JP2004291667A - 衝突予防装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者に与える煩わしさ及び違和感の低減を図ることができる衝突予防装置を提供すること。
【解決手段】衝突予防装置を構成するブレーキアクチュエータは、最接近距離が適正車間距離Dtよりも小さくなった場合に第1減速度にて制動力を発生させるとともに、警報音を出力する。また、自車51の速度Vが先行車52の速度Vf以下となった場合に、適正車間距離Dtになるまで第1減速度よりも小さい第2減速度にて制動力を発生させるが、このときには警報音の出力を禁止する。衝突予防装置を構成する警報装置は、最接近距離が適正車間距離Dtよりも小さくなった場合に作動を開始し、自車51の速度Vが先行車52の速度Vf以下となった場合に作動を停止させる。
【選択図】 図2
【解決手段】衝突予防装置を構成するブレーキアクチュエータは、最接近距離が適正車間距離Dtよりも小さくなった場合に第1減速度にて制動力を発生させるとともに、警報音を出力する。また、自車51の速度Vが先行車52の速度Vf以下となった場合に、適正車間距離Dtになるまで第1減速度よりも小さい第2減速度にて制動力を発生させるが、このときには警報音の出力を禁止する。衝突予防装置を構成する警報装置は、最接近距離が適正車間距離Dtよりも小さくなった場合に作動を開始し、自車51の速度Vが先行車52の速度Vf以下となった場合に作動を停止させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、先行車との車間距離が不十分となったときに自動的に制動力を発生させる衝突予防装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、衝突予防装置は、先行車の速度、先行車の減速度、自車の速度及び自車の想定減速度等に基づいて適正車間距離を算出し、車間距離が適正車間距離より小さい場合に、警報を作動させるとともに自動的に制動力を発生(介入制動)させるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
具体的には、まず、先行車の速度とほぼ同じ速度(=V1)になるまで自車を目標減速度μg1で減速させるようになっている。次に、先行車との間に安全な車間距離が得られるように車間制御を開始させ、先行車の速度に関連した速度−α(=V2)になるまで自車を目標減速度μg2にて減速させた後、車間制御を終了するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−163796号公報
【特許文献2】
特開2002−163797号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先行車との相対速度が小さい場合、先行車にかなり接近してから介入制動が開始されるため、目標減速度μg2が大きく設定(0.1〜0.3G程度)されていると、車間制御終了時に先行車よりも減速され過ぎてしまい、運転者に違和感を与えてしまう。
【0006】
逆に、目標減速度μg2が小さく設定(0.01〜0.05G程度)されている場合、車間制御の時間が長くなってしまうため、警報が長時間作動し続けて運転者に煩わしさを与えてしまう。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、運転者に与える煩わしさ及び違和感の低減を図ることができる衝突予防装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、先行車の速度を検出する先行車速度検出手段と、自車の速度を検出する自車速度検出手段と、前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との最接近距離を予測する最接近距離予測手段と、前記先行車と前記自車との距離が前記最接近距離となるときの前記自車の速度を最接近時速度として予測するとともに、同予測された最接近時速度に基づいて適正車間距離を決定する適正車間距離決定手段と、前記予測された最接近距離が前記決定された適正車間距離よりも小さい場合に、警報を作動させるとともに同適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを要旨とする。請求項1〜請求項3に記載の発明においては、自車の速度が安全速度に達した以降は、第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで緩やかに制動力が発生されるため、例えば自車と先行車との相対速度が小さい場合であっても自車の速度が落ち込み過ぎることが回避され、運転者に違和感を与えることが抑制される。一方、この間は、警報の作動が抑制されるため、所要の車間距離になるまでに長時間を要したとしても運転者に対して煩わしさを与えることが抑制される。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記安全速度は、前記自車の速度が前記先行車の速度以下になる速度であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記所要の車間距離は、前記最接近時速度と所定の車頭時間との積に、停止した先行車に対して自車を停止させたときに先行車と自車との間に存在すべき余裕車間距離を加えることによって求められることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、衝突予防装置は車両に搭載された電気制御装置10を備え、同電気制御装置10は図示しないバスを介して互いに接続されたCPU10a、ROM10b及びRAM10c等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。CPU10aは、ROM10bに格納された後記するプログラムを、RAM10cの一時記憶機能を利用しながら実行するようになっている。
【0011】
電気制御装置10には、車速センサ11、車間距離センサ12、相対速度センサ13、ダイヤルスイッチ14、加速度センサ15、シフトレバースイッチ16、ブレーキスイッチ17、左前輪速度センサ18、右前輪速度センサ19、左後輪速度センサ20及び右後輪速度センサ21が接続されている。CPU10aには、各センサ11〜13,15,18〜21及び各スイッチ14,16,17からの信号が入力されるようになっている。また、電気制御装置10は、衝突予防手段を構成する警報装置30及びブレーキアクチュエータ40と接続されており、CPU10aはこれらに対し所定の信号を供給するようになっている。
【0012】
車速センサ11は、自車速度検出手段及び自車走行状態検出手段として用いられており、後記する自車(自己の車両)の速度(自車速)Vを出力するようになっている。車間距離センサ12は、車間距離検出手段として用いられており、レーザーレーダを含んで構成されていて、自車と後記する先行車(自車の前方に位置する車両、前車ともいう)との距離を計測し、車間距離Dを出力するようになっている。なお、車間距離センサ12は、ミリ波レーダを使用して車間距離Dを計測するものであってもよく、画像認識手法を用いて車間距離Dを計測するものであってもよい。
【0013】
相対速度センサ13は、ミリ波を使用したドップラーセンサであって、自車と先行車との相対速度RVを出力するようになっている。相対速度センサ13は先行車速度検出手段及び先行車走行状態検出手段の一部を構成している。ダイヤルスイッチ14は、運転者によって複数位置に切替操作されるようになっており、操作された各位置に応じた選択位置信号STを出力するようになっている。このダイヤルスイッチ14には、空走時間を決める因子(以下、因子またはパラメータという)である同空走時間τ、自車想定減速度μ・gを決める因子であるμ(gは重力加速度)、適正車間距離Dtを決める因子である車頭時間Tdの組が複数組記憶されている。これらの因子については後述する。
【0014】
加速度センサ15は、半導体式であり、自車の前後方向に作用する加速度を検出して加速度信号Gを出力するようになっている。シフトレバースイッチ16は、自車の自動変速機のシフトレバー位置(パーキング位置P、リバース位置R、ドライブ位置D等)を検出し、シフトレバー位置信号POSとして出力するようになっている。ブレーキスイッチ17は、自車のブレーキペダルの操作・非操作状態を検出して、例えば、これに限定されるものではないが、同ペダルが操作されているときの値が「1」、操作されていないときの値が「0」となるブレーキスイッチ信号STOPを出力するようになっている。
【0015】
左前輪速度センサ18及び右前輪速度センサ19は、それぞれ左前輪の車輪速度VFL及び右前輪の車輪速度VFRを検出して出力するようになっている。同様に、左後輪速度センサ20及び右後輪速度センサ21は、それぞれ左後輪の車輪速度VRL及び右後輪の車輪速度VRRを検出して出力するようになっている。
【0016】
警報装置30は、図示しないディスプレイと警報音発生装置とを含んでおり、電気制御装置10のCPU10aからの指示に応じて、必要な表示及び警報音の発生を行うようになっている。ブレーキアクチュエータ40は、図示しないブレーキ装置の制動油圧(ブレーキ油圧)を、ブレーキペダル操作によって増減されるブレーキマスタシリンダによる制動油圧とは独立して制御し、左右前輪及び左右後輪に備えられた油圧式ブレーキによる制動力を変更するようになっている。なお、ブレーキ装置が電動モータの発生トルクにより制動力を発生する電動式ブレーキである場合には、ブレーキアクチュエータ40は同電動モータに相当する。
【0017】
次に、このように構成された衝突予防装置の作動原理について説明する。
図2(a)に示すように、衝突予防装置は、これを搭載する自車51と先行車52との間に安全な距離を確保することを目的としている。衝突予防装置は、自車51が先行車52に接近したことに基づいて一次警報を行い、続いて二次警報を行うことで運転者に制動操作を促し、二次警報によっても制動操作がなされない場合には、自動的にブレーキアクチュエータ40を作動させる介入制動を行うようになっている。また、一次警報または二次警報により運転者が制動操作を行った場合であっても、その制動力が不足している場合には、制動力を増大する(制動操作をアシスト(ブレーキアシスト)する)ようになっている。その後、図2(b)に示すように、自車51の速度Vが先行車52の速度Vf以下(Vf−α)の安全速度となった場合、自車51の減速度を低下させるべくブレーキアクチュエータ40によって発生される制動力を低下させて、自車51と先行車52との間に前記適正車間距離Dtを確保するための車間制御を行う。
【0018】
この衝突予防装置は、一次警報として、相対的に穏やかな警報音(例えば、音量は普通で、間欠的に発生するピッ・ピッ・ピッ音)を警報装置30の警報音発生装置から発生させるようになっている。衝突予防装置は、二次警報として、一次警報よりも運転者の注意を一層喚起する警報音(例えば、音量は普通で、連続的に発生するピー音)を警報音発生装置から発生させるとともに、警報装置30のディスプレイ(図3参照)31に注意を喚起するマーク32を表示させるようになっている。そして、衝突予防装置は、介入制動時において、二次警報と同様の警報をより大きな音量で行うようになっている。但し、本実施形態では、安全速度が確保されると、警報音発生装置からの警報音の発生を停止させるようになっている。
【0019】
一次警報、二次警報及び介入制動は、図2(a)に示す自車51及び先行車52の状態に基づいて計算により予測される最接近距離(自車51と先行車52とが最も接近したときの距離)dminが前記適正車間距離Dtを確保できない(dmin<Dt)と判断されたときに実行されるようになっている。ここで、現時点の先行車52の速度がVf、先行車52の減速度がμf・gであり、自車51が現時点から空走時間τだけ現時点の速度Vで走行した後に一定減速度(自車想定減速度μ・g)で減速するものと仮定する。それにより、最接近距離dminは、この仮定と現時点の実際の車間距離(先行車52と自車51との距離)Dに基づいて求められる。従って、最接近距離dminとなるのは、自車51の速度Vと先行車52の速度Vfとが、それぞれ所定の減速度で減速して等しい最接近時速度Vsとなった場合である。このとき、CPU10aは、一次警報を行う基準となる第1の接近距離を予測するための第1接近距離予測手段と、二次警報及び介入制動を行う基準となる第2の接近距離を予測する第2接近距離予測手段として用いられている。また、最接近距離dminを算出する際に使用されるパラメータ(空走時間τ、自車想定減速度μ・g)及び適正車間距離Dtを決定するパラメータ(車頭時間Td)を変更することで、一次警報、二次警報及び介入制動のいずれを実行すべきかが判断されるようになっている。
【0020】
(空走時間τ)
ここで、空走時間τについて説明する。一次警報用の空走時間τは、運転者が通常の運転操作の中で最も緊迫したタイミングで制動操作を行う場合に基づいて設定されている。二次警報用の空走時間τは、運転者が緊急の運転操作の中で最も緊迫したタイミングで制動操作を行う場合に基づいて設定されている。介入制動用の空走時間τは、運転者の制動操作によらない自動制動動作を前提として設定されている。
【0021】
空走時間τには、図1に示す前記各センサ11〜13,15,18〜21、前記各スイッチ14,16,17及び前記電気制御装置10が先行車52及び自車51の走行状態を認識する時間と、一次警報、二次警報または介入制動の必要性を判断する演算処理時間との和(τ1)が含まれている。また、空走時間τには、電気制御装置10がブレーキアクチュエータ40に対して制動力を発生させるように指示信号を出力してから実際にブレーキ油圧が上昇して制動力が発生し始めるまでの時間(τ2)が含まれている。
【0022】
よって、ブレーキペダルが操作されている(ブレーキスイッチ信号STOPの値が「1」)場合の一次警報用及び二次警報用の空走時間τは、τ1とτ2との和になっている。一方、ブレーキペダルが操作されていない場合の一次警報用の空走時間τは、τ1とτ2との和に運転者がブレーキペダルの操作を開始するまでの時間を加えた値よりも大きな値となっている。また、ブレーキペダルが操作されていない場合の二次警報用の空走時間τは、τ1とτ2との和に運転者がブレーキペダルの操作を開始するまでの時間を加えた所定の値となっている。介入制動用の空走時間τはτ1とτ2との和になっている。
【0023】
(自車想定減速度μ・g)
次に、自車想定減速度μ・gについて説明する。一次警報は、運転者に制動操作を最初に促す警報であるため、同警報により運転者が通常の制動操作を行えば安全に減速できるタイミングで発生させる必要がある。このため、一次警報用の自車想定減速度μ・gは、運転者が通常の運転操作において実現する減速度のうちの比較的大きな値を前記ダイヤルスイッチ14によって選択できるように設定されている。なお、自車想定減速度μ・gは、ダイヤルスイッチ14により選択された係数Kに実際の路面摩擦係数μmaxを乗じることによって決定されるようになっている。
【0024】
これに対し、二次警報は、運転者に制動操作を強く促す警報であるため、二次警報によって制動操作がなされない場合に直ちに介入制動を行うタイミングで発生させる必要がある。従って、二次警報用の自車想定減速度μ・gは、介入制動用の自車想定減速度μ・gと等しく、一次警報用の自車想定減速度μ・gよりも大きな減速度に設定されている。
【0025】
(適正車間距離Dt)
次に、適正車間距離Dtについて説明する。一次警報、二次警報及び介入制動は、最接近距離dminが適正車間距離Dtより小さくなったとき(dmin<Dt)に実行されるようになっている。適正車間距離Dtは、前記自車51が前記先行車52に追従走行している状況において、先行車52が制動により減速した場合でも所定の反応時間後に同等の制動を行えば安全が確保できる(安全に停止できる)という考えに基づいて決定されている。
【0026】
適正車間距離Dtは、Dt=Vs・Td+d0の式によって求められるようになっている。前記車頭時間Tdは、先行車52とほぼ同一の速度にて追従走行している場合に、運転者が通常維持する自車51と先行車52との車間距離Dをその時点の自車51の速度Vで除した値である。一方、Vsは最接近時における車速であり、この状態で追従走行状態を実現することが目標となる。実験結果によると、車頭時間Tdは運転者が同一である限り、自車51の速度によらずほぼ同一であることが判明したため、車頭時間Tdを、一次警報用の車頭時間Td、二次警報用の車頭時間Td、介入制動用の車頭時間Tdの順に小さくなるように設定した。一次警報用の車頭時間Tdは、前記ダイヤルスイッチ14を操作することで運転者の個人差に応じて変更できるようになっている。なお、一次警報用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dtを第1適正車間距離、二次警報用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dtを第2適正車間距離、介入制動用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dtを第2適正車間距離または第3適正車間距離と呼ぶこともできる。
【0027】
一方、余裕車間距離d0は、停止した先行車52に対して自車51を停止させたときに先行車52と自車51との間に存在すべき距離であり、本実施形態においては所定値(例えば、1.5m)に設定されている。この余裕車間距離d0は、前記各センサ11〜13,15,18〜21の検出誤差分も考慮して決定されている。
【0028】
次に、一次警報、二次警報及び介入制動の遷移態様について図4のグラフに基づき説明する。なお、このグラフにおいて横軸は自車51と先行車52との相対速度V−Vfであり、縦軸は車間距離Dである。このグラフには、一次警報判定境界を示す線、介入制動判定境界を示す線が描画されている。また、このグラフには、減速度を第1減速度としての目標減速度GT(以下、目標Gという)とした場合及び減速度を目標Gよりも小さい第2減速度としての車間制御用減速度Gsとした場合の各相対速度V−Vfに対する車間距離Dの変化を示す線が併せて描画されている。
【0029】
一次警報判定境界は、自車51が先行車52に対して相対速度V−Vfにて接近しているとして、一次警報用の自車想定減速度μ・gにて減速したときの最接近距離dminが一次警報用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dt(第1適正車間距離)となる関係を示している。同様に介入制動判定境界は、自車51が先行車52に対して相対速度V−Vfにて接近しているとして、介入制動用の自車想定減速度μ・gにて減速したときの最接近距離dminが介入制動用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dt(第2適正車間距離または第3適正車間距離)となる関係を示している。
【0030】
従って、これら境界は、D=(V−Vf)2/(2μ・g)+Dtの関係を示している。言うまでもなく、自車51及び先行車52が、あるV−Vf,Dの状態にあるとしてその状態が境界の上の領域(Dが大きい領域)にある場合には、同様の減速度μ・gにて減速することで最接近距離dminはDtよりも大きくなる。一方、自車51及び先行車52が、あるV−Vf,Dの状態にあるとしてその状態が境界の下の領域(Dが小さい領域)にある場合には、同様の減速度μ・gにて減速することで最接近距離dminはDtよりも小さくなる。つまり、一次警報判定境界は、一次警報を開始させるか否かの判定基準となる境界線である。また、介入制動判定境界は、介入制動を開始させるか否かの判定基準となる境界線である。上記の関係から明らかなように、一次警報判定境界及び介入制動判定境界は、相対速度V−Vfの絶対値が小さくなる程車間距離Dが小さくなるように設定されている。そのため、一次警報及び介入制動は、相対速度V−Vfの絶対値が小さい程、車間距離Dが小さくなってから作動することになる。また、一次警報判定境界及び介入制動判定境界において相対速度V−Vfの値が互いに等しい所定値V1であるとすると、一次警報が開始される状態(点A)における車間距離Dの値は、介入制動が開始される状態(点B)における車間距離Dの値よりも常に大きくなることになる。
【0031】
目標Gは、介入制動判定時の自車想定減速度μ・g以上の大きさとなるように設定されている。これは、車間距離Dが介入制動時の適正車間距離Dtを超えない程度に自車51を減速させるためである。車間制御用減速度Gsは、車間制御時に用いられる減速度であり、目標Gよりも十分に小さい値に設定されている。車間制御用減速度Gsにおいて、相対速度V−Vfに対する車間距離Dの変化率は目標Gにおける同変化率よりも大きくなっている。
【0032】
また、図4に示す安全エリアとは、自車51が先行車52に追突する可能性が小さくなる範囲を示している。具体的には、安全エリアは、相対速度V−Vf<0であり、且つ、車間距離D>0となる範囲と、相対速度V−Vf>0であり、且つ、車間距離Dが一次警報判定境界よりも大きくなる範囲とを示している。
【0033】
電気制御装置10の動作を図4に従って説明する。相対速度V−Vfを所定値V1と仮定した場合、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも大きくなっているため、車間距離Dは自車51が先行車52に接近するのに伴って徐々に小さくなる。相対速度V−Vfが所定値V1に維持された状態で、車間距離Dが一次警報判定境界を越えて小さくなると(点A)、CPU10aは警報装置30を作動させて一次警報を開始させる。そして、車間距離Dが一次警報判定境界から介入制動判定境界に向かって小さくなるとき、CPU10aは警報装置30によって二次警報を開始させる。これら一次警報及び二次警報により、運転者に制動操作が促される。
【0034】
そして、制動操作がなされることなく、車間距離Dの大きさが介入制動判定境界と等しくなると(点B)、CPU10aは、自動的にブレーキアクチュエータ40を作動させる介入制動を開始させる。このとき、車間距離D及び相対速度V−Vfの値が目標Gを示す曲線に沿って変化する。
【0035】
相対速度V−Vfが0、即ち自車51の速度Vが先行車52の速度Vfと等しくなると(点C)、安全速度が確保される。次は安全車間距離を確保するために、CPU10aは、減速度を車間制御用減速度Gsに低下させるべく前記ブレーキアクチュエータ40にて発生する制動力を低下させて車間制御を開始させる。それと同時に、CPU10aは、警報装置30の警報音発生装置からの警報音の発生を停止させ、ディスプレイへの警報表示を終了させる。このとき、車間距離D及び相対速度V−Vfの値が車間制御用減速度Gsを示す曲線に沿って変化するのに伴い、車間距離Dが徐々に大きくなる。このようにすることにより、先行車52に対する自車51の速度低下を抑え、介入制動終了後に先行車52より不必要に引き離される状況を防止する。
【0036】
自車51が先行車52の速度Vfに関連した速度Vf−αになるまで減速され、車間距離Dが一次警報での適正車間距離Dtと等しくなると(点D)、CPU10aは介入制動を解除させる。これにより、自車51と先行車52との間に安全な車間距離Dが確保される。車間制御中は、警報音を出すことを禁止している。
【0037】
なお、ここでは、説明の簡略化のためにdminの演算にあたって車間距離Dと相対速度V−Vfとの関係のみを考慮したが、空走時間τ等を考慮した一次警報判定境界及び介入制動判定境界の設定を行ってもよい。
【0038】
次に、電気制御装置10の動作を、図5〜図9のフローチャートに従って説明する。
まず、自車51が停止した状態でイグニッションスイッチがオン状態に変更されることにより電気制御装置10の電源が投入されると、CPU10aは図5に示したメインルーチンの実行を開始する(S11)。CPU10aは、各種フラグ等の初期化処理を行い(S12)、状態変数MODEの値を「1」とする(S13)。
【0039】
次に、CPU10aは、前記各センサ11〜13,15,18〜21及び前記各スイッチ14,16,17から信号を取得するととともに所定の演算を行う(S14)。そして、CPU10aは、ダイヤルスイッチ14の選択状態等により、一次警報での警報判断パラメータである空走時間τ、車頭時間Td及び係数Kを設定する。また、CPU10aは、車間距離D、先行車52の速度Vf、先行車52の減速度μf・g、自車51の速度V、自車51の減速度μ・g、ブレーキスイッチ信号STOP、選択位置信号ST及び路面摩擦係数μmax等を設定する。先行車52の速度Vfと先行車52の減速度μf・g等は、先行車52の走行状態を表す。自車51の速度V、自車51の減速度μ・g、ブレーキスイッチ信号STOP等は、自車51の走行状態を表す。
【0040】
先行車52の速度Vfは、相対速度センサ13によって検出された相対速度に自車51の速度Vを加えることにより算出される。先行車52の減速度μf・gは、先行車52の速度Vfから所定時間前の先行車52の速度Vfoldを減算した値を所定時間で除した値に基づいて算出される。自車51の減速度μ・gは、自車51の速度Vから所定時間前の自車51の速度Voldを減算した値を所定時間で除した値に基づいて算出される。
【0041】
路面摩擦係数μmaxは、車輪速度センサ18〜21の信号に基づいて得られる車輪速度の所定の振動成分に基づいて算出される。なお、路面摩擦係数μmaxは、制動力がステップ的に変化したときの車輪速度の応答成分の減衰特性に基づいて算出してもよく、超音波またはミリ波等を路面前方に照射しその後方散乱波に基づいて推定してもよい。
【0042】
次に、CPU10aは、状態変数MODEの値を調べ(S15)、状態変数MODEの値に応じたモード(非警報モード、警報モード、介入制動モード、車間制御モード)に移行する。これらのモードでは、警報出力、介入制動出力等のサブルーチンを実行する。現段階では、状態変数MODEの値は「1」に設定されているため(S16)、CPU10aは、図6に示すMODE−1(非警報モード)のサブルーチンを実行する(S31〜S37)。
【0043】
次に、CPU10aは、警報装置30を作動させて、一次警報、二次警報及び介入制動のための警報音出力や、警報画像の出力制御を行う(S17)。この場合、先の図6において警報音及び画像が「なし」に設定されているため(S34)、警報音の出力及び警報画像の表示が警報装置30からなされることはない。
【0044】
次に、CPU10aは、目標Gに基づく出力処理を行う(S18)。具体的には、CPU10aは、加速度センサ15から得られる実際の減速度と目標Gとを比較し、実際の減速度の絶対値が目標Gの絶対値より小さい場合にはブレーキアクチュエータ40に対して制動油圧を高めるための指示信号を出力し制動力を増大させる。また、実際の減速度の絶対値が目標Gの絶対値より大きい場合にはブレーキアクチュエータ40に対して制動油圧を減少させるための指示信号を出力し制動力を減少させる。但しこの場合、先の図6にて目標Gが「0」に設定されているため(S36)、ブレーキアクチュエータ40に指示信号が出力されることはない。また、運転者によってブレーキペダルが操作されている場合の実際の減速度が目標Gより大きい場合には、ブレーキアクチュエータ40に対する指示信号によって制動力を減少させることは行わない。なお、加速度センサ15は車両の前後方向の加速度を検出するため、自車51が傾斜路面を走行している場合には、その影響が出力に現れる。従って、この場合には目標Gを補正する。
【0045】
その後、CPU10aは、再び前記各センサ11〜13,15,18〜21及び前記各スイッチ14,16,17から信号を取得するととともに所定の演算を行う(S14)。
【0046】
(MODE−1…非警報モード)
図6に示すように、MODE−1(非警報モード)のサブルーチンの処理が開始される(S31)と、CPU10aは、警報・介入発令判断の処理を開始する(S32)。
【0047】
CPU10aは、警報・介入発令判断の処理結果を調べ、その処理結果が一次警報または二次警報を許可する状態である場合には、状態変数MODEの値を「2」とする(S33)。また、処理結果が介入制動を許可する状態であれば状態変数MODEの値を「3」とする(S35)。なお、一次警報、二次警報及び介入制動の必要がなければ、MODE=1(非警報モード)を維持する。そして、このモードでは警報を実施しないため、CPU10aは、音声及び画像を「なし」とし(S34)、目標Gを「0」とした後(S36)、MODE−1(非警報モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S37)。
【0048】
その後、図5に示すように、CPU10aは、警報装置30に対する警報音及び警報画像の出力処理を行う(S17)。この場合、図6にて警報音及び画像が「なし」に設定されているため(S34)、警報音の出力及び警報画像の表示が警報装置30からなされることはない。また、CPU10aは、目標Gに基づく出力処理を行うが(S18)、図6にて目標Gは「0」に設定されているため(S36)、ブレーキアクチュエータ40に対して指示信号が出力されることはない。その後、CPU10aは、前記各情報を再び取得(更新)し(S14)、状態変数MODEの値を調べる(S15)。
【0049】
一方、図6にて状態変数MODEの値が「2」に変更されている場合(S33)、CPU10aは、図5に示すS19に移行して図7に示すMODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を開始する(S41)。また、図6にて状態変数MODEの値が「3」に変更されている場合(S35)、CPU10aはS20に移行して図8に示すMODE−3(介入制動モード)のサブルーチンの処理を開始する(S61)。
【0050】
(MODE−2…警報モード)
ニ次警報または一次警報を実行すべきであるという判定がなされると、図6にて状態変数MODEの値が「2」に設定される(S33)。これを図5のS15からS19に移行したとして説明を続けると、CPU10aは、図7に示したMODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を開始する(S41)。
【0051】
そして、CPU10aは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さくなっているか否かを判定する(S42)。これは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい値になって、MODE−2(警報モード)を終了しても安全であることを確認するためである。そして、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい速度になっていれば、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」とする(S43)。これは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい速度になっていれば、MODE−2(警報モード)を終了しMODE−1(非警報モード)に入った直後において一次警報が実行されてしまう事態が確実に回避できるからである。その後、CPU10aは、MODE−2(警報モード)の処理を開始する際に、一次警報が許可されていたか、二次警報が許可されていたかに応じて、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。
【0052】
一方、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも大きい場合、CPU10aは、障害物(先行車52)が依然として存在するか否かを、車間距離センサ12の発生するミリ波レーダの反射波の有無により判定する(S45)。そして、この段階でミリ波レーダの反射波がなければ、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S46)、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。
【0053】
また、依然として障害物が存在すると、CPU10aは、一次警報用のパラメータを設定し、警報判断の処理を実行する(S47)。即ち、一次警報を実行すべき状態にあるか否かを判定する。換言すると、これらの処理により、安全な車間距離が十分に確保されているか否かが判定される。なお、この場合の空走時間τはブレーキ「オフ」時(ブレーキ装置が非作動時)の値を用いる。
【0054】
次に、CPU10aは、警報判断の処理を実行する(S47)。即ち、介入制動を実行すべき状態になっているか否かが判定される。そして、介入制動を実行すべき状態になっている場合には、CPU10aは、状態変数MODEの値を「3」に設定し(S48)、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。一方、介入制動を実行すべき状態になっていない場合には、CPU10aはS44に直接移行する。
【0055】
CPU10aは、このMODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を開始する際に、一次警報が許可されていたか、二次警報が許可されていたかに応じて、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。次に、CPU10aは、ブレーキペダルが操作され制動力が発生している状態にあるか否かをブレーキスイッチ信号STOPの値が「1」であるか否に基づいて判定する(S49)。
【0056】
そして、ブレーキペダルが操作されていれば、CPU10aは、一次警報または二次警報により運転者が制動操作を行った場合であっても、その制動力が不足している場合に制動力を増大するブレーキアシスト制御を実行するために、目標Gを算出する(S50)。その後、CPU10aは、MODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S51)。
【0057】
この結果、CPU10aは、図7のS44にて指示された一次警報または二次警報に対応した警報音及び画像を警報装置30から発生させる(S17)。次に、CPU10aは、目標Gに基づく処理を行い(S18)、実際の減速度の絶対値が目標Gの絶対値と等しくなるようにブレーキアクチュエータ40に対して制動油圧を制御するための指示信号を出力する。
【0058】
一方、ブレーキペダルが操作されていない場合には(S49)、CPU10aは、目標Gの値を「0」に設定し(S52)、MODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S51)。
【0059】
この結果、CPU10aは、図7のS44にて指示された警報音及び画像を警報装置30から発生させ(S17)、運転者に対して制動操作を促すが、図7のS52にて目標Gが「0」に設定されているため、ブレーキアクチュエータ40に何らの指示信号を出力しない(S18)。
【0060】
以上のように、MODE−2(警報モード)においては、自車51及び先行車52の状態に応じてMODE−1(非警報モード)やMODE−3(介入制動モード)に移行する。それとともに、一次警報または二次警報を実行すべき状態が継続しているときにはS44,S50,S52等によって必要な警報及びブレーキアシスト制御を達成するための処理を行う。
【0061】
(MODE−3…介入制動モード)
次に、図6のS35及び図7のS48にて、状態変数MODEの値が「3」に設定された場合について説明する。この場合、CPU10aは、図5のS15からS20に移行し、図8に示すMODE−3(介入制動モード)のサブルーチンの処理を開始する(S61)。
【0062】
次に、CPU10aは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい速度になっていれば(S62)、CPU10aは、状態変数MODEの値を「4」とする(S63)。その後、CPU10aは、MODE−3(介入制動モード)の処理を開始する際に、MODE−3(介入制動モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S64)。
【0063】
一方、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも大きい場合、CPU10aは、障害物(先行車52)が依然として存在するか否かを、車間距離センサ12の発生するミリ波レーダの反射波の有無により判定する(S65)。そして、この段階でミリ波レーダの反射波がなければ、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S66)、MODE−3(介入制動モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S64)。また、依然として障害物が存在すると、CPU10aは、MODE−1(非警報モード)のサブルーチンの処理を行うことなく、MODE−3(介入制動モード)に対応する警報を行うための警報音及び画像の出力を指示する(S64)。次に、CPU10aは、介入制動に対する目標Gを算出し(S67)、MODE−3(介入制動モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S68)。
【0064】
この結果、CPU10aは図8のS64にて指示された警報音及び画像を警報装置30から発生させる(S17)。次に、CPU10aは、図8のS67にて算出された介入制動用の目標Gに基づく処理を行い(S18)、実際の減速度の絶対値と目標Gとが等しくなるようにブレーキアクチュエータ40に対して指示信号を出力し制動力を制御する。
【0065】
(MODE−4…車間制御モード)
次に、介入制動を実行しているときに、介入制動を実行する必要がなくなり、状態変数MODEの値が「4」に設定された場合、即ち、CPU10aが、図8に示すように、状態変数MODEの値を「4」に設定された場合(S63)について説明する。このMODE−4(車間制御モード)は、走行中の先行車52に対して介入制動を行う必要がない程度にまで自車51の速度Vを低下させた後、適正車間距離Dtを確保するために目標Gを車間制御用減速度Gsとして緩やかな減速による車間制御を実施するモードである。これにより、一次警報が発生しない更に安全な車間距離が確保される。
【0066】
この場合、CPU10aは、図5のS15からS21に移行し、図9に示したMODE−4(車間制御モード)のサブルーチンの処理を開始する(S71)。そして、CPU10aは、自車51と先行車52との車間距離が介入制動を行う必要がない程度にまで確保されたか否かを判定する(S72)。この段階でCPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S73)、MODE−4(車間制御モード)に対応する警報を行うための警報音及び画像の出力を無効にする(S74)。
【0067】
また、依然として障害物が存在すると、CPU10aは、介入制動用パラメータを設定し、警報判断の処理を実行する(S75)。即ち、介入制動を再び実行すべき状態となっている否かを判定する。
【0068】
そして、介入制動を実行すべき状態になっている場合、CPU10aは、状態変数MODEの値を「3」に設定し(S76)、MODE−4(車間制御モード)に対応する警報を行うための警報音及び画像の出力を無効にする(S74)。一方、介入制動を実行すべき状態になっていない場合には、CPU10aは、障害物が依然として存在するか否かを、車間距離センサ12の発生するミリ波レーダの反射波の有無により判定する(S77)。この段階でミリ波レーダの反射波がなければ、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S78)、MODE−4(車間制御モード)に対応する警報を行うための警報音の出力を無効にする(S74)。次に、CPU10aは、目標Gの値を、所定の小さな値(例えば、車間制御用減速度Gs)に設定し(S79)、MODE−4(車間制御モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S80)。
【0069】
このとき、図9のS74にて警報音及び画像が「なし」に設定されているため、警報音及び画像の出力が警報装置30からなされることはない(S17)。次に、CPU10aは、所定の小さな値とされた目標Gに基づく処理を行い(S18)、実際の減速度と目標Gとを等しくするようにブレーキアクチュエータ40に指示信号を出力する。これにより、適正車間距離Dtが確保されるまで緩やかな減速が実行される。
【0070】
このような減速が継続されると車速を先行車52に対して大きく低下させることなく、所定の車間距離を確保するまで後退できる。この結果、一次警報を実行すべき状態ではなくなったと判定され、CPU10aは、MODE−1(非警報モード)の実行を再開する。
【0071】
なお、S32,S47,S75は、最接近距離予測手段、第1接近距離予測手段、第2接近距離予測手段及び適正車間距離決定手段によってなされる処理である。S17,S18は衝突予防手段によってなされる処理である。
【0072】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)自車51の速度Vが最接近時速度Vsに達した以降は、目標Gよりも小さい車間制御用減速度Gsにて適正車間距離Dtが確保されるまで緩やかに制動力が発生される。そのため、例えば自車51と先行車52との相対速度V−Vfが小さい場合であっても自車51の速度が落ち込み過ぎることが回避され、運転者に違和感を与えたり、後続車に迷惑を掛けてしまったりすることが抑制される。
【0073】
一方、この間は、警報音が警報装置30の警報音発生装置から出力されるのが抑制されるため、適正車間距離Dtが確保されるまでに長時間を要したとしても運転者に対して煩わしさ(不快感)を与えることが抑制される。
【0074】
(2)目標Gによる減速が終了すれば、さらに車間距離Dが小さくなることはないため、車間制御用減速度Gsをより一層小さく設定することができる。そのため、車間制御終了時に、先行車52よりも減速され過ぎることによって運転者に与える違和感をより一層低減させることができる。
【0075】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、車間制御時において警報音及び画像が警報装置30から出力されなくなるように設定されていた。しかし、車間制御時において、警報音及び画像の出力態様を介入制動の場合とは変更するように設定してもよい。例えば、車間制御時において、警報音の音量を介入制動時よりも小さくするようにしたり、画像の表示色を変更させるようにしてもよい。
【0076】
・前記実施形態において、車間制御時において警報音及び画像のうち少なくとも一方のみが出力されなくなるように設定されていてもよい。
・前記実施形態では、安全速度として自車51の速度Vが先行車52の速度Vfと等しくなったときに、車間制御が開始されるようになっていた。しかし、安全速度として自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりもやや低い速度まで減速されたとき、または、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりもやや高い速度まで減速されたときに、車間制御を開始させるようにしてもよい。
【0077】
次に、上記実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(イ)請求項1〜3のいずれか一項において、前記安全速度は、前記自車の速度が前記先行車の速度と等しくなる速度であることを特徴とする衝突予防装置。
【0078】
(ロ)先行車の走行状態を検出する先行車走行状態検出手段と、自車の走行状態を検出する自車走行状態検出手段と、前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記検出された先行車の走行状態、前記検出された自車の走行状態及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との最接近距離を予測する最接近距離予測手段と、前記先行車と前記自車との距離が前記最接近距離となるときの前記自車の速度を最接近時速度として予測するとともに、同予測された最接近時速度に基づいて適正車間距離を決定する適正車間距離決定手段と、前記予測された最接近距離が前記決定された適正車間距離より小さい場合に、警報を作動させるとともに同適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを特徴とする衝突予防装置。
【0079】
(ハ)先行車の速度を検出する先行車速度検出手段と、自車の速度を検出する自車速度検出手段と、前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記自車が前記検出された自車の速度で所定の空走時間だけ走行した後に所定の減速度で減速するとの仮定の下で、前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との第1の接近距離を予測する第1接近距離予測手段と、前記第1接近距離予測手段の仮定下で前記自車が前記先行車に最接近するまでの時点において、前記自車が路面摩擦係数から定まる第1減速度での減速を開始するものと仮定して、前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、第2の接近距離を予測する第2接近距離予測手段と、前記予測された第1の接近距離が第1適正車間距離より小さいと判定された場合に警報を作動させ、前記予測された第2の接近距離が第2適正車間距離より小さいと判定された場合に、前記第1適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを特徴とする衝突予防装置。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、運転者に与える煩わしさ及び違和感の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における衝突予防装置のブロック図。
【図2】(a)及び(b)は、自車及び先行車の状態を示す模式図。
【図3】警報画像を示す図。
【図4】相対速度と車間距離との関係を示すグラフ。
【図5】衝突予防装置のメインの動作を示すフローチャート。
【図6】非警報モードの動作を示すフローチャート。
【図7】警報モードの動作を示すフローチャート。
【図8】介入制動モードの動作を示すフローチャート。
【図9】車間制御モードの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…自車速度検出手段としての車速センサ、12…車間距離検出手段としての車間距離センサ、13…先行車速度検出手段の一部を構成する相対速度センサ、30…衝突予防手段を構成する警報装置、40…衝突予防手段を構成するブレーキアクチュエータ、51…自車、52…先行車、D…車間距離、Dt…適正車間距離、dmin…最接近距離、d0…余裕車間距離、GT…第1減速度としての目標減速度、Gs…第2減速度としての車間制御用減速度、Td…車頭時間、V…速度、Vf…速度、Vs…安全速度としての最接近時速度。
【発明の属する技術分野】
この発明は、先行車との車間距離が不十分となったときに自動的に制動力を発生させる衝突予防装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、衝突予防装置は、先行車の速度、先行車の減速度、自車の速度及び自車の想定減速度等に基づいて適正車間距離を算出し、車間距離が適正車間距離より小さい場合に、警報を作動させるとともに自動的に制動力を発生(介入制動)させるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
具体的には、まず、先行車の速度とほぼ同じ速度(=V1)になるまで自車を目標減速度μg1で減速させるようになっている。次に、先行車との間に安全な車間距離が得られるように車間制御を開始させ、先行車の速度に関連した速度−α(=V2)になるまで自車を目標減速度μg2にて減速させた後、車間制御を終了するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−163796号公報
【特許文献2】
特開2002−163797号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先行車との相対速度が小さい場合、先行車にかなり接近してから介入制動が開始されるため、目標減速度μg2が大きく設定(0.1〜0.3G程度)されていると、車間制御終了時に先行車よりも減速され過ぎてしまい、運転者に違和感を与えてしまう。
【0006】
逆に、目標減速度μg2が小さく設定(0.01〜0.05G程度)されている場合、車間制御の時間が長くなってしまうため、警報が長時間作動し続けて運転者に煩わしさを与えてしまう。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、運転者に与える煩わしさ及び違和感の低減を図ることができる衝突予防装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、先行車の速度を検出する先行車速度検出手段と、自車の速度を検出する自車速度検出手段と、前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との最接近距離を予測する最接近距離予測手段と、前記先行車と前記自車との距離が前記最接近距離となるときの前記自車の速度を最接近時速度として予測するとともに、同予測された最接近時速度に基づいて適正車間距離を決定する適正車間距離決定手段と、前記予測された最接近距離が前記決定された適正車間距離よりも小さい場合に、警報を作動させるとともに同適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを要旨とする。請求項1〜請求項3に記載の発明においては、自車の速度が安全速度に達した以降は、第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで緩やかに制動力が発生されるため、例えば自車と先行車との相対速度が小さい場合であっても自車の速度が落ち込み過ぎることが回避され、運転者に違和感を与えることが抑制される。一方、この間は、警報の作動が抑制されるため、所要の車間距離になるまでに長時間を要したとしても運転者に対して煩わしさを与えることが抑制される。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記安全速度は、前記自車の速度が前記先行車の速度以下になる速度であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記所要の車間距離は、前記最接近時速度と所定の車頭時間との積に、停止した先行車に対して自車を停止させたときに先行車と自車との間に存在すべき余裕車間距離を加えることによって求められることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、衝突予防装置は車両に搭載された電気制御装置10を備え、同電気制御装置10は図示しないバスを介して互いに接続されたCPU10a、ROM10b及びRAM10c等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。CPU10aは、ROM10bに格納された後記するプログラムを、RAM10cの一時記憶機能を利用しながら実行するようになっている。
【0011】
電気制御装置10には、車速センサ11、車間距離センサ12、相対速度センサ13、ダイヤルスイッチ14、加速度センサ15、シフトレバースイッチ16、ブレーキスイッチ17、左前輪速度センサ18、右前輪速度センサ19、左後輪速度センサ20及び右後輪速度センサ21が接続されている。CPU10aには、各センサ11〜13,15,18〜21及び各スイッチ14,16,17からの信号が入力されるようになっている。また、電気制御装置10は、衝突予防手段を構成する警報装置30及びブレーキアクチュエータ40と接続されており、CPU10aはこれらに対し所定の信号を供給するようになっている。
【0012】
車速センサ11は、自車速度検出手段及び自車走行状態検出手段として用いられており、後記する自車(自己の車両)の速度(自車速)Vを出力するようになっている。車間距離センサ12は、車間距離検出手段として用いられており、レーザーレーダを含んで構成されていて、自車と後記する先行車(自車の前方に位置する車両、前車ともいう)との距離を計測し、車間距離Dを出力するようになっている。なお、車間距離センサ12は、ミリ波レーダを使用して車間距離Dを計測するものであってもよく、画像認識手法を用いて車間距離Dを計測するものであってもよい。
【0013】
相対速度センサ13は、ミリ波を使用したドップラーセンサであって、自車と先行車との相対速度RVを出力するようになっている。相対速度センサ13は先行車速度検出手段及び先行車走行状態検出手段の一部を構成している。ダイヤルスイッチ14は、運転者によって複数位置に切替操作されるようになっており、操作された各位置に応じた選択位置信号STを出力するようになっている。このダイヤルスイッチ14には、空走時間を決める因子(以下、因子またはパラメータという)である同空走時間τ、自車想定減速度μ・gを決める因子であるμ(gは重力加速度)、適正車間距離Dtを決める因子である車頭時間Tdの組が複数組記憶されている。これらの因子については後述する。
【0014】
加速度センサ15は、半導体式であり、自車の前後方向に作用する加速度を検出して加速度信号Gを出力するようになっている。シフトレバースイッチ16は、自車の自動変速機のシフトレバー位置(パーキング位置P、リバース位置R、ドライブ位置D等)を検出し、シフトレバー位置信号POSとして出力するようになっている。ブレーキスイッチ17は、自車のブレーキペダルの操作・非操作状態を検出して、例えば、これに限定されるものではないが、同ペダルが操作されているときの値が「1」、操作されていないときの値が「0」となるブレーキスイッチ信号STOPを出力するようになっている。
【0015】
左前輪速度センサ18及び右前輪速度センサ19は、それぞれ左前輪の車輪速度VFL及び右前輪の車輪速度VFRを検出して出力するようになっている。同様に、左後輪速度センサ20及び右後輪速度センサ21は、それぞれ左後輪の車輪速度VRL及び右後輪の車輪速度VRRを検出して出力するようになっている。
【0016】
警報装置30は、図示しないディスプレイと警報音発生装置とを含んでおり、電気制御装置10のCPU10aからの指示に応じて、必要な表示及び警報音の発生を行うようになっている。ブレーキアクチュエータ40は、図示しないブレーキ装置の制動油圧(ブレーキ油圧)を、ブレーキペダル操作によって増減されるブレーキマスタシリンダによる制動油圧とは独立して制御し、左右前輪及び左右後輪に備えられた油圧式ブレーキによる制動力を変更するようになっている。なお、ブレーキ装置が電動モータの発生トルクにより制動力を発生する電動式ブレーキである場合には、ブレーキアクチュエータ40は同電動モータに相当する。
【0017】
次に、このように構成された衝突予防装置の作動原理について説明する。
図2(a)に示すように、衝突予防装置は、これを搭載する自車51と先行車52との間に安全な距離を確保することを目的としている。衝突予防装置は、自車51が先行車52に接近したことに基づいて一次警報を行い、続いて二次警報を行うことで運転者に制動操作を促し、二次警報によっても制動操作がなされない場合には、自動的にブレーキアクチュエータ40を作動させる介入制動を行うようになっている。また、一次警報または二次警報により運転者が制動操作を行った場合であっても、その制動力が不足している場合には、制動力を増大する(制動操作をアシスト(ブレーキアシスト)する)ようになっている。その後、図2(b)に示すように、自車51の速度Vが先行車52の速度Vf以下(Vf−α)の安全速度となった場合、自車51の減速度を低下させるべくブレーキアクチュエータ40によって発生される制動力を低下させて、自車51と先行車52との間に前記適正車間距離Dtを確保するための車間制御を行う。
【0018】
この衝突予防装置は、一次警報として、相対的に穏やかな警報音(例えば、音量は普通で、間欠的に発生するピッ・ピッ・ピッ音)を警報装置30の警報音発生装置から発生させるようになっている。衝突予防装置は、二次警報として、一次警報よりも運転者の注意を一層喚起する警報音(例えば、音量は普通で、連続的に発生するピー音)を警報音発生装置から発生させるとともに、警報装置30のディスプレイ(図3参照)31に注意を喚起するマーク32を表示させるようになっている。そして、衝突予防装置は、介入制動時において、二次警報と同様の警報をより大きな音量で行うようになっている。但し、本実施形態では、安全速度が確保されると、警報音発生装置からの警報音の発生を停止させるようになっている。
【0019】
一次警報、二次警報及び介入制動は、図2(a)に示す自車51及び先行車52の状態に基づいて計算により予測される最接近距離(自車51と先行車52とが最も接近したときの距離)dminが前記適正車間距離Dtを確保できない(dmin<Dt)と判断されたときに実行されるようになっている。ここで、現時点の先行車52の速度がVf、先行車52の減速度がμf・gであり、自車51が現時点から空走時間τだけ現時点の速度Vで走行した後に一定減速度(自車想定減速度μ・g)で減速するものと仮定する。それにより、最接近距離dminは、この仮定と現時点の実際の車間距離(先行車52と自車51との距離)Dに基づいて求められる。従って、最接近距離dminとなるのは、自車51の速度Vと先行車52の速度Vfとが、それぞれ所定の減速度で減速して等しい最接近時速度Vsとなった場合である。このとき、CPU10aは、一次警報を行う基準となる第1の接近距離を予測するための第1接近距離予測手段と、二次警報及び介入制動を行う基準となる第2の接近距離を予測する第2接近距離予測手段として用いられている。また、最接近距離dminを算出する際に使用されるパラメータ(空走時間τ、自車想定減速度μ・g)及び適正車間距離Dtを決定するパラメータ(車頭時間Td)を変更することで、一次警報、二次警報及び介入制動のいずれを実行すべきかが判断されるようになっている。
【0020】
(空走時間τ)
ここで、空走時間τについて説明する。一次警報用の空走時間τは、運転者が通常の運転操作の中で最も緊迫したタイミングで制動操作を行う場合に基づいて設定されている。二次警報用の空走時間τは、運転者が緊急の運転操作の中で最も緊迫したタイミングで制動操作を行う場合に基づいて設定されている。介入制動用の空走時間τは、運転者の制動操作によらない自動制動動作を前提として設定されている。
【0021】
空走時間τには、図1に示す前記各センサ11〜13,15,18〜21、前記各スイッチ14,16,17及び前記電気制御装置10が先行車52及び自車51の走行状態を認識する時間と、一次警報、二次警報または介入制動の必要性を判断する演算処理時間との和(τ1)が含まれている。また、空走時間τには、電気制御装置10がブレーキアクチュエータ40に対して制動力を発生させるように指示信号を出力してから実際にブレーキ油圧が上昇して制動力が発生し始めるまでの時間(τ2)が含まれている。
【0022】
よって、ブレーキペダルが操作されている(ブレーキスイッチ信号STOPの値が「1」)場合の一次警報用及び二次警報用の空走時間τは、τ1とτ2との和になっている。一方、ブレーキペダルが操作されていない場合の一次警報用の空走時間τは、τ1とτ2との和に運転者がブレーキペダルの操作を開始するまでの時間を加えた値よりも大きな値となっている。また、ブレーキペダルが操作されていない場合の二次警報用の空走時間τは、τ1とτ2との和に運転者がブレーキペダルの操作を開始するまでの時間を加えた所定の値となっている。介入制動用の空走時間τはτ1とτ2との和になっている。
【0023】
(自車想定減速度μ・g)
次に、自車想定減速度μ・gについて説明する。一次警報は、運転者に制動操作を最初に促す警報であるため、同警報により運転者が通常の制動操作を行えば安全に減速できるタイミングで発生させる必要がある。このため、一次警報用の自車想定減速度μ・gは、運転者が通常の運転操作において実現する減速度のうちの比較的大きな値を前記ダイヤルスイッチ14によって選択できるように設定されている。なお、自車想定減速度μ・gは、ダイヤルスイッチ14により選択された係数Kに実際の路面摩擦係数μmaxを乗じることによって決定されるようになっている。
【0024】
これに対し、二次警報は、運転者に制動操作を強く促す警報であるため、二次警報によって制動操作がなされない場合に直ちに介入制動を行うタイミングで発生させる必要がある。従って、二次警報用の自車想定減速度μ・gは、介入制動用の自車想定減速度μ・gと等しく、一次警報用の自車想定減速度μ・gよりも大きな減速度に設定されている。
【0025】
(適正車間距離Dt)
次に、適正車間距離Dtについて説明する。一次警報、二次警報及び介入制動は、最接近距離dminが適正車間距離Dtより小さくなったとき(dmin<Dt)に実行されるようになっている。適正車間距離Dtは、前記自車51が前記先行車52に追従走行している状況において、先行車52が制動により減速した場合でも所定の反応時間後に同等の制動を行えば安全が確保できる(安全に停止できる)という考えに基づいて決定されている。
【0026】
適正車間距離Dtは、Dt=Vs・Td+d0の式によって求められるようになっている。前記車頭時間Tdは、先行車52とほぼ同一の速度にて追従走行している場合に、運転者が通常維持する自車51と先行車52との車間距離Dをその時点の自車51の速度Vで除した値である。一方、Vsは最接近時における車速であり、この状態で追従走行状態を実現することが目標となる。実験結果によると、車頭時間Tdは運転者が同一である限り、自車51の速度によらずほぼ同一であることが判明したため、車頭時間Tdを、一次警報用の車頭時間Td、二次警報用の車頭時間Td、介入制動用の車頭時間Tdの順に小さくなるように設定した。一次警報用の車頭時間Tdは、前記ダイヤルスイッチ14を操作することで運転者の個人差に応じて変更できるようになっている。なお、一次警報用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dtを第1適正車間距離、二次警報用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dtを第2適正車間距離、介入制動用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dtを第2適正車間距離または第3適正車間距離と呼ぶこともできる。
【0027】
一方、余裕車間距離d0は、停止した先行車52に対して自車51を停止させたときに先行車52と自車51との間に存在すべき距離であり、本実施形態においては所定値(例えば、1.5m)に設定されている。この余裕車間距離d0は、前記各センサ11〜13,15,18〜21の検出誤差分も考慮して決定されている。
【0028】
次に、一次警報、二次警報及び介入制動の遷移態様について図4のグラフに基づき説明する。なお、このグラフにおいて横軸は自車51と先行車52との相対速度V−Vfであり、縦軸は車間距離Dである。このグラフには、一次警報判定境界を示す線、介入制動判定境界を示す線が描画されている。また、このグラフには、減速度を第1減速度としての目標減速度GT(以下、目標Gという)とした場合及び減速度を目標Gよりも小さい第2減速度としての車間制御用減速度Gsとした場合の各相対速度V−Vfに対する車間距離Dの変化を示す線が併せて描画されている。
【0029】
一次警報判定境界は、自車51が先行車52に対して相対速度V−Vfにて接近しているとして、一次警報用の自車想定減速度μ・gにて減速したときの最接近距離dminが一次警報用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dt(第1適正車間距離)となる関係を示している。同様に介入制動判定境界は、自車51が先行車52に対して相対速度V−Vfにて接近しているとして、介入制動用の自車想定減速度μ・gにて減速したときの最接近距離dminが介入制動用の車頭時間Tdで定まる適正車間距離Dt(第2適正車間距離または第3適正車間距離)となる関係を示している。
【0030】
従って、これら境界は、D=(V−Vf)2/(2μ・g)+Dtの関係を示している。言うまでもなく、自車51及び先行車52が、あるV−Vf,Dの状態にあるとしてその状態が境界の上の領域(Dが大きい領域)にある場合には、同様の減速度μ・gにて減速することで最接近距離dminはDtよりも大きくなる。一方、自車51及び先行車52が、あるV−Vf,Dの状態にあるとしてその状態が境界の下の領域(Dが小さい領域)にある場合には、同様の減速度μ・gにて減速することで最接近距離dminはDtよりも小さくなる。つまり、一次警報判定境界は、一次警報を開始させるか否かの判定基準となる境界線である。また、介入制動判定境界は、介入制動を開始させるか否かの判定基準となる境界線である。上記の関係から明らかなように、一次警報判定境界及び介入制動判定境界は、相対速度V−Vfの絶対値が小さくなる程車間距離Dが小さくなるように設定されている。そのため、一次警報及び介入制動は、相対速度V−Vfの絶対値が小さい程、車間距離Dが小さくなってから作動することになる。また、一次警報判定境界及び介入制動判定境界において相対速度V−Vfの値が互いに等しい所定値V1であるとすると、一次警報が開始される状態(点A)における車間距離Dの値は、介入制動が開始される状態(点B)における車間距離Dの値よりも常に大きくなることになる。
【0031】
目標Gは、介入制動判定時の自車想定減速度μ・g以上の大きさとなるように設定されている。これは、車間距離Dが介入制動時の適正車間距離Dtを超えない程度に自車51を減速させるためである。車間制御用減速度Gsは、車間制御時に用いられる減速度であり、目標Gよりも十分に小さい値に設定されている。車間制御用減速度Gsにおいて、相対速度V−Vfに対する車間距離Dの変化率は目標Gにおける同変化率よりも大きくなっている。
【0032】
また、図4に示す安全エリアとは、自車51が先行車52に追突する可能性が小さくなる範囲を示している。具体的には、安全エリアは、相対速度V−Vf<0であり、且つ、車間距離D>0となる範囲と、相対速度V−Vf>0であり、且つ、車間距離Dが一次警報判定境界よりも大きくなる範囲とを示している。
【0033】
電気制御装置10の動作を図4に従って説明する。相対速度V−Vfを所定値V1と仮定した場合、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも大きくなっているため、車間距離Dは自車51が先行車52に接近するのに伴って徐々に小さくなる。相対速度V−Vfが所定値V1に維持された状態で、車間距離Dが一次警報判定境界を越えて小さくなると(点A)、CPU10aは警報装置30を作動させて一次警報を開始させる。そして、車間距離Dが一次警報判定境界から介入制動判定境界に向かって小さくなるとき、CPU10aは警報装置30によって二次警報を開始させる。これら一次警報及び二次警報により、運転者に制動操作が促される。
【0034】
そして、制動操作がなされることなく、車間距離Dの大きさが介入制動判定境界と等しくなると(点B)、CPU10aは、自動的にブレーキアクチュエータ40を作動させる介入制動を開始させる。このとき、車間距離D及び相対速度V−Vfの値が目標Gを示す曲線に沿って変化する。
【0035】
相対速度V−Vfが0、即ち自車51の速度Vが先行車52の速度Vfと等しくなると(点C)、安全速度が確保される。次は安全車間距離を確保するために、CPU10aは、減速度を車間制御用減速度Gsに低下させるべく前記ブレーキアクチュエータ40にて発生する制動力を低下させて車間制御を開始させる。それと同時に、CPU10aは、警報装置30の警報音発生装置からの警報音の発生を停止させ、ディスプレイへの警報表示を終了させる。このとき、車間距離D及び相対速度V−Vfの値が車間制御用減速度Gsを示す曲線に沿って変化するのに伴い、車間距離Dが徐々に大きくなる。このようにすることにより、先行車52に対する自車51の速度低下を抑え、介入制動終了後に先行車52より不必要に引き離される状況を防止する。
【0036】
自車51が先行車52の速度Vfに関連した速度Vf−αになるまで減速され、車間距離Dが一次警報での適正車間距離Dtと等しくなると(点D)、CPU10aは介入制動を解除させる。これにより、自車51と先行車52との間に安全な車間距離Dが確保される。車間制御中は、警報音を出すことを禁止している。
【0037】
なお、ここでは、説明の簡略化のためにdminの演算にあたって車間距離Dと相対速度V−Vfとの関係のみを考慮したが、空走時間τ等を考慮した一次警報判定境界及び介入制動判定境界の設定を行ってもよい。
【0038】
次に、電気制御装置10の動作を、図5〜図9のフローチャートに従って説明する。
まず、自車51が停止した状態でイグニッションスイッチがオン状態に変更されることにより電気制御装置10の電源が投入されると、CPU10aは図5に示したメインルーチンの実行を開始する(S11)。CPU10aは、各種フラグ等の初期化処理を行い(S12)、状態変数MODEの値を「1」とする(S13)。
【0039】
次に、CPU10aは、前記各センサ11〜13,15,18〜21及び前記各スイッチ14,16,17から信号を取得するととともに所定の演算を行う(S14)。そして、CPU10aは、ダイヤルスイッチ14の選択状態等により、一次警報での警報判断パラメータである空走時間τ、車頭時間Td及び係数Kを設定する。また、CPU10aは、車間距離D、先行車52の速度Vf、先行車52の減速度μf・g、自車51の速度V、自車51の減速度μ・g、ブレーキスイッチ信号STOP、選択位置信号ST及び路面摩擦係数μmax等を設定する。先行車52の速度Vfと先行車52の減速度μf・g等は、先行車52の走行状態を表す。自車51の速度V、自車51の減速度μ・g、ブレーキスイッチ信号STOP等は、自車51の走行状態を表す。
【0040】
先行車52の速度Vfは、相対速度センサ13によって検出された相対速度に自車51の速度Vを加えることにより算出される。先行車52の減速度μf・gは、先行車52の速度Vfから所定時間前の先行車52の速度Vfoldを減算した値を所定時間で除した値に基づいて算出される。自車51の減速度μ・gは、自車51の速度Vから所定時間前の自車51の速度Voldを減算した値を所定時間で除した値に基づいて算出される。
【0041】
路面摩擦係数μmaxは、車輪速度センサ18〜21の信号に基づいて得られる車輪速度の所定の振動成分に基づいて算出される。なお、路面摩擦係数μmaxは、制動力がステップ的に変化したときの車輪速度の応答成分の減衰特性に基づいて算出してもよく、超音波またはミリ波等を路面前方に照射しその後方散乱波に基づいて推定してもよい。
【0042】
次に、CPU10aは、状態変数MODEの値を調べ(S15)、状態変数MODEの値に応じたモード(非警報モード、警報モード、介入制動モード、車間制御モード)に移行する。これらのモードでは、警報出力、介入制動出力等のサブルーチンを実行する。現段階では、状態変数MODEの値は「1」に設定されているため(S16)、CPU10aは、図6に示すMODE−1(非警報モード)のサブルーチンを実行する(S31〜S37)。
【0043】
次に、CPU10aは、警報装置30を作動させて、一次警報、二次警報及び介入制動のための警報音出力や、警報画像の出力制御を行う(S17)。この場合、先の図6において警報音及び画像が「なし」に設定されているため(S34)、警報音の出力及び警報画像の表示が警報装置30からなされることはない。
【0044】
次に、CPU10aは、目標Gに基づく出力処理を行う(S18)。具体的には、CPU10aは、加速度センサ15から得られる実際の減速度と目標Gとを比較し、実際の減速度の絶対値が目標Gの絶対値より小さい場合にはブレーキアクチュエータ40に対して制動油圧を高めるための指示信号を出力し制動力を増大させる。また、実際の減速度の絶対値が目標Gの絶対値より大きい場合にはブレーキアクチュエータ40に対して制動油圧を減少させるための指示信号を出力し制動力を減少させる。但しこの場合、先の図6にて目標Gが「0」に設定されているため(S36)、ブレーキアクチュエータ40に指示信号が出力されることはない。また、運転者によってブレーキペダルが操作されている場合の実際の減速度が目標Gより大きい場合には、ブレーキアクチュエータ40に対する指示信号によって制動力を減少させることは行わない。なお、加速度センサ15は車両の前後方向の加速度を検出するため、自車51が傾斜路面を走行している場合には、その影響が出力に現れる。従って、この場合には目標Gを補正する。
【0045】
その後、CPU10aは、再び前記各センサ11〜13,15,18〜21及び前記各スイッチ14,16,17から信号を取得するととともに所定の演算を行う(S14)。
【0046】
(MODE−1…非警報モード)
図6に示すように、MODE−1(非警報モード)のサブルーチンの処理が開始される(S31)と、CPU10aは、警報・介入発令判断の処理を開始する(S32)。
【0047】
CPU10aは、警報・介入発令判断の処理結果を調べ、その処理結果が一次警報または二次警報を許可する状態である場合には、状態変数MODEの値を「2」とする(S33)。また、処理結果が介入制動を許可する状態であれば状態変数MODEの値を「3」とする(S35)。なお、一次警報、二次警報及び介入制動の必要がなければ、MODE=1(非警報モード)を維持する。そして、このモードでは警報を実施しないため、CPU10aは、音声及び画像を「なし」とし(S34)、目標Gを「0」とした後(S36)、MODE−1(非警報モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S37)。
【0048】
その後、図5に示すように、CPU10aは、警報装置30に対する警報音及び警報画像の出力処理を行う(S17)。この場合、図6にて警報音及び画像が「なし」に設定されているため(S34)、警報音の出力及び警報画像の表示が警報装置30からなされることはない。また、CPU10aは、目標Gに基づく出力処理を行うが(S18)、図6にて目標Gは「0」に設定されているため(S36)、ブレーキアクチュエータ40に対して指示信号が出力されることはない。その後、CPU10aは、前記各情報を再び取得(更新)し(S14)、状態変数MODEの値を調べる(S15)。
【0049】
一方、図6にて状態変数MODEの値が「2」に変更されている場合(S33)、CPU10aは、図5に示すS19に移行して図7に示すMODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を開始する(S41)。また、図6にて状態変数MODEの値が「3」に変更されている場合(S35)、CPU10aはS20に移行して図8に示すMODE−3(介入制動モード)のサブルーチンの処理を開始する(S61)。
【0050】
(MODE−2…警報モード)
ニ次警報または一次警報を実行すべきであるという判定がなされると、図6にて状態変数MODEの値が「2」に設定される(S33)。これを図5のS15からS19に移行したとして説明を続けると、CPU10aは、図7に示したMODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を開始する(S41)。
【0051】
そして、CPU10aは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さくなっているか否かを判定する(S42)。これは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい値になって、MODE−2(警報モード)を終了しても安全であることを確認するためである。そして、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい速度になっていれば、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」とする(S43)。これは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい速度になっていれば、MODE−2(警報モード)を終了しMODE−1(非警報モード)に入った直後において一次警報が実行されてしまう事態が確実に回避できるからである。その後、CPU10aは、MODE−2(警報モード)の処理を開始する際に、一次警報が許可されていたか、二次警報が許可されていたかに応じて、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。
【0052】
一方、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも大きい場合、CPU10aは、障害物(先行車52)が依然として存在するか否かを、車間距離センサ12の発生するミリ波レーダの反射波の有無により判定する(S45)。そして、この段階でミリ波レーダの反射波がなければ、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S46)、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。
【0053】
また、依然として障害物が存在すると、CPU10aは、一次警報用のパラメータを設定し、警報判断の処理を実行する(S47)。即ち、一次警報を実行すべき状態にあるか否かを判定する。換言すると、これらの処理により、安全な車間距離が十分に確保されているか否かが判定される。なお、この場合の空走時間τはブレーキ「オフ」時(ブレーキ装置が非作動時)の値を用いる。
【0054】
次に、CPU10aは、警報判断の処理を実行する(S47)。即ち、介入制動を実行すべき状態になっているか否かが判定される。そして、介入制動を実行すべき状態になっている場合には、CPU10aは、状態変数MODEの値を「3」に設定し(S48)、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。一方、介入制動を実行すべき状態になっていない場合には、CPU10aはS44に直接移行する。
【0055】
CPU10aは、このMODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を開始する際に、一次警報が許可されていたか、二次警報が許可されていたかに応じて、MODE−2(警報モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S44)。次に、CPU10aは、ブレーキペダルが操作され制動力が発生している状態にあるか否かをブレーキスイッチ信号STOPの値が「1」であるか否に基づいて判定する(S49)。
【0056】
そして、ブレーキペダルが操作されていれば、CPU10aは、一次警報または二次警報により運転者が制動操作を行った場合であっても、その制動力が不足している場合に制動力を増大するブレーキアシスト制御を実行するために、目標Gを算出する(S50)。その後、CPU10aは、MODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S51)。
【0057】
この結果、CPU10aは、図7のS44にて指示された一次警報または二次警報に対応した警報音及び画像を警報装置30から発生させる(S17)。次に、CPU10aは、目標Gに基づく処理を行い(S18)、実際の減速度の絶対値が目標Gの絶対値と等しくなるようにブレーキアクチュエータ40に対して制動油圧を制御するための指示信号を出力する。
【0058】
一方、ブレーキペダルが操作されていない場合には(S49)、CPU10aは、目標Gの値を「0」に設定し(S52)、MODE−2(警報モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S51)。
【0059】
この結果、CPU10aは、図7のS44にて指示された警報音及び画像を警報装置30から発生させ(S17)、運転者に対して制動操作を促すが、図7のS52にて目標Gが「0」に設定されているため、ブレーキアクチュエータ40に何らの指示信号を出力しない(S18)。
【0060】
以上のように、MODE−2(警報モード)においては、自車51及び先行車52の状態に応じてMODE−1(非警報モード)やMODE−3(介入制動モード)に移行する。それとともに、一次警報または二次警報を実行すべき状態が継続しているときにはS44,S50,S52等によって必要な警報及びブレーキアシスト制御を達成するための処理を行う。
【0061】
(MODE−3…介入制動モード)
次に、図6のS35及び図7のS48にて、状態変数MODEの値が「3」に設定された場合について説明する。この場合、CPU10aは、図5のS15からS20に移行し、図8に示すMODE−3(介入制動モード)のサブルーチンの処理を開始する(S61)。
【0062】
次に、CPU10aは、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも小さい速度になっていれば(S62)、CPU10aは、状態変数MODEの値を「4」とする(S63)。その後、CPU10aは、MODE−3(介入制動モード)の処理を開始する際に、MODE−3(介入制動モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S64)。
【0063】
一方、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりも大きい場合、CPU10aは、障害物(先行車52)が依然として存在するか否かを、車間距離センサ12の発生するミリ波レーダの反射波の有無により判定する(S65)。そして、この段階でミリ波レーダの反射波がなければ、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S66)、MODE−3(介入制動モード)に対応する警報を行うべく警報音及び画像の出力を指示する(S64)。また、依然として障害物が存在すると、CPU10aは、MODE−1(非警報モード)のサブルーチンの処理を行うことなく、MODE−3(介入制動モード)に対応する警報を行うための警報音及び画像の出力を指示する(S64)。次に、CPU10aは、介入制動に対する目標Gを算出し(S67)、MODE−3(介入制動モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S68)。
【0064】
この結果、CPU10aは図8のS64にて指示された警報音及び画像を警報装置30から発生させる(S17)。次に、CPU10aは、図8のS67にて算出された介入制動用の目標Gに基づく処理を行い(S18)、実際の減速度の絶対値と目標Gとが等しくなるようにブレーキアクチュエータ40に対して指示信号を出力し制動力を制御する。
【0065】
(MODE−4…車間制御モード)
次に、介入制動を実行しているときに、介入制動を実行する必要がなくなり、状態変数MODEの値が「4」に設定された場合、即ち、CPU10aが、図8に示すように、状態変数MODEの値を「4」に設定された場合(S63)について説明する。このMODE−4(車間制御モード)は、走行中の先行車52に対して介入制動を行う必要がない程度にまで自車51の速度Vを低下させた後、適正車間距離Dtを確保するために目標Gを車間制御用減速度Gsとして緩やかな減速による車間制御を実施するモードである。これにより、一次警報が発生しない更に安全な車間距離が確保される。
【0066】
この場合、CPU10aは、図5のS15からS21に移行し、図9に示したMODE−4(車間制御モード)のサブルーチンの処理を開始する(S71)。そして、CPU10aは、自車51と先行車52との車間距離が介入制動を行う必要がない程度にまで確保されたか否かを判定する(S72)。この段階でCPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S73)、MODE−4(車間制御モード)に対応する警報を行うための警報音及び画像の出力を無効にする(S74)。
【0067】
また、依然として障害物が存在すると、CPU10aは、介入制動用パラメータを設定し、警報判断の処理を実行する(S75)。即ち、介入制動を再び実行すべき状態となっている否かを判定する。
【0068】
そして、介入制動を実行すべき状態になっている場合、CPU10aは、状態変数MODEの値を「3」に設定し(S76)、MODE−4(車間制御モード)に対応する警報を行うための警報音及び画像の出力を無効にする(S74)。一方、介入制動を実行すべき状態になっていない場合には、CPU10aは、障害物が依然として存在するか否かを、車間距離センサ12の発生するミリ波レーダの反射波の有無により判定する(S77)。この段階でミリ波レーダの反射波がなければ、CPU10aは、状態変数MODEの値を「1」として(S78)、MODE−4(車間制御モード)に対応する警報を行うための警報音の出力を無効にする(S74)。次に、CPU10aは、目標Gの値を、所定の小さな値(例えば、車間制御用減速度Gs)に設定し(S79)、MODE−4(車間制御モード)のサブルーチンの処理を終了し、メインルーチンの処理に戻る(S80)。
【0069】
このとき、図9のS74にて警報音及び画像が「なし」に設定されているため、警報音及び画像の出力が警報装置30からなされることはない(S17)。次に、CPU10aは、所定の小さな値とされた目標Gに基づく処理を行い(S18)、実際の減速度と目標Gとを等しくするようにブレーキアクチュエータ40に指示信号を出力する。これにより、適正車間距離Dtが確保されるまで緩やかな減速が実行される。
【0070】
このような減速が継続されると車速を先行車52に対して大きく低下させることなく、所定の車間距離を確保するまで後退できる。この結果、一次警報を実行すべき状態ではなくなったと判定され、CPU10aは、MODE−1(非警報モード)の実行を再開する。
【0071】
なお、S32,S47,S75は、最接近距離予測手段、第1接近距離予測手段、第2接近距離予測手段及び適正車間距離決定手段によってなされる処理である。S17,S18は衝突予防手段によってなされる処理である。
【0072】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)自車51の速度Vが最接近時速度Vsに達した以降は、目標Gよりも小さい車間制御用減速度Gsにて適正車間距離Dtが確保されるまで緩やかに制動力が発生される。そのため、例えば自車51と先行車52との相対速度V−Vfが小さい場合であっても自車51の速度が落ち込み過ぎることが回避され、運転者に違和感を与えたり、後続車に迷惑を掛けてしまったりすることが抑制される。
【0073】
一方、この間は、警報音が警報装置30の警報音発生装置から出力されるのが抑制されるため、適正車間距離Dtが確保されるまでに長時間を要したとしても運転者に対して煩わしさ(不快感)を与えることが抑制される。
【0074】
(2)目標Gによる減速が終了すれば、さらに車間距離Dが小さくなることはないため、車間制御用減速度Gsをより一層小さく設定することができる。そのため、車間制御終了時に、先行車52よりも減速され過ぎることによって運転者に与える違和感をより一層低減させることができる。
【0075】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、車間制御時において警報音及び画像が警報装置30から出力されなくなるように設定されていた。しかし、車間制御時において、警報音及び画像の出力態様を介入制動の場合とは変更するように設定してもよい。例えば、車間制御時において、警報音の音量を介入制動時よりも小さくするようにしたり、画像の表示色を変更させるようにしてもよい。
【0076】
・前記実施形態において、車間制御時において警報音及び画像のうち少なくとも一方のみが出力されなくなるように設定されていてもよい。
・前記実施形態では、安全速度として自車51の速度Vが先行車52の速度Vfと等しくなったときに、車間制御が開始されるようになっていた。しかし、安全速度として自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりもやや低い速度まで減速されたとき、または、自車51の速度Vが先行車52の速度Vfよりもやや高い速度まで減速されたときに、車間制御を開始させるようにしてもよい。
【0077】
次に、上記実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(イ)請求項1〜3のいずれか一項において、前記安全速度は、前記自車の速度が前記先行車の速度と等しくなる速度であることを特徴とする衝突予防装置。
【0078】
(ロ)先行車の走行状態を検出する先行車走行状態検出手段と、自車の走行状態を検出する自車走行状態検出手段と、前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記検出された先行車の走行状態、前記検出された自車の走行状態及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との最接近距離を予測する最接近距離予測手段と、前記先行車と前記自車との距離が前記最接近距離となるときの前記自車の速度を最接近時速度として予測するとともに、同予測された最接近時速度に基づいて適正車間距離を決定する適正車間距離決定手段と、前記予測された最接近距離が前記決定された適正車間距離より小さい場合に、警報を作動させるとともに同適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを特徴とする衝突予防装置。
【0079】
(ハ)先行車の速度を検出する先行車速度検出手段と、自車の速度を検出する自車速度検出手段と、前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記自車が前記検出された自車の速度で所定の空走時間だけ走行した後に所定の減速度で減速するとの仮定の下で、前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との第1の接近距離を予測する第1接近距離予測手段と、前記第1接近距離予測手段の仮定下で前記自車が前記先行車に最接近するまでの時点において、前記自車が路面摩擦係数から定まる第1減速度での減速を開始するものと仮定して、前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、第2の接近距離を予測する第2接近距離予測手段と、前記予測された第1の接近距離が第1適正車間距離より小さいと判定された場合に警報を作動させ、前記予測された第2の接近距離が第2適正車間距離より小さいと判定された場合に、前記第1適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを特徴とする衝突予防装置。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、運転者に与える煩わしさ及び違和感の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における衝突予防装置のブロック図。
【図2】(a)及び(b)は、自車及び先行車の状態を示す模式図。
【図3】警報画像を示す図。
【図4】相対速度と車間距離との関係を示すグラフ。
【図5】衝突予防装置のメインの動作を示すフローチャート。
【図6】非警報モードの動作を示すフローチャート。
【図7】警報モードの動作を示すフローチャート。
【図8】介入制動モードの動作を示すフローチャート。
【図9】車間制御モードの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…自車速度検出手段としての車速センサ、12…車間距離検出手段としての車間距離センサ、13…先行車速度検出手段の一部を構成する相対速度センサ、30…衝突予防手段を構成する警報装置、40…衝突予防手段を構成するブレーキアクチュエータ、51…自車、52…先行車、D…車間距離、Dt…適正車間距離、dmin…最接近距離、d0…余裕車間距離、GT…第1減速度としての目標減速度、Gs…第2減速度としての車間制御用減速度、Td…車頭時間、V…速度、Vf…速度、Vs…安全速度としての最接近時速度。
Claims (3)
- 先行車の速度を検出する先行車速度検出手段と、
自車の速度を検出する自車速度検出手段と、
前記自車と前記先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
前記検出された先行車の速度、前記検出された自車の速度及び前記検出された車間距離に基づいて、前記自車と前記先行車との最接近距離を予測する最接近距離予測手段と、
前記先行車と前記自車との距離が前記最接近距離となるときの前記自車の速度を最接近時速度として予測するとともに、同予測された最接近時速度に基づいて適正車間距離を決定する適正車間距離決定手段と、
前記予測された最接近距離が前記決定された適正車間距離よりも小さい場合に、警報を作動させるとともに同適正車間距離を超えないようにする第1減速度にて前記自車の速度が安全速度になるまで制動力を発生させ、
前記自車の速度が前記安全速度に達したときに、前記警報の作動を抑制するとともに前記第1減速度よりも小さい第2減速度にて所要の車間距離になるまで制動力を発生させる衝突予防手段とを備えたことを特徴とする衝突予防装置。 - 前記安全速度は、前記自車の速度が前記先行車の速度以下になる速度であることを特徴とする請求項1に記載の衝突予防装置。
- 前記所要の車間距離は、前記最接近時速度と所定の車頭時間との積に、停止した先行車に対して自車を停止させたときに先行車と自車との間に存在すべき余裕車間距離を加えることによって求められることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衝突予防装置。
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