JP5199991B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アイドルストップを行う車両に搭載された装置を制御する技術に関し、特に、シートベルト装置における故障診断および駆動を制御する技術に関する。
従来、車両乗員を拘束するシートベルト(ウェビング)によって当該車両乗員の保護を図る構成のシートベルト装置が知られている。例えば、特許文献1には、車両に搭載されるシートベルトリトラクタにおいて、電動モータを用いたシートベルト格納巻き取り動作の円滑化を図るのに有効な技術について開示されている。
特開2007−112267号公報
近年、燃費改善を実現するためアイドルストップを行う車両が普及している。しかし、アイドルストップを行う車両に搭載されたシートベルト装置に関し、アイドルストップを行うが故に、シートベルト装置の制御に不都合が生じる場合がある。例えば、12Vバッテリを電源として種々の機器を作動させる一般的な車両の場合、アイドルストップ中は車両のオルタネータによる発電が行われないため、電圧が低下してシートベルト装置を制御するシートベルトECU(Electronic Control Unit)がリセットされる事態が生じることが想定される。リセットされたシートベルトECUは、エンジンが始動すればオルタネータが発電を開始するので、電圧の回復とともに再立ち上げされるが、再立ち上げまでの間、シートベルト装置を作動することできず、乗員に対して違和感を与えるといったようなことが想定される。また、リセットされたシートベルトECUが立ち上がる際に、付随した不具合も生じることが想定される。
しかし、特許文献1に開示された技術をはじめとして、現状では、前記した不都合を解消しきれていない。
このような事情を鑑みて、本発明では、アイドルストップを行う車両に搭載されたシートベルト装置における制御を適切に行うことを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、前記シートベルト装置における制御の一例としてプリテンショナECU(シートベルトECU)が行う故障診断(機能診断)を例にとると、その故障診断として、一旦リセットされ、アイドルストップから復帰するとき(リセット立ち上がり時)に行う専用の故障診断を新たに設定することを特徴とする。この専用の故障診断は、イグニッション状態をオン状態にしてエンジンを始動したときに行われる故障診断と比べ診断項目が少なくなっている。
詳細は後記する。
本発明によれば、アイドルストップを行う車両に搭載されたシートベルト装置における制御を適切に行うことができる。
本実施の形態のシートベルト装置100の概略構成を示す図である。 図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。 モータ7の電気回路図である。 ECU20の機能構成ブロック図である。 故障診断テーブル208の詳細図である。 シートベルト装置100における故障診断及びリトラクト処理を示すフローチャートである。
≪構成≫
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態であるシートベルト装置100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態のシートベルト装置100の概略構成を示す図である。また、図2は、図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。
また、本実施の形態のシートベルト装置100が搭載される車両は、一例として、12Vのバッテリ、シートベルト装置100を電動モータで駆動するプリテンショナ、およびプリテンショナを制御するプリテンショナECUを備え、アイドルストップを行う12Vバッテリ搭載の一般車両(非ハイブリッド車両)である。アイドルストップ終了時は、12Vバッテリを電源としてセルモータによるクランキングでエンジンを始動する。
ちなみに、エンジンと電動モータを搭載したハイブリッド車両などは、12Vバッテリのほかに、300V程度の高圧かつ容量が大きな高圧バッテリを搭載しているので、課題の欄で説明したような不具合はほとんど生じることがない。ただし、本発明はハイブリッド車両にも適用可能であり、リセットが生じた場合に後記するような効果を奏する。
次に、図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、自動車車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ(伝達機構)1、シートベルト3、ショルダーガイドアンカー10、トング(「タング」ともいう)12、アウトアンカー14、シートベルトバックル16、ECU20(プリテンショナECU:制御装置)等を主体に構成されている。また、車両には、当該車両の衝突予知や衝突発生に関する情報、当該車両の運転状態に関する情報、シートに着座している車両乗員の着座位置や体格に関する情報、周辺の交通状況に関する情報、天候や時間帯に関する情報等の各種の情報を検出して、その検出情報をECU20に対し入力する入力要素30が搭載されている。この入力要素30の検出情報が、常時又は所定時間毎にECU20に伝達され、シートベルト装置100等の動作制御に用いられる。
本実施の形態の入力要素30には、車両の衝突予知や実際の衝突発生といった、車両衝突に関する情報を検知する車両衝突情報検知センサ32が含まれている。この車両衝突情報検知センサ32は、自車両に対する衝突対象物(別車両、障害物、歩行者等)との間の距離、相対速度、相対加速度や、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度等の検出情報(検出信号)を検出(計測)可能なセンサとして構成される。この車両衝突情報検知センサ32は、単一の検出センサとして構成されてもよいし、或いは単一の検出センサを複数組み合わせて構成されてもよい。具体的には、ミリ波レーダ、レーザーレーダ、加速度センサ、カメラセンサ等を用いて車両衝突情報検知センサ32を構成することができる。
また、本実施の形態では、車両に搭載された車両ドア開閉センサ52によって車両ドア50の開閉状態、すなわち車両ドア50が開放状態であるか閉止状態であるかが検出されるようになっている。この車両ドア開閉センサ52としては、例えば車両ドア側の第1接点と、車体ピラー側の第2接点とが接触することで車両ドアの閉止状態を検出可能な接触式センサを用いることができる。この車両ドア開閉センサ52を、シートベルトリトラクタ1ないしシートベルト装置100の構成要素とすることもできる。この車両ドア開閉センサ52によって検出された検出情報はECU20に伝達され、シートベルト装置100における処理に用いられる。
シートベルト3は、運転席である車両シート40に着座した車両乗員C(「運転者」ともいう)の拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルト(ウェビング)である。このシートベルト3は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ1から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー10を経由し、トング12を通ってアウトアンカー14に連結されている。ショルダーガイドアンカー10は、車両乗員Cの乗員肩部領域においてシートベルト3を係止しガイド(誘導)する機能を有する。そして、車体に対し固定されたシートベルトバックル16にトング12が挿入係合されることによって、当該シートベルト3が車両乗員Cに対し装着状態となる。
なお、シートベルトバックル16にはバックルスイッチ16aが内蔵されており、シートベルトバックル16にトング12が挿入されたことがこのバックルスイッチ16aによって検知されるように構成されている。従って、バックルON動作がなされたこと(実質的にはシートベルト装着状態になったこと)が、このバックルスイッチ16aによって検知される。このバックルスイッチ16aが検知した情報はECU20に伝達され、シートベルト装着状態であるか、或いはシートベルト装着解除状態であるかが判定されるようになっている。
シートベルトリトラクタ1は、後述するスプール5及びモータ7を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置として構成される。このシートベルトリトラクタ1は、図1に示す例では、車両のBピラー42内の収容空間に装着されている。
ECU20は、入力要素30からの入力信号に基づいて、シートベルトリトラクタ1をはじめ、各種の動作機構に関する制御を行う機能を有し、CPU(演算処理装置(Central Processing Unit))、入出力装置、記憶装置(例:ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスタ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM))、周辺装置等によって構成されている。特に本実施の形態の説明では、このECU20が、シートベルトリトラクタ1の後述するモータ7(電動モータ)に関する制御を行う。具体的には、ECU20が、モータ7の電磁コイルに供給される電流供給量や電流供給方向を制御することによって、モータ7のモータシャフトの回転速度、回転方向、回転時間、回転トルク(出力)等が可変とされる。このECU20は、モータ7の駆動制御を行う手段として構成されるとともに、後述する動力伝達機構9を制御してスプール5にモータ7の動力が伝達される状態を切り換える手段として構成される。なお、このECU20は、シートベルトリトラクタ1に専用の制御手段として設けられてもよいし、或いは当該シートベルトリトラクタ1のみならず、車両の駆動系や電装系を制御する制御手段として兼用とされてもよい。
また、ECU20は、車両に搭載されているFI(Fuel Injection) ECUやエンジンECU等の他のECU(入力要素30の一つ)と、例えば、CAN(Controller Area Network)通信で通信可能に接続されており、他のECUとの間で所定の情報(各種センサから検出された情報を含む)の送受信を行っている。
図2に示すように、シートベルトリトラクタ1は、スプール5、モータ7、動力伝達機構9を主体として構成される。
スプール5は、円柱状ないし円筒状に形成され、そのスプール外周面(シートベルト当接面)がシートベルト3の巻き取り面を構成する。このスプール5は、シートベルト巻き取り方向に回転することによってシートベルト巻き取り面5aにシートベルト3を巻き取る動作を行う一方、シートベルト巻き出し方向に回転することによってシートベルト巻き取り面5aに巻き取られているシートベルト3を巻き出す動作を行う。
モータ7は、電動駆動式のモータとして構成され、動力伝達機構9を介してスプール5に動力を伝達するように構成されている。このモータ7が、シートベルト巻き取り方向に駆動制御されることによってスプール5がシートベルト3の巻き取り動作を行う方向へと回転動作する一方、シートベルト巻き出し方向に駆動制御されることによってスプール5がシートベルト3の巻き出し動作を行う方向へと回転動作することとなる。
図3は、モータ7の電気回路図である。この電気回路図に示すように、モータ7は、例えば、FET(Field Effect Transistor)Q1〜Q4からなるHブリッジ回路と、ブラシ付DCモータM、電流検出回路およびリレー(フェールセーフリレー)を含んで構成されている。
ECU20からの制御信号により、リレーのON状態/OFF状態が制御される。リレーがON状態にあるときは、対角に位置するFETのペアQ1/Q4およびQ2/Q3がオンまたはオフすることにより、ブラシ付DCモータMの駆動電流の向きが決まり、その向きに応じてブラシ付DCモータMが正回転または逆回転する。もし、ECU20が電力不足等により停止状態になれば、それに伴いリレーはOFF状態に切り替わる。
モータ7に流れる電流は、電流検出回路において検出電流Iが測定され、ECU20が行う故障診断(機能診断)等に用いられる。
動力伝達機構9は、スプール5とモータ7との間に介在して、スプール5とモータ7とが接続された接続状態(動力伝達モード)、及び当該接続状態が解除された接続解除状態(動力伝達遮断モード)を形成する機構として構成される。この動力伝達機構9は、複数のギア部材等を組み合わせて形成されるいわゆる「クラッチ」とも称呼される。この動力伝達機構9の接続状態は、モータ7の動力を、当該動力伝達機構9を介してスプール5に伝達可能な状態である。従って、この接続状態においてモータ7が駆動制御されることによって、当該モータ7の動力が動力伝達機構9を介してスプール5に伝達される。このとき、モータ7の回転は、動力伝達機構9によって減速されることとなる。これに対し、動力伝達機構9の接続解除状態においては、スプール5とモータ7との物理的な接続が解除され、スプール5からシートベルト3を容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。なお、必要に応じては、スプール5とモータ7との間に動力伝達機構9を介在させないで、スプール5とモータ7とを直接的に接続する構成を採用することもできる。
本実施の形態において、この動力伝達機構9は、特に図示しないものの、いわゆる「単段式クラッチ」として構成される。従って、動力伝達機構9の動力伝達モードにおいて、モータ7が所定のモータ出力で駆動されるとき、モータ7の回転が減速されてスプール5に伝達され、当該スプール5は所定の回転トルク、所定の回転数で回転駆動されることとなる。なお、この動力伝達機構9にかえて、スプールの回転トルク及び回転数を複数段階に可変とするような構成の動力伝達機構を用いることもできる。例えば、スプールの回転トルク及び回転数を2段階に可変とする2段クラッチを用いる場合において、シートベルトを強いベルト張力でスプールに巻き取る動作を行いたいときには、動力伝達機構を、相対的に回転トルクが高く、且つ相対的に回転速度が低い高減速比モードに設定することができる。これに対し、シートベルトをスプールに巻き取る動作を迅速に行いたいときには、当該動力伝達機構を、相対的に回転トルクが低く、且つ相対的に回転速度が高い低減速比モードに設定することができる。
図4は、ECU20の機能構成ブロック図である。図4を参照してECU20の機能構成について説明する。
ECU20は、CPUが実行する処理を実現する手段として、イグニッション状態検出手段201、運転状態検出手段202、アイドルストップ状態判定手段203、駆動制御手段204、リセット検出手段205および故障診断手段(診断手段)206を備えている。また、ECU20は、記憶装置に含まれる情報として、シートベルト制御モード207、故障診断テーブル208を備えている。
イグニッション状態検出手段201は、車両に搭載されたエンジンの点火装置から、エンジン内の混合気の点火の有無を示すイグニッション状態を含む信号を取得し、車両のイグニッション状態を検出する。前記点火装置は、入力要素30の一つである。
運転状態検出手段202は、例えば、アクセルペダルやブレーキペダルといった乗員の操作を受け付ける装置やFI ECUから車両の運転状態を含む信号を取得し、車両の運転状態を検出する。前記乗員の操作を受け付ける装置は、入力要素30の一つである。
アイドルストップ状態判定手段203は、運転状態検出手段202で検出された運転状態に基づいて、車両がアイドルストップ状態であるか否かを判定する。
駆動制御手段204は、モータ7のリレー(図3)を作動させるか否かを示す制御信号をモータ7に送信し、モータ7の駆動制御(リトラクト処理を含む)を行う。モータ7の駆動制御は、主に、後記するシートベルト制御モード207に含まれるモードに従って実行される。
リセット検出手段205は、電源が供給されたときのECU20の立ち上がりが、リセットからの立ち上がりであるか否かを、運転状態検出手段202を介して得られる運転状態に基づいて判断し、リセットからの立ち上がりであると判断すれば、アイドルストップ時にリセットが生じていたと認識(リセット検出)する。
ちなみに、アイドルストップ時のリセットは、ECU20に対する電力供給が不足する場合に生じる。アイドルストップ時の電力供給の不足は、主に、アイドルストップ状態が長時間に亘って継続したり、長時間で無かったとしても、アイドルストップ状態において、他の機器が電力を多く消費したり、また、アイドルストップ状態から復帰してエンジンを始動するためにセルモータでクランキングを行ったりすることで、バッテリの電圧(電源電圧)が著しく低下する(例:4V以下)ためなどである。なお、ECU20とは別のECUであるFI ECUは、例えば電源電圧が3Vまでは機能している。
故障診断手段206は、シートベルト装置100の故障診断を行う。この故障診断には、車両の運転状態に相応しい診断がいくつか含まれており、主に、後記する故障診断テーブル208に含まれる故障項目が実行されるが、本実施形態では、電源が供給された場合の立ち上がり時に行う診断(2種類)と、立ち上がった後の通常状態で(定期的に)行う診断(1種類)とがある。
シートベルト制御モード207は、駆動制御手段204によるモータ7及び動力伝達機構9の駆動制御を定めたモードである。このモードとしては、例えばシートベルト3が使用されずスプール5に完全に巻き取られている状態を示すベルト格納モード、シートベルト3が使用されており、そのシートベルト3の弛み取りやシートベルトリトラクタ1への収納作動の補助を行うコンフォートモード、車両の衝突時にシートベルト3に強い張力を発生させて乗員を確実に拘束する緊急モードが存在する。なお、シートベルト3の使用または未使用は、例えばバックルスイッチ16a(図1参照)がON状態またはOFF状態になっていることで判別することができる。
故障診断テーブル208は、故障診断手段206が行うシートベルト装置100の故障診断の詳細を定めたテーブルである。
図5に、故障診断テーブル208の詳細を示す。故障診断テーブル208には、シートベルト100の故障部位、故障内容、故障か否かの基準を示す判定閾値、車両の運転状態に応じた診断としての初期診断、常時診断、リセット診断といったフィールドが定められている。
故障部位としては、シートベルト装置100の制御系の故障診断(制御手段の故障診断)の故障部位として「制御回路」が採り上げられている。また、シートベルト装置100の駆動系の故障診断(電動モータの駆動回路の機能の診断)の故障部位として「R側モータ駆動回路系故障」、「L側モータ駆動回路系故障」が採り上げられている。
初期診断とは、イグニッション状態検出手段201が検出したイグニッション状態がOFF状態からON状態に切り替わった場合に行われる立ち上がり時の故障診断である。常時診断は、車両の走行中に定期的に行われる故障診断である。リセット診断は、車両のアイドルストップ状態があって、ECU20が停止状態になった、つまりリセットした後、アイドルストップ状態から復帰してエンジンを始動する場合に行われるリセットからの立ち上がり時の故障診断である。図5の初期診断、常時診断、リセット診断において、実行される診断項目については「○」で示し、実行されない診断項目については「−」で示す。
初期診断とリセット診断に着目すると、初期診断として行う制御系の故障診断は、リセット診断では省略している。リセット診断において省略した故障診断は、初期診断のときの実行で十分であるため特に実行する必要はない。補足すると、リセット診断は、初期診断が行われてからそう遠くない時間内に行われるものであり、初期診断で機能に問題がなかったことを前提にするので、最低限の診断を行うことで充分と考えられる。この省略により、リセット診断に要する時間は、初期診断に要する時間よりも短くなり、アイドルストップ状態から復帰するときに早期にシートベルト装置100の機能を乗員に提供することができる。
≪処理≫
次に、シートベルト装置100における処理として、特に、故障診断及びシートベルト3のリトラクト処理について説明する。これらの処理の主体は、ECU20またはECU20が停止状態にあるときは他のECUである。
図6は、シートベルト装置100のECUにおける、(a)通常時の故障診断及びリトラクト処理を示すフローチャートであり、(b)は立ち上がり時の処理を示すフローチャートである。なお、図6(a)の処理は定期的に行われ、(b)の処理はECUの立ち上がり時に行われる。
まず、図6(a)を参照して、ECU20が行う処理を説明する。
最初に、ステップS01において、イグニッション状態検出手段201が検出したイグニッション状態がOFF状態からON状態に切り替わった(IG OFF→ON)か否かが判定される。切り替わったのであれば(ステップS01でYes)、乗員が最初にエンジンを始動したことを意味し、ステップS02に進む。切り替わっていないのであれば(ステップS01でNo)、イグニッション状態はすでにON状態のまま変化していないことを意味し、ステップS06に進む。
次に、ステップS02において、イグニッション状態がON状態に変化することによりバッテリから十分な電力が供給されていれば、ECU20が停止状態から稼動状態に切り替わる(ECU OFF→ON)。つまり、ECU20が自身の立ち上げを開始し、その一環として、ステップS03に進む。
次に、ステップS03において、ECU20の立ち上げの一環として、初期診断が実行され、初期診断の結果、対象項目のすべてに健全性が認められれば、ステップS04において、駆動制御手段204により、モータ7のリレー(図3参照)をOFF状態からON状態に切り替える(リレー OFF→ON)。切り替えた後、ステップS01に戻り、シートベルト装置100における処理を再開する。なお、前記健全性が認められない場合、例えば故障がある旨の警告表示がなされる(他の故障診断についても同様)。本実施形態では、初期診断の正常な終了により、ECU20の立ち上がりが完了したものとする。
次に、ステップS01がNoである場合のステップS06において、アイドルストップ状態判定手段203により、車両がアイドルストップ状態であるか否か(iStopが1または0)が判定される。アイドルストップ状態でなければ(iStop=0)、車両が走行中であることを意味し、ステップS07に進む。アイドルストップ状態であれば(iStop=1)、ステップS09に進む。
次に、ステップS07において、常時診断が実行され、常時診断の結果、対象項目のすべてに健全性が認められれば、ステップS08において、駆動制御手段204により、シートベルト制御モード207のコンフォートモードに従った処理であるコンフォート処理を実行する。コンフォート処理を実行した後、ステップS01に戻り、シートベルト装置100における処理を再開する。
次に、ステップS09において、消費電力を抑えるべく、駆動制御手段204によるコンフォート処理が停止する。コンフォート処理の停止が実行された後、ステップS01に戻り、シートベルト装置100における処理を再開する。
次に、図6(b)を参照して、ECU20が立ち上がり時に行う処理を説明する。
アイドルストップ中に電源電圧が低下した場合などは、ECU20が作動できなくなり、機能が停止する。セルモータによりクランキングが始まるとオルタネータが作動するので、電源電圧が直ちにECU20の復帰電圧以上になる。これにより、ECU20がリセットからの立ち上がりを開始する。電源電圧が復帰電圧以上になると、少なくとも、最初に運転状態検出手段202とリセット検知手段205が機能する。
電源電圧の復帰により、図6(b)のフローチャートでのステップS10において、リセットからの立ち上がりか否かをリセット検出手段205が運転状態検出手段202の情報に基づいて判断し、リセットからの立ち上がりである場合は(S10でYes)、ステップS11に進みリセット診断を行う。リセット診断が終了すれば、ステップS12により、直ちにリレーをONにする。一方、リセットからのECU20の立ち上がりではない場合は(S10でNo)、本実施形態では、イグニッション状態がOFF状態からON状態に切り替わったことによるECU20の立ち上がりであるので、ステップS13に進み初期診断を行う。なお、初期診断が終われば図6(a)のステップS04により直ちにリレーがONになる。
このように本実施形態では、ステップS01がYesになったことによる場合以外にも、ECU20が立ち上がるという事態が生じることを加味している。つまり、ECU20の立ち上がりの際に、自身の立ち上がりがリセットからの立ち上がりか否かをリセット検出手段205により検出する。この検出により、リセットからの立ち上がりの場合は、初期診断よりも診断項目の少ないリセット診断を行ない、直ちにリレーがONする。リセット診断は初期診断とは異なり直ぐに終了するので、リセットからの立ち上げによりリレーがONになる際の「カチッ」という音(リレーの作動音)は、セルモータの「キュルキュル」という作動音にまぎれてしまう。このため、リセットからのECU20の立ち上がりの際に、初期診断と同じ診断項目を実施した場合よりも、商品性が向上する。もちろん、立ち上がり時間の短縮により、早期にシートベルト制御装置100の機能を乗員に提供することができる。
なお、ステップS04でのリレーONは、初期診断後でありクランキングが終了した後であるが、この際のリレーの作動音は、イグニッションONに起因したものなので、さほど商品性を低下させるものではない。また、本実施形態は、このステップS04でのリレーの作動音をターゲットにしたものではない。
以上により、シートベルト装置100における故障診断及びリトラクト処理に関する説明を終了する。
≪まとめ≫
本実施形態により、以下のような効果を奏する。すなわち、アイドルストップ状態から復帰したときに行うシートベルト装置の故障診断として初期診断ではなく、初期診断よりも診断項目を省略したリセット診断を行い、故障診断に要する時間を短縮することができる。従来は、イグニッション状態がOFF状態からON状態に切り替わったときのエンジンの始動と、アイドルストップ状態から復帰したときのエンジンの始動とを制御上、区別しなかったので、アイドルストップ状態から復帰したときであっても初期診断を行っていた。このため故障診断に要する時間が延び、バッテリの電圧降下からの回復に遅れが生じてしまい、シートベルト装置の制御に支障をきたすおそれがあった。しかし、本実施形態により、そのおそれが緩和される。
また、従来では、バッテリの電圧降下が過大すぎたためECU20がリセットし、モータ7のリレーがOFF状態になってしまっていたときには、アイドルストップ状態から復帰によるリセット立ち上がりの際に、多くの時間を要した故障診断(初期診断)をした後にリレーをON状態にする。このため、クランキングに伴う作動音が発生した後にリレーをON状態にしたときのリレー作動音が発生してしまい、乗員に不快な気分を与え、車両の商品性が低下してしまっていた。
本発明によれば、アイドルストップ状態から復帰によるリセット立ち上がりの際に、故障診断に要する時間は短縮されるので、クランキングに伴う作動音が発生している間にリレー作動音が発生して紛れてしまう。そのため、乗員は特にリレー作動音を気にすることも無くなり、前記商品性の低下は免れる。
また、アイドルストップ中はコンフォート処理を停止する(図6のステップS09)ので、シートベルト装置100における消費電力を抑えることができ、バッテリの電圧降下を緩和することができる。
≪その他≫
なお、前記実施の形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれに限定されるものではない。したがって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、実施形式を種々変形することが可能である。
例えば、前記リトラクト処理(図6)に関し、コンフォート処理等のシートベルトの巻き取り動作または巻き出し動作は、モータ7の駆動力のみで行われても良いし、或いはスプール5に作用するリターンスプリング等の弾性部材による巻き取り力に加え、モータ7の駆動力が補助的に用いられることで行われても良い。
また、本実施の形態では、リセット診断の診断項目を、駆動系の故障診断の診断項目に限定したが、駆動系の故障診断の診断項目においてさらに診断項目の一部を省略しても良い。具体的には、リセット診断において、電流検出回路異常診断(異常電流診断)のみを行うようにしても良い(図5の「電流検出回路異常」の診断項目参照)。基本的には、貫通電流が生じて駆動系の電気回路が短絡してしまうという事態を防ぐことさえできれば十分であるからである。なお、電流検出回路異常診断では、例えば、電流検出回路の検出電流I(図3)が3Aを超えるか否かという事項が判定される。
前記省略において、リレー作動音がクランキングに伴う作動音の発生中に発生するように診断時間を調整することが好ましい。逆にいえば、リレー作動音がクランキングに伴う作動音に紛れるように済ませることができれば、リセット診断の診断項目を増やしても良い(制御系の故障診断を行っても良い)。
その他、ハードウェア、ソフトウェア、等の具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 シートベルトリトラクタ(伝達機構)
3 シートベルト
5 スプール
5a シートベルト巻き取り面
7 モータ(電動モータ)
9 動力伝達機構
10 ショルダーガイドアンカー
12 トング
14 アウトアンカー
16 シートベルトバックル
16a バックルスイッチ
20 ECU(制御装置)
30 入力要素
100 シートベルト装置
201 イグニッション状態検出手段
202 運転状態検出手段
203 アイドルストップ状態判定手段
204 駆動制御手段
205 リセット検出手段
206 故障診断手段
207 シートベルト制御モード
208 故障診断テーブル

Claims (3)

  1. シートベルトの巻き取り動作または巻き出し動作を行う伝達機構と該伝達機構を駆動させる電動モータと前記電動モータを駆動させる駆動回路と前記駆動回路を介して前記電動モータの駆動を制御する制御装置とを有し、前記制御装置が、立ち上がりのときに機能の診断を行うシートベルト装置であって、
    前記制御装置は、
    自身の立ち上がりが、アイドルストップ中のリセットによるリセット立ち上がりであるか否かを判断し、
    前記リセット立ち上がりであると判断した場合は、イグニッションONによる立ち上がりよりも少ない診断項目で前記診断を行う診断手段を備えること
    を特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記診断手段は、前記リセット立ち上がりのときは、前記駆動回路の系統の異常電流診断のみを行うことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記制御装置は、前記アイドルストップのときは、前記電動モータの駆動制御を停止させることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
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