JP5642161B2 - シートベルト装置 - Google Patents
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Description
本願は、2010年4月23日に、日本国に出願された特願2010−100063号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
上記(2)によれば、前回の拘束要求がモータの駆動電流が所定値を超える拘束要求である場合に、ロックの解除がされているか否かの判定がなされて、かつ再度優先順位の高い拘束要求があったときには、ロック解除に遷移している状態であっても、ある程度乗員が拘束されている。そのため、更に、ウェビングにより乗員が拘束されてしまう状況が回避でき、乗員が過度に拘束されて不快感を覚えることを防止できる。
上記(3)によれば、ロックが解除されているか否かの判定がなされてロック解除に遷移している状態で再度乗員の拘束要求があり、この優先順位が一定未満である場合がある。この場合には、既にある程度乗員が拘束されている。そのため、更なる乗員の拘束を回避でき、乗員が過度に拘束されて不快感を覚えることを防止できる。
上記(4)によれば、クラッチを断位置にするためにモータを例えば逆転で駆動している状態で、優先順位の高い拘束要求があった場合に、モータをいきなり正転することがなくなる。したがって、モータの駆動回路を保護することができる。
上記(5)によれば、乗員の拘束要求があり、その後ウェビングがロックされずクラッチも接位置にあることがある。このような場合であって、モータを駆動してウェビングが引き出されないように維持している状態においても、ウェビングのロックを解除するためにモータを正転している場合と同様の取り扱いをすることができる。これにより、モータに作用する負荷を軽減し、乗員に不快感を与えることなくモータを制御することができる。
図1は、この発明の実施形態のシートベルト装置1の説明図である。シート2の側方の図示しないセンタピラー内に、乗員3を拘束するウェビング5を巻き取るリトラクタ4が配置されている。リトラクタ4から上方に引き出されたウェビング5は、図示しないセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通される。ウェビング5の先端は、シート2の外側壁のアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。さらに、スルーアンカ6とアウタアンカ7の間でウェビング5に挿通されたタングプレート8がシート2の内側壁寄りの車体フロアに設けられたバックル9に脱着可能となって、所謂三点式のシートベルト装置1が構成されている。
ロック作動ドラム23はリール軸12aに微小な摩擦抵抗を持って嵌合されている。ロック作動ドラム23は、リール12の通常回転時にはリール12と一体に回転する。ロック作動ドラム23は、リール12との間に反対方向の力が加わったときには、リール12に対して設定角度の範囲で相対的に回動する。
ロック作動ドラム23は周面に複数のクラッチ歯24を備えている。
ボールセンサ25は、センサケース26とその収容部内に配置されたセンサウエイト27とを備えている。センサウエイト27には、係止爪28が一体に取り付けられている。センサウエイト27は、車両の加速度に応じて揺動し、規定量以上揺動したときに係止爪28がロック作動ドラム23のクラッチ歯24に噛合する。
スイッチング素子Q1およびQ4がオン、かつスイッチング素子Q2およびQ3がオフとなるとモータ10が正転してリール12をウェビング5を巻き取る方向に回転させる。これを契機にクラッチ20はオンとなる。一方、スイッチング素子Q2およびQ3がオン、かつスイッチング素子Q1およびQ4がオフとなるとモータ10が逆転してリール12をウェビング5が巻き出される方向に回転させる。これを契機にクラッチ20はオフとなる。
命令出力手段30は、入力信号に基づいてモータ10を駆動するモードを選択し、このモードに応じたモータ10の駆動信号を出力する。ここで、駆動信号はモータ10を駆動するための電流値及び回転方向(正転、逆転)に対応している。
尚、解除作動モードには、ウェビング5の引き出しはロックされないが、引き出しも行われない状態を維持するためモータ10を駆動するロック抑制モードがある。
一方、ロック状態検出手段33は、前後加速度センサ16の検出結果を、既知であるボールセンサ25が移動する加速度と比較する。これにより、ロック状態検出手段33は、リール12がロックしているか、つまりウェビング5がロック状態になっているか否かを検出する。その検出結果がモータ駆動手段32に入力される。前後加速度センサ16の検出結果がボールセンサ25が移動する加速度以上である場合にはリール12がロック状態にあると判定される。
拘束制御モードが終了すると解除作動モードに遷移する。この解除モードに遷移している最中に再度拘束制御モード要求がなされる場合がある。この場合、直前に完了した前回の拘束制御モードがどのモードであるかによって、今回の拘束制御モードでのモータ10の制御を最適にする必要がある。そこで以下のような制御が行われる。
ステップS4の判定結果が肯定的である場合には、ステップS5において、(1)緊急作動要求モード又は(2)横滑り作動要求モードのトリガに応じたウェビングの引き込み動作を行い処理を終了する。この場合、前回のモータの駆動電流が4A以下と小さいため、前回のウェビング5の引き込み量も少ない。また、この場合、今回が(1)緊急作動要求モード又は(2)横滑り作動要求モードであり、緊急性が高いため、速やかに乗員を拘束する必要がある。
例えば、上記の実施形態においては、モードの優先順位を第1位の(1)緊急作動要求モードから第5位の(5)警報作動要求モードまでとし、閾値としての「所定の順位」を第2位とした。そして、優先順位判定手段によって第2位以上(第1位又は第2位)であるか、第2位未満(第3位から第5位)であるかを判定した。しかし、この「所定の順位」は第2位に限られず、モードの数およびモードの種類に応じた任意の順位とすることができる。すなわち、上記の実施形態においては、第1から第5位までのいずれかを「所定の順位」とすることができる。また、モードの数が6以上に増加すれば、それに応じて順位の数も増加し、モードの数が4以下に減少すれば、それに応じて順位の数も減少する。
12 リール
13 動力伝達機構(伝達機構)
10 モータ
20 クラッチ
15 車速センサ(車両状態検出手段)
16 前後加速度センサ(車両状態検出手段)
17 横加速度センサ(車両状態検出手段)
18 ヨーレートセンサ(車両状態検出手段)
19 車輪速センサ(車両状態検出手段)
30 命令出力手段
31 優先順位判定手段
22 緊急ロック機構(シートベルトロック手段)
33 ロック状態検出手段
34 ロック解除判定手段
21 コントローラ(制御手段)
Claims (3)
- 車両に設けられたシートベルト装置であって、
ウェビングと;
前記ウェビングを巻回するリールと;
前記リールを介して前記ウェビングを駆動するモータと;
前記モータの駆動力を前記リールへ伝達しない断位置と、前記駆動力を前記リールへ伝達する接位置と、を切替可能なクラッチと;
前記車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と;
前記車両状態検出手段によって検出された前記車両状態に基づいて、前記モータを駆動するための命令を出力する命令出力手段と;
前記命令出力手段から出力された前記命令の優先順位を、複数の乗員拘束コントロールモードに従って判定する優先順位判定手段と;
前記ウェビングの引き出しをロックするシートベルトロック手段と;
前記シートベルトロック手段による前記ウェビングのロック状態を検出するロック状態検出手段と;
前記ロック状態検出手段により前記ウェビングのロック状態が検出された後に、前記ウェビングのロックが解除されているか否かを判定するロック解除判定手段と;
前記ロック解除判定手段により前記ロックが解除されていることが判定され、
前記ウェビングのロックを解除するために前記モータに巻き取り動作をさせている間に、前記モータを駆動する前記命令が出力され、
かつ現在における前記命令の優先順位が、前記複数の乗員拘束コントロールモードのうち、緊急作動要求モードまたは横滑り作動要求モードを示す所定の順位以上であり、
さらに前回における前記命令による前記モータの駆動電流が所定値を超えない場合に、
前記ウェビングに張力を付与するように前記モータを制御する制御手段と;
を有し、
前記制御手段は、
前記ロック解除判定手段により前記ロックが解除されていることが判定され、
前記ウェビングのロックを解除するために前記モータに巻き取り動作をさせている間に、前記モータを駆動する前記命令が出力され、
かつ現在における前記命令の優先順位が前記所定の順位未満である場合、
または、
前記ロック解除判定手段により前記ロックが解除されていることが判定され、
前記ウェビングのロックを解除するために前記モータに巻き取り動作をさせている間に、前記モータを駆動する前記命令が出力され、
かつ現在における前記命令の優先順位が前記所定の順位以上であり、
さらに前回における前記命令による前記モータの前記駆動電流が前記所定値を超える場合に、
現在における前記命令を受け付けず、前記ウェビングのロック解除を継続することを特徴とするシートベルト装置。 - 前記制御手段は、
前記ロック解除判定手段により前記ロックが解除されていることが判定され、
前記ウェビングのロックを解除するために前記モータに巻き取り動作をさせている間に、前記モータを駆動する前記命令が出力され、
かつ現在における前記命令の優先順位が前記所定の順位以上であり、
さらに前回における前記命令による前記モータの駆動電流が所定値を超えず、
さらに前記モータが前記クラッチを前記断位置にするように駆動中である場合に、
前記モータの駆動を一定時間停止することを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置。 - 前記ロック解除判定手段が、前記ウェビングを引き込む方向に前記モータを駆動して前記ロック状態検出手段により前記ウェビングのロック状態が検出されない状態を維持しているか否かをも判定し;
前記ロック解除判定手段により前記ウェビングのロック状態が検出されない状態を維持していると判定され、
前記ウェビングのロック状態が生じないように前記モータに巻き取り動作をさせている間に、前記モータを駆動する前記命令が出力され、
かつ前記命令の優先順位が所定の順位以上である場合に、
前記制御手段が前記ウェビングに張力を付与する;
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト装置。
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