JP2007245855A - 車両のシートベルト制御装置 - Google Patents

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Koichi Hosoya
公一 細谷
Satoshi Nishikaji
聡 西鍜治
Takashi Goto
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Abstract

【課題】プリテンショナ機構の作動中に通電電流が目標電流をオーバーシュートした場合であっても、通電電流を早期に目標電流へ収束させて、乗員がウエビングにより大きな張力で長い間拘束され続けることを防止する。
【解決手段】プリテンショナコントローラ9は、電源94が接続された駆動部91と、駆動部91へPWM信号を送信することで駆動部91からDCモータ2eへ該PWM信号のデューティ比に応じた通電電流を供給させ且つ、このときのPWM信号のデューティ比を調整することによって該通電電流が目標電流となるように制御する制御部92とを有する。制御部92は、電流センサ95によって検知される通電電流が目標電流よりも大きな所定の上限電流以上であるときには、PWM信号のデューティ比を所定の規定値に強制的に設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ウエビングに所定の張力を付与するプリテンショナ機構を備え、自車両の衝突が予知されたときに該プリテンショナ機構を作動させて、乗員を所定の張力で拘束するようにしたシートベルト制御装置に関するものである。
従来より、ウエビングに所定の張力を付与するプリテンショナ機構を備え、自車両の衝突が予知されたときに該プリテンショナ機構を作動させて、乗員を所定の張力で拘束するようにしたシートベルト制御装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示されたシートベルト制御装置は、障害物と車両との衝突が予知されたときに、駆動部からプリテンショナ機構のDCモータへ電流を供給することによって該DCモータを駆動してウエビングを巻き取るように構成されている。この駆動部は制御部から入力されるパルス幅変調信号(以下、PWM信号ともいう)によって制御される。詳しくは、制御部が、デューティ比を調整したPWM信号を駆動部へ出力することによって、駆動部は該デューティ比に応じた通電電流をDCモータへ供給する。
特開2000−95064号公報
例えば、前記特許文献1に係るシートベルト制御装置において、プリテンショナ機構を作動させてウエビングに所定張力を付与する場合には、DCモータに所定張力に対応する駆動トルクを発生させるべく、該駆動トルクに対応した所定の目標電流が決まる。そして、制御部は、DCモータに供給される通電電流がフィードバックされ、この通電電流が前記所定張力に対応した目標電流となるように、PWM信号のデューティ比を調整して該PWM信号を駆動部へ出力する。こうして、DCモータから供給される通電電流が目標電流となるように制御することができる。
ところで、乗員がウエビングを手で握っていてウエビングが乗員の体に密着していない状態から乗員が手を離した場合や、ウエビングが乗員の体に密着しているけれども乗員の背中がシートから浮いている状態から背中をシートに付けるように乗員がシートにもたれ掛かった場合には、ウエビングが瞬間的に緩んで、DCモータは所定の負荷がかかっていた状態から一時的に低負荷状態となる。
このように、DCモータが低負荷状態となると、DCモータにはその低負荷に対応した少量の電流しか流れなくなる。すると、DCモータへの通電電流がフィードバックされている制御部は、通電電流を目標電流まで上げるため駆動部へ入力するPWM信号のデューティ比を大きくする。しかし、DCモータが低負荷状態である間は、PWM信号のデューティ比を大きくしても、DCモータには少量の電流しか流れないため、PWM信号のデューティ比は大きくなった状態で維持される。
その後、緩んでいたウエビングが乗員の体に巻き掛かって乗員の拘束を再開したときには、DCモータが低負荷状態から所定の負荷状態になる。この時点では、前述の如く、駆動部にはデューティ比が大きなPWM信号を入力されているため、DCモータへ供給される通電電流は急激に増加して、目標電流を大きくオーバーシュートしてしまう。その結果、乗員は所定張力よりも大きな張力で拘束されることになる。
この通電電流は、制御部によりフィードバック制御されているため、やがて目標電流に収束していくが、低負荷状態から所定の負荷状態になったときのオーバーシュート量が大きすぎるため、整定時間は非常に長くなってしまう。その結果、乗員はウエビングにより想定以上の大きな張力で、長い間拘束され続けることになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プリテンショナ機構の作動中に通電電流が目標電流をオーバーシュートした場合であっても、通電電流を早期に目標電流へ収束させて、乗員がウエビングにより大きな張力で長い間拘束され続けることを防止することにある。
本発明は、電動モータに供給される通電電流が所定の上限電流以上となったときに、制御部から駆動部に入力されるPWM信号のデューティ比を所定の規定値に強制的に設定するようにしたものである。
具体的には、本発明は、自車両前方に存在する障害物を検知する障害物検知手段と、シートに着座した乗員を拘束するウエビングを巻き取るためのモータを有するプリテンショナ機構と、該障害物検知手段によって検知された障害物と自車両との衝突を予知する衝突予知手段と、該衝突予知手段によって衝突が予知されたときに、ウエビングを所定張力で巻き取るように前記モータへ電流を供給して前記プリテンショナ機構を作動させるプリテンショナ制御手段と、前記モータへ供給される電流を計測する電流計測手段とを備えた車両のシートベルト制御装置が対象である。そして、前記プリテンショナ制御手段は、電源が接続された駆動部と、前記駆動部へPWM信号を送信することで該駆動部から前記モータへ該パルス変調信号のデューティ比に応じた通電電流を供給させ且つ、前記電流計測手段によって計測される通電電流が前記所定張力に対応した所定の目標電流となるように前記パルス幅変調信号のデューティ比を調整する制御部とを有し、前記制御部は、前記電流計測手段によって検知される通電電流が前記目標電流よりも大きな所定の上限電流以上であるときには、前記PWM信号のデューティ比を所定の規定値に強制的に設定するものとする。
前記の構成によれば、自車両と障害物との衝突が予知されたときに、前記駆動部から前記プリテンショナ機構のモータへ電流が供給され、乗員はウエビングにより所定張力で拘束される。
このとき、前記モータへ供給される通電電流は、前記制御部によって制御される。すなわち、制御部は、前記モータへの通電電流が前記所定張力に対応した目標電流となるようにフィードバック制御によりPWM信号のデューティ比を調整して駆動部へ出力する。
こうして、制御部は、通電電流が目標電流となるようにPWM信号のデューティ比を調整して出力しているが、前記電流計測手段によって計測された通電電流が所定の上限電流以上となったときには、PWM信号のデューティ比を所定の規定値に強制的に設定する。こうすることによって、通電電流が目標電流よりも大きくオーバーシュートしそうな場合であっても、デューティ比が強制的に規定値に設定されるため、そのオーバーシュートを強制的に抑制することができる。こうして、オーバーシュート量が抑制されれば、通電電流を早期に目標電流に収束させることができる。
本発明によれば、前記制御部から前記駆動部へ出力されるPWM信号のデューティ比を、通電電流が所定の上限電流以上となったときには、所定の規定値に強制的に設定することによって、該制御部により制御される通電電流のオーバーシュート量を抑制することができ、その結果、乗員をウエビングにより大きな張力で長い間拘束することを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシートベルト制御装置を搭載した車両Vを示している。この車両Vは、運転席及び助手席に設けられたシートベルト装置2(運転席側のみ図示)と、4つの車輪W(左前側のみ図示)に個別に配設された4つのブレーキ装置3(左前側のみ図示)と、車両前方の障害物を検知する障害物検知センサ4と、インストルメントパネル10に設けられたメータユニット11及び警報ブザー12と、これらを制御する制御ユニット5とを備えている。そして、車両Vは、車速を制御して自動走行するように走行制御を行うと共に、車両前方の障害物を検知又は推定して、その検知、推定結果に基づいてシートベルト装置2やブレーキ装置3を作動させるPCS(Pre-Crash Safety System)制御を行うように構成されている。
前記シートベルト装置2は、各座席に着座した乗員を拘束するウエビング2aと、センターピラー(図示省略)に設けられ、ウエビング2aを巻き取るガイドドラム(図示省略)を有するリトラクタ2bと、ウエビング2aに所定の張力を付与するシートベルトプリテンショナ20とを有している。上記リトラクタ2bは、ウエビング2aの巻き取り量を検知する巻き取り量検知センサ(図示省略)を有している。また、上記シートベルトプリテンショナ20は、リトラクタ2bの後面に一体的に設けられ、ウエビング2aを巻き取ってウエビング2aに通常時よりも大きな所定の第1張力を付与する第1プリテンショナ機構2cと、リトラクタ2bの前面に一体的に設けられ、ウエビング2aを巻き取ってウエビング2aに第1張力よりも大きい所定の第3張力を付与する第2プリテンショナ機構2dとを有する。この第1プリテンショナ機構2cは、DCモータ2eを備え、DCモータ2eの駆動によりウエビング2aの巻き取りと引き出しを行う。一方、第2プリテンショナ機構2dは、インフレータ(図示省略)を備え、インフレータを作動させることによりウエビング2aを第1プリテンショナ機構2cによる巻き取り速度よりも速い速度でウエビング2aを巻き取る。
前記ブレーキ装置3は、ディスクロータ3aと、キャリパ3bと加圧バルブ(図示省略)や減圧バルブ(図示省略)等の各バルブ等からなるブレーキアシスト機構31とを有する液圧式ブレーキであって、ブレーキペダル(図示省略)の踏み込み操作により倍力装置(図示省略)を介して発生したマスタシリンダ(図示省略)の液圧によりブレーキ装置3が作動して車輪Wにブレーキ力が付与される。
前記ブレーキアシスト機構31は、加圧バルブや減圧バルブ等の各バルブにより構成されていて、マスタシリンダの液圧を検知する液圧センサで構成されたブレーキ圧センサ32からの検知信号に基づいてブレーキペダルの踏み込み量と踏み込み速度を算出することにより緊急時にブレーキペダルが踏み込まれたことを検知し、緊急時にブレーキペダルが踏み込まれたと検知した場合に、各バルブを制御してブレーキ装置3に供給される液圧を制御することにより所定の大きなブレーキ力を発生させる。このとき、ブレーキアシスト機構31は、後述するDSCコントローラ7を介してプリテンショナコントローラ9へ緊急時ブレーキ作動情報信号を出力するように構成されている。
前記障害物検知センサ4は、車両Vの前端の車幅方向中央部にレーダ軸が車両Vの前方正面を向くように取り付けられていて、ミリ波を前方の所定角度の範囲でスキャンしながら発信すると共に、車両Vの前方に存在する障害物からの反射波に基づいて該障害物までの距離、角度及び相対速度を検知するスキャン式のミリ波レーダである。この障害物検知センサ4が障害物検知手段を構成する。尚、障害物検知センサはミリ波レーダに限られず、レーザレーダや超音波レーダ等のレーダを採用することもできる。
前記制御ユニット5は、図2に示すように、車両Vのパワートレインを制御するPCM(PowerTrain Control Module)6と、車両Vの横滑りを抑制して車両Vの走行安定性を保つように制動力及びエンジン出力の制御を行うDSC(Dynamic Stability Control)コントローラ7と、前記PCS制御を行うと共に、前記走行制御、詳しくは車両Vの車速を制御して車両Vを定速で走行させ又は先行車両に追従させるACC(Adaptive Cruse Control)制御を行うPCS/ACCコントローラ8と、該PCS/ACCコントローラ8からの制御信号を受けて前記シートベルト装置2を制御するプリテンショナコントローラ9とを有し、これらは車両V内に構築されたCAN(Control Area Network)を介して通信可能に接続されている。
前記PCM6は、車両Vの乗員(運転者)がアクセルペダルを踏み込んだときのアクセル開度を検知するアクセル開度センサ61からの検知信号およびPCS/ACCコントローラ8からの指示信号が入力され、該検知信号又は指示信号に基づいてスロットル62に制御信号を出力して、車両Vを加減速するように構成されている。また、PCM6には、ACC制御を行うためのACC操作スイッチ63からの操作信号が入力されており、これら操作信号はCANを介してPCS/ACCコントローラ8へ出力される。
前記ACC操作スイッチ63は、ステアリング13に設けられていて、ACC制御を行うための複数のスイッチからなる。例えば、ACC制御の実行及び停止を行うACCメインスイッチ、定速制御の設定速度を設定するセットスイッチ、設定速度を減速させるコーストスイッチ、ACC制御を中断させるキャンセルスイッチ、ACC制御が中断された場合に再びACC制御を再開させるリジュームスイッチ、設定速度を増速させるアクセルスイッチ、及び追従制御における先行車両との目標車間距離を設定する目標車間距離設定スイッチ等からなる。
前記DSCコントローラ7は、ブレーキペダルが操作されたことを検知するブレーキペダルスイッチ71及び、図示省略の、ステアリング13の操舵角を検知する舵角センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサ、スロットル開度センサ、車輪速センサ、などからの出力信号を入力して、それらの信号から得られる情報に基づいてPCM6へ制御信号を出力してエンジン出力を制御すると共に、ブレーキ装置3へ制御信号を出力してブレーキアシスト機構31を作動させて各車輪Wへのブレーキ力を制御する。こうして、車輪Wの横滑りを抑制して、走行状態を安定させる(以下、DSC制御という)。また、DSCコントローラ7は、DSC制御実行中は、DSC作動情報信号をプリテンショナコントローラ9へ出力している。
前記PCS/ACCコントローラ8は、PCSオン/オフスイッチ81からの信号及び前記PCM6を介したACC操作スイッチ63からの操作信号、車速センサ82及び障害物検知センサ4からの検知信号が入力され、それら操作信号及び検知信号から得られる情報に基づいてPCS制御及びACC制御を行う。
まず、PCS制御について説明すると、PCS/ACCコントローラ8は、PCSオン/オフスイッチ81からのオン信号を受信することによってPCS制御を実行する。PCS制御においては、PCS/ACCコントローラ8は、障害物検知センサ4の検知信号等に基づいて車両Vの前方に存在する先行車両やガードレール等の障害物を検知してその衝突可能性を予知し、衝突する可能性が高いときには、プリテンショナコントローラ9へ作動信号を出力して第1プリテンショナ機構2cを作動させると共に、DSCコントローラ7へ減速指示信号を出力する。プリテンショナコントローラ9の作動制御については後述する。減速指示信号を受信したDSCコントローラ7は、ブレーキ装置3へ制御信号を出力して、ブレーキアシスト機構31を制御して車両Vを所定の第1減速度で減速させるようにブレーキ装置3を作動させる。それに加えて、PCS/ACCコントローラ8は、衝突する可能性が高いときには、メータユニット11及び警報ブザー12を制御して衝突する可能性が高い旨を運転者に報知する。こうすることで、乗員に体感警報を行うと共に、乗員を予め拘束し且つ車速を減速しておく。すなわち、PCS/ACCコントローラ8が衝突予知手段を構成する。
尚、衝突可能性は、車両Vが障害物に衝突するまでの予測時間によって判断する。すなわち、PCS/ACCコントローラ8は、障害物検知センサ4からの検知信号に基づいて、障害物までの距離、角度及び相対速度から衝突までに要する時間を算出し、その時間が所定時間よりも短いことをもって衝突可能性が高いと判断する。
次に、ACC制御について説明すると、PCS/ACCコントローラ8は、ACC操作スイッチ63のACCメインスイッチからの操作信号(ACC制御を実行する旨の信号)を受信することによってACC制御を実行する。ACC制御においては、先行車両が存在しないときには車両Vを一定の目標速度で定速走行させる定速制御を、先行車両が存在するときに車両Vを先行車両に対して一定の目標車間距離を維持した状態で追従走行させる追従制御を行う。
前記定速制御では、PCS/ACCコントローラ8は、ACC操作スイッチ63からの操作信号及び車速センサ82からの検知信号に基づいて、車両Vの車速が乗員が設定した目標車速となるように、PCM6へ加速/減速指示信号を出力してスロットル62を制御すると共に、DSCコントローラ7へ減速指示信号を出力することでブレーキ装置3を制御して、車両Vを目標車速で走行させる。
前記追従制御では、PCS/ACCコントローラ8は、ACC操作スイッチ63からの操作信号、車速センサ82からの検知信号及び障害物検知センサ4からの検知信号に基づいて、車両Vと先行車両との車間距離が乗員が設定した目標車間距離となるように、PCM6へ加速/減速指示信号を出力してスロットル62を制御すると共に、DSCコントローラ7へ減速指示信号を出力することでブレーキ装置3を制御して、車両Vを先行車両と目標車間距離を維持した状態で追従走行させる。
尚、前記定速制御は、車両Vの前方に先行車両が存在しないときにのみ行うことができ、先行車両が存在する場合は、前記追従制御へ自動的に切り替わる。
前記プリテンショナコントローラ9は、前記PCS/ACCコントローラ8が障害物との衝突を予知したときに出力する作動信号を受けて、シートベルト装置2の第1プリテンショナ機構2c及び第2プリテンショナ機構2dを作動させるものである。また、プリテンショナコントローラ9は、障害物との衝突が予知された場合に限らず、前記DSCコントローラ7によってDSC制御が行われているとき及び乗員による緊急時のブレーキ操作があったときにも、シートベルト装置2の第1プリテンショナ機構2cを作動させるように構成されている。このプリテンショナコントローラ9がプリテンショナ制御手段を構成する。
このプリテンショナコントローラ9は、第1プリテンショナ機構2cのDCモータ2eへ通電することでDCモータ2eを駆動する駆動部91と、駆動部にPWM信号を出力して、駆動部からDCモータ2eへ供給される通電電流を制御する制御部92と、第2プリテンショナ機構2dを作動させる起動制御部93とを有する。
前記駆動部91は、直流電源94が接続されており、この直流電源94から供給される電流を制御部92から入力されるPWM信号のデューティ比に応じた電流に制御して、DCモータ2eへ供給する。
また、駆動部91とDCモータ2eとの間には、DCモータ2eに供給される通電電流を検知する電流センサ95が介設されている。この電流センサ95が電流計測手段を構成する。
前記制御部92は、PCS/ACCコントローラ8からの作動信号、DSCコントローラ7から出力されるDSC作動情報信号およびDSCコントローラ7から出力される緊急時ブレーキ作動情報信号のうち何れかの信号を受信したときに、前記駆動部91へPWM信号を出力して、駆動部91からDCモータ2eへ通電電流を供給させる。この制御部92は、PID制御によってPWM信号のデューティ比を調整することによって、通電電流が所定の目標電流となるように制御している。つまり、制御部92には電流センサ95からの検知信号が入力されており、DCモータ2eへ供給される通電電流をフィードバックして、該通電電流が目標電流となるようにPWM信号のデューティ比を調整する。ここで、所定の目標電流は、ウエビング2aに付与される張力が所定の第1張力となるときのDCモータ2eの駆動トルクに対応する電流である。
前記起動制御部93は、車両Vが衝突したことを検知する衝突検知センサ96が接続されていて、該衝突検知センサ96からの衝突検知信号が入力されたときに、第2プリテンショナ機構2dのインフレータに起動信号を出力することによって該インフレータを起動させてウエビング2aを所定の第2張力で巻き取らせる。
このように構成されたプリンテンショナコントローラ9から第1プリテンショナ機構2cのDCモータ2eへ供給される通電電流は、図3に示すようになる。すなわち、制御部92は、障害物との衝突が予知されたとき、PCS制御が実行されているとき及び緊急時のブレーキ操作があったときの何れかのときに、第1プリテンショナ機構2cを作動させるべく、駆動部91へのPWM信号の出力を開始する。PWM信号の出力開始直後は、電流センサ95により検知される通電電流は略零であるため、制御部92はPWM信号のデューティ比を大きくして出力する。その結果、DCモータ2eへの通電電流は、始めは急激に増加する。そうして、駆動部91からDCモータ2eへ電流が供給され始めると、制御部92は電流センサ95により検知される通電電流が目標電流となるようにPWM信号のデューティ比を小さく調整して駆動部91へ出力する。その結果、DCモータ2eへの通電電流は、目標電流を多少オーバーシュートした後、目標電流に収束していく。こうして、ウエビング2aには所定の第1張力が付与される。
しかしながら、通電電流に基づいて単純にPID制御を行っていると、以下のような問題がある。すなわち、第1プリテンショナ機構2c作動中において、乗員がウエビング2aを手で握っていてウエビング2aが乗員の体に密着していない状態から乗員が手を離した場合や、ウエビング2aが乗員の体に密着しているけれども乗員の背中がシートから浮いている状態から背中をシートに付けるように乗員がシートにもたれ掛かった場合には、ウエビング2aが瞬間的に緩んで、DCモータ2eは所定の負荷がかかっていた状態から一時的に低負荷状態となる。このように、DCモータ2eが低負荷状態となると、図4に示すように、DCモータ2eにはその低負荷に対応した少量の電流しか流れなくなる(矢印A参照)。すると、電流センサ95により検出される通電電流も少量となるため、制御部92は、通電電流を目標電流まで上げるべく、PWM信号のデューティ比を最大にして駆動部91へ供給する。しかし、DCモータ2eが低負荷状態である間は、PWM信号のデューティ比を大きくしても、DCモータ2eには少量の電流しか流れず、デューティ比は大きな状態で維持される。
その後、緩んでいたウエビング2aが巻き取られて乗員の体に巻き掛かかり、乗員の拘束を再開したときには、DCモータ2eが低負荷状態から所定の負荷状態になる。この時点では、駆動部91に入力されているPWM信号のデューティ比は、前述の如く最大となったままであるため、DCモータ2eへ供給される通電電流は急激に増加する。その結果、通電電流が目標電流を大きくオーバーシュートしてしまう(矢印B参照)。このようにオーバーシュート量が大きくなると、通電電流が目標電流に収束するまでの時間も長くなり、乗員はウエビング2aにより想定以上の大きな張力で拘束された状態が長い間続く。
そこで、前記制御部92は、電流センサ95により検知される通電電流が所定の上限電流以上となったときには、PWM信号のデューティ比を強制的に所定の規定値に設定するように構成されている。この所定の規定値は、定常状態において通電電流が目標電流となる値、又は定常状態において通電電流と目標電流との偏差が許容範囲内となる値である。
以下に、制御部92による第1プリテンショナ機構2cの作動制御について、図5に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。
このフローはPCSオン/オフスイッチ81がオン操作されることでスタートする。
まず、ステップS1において、第1プリテンショナ機構2cの作動条件が成立したか否かを判定する。ここで、第1プリテンショナ機構2cの作動条件とは、障害物との衝突が予知される、DSC制御が実行される、及び緊急時のブレーキ操作がされるという3つの条件のうち何れか1つが成立することである。そして、作動条件が成立したとき(YES)にはステップS2へ進む一方、作動条件が成立しないとき(NO)にはステップS1を繰り返す。
ステップS2では、第1プリテンショナ機構2cのDCモータ2eへの通電を開始する。
そして、ステップS3で、第1プリテンショナ機構2cへの通電電流を計測する。
その後、ステップS4で、通電時間が所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過しているとき(YES)にはステップS9へ進んで、制御部92からのPWM信号の出力を停止することで、DCモータ2eへの通電を停止する。つまり、第1プリテンショナ機構2cを作動させるときには、所定時間だけDCモータ2eへ通電する。一方、所定時間経過していないとき(NO)にはステップS5へ進む。
ステップS5においては、電流センサ95により検知された通電電流が目標電流と一致するか否かを判定する。一致するとき(YES)にはステップS3へ進んで、前記ステップを繰り返す。一方、一致しないとき(NO)にはステップS6へ進む。ここで、本ステップでは、通電電流と目標電流とが一致するか否かを判定しているが、厳密に一致する場合だけでなく、通電電流と目標電流との偏差が所定の許容範囲内に入っているか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS6においては、電流センサ95により検知された通電電流が所定の上限電流以上となっているか否かを判定する。上限電流未満のとき(NO)はステップS7へ進む一方、上限電流以上となっているとき(YES)にはステップS8へ進む。
ステップS7では、通電電流が上限電流未満であるので、通電電流が目標電流となるようにデューティ比を調整してPWM信号を駆動部91へ出力して、PID制御を行う。こうして、ステップS1〜S7を繰り返してPID制御を行う場合は、DCモータ2eへ供給される通電電流は、図3に示すようになる。
一方、ステップS8では、通電電流が上限電流以上であるので、オーバーシュート量を抑えるべく、PWM信号のデューティ比を、PID制御で制御するのではなく、所定の規定値に強制的に設定する。
つまり、図6の実線で示すように、DCモータ2eが前述の如く、所定の負荷状態から一時的に低負荷状態となったときには、通電電流が少量しか流れなくなり(矢印C参照)、低負荷状態から所定の負荷状態に戻ったときにはそのときの反動で通電電流が急激に増加する。ところが、通電電流が所定の上限電流以上となったときに(矢印D参照)、PWM信号のデューティ比を目標電流に対応する所定の規定値に設定することで、通電電流のオーバーシュートが抑えられて、通電電流が早期に目標電流に収束していく。尚、図中の二点鎖線は、デューティ比を規定値に強制的に設定しない場合の通電電流を表している。
このように、前記実施形態によれば、通電電流が所定の上限電流以上となったときには、PWM信号のデューティ比を目標電流に対応した所定の規定値に強制的に設定することによって、通電電流のオーバーシュート量を抑制することができ、通電電流を早期に目標電流に収束させることができる。その結果、DCモータ2eが所定の負荷状態から一時的に低負荷状態となり、また所定の負荷状態に戻るような現象が生じたときに、ウエビング2aの張力を所定の第1張力に早期に収束させることができ、乗員が想定以上の大きさの張力で長い間拘束され続けるということを防止することができる。
以上説明したように、本発明は、ウエビングに所定の張力を付与するプリテンショナ機構を備え、自車両の衝突が予知されたときに該プリテンショナ機構を作動させて、乗員を所定の張力で拘束するようにしたシートベルト制御装置について有用である。
本発明の実施形態に係るシートベルト制御装置を搭載した車両を示す概略側面図である。 シートベルト制御装置の制御系を示すブロック図である。 モータへの通電電流を示す図であって、モータの負荷が低負荷状態にならなかった場合の図である。 モータへの通電電流を示す図であって、モータの負荷が一旦、低負荷状態になり且つPID制御を続けた場合の図である。 シートベルト制御装置によるプリテンショナ機構の作動制御のフローチャートである。 モータへの通電電流を示す図であって、モータの負荷が一旦、低負荷状態になり且つPWM信号のデューティ比を強制的に設定した場合の図である。
符号の説明
V 車両(自車両)
2a ウエビング
2c 第1プリテンショナ機構(プリテンショナ機構)
2e DCモータ(モータ)
4 障害物検知センサ(障害物検知手段)
8 PCS/ACCコントローラ(衝突予知手段)
9 プリテンショナコントローラ(プリテンショナ制御手段)
91 駆動部
92 制御部
94 直流電源(電源)
95 電流センサ(電流計測手段)

Claims (1)

  1. 自車両前方に存在する障害物を検知する障害物検知手段と、シートに着座した乗員を拘束するウエビングを巻き取るためのモータを有するプリテンショナ機構と、該障害物検知手段によって検知された障害物と自車両との衝突を予知する衝突予知手段と、該衝突予知手段によって衝突が予知されたときに、ウエビングを所定張力で巻き取るように前記モータへ電流を供給して前記プリテンショナ機構を作動させるプリテンショナ制御手段と、前記モータへ供給される電流を計測する電流計測手段とを備えた車両のシートベルト制御装置であって、
    前記プリテンショナ制御手段は、電源が接続された駆動部と、前記駆動部へパルス幅変調信号を送信することで該駆動部から前記モータへ該パルス変調信号のデューティ比に応じた通電電流を供給させ且つ、前記電流計測手段によって計測される通電電流が前記所定張力に対応した所定の目標電流となるように前記パルス幅変調信号のデューティ比を調整する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記電流計測手段によって検知される通電電流が前記目標電流よりも大きな所定の上限電流以上であるときには、前記パルス幅変調信号のデューティ比を所定の規定値に強制的に設定することを特徴とする車両のシートベルト制御装置。
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