JP4802773B2 - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4802773B2
JP4802773B2 JP2006062850A JP2006062850A JP4802773B2 JP 4802773 B2 JP4802773 B2 JP 4802773B2 JP 2006062850 A JP2006062850 A JP 2006062850A JP 2006062850 A JP2006062850 A JP 2006062850A JP 4802773 B2 JP4802773 B2 JP 4802773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pretensioner
vehicle
control means
pretensioner mechanism
seat belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006062850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007237915A (ja
Inventor
聡 西鍜治
正信 福島
多加志 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2006062850A priority Critical patent/JP4802773B2/ja
Publication of JP2007237915A publication Critical patent/JP2007237915A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4802773B2 publication Critical patent/JP4802773B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、シートに着座した乗員を拘束するベルトに所定の張力を付与するプリテンショナ機構と、該プリテンショナ機構を作動させるプリテンショナ制御手段とを備えたシートベルト装置に関するものである。
従来より、ウエビングに所定の張力を付与するプリテンショナ機構を備え、車両の衝突が予知されたときに該プリテンショナ機構を作動させて、乗員を所定の張力で拘束するようにしたシートベルト装置が知られている。
また、衝突の予知に限られず、特許文献1に係るシートベルト装置のように、車両の制動時や旋回時等の乗員が大きな前後方向及び左右(以下、単に横という)方向への加速度を受けるときにプリテンショナ機構を作動させて、乗員を所定の張力で拘束するようにするものも知られている。
特開2003−327076号公報
とろこで、最近では、車両の旋回時などにおいて、路面が滑りやすかったりオーバースピードでコーナーへ侵入したために車輪の横滑りが発生しそうなことを検知すると、制動力とエンジン出力とを制御して、その走行状態を安定させる、例えばDSC(Dynamic Stability Control)等の旋回制御装置を装備した車両が増加している。
この旋回制御装置が作動しているときは、横滑りが発生しそうなときであるため、乗員には大きな横加速度が作用する。そこで、旋回制御装置が作動しているときには、プリテンショナ機構を作動させて乗員を所定の張力で拘束して安全性を向上させることが考えられる。
しかしながら、旋回制御装置が作動するときに常にプリテンショナ機構を作動させるように構成すると、プリテンショナ機構が頻繁に作動して乗員に違和感を与える虞がある。例えば、雪道等の低μ路では、横滑りが簡単に発生するため、旋回制御装置が頻繁に作動する。この旋回制御装置に合わせてプリテンショナ機構を作動させていると、プリテンショナ機構が頻繁に作動してウエビングによる拘束と解除とが頻繁に繰り返されることになり、乗員は大きな違和感を覚える。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、旋回制御装置の作動時にプリテンショナ機構を作動させるシートベルト装置において、プリテンショナ機構を頻繁に作動させて乗員に違和感を与えることを防止することにある。
本発明は、旋回制御手段が作動しても直ちにプリテンショナ機構を作動させず、旋回制御手段が作動してから所定時間経過した後にプリテンショナ機構を作動させるようにしたものである。
具体的には、第1の発明は、シートに着座した乗員を拘束するウエビングに所定の第1張力を付与する第1プリテンショナ機構と、該第1プリテンショナ機構を作動させるプリテンショナ制御手段とを備えたシートベルト装置が対象である。そして、車両の旋回時にその走行状態を安定させるために少なくともブレーキ手段のブレーキ力を制御して車両の走行状態を制御する旋回制御手段と、前記旋回制御手段が作動を開始したときにその作動時間を計時する計時手段とをさらに備え、前記プリテンショナ制御手段は、前記旋回制御手段の作動後、前記計時手段により計時された作動時間が所定時間を経過したときに、前記第1プリテンショナ機構を作動させるものとする。
前記の構成の場合、車両が旋回時に車輪が横滑りしそうになると、走行状態を安定させるべく前記旋回制御手段が作動する。そして、該旋回制御手段の作動時間が所定時間経過すると、前記第1プリテンショナ機構が作動される。このように、旋回制御手段が所定時間より長く作動したときには第1プリテンショナ機構を作動させることによって、大きな横加速度が作用する乗員をウエビングで拘束して安全性を向上させることができる。ここで、旋回制御手段の作動時間が所定時間を経過していないときには第1プリテンショナ機構を作動させないように構成することによって、旋回制御手段が短い時間だけ瞬間的に作動するような場合には第1プリテンショナ機構を作動することを防止することができ、その結果、例えば低μ路等で旋回制御手段の瞬間的な作動が頻発しても、第1プリテンショナ機構が頻繁に作動することが抑制され、乗員に違和感を与えることを防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、車両の車速を検知する車速センサと、ステアリングホイールの操舵角を検知する舵角センサ又は車両のヨーレートを検知するヨーレートセンサと、車両の実横加速度を検知する横加速度センサと、前記車速センサによって検知される車速と前記舵角センサによって検知される舵角又は前記ヨーレートセンサによって検知されるヨーレートとに基づいて算出する予測横加速度と、前記横加速度センサによって検知される実横加速度とを比較する比較手段をさらに備え、前記プリテンショナ制御手段は、前記比較手段によって比較された前記予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値より小さいときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止するものとする。
前記の構成の場合、前記車速センサによって検知される車速と前記舵角センサによって検知される操舵角又は前記ヨーレートセンサによって検知されるヨーレートとに基づいて予測横加速度が算出される。この予測横加速度と前記横加速度センサによって検知される実横加速度とは、車輪に横滑りが発生していないときにはほぼ一致する一方、車輪の横滑りが大きいときには大きく異なることになる。そこで、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであって且つ前記予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値より小さいときには前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することによって、車輪の横滑りが小さいとき又は横滑りが抑制されているときには第1プリテンショナ機構を作動させないようにしている。その結果、第1プリテンショナ機構の作動頻度が抑制され、乗員に違和感を与えることをさらに防止することができる。そして、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであって且つ前記予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値以上であるときには、第1プリテンショナ機構を作動させることによって、車輪が横滑りしていて且つその横滑りの程度が大きいときには乗員をウエビングで拘束して安全性を向上させることができる。
第3の発明は、第1の発明において、アクセル開度を検知するアクセル開度センサをさらに備え、前記プリテンショナ制御手段は、前記アクセル開度センサによって検知されたアクセル開度が所定開度以上であるときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止するものとする。
前記の構成の場合、前記旋回制御手段が作動しているときは、車輪が横滑りしそうなとき(旋回制御手段により横滑りが完全に抑制されているとき)又は横滑りしているときであり、通常は車両を加速させることはなく、むしろ減速させる。ところが、運転者が意図的に車輪を横滑りさせながら運転する場合もある。このように積極的に車輪を横滑りさせて運転している最中に、前記第1プリテンショナ機構を作動させて運転者を拘束すると、操縦の妨げとなる。そこで、前記の構成では、アクセル開度を監視するようにして、アクセル開度が所定開度以上であるときには、横滑りしそう又は横滑りしているにも拘わらず加速している、即ち、意図的に車輪を横滑りさせて走行している可能性が高いとして、第1プリテンショナ機構の作動を禁止している。こうすることで、運転者が意図的に車輪を横滑りさせながら走行するときの操縦性の低下を防止することができる。
第4の発明は、第1の発明において、前記旋回制御手段の制御量を検知する制御量検知手段をさらに備え、前記制御量検知手段によって検知された制御量が減少する方向へ変化しているときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止するものとする。
前記の構成の場合、前記旋回制御手段は車両の走行状態を安定させるべく、走行状態が不安定なほど制御量が多く、走行状態が安定してくると制御量が少なくなる。つまり、前記旋回制御手段の制御量が減少する方向へ変化しているときは、車両の走行状態が安定する方向に遷移し、旋回制御手段の作動が停止する方向へ収束しているときであって、車輪の横滑りの可能性も低下している。車輪の横滑りの可能性が低いと、乗員をウエビングで拘束する必要性も低くなる。そこで、前記旋回制御手段の制御量が減少する方向へ変化しているときには、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することによって、第1プリテンショナ機構を必要性が低いときには作動させないようにして、第1プリテンショナ機構の作動頻度を抑制することができ、乗員に違和感を与えることをさらに防止することができる。
第5の発明は、第1の発明において、車両の車速を検知する車速センサをさらに備え、前記プリテンショナ制御手段は、前記車速センサによって検知される車速が所定速度より遅いときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止するものとする。
車速が遅いときには横加速度が小さくなるため、前記旋回制御手段によって車輪の横滑りが完全に抑制されるか又は横滑りの量が少量に抑制される。つまり、横加速度も小さく且つ車輪が横滑りしていたとしても横滑り量が少量であるときには、乗員をウエビングで拘束する必要性も低くなる。そこで、前記の構成の場合は、車速が所定速度よりも遅いときには、第1プリテンショナ機構の作動を禁止することによって、第1プリテンショナ機構を必要性が低いときには作動させないようにして、第1プリテンショナ機構の作動頻度を抑制することができ、乗員に違和感を与えることをさらに防止することができる。
第6の発明は、第1の発明において、前記第1プリテンショナ機構は、運転席と助手席とにそれぞれ設けられ、前記プリテンショナ制御手段は、前記旋回制御手段が作動しているときには、運転席側の前記第1プリテンショナ機構による張力を、助手席側の前記第1プリテンショナ機構による張力よりも小さくするものとする。
前記の構成の場合、運転席側の第1プリテンショナ機構の第1張力は相対的に小さいため、運転者を強く拘束し過ぎてステアリング操作やブレーキ操作などを妨げることを防止することができる。また、助手席側の第1プリテンショナ機構の第1張力は相対的に大きいため、操縦性を考慮する必要がない助手席の乗員はしっかり拘束することができる。
第7の発明は、第1〜第6の何れか1つの発明において、車両の衝突を検知する衝突検知手段と、前記ウエビングに前記第1張力よりも大きな所定の第2張力を付与する第2プリテンショナ機構とをさらに備え、前記プリテンショナ制御手段は、前記衝突検知手段によって車両の衝突が検知されたときに、前記第2プリテンショナ機構を作動させるものとする。
前記の構成の場合、車両の衝突が検知されると、第2プリテンショナ機構が作動し、乗員を第1プリテンショナ機構の第1張力よりも大きな第2張力で拘束するため、衝突時の乗員への衝撃力を可及的に低減することができる。
本発明によれば、前記旋回制御手段が所定時間より長く作動しているときに前記第1プリテンショナ機構を作動させることによって、車輪が横滑りしている又は横滑りしそうなときに乗員をウエビングで拘束して安全性を向上させることができる。それに加えて、前記旋回制御手段の作動時間が該所定時間以下のときには該第1プリテンショナ機構を作動させないことによって、第1プリテンショナの作動頻度を抑制して、乗員に違和感を与えることを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1、2は、本発明の実施形態1に係るシートベルト装置を搭載した車両Vを示している。この車両Vは、運転席側シート13a及び助手席側シート13bに設けられたシートベルト装置2、2と、4つの車輪W(図2に左前側のみ図示)に個別に配設された4つのブレーキ装置3(図2に左前側のみ図示)と、車両前方の障害物を検知する障害物検知センサ4と、インストルメントパネル10に設けられたメータユニット11及び警報ブザー12と、これらを制御する制御ユニット5とを備えている。そして、車両Vは、車速を制御して自動走行する走行制御、旋回時の走行状態を制御する走行安定性御(以下、DSC制御ともいう)および車両前方の障害物と衝突すると予知したときにシートベルト装置2やブレーキ装置3を作動させるPCS(Pre-Crash Safety System)制御を行うように構成されている。
前記シートベルト装置2、2は、運転席側と助手席側とで基本的な構成は同じであるため、運転席側のシートベルト装置2のみについて図2を参照して説明すると、シートベルト装置2は、運転席側シート13a座席に着座した乗員を拘束するウエビング2aと、センターピラー(図示省略)に設けられ、ウエビング2aを巻き取るガイドドラム(図示省略)を有するリトラクタ2bと、ウエビング2aに所定の張力を付与するシートベルトプリテンショナ20とを有している。上記リトラクタ2bは、ウエビング2aの巻き取り量を検知する巻き取り量検知センサ(図示省略)を有している。また、上記シートベルトプリテンショナ20は、リトラクタ2bの後面に一体的に設けられ、ウエビング2aを巻き取ってウエビング2aに通常時よりも大きな所定の第1張力を付与する第1プリテンショナ機構2cと、リトラクタ2bの前面に一体的に設けられ、ウエビング2aを巻き取ってウエビング2aに第1張力よりも大きい所定の第2張力を付与する第2プリテンショナ機構2dとを有する。この第1プリテンショナ機構2cは、電動モータ(図示省略)を備え、電動モータの駆動によりウエビング2aの巻き取りと引き出しを行う。一方、第2プリテンショナ機構2dは、インフレータ(図示省略)を備え、インフレータを作動させることによりウエビング2aを第1プリテンショナ機構2cによる巻き取り速度よりも速い速度でウエビング2aを巻き取る。
前記ブレーキ装置3は、ディスクロータ3aと、キャリパ3bと加圧バルブ(図示省略)や減圧バルブ(図示省略)等の各バルブ等からなるブレーキアシスト機構31とを有する液圧式ブレーキであって、ブレーキペダル(図示省略)の踏み込み操作により倍力装置(図示省略)を介して発生したマスタシリンダ(図示省略)の液圧によりブレーキ装置3が作動して車輪Wにブレーキ力が付与される。
前記ブレーキアシスト機構31は、加圧バルブや減圧バルブ等の各バルブにより構成されていて、マスタシリンダの液圧を検知する液圧センサで構成されたブレーキ圧センサ32からの検知信号に基づいてブレーキペダルの踏み込み量と踏み込み速度を算出することにより緊急時にブレーキペダルが踏み込まれたことを検知し、緊急時にブレーキペダルが踏み込まれたと検知した場合に、各バルブを制御してブレーキ装置3に供給される液圧を制御することにより所定の大きなブレーキ力を発生させる。このとき、ブレーキアシスト機構31は、後述するDSCコントローラ7を介してプリテンショナコントローラ9へ緊急時ブレーキ作動情報信号を出力するように構成されている。
前記障害物検知センサ4は、車両Vの前端の車幅方向中央部にレーダ軸が車両Vの前方正面を向くように取り付けられていて、ミリ波を前方の所定角度の範囲でスキャンしながら発信すると共に、車両Vの前方に存在する障害物からの反射波に基づいて該障害物までの距離、角度及び相対速度を検知するスキャン式のミリ波レーダである。尚、障害物検知センサはミリ波レーダに限られず、レーザレーダや超音波レーダ等のレーダを採用することもできる。
前記制御ユニット5は、図3に示すように、車両Vのパワートレインを制御するPCM(PowerTrain Control Module)6と、前記DSC制御を行うDSCコントローラ7と、前記PCS制御を行うと共に、前記走行制御、詳しくは車両Vの車速を制御して車両Vを定速で走行させ又は先行車両に追従させるACC(Adaptive Cruse Control)制御を行うPCS/ACCコントローラ8と、該PCS/ACCコントローラ8からの制御信号を受けて前記シートベルト装置2を制御するプリテンショナコントローラ9とを有し、これらは車両V内に構築されたCAN(Control Area Network)を介して通信可能に接続されている。
前記PCM6は、車両Vの乗員(運転者)がアクセルペダルを踏み込んだときのアクセル開度を検知するアクセル開度センサ61からの検知信号およびPCS/ACCコントローラ8からの加速/減速指示信号が入力され、該検知信号又は加速/減速指示信号に基づいてスロットル62に制御信号を出力して、車両Vを加減速するように構成されている。また、PCM6には、ACC制御を行うためのACC操作スイッチ63が入力されており、このACC操作スイッチ63から出力される操作信号はCANを介してPCS/ACCコントローラ8へ出力される。尚、ACC操作スイッチ63からの操作信号はPCM6を介さず、PCS/ACCコントローラ8へ入力されるように構成してもよい。
前記ACC操作スイッチ63は、ステアリングホイール14に設けられていて、ACC制御を行うための複数のスイッチからなる。例えば、ACC制御の実行及び停止を行うACCメインスイッチ、定速制御の設定速度を設定するセットスイッチ、設定速度を減速させるコーストスイッチ、ACC制御を中断させるキャンセルスイッチ、ACC制御が中断された場合に再びACC制御を再開させるリジュームスイッチ、設定速度を増速させるアクセルスイッチ、及び追従制御における先行車両との目標車間距離を設定する目標車間距離設定スイッチ等からなる。
前記DSCコントローラ7は、車両Vの車速を検知する車速センサ71、ステアリングホイール14の操舵角を検知する舵角センサ72、車両Vのヨーレートを検知するヨーレートセンサ73、車両Vに作用する横加速度を検知する横加速度センサ74、ブレーキペダルが操作されたことを検知するブレーキペダルスイッチ75からの検知信号が入力され、さらに、スロットル開度を検知するスロットル開度センサなどからの検知信号を入力して、それらの信号から得られる情報に基づいて各車輪Wへの制動力やエンジン出力を制御してDSC制御を行う。また、DSCコントローラ7は、DSC制御実行中は、DSC作動情報信号をプリテンショナコントローラ9へ出力している。
ここで、DSCコントローラ7によるDSC制御について詳しく説明すると、DSCコントローラ7は、前記車速センサ71により検知された車速や舵角センサ72により検知された操舵角などから決定した制御目標ヨーレートと前記ヨーレートセンサ73により検出された実際のヨーレート(以下、実ヨーレートという)との偏差を求める。そして、この偏差が介入しきい値よりも大きいときに(アンダーステア傾向が強いときに)、エンジン出力を低下させ(具体的には、PCM6へ制御信号を出力する)、さらに、アンダーステア傾向が改善されないときには、車両Vの旋回内側の後輪に制動力を付与する(具体的には、ブレーキ装置3へ制御信号を出力する)。こうして、車両のアンダーステア傾向が強いときに、前車輪はそのグリップ限界まであまり余裕がないことが多いので、グリップに余裕のある旋回内側の後輪に制動力を付与して、車体に旋回内側向きのヨーイングモーメントを発生させて、ドリフトアウトを未然に防止している。
一方、制御目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差が介入しきい値よりも小さいとき(偏差の符号がマイナスでその絶対値である偏差量はしきい値よりも大きいとき)には、オーバーステア傾向が所定以上に強いと判定する。このときには前記と反対に後車輪の方がグリップ限界に近いと考えられるので、旋回外側の前輪に制動力を付与して、これにより車体に旋回外側向きのヨーイングモーメントを発生させることで、スピンなどを回避・抑制している。
前記PCS/ACCコントローラ8は、PCSオン/オフスイッチ81からの信号及び前記PCM6を介したACC操作スイッチ63からの操作信号、車速センサ71及び障害物検知センサ4からの検知信号が入力され、それら操作信号及び検知信号から得られる情報に基づいてPCS制御及びACC制御を行う。
まず、PCS制御について説明すると、PCS/ACCコントローラ8は、PCSオン/オフスイッチ81からのオン信号を受信することによってPCS制御を実行する。PCS制御においては、PCS/ACCコントローラ8は、障害物検知センサ4の検知信号等に基づいて車両Vの前方に存在する先行車両やガードレール等の障害物を検知してその衝突可能性を予知し、衝突する可能性が高いときには、プリテンショナコントローラ9へ作動信号を出力して第1プリテンショナ機構2cを作動させると共に、DSCコントローラ7へ減速指示信号を出力する。減速指示信号を受信したDSCコントローラ7は、ブレーキ装置3へ制御信号を出力して、ブレーキアシスト機構31を制御して車両Vを所定の第1減速度で断続的に減速させるようにブレーキ装置3を作動させる。それに加えて、PCS/ACCコントローラ8は、衝突する可能性が高いときには、メータユニット11及び警報ブザー12を制御して衝突する可能性が高い旨を運転者に報知する。こうすることで、乗員に体感警報を行うと共に、乗員を予め拘束し且つ車速を減速しておく。
尚、衝突可能性は、車両Vが障害物に衝突するまでの予測時間によって判断する。すなわち、PCS/ACCコントローラ8は、障害物検知センサ4からの検知信号に基づいて、障害物までの距離、角度及び相対速度から衝突までに要する時間を算出し、その時間が所定時間よりも短いことをもって衝突可能性が高いと判断する。
次に、ACC制御について説明すると、PCS/ACCコントローラ8は、ACC操作スイッチ63のACCメインスイッチからの操作信号(ACC制御を実行する旨の信号)を受信することによってACC制御を実行する。ACC制御においては、先行車両が存在しないときには車両Vを一定の目標速度で定速走行させる定速制御を、先行車両が存在するときに車両Vを先行車両に対して一定の目標車間距離を維持した状態で追従走行させる追従制御を行う。
前記定速制御では、PCS/ACCコントローラ8は、ACC操作スイッチ63からの操作信号及び車速センサ71からの検知信号に基づいて、車両Vの車速が乗員が設定した目標車速となるように、PCM6へ加速/減速指示信号を出力してスロットル62を制御すると共に、DSCコントローラ7へ減速指示信号を出力することでブレーキ装置3を制御して、車両Vを目標車速で走行させる。
前記追従制御では、PCS/ACCコントローラ8は、ACC操作スイッチ63からの操作信号、車速センサ71からの検知信号及び障害物検知センサ4からの検知信号に基づいて、車両Vと先行車両との車間距離が乗員が設定した目標車間距離となるように、PCM6へ加速/減速指示信号を出力してスロットル62を制御すると共に、DSCコントローラ7へ減速指示信号を出力することでブレーキ装置3を制御して、車両Vを先行車両と目標車間距離を維持した状態で追従走行させる。
尚、前記定速制御は、車両Vの前方に先行車両が存在しないときにのみ行うことができ、先行車両が存在する場合は、前記追従制御へ自動的に切り替わる。
前記プリテンショナコントローラ9は、前記PCS/ACCコントローラ8が障害物との衝突を予知したときに出力する作動信号を受けて、シートベルト装置2の第1プリテンショナ機構2c及び第2プリテンショナ機構2dを作動させるものである。また、プリテンショナコントローラ9は、障害物との衝突が予知された場合に限らず、前記DSCコントローラ7によってDSC制御が行われているとき及び乗員による緊急時のブレーキ操作があったときにも、シートベルト装置2の第1プリテンショナ機構2cを作動させるように構成されている。このプリテンショナコントローラ9は、第1プリテンショナ機構2c及び第2プリテンショナ機構2dを作動制御する作動制御部91と、DSCコントローラ7が作動してDSC制御を行っている作動時間(以下、DSC作動時間ともいう)を計測するDSC作動時間計測部92とを有する。
前記作動制御部91は、PCS/ACCコントローラ8からの作動信号、DSCコントローラ7から出力されるDSC作動情報信号およびDSCコントローラ7から出力される緊急時ブレーキ作動情報信号のうち何れかの信号を受信したときに第1プリテンショナ機構2cを作動させる。すなわち、作動制御部91は、障害物との衝突が予知されたとき、PCS制御が実行されているとき及び緊急時のブレーキ操作があったときの何れかのときに第1プリテンショナ機構2cを作動させる。ただし、該DSC作動情報信号を受信したときには、詳しくは後述するが、所定の条件が成立したときのみ第1プリテンショナ機構2cを作動させる。
また、作動制御部91は、衝突検知センサ95によって車両Vが障害物等に衝突したことが検知されたときにシートベルト装置2の第2プリテンショナ機構2dを作動させる。こうすることで、乗員への衝突時の衝撃力を低減している。
詳しくは、作動制御部91は、電源94から供給される電流を制御して第1プリテンショナ機構2cの電動モータに通電することによって第1プリテンショナ機構2cを作動させて、ウエビング2aを所定の第1張力で巻き取らせる。また、作動制御部91は、第2プリテンショナ機構2dのインフレータに起動信号を出力することによって該インフレータを起動させてウエビング2aを所定の第2張力で巻き取らせる。
前記DSC作動時間計測部92は、DSCコントローラ7からのDSC作動情報信号が入力され、このDSC作動情報信号を受信するとDSC作動時間の計時を開始する。そして、該DSC作動時間が所定時間を経過すると前記作動制御部91に経過信号を出力する。このDSC作動時間計測部92が計時手段を構成する。
以下に、前記プリテンショナコントローラ9によるDSCコントローラ7作動時の第1プリテンショナ機構2cの作動制御について図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップSA1において、DSCコントローラ7が作動中か否か、即ちDSC制御を実行しているか否かを判定する。この判定はDSCコントローラ7からDSC作動情報信号を受信しているか否かによって行い、受信しているときは作動中、受信していないときは停止中と判定する。そして、作動中のとき(YES)はステップSA2へ進む一方、停止中のとき(NO)はステップSA1を繰り返す。
ステップSA2においては、DSC作動時間が所定時間を経過したか否かを判定する。この判定は、前記作動制御部91がDSC作動時間計測部92から経過信号を受信したか否かによって行い、受信しているときは経過した、受信していないときはまだ経過していないと判定する。そして、経過したとき(YES)はステップSA3へ進む一方、経過していないとき(NO)はステップSA1へ戻る。
ステップSA3においては、車両Vの車速が所定速度以上か否かを判定する。この判定は車速センサ71からの検知信号に基づいて行う。そして、車速が所定速度以上のとき(YES)はステップSA4へ進む一方、車速が所定速度未満のとき(NO)はステップSA1へ戻る。
ステップSA4においては、第1プリテンショナ機構2cを作動させる。詳しくは、運転席側のウエビング2aの張力が所定の大きい第1張力となる一方、助手席側のウエビング2aの張力が所定の小さい第1張力となるように、運転席側と助手席側の第1プリテンショナ機構2c、2cの電動モータに別々の電流を供給する。
このように、プリテンショナコントローラ9は、DSCコントローラ7が作動中(即ち、DSC制御を実行中)であって、そのDSC作動時間が所定時間より長く、さらに、車両Vの車速が所定速度以上のときに、第1プリテンショナ機構2cを作動させる。
したがって、前記実施形態1によれば、車両Vが旋回時に車輪Wが横滑りし、走行状態を安定させるべく前記DSCコントローラ7が作動すると、前記第1プリテンショナ機構2cが作動する。こうすることによって、乗員に大きな横加速度が作用する、横滑り時又は横滑りが発生しそうなとき(DSC制御により横滑りが抑制されているとき)にウエビング2aで乗員を拘束することで安全性を向上させることができる。また、このとき、該DSCコントローラ7の作動時間が所定時間経過しなければ第1プリテンショナ機構2cが作動しないように構成することによって、DSCコントローラ7が短い時間だけ瞬間的に作動するような場合には第1プリテンショナ機構2cを作動することを防止することができ、その結果、例えば低μ路等でDSCコントローラ7の瞬間的な作動が頻発しても、第1プリテンショナ機構2cが頻繁に作動することが抑制され、乗員に違和感を与えることを防止することができる。
また、車速が遅いときには横加速度が小さくなるため、DSCコントローラ7によって車輪Wの横滑りが完全に抑制されるか又は横滑りの量が少量に抑制される。つまり、横加速度も小さく且つ車輪Wが横滑りしていたとしても横滑り量が少量であるときには、乗員をウエビング2aで拘束する必要性も低くなる。そこで、車速が所定速度よりも遅いときには第1プリテンショナ機構2cの作動を禁止することによって、第1プリテンショナ機構2cを必要性が低いときには作動させないようにして、第1プリテンショナ機構2cの作動頻度を抑制することができ、乗員に違和感を与えることをさらに防止することができる。
さらに、運転席側の第1プリテンショナ機構2cの第1張力を相対的に小さくすることによって、運転者を強く拘束し過ぎてステアリング操作やブレーキ操作などを妨げることを防止することができる。また、助手席側の第1プリテンショナ機構2cの第1張力を相対的に大きくすることによって、操縦性を考慮する必要がない助手席の乗員はしっかり拘束することができる。
さらにまた、車両Vの衝突が検知されると、第2プリテンショナ機構2dが作動し、乗員を第1プリテンショナ機構2cの第1張力よりも大きな第2張力で拘束するため、衝突時の乗員への衝撃力を可及的に低減することができる。
《発明の実施形態2》
次に本発明の実施形態2に係るシートベルト装置について説明する。この実施形態2に係るシートベルト装置は、プリテンショナコントローラ9の構成及び第1プリテンショナ機構2cの作動制御が異なる。そこで、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施形態2に係るプリテンショナコントローラ9は、図5に示すように、さらに、ヨーレートセンサ73、横加速度センサ74からの検知信号が入力されると共に、車速及びヨーレートから算出される予測横加速度と横加速度センサ74に検知される実際の横加速度(以下、単に実横加速度ともいう)とを比較する比較部93を有するように構成されている。
このように構成されたプリテンショナコントローラ9によるDSCコントローラ7作動時の第1プリテンショナ機構2cの作動制御について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップSB1〜SB3までは、前記実施形態1のステップSA1〜SA3と同様である。つまり、DSC制御を実行中であって(ステップSB1でYES)、DSC作動時間が所定時間を経過し(ステップSB2でYES)、車両Vの車速が所定速度以上である(ステップSB3でYES)場合にはステップSB4へ進む。
ステップSB4においては、前記比較部93が車速センサ71により検知された車速とヨーレートセンサ73により検知されたヨーレートとから予測横加速度を算出する。
その後、ステップSB5において、比較部93は、算出した予測横加速度と横加速度センサ74により検知された実横加速度との偏差を求め、その絶対値が所定閾値より小さいか否かを判定する。そして、該偏差の絶対値が所定閾値以上のとき(NO)はステップSB6へ進む一方、所定閾値よりも小さいとき(YES)はステップSB1へ戻る。
ステップSB6は、前記実施形態1のステップSA4と同様であって、第1プリテンショナ機構2cを作動させる。詳しくは、運転席側のウエビング2aの張力が所定の大きい第1張力となる一方、助手席側のウエビング2aの張力が所定の小さい第1張力となるように、運転席側と助手席側の第1プリテンショナ機構2c、2cの電動モータに別々の電流を供給する。
このように、実施形態2に係るプリテンショナコントローラ9は、DSC制御を実行中であって、DSC作動時間が所定時間を経過し、車両Vの車速が所定速度以上であるという条件に加えて、前記予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値以上であるという条件が成立したときに第1プリテンショナ機構2cを作動させる。ここで、予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値以上であるときは、車速やヨーレートという車両Vの状態から算出した横加速度と横加速度センサ74により直接検知した横加速度とが大きく異なるときであって、即ち、車輪Wが実際に横滑りしている。
したがって、前記実施形態2によれば、前記予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値以上であるときに前記第1プリテンショナ機構2cを作動させることによって、車輪Wの横滑りが大きいときに第1プリテンショナ機構2cを作動させて、乗員の拘束力を高めて安全性を向上させることができる。すなわち、前記DSCコントローラ7の作動時であっても車輪Wに横滑りが小さいとき又は横滑りが完全に抑制されているときには、第1プリテンショナ機構2cの作動を禁止して、第1プリテンショナ機構2cの作動頻度を抑制することができ、乗員への違和感を低減することができる。
尚、前記実施形態2では、車速とヨーレートとから予測横加速度を算出しているがこれに限られるものではない。すなわち、車両Vの状態を示す状態量から算出される横加速度であればよく、ヨーレートに代えて、舵角センサ72により検知される操舵角と車速とにより予測横加速度を算出する構成であってもよい。
《発明の実施形態3》
次に本発明の実施形態3に係るシートベルト装置について説明する。この実施形態3に係るシートベルト装置は、プリテンショナコントローラ9の構成及び第1プリテンショナ機構2cの作動制御が異なる。そこで、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施形態3に係るプリテンショナコントローラ9は、図7に示すように、さらに、アクセル開度を検知するアクセル開度センサ61からの検知信号が入力されるように構成されている。
このように構成されたプリテンショナコントローラ9によるDSCコントローラ7作動時の第1プリテンショナ機構2cの作動制御について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップSC1〜SC3までは、前記実施形態1のステップSA1〜SA3と同様である。つまり、DSC制御を実行中であって(ステップSC1でYES)、DSC作動時間が所定時間を経過し(ステップSC2でYES)、車両Vの車速が所定速度以上である(ステップSC3でYES)場合にはステップSC4へ進む。
ステップSC4においては、アクセル開度センサ61により検知されたアクセル開度が所定開度以上か否かを判定する。そして、アクセル開度が所定開度よりも小さいとき(NO)はステップSC5へ進む一方、所定開度以上のとき(YES)はステップSC1へ戻る。
ステップSC5は、前記実施形態1のステップSA4と同様であって、第1プリテンショナ機構2cを作動させる。詳しくは、運転席側のウエビング2aの張力が所定の大きい第1張力となる一方、助手席側のウエビング2aの張力が所定の小さい第1張力となるように、運転席側と助手席側の第1プリテンショナ機構2c、2cの電動モータに別々の電流を供給する。
このように、実施形態3に係るプリテンショナコントローラ9は、DSC制御を実行中であって、DSC作動時間が所定時間を経過し、車両Vの車速が所定速度以上であるという条件に加えて、アクセル開度が所定開度よりも小さいという条件が成立したときに第1プリテンショナ機構2cを作動させる。ここで、アクセル開度が所定開度以上のときは、車輪Wが横滑りしそう又は横滑りしているにも拘わらず運転者が積極的に加速している、即ち、サーキット等において意図的に車輪Wを横滑りさせているときや、雪道等の低μ路において車輪Wの横滑りを運転者が気にせず又は許容しながら走行している場合が該当する。
したがって、前記実施形態3によれば、アクセル開度を監視するようにして、アクセル開度が所定開度以上であるときには、運転者が車輪Wを意図的に横滑りさせながら走行している、又は車輪Wの横滑りを運転者が許容しながら走行している可能性が高いとして、第1プリテンショナ機構2cの作動を禁止することによって、操縦性の低下を防止することができる。
《発明の実施形態4》
次に本発明の実施形態4に係るシートベルト装置について説明する。この実施形態4に係るシートベルト装置は、プリテンショナコントローラ9の構成及び第1プリテンショナ機構2cの作動制御が異なる。そこで、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施形態4に係るプリテンショナコントローラ9は、図9に示すように、さらに、前記ブレーキ圧センサ32からの検知信号が入力されるように構成されている。
このように構成されたプリテンショナコントローラ9によるDSCコントローラ7作動時の第1プリテンショナ機構2cの作動制御について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップSD1〜SD3までは、前記実施形態1のステップSA1〜SA3と同様である。つまり、DSC制御を実行中であって(ステップSD1でYES)、DSC作動時間が所定時間を経過し(ステップSD2でYES)、車両Vの車速が所定速度以上である(ステップSD3でYES)場合にはステップSD4へ進む。
ステップSD4においては、ブレーキ圧センサ32により検知されたブレーキ圧の変化率を算出している。
そして、ステップSD5において、そのブレーキ圧の変化率が所定値(負の値)より小さいか否かを判定している。この所定値は負の値であって、すなわち、ブレーキ圧が減少する方向に変化し且つその変化の程度が大きいか否かを判定している。そして、ブレーキ圧の変化率が所定値以上のとき(NO)はステップSD6へ進む一方、所定値よりも小さいとき(YES)はステップSD1へ戻る。
ステップSD6は、前記実施形態1のステップSA4と同様であって、第1プリテンショナ機構2cを作動させる。詳しくは、運転席側のウエビング2aの張力が所定の大きい第1張力となる一方、助手席側のウエビング2aの張力が所定の小さい第1張力となるように、運転席側と助手席側の第1プリテンショナ機構2c、2cの電動モータに別々の電流を供給する。
このように、実施形態4に係るプリテンショナコントローラ9は、DSC制御を実行中であって、DSC作動時間が所定時間を経過し、車両Vの車速が所定速度以上であるという条件に加えて、ブレーキ圧の変化率が所定値以上であるという条件が成立したときに第1プリテンショナ機構2cを作動させる。ここで、ブレーキ圧の変化率が負の所定値よりも小さいときは、DSCコントローラ7によるブレーキ装置3の制御量が減少しており、車輪Wの横滑りが収まって走行状態が安定する方向へ収束しているときであって、車輪Wの横滑りの可能性も低くなる。
したがって、前記実施形態4によれば、ブレーキ圧の変化率が所定値(負の値)より小さいときには、車両Vの走行状態が安定する方向へ収束しており、車輪Wの横滑りも収まっていくと判断して、第1プリテンショナ機構2cを作動させないようにしている。こうすることで、第1プリテンショナ機構2cを必要性が低いときには作動させないようにして、第1プリテンショナ機構2cの作動頻度を抑制することができ、乗員に違和感を与えることを防止することができる。
また、ブレーキ圧の変化率が単に負の値であることだけでなく、負の所定値より小さいことをもって車両Vの走行状態が安定する方向へ収束していると判断することによって、ブレーキ圧を微調整してブレーキ圧の変化率が若干ではあるが負の値になったり、誤差によりブレーキ圧の変化が負の値となったりすることをもって車両Vの走行状態が安定する方向へ収束していると判断することを防止することができる。つまり、十分な変化率でブレーキ圧が負の方向へ変化していることをもって判断するため、車両Vの走行状態が安定する方向へ収束していることを正確に判断することができる。
尚、前記実施形態4では、ブレーキ圧の変化率が単に負の値であるときには第1プリテンショナ機構2cの作動を禁止するように構成してもよい。ただし、前述のように、ブレーキ圧の変化率が負の所定値より小さいときに第1プリテンショナ機構2cの作動を禁止する構成の方が、車両Vの走行状態が安定する方向へ収束していることを正確に判断することができるため好ましい。
さらに、ブレーキ圧センサ32により検知されるブレーキ圧の変化率によって車両Vの走行状態が安定する方向へ収束していることを判断しているがこれに限られるものではない。例えば、DSCコントローラ7から出力される減速指示信号に基づいてブレーキ装置3の制御量の変化率を判断してもよい。また、ブレーキ圧に限られず、DSCコントローラ7により制御されるエンジン出力の変化率により判断するように構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、旋回制御手段の作動時にプリテンショナ機構を作動させるシートベルト装置においてプリテンショナ機構が不必要に作動することを防止することができるため、走行安定性と衝突安全性とを考慮した車両で有用である。
本発明の実施形態1に係るシートベルト装置を搭載した車両を示す概略平面図である。 実施形態1に係るシートベルト装置を搭載した車両を示す概略側面図である。 実施形態1に係るシートベルト装置の制御系を示すブロック図である。 実施形態1に係るシートベルトコントローラによる第1プリテンショナ機構の作動制御のフローチャートである。 本発明の実施形態2に係るシートベルト装置の制御系を示すブロック図である。 実施形態2に係るシートベルトコントローラによる第1プリテンショナ機構の作動制御のフローチャートである。 本発明の実施形態3に係るシートベルト装置の制御系を示すブロック図である。 実施形態3に係るシートベルトコントローラによる第1プリテンショナ機構の作動制御のフローチャートである。 本発明の実施形態4に係るシートベルト装置の制御系を示すブロック図である。 実施形態4に係るシートベルトコントローラによる第1プリテンショナ機構の作動制御のフローチャートである。
V 車両
13a 運転席側シート(シート)
13b 助手席側シート(シート)
14 ステアリングホイール
2 シートベルト装置
2a ウエビング
2c 第1プリテンショナ機構
2d 第2プリテンショナ機構
3 ブレーキ装置(ブレーキ手段)
32 ブレーキ圧センサ(制御量検知手段)
61 アクセル開度センサ
7 DSCコントローラ(旋回制御手段)
71 車速センサ
72 舵角センサ
73 ヨーレートセンサ
74 横加速度センサ
9 プリテンショナコントローラ(プリテンショナ制御手段)
92 DSC作動時間計測部(計時手段)
93 比較部(比較手段)
95 衝突検知センサ(衝突検知手段)

Claims (8)

  1. シートに着座した乗員を拘束するウエビングに所定の第1張力を付与する第1プリテンショナ機構と、該第1プリテンショナ機構を作動させるプリテンショナ制御手段とを備えたシートベルト装置であって、
    車両の旋回時にその走行状態を安定させるために少なくともブレーキ手段のブレーキ力を制御して車両の走行状態を制御する旋回制御手段と、
    前記旋回制御手段が作動を開始したときにその作動時間を計時する計時手段とをさらに備え、
    前記プリテンショナ制御手段は、前記旋回制御手段の作動後、前記計時手段により計時された作動時間が所定時間を経過したときに、前記第1プリテンショナ機構を作動させることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 請求項1に記載のシートベルト装置において、
    車両の車速を検知する車速センサと、
    ステアリングホイールの操舵角を検知する舵角センサ又は車両のヨーレートを検知するヨーレートセンサと、
    車両の実横加速度を検知する横加速度センサと、
    前記車速センサによって検知される車速と前記舵角センサによって検知される舵角又は前記ヨーレートセンサによって検知されるヨーレートとに基づいて算出する予測横加速度と、前記横加速度センサによって検知される実横加速度とを比較する比較手段をさらに備え、
    前記プリテンショナ制御手段は、前記比較手段によって比較された前記予測横加速度と実横加速度との偏差の絶対値が所定閾値より小さいときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することを特徴とするシートベルト装置。
  3. 請求項1に記載のシートベルト装置において、
    アクセル開度を検知するアクセル開度センサをさらに備え、
    前記プリテンショナ制御手段は、前記アクセル開度センサによって検知されたアクセル開度が所定開度以上であるときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することを特徴とするシートベルト装置。
  4. 請求項1に記載のシートベルト装置において、
    前記旋回制御手段の制御量を検知する制御量検知手段をさらに備え、
    前記制御量検知手段によって検知された制御量が減少する方向へ変化しているときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することを特徴とするシートベルト装置。
  5. 請求項1に記載のシートベルト装置において、
    車両の車速を検知する車速センサをさらに備え、
    前記プリテンショナ制御手段は、前記車速センサによって検知される車速が所定速度より遅いときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することを特徴とするシートベルト装置。
  6. 請求項1に記載のシートベルト装置において、
    前記第1プリテンショナ機構は、運転席と助手席とにそれぞれ設けられ、
    前記プリテンショナ制御手段は、前記旋回制御手段が作動しているときには、運転席側の前記第1プリテンショナ機構による第1張力を、助手席側の前記第1プリテンショナ機構による第1張力よりも小さくすることを特徴とするシートベルト装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載のシートベルト装置において、
    車両の衝突を検知する衝突検知手段と、
    前記ウエビングに前記第1張力よりも大きな所定の第2張力を付与する第2プリテンショナ機構とをさらに備え、
    前記プリテンショナ制御手段は、前記衝突検知手段によって車両の衝突が検知されたときに、前記第2プリテンショナ機構を作動させることを特徴とするシートベルト装置。
  8. 請求項1に記載のシートベルト装置において、
    前記プリテンショナ制御手段は、車輪の横滑りの大きさが所定の基準よりも小さいときには、前記旋回制御手段が前記所定時間作動しているときであっても、前記第1プリテンショナ機構の作動を禁止することを特徴とするシートベルト装置。
JP2006062850A 2006-03-08 2006-03-08 シートベルト装置 Active JP4802773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006062850A JP4802773B2 (ja) 2006-03-08 2006-03-08 シートベルト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006062850A JP4802773B2 (ja) 2006-03-08 2006-03-08 シートベルト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007237915A JP2007237915A (ja) 2007-09-20
JP4802773B2 true JP4802773B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=38583868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006062850A Active JP4802773B2 (ja) 2006-03-08 2006-03-08 シートベルト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4802773B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5542106B2 (ja) * 2011-09-06 2014-07-09 本田技研工業株式会社 乗員保護装置
CN104228938B (zh) * 2014-08-26 2017-05-24 苏州市职业大学 一种工业车辆用电动转向控制系统的通用电子控制单元
EP3636497B1 (en) 2018-10-12 2021-05-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Occupant restraint system for vehicle
JP7211317B2 (ja) * 2018-10-12 2023-01-24 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員拘束システム
JP7135723B2 (ja) * 2018-10-29 2022-09-13 トヨタ自動車株式会社 車両用シートベルトの制御装置
JP7172941B2 (ja) * 2019-10-07 2022-11-16 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員拘束システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4439633B2 (ja) * 1999-10-14 2010-03-24 オートリブ株式会社 シートベルトシステム
JP2005161929A (ja) * 2003-12-01 2005-06-23 Nissan Motor Co Ltd 車両用乗員保護装置
JP2005231588A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Nissan Motor Co Ltd 車両の停車支援装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007237915A (ja) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100527318B1 (ko) 차륜식 자동차의 자동 제동 시스템
JP3642308B2 (ja) 車両用制動制御装置
JP5613597B2 (ja) 車両用運転支援装置
EP1349131B1 (en) Vehicle collision preventing apparatus
JP2010030396A (ja) 車両用安全制御装置
JP3988600B2 (ja) 乗員拘束システム
JP4669509B2 (ja) 車両における乗員保護手段の制御方法及び乗員保護システム
JP4802773B2 (ja) シートベルト装置
JP2007186141A (ja) 車両の走行制御装置
WO2004058546A1 (ja) 車両用安全装置
EP1985512B1 (en) Vehicle seat-belt device and control method thereof
JP5462927B2 (ja) 車両操作支援装置
JP3890967B2 (ja) 車両用制動制御装置
KR20130017728A (ko) 차량의 통합 제어방법
JP2006298105A (ja) 乗員保護装置の作動制御装置
US7410026B2 (en) Seatbelt device of vehicle
JP2007245835A (ja) 車両の走行制御装置
JP5549472B2 (ja) 車両制御装置
KR20110074543A (ko) 차량 브레이크 시스템을 조정하는 방법
JP2007001516A (ja) 車両の制御装置
JP4816166B2 (ja) シートベルト制御装置
JP3858592B2 (ja) 乗員保護装置
JP4775047B2 (ja) 車両のシートベルト制御装置
JP2008174054A (ja) 車両用安全装置
JP2007245855A (ja) 車両のシートベルト制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4802773

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3