JP5517366B2 - シートベルト巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輌が衝突した場合に乗員を座席に拘束して保護するために、シートベルトの巻き取りを行うシートベルト巻取装置に関する。
従来、車輌の運転席、助手席及び後部座席等には安全装備としてシートベルトが設けられている。例えば運転席のシートベルトは、一端側が車内のセンターピラー上部に配設されたスルーアンカーに固定され、他端側がシートベルト巻取装置(いわゆるリトラクタ)の巻取軸に巻回されている。シートベルト巻取装置は、例えばセンターピラーの下部、座席の側方に配設されており、巻取軸を正逆方向へ回転させるモータ及びクラッチを備えている。シートベルト巻取装置がモータを正転駆動した場合、クラッチが動作し、モータの駆動力が巻取軸に伝達し、シートベルトが巻き取られる。シートベルト巻取装置がモータを反転駆動した場合、クラッチが解除され、モータの駆動力が巻取軸に伝達されない。
特許文献1には、シートベルトを巻取限界まで巻き取り、その後乗員に所定の弛みを与えるシートベルト弛み付与制御を行う車輌用乗員拘束保護装置が記載されている。この車輌用乗員拘束保護装置は、車速が所定値より大きいか否かを判別し、車速が所定値以下の場合にはシートベルト弛み付与制御を行わず、車速が所定値より大きい場合にシートベルト弛み付与制御を行う。
特許文献2においては、横加速度和センサ及びヨーレートセンサのセンサ信号を基にモータに通電する目標電流を周期的に設定し、目標電流に一致するようモータの通電電流を制御する標準電流制御モードと、クラッチを接続状態に維持し得る低電流でモータに通電する保持電流制御モードとを、目標電流の計時変化に応じて選択し、選択したモードにてモータの電流制御を行うシートベルト装置が提案されている。このシートベルト装置は、ベルトリールの巻き取り位置変化が大きくシートベルトの巻取段階であることが予測される状況では標準電流制御モードにてシートベルトを迅速に巻き取り、ベルトリールの巻き取り位置変化が小さくシートベルトによる乗員拘束段階であることが予測される状況では保持電流制御モードにて乗員を拘束する。
特開2000−16247号公報 特開2010−23644号公報
従来のシートベルト巻取装置は、各種のセンサの検知結果から車輌の衝突を検知又は予測し、危険があると判断した場合にモータを正転駆動する。これによりモータが回転した場合、クラッチが作動してモータの回転がシートベルトの巻取軸に伝達され、シートベルトが巻き取られて乗員が拘束される。しかし従来のシートベルト巻取装置は、危険があると判断してからクラッチが作動するまでに数十ms程度の時間を要するという問題があった。特許文献1に記載の車輌用乗員拘束保護装置も同様の問題を有している。
また特許文献2に記載のシートベルト装置は、保持電流制御モードにてクラッチを接続状態に維持することができるが、車輌の走行中にモータを継続的に通電する必要があるため、電力消費量の増大及びモータの発熱等の問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、危険があると判断してから短時間でシートベルトによる乗員の拘束を行うことができると共に、電力消費量を低減でき、モータの発熱などの問題が発生することのないシートベルト巻取装置を提供することにある。
本発明に係るシートベルト巻取装置は、車輌の乗員を座席に拘束するシートベルトを巻き取る巻取軸と、該巻取軸の回転駆動力を発生するモータと、該モータから前記巻取軸への駆動力の伝達経路を接続/遮断するクラッチとを備えるシートベルト巻取装置において、前記車輌の走行速度を検出する車速検出部と、前記シートベルトの巻き取りに係る制御を行う制御部とを備え、該制御部は、前記車速検出部が検出した走行速度が所定速度を超えない場合に、前記クラッチを遮断状態とし、且つ、前記モータを停止状態とし、前記車速検出部が検出した走行速度が所定速度を超える場合に、前記クラッチを接続状態とし、且つ、前記モータを停止状態とするようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るシートベルト巻取装置は、前記クラッチが、前記モータの一方向への回転により接続され、反対方向への回転により遮断されるようにしてあり、前記制御部は、前記車速検出部が検出した走行速度が前記所定速度を超えない状態から前記所定速度を超える状態へ変化した場合に、前記モータを前記一方向へ回転して前記クラッチを接続した後、前記モータを停止するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るシートベルト巻取装置は、前記制御部が、前記車速検出部が検出した走行速度が前記所定速度を超える状態から前記所定速度を超えない状態へ変化した場合に、前記モータを前記反対方向へ回転して前記クラッチを遮断した後、前記モータを停止するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るシートベルト巻取装置は、前記車輌の衝突を予測する予測手段を備え、前記制御部は、前記車輌が衝突すると前記予測手段が予測した場合に、前記モータを前記一方向へ回転して前記シートベルトの巻き取りを行うようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、車輌の車速が所定速度を超えるか否かに応じて、シートベルトを巻き取る駆動力を発生するモータと、モータからシートベルトの巻取軸への駆動力の伝達経路を接続/遮断するクラッチとの動作を制御する。シートベルト巻取装置は、車速が所定速度を超えない低速走行時において、従来と同様に、クラッチを遮断状態とし、且つ、モータを停止状態とする。
これに対して車速が所定速度を超える高速走行時において、シートベルト巻取装置は、クラッチを接続状態とし、且つ、モータを停止状態とする。クラッチを接続状態とすることにより、シートベルトの巻取軸とモータとが接続された状態となるため、シートベルトに引き出し抵抗があり、車輌の乗員を軽い拘束状態とすることができる。クラッチが接続状態であるため、緊急時には乗員拘束をより早く行うことができる。またモータは停止状態であるため、モータによる電力消費がない。
また、本発明においては、クラッチは、モータの一方向(シートベルトを巻き取る方向)への回転により接続され、反対方向への回転により遮断される構成とする。これにより、モータの回転を制御することでクラッチの接続/遮断を制御することができる。
シートベルト巻取装置は、車速が所定速度を超えない状態から所定速度を超える状態へ変化した場合に、モータを一方向へ回転してクラッチを接続した後、モータを停止する。これによりクラッチを接続状態とし、且つ、モータを停止状態とする制御を容易に行うことができる。
また、本発明においてシートベルト巻取装置は、車速が所定速度を超える状態から所定速度を超えない状態へ変化した場合に、モータを反対方向へ回転してクラッチを遮断した後、モータを停止する。これによりクラッチを遮断状態とし、且つ、モータを停止状態とする制御を容易に行うことができる。
また、本発明においては、例えばミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波センサ又は撮像装置等の各種のセンサを利用して車輌の衝突を予測する。車輌が衝突することが予測される場合には、モータを巻き取り方向へ回転させてシートベルトの巻き取りを行い、乗員を拘束する。車輌の高速走行時には、上述のようにクラッチが既に接続状態であるため、モータの回転開始によりシートベルトの巻き取りを開始することができる。
本発明に係るシートベルト巻取装置は、車速が所定速度を超える場合にクラッチを接続状態とし、且つ、モータを停止状態としておく。クラッチを接続状態としておくことにより、シートベルト巻取装置は、車輌の衝突などの危険があると判断してから短時間でシートベルトによる乗員の拘束を行うことができる。また高速走行時にはシートベルトの巻取軸とモータとが接続された状態となるため、シートベルトに引き出し抵抗があり、車輌の乗員を軽い拘束状態とすることができるため、乗員に安心感を与えることができる。またモータは停止状態であるため、モータの電力消費量を低減でき、モータの発熱などの問題が発生することを防止できる。
本実施の形態に係る乗員保護装置の構成を示した模式図である。 リトラクタの構成を示す模式図である。 動力伝達機構のクラッチの構成を示す断面図である。 クラッチの動作の説明図である。 クラッチの動作の説明図である。 クラッチの動作の説明図である。 リトラクタの構成を示すブロック図である。 車速に応じたモータ及びクラッチの制御処理の手順を示すフローチャートである。 衝突の予測及び検知の結果に応じた乗員拘束処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本実施の形態に係る乗員保護装置の構成を示した模式図である。本実施の形態の乗員保護装置1は、いわゆる3点式であり、乗員Aを座席Cに拘束するためのシートベルト10と、シートベルト10を引き出し可能に巻き取るリトラクタ(シートベルト巻取装置)12とを備えている。リトラクタ12は、センターピラーBの下部、座席Cの側方に配設されている。
シートベルト10の一端部は、リトラクタ12に接続されている。リトラクタ12から引き出されたシートベルト10は、センターピラーBの上部に配設されたスルーアンカー11で折り返され、他端部がセンターピラーBの下部に固定されたアンカー14に接続されている。またシートベルト10の中途部分には、タングプレート15が移動可能に挿通してある。タングプレート15は、座席Cを挟んでリトラクタ12の反対側に配設されたバックル16に装着される。バックル16には、タングプレート15が装着されているか否かを示す信号を制御部17(図2参照)へ出力するバックルスイッチ16aが設けられている。
図2は、リトラクタ12の構成を示す模式図である。リトラクタ12は、金属製のハウジング12a内に回転自在に設けられた巻取軸12bを備えている。巻取軸12bには、シートベルト10の一端部が接続されている。巻取軸12bは、図示しない巻き取りばねによってシートベルト10が巻き取られる回転方向へ付勢されている。従ってシートベルト10は、乗員Aによって引き出しが可能であり、乗員Aにより引き出されたシートベルト10を解放した場合、巻き取りばねの付勢力で所定の位置までシートベルト10が巻き取られ、ハウジング12a内に収容される。
またリトラクタ12は、巻取軸12bをシートベルト10の巻取方向及び引出方向へ正逆回転させるモータ12dと、モータ12dを流れる電流を検出する電流検出部12iとを備えている。電流検出部12iは、検出した電流値を示す信号を制御部17へ出力する。モータ12dはモータ駆動部12eから供給された電流によって回転し、モータ駆動部12eは制御部17によって制御されている。詳しくは、モータ駆動部12eはインバータ回路を有しており、制御部17は、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号をモータ駆動部12eへ出力することによって、モータ駆動部12eが有するインバータ回路のスイッチング素子をオン/オフし、モータ12dを正逆回転する。モータ駆動部12eが出力するモータ12dの駆動電圧は、例えば12Vである。
巻取軸12bは、その中心部から軸方向の外側へ突出した軸部12cを有している。軸部12cは、動力伝達機構12gを介してモータ12dの駆動軸12fに接続されている。巻取軸12bは、動力伝達機構12gを介して伝達されたモータ12dの駆動力によって回転する。
動力伝達機構12gは、モータ12dの駆動軸12fの回転を、巻取軸12bの軸部12cに伝達するギアと、ギアの回転を規制するクラッチとを備えて構成されている。モータ12dが正回転した場合、クラッチが動作し、モータ12dの駆動力が巻取軸12bに伝達し、巻取軸12bは、ベルト巻き取り方向へ回転する。モータ12dが逆回転した場合、クラッチが解除され、モータ12dの駆動力が巻取軸12bに伝達されない。なお、動力伝達機構12gのクラッチの詳細な構成については後述する。
またリトラクタ12には、ガス発生剤式のプリテンショナ12hが設けられている。プリテンショナ12hは、ガス発生剤と、該ガス発生剤を着火させる着火剤と、該ガス発生剤から発生したガスの圧力を巻取軸12bの回転力として該巻取軸12bに伝達する機構とを有する。車両の衝突が検知された場合、制御部17の制御に従って、着火剤に電流が流れ、ガス発生剤からガスが発生し、発生したガスの圧力によって、巻取軸12bがベルト巻取り方向に回転する。
またリトラクタ12は、引き出しロック機構(図示は省略する)を備える。引き出しロック機能は、例えばシートベルト10の引き出し加速度が所定加速度以上になった場合に、シートベルト10の引き出しをロックする機構である。
またリトラクタ12は、ロードリミッタ機構(図示は省略する)を備える。ロードリミッタ機構は、シートベルト10に加わる荷重が所定荷重以上になった場合、シートベルト10の引き出しがロックされていてもベルトが引き出され、荷重が所定荷重以上に上昇しないように構成されている。ロードリミッタ機構は、例えば、該巻取軸12bの途中に設けられたトーションバー部分で構成され、所定荷重以上の回転応力が加わると降伏して回転するように構成されている。
図3は、動力伝達機構12gのクラッチ20の構成を示す断面図である。クラッチ20は、ジョイント28、フリクションスプリング29、クラッチホイール30、クラッチプレート31、リング32、ポール33、リターンスプリング34及びロータカム35等を備えて構成されており、これらが図示しないクラッチハウジング内に収容されている。
ジョイント28は、巻取軸12bの軸部12cと同芯に結合されており、軸部12cと一体的に回転する。
ラッチプレート31は、歯部39が外周部に形成された円板状をなし、ダンパスプリング(図示は省略する)を介してジョイント28に結合されている。例えばジョイント28及びラッチプレート31の間に組み込まれたダンパスプリングは、ねじりコイルバネであり、コイル部分がジョイント28内に収納される。ダンパスプリングは、一端部がジョイント28に係止され、他端部がラッチプレート31に係止されて、モータ12dの巻き取り駆動時にラッチプレート31が回転した際、駆動力がシートベルト10へ急激に伝達されることを防止している。
モータ12dの回転が伝達されるファイナルギア38は、外周部に歯部が形成された円環状をなし、内周部には一体回転可能にリング32が設けられている。
フリクションスプリング29は、金属線を環状に湾曲させた形状をなし、終端部がクラッチハウジングに係止され、リング32の内周部に配置されたクラッチホイール30を摺動自在に支持している。
ポール33は、リング32の一部に揺動自在に支持されると共に、リターンスプリング34によってラッチプレート31から解除される方向へ常時付勢されている。リターンスプリング34は、一端部がポール33の端部に係止され、他端部がリング32の一部に係止されている。ポール33は、モータ12dの正転によりファイナルギア38が回転した際に、ロータカム35のカム面35aに沿ってラッチプレート31側へ揺動し、ラッチプレート31の歯部39と係合する。これにより、ファイナルギア38は、ラッチプレート31を介して巻取軸12bの軸部12cに連結される。
ロータカム35は、クラッチホイール30に設けられた軸41回りに揺動可能であるが、通常時は剪断ピン40によって揺動不可能に固定されている。ロータカム35は、ファイナルギア38と共にポール33が回動した際に、ポール33と当接するカム面35aを有している。またプリテンショナ12hが作動した場合、剪断ピン40が破断され、ロータカム35は、軸41回りに揺動してポール33をラッチプレート31から退避させ、クラッチ20が作動しないようにする。
図4〜図6は、クラッチ20の動作の説明図である。上記の図3に示すように、モータ12dによりシートベルト10の巻き取りが行われていない場合には、ポール33はラッチプレート31の歯部39に係止されていないため、巻取軸12bはいずれの方向にも回転可能な状態にある。モータ12dが正転し始めた場合(図4参照)、モータ12dの駆動軸12fに連結されたファイナルギア38が図4の反時計回り(図4の矢印参照)に回転される。これによりファイナルギア38と共にリング32及びポール33が反時計回りに移動し、リターンスプリング34の付勢力に抗してポール33がロータカム35のカム面35aに沿ってラッチプレート31へ向けて揺動し始める。
モータ12dによりファイナルギア38が更に回転を続けた場合(図5参照)、ポール33がラッチプレート31の歯部39に係止されてクラッチ20が接続され、モータ12dの動力を巻取軸12bへ伝達可能な状態になる。ラッチプレート31の回転動力は、ダンパスプリングを介して巻取軸12bの軸部12cへ伝わり、シートベルト10が巻き取られる。このときロータカム35とクラッチホイール30とは、フリクションスプリング29に抗して摺動回転する。そしてモータ12dは、シートベルト10の巻き取りが終わると駆動が停止される。
また、モータ12dが反転した場合(図6参照)、ファイナルギア38と共にポール33が図6の時計回り(図6の矢印参照)に回転される。しかしロータカム35及びクラッチホイール30はフリクションスプリング29に付勢されて回転しない。ポール33は、リターンスプリング34の付勢によってロータカム35及びラッチプレート31から離れる方向へ揺動される。よってポール33はラッチプレート31の歯部39から外れ、クラッチ20が遮断されるため、モータ12dの動力を巻取軸12bへ伝達不可能な状態になる。
図7は、リトラクタ12の構成を示すブロック図である。リトラクタ12は、上述のモータ駆動部12e及びプリテンショナ12h等の動作を制御する制御部17を備えている。制御部17は、電流検出部12i、バックルスイッチ16a、衝突予測部18、衝突検知部19、車速計21及び記憶部22等が接続され、これらから与えられる各種の情報に基づいて制御処理を行っている。制御部17は、例えばCPUを有するマイクロコンピュータで構成される。
電流検出部12iは、モータ12dを流れる電流を検出し、検出結果を制御部17へ与える。バックルスイッチ16aは、シートベルト10のタングプレート15が装着されているか否かを示す信号を制御部17へ出力する。車速計21は、車両の速度を検出し、検出した速度を示した信号を制御部17へ出力する。記憶部22は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等で構成され、制御部17の動作に必要なコンピュータプログラム及び各種情報を予め記憶している。制御部17は、記憶部22からコンピュータプログラム及び各種情報を読み出して実行することによって制御処理を行う。
衝突予測部18は、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波センサ又は撮像装置等の非接触型距離センサを備えており、該非接触型距離センサによって所定時間毎に自車と障害物との距離を計測する。衝突予測部18は、計測された距離の時間的変化から相対速度を計算する。距離を相対速度で除算して衝突までの時間を計算する。該衝突時間が予め設定された所定時間以下なら、衝突の可能性があるとして衝突予測検知信号を制御部17へ出力する。
なお衝突予測部18を、ヨーレート検知センサ、ロール検知センサ、車輌周囲モニタ等で構成してもよい。
衝突検知部19は、例えば、衝突時に車体に発生する衝撃を検出する加速度センサを備え、プリテンショナ12hの作動が必要な衝突であるか否かを判定する。具体的には、衝撃の強度、即ち検出された加速度の大きさが所定衝撃強度以上であるか否かを判定する。プリテンショナ12hの作動が必要であると判定された場合は、衝突検知信号を制御部17へ出力する。
なお衝突検知部19から、車輌の衝突の強度を示した加速度センサの検出信号を制御部17へ出力し、プリテンショナ12hの作動が必要な衝突であるか否かを制御部17側で判定するように構成してもよい。
制御部17は、衝突予測部18にて車輌の衝突が予測された場合、モータ駆動部12eにてモータ12dを正転駆動し、シートベルト10の巻き取りを行って、シートベルト10の弛みを除去する。その後、衝突検知部19にて車輌の衝突が検知された場合、制御部17は、プリテンショナ12hを作動させて、残ったシートベルト10の弛みを更に除去し、乗員を拘束する。
また本実施の形態の制御部17は、衝突予測部18が衝突を予測せず、且つ、衝突検知部19が衝突を検知していない場合、車速計21が検出する車速に応じてモータ12dの駆動制御及びクラッチ20の接続/遮断制御を行う。制御部17は、車速計21が検出した車速が所定速度(例えば時速30km/hなど)を超えるか否かを判定する。車速が所定速度を超えない場合、制御部17は、モータ12dを停止状態とし、且つ、クラッチ20を遮断状態とする。また車速が所定速度を超えない状態から所定速度を超える状態へ変化した場合、制御部17は、モータ12dを正転させてクラッチ20を接続状態とした後、モータ12dを停止状態とする。その後、車速が所定速度を超える状態が維持されている場合、制御部17は、クラッチ20を接続状態とし、且つ、モータ12dを停止状態として維持する。車速が所定速度を超える状態から所定速度を超えない状態へ変化した場合、制御部17は、モータ12dを反転させてクラッチ20を遮断状態とした後、モータ12dを停止状態とする。
図8は、車速に応じたモータ12d及びクラッチ20の制御処理の手順を示すフローチャートである。なお図示のフローチャートでは、制御処理のためにフラグを使用しているが、このフラグはクラッチが接続状態であるか否かを示すものであり、制御部17を構成するマイクロコンピュータのレジスタ又はメモリ等を利用して実現される。フラグ=0はクラッチ20が遮断状態であることを示し、フラグ=1はクラッチ20が接続状態であることを示す。
まず制御部17は、フラグの値を0に初期化する(ステップS1)。次いで制御部17は、車速計21による車速の検出を行い(ステップS2)、検出した車速が所定速度を超えるか否かを判定する(ステップS3)。
車速が所定速度を超える場合(S3:YES)、制御部17は、フラグの値が1であるか否かを更に判定する(ステップS4)。フラグの値が1でない場合、即ちフラグの値が0の場合(S4:NO)、制御部17は、モータ駆動部12eによりモータ12dを正転駆動して(ステップS5)、クラッチ20を接続状態とする(ステップS6)。その後、制御部17は、モータ12dの回転を停止し(ステップS7)、フラグに1を設定して(ステップS8)、ステップS2へ処理を戻す。またステップS4にてフラグの値が1の場合(S4:YES)、既にクラッチ20は接続状態であるため、制御部17はステップS2へ処理を戻す。
また、車速が所定速度を超えない場合(S3:NO)、制御部17は、フラグの値が1であるか否かを更に判定する(ステップS9)。フラグの値が1の場合(S9:YES)、制御部17は、モータ駆動部12eによりモータ12dを反転駆動して(ステップS10)、クラッチ20を遮断状態とする(ステップS11)。その後、制御部17は、モータ12dの回転を停止し(ステップS12)、フラグに0を設定して(ステップS13)、ステップS2へ処理を戻す。またステップS9にてフラグの値が1でない場合(S9:NO)、既にクラッチ20は遮断状態であるため、制御部17はステップS2へ処理を戻す。
図9は、衝突の予測及び検知の結果に応じた乗員拘束処理の手順を示すフローチャートである。まず制御部17は、車速計21による車速の検出を行い(ステップS21)、検出した車速が所定速度を超えるか否かを判定する(ステップS22)。なおステップS22の判定に用いる所定速度は、図8のステップS3の判定に用いた所定速度と同じ速度であってよく、異なる速度であってもよい。車速が所定速度を超えないと判定した場合(S22:NO)、制御部17は、ステップS21へ処理を戻し、車速が所定速度を超えるまでステップS21及びS22の処理を繰り返し行う。
車速が所定速度を超える場合(S22:YES)、制御部17は、衝突予測部18から与えられる信号に基づいて、車輌の衝突が予測されるか否かを判定する(ステップS23)。車輌の衝突が予測される場合(S23:YES)、制御部17は、モータ駆動部12eによりモータ12dを正転駆動し(ステップS24)、シートベルト10の巻き取りを行って、ステップS25へ処理を進める。車輌の衝突が予測されない場合(S23:NO)、制御部17は、モータ12dを駆動せずにステップS25へ処理を進める。
次いで制御部17は、衝突検知部19から与えられる信号に基づいて、車輌の衝突を検知したか否かを判定する(ステップS25)。衝突を検知していない場合(S25:NO)、制御部17は、ステップS21へ処理を戻し、上述の処理を繰り返し行う。衝突を検知した場合(S25:YES)、制御部17は、プリテンショナ12hを作動させて(ステップS26)、シートベルト10にて乗員を拘束し、処理を終了する。
以上の構成のリトラクタ12は、車速計21が検出した車速が所定速度を超えるか否かを判定し、車速が所定速度を超えない場合には、クラッチ20を遮断状態とし、且つ、モータ12dを停止状態とする。またリトラクタ12は、車速が所定速度を超える場合には、クラッチ20を接続状態とし、且つ、モータ12dを停止状態とする。リトラクタ12の制御部17がこのような制御を行うことによって、車速が所定速度を超える高速走行時に、巻取軸12bとモータ12dとが接続された状態となるため、車輌の衝突が予測される場合にシートベルト10の巻き取りをより早く行うことができる。またシートベルト10に引き出し抵抗を与えることができ、車輌の乗員を軽い拘束状態とすることができるため、乗員に安心感を与えることができる。またモータ12dは停止状態であるため、モータ12dにて電力が消費されず、発熱などの虞もない。
リトラクタ12は、モータ12dの駆動力が伝達されるファイナルギア38と一体で回転するリング32に設けたポール33と、シートベルト10の巻取軸12bと一体で回転するラッチプレート31とが、モータ12dを正転駆動した場合に係合して、クラッチ20が接続される構成である。またモータ12dを反転駆動した場合には、ポール33とラッチプレート31との係合が解除され、クラッチ20が遮断される構成である。この構成により、リトラクタ12は、モータ12の回転を制御することでクラッチ20の接続/遮断を制御することができる。
リトラクタ12は、車速が所定速度を超えない状態から所定速度を超える状態へ変化した場合に、モータ12dを正転駆動してクラッチ20を接続した後、モータ12dを停止する。これによりリトラクタ12は、クラッチ20を接続状態とし、且つ、モータ12dを停止状態とする制御を行うことができる。またリトラクタ12は、車速が所定速度を超える状態から所定速度を超えない状態へ変化した場合に、モータ12dを反転駆動してクラッチ20を遮断した後、モータ12dを停止する。これによりリトラクタ12は、クラッチ20を遮断状態とし、且つ、モータ12dを停止状態とする制御を行うことができる。
またリトラクタ12は、衝突予測部18にて各種のセンサに基づき車輌の衝突を予測し、車輌が衝突することが予測される場合に、モータ12dを正転駆動してシートベルト10の巻き取りを行い、乗員を拘束する。車輌の高速走行時には、クラッチ20が既に接続状態であるため、リトラクタ12は、モータ12dの回転開始によりシートベルト10の巻き取りを開始することができる。
なお本実施の形態においては、車輌の車速が所定速度を超える場合にのみ、衝突予測部18の予測結果に基づくシートベルト10の巻き取りと、衝突検知部19の検知結果に基づく乗員の拘束とを行う構成としたが、これに限るものではない。車速とは関係なく、車速が所定速度を超えない場合であっても、衝突予測部18の予測結果に基づくシートベルト10の巻き取りと、衝突検知部19の検知結果に基づく乗員の拘束とを行う構成としてもよい。また衝突予測部18、衝突検知部19又は車速計21は、リトラクタ12が備えるのではなく、車輌に搭載された別の装置が備える構成であってよい。例えば、別の装置とリトラクタ12と車内ネットワークなどを介して通信を行い、衝突予測結果、衝突検知結果又は車速検出結果をリトラクタ12が取得する構成とすることができる。この場合には、リトラクタ12に通信手段が備えられ、この通信手段が車速検出部又は予測手段に相当する。
1 乗員保護装置
10 シートベルト
12 リトラクタ(シートベルト巻取装置)
12b 巻取軸
12c 軸部
12d モータ
12e モータ駆動部
12f 駆動軸
12g 動力伝達機構
17 制御部
18 衝突予測部(予測手段)
19 衝突検知部
20 クラッチ
21 車速計(車速検出部)
22 記憶部
30 クラッチホイール
31 ラッチプレート
32 リング
33 ポール
34 リターンスプリング
35 ロータカム
38 ファイナルギア
39 歯部

Claims (4)

  1. 車輌の乗員を座席に拘束するシートベルトを巻き取る巻取軸と、該巻取軸の回転駆動力を発生するモータと、該モータから前記巻取軸への駆動力の伝達経路を接続/遮断するクラッチとを備えるシートベルト巻取装置において、
    前記車輌の走行速度を検出する車速検出部と、
    前記シートベルトの巻き取りに係る制御を行う制御部と
    を備え、
    該制御部は、
    前記車速検出部が検出した走行速度が所定速度を超えない場合に、前記クラッチを遮断状態とし、且つ、前記モータを停止状態とし、
    前記車速検出部が検出した走行速度が所定速度を超える場合に、前記クラッチを接続状態とし、且つ、前記モータを停止状態とするようにしてあること
    を特徴とするシートベルト巻取装置。
  2. 前記クラッチは、前記モータの一方向への回転により接続され、反対方向への回転により遮断されるようにしてあり、
    前記制御部は、
    前記車速検出部が検出した走行速度が前記所定速度を超えない状態から前記所定速度を超える状態へ変化した場合に、前記モータを前記一方向へ回転して前記クラッチを接続した後、前記モータを停止するようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載のシートベルト巻取装置。
  3. 前記制御部は、前記車速検出部が検出した走行速度が前記所定速度を超える状態から前記所定速度を超えない状態へ変化した場合に、前記モータを前記反対方向へ回転して前記クラッチを遮断した後、前記モータを停止するようにしてあること
    を特徴とする請求項2に記載のシートベルト巻取装置。
  4. 前記車輌の衝突を予測する予測手段を備え、
    前記制御部は、前記車輌が衝突すると前記予測手段が予測した場合に、前記モータを前記一方向へ回転して前記シートベルトの巻き取りを行うようにしてあること
    を特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシートベルト巻取装置。
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