JP5635587B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のシートに着座した乗員をウェビングによって拘束するシートベルト装置およびその制御方法に関するものである。
本願は、2010年3月4日に、日本に出願された特願2010−47831号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
走行時に車体の横滑りや駆動輪の空転等が生じた場合に、プリテンショナによってウェビングを引き込み、乗員を有効に拘束保護するシートベルト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このシートベルト装置では、車輪速センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサ、操舵角センサ等の検出値に基づいてコントロールユニットが車両の横滑り状態を判断している。
また、このプリテンショナの駆動源としてモータを用いるものも知られている。
特開2001−122081号公報
しかしながら、前記従来のシートベルト装置は、車両の横滑りを始めてからプリテンショナを作動させる。そのため、例えば、モータ駆動のプリテンショナでは、実際にモータへ通電してからウェビングが引き込まれるまでの時間遅れが生じ、乗員を拘束するタイミングが遅れる場合がある。
また、横滑りの程度が小さいときにプリテンショナの過剰な作動により乗員が違和感を覚える場合もある。
なお、プリテンショナの過剰な作動を抑制し、違和感を低減することも技術的には可能である。この場合、シートベルト制御装置は、独自に各種センサの検出値に基づいて車両の運動状態を判定し、その判定に応じてプリテンショナの作動状態(ウェビングの巻き取り強さ等)を切り換える。しかし、この場合にはシートベルト制御装置に高い演算能力が要求されるためコスト増となる。
そこで、この発明は、最適なタイミングで乗員の拘束が可能で、乗員の違和感を低減することができる車両のシートベルト装置の提供を課題とする。
この発明に係る車両のシートベルト装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、(1)本発明の一態様に係るシートベルト装置は、
車両のシートに着座した乗員を拘束するウェビングと;前記ウェビングが巻回されるベルトリールと;前記ベルトリールに回転駆動力を伝達するモータと;前記モータのウェビング巻取り方向における設定値以上の回転トルクを受けた場合に、前記モータと前記ベルトリールとの間を接続状態に維持するクラッチと;前記車両の運動状態を検知する検知手段と;前記車両の車輪を制動するブレーキ装置におけるホイールシリンダ内の液体を加圧又は減圧することにより車両挙動を制御する制動制御手段と;前記制動制御手段が前記車両挙動を制御中であることを示す作動信号を出力しているとき、または前記検知手段により前記車両の運動状態が予め設定された運動状態にあることを検知したときに、前記モータの通電量を制御するモータ制御手段と;を備え、前記モータ制御手段が、前記制動制御手段が作動信号を出力しているときに前記クラッチを接続状態に維持し得る電流を前記モータに通電する待機電流制御手段と;前記検知手段により検知された車両の運動状態に基づいて前記モータへの通電量を調整する可変電流制御手段と;を備え、前記可変電流制御手段は、前記待機電流制御手段による電流制御中に前記検知手段により前記車両の運動状態の変化が検知されたときに前記待機電流制御手段による電流制御から、前記可変電流制御手段による電流制御へ移行し、前記制動制御手段が、その作動状態に応じて異なる作動信号を出力し、前記制動制御手段は、前記車両のアクセルペダルの非操作状態において前記ホイールシリンダ内の前記液体の圧力を予圧制御する予圧手段を備え;前記モータ制御手段は、前記予圧手段が作動状態であることを示す予圧作動信号を出力しているときにも前記待機電流制御手段による電流制御を行う。
(2)本発明の他の態様に係るシートベルト装置は、
車両のシートに着座した乗員を拘束するウェビングと;前記ウェビングが巻回されるベルトリールと;前記ベルトリールに回転駆動力を伝達するモータと;前記モータのウェビング巻取り方向における設定値以上の回転トルクを受けた場合に、前記モータと前記ベルトリールとの間を接続状態に維持するクラッチと;前記車両の運動状態を検知する検知手段と;前記車両の車輪を制動するブレーキ装置におけるホイールシリンダ内の液体を加圧又は減圧することにより車両挙動を制御する制動制御手段と;前記制動制御手段が前記車両挙動を制御中であることを示す作動信号を出力しているとき、または前記検知手段により前記車両の運動状態が予め設定された運動状態にあることを検知したときに、前記モータの通電量を制御するモータ制御手段と;を備え、前記モータ制御手段が、前記制動制御手段が作動信号を出力しているときに前記クラッチを接続状態に維持し得る電流を前記モータに通電する待機電流制御手段と;前記検知手段により検知された車両の運動状態に基づいて前記モータへの通電量を調整する可変電流制御手段と;を備え、前記可変電流制御手段は、前記待機電流制御手段による電流制御中に前記検知手段により前記車両の運動状態の変化が検知されたときに前記待機電流制御手段による電流制御から、前記可変電流制御手段による電流制御へ移行し、前記制動制御手段が、その作動状態に応じて異なる作動信号を出力し、前記制動制御手段は、前記車両のスリップ状態によらず操舵操作に応じて前記ホイールシリンダ内の前記液体を加圧又は減圧するとともに前記作動信号を出力する第1の制御手段を備える。
(3)上記(2)に記載のシートベルト装置は、前記制動制御手段が、前記車両のスリップ状態の程度に応じて前記ホイールシリンダ内の前記液体を加圧又は減圧するとともに前記作動信号を出力する第2の制御手段をさらに備えてもよい。この場合、前記可変電流制御手段が、前記検知手段により検知された前記車両の運動状態に基づき決定される前記モータに対して供給すべき目標電流と、前記モータに流れる実電流とを比較し、その比較結果に基づいて前記モータの実電流を前記目標電流に近づくように変化させていき、その際の変化量を、前記第1の制御手段の制御量が第1設定値以上の場合は、前記第2の制御手段の制御量が第2設定値以上の場合よりも低減させてもよい。
(4)上記(3)に記載のシートベルト装置は、前記可変電流制御手段が、前記車両のスリップ状態の程度が予め設定された基準以上であるときに前記変化量を最大にしてもよい。
(5)上記(3)又は(4)に記載のシートベルト装置は、前記制動制御手段が、車両の低速走行時にのみ前記第1の制御手段による制御を行って前記作動信号を出力してもよい。
上記(1)に記載のシートベルト装置によれば、制動制御手段による車両挙動制御の介入が早い場合にも、そのときにはモータにクラッチを接続状態に維持し得る電流(以下、待機電流という)が流れるだけである。そのため、モータの負荷がウェビングを介して極めて軽い反力として乗員に伝わり、乗員の姿勢保持をすることができる。したがって、大きな反力を与えずに、乗員を自然な運転姿勢に維持することができ、乗員に違和感を与え難くすることができる。
そして、モータの通電量を待機電流に制御している間に、車両の運動状態を示す値が変化したときには、その運動状態を示す値に応じてモータの通電量を制御する可変電流制御に移行する。これにより、車両の運動状態を示す値の変化に応じてウェビングによる乗員の拘束力を適切に変えることができる。
上記(1)に記載の場合、予圧手段が作動中のときにも、モータにクラッチを接続状態に維持し得る待機電流が流れる。そのため、その後にブレーキ操作がなされて大きな減速度が作用する場合にも、クラッチが接続状態に維持された状態から、車両の運動状態を示す値に応じてモータの通電量を制御する可変電流制御に移行する。これにより、ウェビングを引き込むまでの時間遅れを極めて小さくすることができ、乗員の姿勢保持を迅速且つ確実に行うことができる。
上記(1)に記載の場合、モータ制御部は独自に車両挙動や車両の運動状態等を判別しないで済む。したがって、モータ制御部の演算負荷を低減することができる。
上記(2)に記載の場合、第1の制御手段よる制御を行うと、操舵により車両を旋回しているときにブレーキによって旋回をアシストする所謂、旋回アシストブレーキ制御が行われる。この旋回アシストが行われているときにも、モータの電流制御を行うことができる。しかも、旋回アシストブレーキ制御が操舵のたびに頻繁に行われても、モータの電流制御は待機電流による制御から開始される。そのため、乗員が違和感を覚えることがない。そして、操舵の結果、車両の挙動が不安定になり、モータに対する目標電流が変更された場合にも、この目標電流への電流制御に時間の遅れなく移行することができる。
上記(3)に記載の場合、制動制御手段が出力する作動信号の相違に応じて、モータの実電流を目標電流に近づけていく時の電流変化量を異ならせることができる。そして、第1の制御手段の制御量が第1設定値以上である場合は、第2の制御手段の制御量が第2設定値以上である場合よりも、上記の電流変化量を低減する。これにより、第1の制御手段による制御(旋回アシストブレーキ制御)時におけるモータのトルク変化を、第2の制御手段による制御(横滑り抑制ブレーキ制御)時のモータのトルク変化よりも小さくすることができる。したがって、旋回アシストブレーキ制御時にウェビングの引き込みにより拘束力が増加した場合にも、乗員に違和感を与え難くすることができる。
上記(4)に記載の場合、車両のスリップ状態の程度が予め決定された基準以上であるときに電流変化量が最大となる。そのため、この場合にはモータの通電量を目標電流に迅速に増大させてウェビングを巻き取ることができる。これにより、緊急時に乗員を速やかに拘束することができる。
上記(5)に記載の場合、車両の中高速走行時には第1の制御手段による制御が行われず、第1の制御手段からは作動信号が出力されない。そのため、この場合には、第2の制御手段から出力される作動信号(制御量)に基づいて、モータの電流変化量を決定することができる。
その結果、中高車速で車両挙動が不安定となったときに、モータの通電量を目標電流に迅速に増大させてウェビングを巻き取ることができ、乗員を速やかに拘束することができる。
この発明に係るシートベルト装置の一実施形態における概略構成図である。 前記実施形態におけるシートベルト装置のリトラクタと制御装置の概略構成図である。 前記リトラクタの概略構成図である。 前記リトラクタの動力伝達系を正面から見た概略構成図である。 前記動力伝達系の一部の拡大図である。 前記実施形態における車両挙動制御装置の制御ブロック図である。 前記実施形態における補正部のブロック図である。 横G規範ヨーレートと操舵角規範ヨーレートと限界規範ヨーレートの関係を説明する図である。 前記実施形態における配分係数HB1の算出方法を説明する図である。 前記実施形態における補正係数HS1の算出方法を説明する図である。 前記実施形態における補正係数HS2決定処理を示すフローチャートである。 前記実施形態における補正係数HS3の算出方法を説明する図である。 前記実施形態における制動力制御量算出のブロック図である。 前記実施形態で用いられる目標電流マップである。 前記実施形態における目標電流決定処理を示すフローチャートである。 前記実施形態におけるモータ制御を示すフローチャートである。 前記実施形態におけるモータの電流制御を示すフローチャートである。
以下、この発明に係る車両のシートベルト装置の一実施形態を図1から図17の図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るシートベルト装置1の全体概略構成を示す。図1に示すシート2は乗員3が着座するシートである。この実施形態のシートベルト装置1は、所謂三点式のシートベルト装置である。シートベルト装置1は、図示しないセンタピラーに取付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出されている。ウェビング5は、センタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通される。ウェビング5の先端は、シート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体のフロアに固定されている。ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されている。タングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。
リトラクタ4は、図2に示すようにベルトリールを備えている。ベルトリール12は、ケーシング(図示せず)に回転可能に支持され、ウェビング5が巻回される。ベルトリール12の軸は、ケーシングの一端側に突出している。ベルトリール12は、動力伝達機構13を介してモータ10の回転軸10aに連動可能に接続されている。動力伝達機構13は、モータ10の回転を減速してベルトリール12に伝達する。また、リトラクタ4には、ベルトリール12をウェビング巻取り方向に付勢する図示しない巻取りばねが設けられている。ベルトリール12とモータ10が後述するクラッチ20によって切り離された状態において、巻取りばねによる張力がウェビング5に作用するようになっている。
このシートベルト装置1では、後述する車両挙動制御装置(制動制御手段)100が作動しているとき、および、車両が予め設定された運動状態(所定の運動状態)となったときに、モータ10に通電され、その電流制御によってウェビング5の引き込み等が行われる。
図3〜図5は、動力伝達機構13の具体的な構成を示す。
動力伝達機構13は、サンギヤ14が駆動入力用の外歯15に一体に結合されるとともに、複数のプラネタリギヤ16を支持するキャリア17がベルトリール12の軸に結合されている。そして、プラネタリギヤ16に噛合したリングギヤ18の外周側には複数のラチェット歯19(図4参照)が形成され、このラチェット歯19がクラッチ20の一部を構成するようになっている。クラッチ20は、シートベルト制御装置21によるモータ10の駆動力の制御によってモータ10とベルトリール12の間の動力伝達系を適宜切断又は接続する。
動力伝達機構13のモータ側動力伝達系22は、小径の第1コネクトギヤ23と、大径の第2コネクトギヤ24と、第1,第2アイドラギヤ26,27と、を備えて構成されている。第1コネクトギヤは23は、サンギヤ14と一体の外歯15に常時噛合されている。第2コネクトギヤ24は、第1コネクトギヤ23と同軸にかつ一体に回転し得るように設けられている。第1,第2アイドラギヤ26,27は、第2コネクトギヤ24とモータギヤ25(モータ10の回転軸10aと一体)の間にあって動力伝達可能に常時噛合されている。モータ10の正転方向の駆動力は、図4中の実線矢印で示すように各ギヤ25,27,26を通して第2,第1コネクトギヤ24,23へと伝達され、さらに外歯15を介してサンギヤ14に伝達された後にプラネタリギヤ16とキャリア17を介してベルトリール12に伝達される。このモータ10の正転方向の駆動力は、ウェビング5を引き込む方向(ウェビング巻取り方向)にベルトリール12を回転させる。リングギヤ18が固定されている状態においては、サンギヤ14からプラネタリギヤ16に伝達された駆動力は、プラネタリギア16を公転させる。したがって前記のようにすべての駆動力がキャリア17に伝達される。しかし、リングギヤ18の回転が自由な状態においては、リングギア18が空転して、プラネタリギヤ16は公転せずに自転する。したがって、駆動力はキャリア17に伝達されない。このように、クラッチ20は、リングギヤ18の回転のロックとロック解除を制御することによって、ベルトリール12(キャリア17)に対するモータ駆動力の伝達をオン又はオフにする操作を行う。
ここで、クラッチ20について図4,図5を参照して説明する。
クラッチ20は、パウル29と、クラッチスプリング30と、ラチェット歯19と、を備える。パウル29は、図示しないケーシングに回動可能に支持され、先端部に係止爪28を有する。クラッチスプリング30は、このパウル29を操作する。前記リングギア18のラチェット歯は、パウル29の係止爪28に係合可能である。係止爪28は、パウル29がラチェット歯19方向に操作されたときに、ラチェット歯19の傾斜面とほぼ直交する面に突き当たり、リングギヤ18の一方向の回転をロックする。
また、クラッチスプリング30は付根部側が円弧状に湾曲して湾曲部31が形成されている。湾曲部31は、第1コネクトギヤ23の軸部の外周に巻き付いた状態で係止されている。クラッチスプリング30の先端部はパウル29に向かう方向に延出し、パウル29の操作窓32に係合するようになっている。クラッチスプリング30の湾曲部31は摩擦によって第1コネクトギヤ23の軸部に係合している。湾曲部31と第1コネクトギヤ23との間に設定値以上のトルクが作用すると、そのトルクによって湾曲部31と第1コネクトギヤ23との間で滑りを生じる。
クラッチ20は、モータ10が正転方向(図4中の実線矢印参照。)に回転すると、クラッチスプリング30が、図5の実線で示す姿勢から鎖線で示す姿勢に変化する。これによってパウル29の係止爪28が図4に示すようにラチェット歯19に噛合してリングギヤ18の回転をロックする。このときラチェット歯19はリングギヤ18の一方向の回転を確実にロックすることができる。また、リングギヤ18が逆方向に回転しようとしたときには、ラチェット歯19が係止爪28を押し上げるためにある程度以上の力が必要となる。すなわち、クラッチスプリング30は、リングギヤ18の逆方向の回転に対してもある程度以上の抵抗力を付与する。
このようにリングギヤ18の回転がロックされると、前述のようにサンギヤ14に伝達された回転力がすべてキャリア17の回転となってベルトリール12に伝達されるようになる(クラッチがONになった状態)。
一方、このクラッチがONになった状態からモータ10が逆転すると、第1コネクトギヤ23が、図4中の点線矢印で示すように回転して、クラッチスプリング30を図5中の実線で示すように回動させる。これにより、パウル29の係止爪28がラチェット歯19から引き離され、リングギヤ18のロックが解除される。
このようにリングギヤ18のロックが解除されると、前述のようにサンギヤ14に伝達された回転力がプラネタリギヤ16を自転させる。このときリングギヤ18を空転させてキャリア17(ベルトリール12)側に動力が伝達されないようにする(クラッチがOFFになった状態)。
前述のようにクラッチ20をON/OFFしたりベルトリール12を巻き取り方向に回転駆動するモータ10は、シートベルト制御装置21によって通電、非通電、および通電量が制御される。そのために、シートベルト制御装置21には、図2に示すように、モータ10に流れる実電流を検知する電流センサ40からその出力信号が入力されるとともに、車両挙動制御装置100からモータ10の制御に必要な情報が入力される。車両挙動制御装置100からシートベルト制御装置21に入力される情報には、前後G(longitudinal g-force)センサ101、横G(lateral g-force )センサ105、ヨーレートセンサ106の各センサ出力と、ブレーキ制御部102で算出される定常ヨーレート偏差Δωffと限界ヨーレート偏差Δωfb、および、プレフィル制御部190のプレフィル制御量が含まれる(図6参照)。
なお、この実施形態において、車両の運動状態には、前後G、横G、ヨーレート、定常ヨーレート偏差Δωff、限界ヨーレート偏差Δωfbが含まれる。
ここで、車両挙動制御装置100について図6から図13を参照して説明する。
図6は、車両挙動制御装置100の制御ブロック図である。
車両挙動制御装置100は、ブレーキ制御部102と、ブレーキ装置110とを備えている。ブレーキ装置110はプレフィル制御部(予圧手段)190を備えている。
ブレーキ制御部102は車両の走行状態に応じて左右の前輪及び左右の後輪の制動力制御量を決定する。プレフィル制御部190はアクセルペダルの非操作時にホイールシリンダ(図示略)の液圧を予圧するのに必要な制御量を決定する。ブレーキ装置110は、ブレーキ制御部102によって決定されたそれぞれの車輪の制動力制御量に基づいて、それぞれの車輪のホイールシリンダ内の液体の圧力を制御する。また、ブレーキ装置110は、プレフィル制御部190によって決定されたプレフィル制御量に基づいてホイールシリンダ内の液体の圧力を制御する。
プレフィル制御は、ブレーキの効き遅れを低減するために行うホイールシリンダの液圧制御である。すなわち、プレフィル制御は、乗員がアクセルペダルから足を離したときにはホイールシリンダ内の液体に所定の圧力を付与して、ブレーキペダルが踏み込まれる前に予めディスクロータとブレーキパッドとの隙間を殆どない状態にする制御である。このプレフィル制御を行うことにより、ブレーキペダル踏み込み時にホイールシリンダ内の液体の圧力を素早く上昇させることが可能となる。
プレフィル制御部190は、プレフィル判定部191と、プレフィル制御量出力部192とを備えている。
プレフィル判定部191は、アクセルペダルスイッチ193の出力信号等に基づいてプレフィル制御を実行するか否かを判定する。詳述すると、アクセルペダルスイッチ(gas pedal switch)193は、乗員がアクセルペダル(gas pedal)に足を載せているときにはON信号を、乗員がアクセルペダルから足を離したときにはOFF信号を、プレフィル判定部191に出力する。プレフィル判定部191は、アクセルペダルスイッチ193の出力信号がONからOFFに切り替わったときにプレフィル制御を実行する指令信号をプレフィル制御量出力部192に出力する。また、プレフィル判定部191は、ブレーキペダルが踏み込まれたとき、あるいは、プレフィル制御を開始してから所定の時間が経過したときに、プレフィル制御を終了させる指令信号をプレフィル制御量出力部192に出力する。
プレフィル制御量出力部192は、プレフィル判定部191からプレフィル制御を実行する指令信号を入力した場合に、ディスクロータとブレーキパッド(いずれも図示略)との隙間を殆どない状態にホイールシリンダ内の液体を予圧するのに必要な制御量(プレフィル制御量)をブレーキ装置110に出力する。そして、プレフィル制御量出力部192は、プレフィル判定部191からプレフィル制御を終了させる指令信号を入力するまで、このプレフィル制御の実行を継続する。以下、プレフィル制御を実行している状態をプレフィル作動中という。そして、プレフィル制御量出力部192は、プレフィル判定部191からプレフィル制御を終了させる指令信号を入力したときに、制御量0をブレーキ装置110へ出力してプレフィル制御の実行を終了する。以下、プレフィル制御を実行していない状態をプレフィル非作動という。
プレフィル制御量出力部192から出力される制御量信号は、シートベルト制御装置21にも出力される。
次に、ブレーキ制御部102について詳述する。
ブレーキ制御部102には、各種センサの検出値に応じた検知信号が入力される。具体的には、車両のステアリングホイールの操舵角及び操舵量の少なくも一方を検知する操舵角センサ103、車速を検知する車速センサ104、車両の左右方向(車幅方向)の加速度すなわち横加速度(以下、横Gと略す)を検知する横加速度センサ(以下、横Gセンサと略す)105、車両の前後方向の加速度すなわち前後加速度(以下、前後Gと略す)を検知する前後加速度センサ(以下、前後Gセンサと略す)101、車両のヨーレートを検知するヨーレートセンサ106、車両のアクセル開度を検知するアクセル開度センサ107から、それぞれ検出値に応じた検知信号がブレーキ制御部102に入力される。また、ブレーキ制御部102には、車両の車輪と路面との摩擦係数を算出するμ算出部108から、算出した摩擦係数に応じた電気信号が入力される。
ブレーキ制御部102は、操舵角規範ヨーレート演算部111、定常規範ヨーレート演算部112、定常ヨーレート偏差演算部113、横G規範ヨーレート(演算部114、補正部115、限界ヨーレート偏差演算部116、制御量演算部117とを備えている。制御量演算部117は、フィードフォワード制御量演算部(以下、FF制御量演算部と略す)118と、フィードバック制御量(演算部(以下、FB制御量演算部と略す)119と、を備えている。
なお、この実施形態において、前後Gセンサ101、横Gセンサ105、ヨーレートセンサ106、定常ヨーレート偏差演算部113、限界ヨーレート偏差演算部116は、車両の運動状態を検知する検知手段を構成する。
操舵角規範ヨーレート演算部111は、操舵角センサ103により検知された操舵角と、車速センサ104により検知された車速とに基づいて、操舵角規範ヨーレートを算出する。運転者が車両を積極的に曲げたいときには操舵角を大きくするので、操舵角規範ヨーレートは大きくなる。つまり、操舵角に基づいて算出される操舵角規範ヨーレートが大きいときは、車両を曲げたいという運転者の操舵意志が大きいと推定することができる。
定常規範ヨーレート演算部112は、定常規範ヨーレートゲインテーブル(steady-state normative yaw rate gain table)121を参照して車速に応じた定常規範ヨーレートゲイン(steady-state normative yaw rate gain)Kvを算出し、操舵角規範ヨーレートに定常規範ヨーレートゲインKvを乗じて定常規範ヨーレート(steady-state normative yaw rate)ω_highを算出する。この実施形態における定常規範ヨーレートゲインテーブル121は、横軸が車速、縦軸が定常規範ヨーレートゲインKvであり、車速が大きくなるほど定常規範ヨーレートゲインKvは1に収束し、車速が小さくなるほど定常規範ヨーレートゲインKvが大きくなるように設定されている。この実施形態では、車速が例えば40km/h以下の低速域において定常規範ヨーレートゲインKvが1より大となり、それよりも車速が大きいときには定常規範ヨーレートゲインKvがと1となるように設定されている。
定常ヨーレート偏差演算部113は、定常規範ヨーレートω_highから操舵角規範ヨーレートを減算し、定常ヨーレート偏差Δωffを算出する。したがって、定常規範ヨーレートゲインKv=1となる車速のときには、定常規範ヨーレートω_highは操舵角規範ヨーレートと同一になるので、定常ヨーレート偏差Δωffは0となる。換言すると、定常規範ヨーレートゲインKvが1より大となる低車速のときにだけ、定常ヨーレート偏差Δωffが正の値で発生する。
横G規範ヨーレート演算部114は、横Gセンサ105により検知された横Gと、車速センサ104により検知された車速とに基づいて、横G規範ヨーレートω_lowを算出する。横G規範ヨーレートω_lowは、現在の横Gで発生することができるヨーレートであり、例えばω_low=Gy/Vで表される。ここでGyは横Gセンサ5により検知された横加速度検出値、Vは車速センサ4により検知された車体速である。
補正部115は、定常規範ヨーレートω_highと横G規範ヨーレートω_lowとに基づいて限界規範ヨーレートω_TARを算出する。補正部115における限界規範ヨーレートω_TARの算出方法については後で詳述する。
限界ヨーレート偏差演算部116は、限界規範ヨーレートω_TARからヨーレートセンサ106により検知されたヨーレート(実ヨーレート)を減算し、限界ヨーレート偏差Δωfbを算出する。
定常ヨーレート偏差演算部113において算出された定常ヨーレート偏差Δωffと、限界ヨーレート偏差演算部116において算出された限界ヨーレート偏差Δωfbは、モータ10の通電量制御のためにシートベルト制御装置21に出力される。
制御量演算部117は、FF制御量演算部118において定常ヨーレート偏差Δωffに基づいてフィードフォワード制御量(以下、FF制御量と略す)を算出し、FB制御量演算部119において限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいてフィードバック制御量(FB制御量と略す)を算出する。次いで、制御量演算部117は、FF制御量とFB制御量を加算して総制御量を算出し、この総制御量をブレーキ装置110に指令値として出力する。制御量演算部117における総制御量の算出方法については後で詳述する。
次に、図7から図12の図面を参照して、補正部115における限界規範ヨーレートω_TARの算出方法を説明する。
補正部115は、図7に示すように、配分係数HB1演算部131、基準限界規範ヨーレート(standard boundary normative yaw rate)演算部132、補正係数HS1演算部133、補正係数HS2演算部134、補正係数HS3演算部135を備えている。
補正部115では、基準限界規範ヨーレート演算部132において、配分係数HB1演算部131で算出した配分係数HB1と定常規範ヨーレートω_highと横G規範ヨーレートω_lowとに基づいて基準限界規範ヨーレートω_t1が算出される。さらに、この基準限界規範ヨーレートω_t1に、補正係数HS1演算部133および補正係数HS2演算部134で算出した補正係数HS1,HS2を乗じ、さらに補正係数HS3演算部135で算出した補正係数HS3を加算することにより、限界規範ヨーレートω_TARが算出される。
ω_TAR=ω_t1×HS1×HS2+HS3 ・・・ 式(1)
この限界規範ヨーレートω_TARは、フィードバック制御におけるヨーレート目標値となる。
詳述すると、基準限界規範ヨーレート演算部132は、従来の車両挙動制御におけるフィードバック制御において目標値としていた横G規範ヨーレートω_lowを、操舵角に基づいて算出された定常規範ヨーレートω_highに関連させて、増加する方向に補正して基準限界規範ヨーレートω_t1を算出する。これにより、車体に発生しているヨーモーメントを安定させる制御と、操舵の応答性を向上させる制御の両立を図っている。
ここで、横G規範ヨーレートの増加補正について図8を参照して説明する。図8は、直進状態からステアリングホイールを回転させ、所定の操舵角に保持するまでの操舵角規範ヨーレートと横G規範ヨーレートの時間的変化を示している。このように、通常、操舵角規範ヨーレートは横G規範ヨーレートよりも大きい。そこで、横G規範ヨーレートを増加させる補正をするために、横G規範ヨーレートを操舵角規範ヨーレートに近づけるように補正する方法を用いた。ここでは、横G規範ヨーレートを操舵角規範ヨーレートにどの程度近づけるかを走行状態に応じて調整した。この調整を行う手段として横G規範ヨーレートと操舵角規範ヨーレートの配分係数という概念を採用した。
そして、この実施形態では、これをさらに発展させて、横G規範ヨーレートを増加補正する方法として、操舵角規範ヨーレートに基づいて算出された定常規範ヨーレートω_highに近づけるように補正することとした。
詳述すると、この実施形態では、配分係数HB1演算部131により算出された配分係数HB1と、横G規範ヨーレートω_lowと、定常規範ヨーレートω_highに基づいて、式(2)から基準限界規範ヨーレートω_t1を算出する。
ω_t1=HB1×ω_high+(1−HB1)×ω_low ・・・ 式(2)
ここで、配分係数HB1は0から1の数値である。HB1=0の場合には基準限界規範ヨーレートω_t1は横G規範ヨーレートω_lowとなる。HB1=1の場合には基準限界規範ヨーレートω_t1は定常規範ヨーレートω_highとなる。
次に、図9を参照して、配分係数HB1演算部131において算出される配分係数HB1について説明する。
配分係数HB1は、配分係数HB1a,HB1b,HB1c及びHB1dを乗算して算出される。ここで、配分係数HB1aは車速に応じて算出され、配分係数HB1bはヨーレート変化率に応じて算出され、配分係数HB1cはヨーレート偏差積分に応じて算出され、配分係数HB1dは転舵速度に応じて算出される。
HB1=HB1a×HB1b×HB1c×HB1d ・・・ 式(3)
各配分係数HB1a,HB1b,HB1c,HB1dは、それぞれ図9に示す配分係数テーブル140,141,142,143を参照して算出される。この実施形態における各配分係数テーブル140,141,142,143を説明する。
配分係数HB1aを算出する配分係数テーブル140において、横軸は車速であり、縦軸は配分係数HB1aである。この配分係数テーブル140において、低車速域ではHB1a=1で一定である。車速が予め設定される任意の閾値(所定値)以上になると車速が高くなるにしたがって配分係数HB1aが徐々に小さくなっていく。高速域ではHB1a=0で一定となる。これにより、車速が低いときには、FB制御量演算部119において目標値となる限界規範ヨーレートω_TARを大きくして、回頭性および追従性を向上させ、車速が高いときには、FB制御量演算部119において目標値となる限界規範ヨーレートω_TARを大きくしないようにして、車両挙動の安定性を確保することができる。
配分係数HB1bを算出する配分係数テーブル141において、横軸はヨーレート変化率であり、縦軸は配分係数HB1bである。この配分係数テーブル141において、ヨーレート変化率が小さい領域でHB1b=1で一定である。ヨーレート変化率が予め設定される任意の閾値(所定値)以上になるとヨーレート変化率が大きくなるにしたがって配分係数HB1bが徐々に小さくなっていく。ヨーレート変化率が大きい領域ではHB1b=0で一定となる。ここで、ヨーレート変化率とは、ヨーレートセンサ106で検知される実ヨーレートの時間的変化であり、実ヨーレートを時間微分することにより算出することができる。例えば、激しいスラローム走行をしているときや、車両挙動が不安定であるときなどには、大きなヨーレート変化率が現れる。このようなときには、FB制御量演算部119において目標値となる限界規範ヨーレートω_TARを大きくすべきではないので、ヨーレート変化率が大きいときには配分係数HB1bを小さい値にして、限界規範ヨーレートω_TARを大きくしないようにする。
配分係数HB1cを算出する配分係数テーブル142において、横軸はヨーレート偏差積分値であり、縦軸は配分係数HB1cである。この配分係数テーブル142において、ヨーレート偏差積分値が小さい領域ではHB1c=1で一定である。ヨーレート偏差積分値が予め設定される任意の閾値(所定値)以上になるとヨーレート偏差積分値が大きくなるにしたがって配分係数HB1cが徐々に小さくなっていく。ヨーレート偏差積分値が大きい領域ではHB1c=0で一定となる。
ここで、ヨーレート偏差積分値とは、限界規範ヨーレートとヨーレートセンサ106で検知される実ヨーレートとの偏差すなわち限界ヨーレート偏差Δωfbを操舵を開始したときから積算した値である。例えば、限界ヨーレート偏差Δωfbが小さくてもその状態が長時間続いた場合にはヨーレート偏差積分値が大きくなる。このようなときは、ゆっくりではあるが徐々に車がスピン状態になっている可能性があるので、FB制御量演算部119において目標値となる限界規範ヨーレートω_TARを大きくすべきではない。そこで、ヨーレート偏差積分値が大きいときには配分係数HB1cを小さい値にして、限界規範ヨーレートω_TARを大きくしないようにする。
配分係数HB1dを算出する配分係数テーブル143において、横軸は転舵速度であり、縦軸は配分係数HB1dである。
この配分係数テーブル143において、転舵速度が大きいほど配分係数HB1dが大きくなり、且つ、転舵速度が正の場合には転舵速度が負の場合よりも配分係数HB1dが大きくなるように設定されている。ここで、転舵速度は操舵角センサ3で検知される操舵角の単位時間当りの変化量と操舵角に基づき決定される値であり、操舵角を時間微分して操舵角と比較することにより算出することができる。転舵速度が正の場合とは、ステアリングホイールを中立位置(直進方向位置)から離間する方向に回転操作している状態で同方向に向けた単位時間当りの変化量が生じているときおよびステアリングホイールを中立位置(直進方向位置)に向けて回転操作している状態で同方向への単位時間当りの変化量が生じているときである。転舵速度が負の場合とは、ステアリングホイールを中立位置(直進方向位置)から離間する方向に回転操作している状態で中立位置に向く方向に単位時間当りの変化量が生じているときおよびステアリングホイールを中立位置に戻す方向に回転操作している状態で中立位置から離間する方向に単位時間当りの変化量が生じているときである。
転舵速度が正の場合は、運転者が車両を大きく曲げたいという操作意志が大きいと推定することができるので、転舵速度が大きくなるほど配分係数HB1dを大きい値にして(最大値はHB1d=1で一定)、限界規範ヨーレートω_TARが大きくなるようにする。これにより、操舵の応答性を向上させる。一方、転舵速度が負の場合は、運転者が操作を収束させたい状態と推定することができるので、転舵速度の絶対値が大きくなるほど配分係数HB1dを小さい値にして(最小値はHB1d=0で一定)、限界規範ヨーレートω_TARを大きくしないようにする。
これにより、前方障害物からの回避操作やレーンチェンジなどのときの操舵の応答性が向上する。
なお、配分係数HB1dは転舵速度に代えて転舵角及び転舵量の少なくとも一方に基づいて算出してもよい。転舵角が大きいほど、運転者が車両を積極的に曲げたいという操作意志が大きいと推定することができるからである。この場合の、転舵角は操舵角と同義である。
次に、図10を参照して、補正係数HS1演算部133において算出される補正係数HS1について説明する。
この補正係数HS1は、運転者が車両を前荷重にしてハンドルを切ることにより車両を曲げる操作を行うときなどを想定した補正係数である。
図10に示すように、補正係数HS1は、操舵速度に応じて算出される補正係数HS1aと、車両の前荷重に応じて算出される補正係数HS1bとを乗算して算出される。
HS1=HS1a×HS1b ・・・ 式(4)
車両の前荷重とは車両前方への荷重移動量であり、例えば、車両の前後方向の加速度を検知する前後Gセンサ101に基づいて推定することができる。
各補正係数HS1a,HS1bは、それぞれ図10に示す補正係数テーブル144,145を参照して算出される。この実施形態における補正係数テーブル144,145を説明する。
補正係数HS1aを算出する補正係数テーブル144において、横軸は操舵速度であり、縦軸は補正係数HS1aである。この補正係数HS1aテーブル144において、操舵速度が小さい領域ではHS1a=1で一定である。操舵速度が予め設定される任意の閾値(所定値)以上になると操舵速度が大きくなるにしたがって補正係数HS1aが徐々に小さくなっていく。操舵速度が大きい領域ではHS1a=0で一定となる。
補正係数HS1bを算出する補正係数テーブル145において、横軸は前荷重(車両前方への荷重移動量)であり、縦軸は補正係数HS1bである。この補正係数HS1bテーブル145において、前荷重が小さい領域ではHS1b=1で一定である。前荷重が任意の閾値(所定値)以上になると前荷重が大きくなるにしたがって補正係数HS1bが徐々に小さくなっていく。前荷重が大きい領域ではHS1b=0で一定となる。
前述したように車両を前荷重にしてハンドルを切ると車両を曲げ易くなる。しかし、前荷重が大きくなるにしたがって車両挙動が不安定になり易い。また、操舵速度が大きいほど車両挙動が不安定になり易い。補正係数HS1は、このような操舵時の限界規範ヨーレートω_TARを調整するための補正係数である。
補正係数HS1を上述のように算出する結果、操舵速度が小さい領域で且つ前荷重が小さい領域では補正係数HS1は1となる。そのため、限界規範ヨーレートω_TARを大きくすることができ、回頭性を向上することができる。これに対して、操舵速度および前荷重が大きくなるにしたがって補正係数HS1は1よりも小さくなっていく。したがって、限界規範ヨーレートω_TARを小さくすることができ、車両挙動の安定性を確保することができる。
次に、補正係数HS2演算部34において算出される補正係数HS2について説明する。
この補正係数HS2は、車輪と路面との摩擦係数(以下μと略す)が高い路面(以下、高μ路(high-μ lane)と略す)で車線を変更(操舵をして、すぐに元の進行方向に戻す操作)する場合を想定した補正係数である。
補正係数HS2は、1を最大値として、下記の(a)から(d)のいずれかの条件を満たした場合に所定の減少カウント値を初期値から減算し、下記の(a)から(d)のいずれの条件も満たさない場合に1に向けて所定の増加カウント値を加算するよう構成されるゲインである。
(a)摩擦係数μが高いと判断されたとき(または高摩擦係数の路面走行に対応する前後または横方向加速度が検出されているとき)。
(b)操舵角が大きいと判断されたとき。
(c)横G減少率が大きいと判断されたとき。
(d)ヨーレート減少率が大きいと判断されたとき。
なお、補正係数HS2は、上記(a)から(d)のうち任意の2以上の条件を満たす場合に所定の減少カウント値を初期値から減算し、その2以上の条件を満たさない場合に1に向けて所定の増加カウント値を加算するよう構成してもよい。特に車輪と路面との摩擦係数が高いときの車両挙動の収束性を考慮すると、上記(a)と、(b)から(d)のいずれかを組合わせて用いることが好ましい。
なお、摩擦係数μは、μ算出部8により算出される。また、横G減少率とは、横Gの減少速度であり、横Gセンサ5で検知される横Gに基づいて算出することができる。ヨーレート減少率とは、ヨーレートセンサ6で検知される実ヨーレートの減少速度である。
図11のフローチャートに従って、補正係数HS2を決定する処理の一例を説明する。
初めに、ステップS301において、摩擦係数μが閾値μthよりも大きいか否かを判定する。
ステップS301における判定結果が「YES」(μ>μth)である場合には、ステップS302に進み、操舵角δが閾値δthよりも大きいか(δ>δth)、あるいは、横G減少率ΔGが閾値ΔGthよりも大きいか(ΔG>ΔGth)、あるいは、ヨーレート減少率γが閾値γthよりも大きいか(γ>γth)のうち1つでも満たすものがあるか否かを判定する。
ステップS302における判定結果が「YES」である場合には、ステップS303に進み、減算処理により補正係数HS2を決定し、このルーチンの実行を一旦終了する。この減算処理は、補正係数HS2の初期値から所定の減算カウント値を繰り返し減算し、補正係数HS2が0に収束していくようにする。
一方、ステップS301における判定結果が「NO」(μ≦μth)である場合、および、ステップS302における判定結果が「NO」である場合には、ステップS304に進み、加算処理により補正係数HS2を決定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。この加算処理は、所定の増加カウント値を繰り返し加算し、補正係数HS2が1に収束していくようにする。
なお、補正係数HS2の初期値は0から1の間の任意の値とする。
高μ路において車線を変更したときに、ヨーレートおよび横Gが急激に減少する場合には、操舵により進行したい方向と逆の方向へ大きなヨーレートが発生することがある。この時に、限界規範ヨーレートω_TARを大きくすると、操舵に対する車両のトレース性が悪化する虞がある。補正係数HS2はこれを抑制するためのものである。つまり、摩擦係数μ、操舵角、横G減少率、ヨーレート減少率が大きい場合には、補正係数HS2を小さい値とする。これにより、限界規範ヨーレートω_TARを大きくしないようにし、車線変更後のヨーレートの収束性を向上する。
次に、図12を参照して、補正係数HS3演算部135において算出される補正係数HS3について説明する。
車両の旋回中に運転者がアクセルペダルを急に戻したときに車両が前荷重となって旋回の内側に入り込む現象が生じることがある。補正係数HS3は、このような旋回中の車両の出力OFFに対する反応を想定した補正係数である。運転者によってはこの反応を利用して積極的に旋回操作を行う場合がある。しかしながら、この反応を利用した旋回操作は、車両への要求トルクが大きいとき(換言すると、アクセル開度が大きいとき)からアクセルを開放するときや、車速が大きいときには、車両挙動が不安定になり易い。補正係数HS3は、旋回中の車両の出力OFFに対する反応が生じたときの限界規範ヨーレートω_TARを調整するための補正係数である。
図12に示すように、補正係数HS3は、車速に応じて算出される補正係数HS3aと、車両の要求トルクに応じて算出される補正係数HS3bとを乗算して算出される。
HS3=HS3a×HS3b ・・・ 式(6)
なお、車両の要求トルクは、アクセル開度センサ107で検知したアクセル開度から算出することができる。
各補正係数HS3a,HS3bは、それぞれ図12に示す補正係数テーブル151,152を参照して算出される。この実施形態における補正係数テーブル151,152を説明する。
補正係数HS3aを算出する補正係数テーブル151において、横軸は車速であり、縦軸は補正係数HS3aである。この補正係数HS3aテーブル151は、車速が予め設定される任意の閾値(所定値)よりも小さい領域ではHS3aは正の一定値である。車速が上記閾値(所定値)以上になると車速が大きくなるにしたがって補正係数HS3aが徐々に小さくなっていく。速度V0を越えると負の値となる。車速が非常に大きい領域ではHS3aは負の一定値となる。
補正係数HS3bを算出する補正係数テーブル152において、横軸は車両の要求トルクであり、縦軸は補正係数HS3bである。この補正係数HS3bテーブル152は、要求トルクが予め設定される任意の閾値(所定値)T0よりも小さい領域ではHS3bが正の値である。要求トルクが予め設定される任意の閾値(所定値)T0以上の領域では補正係数HS3b=0となる。ここで、上記の閾値(所定値)T0は極めて小さい値であり、例えば、アクセル開度がゼロに近いときに対応した要求トルクに設定する。
このように補正係数テーブル151,152を設定することにより、次の効果が得られる。
まず、要求トルクが上記の閾値(所定値)T0以上の場合(すなわち、旋回中の車両の出力OFFに対する反応が生じていないと判断されるとき)について説明する。この場合には、車速の大きさに関わらず補正係数HS3が0となり、限界規範ヨーレートω_TARを補正しないようにすることができる。
次に、要求トルクが上記の閾値(所定値)T0以下の場合(すなわち、旋回中の車両の出力OFFに対する反応が生じていると判断されるとき)について説明する。この場合、車速がV0よりも小さいときには、補正係数HS3が正の値となるので、限界規範ヨーレートω_TARが大きくすることができる。また、車速がV0以上のときには、補正係数HS3が負の値となるので、限界規範ヨーレートω_TARを小さくすることができる。さらに、車速がV0よりも小さい場合、要求トルク一定であれば、車速が小さいほど補正係数HS3を正値の大きな値にして、限界規範ヨーレートω_TARを大きくすることができる。これにより、低中速で旋回中の車両において出力OFFに対する反応が生じているときの回頭性を向上させることができる。一方、車速がV0以上の場合、要求トルクが一定であれば、車速が大きいほど補正係数H3を負値の大きな値にして、限界規範ヨーレートω_TARを小さくすることができる。
次に、図13を参照して、制御量演算部117において実行されるブレーキ制御量演算について説明する。
前述したように、制御量演算部117は、FF制御量演算部118において定常ヨーレート偏差Δωffに基づいてFF制御量を算出し、FB制御量演算部119において限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいてFB制御量を算出する。そして、制御量演算部117は、FF制御量とFB制御量を加算してそれぞれの車輪に対する総制御量を算出する。
初めに、FF制御量演算部118におけるFF制御量の算出について説明する。
まず、操舵角センサ103で検知された操舵角に基づいて、旋回時の車両における内側の前輪すなわちFR旋回内輪(以下、内側前輪と略す)と旋回時の車両における内側の後輪すなわちRR旋回内輪(以下、内側後輪と略す)に対する増圧配分を決定する。そして、この増圧配分に基づいて、内側前輪に対する増圧係数K1frと内側後輪に対する増圧係数K1rrを算出する。ここで、操舵による荷重移動が大きい場合には、操舵角に応じて、内側前輪に対する増圧係数K1frが大きくなるように設定してもよい。
そして、内側前輪に対する増圧係数K1frと内側後輪に対する増圧係数K1rrに基づいて、内側前輪に対するFF増圧量ΔP1ffの算出と、内側後輪に対するFF増圧量ΔP2ffの算出が、並行して実施される。
まず、内側前輪に対するFF増圧量ΔP1ffの算出を説明する。定常ヨーレート偏差演算部113で演算された定常ヨーレート偏差Δωffに増加係数K1frを乗じて、内側前輪に対する定常ヨーレート偏差Δω1ffを算出する。
次に、増圧量テーブル160を参照し、内側前輪に対する定常ヨーレート偏差Δω1ffに応じて、内側前輪のブレーキ液圧増圧量ΔP1ffkを算出する。増圧量テーブル160において、横軸は定常ヨーレート偏差Δω1ffであり、縦軸はブレーキ液圧増圧量ΔP1ffkである。この実施形態では、内側前輪に対する定常ヨーレート偏差Δω1ffが0以下の場合にはブレーキ液圧増圧量ΔP1ffkは0であり、内側前輪に対する定常ヨーレート偏差Δω1ffが0以上では定常ヨーレート偏差Δω1ffが大きくなるにしたがってブレーキ液圧増圧量ΔP1ffkが増大していく。
次に、リミット処理部161において、内側前輪のブレーキ液圧増圧量ΔP1ffkが上限値を超えないようにリミット処理を行う。上限値は、上限値算出部162によって算出される任意の値であり、この値を超えないよう設定することで液圧増圧量ΔPlffkの急変動を抑制する。
次に、リミット処理された内側前輪のブレーキ液圧増圧量ΔP1ffkに、車速に応じたゲインを乗じて、内側前輪に対するFF増圧量ΔP1ffを算出する。なお、車速に応じたゲインは、ゲインテーブル163に基づいて算出される。このゲインテーブル163において、横軸は車速であり、縦軸はゲインである。車速が小さい領域ではゲイン=1で一定である。車速が予め設定される任意の閾値(所定値)以上になると車速が大きくなるにしたがってゲインが徐々に小さくなっていく。車速が大きい領域ではゲイン=0で一定となる。
このように車速に応じたゲインを乗じる結果、車速が大きいときには、内側前輪のFF増圧量ΔP1ffは0となる。換言すると、高車速時には内側前輪のFF増圧量ΔP1ffが無効とされる。これにより、高車速時に操舵アシストブレーキ(steering assist brake)に起因して車両挙動が不安定になるのを防止することができる。なお、車速に応じたゲインを乗じるのに替えて、高車速ほど低くなる制限値を与え、この制限値をΔP1ffが上回らないように設定してもよい。
内側後輪に対するFF増圧量ΔP2ffの算出は、内側前輪に対するFF増圧量ΔPfr1の算出と同じであるので、簡単に説明する。
定常ヨーレート偏差演算部113で演算された定常ヨーレート偏差Δωffに、内側後輪に対する増加係数K1rrを乗じて、内側後輪に対する定常ヨーレート偏差Δω2ffを算出する。
次に、増圧量テーブル164を参照し、内側後輪に対する定常ヨーレート偏差Δω2ffに応じて、内側後輪のブレーキ液圧増圧量ΔP2ffkを算出する。増圧量テーブル164は増圧量テーブル160と同じであるので説明を省略する。
次に、リミット処理部165において、内側後輪のブレーキ液圧増圧量ΔP2ffkが上限値を超えないようにリミット処理を行う。上限値は、上限値算出部166によって算出される。上限値算出部166は上限値算出部162と同じである。
次に、リミット処理された内側後輪のブレーキ液圧増圧量ΔP2ffkに、ゲインテーブル167により算出したゲインを乗じて、内側後輪に対するFF増圧量ΔP2ffを算出する。ゲインテーブル167はゲインテーブル163と同じであるので、説明を省略する。
また、FF制御量演算部118は、内輪減圧量算出部170を備えている。内輪減圧量算出部170は、高速時や高横Gの時には制動により車両挙動が不安定となるという前提の下に、予め旋回中の車両における内側の車輪(旋回内輪)のブレーキ液圧を制限するためのものである。
内輪減圧量算出部170では、第1減圧率テーブル171を参照して車速に応じた減圧率を算出するとともに、第2減圧率テーブル172を参照して横Gに応じた減圧率を算出する。そして、内輪減圧量算出部170は、算出したこれらの減圧率を乗じることで総減圧率を算出する。
第1減圧率テーブル171において、横軸は車速であり、縦軸は減圧率である。車速が小さい領域では減圧率=0で一定である。車速が予め設定された任意の閾値(所定値)以上になると車速が大きくなるにしたがって減圧率が徐々に大きくなっていく。車速が大きい領域では減圧率=1で一定となる。
第2減圧率テーブル172において、横軸は横Gであり、縦軸は減圧率である。横Gが小さい領域では減圧率=0で一定である。横Gが予め設定された任意の閾値(所定値)以上になると横Gが大きくなるにしたがって減圧率が徐々に大きくなっていく。横Gが大きい領域では減圧率=1で一定となる。
これにより、総減圧率は、走行時の車速および横Gに応じて、0から1の間の値に設定されることとなる。
そして、このようにして求めた総減圧率にブレーキ装置110のマスタシリンダ圧を乗じ、さらにマイナス1を乗じて内輪減圧量ΔPdを求める。
次に、FB制御量演算部119におけるFB制御量の算出について説明する。
FB制御量演算部119では、限界ヨーレート偏差演算部116で演算された限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいて、内側前輪のFB増圧量ΔP1fb、旋回時の車両における外側の前輪すなわちFR旋回外輪(以下、外側前輪と略す)のFB増圧量ΔP3fb、内側後輪のFB増圧量ΔP2fb、旋回時の車両における外側の後輪すなわちRR旋回外輪(以下、外側後輪と略す)のFB増圧量ΔP4fbを算出する。なお、以降の旋回方向は偏差Δωfbの符号が正で、規範ヨーレートおよび実ヨーレートがともに正の場合を例に説明する。
内側前輪のFB増圧量ΔP1fbは、限界ヨーレート偏差Δωfbに基づき、増圧量テーブル180を参照して算出する。増圧量テーブル180において、横軸は限界ヨーレート偏差Δωfbであり、縦軸はFB増圧量ΔP1fbである。この実施形態では、限界ヨーレート偏差Δωfbが0以下の場合にはFB増圧量ΔP1fbは0である。限界ヨーレート偏差Δωfbが0以上では限界ヨーレート偏差Δωfbが大きくなるにしたがってFB増圧量ΔP1fbが増大していく。
内側後輪のFB増圧量ΔP2fbは、限界ヨーレート偏差Δωfbに基づき、増圧量テーブル181を参照して算出する。増圧量テーブル181において、横軸は限界ヨーレート偏差Δωfbであり、縦軸はFB増圧量ΔP2fbである。この実施形態では、限界ヨーレート偏差Δωfbが0以下の場合にはFB増圧量ΔP2fbは0である。限界ヨーレート偏差Δωfbが0以上では限界ヨーレート偏差Δωfbが大きくなるにしたがってFB増圧量ΔP2fbが増大していく。
外側前輪のFB増圧量ΔP3fbは、限界ヨーレート偏差Δωfbに基づき、増圧量テーブル182を参照して算出する。増圧量テーブル182において、横軸は限界ヨーレート偏差Δωfbであり、縦軸はFB増圧量ΔP3fbである。この実施形態では、限界ヨーレート偏差Δωfbが0以上の場合にはFB増圧量ΔP3fbは0である。限界ヨーレート偏差Δωfbが0以下では限界ヨーレート偏差Δωfbの絶対値が大きくなるにしたがってFB増圧量ΔP3fbが増大していく。
外側後輪のFB増圧量ΔP4fbは、限界ヨーレート偏差Δωfbに基づき、増圧量テーブル183を参照して算出する。増圧量テーブル183において、横軸は限界ヨーレート偏差Δωfbであり、縦軸はFB増圧量ΔP4fbである。この実施形態では、限界ヨーレート偏差Δωfbが0以上の場合にはFB増圧量ΔP4fbは0である。限界ヨーレート偏差Δωfbが0以下では限界ヨーレート偏差Δωfbの絶対値が大きくなるにしたがってFB増圧量ΔP4fbが増大していく。
つまり、FB制御量演算部119では、限界ヨーレート偏差Δωfbが0以上の場合は、実ヨーレートが限界規範ヨーレートよりも小さい。そのため、ヨーレートを増大させる方向(換言すれば、限界ヨーレート偏差Δωfbを打ち消す方向)に、それぞれの車輪のFB制御量を設定する。具体的には、内側前輪および内側後輪のブレーキ液圧を増大させる方向にFB増圧量を設定し、外側前輪および外側後輪のブレーキ液圧を増大させないようにFB増圧量を設定する。
一方、限界ヨーレート偏差Δωfbが0以下の場合は、実ヨーレートが限界規範ヨーレートよりも大きい。そのため、ヨーレートを減少させる方向(換言すれば、限界ヨーレート偏差Δωfbを打ち消す方向)に、それぞれの車輪のFB制御量を設定する。具体的には、外側前輪および外側後輪のブレーキ液圧を増大させる方向にFB増圧量を設定し、内側前輪および内側後輪のブレーキ液圧を増大させないようにFB増圧量を設定する。
そして、制御量演算部117は、内側前輪のFF増圧量ΔP1ffと内側前輪のFB増圧量ΔP1fbと内輪減圧量ΔPdを加算した値を内側前輪に対する総制御量として、ブレーキ装置10に出力する。また、制御量演算部117は、内側後輪のFF増圧量ΔP2ffと内側後輪のFB増圧量ΔP2fbと内輪減圧量ΔPdを加算した値を内側後輪に対する総制御量として、ブレーキ装置10に出力する。また、制御量演算部117は、外側前輪のFB増圧量ΔP3fbを外側前輪の総制御量として、ブレーキ装置10に出力する。また、制御量演算部117は、外側後輪のFB増圧量ΔP4fbを外側後輪の総制御量として、ブレーキ装置10に出力する。
ブレーキ装置10は、入力したそれぞれの車輪の制御量に応じて、各車輪のホイールシリンダの液圧を制御する。
この車両挙動制御装置100は、限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいて車両のスリップ状態(横滑り状態)を推定する。そして、車両挙動制御装置100は、限界ヨーレート偏差Δωfbが零に近づくように各車輪のブレーキをフィードバック制御(横滑り抑制ブレーキ制御)する。これにより、車両挙動制御装置100は、車両挙動の安定化を図っている。また、これと同時に、車両挙動制御装置100は、定常ヨーレート偏差Δωffに基づいて各車輪のブレーキをフィードフォワード的に制御する。これにより、車両挙動制御装置100は、操舵時に車両の旋回をアシストし、操舵の応答性向上を図っている。操舵時に旋回をアシストする旋回アシストブレーキ制御は、限界ヨーレート偏差Δωfbが0のとき、すなわち車両がスリップ状態にないと判定されているときにも、実行される。
この実施形態では、操舵角規範ヨーレート演算部111と、定常規範ヨーレート演算部112と、定常ヨーレート偏差演算部113と、FF制御量演算部118により、車両のスリップ状態によらず操舵操作に応じてホイールシリンダの液圧を加減圧する第1の制御手段が構成されている。そして、この第1の制御手段によって旋回アシストブレーキ制御が実行される。また、横G規範ヨーレート演算部114と、補正部115と、限界ヨーレート偏差演算部116と、FB制御量演算部119により、車両のスリップ状態の程度に応じて前記ホイールシリンダの液圧を加減圧する第2の制御手段が構成されている。そして、この第2の制御手段によって横滑り抑制ブレーキ制御が実行される。
次に、シートベルト制御装置21について図2および図14〜図17の図面を参照して説明する。
前述したように、シートベルト制御装置21には、車両挙動制御装置100から、前後Gセンサ101、横Gセンサ105、ヨーレートセンサ106の各センサ出力信号と、ブレーキ制御部102で算出される定常ヨーレート偏差Δωffおよび限界ヨーレート偏差Δωfbと、プレフィル制御部190のプレフィル制御量とが入力される。これら情報に基づいてシートベルト制御装置21はモータ10を制御する。
図2に示すように、シートベルト制御装置21は、目標電流設定手段41と、電流制御手段42とを備えている。電流制御手段42は、待機電流制御手段43と、可変電流制御手段44とを備えている。
目標電流設定手段41は、車両の運動状態量に基づいてモータ10の目標電流を設定する。電流制御手段42は、モータ10に実際に流れる電流、すなわち実電流が目標電流設定手段41によって設定された目標電流と一致するように電流制御を行う。
目標電流設定手段41について説明する。この実施形態では、車両の運動状態を示す値(運動状態量)としてヨーレートと横Gを用いている。目標電流設定手段41は、ヨーレートセンサ106により検知された実ヨーレートと、横Gセンサ105で検知された横Gに基づいて、図14に示す目標電流マップを参照して目標電流I1を設定する。図14に示す目標電流マップにおいて、横軸は横G、縦軸は実ヨーレートである。横Gおよび実ヨーレートが共に小さい領域では目標電流I1を待機電流Iwに設定する(I1=Iw)。横Gおよび実ヨーレートが共に中位の領域では目標電流I1をIBに設定する(I1=IB)。横Gおよび実ヨーレートが共に大きい領域では目標電流I1をIAに設定する(I1=IA)。ここで、待機電流Iwは、前述したクラッチ20を接続状態に維持し得る低電流Iw(接続状態に維持し得るほぼ最小の電流値)である。電流値IBは待機電流Iwよりも大きい電流値である。電流値IAは電流値IBよりもさらに大きい電流値である。
目標電流設定手段41において実行される目標電流決定処理を、図15のフローチャートにしたがって説明する。まず、横Gセンサ105およびヨーレートセンサ106により横Gおよび実ヨーレートを検知する(ステップS01)。次に、図14の目標電流マップを参照して横Gおよび実ヨーレートに応じた目標電流I1を決定する(ステップS02)。この目標電流決定処理は、一定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される。
なお、この実施形態では、実ヨーレートと横Gに基づいて目標電流を設定したが、実ヨーレートの代わりに限界ヨーレート偏差Δωfbを用いてもよい。あるいは、横Gを用いずに、実ヨーレートあるいは限界ヨーレート偏差Δωfbのみに基づいて目標電流を設定することも可能である。
次に、電流制御手段42において実行されるモータ制御を図16、図17にしたがって説明する。図16はモータ制御を示すフローチャートである。図17はモータ10の電流制御を示すフローチャートである。
初めに、図16のフローチャートにしたがってモータ制御を説明する。
ステップS101において、前後Gセンサ101および横Gセンサ105の検出値を取得する。
次に、ステップS102に進み、車両挙動制御装置100とプレフィル制御部190の作動情報を取得する。車両挙動制御装置100の作動情報とは、具体的には、ブレーキ制御部102からシートベルト制御装置21に入力される定常ヨーレート偏差Δωffおよび限界ヨーレート偏差Δωfbである。プレフィル制御部190の作動情報とは、具体的には、プレフィル制御量出力部192からシートベルト制御装置21に入力されるプレフィル制御量である。
次に、ステップS103に進み、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中か、あるいは、加速度(前後Gまたは横G)が設定された閾値(所定値)以上であるかを判定する。車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中であるか否かは、ブレーキ制御部102からシートベルト制御装置21に入力された定常ヨーレート偏差Δωffおよび限界ヨーレート偏差Δωfbに基づいて判定する。定常ヨーレート偏差Δωffと限界ヨーレート偏差Δωfbの少なくともいずれか一方が0でない場合は、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中であると判定する。つまり、この実施形態において、車両挙動制御は、定常ヨーレート偏差Δωffのみに基づきブレーキを制御して車両の旋回をアシストする旋回アシストブレーキ制御を含む。また、定常ヨーレート偏差Δωffと限界ヨーレート偏差Δωfbが両方とも0である場合は、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行していないと判定する。
ステップS103の判定結果は、モータ10に通電するか否かを決定する。ステップS103における判定結果が「YES」である場合にはモータ10に通電して電流制御を行う。ステップS103における判定結果が「NO」である場合にはモータ10への通電を行わない。
詳述すると、ステップS103における判定結果が「YES」である場合、すなわち、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中であるとき、あるいは、加速度(前後Gまたは横G)が設定された閾値(所定値)以上であるときには、ステップS104に進み、プレフィル作動中か否かを判定する。なお、プレフィル作動中か否かの判定は、プレフィル制御量出力部192からシートベルト制御装置21に入力されたプレフィル制御量に基づいて判定する。プレフィル制御量が0である場合はプレフィル非作動であると判定する。プレフィル制御量が0より大である場合はプレフィル作動中と判定する。
ステップS104における判定結果が「NO」(プレフィル非作動)である場合には、ステップS105に進み、プレフィルフラグをOFFとして、ステップS106に進む。
ステップS106においては、ブレーキ制御部102から入力した定常ヨーレート偏差Δωffが第1設定値(第1の所定値)以上か否かを判定する。第1設定値は、例えば、操舵角が比較的に大きく且つ車速が中低速の場合に取り得る定常ヨーレート偏差の値に設定する。
ステップS106における判定結果が「YES」(Δωff≧第1設定値)である場合には、ステップS107に進み、ゲインKをもとの値よりも小さい値K1に設定する。なお、ゲインKは、後述するステップS112において実行するモータ10の電流制御において、モータ10に流れる実電流を目標電流に徐々に近づける際の電流変化の大きさを決定するゲインである。
一方、ステップS106における判定結果が「NO」(Δωff<第1設定値)である場合には、ステップS108に進み、ブレーキ制御部102から入力した限界ヨーレート偏差Δωfbが第2設定値(第2の所定値)以上か否かを判定する。第2設定値は、例えば、横加速度が予め決定された基準値以上の値になるときの操舵角に対応した限界ヨーレート偏差の値に設定する。
ステップS108における判定結果が「YES」(Δωfb≧第2設定値)である場合には、ステップS109に進み、ゲインKを、K1よりも大きい値K2(K2>K1)に設定する。
ステップS108における判定結果が「NO」(Δωfb<第2設定値)である場合には、ステップS110に進み、ゲインKをK1よりも大きくK2よりも小さい値K3(K1<K3<K2)に設定する。したがって、ステップS109において設定されるゲインK2が最大となる。
そして、ステップS107,S109,S110からステップS112に進んで、モータ10の電流制御を実行し、リターンする。
また、ステップS104における判定結果が「YES」(プレフィル作動中)である場合は、ステップS111に進んで、プレフィルフラグをONにする。そして、ステップS112に進み、モータ10の電流制御を実行し、リターンによりスタートに戻る。
一方、ステップS103における判定結果が「NO」である場合、すなわち、車両挙動制御装置100が非作動であり、且つ、加速度が設定された閾値(所定値)より小さいときには、ステップS113に進んで、ゲインKをK3に設定し、リターンによりスタートに戻る。すなわち、この場合には、モータ10の電流制御を行わず(モータ10に通電せず)にリターンによりスタートに戻る。ステップS113において設定されるゲインK3は、ステップS110において設定したゲインK3と同じ値である。
次に、ステップS112において実行するモータ10の電流制御を図17のフローチャートにしたがって説明する。
まず、ステップS201において目標電流I1を待機電流Iwに設定する。次に、ステップS202に進んで、モータ10への通電を開始する。なお、前述したように、待機電流Iwは、クラッチ20を接続状態に維持し得る低電流Iw(接続状態に維持し得るほぼ最小の電流値)である。
次に、ステップS203に進み、プレフィルフラグがONか否かを判定する。
ステップS203における判定結果が「YES」(ON)である場合には、プレフィル作動中であるので、ステップS204に進み、所定時間t0だけ待機電流Iwで通電して、リターンによりスタートに戻る。
一方、ステップS203における判定結果が「NO」(OFF)である場合には、プレフィル非作動状態であるので、ステップS205に進み、目標電流I1を、目標電流設定手段41が最新に設定した目標電流に更新する。
次に、ステップS206に進み、電流センサ40により検知されるモータ10に流れている電流の現在値、すなわち実電流Iが、目標電流I1と不一致か否かを判定する。
ステップS206における判定結果が「YES」(I≠I1)である場合には、ステップS207に進み、目標電流I1と実電流Iとの差の絶対値ΔI(ΔI=|I1−I|)が許容値Ithより大きいか否かを判定する。
ステップS207における判定結果が「YES」(ΔI>Ith)である場合には、実電流Iが目標電流I1の許容範囲から外れているので、ステップS208に進み、実電流Iが目標電流I1よりも小さいか否かを判定する。
ステップS208における判定結果が「YES」(I<I1)である場合には、ステップS209に進み、目標電流I1と実電流Iとの差の絶対値ΔIにゲインKを乗じた積に実電流Iを加算して得られる和(I+KΔI)が上限電流値Iu_limitよりも小さいか否かを判定する。すなわち、モータ10への通電量を現在の通電量よりもKΔIだけ増加した場合に上限電流値Iu_limitを越えないか否かを判定する。ここで、ゲインKは、前述した図16に示すフローチャートにおけるステップS107,S109,S110,S113において設定されたゲインKである。
ステップS209における判定結果が「YES」(I+KΔI<Iu_limit)である場合には、ステップS210に進み、モータ10への通電量をKΔI分だけ増加してI+KΔIとし、ステップS211に進む。
一方、ステップS209における判定結果が「NO」(I+KΔI≧Iu_limit)である場合には、モータ10への通電量を増加させず、現状を維持してステップS211に進む。
ステップS208における判定結果が「NO」(I≧I1)である場合には、ステップS212に進み、実電流Iから、目標電流I1と実電流Iとの差の絶対値ΔIにゲインKを乗じた積を減算して得られる差(I−KΔI)が、待機電流Iwよりも大きいか否かを判定する。すなわち、モータ10への通電量を現在の通電量よりもKΔIだけ減少した場合に待機電流Iwよりも大きくなるか否かを判定する。ここで、ゲインKは、前述した図16に示すフローチャートにおけるステップS107,S109,S110,S113において設定されたゲインKである。
ステップS212における判定結果が「YES」(I−KΔI>Iw)である場合には、ステップS213に進み、モータ10への通電量をKΔI分だけ減少してI−KΔIとし、ステップS211に進む。
ステップS212における判定結果が「NO」(I−KΔI≦Iw)である場合には、ステップS214に進み、モータ10への通電量Iを待機電流Iwとして、ステップS211に進む。
また、ステップS206における判定結果が「NO」(I=I1)である場合には、モータ10の実電流Iと目標電流Iが一致しているので、ステップS211に進む。
また、ステップS207における判定結果が「NO」(ΔI≦Ith)である場合には、モータ10の実電流Iが目標電流I1と一致してはいないが許容範囲内であるので、ステップS211に進む。
ステップS211においては、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中か、あるいは、加速度(前後Gまたは横G)が予め設定された任意の閾値(所定値)以上であるかを判定する。なお、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中か否かの判定方法は、前述した図16に示すフローチャートにおけるステップS103の場合と同じであるので、説明を省略する。
ステップS211における判定結果が「NO」である場合には、車両の走行状態が安定しており、モータ10を作動する必要がないので、モータ10の電流制御を終了してリターンによりスタートに戻る。
ステップS211における判定結果が「YES」である場合には、走行状態が安定状態に至っていないので、ステップS205に戻り、ステップS205〜S214の一連の処理を繰り返し実行する。
この実施形態においては、ステップS201〜S204の処理を実行することにより待機電流制御手段43が実現される。また、ステップS205〜S214の処理を実行することにより可変電流制御手段11が実現される。
このようにモータ10の通電量を制御するシートベルト装置1によれば、次の場合にクラッチ20を接続状態に維持し得る待機電流Iwがモータ10に流れる。すなわち、ブレーキ装置110がプレフィル作動中のとき、および、車両挙動制御装置100が車両挙動制御を実行中のとき、および、車両の加速度が閾値(所定値)以上のときには、待機電流Iwがモータ10に流れる。この状態では、ベルトリール12(ウェビング5)にクラッチ20を介してモータ10側の回転抵抗が付与され、ウェビング5に作用する外力に対して対抗することができる。
特に、車両挙動制御装置100による車両挙動制御の介入が早い場合、すなわち、定常ヨーレート偏差Δωffが発生する場合には、モータ10にクラッチ20を接続状態に維持し得る待機電流Iwが流れるだけである。そのため、モータ10の負荷がウェビング5を介して極めて軽い反力として乗員に伝わり、乗員の姿勢保持をすることができる。したがって、シートベルト装置1によれば、大きな反力を与えずに、乗員を自然な運転姿勢に維持することができる。
そして、シートベルト装置1によれば、モータ10の通電量を待機電流Iwに制御しながら、この後の車両の運動状態を示す値の変化に備えることができる。
また、車両挙動制御装置100においては、限界ヨーレート偏差Δωfbがほぼ0であり、且つ、定常ヨーレート偏差Δωffが0でない場合、換言すると、車両にスリップ状態(横滑り状態)が発生していない状態で操舵により車両を旋回させているときに、旋回アシストブレーキ制御が行われる。そのとき、車両挙動制御装置100から作動信号が出力され、モータ10の電流制御が行われる。このような旋回アシストブレーキ制御に伴いモータ10の電流制御が頻繁に行われても、モータ10の電流制御は待機電流制御から開始される。したがって、乗員が違和感を覚えることがない。そして、この場合も、モータ10の通電量を待機電流Iwに制御しながら、この後の車両の運動状態を示す値の変化に備えることができる。そのため、操舵の結果、車両挙動が不安定になり、モータ10の目標電流I1が待機電流Iwよりも大きい目標電流IA,IBに変更された場合に、この目標電流への電流制御に時間遅れなく移行することができる。
そして、シートベルト装置1によれば、モータ10の通電量を待機電流Iwで制御している間に、車両の運動状態を示す値が変化し、モータ10の目標電流I1が待機電流Iwよりも大きい目標電流IA,IBに変更された場合には、実電流Iが変更後の目標電流I1と一致するように、モータ10への通電量を徐々に増加させる電流制御が行われる。その結果、ベルトリール12がウェビング5を巻き取る方向に回転する。これにより、車両の運動状態の変化に応じてウェビング5による乗員の拘束力を適切に変えることができる。また、最初にモータ10にクラッチ20を接続状態に維持し得る待機電流Iwを流して、ウェビング5に作用する外力に対してある程度の抵抗力を付与できるようにしておいた状態から、モータ10への通電量を徐々に増加していく。したがって、車両の運動状態を示す値の変化に対して乗員の上体をウェビング5で拘束する際に、トルクの急増による違和感(張力の急増による衝撃)を乗員に与えることがない。
また、シートベルト装置1は、プレフィル作動中のときにも、モータ10の通電量が待機電流Iwとなるように制御している。そのため、その後にブレーキペダルが踏み込まれて大きな減速度が作用する場合にも、クラッチ20を接続状態に維持された状態から、車両の運動状態に応じて設定される目標電流となるようにモータ10の通電量を増加する制御が行われる。したがって、ウェビング5を引き込むまでの時間遅れを極めて小さくすることができ、乗員の姿勢保持を迅速且つ確実に行うことができる。
さらに、シートベルト装置1は、定常ヨーレート偏差Δωffが第1設定値以上のときに設定されるゲインK1を、限界ヨーレート偏差Δωfbが第2設定値以上のときに設定されるゲインK2よりも小さくしている。そのため、モータ10の実電流Iを目標電流I1に近づけていく制御のときの電流変化量を、旋回アシストブレーキ制御のときに、車両の横滑り抑制ブレーキ制御のときよりも小さくすることができる。その結果、旋回アシストブレーキ制御のときのモータ10のトルク変化を、横滑り抑制ブレーキ制御のときのモータ10のトルク変化よりも小さくすることができる。これにより、旋回アシストブレーキ制御時にウェビング5の引き込みにより拘束力が増加した場合にも、乗員に違和感を与え難くすることができる。特に、ワインディング路や、交差点での左右折時等で旋回アシストブレーキ制御が実行される場合に、ウェビング5による乗員の拘束力が不自然に増加するのを防止することができる。
また、シートベルト装置1は、限界ヨーレート偏差Δωfbが第2設定値以上のときに設定されるゲインK2を最大の値としている(K2>K3>K1)。そのため、緊急時にはモータ10の通電量を目標電流I1に迅速に増大させてウェビング5を巻き取ることができる。したがって、乗員を速やかに拘束することができる。
また、シートベルト装置1は、定常ヨーレート偏差Δωffが第1設定値以上のときには、ゲインKが小さい値のゲインK1に設定される。しかし、車両挙動制御装置100において定常ヨーレート偏差Δωffが発生するのは車速が低速域のときだけである。車両の中高車速での走行時は定常ヨーレート偏差Δωffは0となるので、このときにはゲインKがK1に設定されることはない。したがって、中高車速で車両挙動が不安定となったときには、ゲインKはK2またはK3に設定される。そのため、車両の運動状態を示す値が変化し、モータ10の目標電流I1が変更された場合に、モータ10の通電量を目標電流I1に迅速に増大させてウェビング5を巻き取ることができる。したがって、乗員を速やかに拘束することができる。
また、このシートベルト装置1では、車両挙動制御装置100からその作動状態に応じて異なる作動信号(定常ヨーレート偏差Δωff、限界ヨーレート偏差Δωfb)をシートベルト制御装置21に出力する。また、シートベルト制御装置21は車両挙動制御装置100から入力した前記作動信号に基づいてモータ10の電流制御を行う。したがって、シートベルト制御装置21は独自に車両挙動や車両の運動状態等を判別しないで済む。その結果、シートベルト制御装置21の演算負荷を低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態のみに限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
このシートベルト装置によれば、最適なタイミングで乗員の拘束が可能で、乗員の違和感を低減することができる。
1 シートベルト装置
2 シート
5 ウェビング
10 モータ
12 ベルトリール
20 クラッチ
21 シートベルト制御装置(モータ制御手段)
43 待機電流制御手段
44 可変電流制御手段
100 車両挙動制御装置(制動制御手段)
101 前後Gセンサ(検知手段)
105 横Gセンサ(検知手段)
106 ヨーレートセンサ(検知手段)
110 ブレーキ装置
113 定常ヨーレート偏差演算部(検知手段)
116 限界ヨーレート偏差演算部(検知手段)
190 プレフィル制御部(予圧手段)

Claims (5)

  1. 車両のシートに着座した乗員を拘束するウェビングと;
    前記ウェビングが巻回されるベルトリールと;
    前記ベルトリールに回転駆動力を伝達するモータと;
    前記モータのウェビング巻取り方向における設定値以上の回転トルクを受けた場合に、前記モータと前記ベルトリールとの間を接続状態に維持するクラッチと;
    前記車両の運動状態を検知する検知手段と;
    前記車両の車輪を制動するブレーキ装置におけるホイールシリンダ内の液体を加圧又は減圧することにより車両挙動を制御する制動制御手段と;
    前記制動制御手段が前記車両挙動を制御中であることを示す作動信号を出力しているとき、または前記検知手段により前記車両の運動状態が予め設定された運動状態にあることを検知したときに、前記モータの通電量を制御するモータ制御手段と;を備え、
    前記モータ制御手段が、
    前記制動制御手段が作動信号を出力しているときに前記クラッチを接続状態に維持し得る電流を前記モータに通電する待機電流制御手段と;
    前記検知手段により検知された車両の運動状態に基づいて前記モータへの通電量を調整する可変電流制御手段と;を備え、
    前記可変電流制御手段は、前記待機電流制御手段による電流制御中に前記検知手段により前記車両の運動状態の変化が検知されたときに前記待機電流制御手段による電流制御から、前記可変電流制御手段による電流制御へ移行し、
    前記制動制御手段が、その作動状態に応じて異なる作動信号を出力し、
    前記制動制御手段は、前記車両のアクセルペダルの非操作状態において前記ホイールシリンダ内の前記液体の圧力を予圧制御する予圧手段を備え;
    前記モータ制御手段は、前記予圧手段が作動状態であることを示す予圧作動信号を出力しているときにも前記待機電流制御手段による電流制御を行う
    ことを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 車両のシートに着座した乗員を拘束するウェビングと;
    前記ウェビングが巻回されるベルトリールと;
    前記ベルトリールに回転駆動力を伝達するモータと;
    前記モータのウェビング巻取り方向における設定値以上の回転トルクを受けた場合に、前記モータと前記ベルトリールとの間を接続状態に維持するクラッチと;
    前記車両の運動状態を検知する検知手段と;
    前記車両の車輪を制動するブレーキ装置におけるホイールシリンダ内の液体を加圧又は減圧することにより車両挙動を制御する制動制御手段と;
    前記制動制御手段が前記車両挙動を制御中であることを示す作動信号を出力しているとき、または前記検知手段により前記車両の運動状態が予め設定された運動状態にあることを検知したときに、前記モータの通電量を制御するモータ制御手段と;を備え、
    前記モータ制御手段が、
    前記制動制御手段が作動信号を出力しているときに前記クラッチを接続状態に維持し得る電流を前記モータに通電する待機電流制御手段と;
    前記検知手段により検知された車両の運動状態に基づいて前記モータへの通電量を調整する可変電流制御手段と;を備え、
    前記可変電流制御手段は、前記待機電流制御手段による電流制御中に前記検知手段により前記車両の運動状態の変化が検知されたときに前記待機電流制御手段による電流制御から、前記可変電流制御手段による電流制御へ移行し、
    前記制動制御手段が、その作動状態に応じて異なる作動信号を出力し、
    前記制動制御手段は、前記車両のスリップ状態によらず操舵操作に応じて前記ホイールシリンダ内の前記液体を加圧又は減圧するとともに前記作動信号を出力する第1の制御手段を備えることを特徴とする
    車両のシートベルト装置。
  3. 前記制動制御手段は、前記車両のスリップ状態の程度に応じて前記ホイールシリンダ内の前記液体を加圧又は減圧するとともに前記作動信号を出力する第2の制御手段をさらに備え;
    前記可変電流制御手段は、前記検知手段により検知された前記車両の運動状態に基づき決定される前記モータに対して供給すべき目標電流と、前記モータに流れる実電流とを比較し、その比較結果に基づいて前記モータの実電流を前記目標電流に近づくように変化させていき、その際の変化量を、前記第1の制御手段の制御量が第1設定値以上の場合は、前記第2の制御手段の制御量が第2設定値以上の場合よりも低減させる;
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記可変電流制御手段は、前記車両のスリップ状態の程度が予め設定された基準以上であるときに前記変化量を最大とすることを特徴とする請求項3に記載の車両のシートベルト装置。
  5. 前記制動制御手段は、前記車両の低速走行時にのみ前記第1の制御手段による制御を行って前記作動信号を出力することを特徴とする請求項3又は4に記載の車両のシートベルト装置。
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