JP3951959B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートベルトの張力を変化させるプリテンショナを有し、ブレーキ制動が予測される場合にシートベルトを巻き取って乗員のリスク度を回避する車両用シートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の乗員のリスク度を回避する技術として、例えば、米国特許6370461号公報(特許文献1)に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載されている技術では、避けられない衝突を予測して、衝突前に車両姿勢制御手段の作動を変更するものである。避けられない衝突を予測する手段としては、運転者のブレーキ操作割合、ABS(Anti-lock Brake System)の作動信号、レーダによる障害物検知によるものが考えられる。
【0003】
また、避けられない衝突を予測する手段としては、あらゆる種類のシャシー、車体、内装についての手段が含まれる。例えば、車高を低くする、ステアリングの位置を変更する、シート位置を変更する等のほか、乗員拘束装置を事前に作動させる、作動させる際のしきい値を変更する、といった方法が考えられる。
【0004】
【特許文献1】
米国特許6370461号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術においては、ABSの作動によって、車両状態を変更する構成となっているが、ABS作動時のABSの作動状態に関する区別がない。従って、路面の摩擦係数の急変や、雪道などの摩擦係数が低い路面での制動時などで、一瞬だけABSが作動した場合にも、連続してABSが作動している場合と同様に、車両状態を変更する手段が作動することになってしまう。或いは、ABSが作動しているときに、操舵操作が検出された時に、操舵操作がなされない時と同様の方法で、乗員を拘束しているので、一層の改良が望まれている。また、ABSの作動信号に基づく制御は行われるが、VDC(Vehicle Dynamics
Control)の作動信号に基づく制御は行われない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、シートに着座した乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを巻き取り、巻き戻しするリトラクタを備えた車両用シートベルト装置において、前記ウェビングを前記リトラクタに所望する張力で巻き取り駆動する第1のプリテンショナと、緊急時に前記ウェビングに張力を付与し、乗員を最終的に拘束する第2のプリテンショナと、車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサと、を有し、前記第1のプリテンショナは、可逆的に動作する電動プリテンショナであり、車両に搭載されるABS(Anti-lock Brake System)の作動が、所定時間以内で終了する場合と、所定時間以上継続する場合とに分類してシートベルトの作動を変更することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る車両用シートベルト装置では、ABSの作動状態に応じて、シートベルトの作動を変更するようにしたので、車両に生じるリスク度に応じた、好適なシートベルト制御が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシートベルト装置の配置構成図である。
【0009】
同図に示すように、シートベルト装置10は、3点式パッシブシートベルトに例をとって示し、シートSに着座した乗員Hを拘束するウェビング11と、このウェビング11の一端側を巻回するリトラクタ12とを備え、ウェビング11の他端側はシートSのドア側に配置したアンカーを介して車体に固定してあるとともに、ウェビング11の中間部に移動自在に挿通したタング13を、シートSの車体中央側で車体に固定したバックル14に着脱自在に係合し、このバックル14と前記リトラクタ12との間でウェビング11をセンターピラーPcの上部のスルーリング15を介して移動自在に支持するようになっている。
【0010】
リトラクタ12は、ウェビング11をリトラクタ12に巻き取り駆動し、またはリトラクタ12から巻き戻し駆動する第1のプリテンショナ16と、緊急時にウェビング11に張力を付与し乗員Hを最終的に拘束する第2のプリテンショナ17と、を設けてある。
【0011】
第1のプリテンショナ16は、可逆的に動作可能な電動プリテンショナとして構成され、モータMと減速ギヤ機構16aとによって構成し、モータMの回転数を減速してトルクをリトラクタ12に設けたウェビング11を巻回するリールに伝達するようになっている。
【0012】
第2のプリテンショナ17は、この実施形態では火薬式(火薬プリテイン)として構成され、衝突検知によって火薬の爆発力でウェビング11を瞬時にリトラクタ12に巻取るようになっている。
【0013】
尚、第2のプリテンショナ17は火薬式に限ることなく、ウェビング11を迅速に巻取ることができる限りにおいてモータ等を用いることができる。
【0014】
また、前記リトラクタ12には、衝突時に巻取ったウェビング11の張力が所定値以上に上昇して乗員Hに大きな負担を掛けるのを防止するためのロードフォースリミッタ、及びウェビング11の急激な引き出しを感知してこのウェビング11の引き出しをロックするロック機構を設けてある。
【0015】
そして、衝突時には、ロック機構により、乗員の体をシートに拘束し、第2のプリンテンショナ16が作動して、ウェビング11の弛みを除去して、乗員の拘束性を向上させる。また、ロードフォースリミッタが作用して、シートベルトにより乗員の体へ作用する力を所定値以下に抑制する。
【0016】
更に、本実施形態に係るシートベルト装置10は、第1のプリテンショナ16を制御する第1のコントローラ30と、第2のプリテンショナ17を制御する第2のコントローラ53と、を具備している。
【0017】
第1のコントローラ30は、車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサ20にて検知されるブレーキストローク信号、車速センサ21の検出信号、及びABSコントローラ51より出力されるABS作動信号に基づいて、第1のプリテンショナ16を制御する。
【0018】
第2のコントローラ53は、衝突時の衝撃を検知する衝撃センサ52より衝突を示す検知信号が与えられた際には、第2のプリテンショナ17を駆動させるべく制御する。
【0019】
図2は、第1のコントローラ30の詳細な構成を示す機能ブロック図である(図1に示した第2のコントローラ53については、記載を省略している)。同図では、第1のプリテンショナ16のモータMを2個(M1,M2)設けてあり、このうちM1は運転席用のシートベルト装置10のものであり、M2は助手席用のシートベルト装置10のものとなっている。
【0020】
第1のコントローラ30は、図2に示すようにCPU31を備え、更に、このCPU31にバッテリ(BATT)からフューズ22を介して電源電圧を入力する電源回路32と、イグニッション信号を入力するIGN(イグニッション)入力回路33と、車速センサ21の車速信号、及びABSコントローラ51による検出信号を入力するCAN(Controller Area Network)・I/F34と、ブレーキペダルストロークセンサ20のブレーキストローク信号を入力するアナログI/F35と、を備えている。
【0021】
ここで、電源回路32により安定化された電圧は、CPU31の駆動源として用いる以外に、センサ電源回路32aを介してブレーキペダルストロークセンサ20に供給されるようになっている。
【0022】
CPU31より出力される制御信号は、駆動回路36を介してリレー37に供給され、且つ、運転席用及び助手席用のモータM(M1,M2)を駆動制御し、且つ回転方向を切り換えるH−Bridge(Hブリッジ)38a,38bに供給されるようになっている。
【0023】
H−Bridge38a,38bには、リレー37を介して、フューズ22、バッテリ電源よりの電圧が与えられ、且つ、各モータMは、H−Bridge38a,38bにより回転方向が制御されるとともに、これらモータMの回転速度は、CPU31で演算したデューティ比(以下、デューティと称す)によって制御されるようになっている。
【0024】
ブレーキペダルストロークセンサ20は、運転者の制動操作によるブレーキペダルの踏込み量を、ポテンショメータの回転角で検出するようになっており、このブレーキペダルストロークセンサ20は、センサ電源回路32aより与えられる電源電圧を、ブレーキペダルの踏込み量に応じた電圧信号に変換し、この電圧信号を、アナログI/F35を介してCPU31に出力する。
【0025】
車速センサ21で検出した車速データは、CAN・I/F34を経由してCPU31に供給される。この場合、CAN・I/F34を経由することなく、車速センサ21から車速に応じた周期のパルスを出力して、このパルス周期から車速を検出するようにしてもよい。
【0026】
CPU31は、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出信号に基づいて、ブレーキペダルが踏み込まれたときの制動が、緊急制動であるかどうかを判断する共に、緊急制動であれば衝突回避動作であると判断して、H−Bridge38a,38bに電流指令値をデューティ出力し、モータMの回転数を制御してウェビング11に張力を加え、該ウェビング11を巻き取る制御を行う。
【0027】
また、ABSコントローラ51より、ABS作動信号が与えられた場合には、このABS作動信号に基づいて、前述と同様に、モータMの回転数を制御してウェビング11に張力を加え、該ウェビング11を巻き取る制御を行う。
【0028】
また、第1のコントローラ30に入力される、ブレーキペダルストローク、車速を検出する各センサが故障した場合には、これらの故障を検知するフェールセーフ機能を有しており、このフェールセーフロジックに基づいて、各モータM(M1,M2)への電流の通電を停止する。
【0029】
図3は、CPU31の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、CPU31は、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出信号に基づいて、ブレーキの作動を判断するブレーキ操作判断部31aと、車速センサ21の検出信号に基づいて、制動の終了を判断する制動終了判断部31bと、緊急制動判断部31cと、フェールセーフ部31dと、動作モード判定部31eと、各モータM(M1,M2)への出力電流、及び通電時間を算出する出力電流及び通電時間算出部31fと、運転席側のモータM1の作動を判断する運転席作動判断部31gと、助手席側のモータM2の作動を判断する助手席作動判断部31hと、を備えている。
【0030】
更に、ABSコントローラ51より出力される検出信号に基づいてABSの作動を判断するABS作動判断部(作動状態検出手段)31iを具備している。
【0031】
次に、実施形態に係るシートベルト装置10の動作について説明する。図4は、該シートベルト装置10の全体的な動作を示すフローチャートである。また、図5〜図10は、詳細フローチャートである。
【0032】
まず、図4に基づいて、全体動作について説明すると、車両走行中には、ステップS1にて、車速センサ21にて検出される当該車両の走行速度が、CAN・I/F34を介してCPU31に取り込まれる。次いで、ステップS2では、ブレーキペダルストロークセンサ20により検出されたブレーキペダルのストローク量(踏み込み量)が検知され、アナログ・I/F35を介してCPU31に取り込まれる。
【0033】
ステップS3では、上記の処理で得られた車速データ、及びブレーキペダルのストローク量のデータに基づいて、緊急制動が行われているかどうかが判断される。例えば、運転者が運転中、前方に障害物が急に現れたり、障害物の発見が遅れた場合には、衝突を回避するために、緊急制動を行う。そして、ブレーキペダルストロークセンサ20の出力信号に基づき、緊急の制動操作が発生していることが検出される。
【0034】
また、ステップS4では、緊急制動が終了しているかどうかが判断される。ここでは、例えば、車両が停止している場合や速度が略一定である場合、或いは加速している場合に、緊急制動が終了しているものと判断する。
【0035】
ステップS5では、ABSコントローラ51の出力信号に基づいた、ABS作動判断処理が行われる。
【0036】
ステップS6では、上述した緊急制動判断処理、緊急制動終了判断処理、及びABS作動判断処理の結果に基づいて、作動モードを設定する処理が行われる。
【0037】
ステップS7では、選択された作動モードに応じて出力デューティを算出する処理が行われる。
【0038】
ステップS8では、フェールセーフのロジックにより、センサ類が故障した場合には、各モータMへの電圧供給を停止させる処理が行われる。
【0039】
ステップS9では、フェールセーフ、作動禁止条件に基づいて、シートベルト制御の作動、非作動を判断し、その後、ステップS1からの処理に戻る。
【0040】
図5は、図4のステップS3に示した、緊急制動判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS11の処理で、車速が所定の速度V1よりも大きいか否かが判断される。そして、V1以下の場合には(ステップS11でNO)、第1のプリテンショナ16によるウェビング張力の制御を行わない。
【0041】
また、車速がV1を超えていれば(ステップS11でYES)、ステップS12で、ブレーキペダルストロークセンサ20の出力信号から、ブレーキの踏み込み速度を算出する。そして、ステップS13では、ブレーキ踏み込み量、及びブレーキ踏み込み速度に基づいて、運転者が期待する減速G(Gは加速度を示す)である、期待減速Gを算出する。
【0042】
次いで、ステップS14では、期待減速Gと緊急制動判断のしきい値G1とを比較し、期待減速Gが緊急制動判断のしきい値G1よりも大きい場合には(ステップS14でYES)、緊急制動であると判断して、ステップS15で、緊急制動フラグを「1」にセットする。
【0043】
図6は、図4に示したステップS4の、制動判断終了処理を詳細に示すフローチャートである。同図に示すステップS21では、車速が所定値V0(例えば、V0は時速5Km程度)未満であるかどうかが判断され、V0未満である場合には(ステップS21でYES)、車両は停止しているものと見なして、ステップS23にて、変数「タイマ」をインクリメントする。
【0044】
また、車速がV0以上である場合には(ステップS21でNO)、ステップS22で、車両の減速度が所定の減速度G2よりも小さいかどかが判断され、小さい場合には(ステップS22でYES)、略一定の速度で走行しているか、或いは加速しているものと判断し、前述のステップS23と同様に、ステップS24にて、変数「タイマ」をインクリメントする。
【0045】
他方、減速度が減速度G2以上である場合には(ステップS22でNO)、ステップS25て、「タイマ」をリセットする。つまり、変数「タイマ」=0とする。
【0046】
その後、ステップS26では、変数「タイマ」の値と所定の時間T1とを比較し、「タイマ」がT1を超えた場合には、ステップS27で緊急制動フラグをリセットする。つまり、時間T1以上継続して減速度が小さくなった場合、或いは、車両が停止した場合には、緊急制動終了と判断する。また、「タイマ」がT1以下である場合には、緊急制動フラグをそのまま維持する。
【0047】
ここで、「タイマ」が所定の時間T1を超えるまで待つ理由(即時に緊急制動を終了させない理由)は、車両停止ではないけれども、タイヤロック等に起因して車両の走行速度が一瞬だけV0以下になったり、ポンピングブレーキにより、制動中ではあるが、減速度が一瞬だけG2よりも小さくなるような場合を想定し、このような場合に、緊急制動が終了すること、ひいては、ウェビング11の張力制御が終了することを防止するためである。
【0048】
図7は、図4のステップS5に示した、ABS作動判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS31にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS31でNO)、ステップS36にてABS作動フラグを「0」とする。
【0049】
他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS31でYES)、ステップS32で、ABSが作動しているかどうかが判断され、作動していない場合には(ステップS32でNO)、前記と同様に、ステップS36でABS作動フラグを「0」とする。
【0050】
また、ABSが作動している場合には(ステップS32でYES)、ステップS33で、この作動時間が所定時間T2を経過したかどうかが判断され、所定時間T2を経過しない場合には(ステップS33でNO)、ステップS35で、ABS作動フラグを「1」とする。他方、所定時間T2を経過した場合には(ステップS33でYES)、ステップS34で、ABS作動フラグを「2」とする。
【0051】
図8は、図4のステップS6に示した作動モード判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS41では、緊急制動フラグ(図5参照)が「1」となっているかどうかが判断される。そして、「1」の場合、即ち、図4のステップS3の処理で緊急制動であると判断された場合には(ステップS41でYES)、ステップS44で、作動モードを「3」に設定する。
【0052】
また、緊急制動フラグが「1」でない場合(ステップS41でNO)、即ち、緊急制動でないと判断された場合には、ステップS42で、ABS作動フラグ(図7参照)が「2」であるかどうかが判断される。そして、ABS作動フラグが「2」である場合には(ステップS42でYES)、ステップS45で、作動モードを「2」に設定する。
【0053】
更に、ステップS43で、ABSフラグが「1」であると判断された場合には(ステップS43でYES)、作動モードを「1」に設定し、それ以外の場合には(ステップS43でNO)、ステップS47で、作動モードを「0」とする。
【0054】
図9は、出力デューティ算出の処理手順を示すフローチャートである。図8に示した作動モード判断処理で、作動モードが「3」に設定された場合には、ステップS51でYESとなり、ステップS54で、出力デューティを「D3」に設定する。また、作動モードが「2」に設定された場合には、ステップS52でYESとなり、ステップS55で出力デューティを「D2」に設定する。
【0055】
更に、作動モードが「1」に設定された場合には、ステップS53でYESとなり、ステップS56で出力デューティを「D1」に設定する。それ以外の場合、即ち作動モードが「0」の場合には、ステップS57で出力デューティを「0」に設定する。こうして、作動モードに応じた出力デューティが設定される。
【0056】
上記の内容を整理すると、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出信号により、車両が緊急制動であると判断された場合には、第1のプリテンショナ16を作動させる際の作動モードが「3」に設定され、出力デューティ「D3」で、モータM(M1,M2)を制御する。また、緊急制動であると判断されない場合で、ABSが作動し、更に、この作動時間が所定時間T2を超える場合には、作動モードが「2」に設定され、出力デューティ「D2」でモータM(M1,M2)を制御する。この際、出力デューティ「D2」は、「D3」よりも小さく設定され、従って、作動モード「2」によりウェビング11に付与される張力(第2の張力)の方が、作動モード「3」によりウェビング11に付与される張力よりも低い張力となる。
【0057】
また、ABSが作動し、この作動時間が所定時間T2よりも短い場合には、作動モードが「1」に設定され、出力デューティ「D1」でモータM(M1,M2)を制御する。この際、出力デューティ「D1」は、「D2」よりも小さい張力に設定され、従って、作動モード「1」によりウェビング11に付与される張力(第1の張力)の方が、作動モード「2」によりウェビング11に付与される張力(第2の張力)よりも低い張力となる。
【0058】
更に、緊急制動であると判断されず、且つ、ABSも作動しない場合には、作動モードが「0」に設定され、出力デューティが「0」、即ち、モータMを駆動させない。
【0059】
図10は、図4に示したステップS8の、フェールセーフ処理の、具体的な処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS61で、各種センサ等において、故障が検知されたかどうかが判断され、故障が検知された場合には、ステップS63で、デューティ出力を禁止する。つまり、センサ類が故障している場合には、ブレーキ制動、或いは前方障害物への接近が検出されていないにも関わらず、ウェビング11の張力が制御される場合があり、このような場合には、乗員にリスクが生じる可能性があるので、これを回避するために、故障が検知された際には、デューティ出力を禁止する。
【0060】
また、同様に、ステップS62にて、作動禁止条件が満たされた場合においても、デューティ出力を禁止する。
【0061】
他方、故障が検知されず、且つ作動禁止条件が満たされていない場合には、ステップS64にてデューティ出力を許可する。
【0062】
図11は、ABSが作動するパターンを示す説明図であり、同図(a)の曲線S1は路面の摩擦係数が低い状態でブレーキをかけたけれども、短時間でABSの作動が停止した場合を示す。また、同図(b)の曲線S2は、摩擦係数が低い路面で、ABSが作動しているにも関わらず、ブレーキを踏み続けている場合を示す。即ち、ABSが作動している状態であっても、図11(a)に示す場合よりも、図11(b)に示す場合の方が、緊急度が高いものと判断することができる。
【0063】
つまり、本実施形態では、ABS作動時間が長いときのウェビング11に付与する張力(第2の張力)方が、ABS作動時間が短いとき(所定時間T2よりも短い場合)にウェビング11に付与する張力(第1の張力)よりも大きくなるように設定することで、緊急度に応じたウェビング11の巻き取り制御が可能になる。
【0064】
このようにして、第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、ABSシステムの作動状態に応じて、シートベルトの作動を変更するように制御するので、ABSの作動状態に応じた好適なシートベルト制御が可能となる。
【0065】
また、ABSシステムの作動が所定時間以内で終了する場合には、第1の張力でウェビング11を巻き取り、ABSの作動が所定時間以上継続する場合には、第2の張力でウェビング11を巻き取るようにし、第1の張力は第2の張力よりも低くしたので、緊急度をABSの作動時間より判定し、それに応じて、ウェビング11の張力を制御することができる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図12は、第2の実施形態に係る車両用シートベルトが搭載された車両の概略構成を示す説明図であり、同図に示すように、第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置は、ウェビング11を巻き取るためのリトラクタを2個備える点、即ち、第1のリトラクタ12aと、第2のリトラクタ12bとを備える構成としている点で、前述した第1の実施形態と相違している。
【0067】
ここで、第1のリトラクタ12aは、ウェビング11のショルダー部となる部分を巻き取るものであり、第2のリトラクタ12bは、ウェビング11のラップ部を巻き取るものである。
【0068】
第2の実施形態では、前述した第1の実施形態の、図9で示した出力デューティの設定処理で求められた出力デューティに基づいて、各リトラクタ12a、12bを別個に制御する点で、第1の実施形態と相違している。
【0069】
以下、リトラクタ12a、12bの制御手順を示す、図13のフローチャートを参照しながら、第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置の作用について説明する。同図において、ステップS51〜S57の処理は、図9に示した処理と同一である。そして、ステップS51で、作動モードが「3」であると判断された場合には、ステップS54-1で、第1のリトラクタ12a、及び第2のリトラクタ12bの双方に、出力デューティ「D3」を出力する。
【0070】
また、ステップS52で、作動モードが「2」であると判断された場合には、ステップS55-1で、第1のリトラクタ12a、及び第2のリトラクタ12bの双方に、出力デューティ「D2」を出力する。
【0071】
更に、ステップS53で、作動モードが「1」であると判断された場合には、ステップS56-1で、第1のリトラクタ12aにのみ、出力デューティー「D1」を出力する。また、それ以外の場合には、ステップS57-1で、デューティを出力しない。なお、出力デューティーD2とD1とを同一としても良い。
【0072】
上記の内容から、第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、ABSが作動した場合で、作動時間が所定時間T2以下の場合には、第1のリトラクタ12aにのみデューティを出力し、ウェビング11のショルダー部のみを巻き取るようにしている。また、作動時間が所定時間T2を超えた場合には、第1,第2の各リトラクタ12a,12bの双方にデューティを出力し、ウェビング11のショルダー部、及びラップ部の両方(即ち、ウェビング11全体)を巻き取るようにしている。
【0073】
従って、ABSの作動状況に応じた好適なウェビング11の張力制御を行うことができるようになる。
【0074】
このようにして、第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、ABSの作動が所定時間以内で終了する場合には、ウェビング11のショルダー部のみを巻き取り、ABSの作動が所定時間以上継続する場合には、ウェビング11全体を巻き取るようにしたので、緊急度をABSの作動時間より判定し、ABSの作動時間が短い、緊急度が低い場合には、ウェビング11のショルダー部のみを巻き取り、乗員の上体のみを拘束し、腹部に圧迫感を与えることがないので、不要な拘束を回避することができる。
【0075】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図14は、第3の実施形態に係る車両用シートベルトが搭載された車両の概略構成を示す説明図であり、同図に示すように、第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置は、第1のコントローラ30が、車両に搭載されるシートクッションアクチェータ41をも制御する機能を備えている。
第3の実施形態では、前述した第1の実施形態の、図9で示した出力デューティの設定処理で求められた出力デューティに基づいて、リトラクタ12、及びシートクッションアクチェータ41の双方を制御する点で、第1の実施形態と相違している。
【0076】
以下、リトラクタ12、及びシートクッションアクチェータ41の制御手順を示す、図15のフローチャートを参照しながら、第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置の作用について説明する。同図において、ステップS51〜S57の処理は、図9に示した処理と同一である。そして、ステップS51で、作動モードが「3」であると判断された場合には、ステップS54-2で、リトラクタ12に出力デューティ「D3」を出力する。
【0077】
また、ステップS52で、作動モードが「2」であると判断された場合には、ステップS55-2で、リトラクタ12及びシートクッションアクチェータ41の双方に、出力デューティ「D2」を出力し、ウェビング11の巻き取り制御と、シートクッションの前部を上方に移動させる操作を行う。これにより、ウェビング11を巻き取り制御すると共に、シートクッションの前部を上方に移動させることができ、拘束性を向上させることができる。
【0078】
更に、ステップS53で、作動モードが「1」であると判断された場合には、ステップS56-2で、リトラクタ12にのみ、出力デューティー「D1」を出力する。また、それ以外の場合には、ステップS57-2で、デューティを出力しない。なお、出力デューティーD2とD1を同一としても良い。
【0079】
このようにして、第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、ABSの作動が所定時間以内で終了する場合には、ウェビング11を巻き取り、ABSの作動が所定時間以上継続する場合には、ウェビング11を巻き取ると同時に、シートクッション前部が上方に移動するようにしたので、ABSの作動時間が所定時間以上継続する、緊急度が高い場合には、シートクッションの前方が上方に移動し、乗員の腰の前方移動を防ぐようになるので、拘束性を向上させることができる。
【0080】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図16は、第4の実施形態に係る車両用シートベルトが搭載された車両の概略構成を示す説明図であり、同図に示すように、第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置は、第1のコントローラ30が、車両に搭載される操舵角センサ43の出力を取り込み、且つ、サイドサポートアクチェータ42をも制御する機能を備えている。
第4の実施形態では、前述した第1の実施形態の、図7に示したABS作動判断処理、及び、図9で示した出力デューティの設定処理で求められた出力デューティに基づいて、リトラクタ12、及びサイドサポートアクチェータ42の双方を制御する点で、第1の実施形態と相違している。
【0081】
図17は、第4の実施形態に係るABS作動判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS71にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS71でNO)、ステップS76にてABS作動フラグを「0」とする。
【0082】
他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS71でYES)、ステップS72で、ABSが作動しているかどうかが判断され、作動していない場合には(ステップS72でNO)、前記と同様に、ステップS76でABS作動フラグを「0」とする。
【0083】
また、ABSが作動している場合には(ステップS72でYES)、ステップS73で、操舵角の絶対値が所定角度αよりも大きいかどうかが判断され、小さい場合には(ステップS73でNO)、ステップS75で、ABS作動フラグを「1」とする。他方、操舵角の絶対値がαよりも大きい場合には(ステップS73でYES)、ステップS74で、ABS作動フラグを「2」とする。
【0084】
次に、図18に示すフローチャートを参照しながら、リトラクタ12、及びサイドサポートアクチェータ42の制御手順について説明する。同図において、ステップS51〜S57の処理は、図9に示した処理と同一である。そして、ステップS51で、作動モードが「3」であると判断された場合には、ステップS54-3で、リトラクタ12に出力デューティ「D3」を出力する。
【0085】
また、ステップS52で、作動モードが「2」であると判断された場合には、ステップS55-3で、リトラクタ12及び操舵方向とは反対側となるサイドサポートアクチェータ42に、出力デューティ「D2」を出力する。これにより、ウェビング11が巻き取られると共に、サイドサポートを前方に移動させることで、サイドサポートの反力を増加させ、乗員の体が旋回方向の外側に移動することを防止する。
【0086】
更に、ステップS53で、作動モードが「1」であると判断された場合には、ステップS56-3で、リトラクタ12にのみ、出力デューティー「D1」を出力する。また、それ以外の場合には、ステップS57-3で、デューティを出力しない。なお、出力デューティD2とD1を同一としても良い。
【0087】
このようにして、第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、ABS作動時に、操舵を検出した場合には、操舵方向とは逆側のシートサイドサポートの反力を強めるようにしたので、ABS作動で緊急状態にあるときに、乗員の体が旋回外側に移動するのを防ぎ、拘束性を向上させることができる。
【0088】
なお、上述した第4の実施形態では、ABS作動時に操舵を検出した場合の、ウェビング11に付与する張力を制御する実施形態を示したが、ABSの代わりに、VDC(Vehicle Dynamics Control;車両安定化システム)を用い、VDC作動時に操舵を検出した場合について、第4の各実施形態と同様の制御を行うようにすることも可能である。つまり、第4の実施形態の「ABS作動」を「VDC作動」とすることで、VDC作動時に操舵を検出した場合の実施形態とすることができる。
【0089】
よって、第4の実施形態のABSの代わりにVDCを用いる構成とすれば、VDC作動時には、旋回方向とは逆側のシートサイドサポートの反力を強めるように動作するので、VDC作動で緊急状態にあるときに、乗員の体が旋回外側に移動するのを防ぎ、拘束性が向上する。
【0090】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図19は、第5の実施形態に係る車両用シートベルトが搭載された車両の概略構成を示す説明図であり、同図に示すように、第5の実施形態に係る車両用シートベルト装置は、第1のコントローラ30が、車両に搭載される操舵角センサ43の出力を取り込む構成とされている。
【0091】
また、シートベルト装置は、図20に示すように、2つのリトラクタ、即ち、第1のリトラクタ12c,第2のリトラクタ12d、及び2つのウェビング11a,11bを有する4点式とされており、第1のコントローラ30は、2つのリトラクタ12c,12dを制御する機能を備えている。
【0092】
そして、第5の実施形態では、ABSが作動したときに、同時に操舵が検出された場合には、操舵方向とは反対側となるウェビング(11aまたは11b)のみを巻き取るようにし、乗員の体が旋回外側に移動しようとするのを防ぐものである。
【0093】
以下、図21〜図23に示すフローチャートを参照しながら、第5の実施形態に係る車両用シートベルト装置の作用について説明する。
【0094】
図21は、第1の実施形態に示した図7に対応するABS作動判断処理を示し、図22は、図8に対応する作動モード設定処理を示し、図23は、図9に対応するデューティ出力処理を示すものである。
【0095】
図21に示すように、まず、ステップS81にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS81でNO)、ステップS88にてABS作動フラグを「0」とする。
【0096】
他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS81でYES)、ステップS82で、ABSが作動しているかどうかが判断され、作動していない場合には(ステップS82でNO)、前記と同様に、ステップS88でABS作動フラグを「0」とする。
【0097】
また、ABSが作動している場合には(ステップS82でYES)、ステップS83で、操舵角が所定角度「α」よりも大きいかどうかが判断され、大きい場合には(ステップS83でYES)、ステップS85で、ABS作動フラグを「3」とする。また、ステップS84で、操舵角が「−α」よりも小さいかどうかが判断され、小さい場合には(ステップS84でYES)、ABS作動フラグを「2」とする。
【0098】
更に、操舵角の絶対値が「α」以下である場合、或いは操舵されていない場合には(ステップS84でNO)、ABS作動フラグを「1」とする。
【0099】
図22に示す作動モード設定処理では、まず、ステップS91では、緊急制動フラグが「1」となっているかどうかが判断される。そして、「1」の場合、即ち、図4のステップS3の処理で緊急制動であると判断された場合には(ステップS91でYES)、ステップS95で、作動モードを「4」に設定する。
【0100】
また、緊急制動フラグが「1」でない場合(ステップS91でNO)、即ち、緊急制動でないと判断された場合には、ステップS92で、ABS作動フラグ(図21参照)が「3」であるかどうかが判断される。そして、ABS作動フラグが「3」である場合には(ステップS92でYES)、ステップS96で、作動モードを「3」に設定する。
【0101】
更に、ステップS93で、ABSフラグが「2」であると判断された場合には(ステップS93でYES)、ステップS97で作動モードを「2」に設定し、ステップS94で、ABSフラグが「1」であると判断された場合には(ステップS94でYES)、ステップS98で作動モードを「1」に設定し、それ以外の場合には(ステップS94でNO)、ステップS99で、作動モードを「0」とする。
【0102】
次いで、図23に示すデューティ出力処理では、ステップS101で、作動モードが「4」であると判断された場合には、ステップS105で出力デューティを「D3」とし、ステップS110で、第1のリトラクタ12c,及び第2のリトラクタ12dの双方にデューティを出力する。
【0103】
また、ステップS102で、作動モードが「3」であると判断された場合には、ステップS106で出力デューティを「D2」とし、ステップS111で、第1のリトラクタ12cにデューティを出力する。
【0104】
更に、ステップS103で作動モードが「2」であると判断された場合には、ステップS107で、S106と同様に出力デューティを「D2」とし、ステップS112で、第2のリトラクタ12dにデューティを出力する。
【0105】
また、ステップS104で作動モードが「1」であると判断された場合には、ステップS108で、出力デューティを「D1」とし、ステップS113で、第1,第2のリトラクタ12c,12dの双方にデューティを出力する。それ以外の場合には、ステップS109で出力デューティを「0」とし、ステップS114でデューティを出力しない。
【0106】
このようにして、第5の実施形態では、ABSが作動した場合で、且つ、操舵を検出した際に、操舵角が「α」より大きい場合には、右旋回であると判断して、乗員の左肩を通るウェビング11aを、D2のデューティで巻き取る。
【0107】
一方、操舵角が−αより小さい場合には、左旋回であると判断して、乗員の右肩を通るウェビング11bをD2のデューティで巻き取る。また、ABSが作動した場合に、操舵角が「−α〜α」の範囲、即ち、操舵角の絶対値がαよりも小さい場合は、直進と判断して、右肩を通るウェビング11a、及び左肩を通るウェビング11bの両方を、D1のデューティで巻き取る。
【0108】
従って、操舵方向に適合したウェビング11a,11bを巻き取ることができ、乗員を確実に拘束することができる。
【0109】
これにより、4点式シートベルトを装着した場合で、ABS作動時に、操舵を検出した場合には、操舵方向とは逆側のシートベルトを巻き取るので、ABS作動で緊急状態にあるときに、乗員の体が旋回外側に移動するのを防ぎ、拘束性が向上する。
【0110】
上述した第5の実施形態では、ABS作動時に操舵を検出した場合の、ウェビング11に付与する張力を制御する実施形態を示したが、ABSの代わりに、VDC(Vehicle Dynamics Control)を用い、VDC作動時に操舵を検出した場合について、第4,第5の各実施形態と同様の制御を行うようにすることも可能である。つまり、第4の実施形態或いは第5の実施形態の「ABS作動」を「VDC作動」とすることで、VDC作動時に操舵を検出した場合の実施形態とすることができる。
【0111】
よって、第5の実施形態のABSの代わりにVDCを用いる構成とすれば、4点式シートベルトを装着した場合で、VDC作動時には、旋回方向とは逆側のウェビングが巻き取られるので、VDC作動の緊急状態にあるときに、乗員の体が旋回外側に移動するのを防ぎ、拘束性が向上する。
【0112】
また、ABS作動時、VDC作動時の両方について、シートベルト、シートクッション、サイドサポートを作動させるようにすることも可能である。この場合、ABS作動時のシートベルト張力(第2の張力)よりも、VDC作動時のシートベルト張力(第3の張力)の方を低く設定する。
【0113】
従って、ABSの作動時には、ウェビング11を第2の張力で巻き取り、VDC作動時には、ウェビングを第2の張力よりも低い第3の張力で巻き取るので、緊急度が高いABS作動時に張力が高く、緊急度がABSより低いVDC作動時には、ABS作動時よりも張力を低くすることができる。これにより、ABS作動時において、より高い拘束性が得られ、VDC作動時は操舵操作に影響がないような拘束が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用シートベルト装置が搭載された車両の概略構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す第1のコントローラ、及びこれに付帯する機器の構成を示すブロック図である。
【図3】CPUの処理動作を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明に係る車両用シートベルト装置の全体処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係り、緊急制動判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係り、緊急制動判断終了判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係り、ABS作動判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係り、作動モード判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係り、出力デューティ算出の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係り、出力許可の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】ABSの作動パターンを示す説明図であり、(a)はABSが短時間作動した場合、(b)はABSが長時間作動した場合を示す。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置が搭載された車両の概略構成を示す説明図である。
【図13】第2の実施形態に係り、出力デューティ算出及びデューティの出力対象を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置が搭載された車両の概略構成を示す説明図である。
【図15】第3の実施形態に係り、出力デューティ算出及びデューティの出力対象を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置が搭載された車両の概略構成を示す説明図である。
【図17】第4の実施形態に係り、ABS作動判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施形態に係り、出力デューティ算出及びデューティの出力対象を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る車両用シートベルト装置が搭載された車両の概略構成を示す説明図である。
【図20】4点式のシートベルト装置の構成を示す説明図である。
【図21】第5の実施形態に係り、ABS作動判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】第5の実施形態に係り、作動モード判断の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】第5の実施形態に係り、出力デューティ算出及びデューティの出力対象を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 シートベルト装置
11(11a,11b) ウェビング
12(12a〜12d) リトラクタ
13 タング
14 バックル
15 スルーリング
16 第1のプリテンショナ
16a 減速ギヤ機構
17 第2のプリテンショナ
20 ブレーキペダルストロークセンサ
21 車速センサ
22 フューズ
30 第1のコントローラ
31 CPU
31a ブレーキ操作判断部
31b 制動終了判断部
31c 緊急制動判断部
31d フェールセーフ部
31e 動作モード判定部
31f 出力電流及び通電時間算出部
31g 運転席作動判断部
31h 助手席作動判断部
31i ABS作動判断部(安全装置動作検出手段)
32 電源回路
32a センサ電源回路
33 IGN入力回路
34 CAN・I/F
35 アナログI/F
36 駆動回路
37 リレー
38a,38b H-Bridge
41 シートクッションアクチェータ
42 サイドサポートアクチェータ
43 操舵角センサ
51 ABSコントローラ
52 衝撃センサ
53 第2のコントローラ

Claims (7)

  1. シートに着座した乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを巻き取り、巻き戻しするリトラクタを備えた車両用シートベルト装置において、
    前記ウェビングを前記リトラクタに所望する張力で巻き取り駆動する第1のプリテンショナと、
    緊急時に前記ウェビングに張力を付与し、乗員を最終的に拘束する第2のプリテンショナと、
    車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサと、を有し、
    前記第1のプリテンショナは、可逆的に動作する電動プリテンショナであり、
    車両に搭載されるABS(Anti-lock Brake System)の作動が、所定時間以内で終了する場合と、所定時間以上継続する場合とに分類してシートベルトの作動を変更することを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 前記ABSの作動が所定時間以内で終了する場合には、第1の張力で前記ウェビングを巻き取り、前記ABSの作動が所定時間以上継続する場合には、前記第1の張力よりも大きい第2の張力で前記ウェビングを巻き取ることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
  3. 前記ABSの作動が所定時間以内で終了する場合には、前記ウェビングのショルダー部のみを巻き取り、前記ABSの作動が所定時間以上継続する場合には、前記ウェビング全体を巻き取るように制御することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用シートベルト装置。
  4. 車両に搭載されるシートクッションを制御する機能を有し、前記ABSの作動が所定時間以内で終了する場合には、前記ウェビングを巻き取り、前記ABSの作動が所定時間以上継続する場合には、前記ウェビングを巻き取ると共に、前記シートクッション前部を上方に移動させることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用シートベルト装置。
  5. 車両に搭載される操舵角センサの出力信号に基づく制御を行う機能、及び車両に搭載されるシートサイドサポートを制御する機能を有し、前記ABS作動時に操舵が検出された場合には、前記ウェビングを巻き取るとともに、操舵方向とは反対側となる前記シートサイドサポートの反力を強めることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用シートベルト装置。
  6. 当該シートベルト装置は、2つのリトラクタ、及び2つのウェビングを有する4点式として構成され、
    車両に搭載される操舵角センサの出力信号に基づく制御を行う機能を有し、前記ABSの作動が検出され且つ、操舵が検出された場合には、前記2つのウェビングのうちの、操舵方向とは反対側となるウェビングを巻き取ることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用シートベルト装置。
  7. 車両に搭載される車両安定化システムの出力信号に基づく制御を行う機能を有し、前記ABSの作動時間が所定時間以上継続する場合には、前記ウェビングを第2の張力で巻き取り、前記車両安定化システム作動時には、前記ウェビングを、前記2の張力よりも小さい第3の張力で巻き取ることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用シートベルト装置。
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