JP2007045181A - シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 - Google Patents

シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、シートベルト装置付車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両に搭載され、電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行うシートベルトリトラクタを合理的に制御することで、特には、車両乗員に対し注意を促す警報をシートベルトを用いて確実に行うのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 車両に搭載されるシートベルト装置100のシートベルトリトラクタ1は、シートベルト装着時において、車両乗員Cに対し注意を促す警報を行うべく、スプールを介してシートベルト3に作用する張力を増減させる動作を複数回繰り返すとともに、各動作の動作初期におけるシートベルト張力が目標張力に対しオーバーシュートするような設定に基づいてモータを駆動制御する構成とされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に関するものである。
従来、自動車等の車両において、シートベルトによって当該車両乗員の拘束を図る種々の構成のシートベルト装置が知られている。
下記特許文献1には、モータ等の駆動によってシートベルト巻き取り及び巻き出しを行うシートベルト装置の構成が開示されている。この特許文献1に記載の技術では、シートベルトリトラクタの構造として、スプールによるシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作をモータによって行う構成を採用したうえで、当該モータの動作を用いてシートベルトの張力を断続的に変化させ拘束力を可変とすることによって、運転者に対し車両衝突に関する警報を行う可能性が提示されている。
実開平6−71333号公報
ところで、上記特許文献1に記載のようなシートベルト装置を用いて車両衝突に関する警報を行う場合、シートベルトに作用する張力を、所定の目標値まで増加させた後に減少させる一定時間毎の動作を、複数回繰り返すようなモータ制御を採用することができる。
しかしながら、このような制御により車両乗員への警報が可能となるものの、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力を、モータ制御において目標として設定した張力通りに追従させるのは難しい。そこで、シートベルトによる警報を車両乗員に確実に認識させるべく、シートベルト張力の設定値自体を単純に上げる制御を用いると、車両乗員にとってシートベルトによる拘束感のみが高まることとなる。かといって、シートベルト張力の設定値自体を単純に下げる制御では、シートベルトによる拘束感は緩和できるものの、絶対的なシートベルト張力が不足することで警報の認知性自体が低下するため、本来の警報機能を全うできないという問題を生じる。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両に搭載され、電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行うシートベルトリトラクタを合理的に制御することで、特には、車両乗員に対し注意を促す警報をシートベルトを用いて確実に行うのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。本発明は、典型的には自動車の車両に搭載されるシートベルトリトラクタに適用することができるが、自動車以外の車両、例えば飛行機、船舶、電車、バス等に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に対し本発明を応用し得る。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項1に記載のこのシートベルトリトラクタは、車両に搭載されるものであって、電動モータ、スプール、制御手段を少なくとも備える。
本発明のスプールは、電動式の電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材として構成される。このスプールに対し巻き取り及び巻き出しされる乗員拘束用のシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員が、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束されることとなる。なお、本発明では、電動モータとスプールとの間に、モータとスプールとが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する機構としての動力伝達機構を、必要に応じて適宜介在させることができる。
本発明の制御手段は、少なくとも電動モータの駆動制御を行う手段として構成され、電動モータの駆動方向、駆動時間、駆動力等を制御する。この制御手段は、典型的にはCPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成される。この制御手段は、シートベルトリトラクタに専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタのみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段として兼用とされてもよい。
本発明では、制御手段は、シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着時において、車両乗員(典型的には運転者)に対し注意を促す警報を行うべく、スプールを介してシートベルトに作用する張力を増減させる動作(張力を一時的に高める動作)を複数回繰り返すように電動モータを駆動制御する制御モードを有する。この制御モードの遂行によって、車両乗員に対し注意を促す警報がシートベルトを介して発せられることとなる。具体的には、自車両周辺の障害物(別車両、障害物、歩行者など)が所定範囲内にあると判定した場合や、当該障害物に自車両が衝突する可能性が高いと判定した場合、或いは運転者が居眠りをしていると判定した場合に、この警報を行う。すなわち、本発明のシートベルトリトラクタは、シートベルトによって車両乗員を拘束する拘束手段としての機能に加えて、シートベルトを用いて車両乗員に対し注意を促す警報を行う警報手段(警報システム)としての機能を兼ね備えている。
ところで、シートベルトのこのような巻き取り動作を利用して警報を行う場合には、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力を、モータ制御において目標として設定した張力通りに追従させるのは難しい。そこで、シートベルトによる警報を車両乗員に確実に認識させるべく、シートベルト張力の設定値自体を単純に上げる制御を用いると、車両乗員にとってシートベルトによる拘束感のみが高まることとなる。
そこで、本発明では、制御手段は、車両乗員に対し注意を促す警報を行うべく、シートベルトに作用する張力を増減させる動作の動作初期における張力が目標張力に対しオーバーシュートするような設定に基づいて電動モータを駆動制御する制御モードを少なくとも有する構成とされる。このオーバーシュートに関しては、設定張力の時間推移曲線が、動作初期において目標張力を僅かに超えた極値を形成することとなる。当該制御モードは、電動モータの電流値(「制御電流値」ともいう)や電圧値(「印加電圧値」ともいう)の調節によってモータ出力を制御し、シートベルトの巻き取りに関する速度や加速度を所望のレベルに設定することで達せられる。なお、目標張力は、予め設定されてもよいし、或いは車両乗員の体格や服装などの情報に基づき、当該情報に応じてその都度設定されてもよい。
従って、請求項1に記載のシートベルトリトラクタのこのような構成によれば、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力を、目標レベルまで迅速に増加させることができるとともに、動作初期の警報時以外では、シートベルトによる拘束感が必要以上に高まるのを抑えることが可能となる。従って、車両乗員に対し注意を促す警報をシートベルトを用いて確実に行うことが可能とされる。また、本発明によれば、シートベルトを用いた当該警報を制御を複雑化させることなく簡便に行うことが可能である。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項2に記載のこのシートベルト装置では、車両に搭載される装置であって、シートベルト、電動モータ、スプール、制御手段、バックル、タング、検知センサを少なくとも備える。
本発明のシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員が、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束される。本発明のバックルは、車両に対し固定される部材として構成される。本発明のタングは、シートベルトに設けられシートベルト装着時に、本発明のバックルに係合する部材として構成される。本発明の検知センサは、タングがバックルに係合したことを検知する手段として構成される。その他、本発明の電動モータ、スプール、制御手段は、請求項1に記載のシートベルトリトラクタの構成要素と実質的に同様の機能を有する。
すなわち、本発明のシートベルト装置は、シートベルトによって車両乗員を拘束する拘束手段としての機能に加えて、シートベルトを用いて車両乗員に対し注意を促す警報を行う警報手段(警報システム)としての機能を兼ね備えている。また、本発明では、制御手段は、シートベルトに作用する張力を増減させる動作の動作初期における張力が予め設定された目標張力に対しオーバーシュートするような設定に基づいて電動モータを駆動制御する制御モードを少なくとも有する構成とされる。
従って、請求項2に記載のシートベルト装置のこのような構成によれば、車両乗員に対し注意を促す警報をシートベルトを用いて確実に行うことが可能となる。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのシートベルト装置付車両である。
請求項3に記載のこのシートベルト装置付車両は、請求項2に記載のシートベルト装置を少なくとも備える。本発明の車両は、当該シートベルト装置が、車両内の収容空間、例えばピラー内の収容空間、シート内の収容空間、あるいは車両内のその他の部位の収容空間に収容された構成とされる。
このような構成によれば、車両乗員に対して注意を促す警報をシートベルトを介して確実に行うことが可能なシートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成の車両が提供される。
以上のように、本発明によれば、電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行うシートベルト構造に関し、特に、シートベルトに作用する張力を増減させる動作の動作初期における張力が予め設定された目標張力に対しオーバーシュートするような設定に基づいて電動モータを駆動制御することで、車両乗員に対し注意を促す警報をシートベルトを用いて確実に行うことが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施の形態を説明する。
ここで、図1は、本発明にかかる「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を示す図である。また、図2は、図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、本発明の「シートベルト装置付車両」である自動車車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ1、シートベルト3、ショルダーガイドアンカー10、タング(トング)12、アウトアンカー14、バックル16、ECU20等を主体に構成されている。また、車両には、当該車両の衝突予知や衝突発生に関する情報、当該車両の運転状態に関する情報、シートに着座している車両乗員の着座位置や体格に関する情報、周辺の交通状況に関する情報、天候や時間帯に関する情報などの各種の情報を検出して、その検出情報をECU20に対し入力する入力要素30が搭載されている。この入力要素30の検出情報が、常時又は所定時間毎にECU20に伝達され、シートベルト装置100などの動作制御に用いられる。
特に、本実施の形態の入力要素30には、車両の衝突予知や実際の衝突発生といった、車両衝突の関する情報を検知する車両衝突情報検知センサ32が含まれている。この車両衝突情報検知センサ32は、自車両に対する衝突対象物(別車両、障害物、歩行者など)との間の距離、相対速度、相対加速度や、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度等の検出情報(検出信号)を検出(計測)可能なセンサとして構成される。この車両衝突情報検知センサ32は、単一の検出センサとして構成されてもよいし、或いは単一の検出センサを複数組み合わせて構成されてもよい。具体的には、ミリ波レーダ、レーザーレーダ、加速度センサ、カメラセンサ等を用いて車両衝突情報検知センサ32を構成することができる。
シートベルト3は、運転席である車両シート40に着座した車両乗員C(「運転者」ともいう)の拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルト(ウェビング)である。このシートベルト3が、本発明における「乗員拘束用のシートベルト」に対応している。このシートベルト3は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ1から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー10を経由し、タング(トング)12を通ってアウトアンカー14に連結されている。ショルダーガイドアンカー10は、車両乗員Cの乗員肩部領域においてシートベルト3を係止しガイド(誘導)する機能を有する。そして、車体に対し固定されたバックル16にタング12が挿入される(係合する)ことによって、当該シートベルト3が車両乗員Cに対し装着状態となる。このタング12が、本発明における「タング」に相当し、このタング12が係合するバックル16が、本発明における「バックル」に相当する。
なお、バックル16にはバックルスイッチ16aが内蔵されており、バックル16にタング(トング)12が挿入されシートベルトバックル操作がなされたこと(実質的にはシートベルト装着状態になったこと)が、このバックルスイッチ16aによって検知される。このバックルスイッチ16aが検知した情報はECU20に伝達され、シートベルト装着状態であるか否かが判定されるようになっている。このバックルスイッチ16aが、本発明における「タングがバックルに係合したことを検知する検知センサ」に相当する。
シートベルトリトラクタ1は、後述するスプール5及びモータ7を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置であり、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。このリトラクタ1は、図1に示す例では、車両のBピラー42内の収容空間に装着されている。
ECU20は、入力要素30からの入力信号に基づいて、シートベルトリトラクタ1をはじめ、各種の動作機構に関する制御を行う機能を有し、CPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成されている。特に本実施の形態の説明では、このECU20が、シートベルトリトラクタ1の後述するモータ7に関する制御を行う。具体的には、ECU20が、モータ7の電磁コイルに供給される電流供給量や電流供給方向を制御することによって、モータシャフトの、回転速度、回転方向、回転時間、回転トルク(出力)などが可変とされる。詳細については後述するが、このECU20は、モータ7の駆動制御を行う手段として構成されるとともに、後述する動力伝達機構9を制御してスプール5にモータ7の動力が伝達される状態を切り換える手段として構成される。更に、このECU20には、モータ7の動作時のモータ電流値を検出(測定)する機能が組み込まれている。このECU20が、本発明における「制御手段」に対応している。
なお、このECU20は、シートベルトリトラクタ1に専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタ1のみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段として兼用とされてもよい。
図2に示すスプール5は、円柱状ないし円筒状に形成され、そのスプール外周面(シートベルト当接面)がシートベルト3の巻き取り面を構成する。このスプール5は、本発明における「電動モータ」としてのモータ7の駆動に伴って、乗員拘束用のシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材であり、本発明における「スプール」に相当する。
また、本実施の形態では、このスプール5とモータ7との間に動力伝達機構9が介在する。この動力伝達機構9は、スプール5とモータ7とが接続された接続状態(動力伝達モード)、及び当該接続状態が解除された接続解除状態(動力伝達解除モード)を形成する機構として構成される。この動力伝達機構9は、ギア部材等を組み合わせて形成されるいわゆる「クラッチ」とも称呼される。この動力伝達機構9の接続状態は、モータ7の動力を当該動力伝達機構9を介してスプールに伝達可能な状態である。従って、この接続状態においてモータ7が駆動されることによって、当該モータ7の動力が動力伝達機構9を介してスプール5に伝達される。このとき、モータ7の回転は、動力伝達機構9によって減速されることとなる。これに対し、動力伝達機構9の接続解除状態においては、スプール5とモータ7との物理的な接続が解除され、スプール5からシートベルト3を容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。なお、必要に応じては、スプール5とモータ7との間に動力伝達機構9を介在させないで、スプール5とモータ7とを直接的に接続する構成を採用することもできる。
本実施の形態において、この動力伝達機構9は、特に図示しないものの、いわゆる「単段式クラッチ」として構成される。従って、動力伝達機構9の動力伝達モードにおいて、モータ7が所定のモータ出力で駆動されるとき、モータ7の回転が減速されてスプール5に伝達され、当該スプール5は所定の回転トルク、所定の回転数で回転駆動されることとなる。
なお、この動力伝達機構9にかえて、スプールの回転トルク及び回転数を複数段階に可変とするような構成の動力伝達機構を用いることもできる。例えば、スプールの回転トルク及び回転数を2段階に可変とする2段クラッチを用いる場合において、シートベルトを強いベルト張力でスプールに巻き取る動作を行いたいときには、動力伝達機構を、相対的に回転トルクが高く、且つ相対的に回転速度が低い高減速比モードに設定することができる。これに対し、シートベルトをスプールに巻き取る動作を迅速に行いたいときには、当該動力伝達機構を、相対的に回転トルクが高く、且つ相対的に回転速度が低い高減速比モードに設定することができる。
本実施の形態では、上記シートベルト3の状態に関し次の7つのシートベルト設定モードが設定されており、これらのシートベルト設定モードに基づいてECU20によるモータ7及び動力伝達機構9の制御が行われるようになっている。
(1)ベルト格納モード
ベルト格納モードは、シートベルト3が使用されずスプール5に完全に巻き取られている状態のベルトモードである。このベルト格納モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ7が駆動されず、かつ動力伝達機構9が動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じているだけであり、また消費電力がゼロである。
(2)ベルト引出しモード
ベルト引出しモードは、シートベルト3を装着するためにスプール5から引き出す状態のベルトモードである。同様にこのベルト引出しモードでも、シートベルトリトラクタ1は動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3を弱い力で引き出すことが可能となっている。このときにも、モータ7が駆動されず、消費電力がゼロである。
(3)フィッティング用ベルト巻取りモード
フィッティング用ベルト巻取りモードは、シートベルト3を引き出してタング(図1中のタング(トング)12)をバックルに挿入係合してバックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ16a)がONした後、シートベルト3を車両乗員にフィットさせるために、余分に引き出されたシートベルト3を巻き取る状態のベルトモードである。或いは、このフィッティング用ベルト巻取りモードは、シートベルト3の通常装着状態(このとき、バックルスイッチはON状態となっている)で、車両乗員が動いてシートベルト3が所定量引き出された後、車両乗員が再び正規位置に着座したとき、引き出されたシートベルト3を巻き取る状態のベルトモードである。このフィッティング用ベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つモータ7がベルト巻取り方向に高回転で回転駆動されるように制御される。従って、シートベルト3は迅速にスプール5に巻き取られ、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときモータ7が停止することで、シートベルト3は車両乗員にフィットした状態で装着される。
(4)通常装着モード(コンフォートモード)
通常装着モード(コンフォートモード)は、フィッティング用ベルト巻取りモード終了後に設定される、シートベルト3の通常装着状態のベルトモードである。この通常装着モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ7が駆動されず、かつ動力伝達機構9が動力伝達遮断モードに設定される。したがって、シートベルト3にごく弱いベルト張力が生じているだけであるので、車両乗員はシートベルト3が装着されても圧迫感を抱くことはない。また、消費電力がゼロである。
(5)警報モード
警報モードは、通常装着モードで車両走行中に運転者の居眠りや自車両周辺の障害物を検知して、シートベルト3の巻取りを所定回数繰り返すことで、運転者に警報を発する状態のベルトモードである。この警報モードでは、シートベルトリトラクタ1は、モータ7が繰り返し駆動されるように設定される。したがって、シートベルト3に比較的強いベルト張力(後述する緊急モードのベルト張力より弱い)と、ごく弱いベルト張力とが車両乗員に繰り返し加えられるので、運転者は居眠りや自車両周辺の障害物に対して注意を促される。この警報モードの詳細な制御内容については後述する。
(6)緊急モード
緊急モードは、通常装着モードで車両走行中に、或いは上記警報モードに引き続いて、自車両が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い場合に設定されるベルトモードである。この緊急モードでは、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つモータ7がベルト巻取り方向に高回転、高トルクで回転駆動されように制御される。従って、シートベルト3は迅速にスプール5に巻き取られた後、最終的にシートベルト3にきわめて強い所定のベルト張力が生じたときモータ7が停止することで、このシートベルト3によって車両乗員が確実に拘束される。
(7)格納用ベルト巻取りモード
格納用ベルト巻取りモードは、シートベルト3の装着を解除するために、タング(図1中のタング(トング)12)をバックルから抜き出し、バックルスイッチ(図1中のバックルスイッチ16a)がOFFとなったとき、シートベルト3を格納状態にするために完全に巻き取る状態のベルトモードである。この格納用ベルト巻取りモードでは、シートベルトリトラクタ1は、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つモータ7がベルト巻取り方向に回転駆動されるように制御されることで、引き出されたシートベルト3をスプール5に迅速に巻き取る。そして、シートベルト3が完全に巻き取られて、ごく弱い所定のベルト張力が生じたときにモータ7が停止することで、シートベルト3は前述のごく弱いベルト張力が生じているベルト格納モードとなる。
ここで、上記構成のシートベルトリトラクタ1の制御に関し、上述の「警報モード」の詳細な制御内容を、図3〜図5を参照しながら具体的に説明する。シートベルトリトラクタ1におけるこの制御は、図1中及び図2中のECU20によって遂行される。
本実施の形態のシートベルトリトラクタ1の警報モードに関し、警報制御処理のフローチャートが図3に示される。
図3に示すように、この警報制御処理では、まずステップS10によって、シートベルト装着状態か否かを判定する。具体的には、図1中のバックルスイッチ16aがバックル16にタング(トング)12が挿入されたことを検知した場合に、シートベルト装着状態であると判定し、バックルスイッチ16aがタング12の挿入解除を検知した場合に、シートベルト装着解除状態であると判定する。
このステップS10においてシートベルト装着状態であると判定した場合(ステップS10のYES)には、ステップS20にすすむ。一方、ステップS10においてシートベルト装着解除状態であると判定した場合(ステップS10のNO)には、そのまま警報制御処理を終了する。
次に、図3中のステップS20では、警報条件が成立しているか否かを判定する処理を行う。具体的には、図1中の車両衝突情報検知センサ32によって検知された情報に基づいて、自車両周辺の障害物(別車両、障害物、歩行者など)が所定範囲内にあると判定した場合や、当該障害物に自車両が衝突する可能性が高と判定した場合、或いはシートベルト3に作用する張力変化を検出するセンサによって検知された情報に基づいて、運転者が居眠りをしていると判定した場合に、警報条件が成立していると判定する。
このステップS20において警報条件が成立していると判定した場合(ステップS20のYES)には、ステップS30にすすみ、シートベルト巻取り制御を遂行したのち警報制御処理を終了する。一方、ステップS20において警報条件が成立していないと判定した場合(ステップS20のNO)には、そのまま警報制御処理を終了する。
次に、図3中のステップS30では、警報モードによるシートベルト巻取り制御を行う。このシートベルト巻取り制御では、シートベルト3に作用する張力を増減させる動作(張力を一時的に高める動作)を複数回繰り返すようにモータ7を駆動制御することで、車両乗員(運転者)に対し注意を促す警報を行う。この制御態様が、本発明における「シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着時において、スプールを介してシートベルトに作用する張力を増減させる動作を複数回繰り返す」との制御態様に相当する。
ところで、シートベルト3のこのような巻き取り動作を利用して車両乗員に対し注意を促す警報を行う場合には、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力を、モータ制御において目標として設定した張力通りに追従させるのは難しい。比較例として、一定の目標張力Taが所定時間(Δt)得られるように設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を図6に示す。図6に示すように、シートベルト張力を高める複数回(図6中では3回)の動作に関し、各動作の時間推移を示す波形状を方形波(矩形波)とした場合、各動作の動作初期における張力の立ち上がりが極端に抑えられることとなる。
そこで、本実施の形態では、シートベルト張力(入力)の設定を工夫することによって、シートベルト張力を高める各動作の動作初期における張力の立ち上がりを、目標として設定した張力Taに極力追従させる制御方法を採用している。
ここで、本実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を図4に示す。
図4に示すように、本実施の形態では、各動作の動作初期における張力が予め設定された目標張力Taに対し張力Tbまでオーバーシュートするような設定に基づいてモータ7を駆動制御する制御モードを採用することとしている。このオーバーシュートに関しては、設定張力の時間推移曲線が、動作初期において目標張力Taを僅かに超えた極値(張力Tb)を形成することとなる。具体的には、ベルト張力(入力)が、時間t1,t3,t5において目標張力Taよりも高い張力Tbとされ、その後、時間t2,t4,t6までの間に目標張力Taまで徐々に低下するように設定されている。この制御態様が、本発明における「各動作の動作初期における張力が予め設定された目標張力に対しオーバーシュートするような設定に基づいて電動モータを駆動制御する。」との制御態様に相当する。当該制御モードは、モータ7の電流値(「制御電流値」ともいう)や電圧値(「印加電圧値」ともいう)の調節によってモータ出力を制御し、シートベルト3の巻き取りに関する速度や加速度を所望のレベルに設定することで達せられる。
このような制御方法によれば、図4中の下図に示すように、シートベルト張力を高める複数回(図4中では3回)の動作に関し、各動作の動作初期における張力の立ち上がりを、二点鎖線で示す比較例よりも引き上げることが可能となり、これによって目標として設定した張力Taに極力追従させることが可能となる。
なお、この制御における設定張力Ta,Tbの値に関しては、車両乗員の体格や服装を判別したうえで、当該判別結果に基づいて設定張力Ta,Tbの値を適宜設定することができる。
また、シートベルト張力(入力)を目標張力に対しオーバーシュートさせるための設定に関しては、必要に応じて種々の設定を用いることができ、例えば図4中の上図に示すような設定にかえて、図5中に示すような別の実施の形態の設定を採用することもできる。この設定においては、ベルト張力(入力)が、時間t1,t3,t5において目標張力Taよりも高い張力Tbとされ、その後、時間t2,t4,t6までの間に目標張力Taまで段階的に低下するように設定されている。このような設定によっても、図4中の下図に示すように、各動作の動作初期における張力の立ち上がりを引き上げることが可能となる。
このように本実施の形態のシートベルトリトラクタ1によれば、特に図3に示す警報制御処理を、図4や図5に示すような設定において遂行することによって、注意を促す警報をシートベルト3を介して確実に車両乗員に感知させることが可能とされる。これにより、車両衝突のために必要とされる回避操作を運転者に対して促すことや、居眠りをしている車両乗員に対し注意を促すことが可能となる。なお、図4及び図5には、いずれもシートベルト3に作用する張力を増減させる動作(張力を一時的に高める動作)を3回繰り返す場合を示しているが、本発明では、この動作を2回行う設定や4回以上行う設定を適宜採用することもできる。
また、本実施の形態では、図3中の警報制御処理に引き続き、車両衝突情報検知センサ32の検知情報に基づいて、自車両が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い場合には、前述の緊急モードに移行し、最終的にシートベルト3にきわめて強い所定のベルト張力が生じたときモータ7が停止することで、このシートベルト3によって車両乗員を確実に拘束する制御を行うことができる。
なお、本実施の形態のシートベルトリトラクタ1の上述の「フィッティング用ベルト巻取りモード」に関し、スラッグ除去制御処理のフローチャートが図7に示される。
図7に示すように、このリトラクタ制御処理では、まずステップS110によって、シートベルト装着状態か否かを判定する。具体的には、図1中のバックルスイッチ16aがバックル16にタング(トング)12が挿入されたことを検知した場合に、シートベルト装着状態であると判定し、バックルスイッチ16aがタング12の挿入解除を検知した場合に、シートベルト装着解除状態であると判定する。
このステップS110においてシートベルト装着状態であると判定した場合(ステップS110のYES)には、ステップS120にすすむ。一方、ステップS110においてシートベルト装着解除状態であると判定した場合(ステップS110のNO)には、そのままスラッグ除去制御処理を終了する。
次に、図7中のステップS120では、巻き取り開始条件が成立しているか(或いは成立したか)否かを判定する処理を行う。具体的には、シートベルト3に作用する張力変化を検出するセンサによって検知された情報に基づいて、当該シートベルト3が巻き出されたままの状態が継続されている、或いは当該シートベルト3が巻き出されたままの状態が形成されたと判定した場合に、巻き取り開始条件が成立している(或いは成立した)と判定する。
このステップS120において巻き取り開始条件が成立している(或いは成立した)と判定した場合(ステップS120のYES)には、ステップS130にすすみ、シートベルト巻取り制御を遂行したのちスラッグ除去制御処理を終了する。一方、ステップS120において巻き取り開始条件が成立していないと判定した場合(ステップS120のNO)には、そのままスラッグ除去制御処理を終了する。
次に、図7中のステップS130では、フィッティング用ベルト巻取りモードによるシートベルト巻取り制御を行う。このシートベルト巻取り制御では、シートベルト3に作用する張力を増減させる動作(張力を一時的に高める動作)を行うようにモータ7を駆動制御することで、スプール5から余分に巻き出されたシートベルト3を巻き取る。
ところで、シートベルト3のこのような巻き取り動作を利用してスラッグ除去を行う場合には、シートベルト張力を単純に高める制御を用いると、シートベルトのスラッグ除去は可能となるものの、その反面、車両乗員にとってシートベルトによる拘束感が高まることとなる。比較例として、一定の目標張力Taが所定時間得られるように設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を図11に示す。図11に示すように、シートベルト張力を高める動作に関し、当該動作の時間推移を示す波形状を方形波(矩形波)とした場合、その動作初期における張力の立ち上がりが急になり、車両乗員に対する急激な締め付けが行われることとなる。
そこで、本実施の形態では、シートベルト張力(入力)の設定を工夫することによって、シートベルト張力を高める動作の動作初期における張力の立ち上がりが極力緩やかになるように抑える制御方法を採用している。
ここで、本実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を図8に示す。
図8に示すように、本実施の形態では、シートベルト張力を高める動作の動作初期において、シートベルト張力が目標張力Taに達するまでの張力上昇速度が所定の拘束力基準値を下回るような設定に基づいてモータ7を駆動制御する制御モードを採用することとしている。具体的には、図8中の上図にて、時間s1から時間s2に至る間のシートベルト張力の上昇曲線の傾きL2が、図11中の上図でのシートベルト張力の立ち上がりに相当する基準線の傾きL1よりも緩やかになるように設定している。当該制御モードは、モータ7の電流値(「制御電流値」ともいう)や電圧値(「印加電圧値」ともいう)の調節によってモータ出力を制御し、シートベルト3の巻き取りに関する速度や加速度を所望のレベルに設定することで達せられる。
このような制御方法によれば、図8中の下図に示すように、シートベルト張力を高めるスラッグ除去動作に関し、当該動作の動作初期における張力の急な立ち上がりを緩やかに抑えたシートベルト張力の上昇曲線L3が形成される。これによって、シートベルト3により車両乗員の拘束感が高まるのを極力抑えることが可能となる。
なお、この制御における設定張力Taの値に関しては、車両乗員の体格や服装を判別したうえで、当該判別結果に基づいて設定張力Taの値を適宜設定することができる。
また、シートベルト巻き取り動作の動作初期において、シートベルト張力が目標張力に達するまでの張力上昇速度が所定の拘束力基準値を下回るような設定に関しては、必要に応じて種々の設定を用いることができ、例えば図8中の上図に示すような設定にかえて、図9中や図10中に示すような別の実施の形態の設定を採用することもできる。
図9中に示す例では、目標張力Taに至るまのでシートベルト張力が段階的に高まるとともに、時間s1から時間s2に至る間のシートベルト張力の上昇曲線の平均的な傾きL4が、図11中の上図でのシートベルト張力の立ち上がりに相当する基準線の傾きL1よりも緩やかになるように右側に傾斜した設定とされる。また、図10中に示す例では、目標張力Taに至るまのでシートベルト張力が連続的(曲線状)に高まるとともに、時間s1から時間s2に至る間のシートベルト張力の上昇曲線の平均的な傾きL5が、図11中の上図でのシートベルト張力の立ち上がりに相当する基準線の傾きL1よりも緩やかになるように右側に傾斜した設定とされる。このような設定によっても、図8中の下図に示すように、シートベルト張力を高めるスラッグ除去動作に関し、当該動作の動作初期における張力の急な立ち上がりを緩やかに抑えたシートベルト張力の上昇曲線L3が形成され、これによって、シートベルト3により車両乗員の拘束感が高まるのを極力抑えることが可能となる。
このように本実施の形態のシートベルトリトラクタ1によれば、特に図7に示すスラッグ除去制御処理を、図8〜図10に示すような設定において遂行することによって、シートベルト3のスラッグ除去を確実に行うとともに、シートベルト3により車両乗員の拘束感が高まるのを極力抑えることが可能とされる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、自動車に装着されるシートベルトリトラクタ1の構成について記載したが、本発明のシートベルトリトラクタの構成は、例えば自動車、飛行機、船舶、電車、バス等の車両乗員を乗せて移動する車両に装備されるシートベルト装置の構成に適用され得る。
本発明にかかる「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を示す図である。 図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。 本実施の形態のシートベルトリトラクタ1の警報モードに関する警報制御処理のフローチャートである。 図3中のシートベルト巻取り制御に関し、本実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を示す図である。 警報制御処理の別の実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移を示す図である。 警報制御処理の比較例にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を示す図である。 本実施の形態のシートベルトリトラクタ1のフィッティング用ベルト巻取りモードに関するスラッグ除去制御処理のフローチャートである。 図7中のシートベルト巻取り制御に関し、本実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を示す図である。 スラッグ除去制御処理の別の実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移を示す図である。 スラッグ除去制御処理の別の実施の形態にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移を示す図である。 スラッグ除去制御処理の比較例にて設定されたシートベルト張力(入力)の時間推移と、車両乗員に対し実際に作用するシートベルト張力(出力)の時間推移を示す図である。
符号の説明
1 シートベルトリトラクタ
3 シートベルト
5 スプール
7 モータ
9 動力伝達機構
10 ショルダーガイドアンカー
12 タング(トング)
14 アウトアンカー
16 バックル
16a バックルスイッチ
20 ECU
30 入力要素
32 車両衝突情報検知センサ
40 車両シート
42 Bピラー
100 シートベルト装置

Claims (3)

  1. 車両に搭載されるシートベルトリトラクタであって、
    電動モータと、前記電動モータの駆動に伴って乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行うスプールと、前記電動モータの駆動制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着時において、前記車両乗員に対し注意を促す警報を行うべく、前記スプールを介して前記シートベルトに作用する張力を増減させる動作を複数回繰り返すとともに、各動作の動作初期におけるシートベルト張力が目標張力に対しオーバーシュートするような設定に基づいて前記電動モータを駆動制御する制御モードを有する構成であることを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 車両に搭載されるシートベルト装置であって、
    車両乗員に対し装着される乗員拘束用のシートベルトと、電動モータと、前記電動モータの駆動に伴って前記シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うスプールと、前記電動モータの駆動制御を行う制御手段と、車両に対し固定されたバックルと、前記シートベルトに設けられシートベルト装着時に前記バックルに係合するタングと、前記タングが前記バックルに係合したことを検知する検知センサと、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検知センサの検知情報に基づいて前記シートベルトが車両乗員に装着されたシートベルト装着状態であると判定した場合、前記車両乗員に対し注意を促す警報を行うべく、前記スプールを介して前記シートベルトに作用する張力を増減させる動作を複数回繰り返すとともに、各動作の動作初期における張力が目標張力に対しオーバーシュートするようするような設定に基づいて前記電動モータを駆動制御する制御モードを有する構成であることを特徴とするシートベルト装置。
  3. 請求項2に記載のシートベルト装置が、車両内の収容空間に収容された構成のシートベルト装置付車両。
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