JP2004322690A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキペダル操作、及びABSの作動状態に応じ、第1のプリテンショナによる張力制御を好適に行うことのできる車両用シートベルト装置を提供する。
【解決手段】車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサ20と、ABSコントローラ51の出力信号を検出する手段と、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出データ、及びABSコントローラ51の検出データに基づき、急ブレーキが発生していると判断される場合に、第1のプリテンショナ16によるウェビング11巻き取り時の張力を制御する第1のコントローラ30と、を具備し、第1のコントローラ30は、ABSの作動状態に応じて、第1のプリテンショナによるウェビング11巻き取り時の張力を変更することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートベルトの張力を変化させるプリテンショナを有し、ブレーキ制動が予測される場合にシートベルトを巻き取って乗員のリスク度を回避する車両用シートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の乗員のリスク度を回避する技術として、例えば、米国特許6370461号公報(特許文献1)に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載されている技術では、避けられない衝突を予測して、衝突前に車両の車両姿勢制御手段の作動を変更するものである。避けられない衝突を予測する手段としては、運転者のブレーキ操作割合、ABS(Anti−lock Brake System)の作動信号、レーダによる障害物検知によるものが考えられる。
【0003】
また、車両姿勢制御手段としては、あらゆる種類のシャシー、車体、内装の装置が含まれる。例えば、車高を低くする、ステアリングの位置を変更する、シート位置を変更する等のほか、乗員拘束装置を事前に作動させる、作動させる際のしきい値を変更する、といった方法が考えられる。
【0004】
【特許文献1】
米国特許6370461号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術においては、運転者のブレーキ操作割合、ABSの作動信号、或いはレーダにより、避けられない衝突を予測しているが、運転者のブレーキ操作割合、ABSの作動信号により、乗員拘束装置を作動させるのみで、それぞれに最適な作動をさせるようになっていないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、シートに着座した乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを巻き取り、巻き戻しするリトラクタを備えた車両用シートベルト装置において、前記ウェビングを前記リトラクタに所望する張力で巻き取り駆動する第1のプリテンショナと、緊急時に前記ウェビングに張力を付与し、乗員を最終的に拘束する第2のプリテンショナと、車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサと、を有し、前記第1のプリテンショナは、可逆的に動作する電動プリテンショナであり、且つ、前記第2のプリテンショナは非可逆的なプリテンショナであり、急ブレーキを検知して前記ウェビングを巻き取る際に、当該ウェビングに付与する張力を基準値から補正する張力補正手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、ブレーキペダルの操作量が大きくなり、急ブレーキ判断が成立した場合には、可逆的に動作可能な第1のプリテンショナによりウェビングを所定の張力で巻き取る制御を行い、且つこのときの張力を張力補正手段により補正するので、運転状況に適合した、乗員にとって極めて都合のよいウェビングの張力制御を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシートベルト装置の配置構成図である。
【0009】
同図に示すように、シートベルト装置10は、3点式パッシブシートベルトに例をとって示し、シートSに着座した乗員Hを拘束するウェビング11と、このウェビング11の一端側を巻回するリトラクタ12とを備え、ウェビング11の他端側はシートSのドア側に配置したアンカーを介して車体に固定してあるとともに、ウェビング11の中間部に移動自在に挿通したタング13を、シートSの車体中央側で車体に固定したバックル14に着脱自在に係合し、このバックル14と前記リトラクタ12との間でウェビング11をセンターピラーPcの上部のスルーリング15を介して移動自在に支持するようになっている。
【0010】
リトラクタ12は、ウェビング11をリトラクタ12に巻き取り駆動し、またはリトラクタ12から巻き戻し駆動する第1のプリテンショナ16と、緊急時にウェビング11に張力を付与し乗員Hを最終的に拘束する第2のプリテンショナ17と、を設けてある。
【0011】
第1のプリテンショナ16は、可逆的な作動が可能な電動プリテンショナとして構成され、モータMと減速ギヤ機構16aとを有し、モータMの回転数を減速してトルクをリトラクタ12に設けたウェビング11を巻回するリールに伝達するようになっている。
【0012】
第2のプリテンショナ17は、非可逆的なプリテンショナであり、この実施形態では火薬式(火薬プリテイン)として構成され、衝突検知によって火薬の爆発力でウェビング11を瞬時にリトラクタ12に巻取るようになっている。
【0013】
尚、第2のプリテンショナ17は火薬式に限ることなく、ウェビング11を迅速に巻取ることができる限りにおいてモータ等を用いることができる。
【0014】
また、前記リトラクタ12には、衝突時に巻取ったウェビング11の張力が所定値以上に上昇して乗員Hに大きな負担を掛けるのを防止するためのロードフォースリミッタ、及びウェビング11の急激な引き出しを感知してこのウェビング11の引き出しをロックするロック機構を設けてある。
【0015】
そして、衝突時には、ロック機構により、乗員の体をシートに拘束し、第2のプリンテンショナ16が作動して、ウェビング11の弛みを除去して、乗員の拘束性を向上させる。また、ロードフォースリミッタが作用して、シートベルトにより乗員の体へ作用する力を所定値以下に抑制する。
【0016】
更に、本実施形態に係るシートベルト装置10は、第1のプリテンショナ16を制御する第1のコントローラ(張力補正手段)30と、第2のプリテンショナ17を制御する第2のコントローラ53と、を具備している。
【0017】
第1のコントローラ30は、車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサ20にて検知されるブレーキストローク信号、車速センサ21の検出信号、及びABSコントローラ51より出力されるABS作動信号に基づいて、第1のプリテンショナ16を制御する。
【0018】
第2のコントローラ53は、衝突時の衝撃を検知する衝撃センサ52より衝突を示す検知信号が与えられた際には、第2のプリテンショナ17を駆動させるべく制御する。
【0019】
図2は、第1のコントローラ30の詳細な構成を示す機能ブロック図である(図1に示した第2のコントローラ53については、記載を省略している)。同図では、第1のプリテンショナ16のモータMを2個(M1,M2)設けてあり、このうちM1は運転席用のシートベルト装置10のものであり、M2は助手席用のシートベルト装置10のものとなっている。
【0020】
第1のコントローラ30は、図2に示すようにCPU31を備え、更に、このCPU31にバッテリ(BATT)からフューズ22を介して電源電圧を入力する電源回路32と、イグニッション信号を入力するIGN(イグニッション)入力回路33と、車速センサ21の車速信号、及びABSコントローラ51による検出信号を入力するCAN(Controller Area Network)・I/F34と、ブレーキペダルストロークセンサ20のブレーキストローク信号を入力するアナログI/F35と、を備えている。
【0021】
ここで、電源回路32により安定化された電圧は、CPU31の駆動源として用いる以外に、センサ電源回路32aを介してブレーキペダルストロークセンサ20に供給されるようになっている。
【0022】
CPU31より出力される制御信号は、駆動回路36を介してリレー37に供給され、且つ、運転席用及び助手席用のモータM(M1,M2)を駆動制御し、且つ回転方向を切り換えるH−Bridge(Hブリッジ)38a,38bに供給されるようになっている。
【0023】
H−Bridge38a,38bには、リレー37を介して、フューズ22、バッテリ電源よりの電圧が与えられ、且つ、各モータMは、H−Bridge38a,38bにより回転方向が制御されるとともに、これらモータMの回転速度は、CPU31で演算したデューティ比(以下、デューティと称す)によって制御されるようになっている。
【0024】
ブレーキペダルストロークセンサ20は、運転者の制動操作によるブレーキペダルの踏込み量を、ポテンショメータの回転角で検出するようになっており、このブレーキペダルストロークセンサ20は、センサ電源回路32aより与えられる電源電圧を、ブレーキペダルの踏込み量に応じた電圧信号に変換し、この電圧信号を、アナログI/F35を介してCPU31に出力する。
【0025】
車速センサ21で検出した車速データは、CAN・I/F34を経由してCPU31に供給される。この場合、CAN・I/F34を経由することなく、車速センサ21から車速に応じた周期のパルスを出力して、このパルス周期から車速を検出するようにしてもよい。
【0026】
CPU31は、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出信号に基づいて、ブレーキペダルが踏み込まれたときの制動が、緊急制動であるかどうかを判断する共に、緊急制動であれば衝突回避動作であると判断して、H−Bridge38a,38bに電流指令値をデューティ出力し、モータMの回転数を制御してウェビング11に張力を加え、該ウェビング11を巻き取る制御を行う。
【0027】
また、ABSコントローラ51より、ABS作動信号が与えられた場合には、このABS作動信号に基づいて、前述と同様に、モータMの回転数を制御してウェビング11に張力を加え、該ウェビング11を巻き取る制御を行う。
【0028】
また、第1のコントローラ30に入力される、ブレーキペダルストローク、車速を検出する各センサが故障した場合には、これらの故障を検知するフェールセーフ機能を有しており、このフェールセーフロジックに基づいて、各モータM(M1,M2)への電流の通電を停止する。
【0029】
図3は、CPU31の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、CPU31は、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出信号に基づいて、ブレーキの作動を判断するブレーキ操作判断部31aと、車速センサ21の検出信号に基づいて、制動の終了を判断する制動終了判断部31bと、緊急制動判断部31cと、フェールセーフ部31dと、動作モード判定部31eと、各モータM(M1,M2)への出力電流、および通電時間を算出する出力電流及び通電時間算出部31fと、運転席側のモータM1の作動を判断する運転席作動判断部31gと、助手席側のモータM2の作動を判断する助手席作動判断部31hと、を備えている。
【0030】
更に、ABSコントローラ51より出力される検出信号に基づいてABSの作動を判断するABS作動判断部31iを具備している。
【0031】
次に、実施形態に係るシートベルト装置10の動作について説明する。図4は、該シートベルト装置10の全体的な動作を示すフローチャートである。また、図5〜図10は、詳細フローチャートである。
【0032】
まず、図4に基づいて、全体動作について説明すると、車両走行中には、ステップS1にて、車速センサ21にて検出される当該車両の走行速度が、CAN・I/F34を介してCPU31に取り込まれる。次いで、ステップS2では、ブレーキペダルストロークセンサ20により検出されたブレーキペダルのストローク量(踏み込み量)が検知され、アナログ・I/F35を介してCPU31に取り込まれる。
【0033】
ステップS3では、上記の処理で得られた車速データ、及びブレーキペダルのストローク量のデータに基づいて、緊急制動(急ブレーキ判断)が行われているかどうかが判断される。例えば、運転者が運転中、前方に障害物が急に現れたり、障害物の発見が遅れた場合には、衝突を回避するために、緊急制動を行う。そして、ブレーキペダルストロークセンサ20の出力信号に基づき、緊急の制動操作が発生していることが検出される。
【0034】
また、ステップS4では、緊急制動が終了しているかどうかが判断される。ここでは、例えば、車両が停止している場合や速度が略一定である場合、或いは加速している場合に、緊急制動が終了しているものと判断する。
【0035】
ステップS5では、ABSコントローラ51の出力信号に基づいた、ABS作動判断処理が行われる。
【0036】
ステップS6では、上述した緊急制動判断処理、緊急制動終了判断処理、及びABS作動判断処理の結果に基づいて、作動モードを設定する処理が行われる。
【0037】
ステップS7では、選択された作動モードに応じて出力デューティを算出する処理が行われる。
【0038】
ステップS8では、フェールセーフのロジックにより、センサ類が故障した場合には、各モータMへの電圧供給を停止させる処理が行われる。
【0039】
ステップS9では、フェールセーフ、作動禁止条件に基づいて、シートベルト制御の作動、非作動を判断し、その後、ステップS1からの処理に戻る。
【0040】
図5は、図4のステップS3に示した、緊急制動判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS11の処理で、車速が所定の速度V1よりも大きいか否かが判断される。そして、V1以下の場合には(ステップS11でNO)、第1のプリテンショナ16によるウェビング張力の制御を行わない。
【0041】
また、車速がV1を超えていれば(ステップS11でYES)、ステップS12で、ブレーキペダルストロークセンサ20の出力信号から、ブレーキの踏み込み速度を算出する。そして、ステップS13では、ブレーキ踏み込み量、及びブレーキ踏み込み速度に基づいて、運転者が期待する減速G(Gは加速度を示す)である、期待減速Gを算出する。
【0042】
次いで、ステップS14では、期待減速Gと緊急制動判断のしきい値G1とを比較し、期待減速Gが緊急制動判断のしきい値G1よりも大きい場合には(ステップS14でYES)、緊急制動であると判断して、ステップS15で、緊急制動フラグを「1」にセットする。
【0043】
図6は、図4に示したステップS4の、制動判断終了処理を詳細に示すフローチャートである。同図に示すステップS21では、車速が所定値V0(例えば、V0は時速5Km程度)未満であるかどうかが判断され、V0未満である場合には(ステップS21でYES)、車両は停止しているものと見なして、ステップS23にて、変数「タイマ」をインクリメントする。
【0044】
また、車速がV0以上である場合には(ステップS21でNO)、ステップS22で、車両の減速度が所定の減速度G2よりも小さいかどうかが判断され、小さい場合には(ステップS22でYES)、略一定の速度で走行しているか、或いは加速しているものと判断し、前述のステップS23と同様に、ステップS24にて、変数「タイマ」をインクリメントする。
【0045】
他方、減速度が減速度G2以上である場合には(ステップS22でNO)、ステップS25て、「タイマ」をリセットする。つまり、変数「タイマ」=0とする。
【0046】
その後、ステップS26では、変数「タイマ」の値と所定の時間T1とを比較し、「タイマ」がT1を超えた場合には、ステップS27で緊急制動フラグをリセットする。つまり、時間T1以上継続して減速度が小さくなった場合、或いは、車両が停止した場合には、緊急制動終了と判断する。また、「タイマ」がT1以下である場合には、緊急制動フラグをそのまま維持する。
【0047】
ここで、「タイマ」が所定の時間T1を超えるまで待つ理由(即時に緊急制動を終了させない理由)は、車両停止ではないけれども、タイヤロック等に起因して車両の走行速度が一瞬だけV0以下になったり、ポンピングブレーキにより、制動中ではあるが、減速度が一瞬だけG2よりも小さくなるような場合を想定し、このような場合に、緊急制動が終了すること、ひいては、ウェビング11の張力制御が終了することを防止するためである。
【0048】
図7は、図4のステップS5に示した、ABS作動判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS31にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS31でNO)、ステップS34にてABS作動フラグを「0」とする。
【0049】
他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS31でYES)、ステップS32で、ABSが作動しているかどうかが判断され、作動している場合には(ステップS32でYES)、ABS作動フラグを「1」にセットする。また、ABSが作動していない場合には(ステップS32でNO)、ABS作動フラグを「0」とする。
【0050】
図8は、図4のステップS6に示した作動モード判断の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS41では、緊急制動フラグ(図5参照)が「1」となっているかどうかが判断される。そして、「1」の場合、即ち、図4のステップS3の処理で緊急制動であると判断された場合には(ステップS41でYES)、ステップS43で、作動モードを「2」に設定する。
【0051】
また、緊急制動フラグが「1」でない場合(ステップS41でNO)、即ち、緊急制動でないと判断された場合には、ステップS42で、ABS作動フラグ(図7参照)が「1」であるかどうかが判断される。そして、ABS作動フラグが「1」である場合(ステップS42でYES)、即ち、図4のステップS5で、ABSが作動していると判断された場合には、ステップS44で、作動モードを「1」に設定する。
【0052】
更に、ABSフラグが「1」でない場合には(ステップS42でNO)、ステップS45で、作動モードを「0」に設定する。
【0053】
図9は、出力デューティ算出の処理手順を示すフローチャートである。図8に示した作動モード判断処理で、作動モードが「2」に設定された場合には、ステップS51でYESとなり、ステップS53で、出力デューティを「D2」に設定する。また、作動モードが「1」に設定された場合には、ステップS52でYESとなり、ステップS54で出力デューティを「D1」に設定する。
【0054】
それ以外の場合、即ち、作動モードが「0」の場合には、ステップS55で出力デューティを「0」に設定する。こうして、作動モードに応じた出力デューティが設定される。
【0055】
上記の内容を整理すると、ブレーキペダルストロークセンサ20の検出信号により、車両が緊急制動であると判断された場合には、第1のプリテンショナ16を作動させる際の作動モードが「2」に設定され、出力デューティ「D2」で、モータMを制御する。また、緊急制動であると判断されない場合で、ABSが作動している場合には、作動モードが「1」に設定され、出力デューティ「D1」でモータMを制御する。。この際、出力デューティ「D1」は、「D2」よりも小さく設定され、従って、作動モード「1」の方が作動モード「2」よりも低い張力でウェビング11が巻き取られる。つまり、基準値となる出力デューティ「D2」を、これよりも低い張力となる出力デューティ「D1」に補正している。
【0056】
更に、緊急制動であると判断されず、且つ、ABSも作動しない場合には、作動モードが「0」に設定され、出力デューティが「0」、即ち、モータMを駆動させない。
【0057】
図10は、図4に示したステップS8の、フェールセーフ処理の、具体的な処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS61で、各種センサ等において、故障が検知されたかどうかが判断され、故障が検知された場合には、ステップS63で、デューティ出力を禁止する。つまり、センサ類が故障している場合には、ブレーキ制動、或いは前方障害物への接近が検出されていないにも関わらず、ウェビング11の張力が制御される場合があり、このような場合には、乗員にリスクが生じる可能性があるので、これを回避するために、故障が検知された際には、デューティ出力を禁止する。
【0058】
また、同様に、ステップS62にて、作動禁止条件が満たされた場合においても、デューティ出力を禁止する。
【0059】
他方、故障が検知されず、且つ作動禁止条件が満たされていない場合には、ステップS64にてデューティ出力を許可する。
【0060】
図11は、第1の実施形態に係るシートベルト制御装置を用いたときの、第1のプリテンショナ16の動作を示す特性図である。同図に示す曲線S1は、乾燥路(通常の路面)を走行しているときに、ブレーキペダルストロークが所定のしきい値Th1を超えたときに、緊急制動判断(図4のステップS3)が成立して、第1のプリテンショナ16が動作する状態を示している。つまり、図5のステップS15で緊急制動フラグが「1」となり、図8のステップS43で作動モードが「2」となり、図9のステップS53で出力デューティが「D2」に設定される。そして、この出力デューティ「D2」で第1のプリテンショナ16のモータMが駆動する。
【0061】
また、曲線S2に示すように、車両が雪道などの摩擦係数の低い路面(低ミュー路)を走行しているときには、ABSが作動する。この場合には、ブレーキペダルストロークが所定のしきい値Th1を超えないので、緊急制動判断は成立しない。このとき、図7のステップS33でABS作動フラグが「1」となり、図8のステップS44で、作動モードが「1」となるので、図9のステップS54で出力デューティが「D1」となる。そして、この出力デューティ「D1」で第1のプリテンショナ16のモータMが駆動する。
【0062】
つまり、ブレーキペダルストロークがしきい値Th1を超えず(緊急制動判断が成立せず)、ABSが作動した場合には、緊急制動判断が成立したときよりも低い張力でウェビング11を巻き取る。
【0063】
なお、ABSが作動した場合には、ABSポンプの作動により、ブレーキ配管内の油圧が上昇するので、ブレーキ踏力が増大し、ブレーキペダルをそれ以上踏み込めなくなる。このため、減速Gは小さい値となる。従って、乗員が前方に移動する慣性力も大きくないので、シートベルト張力を低めに設定することが妥当である。
【0064】
また、本実施形態では、ABSが搭載される車両について説明したが、VDCが搭載された車両についても適用することができる。
【0065】
このようにして、本実施形態に係るシートベルト制御装置では、第1のプリテンショナ16が電動プリテンショナであり、張力を可逆的に変化させることができるので、ブレーキペダルストロークの作動状況に応じた適切なウェビング11の張力制御が可能となる。
【0066】
また、所定の条件が成立した場合に、ウェビング11の巻き取り張力を低下させるように制御するので、運転者に不必要な違和感を与えることがない。
【0067】
更に、ブレーキペダルの操作量が大きくなり、緊急制動判断が成立した場合には、第1のプリテンショナをデューティD2で作動させると共に、緊急制動判断が成立せず、ABSが作動した場合には、第1のプリテンショナをデューティD1で作動させる。従って、急なブレーキ操作を行った場合には、強い張力でウェビングを巻き取ることにより、早めに乗員を拘束し、また、ABSが作動したときには、ウェビングを巻き取る張力が低くなるので、減速Gがあまり発生しない状態でも、不必要に強く乗員を拘束するという問題を回避することができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用シートベルト装置について説明する。ハードウェア構成は、図1〜図3に示した第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。以下、第2の実施形態の動作を、図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0069】
第2の実施形態では、前述した第1の実施形態で示した図9のフローチャート、即ち、出力デューティを設定する処理の手順を、図12のフローチャートに示す手順に変更したものであり、その他の処理は第1の実施形態と同様である。
【0070】
図12に示すように、作動モードが「1」に設定された場合、即ち、図7のステップS33の処理でABS作動フラグが「1」に設定された場合には、ステップS54−1の処理で、助手席側に搭載される第1のプリテンショナ16に出力するデューティを「D1」に設定すると共に、運転席側に搭載される第1のプリテンショナ16に出力するデューティを「0」とする。つまり、ABSが作動した場合には、助手席のウェビング11のみ張力(緊急制動判断が成立したときよりも低い張力)を発生させ、乗員を拘束する。
【0071】
その理由は、緊急制動判断が成立していない状態で、ABSが作動している場合は、路面の摩擦係数が低い場合であると考えられるので、このような状況では、減速Gがあまり発生せず、運転者はブレーキペダルで下半身を踏ん張り、ハンドルを突っ張ることで上半身を支え、体が前方に移動することを防ぐことができるからである。
【0072】
なお、第2の実施形態についても前述した第1の実施形態と同様にABSをVDCに置き換えることができる。
【0073】
このようにして、第2の実施形態では、助手席側の第1のプリテンショナのみを作動させることで、助手席乗員の体の移動を防止し、運転者側は作動させないことで、運転者へ与える違和感を軽減することができ、且つ、運転席側に設けられる第1のプリテンショナに搭載されるモータMの消耗を抑えることができる。
【0074】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、前述した第1の実施形態と略同一であり、図7に示したABS作動フラグを設定する処理の手順を、図13のフローチャートに示す処理手順に変更した点で相違する。以下、図13に示す処理手順について詳述する。
【0075】
まず、ステップS71にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS71でNO)、ステップS76でABS作動フラグを「0」とする。
【0076】
他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS71でYES)、ステップS72で、ABSが作動しているかどうかが判断され、作動している場合には(ステップS72でYES)、ステップS73で、ABSの作動時間が所定時間(例えば、0.5秒)を超えているかどうかが判断される。所定時間を超えない場合には(ステップS73でNO)、ステップS76で、ABS作動フラグを「0」とする。
【0077】
また、所定時間を超えている場合には(ステップS73でYES)、ステップS74にて、ブレーキペダルの踏み込み速度が所定速度以上であるかどうかが判断される。そして、踏み込み速度が所定速度以上である場合には(ステップS74でYES)、ステップS75で、ABS作動フラグを「1」に設定する。
【0078】
即ち、緊急制動判断が成立していない時に、ABSが所定時間以上継続して作動している状態で、ブレーキ踏込み速度が所定値以上の場合に、緊急制動判断でウェビング11を巻き取るときの張力よりも低い張力で、ウェビング11を巻き取るようにしている。
【0079】
ABSが作動している場合には、ABSポンプの作動により、ブレーキ配管内の油圧が上昇し、ブレーキ踏力が増加する。しかし、より一層ブレーキペダルを強く踏み込むと、ブレーキペダル、ブラケットなどの変形により、踏み込んだ瞬間は、ブレーキペダルストロークが増大する。従って、このブレーキペダルストローク変化を検出することができる。
【0080】
これにより、摩擦係数が低い路面を走行中に、通常のブレーキ操作を行ったが、ABSが作動してしまったような場合でも、緊急状態ではないにも関わらず、ウェビング11が巻き取られるという、不必要な動作を回避することができる。また、ABSが作動している状態でブレーキペダルを踏み増す操作を行うような緊急状態では、第1のプリテンショナ16を駆動させ、ウェビング11を巻き取ることができる。
【0081】
図14は、ABSが作動するときのパターンを示す説明図である。同図(a)に示す曲線S4は通常のブレーキをかけたつもりであったが、路面の摩擦係数の急変や、制動力を調節しようとして、一瞬ABSが作動した場合を示す。また、同図(b)の曲線S5は、摩擦係数が低い路面で、ABSが作動しているにも関わらず、ブレーキを踏み続けている場合を示す。
【0082】
同図(a)の場合は緊急制動ではないが、同図(b)の場合は緊急制動であると判断できる。同図(b)の場面では、ABSが作動しているにも関わらず、強くブレーキを踏み続けるため、図15の曲線S3に示すように、ABSが所定時間以上作動している状態で、緊急度が高まると、より一層ブレーキペダルを踏み込むようになる。従って、このときのブレーキペダルストローク速度がしきい値を超えた場合、即ち、図13のステップS74でYESとなった場合に、ウェビング11の巻き取りを開始する。つまり、図14(a)に示すように緊急制動でないのにABSが作動した場合には、ウェビングを巻き取らず、図14(b)、或いは図15に示すような緊急度が高い場面では、作動モード「1」でウェビングを巻き取ることにより、乗員を確実に拘束することができる。
【0083】
なお、本実施形態においても、前述した第1,第2の実施形態と同様に、ABSをVDCに置き換えることができる。
【0084】
このようにして、第3の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、ABSの作動時間、及びブレーキペダルの踏み込み速度をも考慮して、第1のプリテンショナ16の作動を制御するので、短時間ABSが作動したことに起因してウェビング11に張力が加えられるという、不必要な動作を回避することができ、乗員に違和感を与えるというトラブルを回避することができる。
【0085】
即ち、ブレーキペダルストロークによる緊急制動判断が成立しない時に、ABSが所定時間(0.5秒)以上継続して作動した時に、ブレーキペダル踏み込み速度が所定値を超えたら、ウェビング11を巻き取る張力を低下させるようにしたので、摩擦係数が低い路面で容易にABSが作動してしまい、頻繁にウェビング11を巻き取るというトラブルを防止することができる。また、ABSが作動しているのに、更にブレーキを踏み込むような操作を行うような、真に危険な状況下においては、確実にウェビング11を巻き取ることができる。
【0086】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、前述した第1の実施形態の、図8に示した作動モードを設定する処理手順、及び図9に示した出力デューティを設定する処理手順が、それぞれ図16,図17のフローチャートに示す処理手順に変更されたものである。そして、緊急制動判断が成立している状態でABSが作動した場合には、ウェビング11の張力をより強めるように制御する。
【0087】
図16に示す作動モードの設定処理では、まず、ステップS81にて、緊急制動フラグが「1」であるかどうかが判断される。そして、緊急制動フラグが「1」でない場合には(ステップS81でNO)、ステップS83で、ABS作動フラグが「1」であるかどうかが判断される。ABS作動フラグが「1」である場合には(ステップS83でYES)、ステップS86で、作動モードを「1」に設定する。また、ABS作動フラグが「1」でない場合には(ステップS83でNO)、作動モードを「0」とする。
【0088】
他方、緊急制動フラグが「1」であり、且つ、ステップS82でABS作動フラグが「1」であると判断された場合には(ステップS82でYES)、ステップS84で、作動モードを「3」に設定する。また、ABS作動フラグが「1」でない場合には(ステップS82でNO)、作動モードを「2」に設定する。
【0089】
また、図17に示す出力デューティの設定処理では、ステップS91で、作動モードが「3」と判断されたときには、ステップS94で出力デューティを「D3」に設定し、ステップS92で作動モードが「D2」であると判断されたときには、ステップS95で出力デューティを「2」に設定し、ステップS93で作動モードが「1」であると判断されたときには、ステップS96で出力デューティを「D1」に設定し、それ以外の場合には、ステップS97で、出力デューティを「0」とする。
【0090】
つまり、本実施形態では、第1の実施形態で述べた出力デューティ「D2」、「D1」、「0」に対し、更に、より強い張力を発生される出力デューティ「3」を設定し、緊急制動判断が成立し、且つ、ABSが作動しているときには、出力デューティ「D3」でモータMを制御する。
【0091】
なお、第4の実施形態においても、ABSをVDCに置き換えることができる。
【0092】
このようにして、第4の実施形態に係る車両用シートベルト装置では、所定の条件が成立した際に、ウェビング11の張力を増加させるように補正するので、運転者を確実に拘束することができる。
【0093】
また、ブレーキペダル操作から緊急制動であると判断された場合で、且つ、ABS、或いはVDCが作動している場合には、緊急状態である確率がより高いものと判断することができるので、より強い張力でシートベルトを巻き取ることにより、乗員を早めに拘束することができる。
【0094】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、前述した第1の実施形態で示した図7のABS作動フラグの設定処理、及び図6に示した緊急制動終了判断の処理を、それぞれ図18、図19のフローチャートに示す処理に変更したものである。そして、ABS作動でシートベルト装置のウェビング11を巻き取り、減速終了判断でウェビング11の巻き取りを終了するようにしている。
【0095】
図18に示すフローチャートの処理では、まず、ステップS101にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS101でNO)、処理を元に戻す。他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS101でYES)、ステップS102で、ABSが作動しているかどうかが判断され、作動している場合には(ステップS102でYES)、ABS作動フラグを「1」にセットする。また、ABSが作動していない場合には、処理を元に戻す。つまり、ABSの作動が停止してもABS作動フラグは「0」に戻らない。
【0096】
また、図19に示すフローチャートの処理では、まず、ステップS111にて、車速が所定値V0(例えば、V0は時速5Km程度)未満であるかどうかが判断され、V0未満である場合には(ステップS111でYES)、車両は停止しているものと見なして、ステップS113にて、変数「タイマ」をインクリメントする。
【0097】
また、車速がV0以上である場合には(ステップS111でNO)、ステップS112で、車両の減速度が所定の減速度G2よりも小さいかどかが判断され、小さい場合には(ステップS112でYES)、略一定の速度で走行しているか、或いは加速しているものと判断し、前述のステップS113と同様に、ステップS114にて、変数「タイマ」をインクリメントする。
【0098】
他方、減速度が減速度G2以上である場合には(ステップS112でNO)、ステップS115て、「タイマ」をリセットする。つまり、変数「タイマ」=0とする。
【0099】
その後、ステップS116では、変数「タイマ」の値と所定の時間T1とを比較し、「タイマ」がT1を超えた場合には、ステップS117で緊急制動フラグをリセットする。つまり、時間T1以上継続して減速度が小さくなったか、或いは、車両が停止した場合には、緊急制動終了と判断する。また、「タイマ」がT1以下である場合には、緊急制動フラグをそのまま維持する。更に、ステップS118で、ABS作動フラグを「0」に設定する。
【0100】
このようにして、第5の実施形態では、ABS作動でウェビング11の巻き取りを開始したが、その後、路面摩擦係数が高い路面へ侵入し、ABSが作動しなくなったけれども、制動は継続しているような場面で、制動中にも関わらず、ウェビング11の巻き取りが終了して、乗員に違和感を感じさせるという問題を回避することができる。
【0101】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、前述したABSの代わりにVDCを用いており、この点で、第1の実施形態と相違する。第6の実施形態では、図1,図2に示したABSコントローラ51がVDCコントローラとなり、図3に示したABS作動判断部31iが、VDC作動判断部となる。
【0102】
また、図7に示したABS作動フラグを設定する処理を、図20のフローチャートに示すVDC作動フラグの設定処理に変更し、図8に示した作動モードを設定する処理を、図21のフローチャートに示す処理に変更している。
【0103】
図20の処理では、まず、ステップS121にて、車速が速度V1よりも大きいか否かが判断され、車速がV1以下の場合には(ステップS121でNO)、ステップS125にてVDC作動フラグを「0」とする。
【0104】
他方、車速がV1を超えている場合には(ステップS121でYES)、ステップS122で、VDCが作動しているかどうかが判断され、作動している場合には(ステップS122でYES)、ステップS123にて、所定時間が経過したかどうかが判断される。
【0105】
そして、所定時間が経過したと判断された場合には(ステップS123でYES)、ステップS124で、VDC作動フラグを「1」にセットする。また、VDCが作動していない場合、或いは所定時間経過しない場合には(ステップS122またはS123でNO)、ステップS125で、VDC作動フラグを「0」とする。
【0106】
また、図21の処理では、まず、ステップS131で、緊急制動フラグ(図5参照)が「1」となっているかどうかが判断される。そして、「1」の場合には、(ステップS131でYES)、ステップS133で、作動モードを「2」に設定する。
【0107】
また、緊急制動フラグが「1」でない場合(ステップS131でNO)、即ち、緊急制動でないと判断された場合には、ステップS132で、VDC作動フラグが「1」であるかどうかが判断される。そして、VDC作動フラグが「1」である場合(ステップS132でYES)、ステップS134で、作動モードを「1」に設定する。更に、VDCフラグが「1」でない場合には(ステップS132でNO)、ステップS135で、作動モードを「0」に設定する。
【0108】
そして、上記の処理で設定された作動モードに基づき、上述した図9のフローチャートの処理に基づいて、出力デューティを設定し、第1のプリテンショナ16を制御する。
【0109】
このようにして、第6の実施形態では、VDCを用いており、VDCは、車両が不安定な状態に陥りそうになった場合に、安定な状態に維持するように作用する。VDCが作動したからといって、すぐに危険な状態にはならない。しかし、VDCが所定時間以上継続して作動している状態では、VDCの作動によっても車両を安定な状態に維持できなくなっている、即ち、危険な状態であると判断できるので、その場合には、ウェビング11を巻き取るようにする。
【0110】
従って、緊急制動判断が成立しない場合でも、VDCが所定時間以上作動した場合には、ウェビングに張力が加えられ、乗員を拘束することができるので、乗員のリスク度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シートベルトが搭載された車両の概略構成図である。
【図2】第1のコントローラとこれに付帯する機器の構成を示すブロック図である。
【図3】CPUでの処理を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明に係る実施形態の、全体処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係り、緊急制動判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係り、緊急制動終了判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係り、ABS作動フラグの設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係り、作動モード判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係り、出力デューティを算出する処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係り、フェールセーフの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】ブレーキペダルストロークの時間変化と、緊急制動判断の成立、及びABS作動の関係を示す特性図である。
【図12】第2の実施形態に係り、出力デューティを算出する処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施形態に係り、ABS作動フラグの設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施形態に係り、車速とABSの作動の関係を示す特性図である。
【図15】第3の実施形態に係り、ABS作動中にブレーキ操作が発生したときの様子を示す特性図である。
【図16】第4の実施形態に係り、作動モード判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施形態に係り、出力デューティを算出する処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】第5の実施形態に係り、ABS作動フラグの設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】第5の実施形態に係り、緊急制動終了判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】第6の実施形態に係り、VDC作動フラグの設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】第6の実施形態に係り、作動モード判断処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 シートベルト装置
11 ウェビング
12 リトラクタ
13 タング
14 バックル
15 スルーリング
16 第1のプリテンショナ
16a 減速ギヤ機構
17 第2のプリテンショナ
20 ブレーキペダルストロークセンサ
21 車速センサ
22 フューズ
30 第1のコントローラ(張力補正手段)
31 CPU
31a ブレーキ操作判断部
31b 制動終了判断部
31c 緊急制動判断部
31d フェールセーフ部
31e 動作モード判定部
31f 出力電流及び通電時間算出部
31g 運転席作動判断部
31h 助手席作動判断部
31i ABS作動判断部
32 電源回路
32a センサ電源回路
33 IGN入力回路
34 CAN・I/F
35 アナログI/F
36 駆動回路
37 リレー
38a,38b H−Bridge
51 ABSコントローラ
52 衝撃センサ
53 第2のコントローラ

Claims (13)

  1. シートに着座した乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを巻き取り、巻き戻しするリトラクタを備えた車両用シートベルト装置において、
    前記ウェビングを前記リトラクタに所望する張力で巻き取り駆動する第1のプリテンショナと、
    緊急時に前記ウェビングに張力を付与し、乗員を最終的に拘束する第2のプリテンショナと、
    車両のブレーキ操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサと、を有し、
    前記第1のプリテンショナは、可逆的に動作する電動プリテンショナであり、且つ、前記第2のプリテンショナは、非可逆的なプリテンショナであり、
    急ブレーキを検知して前記ウェビングを巻き取る際に、当該ウェビングに付与する張力を基準値から補正する張力補正手段を備えたことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 前記張力補正手段は、所定条件となったときに、前記ウェビング巻き取り時の張力を低下させるように補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
  3. 前記張力補正手段は、所定条件となったときに、前記ウェビング巻き取り時の張力を増加させるように補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
  4. 前記張力補正手段は、ブレーキペダルストロークによる急ブレーキ判断が成立しないときに、車両に搭載されるABS(Anti−lock Brake System)が作動した場合には、前記ウェビング巻き取り時の張力を基準値よりも低下させて該ウェビングを巻き取ることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
  5. 前記張力補正手段は、ブレーキペダルストロークによる急ブレーキ判断が成立せず、且つ、車両に搭載されるABSが作動した場合には、助手席についてのみ、前記ウェビングの巻き取り制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の車両用シートベルト装置。
  6. 前記張力補正手段は、前記ブレーキペダルストロークに基づく急ブレーキ判断が成立せず、且つ、車両に搭載されるABSが所定時間以上継続して作動し、且つ、ブレーキペダルの踏み込み速度が所定値を超えたと判断された場合に、前記ウェビングの巻き取り張力を低下させることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
  7. 前記張力補正手段は、前記ブレーキペダルストロークに基づく急ブレーキ判断が成立し、且つ、車両に搭載されるABSが作動した場合に、前記ウェビングの巻き取り張力を増加させることを特徴とする請求項3に記載の車両用シートベルト装置。
  8. 前記張力補正手段は、前記ABSが作動したことによりウェビングを巻き取った際、その後のウェビングによる乗員拘束を解除する判断条件を、車速が所定値未満、或いは、車両減速度が所定値未満となった場合とすることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
  9. 前記張力補正手段は、ブレーキペダルストロークによる急ブレーキ判断が成立しないときに、車両に搭載されるVDC(Vehicle Dynamics Control)が作動した場合には、前記ウェビング巻き取り時の張力を基準値よりも低下させて該ウェビングを巻き取ることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
  10. 前記張力補正手段は、ブレーキペダルストロークによる急ブレーキ判断が成立せず、且つ、車両に搭載されるVDCが作動した場合には、助手席についてのみ、前記ウェビングの巻き取り制御を行うことを特徴とする請求項9に記載の車両用シートベルト装置。
  11. 前記張力補正手段は、前記ブレーキペダルストロークに基づく急ブレーキ判断が成立せず、且つ、車両に搭載されるVDCが所定時間以上継続して作動し、且つ、ブレーキペダルの踏み込み速度が所定値を超えたと判断された場合に、前記ウェビングの巻き取り張力を低下させることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
  12. 前記張力補正手段は、前記ブレーキペダルストロークに基づく急ブレーキ判断が成立し、且つ、車両に搭載されるVDCが作動した場合に、前記ウェビングの巻き取り張力を増加させることを特徴とする請求項3に記載の車両用シートベルト装置。
  13. 前記張力補正手段は、前記VDCが作動したことによりウェビングを巻き取った際、その後のウェビングによる乗員拘束を解除する判断条件を、車速が所定値未満、或いは、車両減速度が所定値未満となった場合とすることを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
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