JP2011156947A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の衝突を予測した場合、火薬式プリテンショナが作動しないような衝突であっても、リトラクタの動力伝達経路の異常を検出し、修理及び交換を促すことができる乗員保護装置を提供する。
【解決手段】乗員を拘束保護するシートベルト10を巻き取る巻取軸と、車両の衝突を予測する衝突予測部13と、衝突予測部13が車両の衝突を予測した場合、駆動力を巻取軸に伝達させて巻取軸をシートベルト10の巻き取り方向へ回転させるモータとを備える乗員保護装置1に、衝突予測部13が車両の衝突を予測した場合、モータから巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知する巻取り・引出し検知手段15と、モータから巻取軸へ駆動力が伝達されていないことを巻取り・引出し検知手段15にて検知した場合、異常を報知する警告部17とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の乗員をシートベルトによって拘束保護する乗員保護装置に関し、特に車両の衝突が予測された場合に、シートベルトの巻取軸を巻き取り方向へ回転させるモータを備えた乗員保護装置に関する。
車両の座席に設けられる乗員保護装置は、車両の衝突時に乗員を拘束し、保護する装置であり、シートベルト(ウェビング)、リトラクタ及びバックルを備える。
リトラクタは、シートベルトを巻取軸に巻回し、渦巻きばねの付勢力により内部に引き込み、シートベルト非装着時にはその引き込んだ状態でシートベルトを収容している。乗員がシートベルトを装着する場合、シートベルトの巻き取り側と反対側一端に設けたタングプレートを引っ張ることで収容されたシートベルトを引き出し、これを座席の傍らに設けたバックルに係合させることで、シートベルトを装着する。
また、リトラクタは、引き出しロック機能を備える。引き出しロック機能は、例えばシートベルトの引き出し加速度が所定加速度以上になった場合に、シートベルトの引き出しをロックする機構である。
更に、リトラクタは、車両が衝突した際、火薬の爆発力を用いてシートベルトの弛みを瞬時に巻き取り、乗員を初期拘束する火薬式プリテンショナ機構を備える。
更にまた、リトラクタは、巻取軸に動力伝達機構を介して接続されたモータを備え、車両の衝突を予測した場合、火薬式プリテンショナの作動に先だって、モータ駆動でシートベルトの弛みを巻き取るように構成されている。
このように構成されたリトラクタにおいては、車両の衝突が予測されると、モータ駆動でシートベルトの弛みが除去される。その後、一定の衝撃が検出されると、火薬式プリテンショナが作動し、残ったシートベルトの弛みが更に除去され、乗員が初期拘束される。火薬式プリテンショナが作動するような衝突に至った場合、衝突途中で乗員によるベルト引き出し荷重により、動力伝達機構が破損し、モータの駆動力を伝達できなくなる。しかし、火薬式プリテンショナが作動した場合、プリテンショナの異常が検出されるか、あるいはプリテンショナが作動するような衝突が発生したとして、ベルト交換が必要であることを警告灯により警告するように構成されている。
特表2007−502236号公報 特開2007−55454号公報 特開平9−506574号公報
ところで、火薬式プリテンショナが作動しないような衝突であっても、衝突途中における乗員のベルト引き出し荷重によって、動力伝達経路が破損し、モータの駆動力を巻取軸へ伝達できない状態になることがある。
しかしながら、従来の乗員保護装置においては、火薬式プリテンショナが作動するような衝突が発生していないため、警告灯によるベルト交換が促されることは無く、また、火薬式プリテンショナが正常であれば、動力伝達経路が破損していても異常の検知及び報知が行われることも無いという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の衝突を予測した場合、火薬式プリテンショナが作動しないような衝突であっても、モータから巻取軸への動力伝達経路の異常を検知し、該異常を報知することによって、より的確に動力伝達経路の修理及び交換を促すことができる乗員保護装置を提供することにある。
本発明に係る乗員保護装置は、乗員を拘束保護するシートベルトを巻き取る巻取軸と、車両の衝突を予測する衝突予測手段と、該衝突予測手段が車両の衝突を予測した場合、駆動力を前記巻取軸に伝達させて前記巻取軸を前記シートベルトの巻き取り方向へ回転させるモータとを備える乗員保護装置において、前記衝突予測手段が車両の衝突を予測した場合、前記モータから前記巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知する検知手段と、前記モータから前記巻取軸へ駆動力が伝達されていないことを前記検知手段にて検知した場合、異常を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、衝突予測手段によって車両の衝突が予測され、モータが駆動した場合、検知手段は、モータから巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知する。モータの駆動力が該モータから巻取軸へ伝達されていないことを検知手段が検出した場合、異常を報知する。従って、衝突後のプリテンショナの作動の有無に拘わらず、モータから巻取軸への動力伝達経路の異常が検出され、該異常を報知される。
本発明に係る乗員保護装置は、前記検知手段は、複数の磁石が周方向に配されており、前記巻取軸と一体的に回転する磁気ディスクと、該磁気ディスクの磁界を検出する磁界検出素子とを有し、磁界の変化を検出することによって、前記巻取軸の回転方向を検出する回転検出手段を備え、前記報知手段は、前記巻取軸が前記シートベルトの引き出し方向へ回転した場合、異常を報知するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、衝突予測手段によって車両の衝突が予測され、モータが駆動した場合、回転検出手段は、巻取軸の回転方向を検出する。モータの駆動力が巻取軸に伝達されていない場合、巻取軸がシートベルトの引き出し方向へ回転する。該方向へ巻取軸が回転した場合、異常が報知される。
本発明に係る乗員保護装置は、前記検知手段は、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段にて検出された電流が所定範囲内にあるか否かを判定する手段とを備え、前記報知手段は、前記モータに流れる電流が所定範囲外である場合、異常を報知するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、衝突予測手段によって車両の衝突が予測され、モータが駆動した場合、電流検出手段は、モータに流れる電流を検出する。モータの駆動力が巻取軸に伝達されていない場合、電流検出手段にて検出される電流が所定範囲外になる。該電流が所定範囲外である場合、異常が報知される。
本発明に係る乗員保護装置は、前記検知手段は、複数の磁石が周方向に配されており、前記巻取軸と一体的に回転する磁気ディスクと、該磁気ディスクの磁界を検出する磁界検出素子とを有し、磁界の変化を検出することによって、前記巻取軸の回転方向を検出する回転検出手段と、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段にて検出された電流が所定値未満であるか否かを判定する手段とを備え、前記報知手段は、前記モータに流れる電流が所定値未満である場合、又は前記モータに流れる電流が所定値超であり、かつ前記巻取軸が前記シートベルトの引き出し方向へ回転した場合、異常を報知するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、衝突予測手段によって車両の衝突が予測され、モータが駆動した場合、回転検出手段は、巻取軸の回転方向を検出する。また、衝突予測手段によって車両の衝突が予測され、モータが駆動した場合、電流検出手段は、モータに流れる電流を検出する。
モータが空転し、該モータの駆動力が巻取軸に伝達されていない場合、モータに流れる電流が所定値未満である。該電流が所定値未満である場合、異常が報知される。
また、モータが何らかの原因でロックされ、該モータの駆動力が巻取軸に伝達されていない場合、モータに流れる電流が所定値超であり、かつ巻取軸がシートベルトの引き出し方向へ回転することがある。この場合、異常が報知される。
本発明に係る乗員保護装置は、車両の衝突を検知する衝突検知手段と、該衝突検知手段にて検知された衝突の強度が所定強度値以上であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段が所定強度値以上であると判定した場合、前記巻取軸を前記シートベルトの巻き取り方向へ回転させる火薬式プリテンショナとを備え、前記検知手段は、車両の衝突が予測され、かつ衝突の強度が所定強度値未満である場合、前記モータから前記巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、衝突予測手段によって車両の衝突が予測され、モータが駆動した後、衝突検知手段にて検知された衝突の強度が所定強度値未満である場合、火薬式プリテンショナは作動しないが、検知手段は、モータから巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知する。
本発明にあっては、火薬式プリテンショナが作動しないような衝突であっても、モータから巻取軸への動力伝達経路の異常を検知し、該異常を報知することによって、より的確に動力伝達経路の修理及び交換を促すことができる。
本発明の実施の形態に係る乗員保護装置の構成を示した模式図である。 リトラクタの一例を概念的に示した断面図である。 回転検出部の内部構成を概念的に示した側面図である。 回転検出部の内部構成を概念的に示した正面図である。 制御部の処理手順を示したフローチャートである。 変形例1に係る乗員保護装置の構成を示した模式図である。 変形例1に係るリトラクタの一例を概念的に示した断面図である。 変形例1に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。 モータに加わる負荷と、モータに流れる電流との関係を示したグラフである。 変形例2に係る乗員保護装置の構成を示した模式図である。 変形例2に係るリトラクタの一例を概念的に示した断面図である。 変形例2に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る乗員保護装置1の構成を示した模式図である。本発明の乗員保護装置1は、車両内部に設けられており、乗員Aを座席Cに拘束するためのシートベルト10と、シートベルト10を引き出し可能に巻き取るリトラクタ11と、リトラクタ11の動作を制御する制御部12と、車両の衝突を予測する衝突予測部(衝突予測手段)13と、車両の衝突を検知する衝突検知部(衝突検知手段)14と、シートベルト10の巻き取り及び引き出しを検知する巻取り・引出し検知手段(検知手段)15と、リトラクタ11の異常を報知する警告部(報知手段)17とを備える。
シートベルト10は、乗員Aの上体を拘束する第1ベルト部分と、乗員Aの腰部を拘束する第2ベルト部分とを有する。第1ベルト部分は、乗員Aの肩近傍の箇所に設けられたスルーアンカー10cで折り返され、その一端部はリトラクタ11に連結されている。第2ベルト部分の一端部は、センターピラーBの下部に設けられたアンカープレート10dによって車室下部に回動可能に固定されている。第1及び第2ベルト部分の他端部には、座席の下側縁部に固定されたバックル10bに着脱が可能なタングプレート10aが設けられている。
図2は、リトラクタ11の一例を概念的に示した断面図である。リトラクタ11は、平面視略U字形状をなす金属製のハウジング11aと、ハウジング11a内に回転自在に設けられた巻取軸11bとを備える。巻取軸11bにはシートベルト10を構成する第1ベルト部分の端部が結合され、巻取軸11bは、図示しない巻き取りばねによってシートベルト10が巻取軸11bに巻き取られる回転方向に付勢されている。従って、シートベルト10は、乗員Aによって引き出しが可能であり、乗員Aにより引き出されたシートベルト10を解放した場合、巻き取りばねの付勢力で所定の位置までシートベルト10が巻き取られ、ハウジング11a内に収容される。
また、リトラクタ11は、巻取軸11bを回転駆動するモータ11dを備えている。モータ11dは、モータ駆動部11eから供給された電流によって駆動する。巻取軸11bは、中心部から中心方向外側へ突出した軸部11cを有し、該軸部11cは動力伝達機構11gを介してモータ11dの駆動軸11fに接続されている。巻取軸11bは、動力伝達機構11gを介して伝達した駆動力によって、ベルト巻き取り方向へ回転する。
動力伝達機構11gは、モータ11dの出力軸の回転を、巻取軸11bに伝達するギアと、該ギアの回転方向を規制するクラッチとで構成される。モータ11dが正回転した場合、クラッチが動作し、モータ11dの駆動力が巻取軸11bに伝達し、巻取軸11bは、ベルト巻き取り方向へ回転する。モータ11dが逆回転した場合、クラッチが解除され、モータ11dの駆動力が巻取軸11bに伝達されない。
更に、リトラクタ11には、火薬式プリテンショナ11hが設けられている。火薬式プリテンショナ11hは、火薬と、該火薬を着火させる着火剤と、該火薬の爆発力を巻取軸11bの回転力として該巻取軸11bに伝達する機構とを有する。車両の衝突が検知された場合、制御部12の制御に従って、着火剤に電流が流れ、火薬が爆発し、火薬の爆発力によって、巻取軸11bがベルト巻取り方向に回転する。
更にまた、リトラクタ11は、引き出しロック機構を備える。引き出しロック機能は、例えばシートベルト10の引き出し加速度が所定加速度以上になった場合に、シートベルト10の引き出しをロックする機構である。
更にまた、リトラクタ11は、ロードリミッタ機構を備える。ロードリミッタ機構は、シートベルト10に加わる荷重が所定荷重以上になった場合、シートベルト10の引き出しがロックされていてもベルトが引き出され、前記荷重が所定荷重以上に上昇しないように構成されている。ロードリミッタ機構は、例えば、該巻取軸11bの途中に設けられたトーションバー部分で構成され、所定荷重以上の回転応力が加わると降伏して回転するように構成されている。
巻取り・引出し検知手段15は、図1及び図2に示すように、巻取軸11bの軸部11cに接続された回転検出部16(回転検出手段)を備える。
図3は、回転検出部16の内部構成を概念的に示した側面図、図4は、回転検出部16の内部構成を概念的に示した正面図である。回転検出部16は、例えば、磁気ディスク16aと、第1及び第2ホール素子(磁界検出素子)16c、16dとを有する。
磁気ディスク16aは、円板状をなし、その中心部は巻取軸11bの軸部11cに連結され、巻取軸11bの軸部11cの回転動作と連動して一体的に回転する。磁気ディスク16aの円周縁部には、周方向にN極領域16eとS極領域16fとが交互に配列した磁極配列部16bが形成されている。
第1及び第2ホール素子16c、16dは、磁気ディスク16aの磁極配列部16bの近傍に配され、周方向に所定距離離隔しており、N極領域16eとS極領域16fの位置関係に応じた異なる位相の回転検出信号P1,P2を制御部12へ出力する。回転検出信号P1,P2の位相の関係に基づいて、巻取軸11bの回転方向を検出することができる。例えば、回転検出信号P1を、P1=sin(ωt)で表した場合、巻取軸11bがベルト引き出し方向へ回転しているとき、回転検出信号P2は、P2=sin(ωt+α)で表され、巻取軸11bがベルト巻き取り方向へ回転しているとき、回転検出信号P2は、P2=sin(ωt−α)で表される。但し、ωは回転検出信号P1,P2の周波数、tは時間、α≠0は、第1及び第2ホール素子の配置で特定される定数である。
また、回転検出信号P1,P2は、パルス信号であり、パルス信号の周波数に基づいて、回転速度を検出することもできる。
衝突予測部13は、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波センサ又は撮像装置等の非接触型距離センサを備えており、該非接触型距離センサによって所定時間毎に自車と障害物との距離を計測する。衝突予測部13は、計測された距離の時間的変化から相対速度を計算する。距離を相対速度で除算して衝突までの時間を計算する。該衝突時間が予め設定された所定時間以下なら、衝突の可能性があるとして衝突予測検知信号を制御部12へ出力する。
なお、衝突予測部13を、ヨーレート検知センサ、ロール検知センサ、車両周囲モニター等で構成しても良い。
衝突検知部14は、例えば、衝突時に車体に発生する衝撃を検出する加速度センサを備え、火薬式プリテンショナ11hの作動が必要な衝突であるか否かを判定する。具体的には、衝撃の強度、即ち検出された加速度の大きさが所定衝撃強度以上であるか否かを判定する。火薬式プリテンショナ11hの作動が必要であると判定された場合は、衝突検知信号を制御部12へ出力する。
なお、衝突検知部14から、車両の衝突の強度を示した加速度センサの検出信号を制御部12へ出力し、火薬式プリテンショナ11hの作動が必要な衝突であるか否かを制御部12側で判定するように構成しても良い。
警告部17は、例えば、発光部であり、リトラクタ11の異常が検知された場合、制御部12の制御に従って、発光する。なお、発光部は一例であり、リトラクタ11の異常を乗員Aに対して報知することができる構成であれば、警告メッセージを表示する液晶ディスプレイ、ブザー、振動するバイブレータ等で構成しても良い。また、他の車両部品を動作させ、または停止させることによって、異常を報知しても良い。
制御部12は、衝突予測部13から出力された衝突予測検知信号を受信した場合、モータ駆動部11eに制御信号を与えて、モータ11dに駆動電流を供給させることによって、モータ11dを駆動させる。モータ11dが駆動すると、モータ11dの駆動力は動力伝達機構11gを介して巻取軸11bに伝達され、巻取軸11bはベルト巻き取り方向へ回転し、シートベルト10の弛みが除去される。
また、制御部12は、衝突検知部14から出力された衝突検知信号を受信した場合、火薬式プリテンショナ11hの着火剤に作動電流を供給することによって、火薬式プリテンショナ11hを作動させる。火薬式プリテンショナ11hが作動すると、モータ駆動後に残ったシートベルト10の弛みが更に除去される。
更に、制御部12には、不揮発性の記憶部12aが設けられており、リトラクタ11の異常、少なくとも動力伝達機構11gの異常が検出された場合、制御部12は、リトラクタ11に異常がある旨のデータを書き込む。制御部12は、記憶部12aに異常がある旨のデータが書き込まれている間、警告部17に電流を供給することによって、リトラクタ11の異常を報知する。
図5は、制御部12の処理手順を示したフローチャートである。制御部12は、衝突予測部13にて、車両が衝突する可能性があるか否かを判定する(ステップS11)。衝突の可能性が無いと判定した場合(ステップS11:NO)、制御部12は、処理を終える。衝突可能性があると判定した場合(ステップS11:YES)、制御部12は、モータ11dを駆動させて、巻取軸11bをシートベルト10の巻き取り方向へ回転させる(ステップS12)。
ステップS12の処理を終えた場合、制御部12は、衝突検知部14にて車両の衝突を検知したか否かを判定する(ステップS13)。衝突が検知されなかった場合(ステップS13:NO)、制御部12は、処理を終える。衝突が検知された場合(ステップS13:YES)、制御部12は、プリテンショナ作動が必要な衝突であるか否か、具体的には衝突検知部14から出力された衝突の強度が所定強度以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
プリテンショナ作動が必要な衝突であると判定した場合(ステップS14:YES)、制御部12は、火薬式プリテンショナ11hを作動させる(ステップS15)。プリテンショナ作動が不要であると判定した場合(ステップS14:NO)、制御部12は、回転検出部16にて巻取軸11bの回転方向を検出し、巻取軸11bが引き出し方向へ回転したか否かを判定する(ステップS16)。巻取軸11bが巻き取り方向へ回転したと判定した場合(ステップS16:NO)、制御部12は、処理を終える。巻取軸11bが引き出し方向へ回転したと判定した場合(ステップS16:YES)、又はステップS15の処理を終えた場合、制御部12は、警告部17を点灯させ(ステップS17)、処理を終える。
実施の形態に係る乗員保護装置1によれば、火薬式プリテンショナ11hが作動しないような衝突であっても、モータ11dから巻取軸11bへの動力伝達機構11gの異常を検知し、警告部17にて該異常を報知することができる。もちろん、火薬式プリテンショナ11hが作動した場合も、警告部17にてリトラクタ11の異常を報知することができる。従って、的確に乗員保護装置1の修理及び交換を促すことができる。
(変形例1)
変形例1に係る乗員保護装置1は、巻取り・引出し検知手段115の構成及び制御部12の処理手順のみが上述の実施の形態と異なるため、以下では主に上記相異点について説明する。
図6は、変形例1に係る乗員保護装置1の構成を示した模式図、図7は、変形例1に係るリトラクタ11の一例を概念的に示した断面図である。変形例1に係る乗員保護装置1を構成する巻取り・引出し検知手段115は、モータ11dの電流を検出する電流検出部18を備える。
電流検出部18は、図示しない電源からモータ11dに流れる電流の大きさを検出し、検出された電流の値を示した信号を制御部12へ出力する。
図8は、変形例1に係る制御部12の処理手順を示したフローチャート、図9は、モータ11dに加わる負荷と、モータ11dに流れる電流との関係を示したグラフである。制御部12は、実施の形態におけるステップS11〜15と同様の処理をステップS111〜115で実行する。
ステップS114で、プリテンショナ作動が不要であると判定した場合(ステップS114:NO)、制御部12は、電流検出部18にて検出されたモータ電流が小さいか否か、即ち該モータ電流が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS116)。図9に示すように、モータ電流と、モータ11dに加わる負荷とは正の相関があるため、モータ電流の大きさに基づいて、モータ11dに加わる負荷の大きさを推定することができる。モータ電流が所定値以上であると判定した場合(ステップS116:NO)、制御部12は処理を終了する。
モータ電流が所定値未満であると判定した場合(ステップS116:YES)、又はステップS115の処理を終えた場合、制御部12は、警告部17を点灯させ(ステップS117)、処理を終える。
変形例1に係る乗員保護装置1によれば、回転検出部16を備えることなく、上述の実施の形態と同様、火薬式プリテンショナ11hが作動しないような衝突であっても、モータ11dから巻取軸11bへの動力伝達機構11gの異常を検知し、警告部17にて該異常を報知することができる。特に変形例1によれば、回転検出部16を廃することができるため、巻取軸11bの軸方向寸法の小型化を図ることができる。
(変形例2)
変形例2に係る乗員保護装置1は、巻取り・引出し検知手段215及び警告部217の構成及び制御部12の処理手順のみが上述の実施の形態と異なるため、以下では主に上記相異点について説明する。
図10は、変形例2に係る乗員保護装置1の構成を示した模式図、図11は、変形例2に係るリトラクタ11の一例を概念的に示した断面図である。変形例2に係る乗員保護装置1を構成する巻取り・引出し検知手段215は、実施の形態で説明した回転検出部16と、変形例1で説明した電流検出部18とをそれぞれ備える。
警告部217は、火薬式プリテンショナ11hの異常を報知する第1警告灯217aと、動力伝達機構11gの異常を報知する第2警告灯217bとを備える。
図12は、変形例2に係る制御部12の処理手順を示したフローチャートである。制御部12は、実施の形態におけるステップS11〜14と同様の処理をステップS211〜214で実行する。
プリテンショナ作動が必要な衝突であると判定した場合(ステップS214:YES)、制御部12は、火薬式プリテンショナ11hを作動させ(ステップS215)、第1警告灯217aを点灯させ(ステップS216)、処理を終える。
プリテンショナ作動が不要であると判定した場合(ステップS214:NO)、制御部12は、電流検出部18にて検出されたモータ電流が小さいか否か、即ちモータ電流が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS217)。モータ電流が所定値以上であると判定した場合(ステップS217:NO)、制御部12は、回転検出部16にて巻取軸11bの回転方向を検出し、巻取軸11bが引き出し方向へ回転したか否かを判定する(ステップS218)。巻取軸11bが巻き取り方向へ回転した場合(ステップS218:NO)、制御部12は、処理を終える。モータ電流が所定値未満であると判定した場合(ステップS217:YES)、又は巻取軸11bが引き出し方向へ回転した場合(ステップS218:YES)、第2警告灯217bを点灯させ(ステップS219)、処理を終える。
変形例2に係る乗員保護装置1によれば、上述の実施の形態と同様、火薬式プリテンショナ11hが作動しないような衝突であっても、モータ11dから巻取軸11bへの動力伝達機構11gの異常を検知し、警告部217にて該異常を報知することができる。特に変形例2によれば、動力伝達機構11gの異常を回転検出部16及び電流検出部18の双方を用いて検出する構成であるため、より確実に動力伝達機構11gの異常を検知し、的確に乗員保護装置1の修理及び交換を促すことができる。例えば、車両の衝突が予測された際、モータに負荷がかかっているが、巻取軸が引き出し方向に回転している場合、あるいは、巻取軸が引き出し方向に回転しているものの、モータの負荷が不十分で、シートベルト10の弛み除去が十分に行われていないといった不具合も検出することができる。
また、第1及び第2警告灯217a,217bによって、火薬式プリテンショナ11h及び動力伝達機構11gの異常を各別に報知することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A 乗員
1 乗員保護装置
10 シートベルト
11 リトラクタ
11b 巻取軸
11d モータ
11g 動力伝達機構
11h 火薬式プリテンショナ
12 制御部
13 衝突予測部
14 衝突検知部
15,115,215 巻取り・引出し検知手段
16 回転検出部
16a 磁気ディスク
16b 磁極配列部
16c 第1ホール素子
16d 第2ホール素子
17 警告部
18 電流検出部
217a 第1警告灯
217b 第2警告灯

Claims (5)

  1. 乗員を拘束保護するシートベルトを巻き取る巻取軸と、車両の衝突を予測する衝突予測手段と、該衝突予測手段が車両の衝突を予測した場合、駆動力を前記巻取軸に伝達させて前記巻取軸を前記シートベルトの巻き取り方向へ回転させるモータとを備える乗員保護装置において、
    前記衝突予測手段が車両の衝突を予測した場合、前記モータから前記巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知する検知手段と、
    前記モータから前記巻取軸へ駆動力が伝達されていないことを前記検知手段にて検知した場合、異常を報知する報知手段と
    を備えることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記検知手段は、
    複数の磁石が周方向に配されており、前記巻取軸と一体的に回転する磁気ディスクと、該磁気ディスクの磁界を検出する磁界検出素子とを有し、磁界の変化を検出することによって、前記巻取軸の回転方向を検出する回転検出手段を備え、
    前記報知手段は、
    前記巻取軸が前記シートベルトの引き出し方向へ回転した場合、異常を報知するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記検知手段は、
    前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    該電流検出手段にて検出された電流が所定範囲内にあるか否かを判定する手段と
    を備え、
    前記報知手段は、
    前記モータに流れる電流が所定範囲外である場合、異常を報知するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記検知手段は、
    複数の磁石が周方向に配されており、前記巻取軸と一体的に回転する磁気ディスクと、該磁気ディスクの磁界を検出する磁界検出素子とを有し、磁界の変化を検出することによって、前記巻取軸の回転方向を検出する回転検出手段と、
    前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    該電流検出手段にて検出された電流が所定値未満であるか否かを判定する手段と
    を備え、
    前記報知手段は、
    前記モータに流れる電流が所定値未満である場合、又は前記モータに流れる電流が所定値超であり、かつ前記巻取軸が前記シートベルトの引き出し方向へ回転した場合、異常を報知するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  5. 車両の衝突を検知する衝突検知手段と、
    該衝突検知手段にて検知された衝突の強度が所定強度値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段が所定強度値以上であると判定した場合、前記巻取軸を前記シートベルトの巻き取り方向へ回転させる火薬式プリテンショナと
    を備え、
    前記検知手段は、
    車両の衝突が予測され、かつ衝突の強度が所定強度値未満である場合、前記モータから前記巻取軸への駆動力の伝達の有無を検知するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の乗員保護装置。
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