JP2007076536A - 車両のシートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャイルドシート3の座席1に対する固定を、容易かつ確実に行い得るようにする。
【解決手段】座席1にチャイルドシート3を固定する際にウエビング41を引き出し不可能にロックするALR機構6と、ALR機構6が作動したことを検知するALR作動検知手段73と、を備える。衝突予知時にプリテンショナ機構22を制御する制御手段5は、ALR作動検知手段73がALR機構6の作動を検知したことを受けて、プリテンショナ機構22のモータ22aに対して所定電流の通電制御を実行し、それによってチャイルドシート3を座席1に対して固定する。
【選択図】図1
【解決手段】座席1にチャイルドシート3を固定する際にウエビング41を引き出し不可能にロックするALR機構6と、ALR機構6が作動したことを検知するALR作動検知手段73と、を備える。衝突予知時にプリテンショナ機構22を制御する制御手段5は、ALR作動検知手段73がALR機構6の作動を検知したことを受けて、プリテンショナ機構22のモータ22aに対して所定電流の通電制御を実行し、それによってチャイルドシート3を座席1に対して固定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリテンショナ機構が設けられた車両のシートベルト装置に関する。
従来より車両のシートベルト装置として、例えばミリ波レーダからなる衝突予知センサによって衝突の危険性が予知されたときに、電動モータの駆動によってウエビングを所定量巻き取って、乗員の拘束性を高めるようにした、いわゆるプリテンショナ機構付きのシートベルト装置が知られている。
また、例えば特許文献1には、乳幼児を車両の座席に着座させる場合に用いられるチャイルドシートが座席に取り付けられている場合には、プリテンショナ機構の作動を制限するシートベルト装置が開示されている。
ところで、チャイルドシートをウエビングによって座席に固定する際には、一般的には以下のような取り付け作業を行う。つまり、チャイルドシートを座席にセットした後に、ウエビングを最大限引き出して、そのウエビングをチャイルドシートに設けられたベルトガイドを通し、ウエビングに設けられたタングをバックルに係合させる。その状態で、引き出したウエビングを巻き取らせてウエビングの弛みをなくす。このことにより、チャイルドシートがウエビングにより拘束される。
ここで、シートベルト装置が、ウエビングを引き出し不可能にロックするALR(Automatic Locking Retractor)機構を具備している場合には、そのALR機構がウエビングを引き出し不可能にロックすることで、固定金具なしでチャイルドシートを座席に確実に固定することができる。尚、ALR機構は、ロックした位置からさらに所定量のウエビングを巻き取ることにより解除されるようになっている。
特開平10−211867号公報
ALR機構によってチャイルドシートを座席に確実かつ強固に固定するには、引き出したウエビングをチャイルドシートに係合した状態で十分に巻き取らせなければならないが、そのウエビングの巻き取りには比較的力が必要であり、例えば女性等の、力の弱い人がチャイルドシートを座席に取り付けた場合はチャイルドシートの固定が不十分になりやすい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チャイルドシートの座席に対する固定を、容易かつ確実に行い得るようにすることにある。
本発明は、衝突安全性のためにシートベルト装置に装備されているプリテンショナ機構を利用して、チャイルドシートを座席に対し固定することにした。
本発明は、車両の衝突を予知する衝突予知手段と、座席に着座した乗員を拘束するためのウエビングと、上記ウエビングをモータの駆動により所定量巻き取るプリテンショナ機構と、上記衝突予知手段が車両の衝突を予知したことを受けて上記プリテンショナ機構を作動制御する制御手段と、を備えた車両のシートベルト装置を対象とする。
そして、上記シートベルト装置は、上記座席にチャイルドシートを固定する際に上記ウエビングを引き出し不可能にロックするALR機構と、上記ALR機構が作動したことを検知するALR作動検知手段と、をさらに備え、上記制御手段はさらに、上記ALR作動検知手段が上記ALR機構の作動を検知したことを受けて、上記プリテンショナ機構のモータに対して所定電流の通電制御を実行し、それによって上記チャイルドシートを上記座席に対して固定する。
この構成によると、ALR機構はチャイルドシートを座席に取り付ける際に作動する機構であるため、ALR作動検知手段がALR機構が作動したことを検知したことは、チャイルドシートをウエビングにより座席に固定していることと略等価である。
制御手段は、ALR機構が作動したことを受けてプリテンショナ機構のモータに対し所定電流の通電制御を実行する。それによって、ウエビングが十分に巻き取られ、ALR機構によりチャイルドシートが上記座席に対して強固に固定される。
このように、プリテンショナ機構によってウエビングを巻き取らせることによって、チャイルドシートの取付者が力がない人であっても、チャイルドシートを座席に対し、容易に、しかも強固かつ確実に固定することが可能になる。
ここで、上記制御手段は、上記モータに対する所定時間の通電を、複数回実行する、としてもよい。
チャイルドシートを座席に取り付けているときには、その取付者がウエビングに手を添えていることも予想されるが、モータに対する所定時間の通電を複数回実行することによって、ウエビングは複数回に分けて巻き取られる。このため、ウエビングが一気に巻き取られることとは異なり、取付者の違和感が防止される。
この場合、上記制御手段は、上記モータに対する2回目以降の通電を、前回の通電時よりも電流を高めながら行う、としてもよい。
こうすることでウエビングは、最初は相対的に弱い力で巻き取られ、後になるほど強い力で巻き取られることになり、取付者の違和感がさらに防止されると共に、いきなり強い力でウエビングが巻き取られることがないため、取付作業の安全性が向上する。
上記シートベルト装置は、上記ウエビングに設けられているタングが、上記車両に固定されているバックルに対し係合したことを検知するバックル係合検知手段をさらに備え、上記制御手段は、上記ALR作動検知手段が上記ALR機構の作動を検知したことと、上記バックル係合検知手段が上記タングとバックルとの係合を検知したことと、の双方を受けて、上記プリテンショナ機構のモータに対して所定電流の通電制御を実行する、としてもよい。
こうすることで、ALR機構が作動しただけでなく、タングがバックルに係合したときにプリテンショナ機構によるウエビングの巻き取りが実行されるため、チャイルドシートの取り付け状態であることがより精度よく判断され、プリテンショナ機構の作動がより的確に実行される。
以上説明したように、本発明の車両のシートベルト装置によると、プリテンショナ機構を利用してウエビングを巻き取り、それによってチャイルドシートを座席に固定するため、力の弱い取付者であっても、チャイルドシートを、容易にしかも強固かつ確実に座席に対し固定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるシートベルト装置Aが適用された車両Cを示す。同図において、符号1は座席(運転席を除く、尚、図例では、例えば助手席等の車幅方向左側に位置する座席を示している)、2はシートベルト本体、3は座席1に対して固定されるベース部31と、ベース部31に支持されるクッション部32とからなるチャイルドシート3を示す。
上記シートベルト本体2は、座席に着座した乗員を拘束するウエビング41と、ウエビング41を巻き取るガイドドラム(図示省略)を有するリトラクタ21と、該リトラクタ21から引き出されたウエビング41の先端が取り付けられるラップアンカー42と、タング43が着脱可能に係合するバックル44と、を有する3点式に構成されている。上記リトラクタ21及びラップアンカー42はそれぞれ、座席1の車幅方向外方側で車両Cに固定されているのに対し、バックル44は、座席1の車幅方向内方側で車両Cに固定されている。
上記リトラクタ21から引き出されたウエビング41は、座席1の車幅方向外方側の上方位置に設けられたスルーアンカー45により、その引き出し方向が上向きから下向きに変換されて、その先端が上記ラップアンカー42に取り付けられている。上記タング43は、上記スルーアンカー45とラップアンカー42との間で摺動可能に設けられており、チャイルドシート3を固定する場合には、チャイルドシート3のベース部31に設けられたベルトガイド(図示省略)にウエビング41を通した状態で、このタング43を上記バックル44に係合させることによって、図1に示すように、ウエビング41によりチャイルドシート3(それのベース部31)が座席1に対し固定されることになる。尚、ウエビング41は、実際はチャイルドシート3のベース部31に対して密着した状態となるが、図例では理解容易のために、ウエビング41をベース部31から離した状態で描いている。
上記シートベルト装置Aは、上記シートベルト本体2に加えてさらに、車両Cの衝突を予知する衝突予知センサ71と、車両Cの衝突を検知する衝突検知センサ72と、リトラクタ21に対し一体的に設けられ、衝突予知センサ71による車両の衝突予知時に作動してウエビング41を所定量巻き取る第1プリテンショナ機構22と、リトラクタ21に対し一体的に設けられ、衝突検知センサ72による車両の衝突検知時に作動してウエビング41を巻き取る第2プリテンショナ機構23と、バックル44に設けられかつ、タング43がバックル44に係合されていることを検知するバックル係合検知センサ(バックルスイッチ)74と、第1及び第2プリテンショナ機構22,23の制御を行う制御装置5と、を備えている。ここで、衝突予知センサ71は、例えばミリ波レーダで構成され、衝突検知センサ72は、例えば加速度センサで構成される。
リトラクタ21には、ウエビング41の巻き取りを行うゼンマイバネ(図示略〉が設けられ、乗車時においてウエビング41を装着する際には、ゼンマイバネのバネ力に抗してウエビング41が引き出される。
また、リトラクタ21には、座席1にチャイルドシート3を固定する際にウエビング41を引き出し不可能にロックするALR機構6が設けられている。ALR機構6の構成の詳細については後述する。
第1プリテンショナ機構22は、衝突予知センサ71により前方の車両等の障害物との相対速度や距離に基づいて、衝突の危険性が検知された場合に、その電動モータ22a(図6参照)を駆動させて、所定の張力となるように所定量のウエビング41を巻き取り、衝突の危険性を回避したと判断された場合には、電動モータ22aを駆動させて、ウエビング41を引き出して巻き取り前の張力に戻す。
第2プリテンショナ機構23は、衝突検知センサ72により車両の衝突が検知された場合に、そのインフレータ23a(図6参照)を作動させて、所定の張力となるように所定量のウエビング41を、第1プリテンショナ機構22による巻き取り速度以上の速度で巻き取る。
次に、リトラクタ21に設けられたALR機構6について、図2〜図5を参照しながら説明する。
ALR機構6は、図示省略のガイドドラムに取り付けられたピニオン61と、ピニオン61に噛合するギヤ62と、コントロールカム63と、ロッキングクラッチ64と、枢支ピン65aにより回動可能に支持されたALRレバー65と、ALRレバー65に対してバネ力を付与するALRスプリング66と、ALRレバー65の左側に設けたALR作動検知センサ73等から構成される。
コントロールカム63には、その内周付近の全周に亙って段付き部63aが形成され、そこに2つのリブ63c,63dと、カム63eとが設けられている。ロッキングクラッチ64には、その外周部分の全周に亙って複数のラチェット歯64aが形成されている。ALRレバー65は、3つのアーム部65c、65d,65eからなり、レバー基部65bの端部に支持されている。
ALR作動検知センサ73は、ALR機構6が作動しているか否かを検知するセンサであって、マイクロスイッチで構成される。ギヤ62は、小径のピニオン62aを一体的に有し、このピニオン62aがコントロールカム63の内周部に形成されたギヤ歯63bに噛合していることによって、ウエビング41の引き出し・巻き取りに伴うガイドドラムの回転がピニオン61とギヤ62を介してコントロールカム63に伝達されて、コントロールカム63が回転する。
次に、ALR機構6の作動について、図2,3を参照しながら説明する。ウエビング41を引き出すと、ガイドドラムと共にピニオン61が反時計回りに回転し、それに伴って、ピニオン61に噛合するギヤ62が時計回りに回転し、ギヤ62に一体的に設けられたピニオン62aに噛合するコントロールカム63も同様に時計回りに回転する。
ウエビング41を引き出していくと、コントロールカム63の第1リブ63cがALRレバー65の第1アーム部65cに当接し、さらにコントロールカム63のカム63eがALRレバー65の第2アーム部65dに当接する。
ウエビング41を全量引き出したとき、コントロールカム63の回転に伴ってALRレバー65も同様に反時計回りに回転し、ALRレバー65はロック位置に誘導され、ALRレバー65の第3アーム部65eの係合爪部65fがロッキングクラッチ64のラチェット歯64aに係合しない状態で保持される(図2参照)。ここで、ウエビング41を所定長さだけ(例えば約80mmだけ)巻き取ると、コントロールカム63は反時計回りに回転し、第1リブ63cとアーム部65cと、及びカム63eとアーム部65dとの当接は解除され、ALRスプリング66のバネ力によりALRレバー65の係合爪部65fがロッキングクラッチ64のラチェット歯64aに係合する位置へ回転し、ALRレバー65がロック位置となる(図3参照)。その結果、ALR機構6が作動してウエビング41が引き出し不可能となる。このとき、ALR作動検知センサ73はALRレバー65の第1アーム部65cによって押し込まれてONの状態となり、ALR機構6は作動していると検知される。
次に、ALR機構6の作動の解除について、図4,5を参照しながら説明する。ウエビング41を巻き取っていくと、ガイドドラムと共にピニオン61が時計回りに回転し、それに伴って、ピニオン61に噛合するギヤ62が反時計回りに回転し、ギヤ62に一体的に設けられたピニオン62aに噛合するコントロールカム63も同様に反時計回りに回転する。
ALR機構6の作動が解除される所定量のウエビング41を巻き取ると、コントロールカム63の第2リブ63dがALRレバー65の第2アーム部65dに当接し、コントロールカム63の回転に伴ってALRレバー65も同様に時計回りに回転し、ALRレバー65の係合爪部65fによるロッキングクラッチ64のラチェット歯64aへの噛合が解除され(図4参照)、ALRレバー65はロック解除位置に誘導され、ALRスプリング66のバネ力によりALRレバー65が通常位置に保持される(図5参照)。その結果、ALR機構6の作動が解除され、ウエビング41の巻き取り、引き出しが可能となる。このとき、ALRレバー65の第1アーム部65cは、ALR作動検知センサ73から離れてALR作動検知センサ73はOFFの状態となり、ALR機構6は作動していないと検知される。
次に、自動車Cのシートベルト装置Aの制御系について図6を参照しながら説明する。シートベルト装置Aの制御装置5には、CPU51,ROM52,RAM53(2次電池でバックアップされる)、入カインターフエース54(入力I/F)、出カインターフエース55(出力I/F)等が設けられ、これらはデータバス等のバスで接続され、入力I/F54には、衝突予知センサ71、衝突検知センサ72、ALR作動検知センサ73、バックル係合検知センサ74が接続されている。
出力I/F55には、第1プリテンショナ機構22を構成する電動モータ22a、第2プリテンショナ機構23を構成するインフレータ23aが接続されている。尚、出力I/F55には、電動モータ22aとインフレータ23aを駆動する駆動回路を含むものとする。また、図例では、制御装置5に対して1つの電動モータ22aと1つのインフレータ23aとのみが接続されているが、制御装置5は、他の座席に設けられたシートベルト装置の第1及び第2プリテンショナ機構の制御をも実行するものとする。
制御装置5のROM52には、上記センサ類71〜74から入力される信号に基づいて、第1プリテンショナ機構22及び第2プリテンショナ機構23の作動を制御するための制御プログラムが格納されている。
次に、図7に示すフローチャートを参照しながら、制御装置5によるプリテンショナ機構の作動制御について説明する。
先ずステップS1において、イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONであるのYESのときにはステップS2に移行し、OFFであるのNOのときにはステップS1を繰り返す。
ステップS2では、予め定めた規定時間を経過したか否かを判定し、規定時間が経過したのYESのときにはステップS19に移行して、第1及び第2プリテンショナ機構22,23に対する通常の制御を行う。つまり、衝突予知センサ71により衝突の危険性が検知された場合には、電動モータ22aを駆動させて、所定の張力となるように所定量のウエビング41を巻き取り、衝突の危険性を回避したと判断された場合には、電動モータ22aを駆動させて、ウエビング41を引き出して巻き取り前の張力に戻す。また、衝突検知センサ72により車両の衝突が検知された場合には、インフレータ23aを作動させて、所定の張力となるように所定量のウエビング41を、第1プリテンショナ機構22による巻き取り速度以上の速度で巻き取る。
一方、ステップS2で規定時間が経過していないのNOのときにはステップS3に移行する。ここで、規定時間は、ウエビング41を引き出してタング43をバックル44に係合させるために要する時間(チャイルドシート3を座席1に取り付けるために要する時間)を考慮して、適宜設定すればよい。
ステップS3では、バックル係合検知センサ(バックルスイッチ)74の検知結果より、タング43がバックル44に係合されているか否かを判定し、係合されている(スイッチがON)のYESのときにはステップS4に移行し、係合されていない(スイッチがOFF)のNOのときにはステップS1に戻る。
ステップS4では、ALR作動検知センサ(マイクロスイッチ)73の検知結果より、ALR機構6が作動している否かを判定し、作動している(スイッチがON)のYESのときにはステップS5に移行し、作動していない(スイッチがOFF)のNOのときにはステップS1に戻る。
ステップS5では、電動モータ22aに対しウエビング41の巻き取り方向となる電流Aを通電し、ステップS6に移行する。
ステップS6では、バックル係合検知センサ74の検知結果より、タング43がバックル44に係合されているか否かを判定し、係合されている(バックルスイッチがON)のYESのときにはステップS7に移行し、係合されていない(バックルスイッチがOFF)のNOのときにはステップS8に移行する。
ステップS7では、ALR作動検知センサ73の検知結果より、ALR機構6が作動している否かを判定し、作動している(マイクロスイッチがON)のYESのときにはステップS9に移行し、作動していない(マイクロスイッチがOFF)のNOのときにはステップS8に移行する。
ステップS8では、電動モータ22aに対する通電を停止し、その上でステップS1に戻る。
ステップS9では、電流Aを通電してから所定時間T1を経過したか否かを判定し、時間T1を経過していないのNOのときにはステップS6に戻り、時間T1を経過したのYESのときにはステップS10に移行する。
ステップS10では、電動モータ22aに対し、電流B(電流A<電流B)を通電し、ステップS11に移行する。
ステップS11では、バックル係合検知センサ74の検知結果より、タング43がバックル44に係合されているか否かを判定し、係合されている(バックルスイッチがON)のYESのときにはステップS12に移行し、係合されていない(バックルスイッチがOFF)のNOのときにはステップS8に移行する。
ステップS12では、ALR作動検知センサ73の検知結果より、ALR機構6が作動している否かを判定し、作動している(マイクロスイッチがON)のYESのときにはステップS13に移行し、作動していない(マイクロスイッチがOFF)のNOのときにはステップS8に移行する。
ステップS13では、電流Bを通電してから所定時間T2を経過したか否かを判定し、時間T2を経過していないのNOのときにはステップS11に戻り、時間T2を経過したのYESのときにはステップS14に移行する。
ステップS14では、電動モータ22aに対し、電流C(電流A<電流B<電流C)を通電し、ステップS15に移行する。
ステップS15では、バックル係合検知センサ74の検知結果より、タング43がバックル44に係合されているか否かを判定し、係合されている(バックルスイッチがON)のYESのときにはステップS16に移行し、係合されていない(バックルスイッチがOFF)のNOのときにはステップS8に移行する。
ステップS16では、ALR作動検知センサ73の検知結果より、ALR機構6が作動している否かを判定し、作動している(マイクロスイッチがON)のYESのときにはステップS17に移行し、作動していない(マイクロスイッチがOFF)のNOのときにはステップS8に移行する。
ステップS17では、電流Cを通電してから所定時間T3を経過したか否かを判定し、時間T3を経過していないのNOのときにはステップS15に戻り、時間T3を経過したのYESのときにはステップS18に移行する。
ステップS18では、電動モータ22aへの通電を停止してフローを終了する。
このフローにより電動モータ22aに対しては、図8に示すように、段階的に通電が行われることになる。ここで、電流Aは例えば6A(アンペア)、電流Bは13A、電流Cは30A程度としてもよい。また、時間T1は2秒、時間T2は2秒、時間T3は1秒程度としてもよい。尚、電流A,B,C及び時間T1,T2,T3はこれに限るものではない。
以上説明したように、上記シートベルト装置Aによれば、ALR作動検知センサ73がALR機構6が作動した、換言すれば座席1にチャイルドシート3を取り付けていることを検知したことを受けて、制御装置5が第1プリテンショナ機構22のモータ22aに対し通電制御を実行する。このことによって、ウエビング41が巻き取られ、ALR機構6によりチャイルドシート3を座席1に対して強固かつ確実に固定することができる。
このように、プリテンショナ機構22を利用することによって、力がない人でもチャイルドシート3を座席1に対して容易にしかも強固に固定することが可能になる。
また、ALR機構6の作動に加えて、バックル係合検知センサ74が、タング43がバックル44に係合されたことを検知したことを受けて、制御装置5が第1プリテンショナ機構22のモータ22aに対し通電制御を実行することによって、チャイルドシート3を座席1に取り付けていることをより確実に検知することができる。
さらに、電動モータ22aに対する通電制御を、図8に示すように複数回実行することによって、ウエビング41は一度に巻き取られるのではなく、段階的に巻き取られることになるため、チャイルドシート3を固定している取付者に対する違和感を防止することができる。例えば取付者がウエビング41に手を添えている状態であっても、ウエビング41が一気に巻き取られることがない。
加えて、電動モータ22aに対する2回目以降の通電を、図8に示すように前回の通電時よりも高めて行うことによって、チャイルドシート3を取り付けている取付者に対する違和感をより一層防止することができる。つまり、ウエビング41が強い力で急激に巻き取られることがない。
また、第1プリテンショナ機構22(電動モータ22a)は衝突予知時に作動するため、通常はほとんど作動することがない。このため、長期間作動させない電動モータ22aには、その端子に酸化皮膜等が発生する虞もあるが、上記の制御では、第1プリテンショナ機構22がチャイルドシート3を座席1に装着する毎に作動することになり、電動モータ22aの作動頻度が高まる。従って、電動モータ22aの酸化皮膜の発生を防止して、電動モータ22aを常に確実に動作させ得る点でも有効である。
尚、電動モータ22aに対する通電制御において、最初の通電(電流A、時間T1)と次の通電(電流B、時間T2)との間にインターバルを設けてもよい。同様に、2回目の通電(電流B、時間T2)と3回目の通電(電流C、時間T3)との間にインターバルを設けてもよい。
また、図6に示すフローチャートのステップS8では、電動モータ22aに対する通電を停止しているが、これに換えてステップS8では、電動モータ22aに対し、ウエビング41の引き出し方向となる通電を行ってもよい。
以上説明したように、本発明は、プリテンショナ機構を利用してチャイルドシートの固定を行うことによってチャイルドシートを強固かつ確実に座席に固定することができるため、車両のシートベルト装置について有用である。
1 座席
22 第1プリテンショナ機構
22a 電動モータ
3 チャイルドシート
41 ウエビング
43 タング
44 バックル
5 制御装置(制御手段)
6 ALR機構
71 衝突予知センサ(衝突予知手段)
73 ALR作動検知センサ(ALR作動検知手段)
74 バックル係合検知センサ(バックル係合検知手段)
A シートベルト装置
C 車両
22 第1プリテンショナ機構
22a 電動モータ
3 チャイルドシート
41 ウエビング
43 タング
44 バックル
5 制御装置(制御手段)
6 ALR機構
71 衝突予知センサ(衝突予知手段)
73 ALR作動検知センサ(ALR作動検知手段)
74 バックル係合検知センサ(バックル係合検知手段)
A シートベルト装置
C 車両
Claims (4)
- 車両の衝突を予知する衝突予知手段と、
座席に着座した乗員を拘束するためのウエビングと、
上記ウエビングをモータの駆動により所定量巻き取るプリテンショナ機構と、
上記衝突予知手段が上記車両の衝突を予知したことを受けて上記プリテンショナ機構を作動制御する制御手段と、を備えた車両のシートベルト装置であって、
上記座席にチャイルドシートを固定する際に上記ウエビングを引き出し不可能にロックするALR機構と、
上記ALR機構が作動したことを検知するALR作動検知手段と、をさらに備え、
上記制御手段はさらに、上記ALR作動検知手段が上記ALR機構の作動を検知したことを受けて、上記プリテンショナ機構のモータに対して所定電流の通電制御を実行し、それによって上記チャイルドシートを上記座席に対して固定するシートベルト装置。 - 請求項1に記載のシートベルト装置において、
上記制御手段は、上記モータに対する所定時間の通電を、複数回実行するシートベルト装置。 - 請求項2に記載のシートベルト装置において、
上記制御手段は、上記モータに対する2回目以降の通電を、前回の通電時よりも電流を高めて行うシートベルト装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルト装置において、
上記ウエビングに設けられているタングが、上記車両に固定されているバックルに対し係合したことを検知するバックル係合検知手段をさらに備え、
上記制御手段は、上記ALR作動検知手段が上記ALR機構の作動を検知したことと、上記バックル係合検知手段が上記タングとバックルとの係合を検知したことと、の双方を受けて、上記プリテンショナ機構のモータに対して所定電流の通電制御を実行するシートベルト装置。
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