JP5859863B2 - 車両用シートベルトの制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両用シートベルトの制御装置に関し、特に、ステアリングの操作状態に応じてウェビングを巻き取る巻取り制御を実行する制御装置に関する。
本出願人は、この種の車両用シートベルトの制御装置を、例えば特許文献1においてすでに提案している。この制御装置では、車両の操舵角を操舵角センサによって検出するとともに、検出された操舵角に基づいて操舵角速度および操舵角加速度を算出する。そして、得られた操舵角、操舵角速度および操舵角加速度が、それぞれの所定のしきい値を超えたときに、急激なステアリング操作が行われたとして、モータを作動させ、ウェビングを強制的に巻き取る巻取り制御を実行することによって、ウェビングで乗員を拘束し、乗員の安全を確保するようにしている。
特開2007−276540号公報
しかし、この従来の制御装置では、操舵角センサによって検出された操舵角と、この操舵角に基づいて算出された操舵角速度および操舵角加速度とによって表されるステアリングの操作状態のみに応じて、ウェビングの巻取り制御を実行する。このため、車両の走行状態などによっては、巻取り制御を適切に行えないことがあり、この点において改善の余地がある。
例えば、操舵角を検出する操舵角センサは、コストなどの関係から、相対角度を検出するタイプのものが用いられるのが通常である。このタイプの操舵角センサでは、その検出信号は直接的には操舵角の変化量を表すだけなので、操舵角センサの検出値から実際の操舵角(絶対角度)を得るためには、車両が直進走行していると推定される所定の条件で、操舵角の中点を基準点として学習することが必要である。このため、この中点学習が完了するまでの間、実際の操舵角を精度良く求めることができず、操舵角に基づく巻取り制御を適切に行えないおそれがある。
また、急激なステアリング操作の原因が、運転者の好みによって行われる、曲がり道などに沿ったワインディング走行である場合には、この従来の制御装置のように、操舵角や操舵角速度などがしきい値を超えたとして巻取り制御を実行すると、むしろ運転者に違和感を与えてしまう。
さらに、車両の走行中におけるウェビングの弛みの度合は、加速状態に応じて異なる傾向がある。例えば、大きな加速が発生すると、ロック機構によりウェビングの引出しがロックされるとともに、その後、加速が終了すると、シートベルトの復帰ばねによって、ウェビングがロック位置から引き戻され、巻き締められることによって、ウェビングの弛みは減少する。これに対し、従来の制御装置では、ステアリングの操作状態のみに応じて巻取り制御が実行されるので、ウェビングがすでにある程度、巻き締まった状態から巻取り制御が実行されることがあり、その場合には、ウェビングによる締付けが過度になり、やはり乗員に違和感を与えるおそれがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、ステアリングが大きく操作された場合に、車両の走行状態に応じてウェビングの巻取り制御を適切に行うことができ、それにより、乗員に違和感を与えることなく、乗員を適切に拘束することができる車両用シートベルトの制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両Vに搭載され、電流が供給されることにより作動し、リール8を回転させることによってリール8にウェビング5を巻き取るためのモータ9を有する車両用シートベルトの制御装置であって、車両Vの前後方向および左右方向の加速度(実施形態における(以下、本項において同じ)前後加速度Gx、左右加速度Gy)を検出する加速度検出手段(前後加速度センサ23、左右加速度センサ24)と、車両Vの操舵角θSTRを検出する操舵角検出手段(操舵角センサ22、ECU2)と、検出された操舵角θSTRに基づき、車両Vの操舵角速度ωSTRを算出する操舵角速度算出手段(ECU2、図3のステップ8)と、検出された前後方向および左右方向の加速度がいずれも所定の第1しきい値(所定加速度GREF)よりも小さな状態が、所定時間TREF以上、継続し、操舵角θSTRが所定の第2しきい値(しきい値θREF)以上で、かつ算出された操舵角速度ωSTRが所定の第3しきい値(高速度判定用のしきい値ωREFH)以上のときに、モータ9に所定の第1電流EHを供給し、ウェビング5をリール8に巻き取ることによって、車両Vの乗員を拘束する拘束制御を実行し(図3のステップ12)、前後方向および左右方向の加速度の少なくとも一方が第1しきい値以上である状態において、操舵角θSTRが第2しきい値以上で、かつ操舵角速度ωSTRが第3しきい値以上のときに、モータ9に第1電流EHよりも小さな第2電流EMを供給することによって、乗員の姿勢を保持する姿勢保持制御を実行する(図3のステップ13)制御手段(ECU2)と、を備えることを特徴とする。
この車両用シートベルトの制御装置によれば、車両の前後方向および左右方向の加速度と操舵角が検出されるとともに、検出された操舵角に基づいて操舵角速度が算出される。そして、取得されたこれらのパラメータに基づき、前後方向および左右方向の加速度がいずれも所定の第1しきい値よりも小さな状態が、所定時間以上、継続し、操舵角が所定の第2しきい値以上で、かつ操舵角速度が所定の第3しきい値以上のときには、モータに所定の第1電流を供給し、ウェビングをリールに巻き取ることによって、車両の乗員を拘束する拘束制御を実行する。
上記のような状況は、車両の前後/左右方向の加速度がいずれも小さいことから、直進または直進に近い状態での車両の走行(以下「直進走行」という)が行われており、また、そのような直進走行状態で、大きな操舵角および操舵角速度が発生していることから、車両の危険を回避するためにステアリングが急激に操作されたと推定される。したがって、この場合には、上述した拘束制御を実行することによって、モータに比較的大きな第1電流を供給し、それにより巻き取られたウェビングの大きな張力で乗員を強く拘束することにより、乗員の移動を抑制し、その安全を適切に確保することができる。
また、例えば、車両が低μ路を走行している場合には、ステアリングが急激に操作されたときでも、実際の加速度が小さいために、ウェビングの弛みが取れていないことがある。このような場合にも、上記のように車両の加速度が小さいという条件で拘束制御を実行することによって、ウェビングの弛みを除去しながら、乗員を適切に拘束することができる。
一方、前後/左右方向の加速度の少なくとも一方が第1しきい値以上である状態において、操舵角が第2しきい値以上で、かつ操舵角速度が第3しきい値以上のときには、モータに第1電流よりも小さな第2電流を供給することによって、乗員の姿勢を保持する姿勢保持制御を実行する。
上記のように前後方向および/または左右方向の加速度が大きい場合には、前述したワインディング走行が行われているか、あるいは、大きな加速が発生していることで、ウェビングの弛みが少なく、ウェビングが巻き締まった状態にあると推定される。したがって、この場合には、操舵角および操舵角速度がそれぞれ第2しきい値および第3しきい値以上になり、ステアリングが急激に操作されたと推定されるときでも、上述した拘束制御を行わず、姿勢保持制御を実行することによって、モータに小さな第2電流を供給し、ウェビングの小さな張力を乗員に作用させる。これにより、乗員の姿勢を適切に保持できるとともに、ワインディング走行時やウェビングが巻き締まった状態からの、ウェビングによる不要なまたは過度の締付けを回避でき、乗員に違和感を与えることがない。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用シートベルトの制御装置において、操舵角検出手段は、操舵角を相対角度として検出するように構成されていることを特徴とする。
上述したように、請求項1の発明による制御装置によれば、ステアリングが急激に操作されたと推定される場合において拘束制御または姿勢保持制御を選択する際に、操舵角および操舵角速度だけでなく、車両の加速度が加味される。このため、操舵角検出手段が操舵角を相対角度として検出するように構成されていることで、操舵角の中点学習が完了していない場合においても、車両の加速度に応じて拘束制御または姿勢保持制御を適切に選択でき、したがって、請求項1の発明による効果を有効に得ることができる。
本発明を適用した車両用のシートベルトを、運転席や運転者とともに概略的に示す側面図である。 シートベルトおよびその制御装置を概略的に示す図である。 制御装置によって実行されるシートベルトの制御処理を示すフローチャートである。 図3の制御処理において用いられる操舵角および操舵角速度の領域を示すマップである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1および図2に示すシートベルト3は、いわゆる3点式のものであり、運転者DRを運転席SEに拘束するためのウェビング5と、ウェビング5を巻き取るためのリトラクタ6を有している。リトラクタ6は、車両Vの右側のセンタピラーCPの下部に取り付けられている。ウェビング5は、リトラクタ6から上方に延びるとともに、センタピラーCPの上部に取り付けられたスルーアンカTAに通されており、ウェビング5の先端部は、センタピラーCPの下部に、アウタアンカ(図示せず)を介して固定されている。ウェビング5は、運転者DRに掛けられていない非装着状態では、センタピラーCPに沿って上下方向に延びている。
また、ウェビング5には、スルーアンカTAとアウタアンカの間に、タングプレートTPが設けられている。このタングプレートTPは、ウェビング5の長さ方向にスライド自在であるとともに、バックルBUに着脱可能になっている。バックルBUは、車両VのフロントフロアFFに固定されており、運転席SE付近の助手席寄りに配置されている。
以上の構成のシートベルト3では、運転席SEに着座した運転者DRが、ウェビング5をリトラクタ6から引き出し、タングプレートTPをバックルBUに係合させることによって、ウェビング5が運転者DRに掛けられる。この装着状態では、運転者DRは、ウェビング5によって運転席SEに拘束される。
図2に示すように、リトラクタ6は、センタピラーCPに固定されたフレーム7と、ウェビング5が巻き回されたリール8と、リール8を回転駆動するためのモータ9と、ロック機構11などで構成されている。リール8は、フレーム7に回転自在に支持されており、復帰ばね(図示せず)によって、ウェビング5を巻き取る方向に付勢されている。この復帰ばねによる付勢によって、ウェビング5は、シートベルト3の装着の解除後に、リール8に巻き取られ、センタピラーCP内に収納される。
また、リール8の軸部8aは、動力伝達機構10を介してモータ9の出力軸9aに連結されている。モータ9は、例えばDCモータで構成されており、供給された電流を動力に変換して出力軸9aから出力する。動力伝達機構10は、機械式のクラッチや遊星歯車装置(いずれも図示せず)などで構成されている。
以上の構成により、モータ9が正転したときには、クラッチによって、モータ9の出力軸9aがリール8の軸部8aに接続されるとともに、動力伝達機構10の遊星歯車装置によって、モータ9の動力が減速した状態でリール8に伝達される。これにより、リール8が巻取り方向に回転駆動されることによって、ウェビング5がリール8に巻き取られる。一方、モータ9が逆転したときには、クラッチによって、出力軸9aと軸部8aの間が遮断される。
また、ロック機構11は、機械式のものであり、車両Vの加速度が所定値に達したとき、またはウェビング5の引出し速度が所定値に達したときに、ウェビング5の引出し方向へのリール8の回転をロックすることによって、ウェビング5の引出しを阻止する。
車両Vには、バックルスイッチ26が設けられている。バックルスイッチ26は、ウェビング5のタングプレートTPがバックルBUに係合しているとき、すなわちシートベルト3が装着状態のときに、ON信号をECU2に出力する。
リトラクタ6には、回転角センサ21が設けられている。回転角センサ21は、円周方向に沿って等間隔に複数の磁極が形成され、リール8と一体に回転する磁性円板(図示せず)と、磁性円板の外周縁部の付近に配置された一対のホール素子(図示せず)とを有しており、リール8が所定角度、回転するごとに、パルス信号をECU2に出力する。
また、ステアリングシャフト12には、車両Vの操舵角を検出するための操舵角センサ22が設けられている。この操舵角センサ22は、操舵角を相対角度として検出するタイプのものであり、エンコーダなどで構成されていて、ステアリングシャフト12が所定角度、回転するごとに、パルス信号SSTRをECU2に出力する。
ECU2は、このパルス信号SSTRの発生数と、あらかじめ中点学習された操舵角の基準位置に基づいて、操舵角θSTRを算出する。この場合、操舵角θSTRは、ステアリングホイール13が右側に操作されたときには正の値として、左側に操作されたときには負の値として、算出される。
さらに、ECU2には、前後加速度センサ23から、車両Vの前後方向の加速度(前後加速度)Gxを表す検出信号が、左右加速度センサ24から、車両Vの左右方向の加速度(左右加速度)Gyを表す検出信号が、それぞれ出力され、さらに、車速センサ25から、車両Vの速度(車速)VPを表す検出信号が出力される。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、上述した各種のセンサ21〜25の検出信号などに応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに基づいて、各種の演算処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2は、操舵角検出手段、操舵角速度算出手段および制御手段に相当する。
次に、図3を参照しながら、ECU2で実行されるシートベルト3の制御処理について説明する。この制御処理は、車両Vの走行中に、ステアリングの操作状態および車両Vの加速状態などに応じて、モータ9によるウェビング5の巻取りを制御するものであり、所定時間ごとに実行される。
本処理ではまず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、バックルスイッチ26の出力信号(BU・SW)がONであるか否かを判別する。この答がNOで、シートベルト3が装着されていないときには、モータ9を停止状態に保持し(ステップ2)、本処理を終了する。
ステップ1の答がYESで、シートベルト3が装着されているときには、検出された車両Vの前後加速度Gxおよび左右加速度Gyがいずれも、所定加速度GREF(例えば0.35G)よりも小さいか否かを判別する(ステップ3)。
このステップ3の答がNOで、前後加速度Gxおよび左右加速度Gyの少なくとも一方が所定加速度GREF以上のときには、アップカウント式のタイマの値(以下「直進走行タイマ値」という)TM_STを0にリセットした(ステップ4)後、後述するステップ7に進む。
前記ステップ3の答がYESで、前後加速度Gxおよび左右加速度Gyがいずれも所定加速度GREFよりも小さいときには、直進走行タイマ値TM_STが所定時間TREF(例えば30s)以上であるか否かを判別する(ステップ5)。この答がNOのときには、ステップ7に進む。
一方、ステップ5の答がYESのとき、すなわち、前後加速度Gxおよび左右加速度Gyがいずれも所定加速度GREFよりも小さい状態が、所定時間TREF以上、継続したときには、車両Vが直進走行状態にあるとして、直進走行フラグF_STを「1」にセットし(ステップ6)、ステップ7に進む。
前記ステップ4、5または6に続くステップ7では、検出された車速VPが所定値VREF(例えば40km/h)以上であるか否かを判別する。この答がNOで、車速VPが小さいときには、前記ステップ2に進み、モータ9を停止状態に保持する。
一方、ステップ7の答がYESで、VP≧VREFのときには、車両Vの操舵角速度ωSTRを算出する(ステップ8)。この操舵角速度ωSTRの算出は、操舵角センサ22のパルス信号SSTRに基づいて前述したようにして算出された操舵角θSTRの今回値と前回値との差を、単位時間当たりの値に換算することによって行われる。
次に、操舵角θSTRの絶対値(以下「操舵角絶対値」という)|θSTR|が所定のしきい値θREF(例えば90deg)以上であるか否かを判別する(ステップ9)。この答がNOで、|θSTR|<θREFのときには、操舵角が小さいとして、前記ステップ2に進み、モータ9を停止状態に保持し、本処理を終了する。
一方、上記ステップ9の答がYESのときには、ステップ8で算出した操舵角速度ωSTRの絶対値(以下「操舵角速度絶対値」という)|ωSTR|が、高速度判定用の所定のしきい値ωREFH(例えば180deg/s)以上であるか否かを判別する(ステップ10)。この答がYESのとき、すなわち、操舵角絶対値|θSTR|がしきい値θREF以上で、かつ操舵角速度絶対値|ωSTR|がしきい値ωREFH以上のとき(図4の領域Aまたは領域A’)には、ステップ11に進む。
このステップ11では、直進走行フラグF_STが「1」であるか否かを判別する。この答がYESのとき、すなわち、車両Vが直進走行している状態で、操舵角θSTRおよび操舵角速度ωSTRが高くなったときには、拘束制御を実行し(ステップ12)、本処理を終了する。
この拘束制御では、モータ9への供給電流ECMは、非常に大きな所定の第1電流EH(例えば20A)に設定される。これにより、ウェビング5をリール8に強制的に巻き取り、ウェビング5の大きな張力を運転者DRに作用させることによって、運転者DRが強く拘束される。
一方、前記ステップ11の答がNOで、直進走行フラグF_STが「1」でないとき、すなわち、車両Vが直進走行していない状態で、操舵角θSTRおよび操舵角速度ωSTRが高くなったときには、姿勢保持制御を実行し(ステップ13)、本処理を終了する。
この姿勢保持制御では、モータ9への供給電流ECMは、今回の処理サイクルにおける回転角センサ21からのパルス信号の発生数に所定の係数を乗算することによって、拘束制御時の第1電流EHよりも小さな第2電流EMに設定される。これにより、そのときのウェビング5の実際の引出し量に応じたウェビング5の張力を運転者DRに作用させることによって、運転者DRの姿勢が適切に保持される。
前記ステップ10の答がNOのときには、操舵角速度絶対値|ωSTR|が、上記の高速度判定用のしきい値ωREFHよりも小さな中速度判定用の所定のしきい値ωREFM(例えば90deg/s)以上であるか否かを判別する(ステップ14)。この答がYESのとき、すなわち、操舵角絶対値|θSTR|がしきい値θREF以上で、かつ操舵角速度絶対値|ωSTR|が中速度判定用のしきい値ωREFMと高速度判定用のしきい値ωREFHの間にあるとき(図4の領域Bまたは領域B’)には、前記ステップ13に進み、姿勢保持制御を実行する。
一方、上記ステップ14の答がNOのときには、操舵角速度絶対値|ωSTR|が、上記の中速度判定用のしきい値ωREFMよりも小さな低速度判定用の所定のしきい値ωREFL(例えば45deg/s)以上であるか否かを判別する(ステップ15)。この答がYESのとき、すなわち、操舵角絶対値|θSTR|がしきい値θREF以上で、かつ操舵角速度絶対値|ωSTR|が低速度判定用のしきい値ωREFLと中速度判定用のしきい値ωREFMの間にあるとき(図4の領域Cまたは領域C’)には、弱拘束制御を実行し(ステップ16)、本処理を終了する。
この弱拘束制御では、モータ9への供給電流ECMは、非常に小さな所定の第3電流EL(例えば2A)に設定される。これにより、ウェビング5の小さな張力を運転者DRに作用させることによって、運転者DRが弱く拘束される。
また、前記ステップ15の答がNOで、操舵角速度絶対値|ωSTR|が低速度判定用のしきい値ωREFLよりも小さいときには、前記ステップ2に進み、モータ9を停止状態に保持する。
以上のように、本実施形態によれば、前後加速度Gxおよび左右加速度Gyがいずれも所定加速度GREFよりも小さな状態(図3のステップ3:YES)が、所定時間TREF以上、継続し(ステップ5:YES)、操舵角絶対値|θSTR|が所定のしきい値θREF以上で、かつ操舵角速度絶対値|ωSTR|が高速度判定用の所定のしきい値ωREFH以上のときには(ステップ9、10:YES)、拘束制御を実行し(ステップ12)、モータ9への供給電流ECMを非常に大きな所定の第1電流EHに設定する。
これにより、ステアリングが急激に操作されたときに、巻き取られたウェビング5の大きな張力で運転者DRを強く拘束することにより、運転者DRの移動を抑制し、その安全を適切に確保することができる。また、車両Vが低μ路の走行中であるためにステアリングが急激に操作された場合においても、ウェビング5の弛みを除去しながら、運転者DRを適切に拘束することができる。
一方、前後加速度Gxおよび左右加速度Gyの少なくとも一方が所定加速度GREF以上である状態(図3のステップ3:NO)において、操舵角絶対値|θSTR|がしきい値θREF以上で、かつ操舵角速度絶対値|ωSTR|が高速度判定用のしきい値ωREFH以上のときには(ステップ9、10:YES)、姿勢保持制御を実行し(ステップ13)、モータ9への供給電流ECMを第1電流EHよりも小さな第2電流EMに設定する。
このように、車両Vの前後加速度Gxおよび/または左右加速度Gyが大きい場合には、ステアリングが急激に操作されたと推定されるときでも、ウェビング5のより小さな張力を運転者DRに作用させる。これにより、運転者DRの姿勢を適切に保持できるとともに、ワインディング走行時やウェビング5が巻き締まった状態からの、ウェビング5による不要なまたは過度の締付けを回避でき、運転者DRに違和感を与えることがない。
また、上記の拘束制御または姿勢保持制御を選択する際に、操舵角θSTRおよび操舵角速度ωSTRだけでなく、車両Vの加速度Gx、Gyが加味されるので、本実施形態のように操舵角センサ22が操舵角を相対角度として検出するように構成され、その中点学習が完了していない場合においても、拘束制御または姿勢保持制御を適切に選択することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、操舵角θSTRおよび操舵角速度ωSTRをそれぞれのしきい値と比較する際に、絶対値として取り扱っているが、取得された正または負の値をそのまま、対応するしきい値と比較してもよいことはもちろんである。
また、実施形態では、姿勢保持制御においてモータ9に供給する第2電流EMを、回転角センサ21のパルス信号の発生数に応じて設定しているが、拘束制御および弱拘束制御に用いられる第1電流EHと第3電流ELとの間の所定値に設定してもよい。
また、実施形態は、車両の運転席用のシートベルトの例であるが、本発明を、助手席用や後部座席用のシートベルトに適用してもよいことはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
2 ECU(操舵角検出手段、操舵角速度算出手段、制御手段)
3 シートベルト
5 ウェビング
8 リール
9 モータ
22 操舵角センサ(操舵角検出手段)
23 前後加速度センサ(加速度検出手段)
24 左右加速度センサ(加速度検出手段)
V 車両
DR 運転者(乗員)
Gx 前後加速度
Gy 左右加速度
GREF 所定加速度(第1しきい値)
θSTR 操舵角
|θSTR| 操舵角絶対値(操舵角)
θREF 操舵角のしきい値(第2しきい値)
ωSTR 操舵角速度
|ωSTR| 操舵角速度絶対値(操舵角速度)
ωREFH 操舵角速度の高速度判定用のしきい値(第3しきい値)
ECM 供給電流(モータに供給する電流)
EH 第1電流
EM 第2電流

Claims (2)

  1. 車両に搭載され、電流が供給されることにより作動し、リールを回転させることによって当該リールにウェビングを巻き取るためのモータを有する車両用シートベルトの制御装置であって、
    前記車両の前後方向および左右方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    当該検出された操舵角に基づき、前記車両の操舵角速度を算出する操舵角速度算出手段と、
    前記検出された前後方向および左右方向の加速度がいずれも所定の第1しきい値よりも小さな状態が、所定時間以上、継続し、前記操舵角が所定の第2しきい値以上で、かつ前記算出された操舵角速度が所定の第3しきい値以上のときに、前記モータに所定の第1電流を供給し、前記ウェビングを前記リールに巻き取ることによって、前記車両の乗員を拘束する拘束制御を実行し、前記前後方向および左右方向の加速度の少なくとも一方が前記第1しきい値以上である状態において、前記操舵角が前記第2しきい値以上で、かつ前記操舵角速度が前記第3しきい値以上のときに、前記モータに前記第1電流よりも小さな第2電流を供給することによって、乗員の姿勢を保持する姿勢保持制御を実行する制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用シートベルトの制御装置。
  2. 前記操舵角検出手段は、前記操舵角を相対角度として検出するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用シートベルトの制御装置。
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