JP2004034887A - シートベルト巻込み装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻き込んだ状態に保持する。
【解決手段】シートベルト巻込み装置10には、シートベルトリトラクタ16のベルト引出しを停止するためのロック機構20が配設されている。このロック機構20は、ロータ16に固定したロックギア22と、ロックギア22に噛合しロックギア22のベルト引出方向の回転を停止するパウル24と、パウル24をロックギア22に噛合させるアクチュエータ26と、からなる。アクチュエータ26のソレノイド30は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置36からのソレノイドオン信号によりオンするようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】シートベルト巻込み装置10には、シートベルトリトラクタ16のベルト引出しを停止するためのロック機構20が配設されている。このロック機構20は、ロータ16に固定したロックギア22と、ロックギア22に噛合しロックギア22のベルト引出方向の回転を停止するパウル24と、パウル24をロックギア22に噛合させるアクチュエータ26と、からなる。アクチュエータ26のソレノイド30は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置36からのソレノイドオン信号によりオンするようになっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシートベルト巻込み装置に関し、特に、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置を有する自動車等の車両に装備されるシートベルト巻込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置を有する自動車等の車両に装備されるシートベルト巻込み装置おいては、その一例が特開平6−286581号に開示されている。
【0003】
図4に示される如く、このシートベルト巻込み装置においては、シート100に着座した乗員に装着可能なシートベルト102と、作動信号の入力によりシートベルト102を初期位置から引き込んで第1の張力を発生させ、車両衝突回避の操作が可能な範囲で乗員を拘束する第1のプリテンショナ機構104と、作動信号の入力により第1の張力状態にあるシートベルト102を巻き取って第2の張力を発生させ、車両衝突に対して乗員を拘束する第2のプリテンショナ機構106と、車両の衝突を予測して第1のプリテンショナ機構104へ作動信号を出力する第1の指令手段108と、車両の衝突を判断して第2のプリテンショナ機構106へ作動信号を出力する第2の指令手段110とを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両が、雨や雪によって摩擦係数μが低くなった路面を走行中や、高速走行中などにフルブレーキをかけた場合には、危険予知信号の発生時間が長くなる。また、車両が、曲がり角が多い山道を走行する場合には、危険予知信号が短時間に繰り返し発信される。このような場合に、このシートベルト巻込み装置では、第1のプリテンショナ機構104によりシートベルト102を初期位置から引き込んで、第1の張力状態に保持する必要がある。このため、第1の指令手段108から第1のプリテンショナ機構104へ作動信号を出力し続け、シートベルト102を引き込むシートベルト引き込み用のモータに通電し続けることが考えられるが、この場合には、シートベルト引き込み用のモータに大きな電流が流れるため、通電時間が長いと、モータ、ワイヤハーネス等の回路に過大な熱が発生することになる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができるシートベルト巻込み装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明におけるシートベルト巻込み装置は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置と、モータによりシートベルトを巻込むシートベルトリトラクタと、を備えたシートベルト巻込み装置であって、
前記プリクラッシュ制御装置からの信号により作動し、前記シートベルトリトラクタのベルト引出しを停止するロック機構を有することを特徴とする。
【0007】
従って、プリクラッシュ制御装置からの信号により、ロック機構が作動し、シートベルトリトラクタのベルト引出しが停止する。この結果、シートベルトリトラクタにおいては、プリクラッシュ制御装置からの信号により、シートベルトを初期位置から所定量巻き取り、その後、モータへの通電が停止しても、ベルト引出しが停止されているため、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができる。また、モータへの通電を停止しているため、回路に過大な熱を発生させることも無い。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のシートベルト巻込み装置において、前記ロック機構は、前記シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアと、前記ロックギアに噛合し前記ロックギアのベルト引出し方向の回転を停止するパウルと、前記プリクラッシュ制御装置からの信号により前記パウルを前記ロックギアに噛合させるアクチュエータと、からなることを特徴とする。
【0009】
従って、プリクラッシュ制御装置からの信号により、アクチュエータが作動し、シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアにパウルを噛合させることで、ロックギアのベルト引出し方向の回転を停止する。この結果、シートベルトリトラクタにおいては、プリクラッシュ制御装置からの信号により、シートベルトを初期位置から所定量巻き取り、その後、モータへの通電が停止しても、ベルト引出しが停止されているため、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができる。また、モータへの通電を停止しているため、回路に過大な熱を発生させることも無い。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるシートベルト巻込み装置の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0011】
なお、図中矢印UPは車両上方方向を示す。
【0012】
図1に示される如く、本実施形態のシートベルト巻込み装置10では、モータ12によりシートベルト14をロータ15に巻込むシートベルトリトラクタ16を備えている。ロータ15はシートベルト巻込み軸18に固定されており、モータ12によりシートベルト巻込み軸18及びロータ15が、ベルト巻込み方向(図1の矢印A方向)及びベルト引出方向(図1の矢印B方向)へ回転可能となっている。
【0013】
なお、モータ12の制御回路には、レーザレーダ等を備えた車両前方監視装置、ブレーキスイッチ、車速センサ、ヨー角度センサ、アクセルスイッチ等からの信号に基づき衝突予知を行う周知のプリクラッシュ制御装置36が接続されており、モータ12の制御回路は、プリクラッシュ制御装置36からの信号に基づきモータ12を所定の方向へ回転させるようになっている。
【0014】
本実施形態のシートベルト巻込み装置10には、ロータ15のベルト引出し方向の回転を停止するためのロック機構20が配設されている。このロック機構20は、ロータ15に固定したロックギア22と、ロックギア22に噛合しロックギア22のベルト引出方向(図1の矢印B方向)の回転を停止するパウル24と、パウル24をロックギア22に噛合させるアクチュエータ26と、からなる。
【0015】
パウル24は、周知の構造であり、通常状態では、図1に示される如く、ロックギア22と離間しており、車両減速Gまたはシートベルト急引出しGにより、軸28を中心に、ロックギア22方向(図1の矢印C方向)へ回転し、図2に示される如く、ロックギア22と歯合し、ロックギア22のベルト引出し方向(図1の矢印B方向)の回転を停止するようになっている。
【0016】
アクチュエータ26は、モータ12に比べて作動電流が小さいソレノイド30と、ソレノイド30がオン(通電)された際に、パウル24方向(図1の矢印D方向)へ移動するプランジャー32とで構成されている。プランジャー32の先端部32Aは、傾斜面となっており、プランジャー32の先端部32Aが、パウル24の傾斜面24Aに当接し、押し上げることで、パウル24が、軸28を中心に、ロックギア22方向(図1の矢印C方向)へ回転し、図2に示される如く、ロックギア22と歯合し、ロックギア22のベルト引出し方向(図1の矢印B方向)の回転を停止するようになっている。
【0017】
また、ソレノイド30は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置36に接続されており、プリクラッシュ制御装置36からのソレノイドオン信号によりオンするようになっている。
【0018】
更に、本実施形態のシートベルト巻込み装置10では、ソレノイド30をオンするためのマニュアルスイッチ40がインストルメントパネル等に配設されており、乗員がマニュアルスイッチ40をオンすることで、ソレノイド30がオンするようになっている。
【0019】
次に、本実施形態の作用を図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0020】
本実施形態では、プリクラッシュ制御装置36が、ステップ(以下、Sという)100において、車両前方監視装置、ブレーキスイッチ、車速センサ、ヨー角度センサ、アクセルスイッチ等からの信号に基づき衝突予知を行う。即ち、車両が横滑りしている、障害物がある、急ブレーキをかけた等の運転状況が危険状態にあるか否かの判定を行う。
【0021】
S100において、運転状況が危険状態にあると判定した場合には、プリクラッシュ制御装置36は、S102においてモータオン信号を出力する。この結果、シートベルトリトラクタ16のモータ12により、シートベルト巻込み軸18及びロータ15がベルト巻込み方向へ回転し、シートベルト14を所定量巻込む。
【0022】
これと同時に、S104において、プリクラッシュ制御装置36は、ソレノイド30にソレノイドオン信号を出力する。この結果、ロック機構20が作動する。
【0023】
即ち、ソレノイド30がオンし、ソレノイド30の磁力により、プランジャー32がパウル24方向(図1の矢印D方向)へ移動する。このため、プランジャー32の先端部32Aが、パウル24の傾斜面24Aに当接し、これを押し上げる。この結果、パウル24が、軸28を中心に、ロックギア22方向(図1の矢印C方向)へ回転し、図2に示される如く、ロックギア22と歯合し、ロックギア22のベルト引出し方向(図1の矢印B方向)の回転は停止される。
【0024】
次に、S106において、プリクラッシュ制御装置36は、S100と同様に、急ブレーキをかけた等の運転状況が危険状態にあるか否かの判定を行う。
【0025】
S106において、運転状況が危険状態にあると判定した場合には、プリクラッシュ制御装置36は、S108において、ソレノイド30にソレノイドオン信号を出力し続ける。この結果、ロック機構20の作動は継続させる(ロック状態のまま)。
【0026】
一方、S106において、運転状況が危険状態にないと判定した場合には、プリクラッシュ制御装置36は、S110において、ソレノイド30へのソレノイドオン信号を停止する。この結果、磁力が作用しなくなったプランジャー32は、パウル24と反対方向(図1の矢印E方向)へ移動可能となる。このため、パウル24は、軸28を中心にロックギア22と反対方向(図1の矢印F方向)へ回転し、図1に示される如く、パウル24とロックギア22とが離間し、ロック機構20が解除状態になる。
【0027】
なお、S100において、運転状況が危険状態にないと判定した場合及び、S108、S110の処理後は、スタートに戻る。
【0028】
このため、本実施形態のシートベルト巻込み装置10では、プリクラッシュ制御装置36からの信号により、シートベルト14を初期位置から所定量巻き取り、その後、モータ12への通電が停止しても、ロック装置20により、シートベルトリトラクタ16のベルト引出しが停止されているので、シートベルト14を初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができる。
【0029】
また、シートベルト14を初期位置から所定量巻込んだ状態に保持している間、モータ12への通電を停止しているため、回路に過大な熱を発生させることも無い。
【0030】
また、本実施形態では、磁力により、プランジャー32をパウル24方向(図1の矢印D方向)へ付勢している。この結果、ロック機構20が作動中にシートベルトリトラクタ16によりシートベルト14を更に巻込む場合には、プランジャー32が磁力に抗してパウル24と反対方向(図1の矢印E方向)へ移動可能である。このため、ロック装置20より、シートベルトリトラクタ16の作動を妨げることがない。
【0031】
また、本実施形態のシートベルト巻込み装置10には、ソレノイド30をオンするためのマニュアルスイッチ40がインストルメントパネル等に配設されている。この結果、例えば、シートにチャイルドシートを装着した場合には、乗員がマニュアルスイッチ40をオンし、ロック装置20を作動させることで、チャイルドシート固定機構(ALR)としても使用することができる。
【0032】
更に、オフロード走行等の場合には、乗員がマニュアルスイッチ40をオンし、シートベルト14の巻込み機能を強制的に停止することで、シートベルト14を所謂、ハーネスベルト(シートベルトリトラクタのないシートベルト)として使用することもできる。
【0033】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態においては、アクチュエータ26をソレノイド30とプランジャー32とで構成したが、アクチュエータ26の構成はこれに限定されず、モータ等の他の電気式アクチュエータを使用しても良い。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明におけるシートベルト巻込み装置は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置と、モータによりシートベルトを巻込むシートベルトリトラクタと、を備えたシートベルト巻込み装置であって、プリクラッシュ制御装置からの信号により作動し、シートベルトリトラクタのベルト引出しを停止するロック機構を有するため、回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができるという優れた効果を有する。
【0035】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のシートベルト巻込み装置において、ロック機構は、シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアと、ロックギアに噛合しロックギアのベルト引出し方向の回転を停止するパウルと、プリクラッシュ制御装置からの信号によりパウルをロックギアに噛合させるアクチュエータと、からなるため、回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシートベルト巻込み装置におけるロック解除状態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシートベルト巻込み装置におけるロック状態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るシートベルト巻込み装置の制御を示すフローチャートである。
【図4】従来例のシートベルト巻込み装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 シートベルト巻込み装置
12 モータ
14 シートベルト
16 シートベルトリトラクタ
20 ロック機構
22 ロックギア
24 パウル
26 アクチュエータ
30 ソレノイド
32 プランジャー
36 プリクラッシュ制御装置
40 マニュアルスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明はシートベルト巻込み装置に関し、特に、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置を有する自動車等の車両に装備されるシートベルト巻込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置を有する自動車等の車両に装備されるシートベルト巻込み装置おいては、その一例が特開平6−286581号に開示されている。
【0003】
図4に示される如く、このシートベルト巻込み装置においては、シート100に着座した乗員に装着可能なシートベルト102と、作動信号の入力によりシートベルト102を初期位置から引き込んで第1の張力を発生させ、車両衝突回避の操作が可能な範囲で乗員を拘束する第1のプリテンショナ機構104と、作動信号の入力により第1の張力状態にあるシートベルト102を巻き取って第2の張力を発生させ、車両衝突に対して乗員を拘束する第2のプリテンショナ機構106と、車両の衝突を予測して第1のプリテンショナ機構104へ作動信号を出力する第1の指令手段108と、車両の衝突を判断して第2のプリテンショナ機構106へ作動信号を出力する第2の指令手段110とを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両が、雨や雪によって摩擦係数μが低くなった路面を走行中や、高速走行中などにフルブレーキをかけた場合には、危険予知信号の発生時間が長くなる。また、車両が、曲がり角が多い山道を走行する場合には、危険予知信号が短時間に繰り返し発信される。このような場合に、このシートベルト巻込み装置では、第1のプリテンショナ機構104によりシートベルト102を初期位置から引き込んで、第1の張力状態に保持する必要がある。このため、第1の指令手段108から第1のプリテンショナ機構104へ作動信号を出力し続け、シートベルト102を引き込むシートベルト引き込み用のモータに通電し続けることが考えられるが、この場合には、シートベルト引き込み用のモータに大きな電流が流れるため、通電時間が長いと、モータ、ワイヤハーネス等の回路に過大な熱が発生することになる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができるシートベルト巻込み装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明におけるシートベルト巻込み装置は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置と、モータによりシートベルトを巻込むシートベルトリトラクタと、を備えたシートベルト巻込み装置であって、
前記プリクラッシュ制御装置からの信号により作動し、前記シートベルトリトラクタのベルト引出しを停止するロック機構を有することを特徴とする。
【0007】
従って、プリクラッシュ制御装置からの信号により、ロック機構が作動し、シートベルトリトラクタのベルト引出しが停止する。この結果、シートベルトリトラクタにおいては、プリクラッシュ制御装置からの信号により、シートベルトを初期位置から所定量巻き取り、その後、モータへの通電が停止しても、ベルト引出しが停止されているため、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができる。また、モータへの通電を停止しているため、回路に過大な熱を発生させることも無い。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のシートベルト巻込み装置において、前記ロック機構は、前記シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアと、前記ロックギアに噛合し前記ロックギアのベルト引出し方向の回転を停止するパウルと、前記プリクラッシュ制御装置からの信号により前記パウルを前記ロックギアに噛合させるアクチュエータと、からなることを特徴とする。
【0009】
従って、プリクラッシュ制御装置からの信号により、アクチュエータが作動し、シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアにパウルを噛合させることで、ロックギアのベルト引出し方向の回転を停止する。この結果、シートベルトリトラクタにおいては、プリクラッシュ制御装置からの信号により、シートベルトを初期位置から所定量巻き取り、その後、モータへの通電が停止しても、ベルト引出しが停止されているため、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができる。また、モータへの通電を停止しているため、回路に過大な熱を発生させることも無い。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるシートベルト巻込み装置の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0011】
なお、図中矢印UPは車両上方方向を示す。
【0012】
図1に示される如く、本実施形態のシートベルト巻込み装置10では、モータ12によりシートベルト14をロータ15に巻込むシートベルトリトラクタ16を備えている。ロータ15はシートベルト巻込み軸18に固定されており、モータ12によりシートベルト巻込み軸18及びロータ15が、ベルト巻込み方向(図1の矢印A方向)及びベルト引出方向(図1の矢印B方向)へ回転可能となっている。
【0013】
なお、モータ12の制御回路には、レーザレーダ等を備えた車両前方監視装置、ブレーキスイッチ、車速センサ、ヨー角度センサ、アクセルスイッチ等からの信号に基づき衝突予知を行う周知のプリクラッシュ制御装置36が接続されており、モータ12の制御回路は、プリクラッシュ制御装置36からの信号に基づきモータ12を所定の方向へ回転させるようになっている。
【0014】
本実施形態のシートベルト巻込み装置10には、ロータ15のベルト引出し方向の回転を停止するためのロック機構20が配設されている。このロック機構20は、ロータ15に固定したロックギア22と、ロックギア22に噛合しロックギア22のベルト引出方向(図1の矢印B方向)の回転を停止するパウル24と、パウル24をロックギア22に噛合させるアクチュエータ26と、からなる。
【0015】
パウル24は、周知の構造であり、通常状態では、図1に示される如く、ロックギア22と離間しており、車両減速Gまたはシートベルト急引出しGにより、軸28を中心に、ロックギア22方向(図1の矢印C方向)へ回転し、図2に示される如く、ロックギア22と歯合し、ロックギア22のベルト引出し方向(図1の矢印B方向)の回転を停止するようになっている。
【0016】
アクチュエータ26は、モータ12に比べて作動電流が小さいソレノイド30と、ソレノイド30がオン(通電)された際に、パウル24方向(図1の矢印D方向)へ移動するプランジャー32とで構成されている。プランジャー32の先端部32Aは、傾斜面となっており、プランジャー32の先端部32Aが、パウル24の傾斜面24Aに当接し、押し上げることで、パウル24が、軸28を中心に、ロックギア22方向(図1の矢印C方向)へ回転し、図2に示される如く、ロックギア22と歯合し、ロックギア22のベルト引出し方向(図1の矢印B方向)の回転を停止するようになっている。
【0017】
また、ソレノイド30は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置36に接続されており、プリクラッシュ制御装置36からのソレノイドオン信号によりオンするようになっている。
【0018】
更に、本実施形態のシートベルト巻込み装置10では、ソレノイド30をオンするためのマニュアルスイッチ40がインストルメントパネル等に配設されており、乗員がマニュアルスイッチ40をオンすることで、ソレノイド30がオンするようになっている。
【0019】
次に、本実施形態の作用を図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0020】
本実施形態では、プリクラッシュ制御装置36が、ステップ(以下、Sという)100において、車両前方監視装置、ブレーキスイッチ、車速センサ、ヨー角度センサ、アクセルスイッチ等からの信号に基づき衝突予知を行う。即ち、車両が横滑りしている、障害物がある、急ブレーキをかけた等の運転状況が危険状態にあるか否かの判定を行う。
【0021】
S100において、運転状況が危険状態にあると判定した場合には、プリクラッシュ制御装置36は、S102においてモータオン信号を出力する。この結果、シートベルトリトラクタ16のモータ12により、シートベルト巻込み軸18及びロータ15がベルト巻込み方向へ回転し、シートベルト14を所定量巻込む。
【0022】
これと同時に、S104において、プリクラッシュ制御装置36は、ソレノイド30にソレノイドオン信号を出力する。この結果、ロック機構20が作動する。
【0023】
即ち、ソレノイド30がオンし、ソレノイド30の磁力により、プランジャー32がパウル24方向(図1の矢印D方向)へ移動する。このため、プランジャー32の先端部32Aが、パウル24の傾斜面24Aに当接し、これを押し上げる。この結果、パウル24が、軸28を中心に、ロックギア22方向(図1の矢印C方向)へ回転し、図2に示される如く、ロックギア22と歯合し、ロックギア22のベルト引出し方向(図1の矢印B方向)の回転は停止される。
【0024】
次に、S106において、プリクラッシュ制御装置36は、S100と同様に、急ブレーキをかけた等の運転状況が危険状態にあるか否かの判定を行う。
【0025】
S106において、運転状況が危険状態にあると判定した場合には、プリクラッシュ制御装置36は、S108において、ソレノイド30にソレノイドオン信号を出力し続ける。この結果、ロック機構20の作動は継続させる(ロック状態のまま)。
【0026】
一方、S106において、運転状況が危険状態にないと判定した場合には、プリクラッシュ制御装置36は、S110において、ソレノイド30へのソレノイドオン信号を停止する。この結果、磁力が作用しなくなったプランジャー32は、パウル24と反対方向(図1の矢印E方向)へ移動可能となる。このため、パウル24は、軸28を中心にロックギア22と反対方向(図1の矢印F方向)へ回転し、図1に示される如く、パウル24とロックギア22とが離間し、ロック機構20が解除状態になる。
【0027】
なお、S100において、運転状況が危険状態にないと判定した場合及び、S108、S110の処理後は、スタートに戻る。
【0028】
このため、本実施形態のシートベルト巻込み装置10では、プリクラッシュ制御装置36からの信号により、シートベルト14を初期位置から所定量巻き取り、その後、モータ12への通電が停止しても、ロック装置20により、シートベルトリトラクタ16のベルト引出しが停止されているので、シートベルト14を初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができる。
【0029】
また、シートベルト14を初期位置から所定量巻込んだ状態に保持している間、モータ12への通電を停止しているため、回路に過大な熱を発生させることも無い。
【0030】
また、本実施形態では、磁力により、プランジャー32をパウル24方向(図1の矢印D方向)へ付勢している。この結果、ロック機構20が作動中にシートベルトリトラクタ16によりシートベルト14を更に巻込む場合には、プランジャー32が磁力に抗してパウル24と反対方向(図1の矢印E方向)へ移動可能である。このため、ロック装置20より、シートベルトリトラクタ16の作動を妨げることがない。
【0031】
また、本実施形態のシートベルト巻込み装置10には、ソレノイド30をオンするためのマニュアルスイッチ40がインストルメントパネル等に配設されている。この結果、例えば、シートにチャイルドシートを装着した場合には、乗員がマニュアルスイッチ40をオンし、ロック装置20を作動させることで、チャイルドシート固定機構(ALR)としても使用することができる。
【0032】
更に、オフロード走行等の場合には、乗員がマニュアルスイッチ40をオンし、シートベルト14の巻込み機能を強制的に停止することで、シートベルト14を所謂、ハーネスベルト(シートベルトリトラクタのないシートベルト)として使用することもできる。
【0033】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態においては、アクチュエータ26をソレノイド30とプランジャー32とで構成したが、アクチュエータ26の構成はこれに限定されず、モータ等の他の電気式アクチュエータを使用しても良い。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明におけるシートベルト巻込み装置は、衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置と、モータによりシートベルトを巻込むシートベルトリトラクタと、を備えたシートベルト巻込み装置であって、プリクラッシュ制御装置からの信号により作動し、シートベルトリトラクタのベルト引出しを停止するロック機構を有するため、回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができるという優れた効果を有する。
【0035】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のシートベルト巻込み装置において、ロック機構は、シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアと、ロックギアに噛合しロックギアのベルト引出し方向の回転を停止するパウルと、プリクラッシュ制御装置からの信号によりパウルをロックギアに噛合させるアクチュエータと、からなるため、回路に過大な熱を発生させることなく、シートベルトを初期位置から所定量巻込んだ状態に保持することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシートベルト巻込み装置におけるロック解除状態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシートベルト巻込み装置におけるロック状態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るシートベルト巻込み装置の制御を示すフローチャートである。
【図4】従来例のシートベルト巻込み装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 シートベルト巻込み装置
12 モータ
14 シートベルト
16 シートベルトリトラクタ
20 ロック機構
22 ロックギア
24 パウル
26 アクチュエータ
30 ソレノイド
32 プランジャー
36 プリクラッシュ制御装置
40 マニュアルスイッチ
Claims (2)
- 衝突予知を行うプリクラッシュ制御装置と、モータによりシートベルトを巻込むシートベルトリトラクタと、を備えたシートベルト巻込み装置であって、
前記プリクラッシュ制御装置からの信号により作動し、前記シートベルトリトラクタのベルト引出しを停止するロック機構を有することを特徴とするシートベルト巻込み装置。 - 前記ロック機構は、前記シートベルトを巻込むロータに設けたロックギアと、前記ロックギアに噛合し前記ロックギアのベルト引出し方向の回転を停止するパウルと、前記プリクラッシュ制御装置からの信号により前記パウルを前記ロックギアに噛合させるアクチュエータと、からなることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト巻込み装置。
Priority Applications (1)
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