JP4569809B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、車両のシートベルト装置において、チャイルドシートを装着した場合に、プリテンショナ機構の作動を制限することにより、ALR機構の作動解除を防止し、チャイルドシートの安全性を一層向上させること、シートベルト装置を簡単な構成にして製作コストを低減すること等である。
ここで、衝突予知手段により前方の車両などの障害物との相対速度や距離に基づいて、衝突の危険性が予知された場合に、作動していることが検知されたALR機構に対応する第1プリテンショナ機構の作動が制限され、ALR機構の作動を解除するのに必要な量のウエビングの巻取りが行われないため、ALR機構の作動は解除されない。
ここで、衝突予知手段により前方の車両などの障害物との相対速度や距離に基づいて、衝突の危険性が予知された場合に、チャイルドシートが装着されたことが検知されたALR機構に対応する第1プリテンショナ機構の作動が制限され、ALR機構の作動を解除するのに必要な量のウエビングの巻取りが行われないため、ALR機構の作動は解除されない。
本実施例は自動車に装備されるALR機構を備えた助手席用のシートベルト装置に本発明を適用した場合の一例である。
シートベルト装置4は、車両の衝突を予知する衝突予知センサ8(衝突予知手段に相当する)と、車両の衝突を検知する衝突検知センサ9(衝突検知手段に相当する)と、座席に着座した乗員を拘束するウエビング7と、センターピラー(図示略)に装着されウエビング7を巻取るガイドドラム(図示略)を有するリトラクター11と、リトラクター11の後面に一体的に設けられ、衝突予知センサ8による車両の衝突予知時に作動してウエビング7を所定量巻取り可能な第1プリテンショナ機構13と、リトラクター11の前面に一体的に設けられ、衝突検知センサ9による車両の衝突検知時に作動してウエビング7を巻取り可能な第2プリテンショナ機構15から構成されている。ここで、衝突予知センサ8は、例えばミリ波レーダーで構成され、衝突検知センサ9は、例えば加速度センサで構成される。
また、リトラクター11には、ウエビング7の巻取り量を検知する巻取り量検知センサ18が設けられ、更に、助手席2にチャイルドシート5を固定する際にウエビング7を引出し不可能にロックするALR機構16が設けられている。
コントロールカム26には、その内周付近の全周に亙って段付き部26aが形成され、そこに2つのリブ26c,26dと、カム26eが設けられている。ロッキングクラッチ27には、その外周部分の全周に亙って複数のラチェット歯27aが形成されている。ALRレバー28は、レバー基部28bの端部に支持され3つのアーム部28c〜28eからなる。
ウエビング7を引出すと、ガイドドラムと共にピニオン24が反時計回りに回転し、それに伴って、ピニオン24に噛合するギヤ25が時計回りに回転し、ギヤ25に一体的に設けられたピニオン25aに噛合するコントロールカム26も同様に時計回りに回転する。ウエビング7を引出していくと、コントロールカム26の第1リブ26cがALRレバー28の第1アーム部28cに当接し、更に、コントロールカム26のカム26eがALRレバー28の第2アーム部28dに当接する。
ウエビング7を巻取っていくと、ガイドドラムと共にピニオン24が時計回りに回転し、それに伴って、ピニオン24に噛合するギヤ25が反時計回りに回転し、ギヤ25に一体的に設けられたピニオン25aに噛合するコントロールカム26も同様に反時計回りに回転する。
シートベルト装置3,4の制御装置40には、CPU41,ROM42,RAM43(2次電池でバックアップ)、入力インターフェース44(入力I/F)、出力インターフェース45(出力I/F)等が設けられ、これらはデータバス等のバスで接続され、入力I/F44には、衝突予知センサ8、ALR作動検知センサ30、衝突検知センサ9、運転席用巻取り量検知センサ17,助手席用巻取り量検知センサ18が接続されている。
ALR機構16を作動させてチャイルドシート5を助手席2に固定すると、ALR作動検知センサ30によりALR機構16が作動していることが検知される。
自動車Cの走行中に、衝突予知センサ8により前方の車両などの障害物と衝突の危険性が予知された場合には、ALR機構16が作動していることが検知された助手席2の第1プリテンショナ機構13に対しては作動が制限され、ウエビング7の巻取りが行われないため、ALR機構16は解除されない。その結果、チャイルドシート5を固定しているウエビング7は引出し不可能にロックされているため、走行中の振動などでウエビング7が弛むことなく、チャイルドシート5が座席から離脱するのを防止でき、チャイルドシート5の安全性を一層向上させることができる。
自動車Cのシートベルト装置4Aにおいては、ALR機構16の作動の有無を検知するALR作動検知センサ30の代わりに、助手席2のシートクッション2a側にチャイルドシート5が装着されたか否か検知するウエイトセンサ50(チャイルドシート5検知手段に相当する)を設けて、入力I/F44に接続されている(図9、図10参照)。
1)実施例においては、ALR作動検知センサによりALR機構が作動していることが検知された場合や、ウエイトセンサによりチャイルドシートが装着されたことが検知された場合には、そのシートベルト装置に対応する第1プリテンショナ機構と第2プリテンショナ機構を作動させないこととしたが、ALR機構が作動していることが検知されない場合や、チャイルドシートが装着されたことが検知されない場合に比べて第1プリテンショナ機構と第2プリテンショナ機構によるウエビングの巻取り量を小さくしてもよい。その場合、ALRの作動が解除される所定量のウエビングを巻き取らないものとする。
3)その他、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更された種々の形態を包含するものである。
1 運転席
2 助手席
2a シートクッション
3,4 シートベルト装置
5 チャイルドシート
6,7 ウエビング
8 衝突予知センサ
9 衝突検知センサ
12,13 第1プリテンショナ機構
14,15 第2プリテンショナ機構
16 ALR機構
19 運転席用電動モータ
20 助手席用電動モータ
21 運転席用インフレータ
22 助手席用インフレータ
30 ALR作動検知センサ
40 制御装置
50 ウエイトセンサ(チャイルドシート検知手段)
Claims (8)
- 車両の衝突を予知する衝突予知手段と、座席に着座した乗員を拘束するウエビングと、前記衝突予知手段による車両の衝突予知時に作動してウエビングを所定量巻取り可能な第1プリテンショナ機構と、この第1プリテンショナ機構を制御する制御手段とを備えた車両のシートベルト装置において、
前記車両の運転席以外の乗員席用に設けたシートベルト装置に、その乗員席にチャイルドシートを固定する際にウエビングを引出し不可能にロックするALR機構を設け、
前記ALR機構は、前記シートベルト装置から所定量引出した後、前記シートベルト装置に巻き取らせることによって前記ウエビングを引出し不可能にロックするとともに、前記ロック状態から更にウエビングを所定量巻き取ることにより前記ロック状態が解除されるものであり、
前記ALR機構の作動の有無を検知する作動検知手段を備え、
前記制御手段は、作動検知手段によりALR機構が作動していることが検知された場合に、そのALR機構に対応する第1プリテンショナ機構の作動を、前記ウエビングが巻き取られる量が前記ロック状態の解除に必要な前記所定量に達しないように制限することを特徴とする車両のシートベルト装置。 - 前記第1プリテンショナ機構は電動モータで駆動されることを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。
- 前記制御手段は、作動検知手段によりALR機構が作動していることが検知された場合、ALR機構が作動していることが検知されない場合に比べて第1プリテンショナ機構によるウエビングの巻取り量を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のシートベルト装置。
- 前記制御手段は、作動検知手段によりALR機構が作動していることが検知された場合に、第1プリテンショナ機構を作動させないことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のシートベルト装置。
- 車両の衝突を予知する衝突予知手段と、座席に着座した乗員を拘束するウエビングと、前記衝突予知手段による車両の衝突予知時に作動してウエビングを所定量巻取り可能な電動モータを有する第1プリテンショナ機構と、この第1プリテンショナ機構を制御する制御手段とを備えた車両のシートベルト装置であって、
前記車両の運転席以外の乗員席用に設けたシートベルト装置に、その乗員席にチャイルドシートを固定する際にウエビングを引出し不可能にロックするALR機構を設け、
前記ALR機構は、前記シートベルト装置から所定量引出した後、前記シートベルト装置に巻き取らせることによって前記ウエビングを引出し不可能にロックするとともに、前記ロック状態から更にウエビングを所定量巻き取ることにより前記ロック状態が解除されるものであり、
前記乗員席に設けられこの乗員席にチャイルドシートが装着されたか否か検知するチャイルドシート検知手段を備え、
前記制御手段は、チャイルドシート検知手段によりチャイルドシートが検知された場合に、その乗員席のALR機構に対応する第1プリテンショナ機構の作動を、前記ウエビングが巻き取られる量が前記ロック状態の解除に必要な前記所定量に達しないように制限することを特徴とする車両のシートベルト装置。 - 前記チャイルドシート検知手段はシートクッションに組込まれたウエイトセンサを有し、このウエイトセンサで検出された荷重が所定荷重範囲内の場合に、チャイルドシートが装着されたと検知することを特徴とする請求項5に記載の車両のシートベルト装置。
- 車両の衝突を検知する衝突検知手段と、この衝突検知手段による車両の衝突検知時に作動してウエビングを巻取り可能な第2プリテンショナ機構とを設け、
前記制御手段は、衝突検知手段により車両の衝突が検知された場合、第1プリテンショナ機構を作動させた場合には、更に第2プリテンショナ機構を作動させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の車両のシートベルト装置。 - 前記第2プリテンショナ機構はインフレータで駆動されることを特徴とする請求項7に記載の車両のシートベルト装置。
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