始が、シートベルトの装着の状態(装着或いは装着解除)及び車両ドアの開閉の状態(開放或いは閉止)の組み合わせに応じて規定されるとともに、このシートベルト格納開始条件の成立パターンによって電動モータの駆動制御の一時的な停止時間の設定が変わるようになっている。このシートベルト格納開始条件の成立パターンは、シートベルトの装着の状態と車両ドアの開閉の状態との組み合わせや、成立の順序などに応じて適宜設定することができ、またシートベルト格納開始条件の成立パターンの数は必要に応じて設定することができる。
なお、シートベルト格納開始条件の成立に関し、具体的には、シートベルトの状態が車両乗員に対し装着状態から装着解除状態へと切り換った場合や、シートベルトの状態が車両乗員に対し装着解除状態であることが検出された場合に、シートベルト格納開始条件が成立したとされる。また、シートベルト格納開始条件の成立パターンに関し、具体的には、シートベルトの状態が車両乗員に対し装着状態から装着解除状態へと切り換るパターン、シートベルトの状態が車両乗員に対し装着状態から装着解除状態へと切り換り、更に車両ドアが開放状態であるパターン、車両ドアが開放状態から閉止状態へと切り換り、更にシートベルトの状態が車両乗員に対し装着解除状態であるパターン、車両ドア閉止状態から開放状態へと切り換り、更にシートベルトの状態が車両乗員に対し装着解除状態であるパターン等の成立パターンを採用することができる。
上述のように、請求項1に記載の発明によれば、シートベルトリトラクタによるシートベルト格納巻取り動作中において、シートベルトの負荷上昇に伴って当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、この停止時間をシートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定することによって、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能とされる。かくして、電動モータを用いたシートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能なシートベルトリトラクタが提供される。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項2に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の制御手段は、シートベルトの車両乗員に対する装着が解除されたときに、当該シートベルトに対応する車両ドアが開放状態とされた第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、スプールがシートベルト巻き取り動作するように電動モータを駆動制御し、且つ電動モータの停止時間を第1の時間に設定する構成とされる。一方、この制御手段は、シートベルトの車両乗員に対する装着が解除されたときに、当該シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態とされた第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、スプールがシートベルト巻き取り動作するように電動モータを駆動制御し、且つ電動モータの停止時間を第1の時間よりも長い第2の時間に設定する構成とされる。すなわち、第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合の停止時間の方が、第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合の停止時間よりも相対的に短い設定とされる。
第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンにおける停止時間の設定は、車両ドアが開放状態である場合には、車両乗員がシートベルトを引き出し操作する可能性は低く、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員や車両シート等に対するシートベルトの引っ掛かりである可能性が高く、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要ないという考えに基づくものである。これにより、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にするのを回避して、車両ドアによるシートベルトやトングの挟み込み発生を防止することが可能となる。これに対し、第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンにおける停止時間の設定は、車両ドアが閉止状態である場合には、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員によるシートベルトの引き出し操作である可能性が高く、当該引き出し操作に比較的長い時間を要するという考えに基づくものである。これにより、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われるのを防止して、車両乗員が違和感を抱くのを抑えることが可能となる。
上述のように、請求項2に記載の発明によれば、シートベルト負荷上昇時における電動モータの駆動制御停止に関し、第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合の停止時間の方が、第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合の停止時間よりも相対的に短い設定とすることで、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な停止時間設定が可能となり、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化が図られる。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項3に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の制御手段は、シートベルトに対応する車両ドアが閉止されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態とされたシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、電動モータの停止時間が基準停止時間を上回るように設定する構成とされる。
本発明のシートベルト格納開始条件の成立パターンにおける停止時間の設定は、車両ドアが閉止状態である場合には、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員によるシートベルトの引き出し操作である可能性が高く、当該引き出し操作に比較的長い時間を要するという考えに基づくものである。これにより、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われるのを防止して、車両乗員が違和感を抱くのを抑えることが可能となる。
上述のように、請求項3に記載の発明によれば、シートベルト負荷上昇時における電動モータの駆動制御停止に関し、シートベルトに対応する車両ドアが閉止されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態である場合には、基準停止時間を上回る停止時間に設定とすることで、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な停止時間設定が可能となり、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化が図られる。
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項4に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の制御手段は、シートベルトに対応する車両ドアが開放されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態とされたシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、電動モータの停止時間が基準停止時間を下回るように設定する構成とされる。
本発明のシートベルト格納開始条件の成立パターンにおける停止時間の設定は、車両ドアが開放状態である場合には、車両乗員がシートベルトを引き出し操作する可能性は低く、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員や車両シート等に対するシートベルトの引っ掛かりである可能性が高く、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要ないという考えに基づくものである。これにより、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にするのを回避して、車両ドアによるシートベルトやトングの挟み込み発生を防止することが可能となる。
上述のように、請求項4に記載の発明によれば、シートベルト負荷上昇時における電動モータの駆動制御停止に関し、シートベルトに対応する車両ドアが開放されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態である場合には、基準停止時間を下回る停止時間に設定とすることで、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な停止時間設定が可能となり、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化が図られる。
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項5に記載のこのシートベルト装置では、車両に搭載される装置であって、乗員拘束用のシートベルト、電動モータ、スプール、制御手段、シートベルトバックル、トング、バックル検知センサ、電流検知センサを少なくとも備える。
本発明のシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員が、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束される。本発明のシートベルトバックルは、車両に対し固定される部材として構成される。本発明のトング(「タング」ともいう)は、シートベルトに設けられシートベルト装着時に、本発明のシートベルトバックルに挿入係合する部材として構成される。本発明のバックル検知センサは、トングがシートベルトバックルに挿入係合したことを検知する手段として構成される。本発明の電流検知センサは、電動モータの電流値を検知する手段として構成される。本発明の電動モータ、スプールは、請求項1に記載のシートベルトリトラクタの構成要素と実質的に同様の機能を有する。
本発明の制御手段は、バックル検知センサの検知情報に基づいて車両乗員に対するシートベルトの装着の状態を判定し、当該シートベルトが車両乗員に対し装着された状態であるか否かの情報、及び当該シートベルトに対応する車両ドアの開閉情報により定まるシートベルト格納開始条件の成立によって、スプールがシートベルト巻き取り動作するように電動モータを駆動制御する。また、本発明の制御手段は、シートベルト格納巻き取り動作に際し、電動モータの駆動制御中に電流検知センサの検知情報に基づいてシートベルトに作用するシートベルト負荷が上昇したと判定した場合は、当該駆動制御を一時的に停止するとともに、その停止時間をシートベルト格納開始条件の成立パターンに基づいて設定する構成とされる。このように、本発明の制御手段は、請求項1に記載の制御手段と実質的に同様の作用効果を奏するものである。
上述のように、請求項5に記載の発明によれば、シートベルト装置によるシートベルト格納巻取り動作中において、シートベルトの負荷上昇に伴って当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、この停止時間をシートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定することによって、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能とされる。かくして、電動モータを用いたシートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能なシートベルト装置が提供される。
(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項6に記載のこのシートベルト装置では、請求項5に記載の制御手段は、請求項2に記載のシートベルトリトラクタにおける制御手段と実質的に同様の構成を有する。
従って、請求項6に記載の発明によれば、シートベルト負荷上昇時における電動モータの駆動制御停止に関し、第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合の停止時間の方が、第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合の停止時間よりも相対的に短い設定とすることで、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な停止時間設定が可能となり、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化が図られる。
(本発明の第7発明)
前記課題を解決する本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項7に記載のこのシートベルト装置では、請求項5に記載の制御手段は、請求項3に記載のシートベルトリトラクタにおける制御手段と実質的に同様の構成を有する。
従って、請求項7に記載の発明によれば、シートベルト負荷上昇時における電動モータの駆動制御停止に関し、シートベルトに対応する車両ドアが閉止されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態である場合には、基準停止時間を上回る停止時間に設定とすることで、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な停止時間設定が可能となり、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化が図られる。
(本発明の第8発明)
前記課題を解決する本発明の第8発明は、請求項8に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項8に記載のこのシートベルト装置では、請求項5に記載の制御手段は、請求項4に記載のシートベルトリトラクタにおける制御手段と実質的に同様の構成を有する。
従って、請求項8に記載の発明によれば、シートベルト負荷上昇時における電動モータの駆動制御停止に関し、シートベルトに対応する車両ドアが開放されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態である場合には、基準停止時間を下回る停止時間に設定とすることで、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な停止時間設定が可能となり、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化が図られる。
(本発明の第9発明)
前記課題を解決する本発明の第9発明は、請求項9に記載されたとおりのシートベルト装置付車両である。
請求項9に記載のこのシートベルト装置付車両は、請求項5〜請求項8のいずれかに記載のシートベルト装置を少なくとも備える。本発明の車両は、当該シートベルト装置が、車両内の収容空間、例えばピラー内の収容空間、シート内の収容空間、あるいは車両内のその他の部位の収容空間に収容された構成とされる。
従って、請求項9に記載の発明によれば、電動モータを用いて行うシートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能なシートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成の車両が提供される。
以上のように、本発明によれば、車両に搭載されるシートベルトリトラクタにおいて、シートベルト格納巻き取り動作中のシートベルトの負荷上昇に伴って電動モータの駆動を停止させて当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、更にこの停止時の停止時間(インターバル)を、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定する構成によって、電動モータを用いたシートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態のシートベルト装置100の概略構成を示す図である。また、図2は、図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、本発明の「シートベルト装置付車両」である自動車車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ1、シートベルト3、ショルダーガイドアンカー10、トング(「タング」ともいう)12、アウトアンカー14、シートベルトバックル16、ECU20等を主体に構成されている。また、車両には、当該車両の衝突予知や衝突発生に関する情報、当該車両の運転状態に関する情報、シートに着座している車両乗員の着座位置や体格に関する情報、周辺の交通状況に関する情報、天候や時間帯に関する情報などの各種の情報を検出して、その検出情報をECU20に対し入力する入力要素30が搭載されている。この入力要素30の検出情報が、常時又は所定時間毎にECU20に伝達され、シートベルト装置100などの動作制御に用いられる。
本実施の形態の入力要素30には、車両の衝突予知や実際の衝突発生といった、車両衝突に関する情報を検知する車両衝突情報検知センサ32が含まれている。この車両衝突情報検知センサ32は、自車両に対する衝突対象物(別車両、障害物、歩行者など)との間の距離、相対速度、相対加速度や、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度等の検出情報(検出信号)を検出(計測)可能なセンサとして構成される。この車両衝突情報検知センサ32は、単一の検出センサとして構成されてもよいし、或いは単一の検出センサを複数組み合わせて構成されてもよい。具体的には、ミリ波レーダ、レーザーレーダ、加速度センサ、カメラセンサ等を用いて車両衝突情報検知センサ32を構成することができる。
また、本実施の形態では、車両に搭載された車両ドア開閉センサ52によって車両ドア50の開閉状態、すなわち車両ドア50が開放状態であるか閉止状態であるかが検出されるようになっている。この車両ドア開閉センサ52としては、例えば車両ドア側の第1接点と、車体ピラー側の第2接点とが接触することで車両ドアの閉止状態を検出可能な接触式センサを用いることができる。この車両ドア開閉センサ52を、シートベルトリトラクタ1ないしシートベルト装置100の構成要素とすることもできる。この車両ドア開閉センサ52によって検出された検出情報はECU20に伝達され、図3を参照しつつ後述する「リトラクタ制御処理A」、「リトラクタ制御処理B」及び「リトラクタ制御処理C」に用いられる。
シートベルト3は、運転席である車両シート40に着座した車両乗員C(「運転者」ともいう)の拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルト(ウェビング)である。このシートベルト3が、本発明における「乗員拘束用のシートベルト」に対応している。このシートベルト3は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ1から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー10を経由し、トング12を通ってアウトアンカー14に連結されている。ショルダーガイドアンカー10は、車両乗員Cの乗員肩部領域においてシートベルト3を係止しガイド(誘導)する機能を有する。そして、車体に対し固定されたシートベルトバックル16にトング12が挿入係合されることによって、当該シートベルト3が車両乗員Cに対し装着状態となる。このトング12が、本発明における「トング」に相当し、このトング12が挿入係合されるシートベルトバックル16が、本発明における「シートベルトバックル」に相当する。
なお、シートベルトバックル16にはバックルスイッチ16aが内蔵されており、シートベルトバックル16にトング12が挿入されたことがこのバックルスイッチ16aによって検知されるように構成されている。従って、バックルON動作がなされたこと(実質的にはシートベルト装着状態になったこと)が、このバックルスイッチ16aによって検知される。このバックルスイッチ16aが検知した情報はECU20に伝達され、シートベルト装着状態であるか、或いはシートベルト装着解除状態であるかが判定されるようになっている。このバックルスイッチ16aが、本発明における「トングがシートベルトバックルに係合したことを検知するバックル検知センサ」に相当する。
シートベルトリトラクタ1は、後述するスプール5及びモータ7を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置として構成される。このシートベルトリトラクタ1が、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。このシートベルトリトラクタ1は、図1に示す例では、車両のBピラー42内の収容空間に装着されている。
ECU20は、入力要素30からの入力信号に基づいて、シートベルトリトラクタ1をはじめ、各種の動作機構に関する制御を行う機能を有し、CPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成されている。特に本実施の形態の説明では、このECU20が、シートベルトリトラクタ1の後述するモータ7に関する制御を行う。具体的には、ECU20が、モータ7の電磁コイルに供給される電流供給量や電流供給方向を制御することによって、モータ7のモータシャフトの回転速度、回転方向、回転時間、回転トルク(出力)などが可変とされる。このECU20は、モータ7の駆動制御を行う手段として構成されるとともに、後述する動力伝達機構9を制御してスプール5にモータ7の動力が伝達される状態を切り換える手段として構成される。このECU20が、本発明における「制御手段」に対応している。なお、このECU20は、シートベルトリトラクタ1に専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタ1のみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段として兼用とされてもよい。
図2に示すように、シートベルトリトラクタ1は、スプール5、モータ7、動力伝達機構9を主体として構成される。
スプール5は、円柱状ないし円筒状に形成され、そのスプール外周面(シートベルト当接面)がシートベルト3の巻き取り面を構成する。このスプール5は、シートベルト巻き取り方向に回転することによってシートベルト巻き取り面5aにシートベルト3を巻き取る動作を行う一方、シートベルト巻き出し方向に回転することによってシートベルト巻き取り面5aに巻き取られているシートベルト3を巻き出す動作を行う。このスプール5が、本発明における「スプール」に相当する。
モータ7は、電動駆動式のモータとして構成され、動力伝達機構9を介してスプール5に動力を伝達するように構成されている。このモータ7が、シートベルト巻き取り方向に駆動制御されることによってスプール5がシートベルト3の巻き取り動作を行う方向へと回転動作する一方、シートベルト巻き出し方向に駆動制御されることによってスプール5がシートベルト3の巻き出し動作を行う方向へと回転動作することとなる。このモータ7が、本発明における「電動モータ」に相当する。また、本実施の形態では、このモータ7の電流値を検出するモータ電流検出計22が設けられている。このモータ電流検出計22が、本発明における「電動モータの電流値を検知する電流検知センサ」に相当する。このモータ電流検出計22によって検出された電流値に関する情報は、ECU20へと伝送され、後述する「シートベルト負荷上昇」の判定に用いられる。
動力伝達機構9は、スプール5とモータ7との間に介在して、スプール5とモータ7とが接続された接続状態(動力伝達モード)、及び当該接続状態が解除された接続解除状態(動力伝達遮断モード)を形成する機構として構成される。この動力伝達機構9は、複数のギア部材等を組み合わせて形成されるいわゆる「クラッチ」とも称呼される。この動力伝達機構9の接続状態は、モータ7の動力を当該動力伝達機構9を介してスプールに伝達可能な状態である。従って、この接続状態においてモータ7が駆動制御されることによって、当該モータ7の動力が動力伝達機構9を介してスプール5に伝達される。このとき、モータ7の回転は、動力伝達機構9によって減速されることとなる。これに対し、動力伝達機構9の接続解除状態においては、スプール5とモータ7との物理的な接続が解除され、スプール5からシートベルト3を容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。なお、必要に応じては、スプール5とモータ7との間に動力伝達機構9を介在させないで、スプール5とモータ7とを直接的に接続する構成を採用することもできる。
本実施の形態において、この動力伝達機構9は、特に図示しないものの、いわゆる「単段式クラッチ」として構成される。従って、動力伝達機構9の動力伝達モードにおいて、モータ7が所定のモータ出力で駆動されるとき、モータ7の回転が減速されてスプール5に伝達され、当該スプール5は所定の回転トルク、所定の回転数で回転駆動されることとなる。なお、この動力伝達機構9にかえて、スプールの回転トルク及び回転数を複数段階に可変とするような構成の動力伝達機構を用いることもできる。例えば、スプールの回転トルク及び回転数を2段階に可変とする2段クラッチを用いる場合において、シートベルトを強いベルト張力でスプールに巻き取る動作を行いたいときには、動力伝達機構を、相対的に回転トルクが高く、且つ相対的に回転速度が低い高減速比モードに設定することができる。これに対し、シートベルトをスプールに巻き取る動作を迅速に行いたいときには、当該動力伝達機構を、相対的に回転トルクが低く、且つ相対的に回転速度が高い低減速比モードに設定することができる。
本実施の形態では、上記シートベルト3の状態に関し次の7つのシートベルト制御モードが設定されており、これらのシートベルト制御モードに基づいてECU20によるモータ7及び動力伝達機構9の制御が行われるようになっている。これらのシートベルト制御モードに、更に別のシートベルト制御モードを追加するようにしてもよい。
(1)ベルト格納モード
ベルト格納モードは、シートベルト3が使用されずスプール5に完全に巻き取られている状態の制御モードである。このベルト格納モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ7が駆動されず、かつ動力伝達機構9が動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じているだけであり、また消費電力がゼロである。
(2)ベルト引出しモード
ベルト引出しモードは、シートベルト3を装着するためにスプール5から引き出す状態の制御モードである。同様にこのベルト引出しモードでも、シートベルトリトラクタ1は動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3を弱い力で引き出すことが可能となっている。このときにも、モータ7が駆動されず、消費電力がゼロである。
(3)フィッティング用ベルト巻取りモード
フィッティング用ベルト巻取りモードは、シートベルト3を引き出してトング(図1中のトング12)をシートベルトバックルに挿入係合してバックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ16a)がONした後、シートベルト3を車両乗員にフィットさせるために、余分に引き出されたシートベルト3を巻き取る状態、およびシートベルト3の通常装着状態(このとき、バックルスイッチはON状態となっている)で、車両乗員が動いてシートベルト3が所定量引き出された後、車両乗員が再び正規位置に着座したとき、引き出されたシートベルト3を巻き取る状態の制御モードである。このフィッティング用ベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つモータ7がベルト巻取り方向に高回転で回転駆動されるように制御される。従って、シートベルト3は迅速にスプール5に巻き取られ、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときモータ7が停止することで、シートベルト3は車両乗員にフィットした状態で装着される。
(4)通常装着モード(コンフォートモード)
通常装着モード(コンフォートモード)は、フィッティング用ベルト巻取りモード終了後に設定される、シートベルト3の通常装着状態の制御モードである。この通常装着モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ7が駆動されず、かつ動力伝達機構9が動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じているだけであるので、車両乗員はシートベルト3が装着されても圧迫感を抱くことはない。また、消費電力がゼロである。
(5)警報モード
警報モードは、通常装着モードで車両走行中に運転者の居眠りや自車両周辺の障害物を検知して、シートベルト3の巻取りを所定回数繰り返すことで、運転者に警報を発する状態の制御モードである。この警報モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ7が繰り返し駆動されるように設定される。したがって、シートベルト3に比較的強いベルト張力(後述する緊急モードのベルト張力より弱い)と、ごく弱いベルト張力とが車両乗員に繰り返し加えられるので、運転者は居眠りや自車両周辺の障害物に対して注意を促される。
(6)緊急モード
緊急モードは、通常装着モードで車両走行中に、或いは上記警報モードに引き続いて、自車両が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い場合に設定されるベルトモードである。この緊急モードでは、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つモータ7がベルト巻取り方向に高回転、高トルクで回転駆動されように制御される。従って、シートベルト3は迅速にスプール5に巻き取られた後、最終的にシートベルト3にきわめて強い所定のベルト張力が生じたときモータ7が停止することで、このシートベルト3によって車両乗員が確実に拘束される。
(7)格納用ベルト巻取りモード
格納用ベルト巻取りモードは、シートベルト3を格納状態にするために当該シートベルト3をスプール5に完全に巻き取る制御モードである。この格納用ベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つスプール5がシートベルト巻き取り動作するようにモータ7がベルト巻取り方向へと回転駆動されるように制御される。これにより、引き出されたシートベルト3をスプール5に迅速に巻き取る動作、いわゆる「シートベルト格納巻き取り動作」が行われ、シートベルト3がスプール5から巻き出されたままの状態が発生するのが防止されることとなる。そして、シートベルト3が完全に巻き取られて、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときにモータ7が停止することで、シートベルト3は前述のごく弱いベルト張力が生じているベルト格納モードとなる。
ところで、この格納用ベルト巻取りモードに関し、シートベルト格納巻き取り動作を行う際には、シートベルト3が車両乗員や車両シート等に引っ掛かったり、シートベルト3が車両乗員によって引き出されたりすることが想定される。そこで、本実施の形態では、シートベルト格納巻き取り動作中にシートベルト負荷が上昇した場合には、当該負荷上昇の要因が取り除かれるまでの間、シートベルト格納巻き取り動作を所定時間停止(「中断」ともいう)した後、シートベルト格納巻き取り動作を再開するような制御を繰り返すように構成している。すなわち、本実施の形態では、シートベルト格納巻き取り動作中にシートベルト負荷が上昇した場合に、シートベルト格納巻き取り動作を所定時間停止するインターバルを設けることとしている。このときのシートベルト負荷上昇は、図2中のモータ電流検出計22によって検出されたモータ7の電流値に基づき、ECU20にて判定される。具体的には、シートベルト格納巻き取り動作中においてモータ7の電流値が基準値を超えた場合に、シートベルト3が車両乗員や車両シート等に引っ掛かったり、シートベルトが車両乗員によって引き出された「負荷上昇状態」であると判定される。
ここで、前記のインターバルの適正値は、シートベルト負荷の上昇要因が、車両乗員や車両シート等に対するシートベルト3の引っ掛かりである場合と、車両乗員によるシートベルト3の引き出し操作である場合とで異なる。すなわち、シートベルト3が車両乗員や車両シートに引っ掛かった場合には、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要なく、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にすると、かえって車両ドアによるシートベルト3やトング12の挟み込み発生のおそれがある。一方、シートベルト3が車両乗員によって引き出される場合には、車両乗員によるシートベルト引き出し操作に比較的長い時間を要するため、シートベルト巻き取り動作の停止時間を短くし過ぎると、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われることとなり、車両乗員に対し違和感を与えるという問題がある。
そこで、本実施の形態では、シートベルト格納巻き取り動作中において、シートベルトの負荷上昇に伴ってモータ7の駆動を停止させて当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に(一旦)停止するとともに、更にこの停止時の停止時間(インターバル)を、シートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定するように構成している。本構成に関しては、以下、図3から図5を参照しつつ詳細に説明する。
(リトラクタ制御処理A)
図3には、本実施の形態の「リトラクタ制御処理A」のフローチャートが示されている。図3中のこのリトラクタ制御処理Aでは、まずステップS10によって、シートベルトバックルがON状態からOFF状態になったか否かを判定する。具体的には、図1中のシートベルトバックル16に対するトング12の挿入係合が解除されたことをバックルスイッチ16aが検知したとき、シートベルトバックルがON状態からOFF状態になった、すなわちシートベルト3の状態が車両乗員に対する装着状態から装着解除状態へと切り換ったと判定される。当該判定は、バックルスイッチ16aによる検出情報をECU20が検出することによって可能となる。このシートベル3の状態が車両乗員に対し装着状態から装着解除状態へと切り換った場合に、シートベルト格納開始条件が成立したとされる。このステップS10では、シートベルトバックルがON状態からOFF状態へと切り換えられるまで当該判定処理を継続し、シートベルトバックルがON状態からOFF状態へと切り換えられたと判定した場合(ステップS10のYESの場合)にステップS11にすすむ。
ステップS11では、車両ドア(図1中の車両ドア50)が開放状態であるか否かを判定する。具体的には、図1中の車両ドア開閉センサ52の検知情報に基づいて、当該センサがON状態であるときに、車両ドア50が開放状態であると判定される。当該判定は、車両ドア開閉センサ52による検出情報をECU20が検出することによって可能となる。このステップS11では、車両ドア50が開放状態であると判定した場合(ステップS11のYESの場合)に「第1のシートベルト格納開始条件の成立パターン」が確定したとしてステップS12にすすみ、そうでない場合、すなわち車両ドア50が閉止状態であると判定した場合(ステップS11のNOの場合)に「第2のシートベルト格納開始条件の成立パターン」が確定したとしてステップS13にすすむ。
ステップS12及びステップS13では、シートベルトリトラクタ1の動力伝達機構9を動力伝達モードに設定し、且つスプール5がシートベルト巻き取り動作するようにモータ7を駆動制御して、前述のようなシートベルト格納巻き取り動作を行う。また、当該シートベルト格納巻き取り動作中にモータ電流検出計22によって検出された値が基準電流値に達し、シートベルト負荷が上昇したと判定した場合には、シートベルト格納巻き取り動作を一時的に所定時間停止するインターバルを設ける。
特に、ステップS12では、シートベルト格納巻き取り動作を、一時的な停止時間をステップS13よりも相対的に短く設定した設定モード(短インターバルでのシートベルト格納巻き取り動作)によって行う。ステップS12での停止時間(インターバル)をT1とし、後述するステップS13での停止時間(インターバル)をT2とした場合には、T1<T2の関係が成立する。ここでいう停止時間T1が、請求項2及び請求項6に記載の「第1の時間」に相当し、停止時間T2が、請求項2及び請求項6に記載の「第1の時間よりも長い第2の時間」に相当する。これにより、後述するステップS14においてシートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立するまでの間、シートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作が繰り返されることとなる。なお、停止時間T1及びT2は、車両乗員がシートベルトの引っ掛かりを直す操作や、シートベルの引き出し操作に要する時間等を実際に計測したうえで予め設定されるのが好ましい。
ステップS12におけるこのような設定は、ステップS11において車両ドア50が開放状態である場合には、車両乗員がシートベルト3を引き出し操作する可能性は低く、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員や車両シート等に対するシートベルト3の引っ掛かりである可能性が高く、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要ないという考えに基づくものである。これにより、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にするのを回避して、車両ドア50によるシートベルト3やトング12の挟み込み発生を防止することが可能となる。
一方、ステップS13では、シートベルト格納巻き取り動作を、一時的な停止時間をステップS12よりも相対的に長く設定した設定モード(長インターバルでのシートベルト格納巻き取り動作)によって行う。これにより、後述するステップS15においてシートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立するまでの間、シートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作が繰り返されることとなる。
ステップS13におけるこのような設定は、ステップS11において車両ドア50が閉止状態である場合には、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員によるシートベルト3の引き出し操作である可能性が高く、当該引き出し操作に比較的長い時間を要するという考えに基づくものである。これにより、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われるのを防止して、車両乗員が違和感を抱くのを抑えることが可能となる。
ステップS14では、ステップS12におけるシートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立したか否かを判定し、当該終了条件が成立していないと判定した場合(ステップS14のNOの場合)にはステップS12に戻り、当該終了条件が成立したと判定した場合(ステップS14のYESの場合)には、そのままリトラクタ制御処理Aを終了する。同様に、ステップS15では、ステップS13におけるシートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立したか否かを判定し、当該終了条件が成立していないと判定した場合(ステップS15のNOの場合)にはステップS13に戻り、当該終了条件が成立したと判定した場合(ステップS15のYESの場合)には、そのままリトラクタ制御処理Aを終了する。なお、ステップS14及びステップS15における終了条件の成立は、シートベルトバックルがOFF状態になってからの時間や、ステップS12やステップS13におけるシートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作の繰り返し回数などに基づいて判断される。
上記リトラクタ制御処理Aが、請求項2及び請求項6に記載の制御手段による制御態様に相当する。
(リトラクタ制御処理B)
次に、図4には、本実施の形態の「リトラクタ制御処理B」のフローチャートが示されている。図4中のこのリトラクタ制御処理Bでは、まずステップS20によって、車両ドア(図1中の車両ドア50)が開放状態から閉止状態へと切り換えられたか否かを判定する。具体的には、図1中の車両ドア開閉センサ52の検知情報に基づいて、当該センサがOFF状態からON状態へと切り換ったときに、車両ドア50が開放状態から閉止状態へと切り換えられたと判定される。当該判定は、車両ドア開閉センサ52による検知情報をECU20が検出することによって可能となる。このステップS20では、車両ドア50が開放状態から閉止状態へと切り換えられるまで当該処理を継続し、車両ドア50が開放状態から閉止状態へと切り換えられたと判定した場合(ステップS20のYESの場合)にステップS21にすすむ。
ステップS21では、シートベルトバックルがOFF状態であるか否かを判定する。具体的には、図1中のシートベルトバックル16に対するトング12の挿入係合が解除されたことをバックルスイッチ16aが検知しているとき、シートベルトバックルがOFF状態である、すなわちシートベルト3の状態が車両乗員に対し装着解除状態であると判定される。当該判定は、バックルスイッチ16aによる検出情報をECU20が検出することによって可能となる。このステップS21では、シートベルトバックルがOFF状態であることを検出した場合(ステップS21のYESの場合)に、シートベルト格納開始条件が成立し、また「シートベルト格納開始条件の成立パターン」が確定したとしてステップS22にすすみ、そうでない場合、すなわちシートベルトバックルがON状態であると判定した場合(ステップS21のNO)にステップS23にすすむ。
ステップS22では、シートベルトリトラクタ1の動力伝達機構9を動力伝達モードに設定し、且つスプール5がシートベルト巻き取り動作するようにモータ7を駆動制御して、前述のようなシートベルト格納巻き取り動作を行う。また、当該シートベルト格納巻き取り動作中にモータ電流検出計22によって検出された値が基準電流値に達し、シートベルト負荷が上昇したと判定した場合には、シートベルト格納巻き取り動作を一時的に所定時間停止するインターバルを設ける。ステップS22では、この一時的な停止時間T3が予め設定された基準停止時間(基準値)T0を上回るように設定(T3>T0)した設定モード(長インターバルでのシートベルト格納巻き取り動作)によって行う。ここでいう基準停止時間T0が、請求項3及び請求項7に記載の「基準停止時間」に相当する。これにより、後述するステップS24においてシートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立するまでの間、シートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作が繰り返されることとなる。なお、停止時間T3や基準値は、車両乗員がシートベルトの引っ掛かりを直す操作や、シートベルの引き出し操作に要する時間等を実際に計測したうえで予め設定されるのが好ましい。
ステップS22におけるこのような設定は、車両ドア50が閉止状態である場合には、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員によるシートベルト3の引き出し操作である可能性が高く、当該引き出し操作に比較的長い時間を要するという考えに基づくものである。これにより、シートベルト引き出し操作に抗してシートベルト格納巻き取り動作が行われるのを防止して、車両乗員が違和感を抱くのを抑えることが可能となる。
一方、ステップS23では、シートベルトバックルがON状態であるためにシートベルト格納巻き取り動作を行わず、モータ7を駆動停止状態に設定、或いは駆動停止状態を維持する。このとき、シートベルトリトラクタ1の動力伝達機構9は動力伝達モードに設定されてもよいし、或いは動力伝達遮断モードに設定されてもよい。このステップS23では、シートベルト格納巻き取り動作自体を行わないため、一時的な停止時間の設定自体を行わない。
ステップS24では、図3中のステップS14及びステップS15と同様に、シートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立したか否かを判定し、当該終了条件が成立していないと判定した場合(ステップS24のNOの場合)にはステップS22に戻り、当該終了条件が成立したと判定した場合(ステップS24のYESの場合)には、そのままリトラクタ制御処理Bを終了する。なお、ステップS24における終了条件の成立は、シートベルトバックルがOFF状態になってからの時間や、ステップS22におけるシートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作の繰り返し回数などに基づいて判断される。
上記リトラクタ制御処理Bが、請求項3及び請求項7に記載の制御手段による制御態様に相当する。
(リトラクタ制御処理C)
次に、図5には、本実施の形態の「リトラクタ制御処理C」のフローチャートが示されている。図5中のこのリトラクタ制御処理Cでは、まずステップS30によって、車両ドア(図1中の車両ドア50)が閉止状態から開放状態へと切り換えられたか否かを判定する。具体的には、図1中の車両ドア開閉センサ52の検知情報に基づいて、当該センサがON状態からOFF状態へと切り換ったときに、車両ドア50が閉止状態から開放状態へと切り換えられたと判定される。当該判定は、車両ドア開閉センサ52による検知情報をECU20が検出することによって可能となる。このステップS30では、車両ドア50が閉止状態から開放状態へと切り換えられるまで当該処理を継続し、車両ドア50が閉止状態から開放状態へと切り換えられたと判定した場合(ステップS30のYESの場合)にステップS31にすすむ。
ステップS31では、シートベルトバックルがOFF状態であるか否かを判定する。具体的には、図1中のシートベルトバックル16に対するトング12の挿入係合が解除されたことをバックルスイッチ16aが検知しているとき、シートベルトバックルがOFF状態である、すなわちシートベルト3の状態が車両乗員に対し装着解除状態であると判定される。当該判定は、バックルスイッチ16aによる検出情報をECU20が検出することによって可能となる。このステップS31では、シートベルトバックルがOFF状態であることを検出した場合(ステップS31のYESの場合)に、シートベルト格納開始条件が成立し、また「シートベルト格納開始条件の成立パターン」が確定したとしてステップS32にすすみ、そうでない場合、すなわちシートベルトバックルがON状態であると判定した場合(ステップS31のNO)にステップS33にすすむ。
ステップS32では、シートベルトリトラクタ1の動力伝達機構9を動力伝達モードに設定し、且つスプール5がシートベルト巻き取り動作するようにモータ7を駆動制御して、前述のようなシートベルト格納巻き取り動作を行う。また、当該シートベルト格納巻き取り動作中にモータ電流検出計22によって検出された値が基準電流値に達し、シートベルト負荷が上昇したと判定した場合には、シートベルト格納巻き取り動作を一時的に所定時間停止するインターバルを設ける。ステップS32では、この一時的な停止時間T4が予め設定された基準停止時間(基準値)T0を下回るように設定(T4<T0)した設定モード(短インターバルでのシートベルト格納巻き取り動作)によって行う。ここでいう基準停止時間T0が、請求項4及び請求項8に記載の「基準停止時間」に相当する。これにより、後述するステップS34においてシートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立するまでの間、シートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作が繰り返されることとなる。なお、停止時間T4や基準値は、車両乗員がシートベルトの引っ掛かりを直す操作や、シートベルの引き出し操作に要する時間等を実際に計測したうえで予め設定されるのが好ましい。
ステップS32におけるこのような設定は、車両ドア50が開放状態である場合には、車両乗員がシートベルト3を引き出し操作する可能性は低く、シートベルト負荷の上昇要因が車両乗員や車両シート等に対するシートベルト3の引っ掛かりである可能性が高く、当該引っ掛かりを直すのにそれほど多くの時間は必要ないという考えに基づくものである。これにより、シートベルト格納巻き取り動作を必要以上に長く停止したままの状態にするのを回避して、車両ドア50によるシートベルト3やトング12の挟み込み発生を防止することが可能となる。
一方、ステップS33では、シートベルトバックルがON状態であるためにシートベルト格納巻き取り動作を行わず、モータ7を駆動停止状態に設定、或いは駆動停止状態を維持する。このとき、シートベルトリトラクタ1の動力伝達機構9は動力伝達モードに設定されてもよいし、或いは動力伝達遮断モードに設定されてもよい。このステップS33では、シートベルト格納巻き取り動作自体を行わないため、一時的な停止時間の設定自体を行わない。
ステップS34では、図3中のステップS14及びステップS15と同様に、シートベルト格納巻き取り動作の終了条件が成立したか否かを判定し、当該終了条件が成立していないと判定した場合(ステップS34のNOの場合)にはステップS32に戻り、当該終了条件が成立したと判定した場合(ステップS34のYESの場合)には、そのままリトラクタ制御処理Cを終了する。なお、ステップS34における終了条件の成立は、シートベルトバックルがOFF状態になってからの時間や、ステップS32におけるシートベルト格納巻き取り動作と巻き取り停止動作の繰り返し回数などに基づいて判断される。
上記リトラクタ制御処理Cが、請求項4及び請求項8に記載の制御手段による制御態様に相当する。
以上のように、上記リトラクタ制御処理A、リトラクタ制御処理B及びリトラクタ制御処理Cによれば、シートベルト格納巻取り動作中において、シートベルトの負荷上昇に伴って当該シートベルト格納巻き取り動作を一時的に停止するとともに、この停止時間をシートベルト負荷上昇の要因に見合った適正な時間として設定することによって、シートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図ることが可能とされる。
かくして、本実施の形態によれば、モータ7を用いたシートベルト格納巻取り動作に関し当該動作が円滑化された、シートベルトリトラクタ1、シートベルト装置100及び当該シートベルト装置100を備えたシートベルト装置付車両が提供される。
なお、上述の各リトラクタ制御処理に関し、シートベルト格納巻き取り動作は、モータ7の駆動力のみで行われてもよいし、或いはスプール5に作用するリターンスプリング等の弾性部材による巻き取り力に加え、モータ7の駆動力が補助的に用いられることで行われてもよい。
また、本発明においては、本実施の形態において説明した上記リトラクタ制御処理A〜Cの各処理のうち、各々を独立して採用することもできるし、或いは各処理を適宜組み合わせた構成を採用することもできる。
また、本実施の形態において、車両乗員Cに対しシートベルト3が装着された状態であるか否かの情報、及び当該シートベルト3に対応する車両ドア50の開閉情報により定まるシートベルト格納開始条件の成立によって、スプール5がシートベルト巻き取り動作するようにモータ7を駆動制御するとともに、このシートベルト格納開始条件の成立パターンに基づいて、シートベルト格納巻き取り動作中の一時的な停止時間を設定する構成を種々採用することができる。すなわち、シートベルト格納巻き取り動作の開始が、シートベルト3の装着の状態(装着或いは装着解除)及び車両ドア50の開閉の状態(開放或いは閉止)の組み合わせに応じて規定されるとともに、このシートベルト格納巻き取り動作の開始条件の成立パターンによって停止時間(インターバル)が変わるように構成されていればよい。このシートベルト格納開始条件の成立パターンは、シートベルト3の装着の状態と車両ドア50の開閉の状態との組み合わせや、成立の順序などに応じて適宜設定することができ、またシートベルト格納開始条件の成立パターンの数は必要に応じて設定することができる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、自動車に装着されるシートベルトリトラクタ1の構成について記載したが、本発明のシートベルトリトラクタの構成は、例えば自動車、飛行機、船舶、電車、バス等、車両乗員を乗せて移動する各種の車両に装着されるシートベルト装置の構成に適用され得る。
本実施の形態のシートベルト装置100の概略構成を示す図である。 図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。 本実施の形態の「リトラクタ制御処理A」のフローチャートである。 本実施の形態の「リトラクタ制御処理B」のフローチャートである。 本実施の形態の「リトラクタ制御処理C」のフローチャートである。
符号の説明
1 シートベルトリトラクタ
3 シートベルト
5 スプール
5a シートベルト巻き取り面
7 モータ
9 動力伝達機構
10 ショルダーガイドアンカー
12 トング
14 アウトアンカー
16 シートベルトバックル
16a バックルスイッチ
20 ECU
22 モータ電流検出計
30 入力要素
32 車両衝突情報検知センサ
40 車両シート
42 Bピラー
50 車両ドア
52 車両ドア開閉センサ
100 シートベルト装置

Claims (9)

  1. 車両に搭載されるシートベルトリトラクタであって、
    電動モータと、前記電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトのシートベルト巻き取り動作及びシートベルト巻き出し動作を行うスプールと、前記電動モータの駆動制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記シートベルトが車両乗員に対し装着された状態であるか否かの情報、及び当該シートベルトに対応する車両ドアの開閉情報により定まるシートベルト格納開始条件の成立によって、前記スプールがシートベルト巻き取り動作するように前記電動モータを駆動制御し、当該駆動制御中に前記シートベルトに作用するシートベルト負荷が上昇した場合は、当該駆動制御を一時的に停止するとともに、その停止時間を前記シートベルト格納開始条件の成立パターンに基づいて設定することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記制御手段は、前記シートベルトの車両乗員に対する装着が解除されたときに、当該シートベルトに対応する車両ドアが開放状態とされた第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記スプールがシートベルト巻き取り動作するように前記電動モータを駆動制御し、且つ前記電動モータの停止時間を第1の時間に設定する一方、前記シートベルトの車両乗員に対する装着が解除されたときに、当該シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態とされた第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記スプールがシートベルト巻き取り動作するように前記電動モータを駆動制御し、且つ前記電動モータの停止時間を第1の時間よりも長い第2の時間に設定することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  3. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記制御手段は、前記シートベルトに対応する車両ドアが閉止されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態とされたシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記電動モータの停止時間が基準停止時間を上回るように設定することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  4. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記制御手段は、前記シートベルトに対応する車両ドアが開放されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態とされたシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記電動モータの停止時間が基準停止時間を下回るように設定することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  5. 車両に搭載されるシートベルト装置であって、
    車両乗員に対し装着される乗員拘束用のシートベルトと、電動モータと、前記電動モータの駆動に伴って前記シートベルトのシートベルト巻き取り動作及びシートベルト巻き出し動作を行うスプールと、前記電動モータの駆動制御を行う制御手段と、車両に対し固定されたシートベルトバックルと、前記シートベルトに設けられシートベルト装着時に前記シートベルトバックルに係合するトングと、前記トングが前記シートベルトバックルに係合したことを検知するバックル検知センサと、前記電動モータの電流値を検知する電流検知センサと、
    を備え、
    前記制御手段は、前記バックル検知センサの検知情報に基づいて車両乗員に対する前記シートベルトの装着の状態を判定し、当該シートベルトが車両乗員に対し装着された状態であるか否かの情報、及び当該シートベルトに対応する車両ドアの開閉情報により定まるシートベルト格納開始条件の成立によって、前記スプールがシートベルト巻き取り動作するように前記電動モータを駆動制御し、当該駆動制御中に前記電流検知センサの検知情報に基づいて前記シートベルトに作用するシートベルト負荷が上昇したと判定した場合は、当該駆動制御を一時的に停止するとともに、その停止時間を前記シートベルト格納開始条件の成立パターンに基づいて設定することを特徴とするシートベルト装置。
  6. 請求項5に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、前記シートベルトの車両乗員に対する装着が解除されたときに、当該シートベルトに対応する車両ドアが開放状態とされた第1のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記スプールがシートベルト巻き取り動作するように前記電動モータを駆動制御し、且つ前記電動モータの停止時間を第1の時間に設定する一方、前記シートベルトの車両乗員に対する装着が解除されたときに、当該シートベルトに対応する車両ドアが閉止状態とされた第2のシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記スプールがシートベルト巻き取り動作するように前記電動モータを駆動制御し、且つ前記電動モータの停止時間を第1の時間よりも長い第2の時間に設定することを特徴とするシートベルト装置。
  7. 請求項5に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、前記シートベルトに対応する車両ドアが閉止されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態とされたシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記電動モータの停止時間が基準停止時間を上回るように設定することを特徴とするシートベルト装置。
  8. 請求項5に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、前記シートベルトに対応する車両ドアが開放されたときに、当該シートベルトが車両乗員に対し装着解除状態とされたシートベルト格納開始条件の成立パターンの場合には、前記電動モータの停止時間が基準停止時間を下回るように設定することを特徴とするシートベルト装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載のシートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成のシートベルト装置付車両。
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