JP2013212718A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星ギヤの組み付けが容易で且つ遊星歯車機構を構成する各ギヤの剛性を特に高めなくてもこれらのギヤの良好な噛み合いを維持できる遊星歯車機構を有するウェビング巻取装置を得る。
【解決手段】キャリアプレート142において太陽ギヤ180を介して遊星ギヤ172とは反対側には規制回転体184が設けられている。センサギヤと共に内歯ギヤ176がその回転半径方向に変位すると、内歯ギヤ176が規制回転体184の軸部186を押圧し、更に、規制回転体184のギヤ部188が太陽ギヤ180を押圧する。これにより、太陽ギヤ180に対する内歯ギヤ176の相対的な変位量を小さくできる。しかも、規制回転体184は内歯ギヤ176に噛み合わないので、遊星ギヤ172を組み付けた後に簡単に規制回転体184を組み付けることができる。したがって、規制回転体184よりも先に遊星ギヤ172を簡単に組み付けることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウェビングを巻取って格納するウェビング巻取装置に関する。
車両のシートベルト装置を構成するウェビング巻取装置は、車両が急減速した場合やウェビングを巻取って格納するスプールが引出方向へ急回転した場合に作動してスプールの引出方向への回転を規制するエマージェンシ・ロッキング・リトラクタ等と称されるロック機構(以下、この種のロック機構を「ELR機構」と称する)を備えている。また、この「ELR機構」とは異なり、作動状態では常にスプールの巻取方向への回転のみを許容してスプールの引出方向への回転を規制するオートマチック・ロッキング・リトラクタ等と称されるロック機構(以下、この種のロック機構を「ALR機構」と称する)もあり、近年では、例えば、シート上に載置したチャイルドシートを固定する際に「ALR機構」が利用されている。
また、ウェビングを一定長さ引出した状態(例えば、スプールからウェビングを全て引出した状態)でロック機構を強制的に作動させると共に、ロック機構の作動状態を所定の長さのウェビングがスプールに巻取られるまで維持するような構成とすることで「ELR機構」及び「ALR機構」の構成部品を共通化している。
このように「ELR機構」と「ALR機構」との切り替えには遊星歯車機構を適用した構成がある(一例として下記特許文献1を参照)。このような構成の場合、スプールと一体的に回転する太陽ギヤを遊星歯車機構における入力ギヤとし、遊星ギヤを支持するキャリアプレートを遊星歯車機構の出力としている。スプールの引出方向への回転は減速されてキャリアプレートに伝わり、ウェビングが一定長さ引出されるとキャリアプレートが「ELR機構」と「ALR機構」とを切り替える切替手段を操作し、「ELR機構」から「ALR機構」へ切り替える。また、「ALR機構」の状態から所定の長さのウェビングがスプールに巻取られるまでスプールが巻取方向に回転すると、キャリアプレートが切替手段を操作し、「ALR機構」から「ELR機構」へ切り替える。
特開平7−277137号の公報
ところで、一般的に遊星歯車機構は、遊星ギヤが太陽ギヤに噛み合い、更に、この太陽ギヤに対して同軸の内歯ギヤにも遊星ギヤが噛み合う構成であり、遊星ギヤは1つであっても遊星歯車機構は成立する(動作する)。但し、遊星ギヤが1つの場合、遊星ギヤと内歯ギヤとの噛合部分において内歯ギヤがその半径方向に離間するような変位が生じることがある。この点を考慮して、このような構成では、遊星歯車機構を構成する各ギヤの剛性や各ギヤを支持する部分の剛性を高く設定している。このため、各ギヤの小型化が難しい。
そこで、例えば、太陽ギヤを介して2つの遊星ギヤを対向配置する。このような構成では、一方の遊星ギヤと内歯ギヤとの噛合部分において内歯ギヤがその半径方向に離間するような変位が生じると、内歯ギヤが他方の遊星ギヤを太陽ギヤ側へ押圧する。さらに押圧された他方の遊星ギヤは太陽ギヤを一方の遊星ギヤ側へ押圧し、太陽ギヤが一方の遊星ギヤを内歯ギヤとの噛合部分側へ押圧する。したがって、このような構成では、上記のような内歯ギヤの変位が生じても、太陽ギヤからの押圧力が一方の遊星ギヤと内歯ギヤとの噛み合いを維持するように作用する。
しかしながら、遊星ギヤは各々の中心軸線周りの回転位置と、太陽ギヤを中心とする回転位置の双方が適切でないと遊星ギヤを太陽ギヤ及び内歯ギヤの双方に適切に噛み合わせることが難しく、特に複数の遊星ギヤを用いる場合には、2つめ以降の遊星ギヤの組み付けが難しい。
本発明は、上記事実を考慮して、遊星ギヤの組み付けが容易で且つ遊星歯車機構を構成する各ギヤの剛性を特に高めなくてもこれらのギヤの良好な噛み合いを維持できる遊星歯車機構を有するウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、ウェビングの長手方向基端側が係止され、巻取方向に回転することで前記ウェビングを巻取って格納するスプールと、前記スプールと一体的又は前記スプールに連動して回転する太陽ギヤと、前記太陽ギヤの外側で前記太陽ギヤに対して同軸的に設けられた内歯ギヤと、前記太陽ギヤ及び前記内歯ギヤの双方に噛み合い、前記太陽ギヤの回転が伝えられて自転しつつ前記太陽ギヤの周囲を公転すると共に、所定長さの前記ウェビングが前記スプールに巻取られた所定の巻取状態から、前記スプールから前記ウェビングが全て引出された全引出状態までに要する前記スプールの回転数に対して前記公転の回転数が1回転未満になるように減速比が設定された遊星ギヤと、作動することで前記スプールの前記巻取方向への回転を許容しつつ前記巻取方向とは反対の引出方向への前記スプールの回転を規制するロック機構と、前記太陽ギヤに対して同軸的に相対回転可能で且つ前記遊星ギヤを回転自在に支持して前記遊星ギヤの公転により前記太陽ギヤに対して相対回転し、前記スプールの前記全引出状態に対応した回転位置に到達することで前記ロック機構を作動させると共に、前記スプールの前記所定の巻取状態に対応した回転位置に到達することで前記ロック機構の作動を解除させる切替手段と、前記太陽ギヤの側方に設けられて、前記太陽ギヤの回転を前記切替手段に伝えないように構成されると共に、前記太陽ギヤの回転半径方向に沿った前記太陽ギヤに対する前記内歯ギヤ変位に前記太陽ギヤを追従させる規制手段と、を備えている。
請求項1に記載のウェビング巻取装置では、ウェビングを引出すことでスプールが引出方向に回転すると、太陽ギヤが所定の方向へ回転する。太陽ギヤには切替手段に回転自在に支持された遊星ギヤが噛み合っており、太陽ギヤが回転することで遊星ギヤが自転する。また、この遊星ギヤは太陽ギヤに対して同軸的に設けられた内歯ギヤに噛み合っている。このため、太陽ギヤの回転に連動して遊星ギヤが自転すると、太陽ギヤの回転速度(回転数)に対して所定の減速比(すなわち、後述する所定の巻取状態から全引出状態までに要するスプールの回転に対して遊星ギヤの公転が1回転未満になる減速比)で減速されて太陽ギヤの周囲を公転する。
上記のように遊星ギヤは太陽ギヤに対して同軸的に回転可能な切替手段をキャリアとして回転自在に支持されている。このため、遊星ギヤが太陽ギヤの周囲を公転すると、切替手段は遊星ギヤに伴われて太陽ギヤの周囲を公転する。このようにスプールの引出方向への回転に連動して切替手段が太陽ギヤの周囲を公転し、これにより、スプールが全引出状態になると、切替手段はロック機構を作動状態とする。このようにしてロック機構が作動すると、スプールは巻取方向に回転することはできるが、引出方向に回転できない。
これに対し、この状態から所定長さのウェビングがスプールに巻取られる所定の巻取状態までスプールが巻取方向に回転すると、切替手段はロック機構の作動状態を解除する。これにより、スプールは引出方向に回転可能となる。
ところで、本発明に係るウェビング巻取装置は規制手段を備えている。太陽ギヤの回転半径方向に内歯ギヤが太陽ギヤに対して相対的に変位すると、規制手段が太陽ギヤをこの変位に追従させる。これにより、遊星ギヤや太陽ギヤ、内歯ギヤの剛性や、これらのギヤを支持する部分の剛性を特に高く設定しなくても、遊星ギヤと太陽ギヤとの噛み合いや内歯ギヤと遊星ギヤとの噛み合いを良好に保つことができる。
また、規制手段は太陽ギヤの回転を切替手段に伝えない。このため、規制手段が遊星ギヤのように太陽ギヤ及び内歯ギヤの双方に噛み合っていなくてもよい。このため、規制手段の組み付けが容易である。
請求項2に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記太陽ギヤの回転軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動可能で、回動することによりロック機構が作動する回動部材を備え、前記回動部材に前記内歯ギヤを形成している。
請求項2に記載の本発明に係るウェビング巻取装置では、太陽ギヤの回転軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動可能な回動部材が設けられ、この回動部材が回動することによりロック機構が作動する。
また、この回動部材には遊星ギヤが噛み合う内歯ギヤが形成される。ここで、回動部材は上記のように太陽ギヤの回転軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動できる構成である。このため、回動部材を支持する支持部分に対して回動部材はその回動半径方向に変位できる。しかしながら、回動部材がその回動半径方向に変位し、これによって太陽ギヤの回転半径方向に内歯ギヤが太陽ギヤに対して相対的に変位しても、規制手段が太陽ギヤをこの変位に追従させる。これにより、遊星ギヤと太陽ギヤとの噛み合いや内歯ギヤと遊星ギヤとの噛み合いを良好に保つことができる。
請求項3に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記規制手段を前記切替手段に支持させている。
請求項3に記載のウェビング巻取装置では、規制手段が切替手段に支持される。上記のように切替手段は遊星ギヤに伴われて太陽ギヤの周囲を公転する。このため、切替手段に支持された規制手段は遊星ギヤと共に太陽ギヤの周囲を公転する。これにより、太陽ギヤ周りの遊星ギヤと規制手段との間隔を一定に保つことができる。
請求項4に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記太陽ギヤを介して前記遊星ギヤとは反対側に前記規制手段を設けている。
請求項4に記載のウェビング巻取装置では、規制手段は太陽ギヤを介して遊星ギヤとは反対側に設けられる。このため、太陽ギヤが遊星ギヤから押圧力(押圧反力)で変位した場合に、太陽ギヤの遊星ギヤとは反対側から太陽ギヤに干渉し、これにより、太陽ギヤの変位を効果的に抑制できる。
請求項5に記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項3又は請求項4に記載の本発明において、前記太陽ギヤに噛み合うギヤ部を含めて前記規制手段を構成している。
請求項5に記載のウェビング巻取装置によれば、規制手段はギヤ部を備えており、このギヤ部が太陽ギヤの一方に噛み合っている。このため、遊星ギヤからの押圧力(押圧反力)で太陽ギヤがその軸方向を傾けるように変位しようとした場合には、規制手段のギヤ部がこの変位に抗するように作用し、これによって、太陽ギヤがその軸方向を傾けるような変位が抑制される。
以上、説明したように、本発明に係るウェビング巻取装置は、遊星ギヤの組み付けが容易で、しかも、軸振れのような太陽ギヤの変位を抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置の構成を示す概略的な分解斜視図である。 図1に示される構成に続く本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置の要部の構成を示す概略的な分解斜視図である。 太陽ギヤ、内歯ギヤ、遊星ギヤ、及び規制手段の組付状態を示す概略的な側面図である。
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るウェビング巻取装置10の構成の概略が分解斜視図により示されており、図2には図1に示された構成に続く本ウェビング巻取装置10の要部の構成の分解斜視図により示されている。
図1に示されるように、ウェビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は、例えば、略車両前後方向に沿って互いに対向する一対の脚板14、16を備えている。この脚板14と脚板16との間にはスプール18が設けられている。スプール18は軸方向が脚板14、16の対向方向に沿った略円筒形状に形成されている。
スプール18には長尺帯状のウェビング20の長手方向基端側が係止されており、スプール18の中心軸線周りの一方である巻取方向にスプール18を回転させると、ウェビング20がその長手方向基端側からスプール18の外周部に巻取られて格納され、ウェビング20をその先端側へ引っ張ると、スプール18に巻取られているウェビング20が引出されると共に、巻取方向とは反対の引出方向にスプール18が回転する。なお、以下、スプール18がウェビング20をそれ以上巻取ることができない状態を『所定の巻取状態』と称し、スプール18からウェビング20が全て引出された状態を『全引出状態』と称する。
一方、スプール18の内側には、長手方向がスプール18の中心軸線に沿った棒状のトーションシャフト24が配置されている。トーションシャフト24は、スプール18における脚板16側の端部近傍にて、スプール18に対して相対回転不能な状態でスプール18に繋がっている。
また、このトーションシャフト24の脚板16側の端部には、脚板16の外側(脚板16の脚板14とは反対側)に設けられた渦巻きばね等の図示しないスプール付勢手段が繋がっており、スプール18と共にトーションシャフト24が引出方向に回転すると、スプール付勢手段にて付勢力が生じ、この付勢力がトーションシャフト24を介してスプール18を巻取方向に回転させる。これにより、スプール18にウェビング20を巻取らせることができる。
一方、脚板14の外側(脚板14の脚板16とは反対側)では、ロック機構40のセンサホルダ42が脚板14に取り付けられている。センサホルダ42は部分的に脚板14側へ向けて開口した凹形状に形成されている。センサホルダ42の脚板14とは反対側には図示しないセンサカバーが設けられており、このセンサカバーよってセンサホルダ42が覆われていると共に、センサホルダ42を貫通したトーションシャフト24の他端側からに延びる軸部46が回転自在に軸支されている。
さらに、センサホルダ42の脚板14とは反対側(すなわち、センサホルダ42とセンサカバーとの間)にはVギヤ48が設けられている。Vギヤ48は全体的に合成樹脂材を成形することによってスプール18の軸方向に沿って脚板14とは反対側へ向けて開口した浅底の有底円筒形状(盆形状)に形成されており、軸部46に対して同軸的且つ一体的に取り付けられている。Vギヤ48の中心軸線からVギヤ48の半径方向に離間した位置にはWパウル50が設けられている。Wパウル50は、基端側がVギヤ48の中心軸線の向きと同じ向きを軸方向とする軸周りに揺動可能にVギヤ48に支持されており、Wパウル50はこの支持位置を中心に揺動することで先端側がVギヤ48の外縁に対して接離する。
また、Vギヤ48にはイナーシャマス52が設けられている。イナーシャマス52はVギヤ48の中心軸線の向きと同じ向きを軸方向とする軸周りに揺動可能にVギヤ48に支持されている。このようにVギヤ48に支持されたイナーシャマス52はVギヤ48に対してイナーシャマス52が巻取方向に相対的に回動(揺動)すると、イナーシャマス52は上記のWパウル50を押圧し、Wパウル50の先端側をVギヤ48の外縁に対して接近させる。さらに、イナーシャマス52の側方には圧縮コイルばね54が設けられている。圧縮コイルばね54は一端がイナーシャマス52に係合しており、イナーシャマス52を引出方向に付勢する。
一方、図2に示されるように、Vギヤ48の脚板14とは反対側には回動部材としてのセンサギヤ58が設けられている。このセンサギヤ58は合成樹脂材を成形することによって形成されている。また、センサギヤ58は軸部46が貫通するようにVギヤ48に形成された円筒形状のボス60に回動可能に支持されている。また、センサギヤ58は脚板14側へ向けて開口した浅底の有底円筒形状(盆形状)とされており、その内側に上記のVギヤ48が配置される。このセンサギヤ58の近傍にはリターンスプリング62が設けられている。このリターンスプリング62は、圧縮コイルスプリング等で構成されており、センサギヤ58がボス60周りに引出方向に回動すると付勢力が増加して、センサギヤ58を巻取方向に付勢する。
さらに、センサギヤ58におけるリターンスプリング62の係止位置では、リターンスプリング62とは反対側(巻取方向側)でセンサホルダ42の一部と対向している。このため、このセンサホルダ42の一部にセンサギヤ58が当接することで、センサギヤ58の巻取方向への回転が規制されている。
このセンサギヤ58の内側には内歯のラチェット歯が、ボス60に対して同軸的に形成されている。このラチェット歯はVギヤ48の内側に入り込んでいる。Wパウル50の先端側がVギヤ48の外縁に接近するように回動すると、Wパウル50の先端側がセンサギヤ58のラチェット歯に係合する。上記のように、センサギヤ58はVギヤ48のボス60に回動可能に支持されているが、Wパウル50の先端側がセンサギヤ58のラチェット歯に係合した状態でVギヤ48が引出方向に回転すると、Wパウル50の先端側にセンサギヤ58のラチェット歯が押圧されてセンサギヤ58がVギヤ48と共に引出方向に回転する。
また、センサギヤ58には連結爪取付部72が形成されている。連結爪取付部72には軸方向がスプール18の軸方向に沿った支持軸74が形成されている。この支持軸74には連結爪76が支持軸74周りに回動可能に支持されている。
連結爪76は支持軸74周りに回動することで先端が図1に示されるVギヤ48の外周部に接離する。この連結爪76に対応してVギヤ48の外周部にはラチェット歯78が形成されており、連結爪76がVギヤ48の外周部に接近するように回動すると、連結爪76の先端がラチェット歯78に噛み合う。この状態で、Vギヤ48が引出方向に回転すると、Vギヤ48の回転がラチェット歯78、連結爪76、支持軸74、及び連結爪取付部72を介してセンサギヤ58に伝わり、センサギヤ58を引出方向に回動させる。
一方、図1に示されるように、センサホルダ42には加速度センサ80が設けられている。加速度センサ80はセンサフレーム82を備えている。センサフレーム82には載置部84が設けられている。載置部84は略車両上方へ向けて開口するように湾曲又は傾斜した凹状の傾斜面で、この載置部84上には硬球86が載置されている。硬球86の上側には押上片88が設けられている。
押上片88は略車両前後方向を軸方向とする軸周りに回動可能にセンサフレーム82から立設された縦壁に支持されており、硬球86が載置部84上を転動して載置部84の傾斜面を昇り上がると硬球86が押上片88を押し上げる。押上片88の上方には上述した連結爪76が設けられており、硬球86に押上片88を押し上げられた押上片88は連結爪76を押し上げる。これにより、連結爪76の先端がラチェット歯78に噛み合う。
一方、連結爪取付部72の近傍でセンサギヤ58の脚板14側には回転伝達機構を構成するリンク部材94が設けられている。このリンク部材94に対応してフレーム12の脚板14には支持体96が取り付けられている。支持体96には軸方向がスプール18の中心軸線方向と同じ向きを向く支持シャフト98が設けられている。上記のリンク部材94には支持シャフト98の嵌挿が可能な筒状体100が形成されており、支持シャフト98を筒状体100に嵌挿させることで、支持シャフト98周りにリンク部材94が回転自在に支持される。
リンク部材94には係合ピン102が形成されている。係合ピン102はリンク部材94の回転中心である筒状体100の中心軸線に対してリンク部材94の回転半径方向に離間した位置からスプール18の軸方向と同方向にセンサギヤ58の側へ向けて突出形成されている。この係合ピン102に対応してセンサホルダ42には透孔104が形成されている。上述した係合ピン102は透孔104を通過している。透孔104は支持シャフト98及び筒状体100の中心軸線を中心に湾曲した円弧状に形成されている。このため、透孔104を係合ピン102が通過していても支持シャフト98周りにリンク部材94が所定角度回転できる。
透孔104を通過した係合ピン102に対応して図2に示されるセンサギヤ58の所定部位にはガイド孔114が形成されている。このガイド孔114は内幅寸法が係合ピン102の外径寸法よりも僅かに大きな長孔とされており、この内側を係合ピン102が貫通している。センサギヤ58がスプール18の中心軸心周りに回動すると、ガイド孔114の内周部が係合ピン102を押圧し、これにより、リンク部材94が支持シャフト98周りに回動する。
一方、図1に示されるように、上記の支持体96には取付ピン120によってロック部材としてのロックパウル122が支持シャフト98の軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動自在に支持されている。このロックパウル122に対応してスプール18にはロックベース124が設けられている。ロックベース124は一部がスプール18の脚板14側の開口端からスプール18に対して同軸的に相対回転可能に嵌挿されている。但し、ロックベース124には、トーションシャフト24が相対回転不能な状態で貫通している。このため、ロックベース124は、トーションシャフト24を介してスプール18に対して相対回転不能な状態で繋がっている。
また、ロックベース124の外周部にはラチェット歯128が設けられている。上記のロックパウル122の先端側には、ラチェット歯128に噛み合い可能なラチェット歯(ロック歯)が形成されており、ロックパウル122の先端側がラチェット歯128の外周部に接近する向きへロックパウル122が回動すると、ロックパウル122のラチェット歯がラチェット歯128(ロックベース124)に噛み合う。このように、ロックパウル122のラチェット歯がラチェット歯128(ロックベース124)に噛み合った状態では、ロックベース124の引出方向への回転が規制される。
このロックパウル122の回動中心からその半径方向に変位した位置では、ロックパウル122に回転伝達機構を構成する係合ピン132が形成されている。係合ピン132はロックパウル122におけるリンク部材94側の端面からスプール18の軸方向と同方向に突出形成されている。この係合ピン132に対応してリンク部材94にはガイド孔(図示省略)が形成されている。係合ピン132はこのリンク部材94のガイド孔に入り込んでおり、センサギヤ58が引出方向に回転してガイド孔114の内周部に係合ピン102が押圧されることでリンク部材94が支持シャフト98周りに巻取方向に回動すると、リンク部材94のガイド孔の内周部が係合ピン132を押圧する。これによって、ロックパウル122が回動するとロックパウル122のラチェット歯がロックベース124のラチェット歯128に接近して噛み合う。
一方、図2に示されるように、センサギヤ58の脚板14とは反対側には切替手段としてのキャリアプレート142が設けられている。本実施の形態においてキャリアプレート142は合成樹脂材を成形することによって形成されている。このキャリアプレート142には透孔144が形成されている。この透孔144に対応してセンサギヤ58には支持部146が形成されており、透孔144を支持部146が貫通している。キャリアプレート142はスプール18に対して同軸的にセンサギヤ58に対して相対回転可能に支持部146に支持される。このキャリアプレート142には押圧片148が形成されていると共に、この押圧片148とは別に押圧部150が設定されている。
これらの押圧片148及び押圧部150に対応してセンサギヤ58には切替レバー152が設けられている。切替レバー152は筒状部154を備えている。筒状部154に対応してセンサギヤ58には支持軸156が形成されている。支持軸156は軸方向がスプール18の軸方向に沿っており、筒状部154に嵌挿されている。これによって切替レバー152は支持軸156周りに回動可能に支持軸156に支持されている。支持軸156の外周部からはレバー状の当接部158が延出されている。
当接部158はキャリアプレート142の回転周方向に押圧片148及び押圧部150と対向しており、キャリアプレート142が引出方向に回転すると押圧片148が当接部158に当接して当接部158を押圧し、切替レバー152は支持軸156周りの一方の側へ回動させる。これに対して、キャリアプレート142が巻取方向に回転すると押圧部150が当接部158に当接して当接部158を押圧し、切替レバー152は支持軸156周りの他方の側へ回動させる。
また、切替レバー152は係合爪160を備えている。係合爪160に対応してセンサギヤ58には切欠162が形成されており、支持軸156周りの一方の側へ切替レバー152が回動すると係合爪160の先端側は切欠162を通過してセンサギヤ58の内側に入り込む。このようにして係合爪160がセンサギヤ58の内側に入り込むと、係合爪160の先端が上述したVギヤ48のラチェット歯78に係合する。これによってもセンサギヤ58はVギヤ48に連結され、センサギヤ58はVギヤ48と共に引出方向に回転する。
さらに、切替レバー152はばね係止部164を備えている。ばね係止部164はコイルばね166の一端からコイルばね166の内側に入り込んでいる。このコイルばね166の他端からはセンサギヤ58に形成されたばね係止突起168が入り込んでいる。支持軸156周りの切替レバー152の回動中間位置を境として、この境よりも支持軸156周りの一方の側に切替レバー152が位置すると、コイルばね166は支持軸156周りの一方の側へ切替レバー152を付勢し、上記の境よりも支持軸156周りの他方の側に切替レバー152が位置すると、コイルばね166は支持軸156周りの他方の側へ切替レバー152を付勢する。
一方、キャリアプレート142において透孔144の側方には透孔170が形成されている。この透孔170には合成樹脂材を成形することによって形成された遊星ギヤ172が取り付けられている。遊星ギヤ172は小径ギヤ部174を備えている。小径ギヤ部174は透孔170を通過して透孔170を中心に回転自在にキャリアプレート142に支持されている。小径ギヤ部174はキャリアプレート142のセンサギヤ58側に突出している。この小径ギヤ部174に対応してセンサギヤ58には内歯ギヤ176が設けられている。内歯ギヤ176はセンサギヤ58におけるキャリアプレート142と対向する側の面にスプール18に対して同軸的に形成されている。図3に示されるように、遊星ギヤ172の小径ギヤ部174は、このセンサギヤ58の内歯ギヤ176に噛み合っている。
一方、遊星ギヤ172は小径ギヤ部174よりも大きな大径ギヤ部178を備えている。大径ギヤ部178は小径ギヤ部174のセンサギヤ58とは反対側で小径ギヤ部174に対して同軸的に一体形成されている。この大径ギヤ部178に対応して上記のVギヤ48には太陽ギヤ180が形成されている。太陽ギヤ180はボス60におけるVギヤ48の本体部分とは反対側の端部でボス60に対して同軸的に一体形成されている。太陽ギヤ180は、遊星ギヤ172の小径ギヤ部174が内歯ギヤ176に噛み合った状態でキャリアプレート142よりもセンサギヤ58とは反対側へ突出する。この状態では、図3に示されるように、太陽ギヤ180は大径ギヤ部178に噛み合うことができる。
すなわち、本実施の形態では、太陽ギヤ180、内歯ギヤ176、及び遊星ギヤ172が、内歯ギヤ176を固定して太陽ギヤ180から出力された回転力を遊星ギヤ172に伝える遊星歯車機構を構成している。したがって、本実施の形態では、太陽ギヤ180の回転が減速されて遊星ギヤ172に伝わり、遊星ギヤ172が透孔170を中心に自転しつつ、遊星ギヤ172が太陽ギヤ180の周囲を太陽ギヤ180の回転方向と同じ向きに回転し、これによって、キャリアプレート142が遊星ギヤ172の公転方向に回転する。
ここで、本実施の形態において、太陽ギヤ180の回転速度に対する遊星ギヤ172の公転速度の比率(減速比)は『所定の巻取状態』から『全引出状態』までに要するスプール18の回転数(すなわち、太陽ギヤ180の回転数)で、遊星ギヤ172の公転回数が1回転未満になるように設定されている。
また、キャリアプレート142における押圧片148や押圧部150の形成位置は、『全引出状態』で支持軸156周りの切替レバー152の回動中間位置を境として、この境よりも支持軸156周りの一方の側まで押圧片148が切替レバー152の当接部158を押圧でき、『所定の巻取状態』で上記の境よりも支持軸156周りの他方の側まで押圧部150が切替レバー152の当接部158を押圧できるように設定されている。
一方、キャリアプレート142において透孔144の透孔170とは反対側には透孔182が形成されている。この透孔182には規制手段としての規制回転体184が取り付けられている。この規制回転体184は合成樹脂材を成形することによって形成されている。規制回転体184は軸部186を備えている。軸部186は透孔182に嵌挿されてキャリアプレート142に回転自在に支持されている。また、規制回転体184は軸部186よりも大きなギヤ部188を備えている。ギヤ部188は軸部186のセンサギヤ58とは反対側で軸部186に対して同軸的に一体形成されている。
図3に示されるように、このギヤ部188は上記の遊星ギヤ172の大径ギヤ部178と同様に太陽ギヤ180に噛み合っている。このため、太陽ギヤ180が回転することで規制回転体184は透孔182周りに自転する。しかも、透孔182はキャリアプレート142に形成されているため、太陽ギヤ180が回転することでキャリアプレート142が太陽ギヤ180周りに公転すると、規制回転体184もキャリアプレート142と共に(すなわち、遊星ギヤ172と共に)公転する。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウェビング巻取装置10では、スプール18から引出されたウェビング20を乗員が装着した状態で、車両が急減速状態になると、硬球86が慣性で車両前方側へ転動し、これにより、硬球86が載置部84の傾斜面を昇り上がる。このように硬球86が載置部84の傾斜面を昇り上がると硬球86が押上片88を押し上げる。押し上げられた押上片88は、センサギヤ58の連結爪76に係合して連結爪76を押し上げて回動させる。これにより、Vギヤ48のラチェット歯78に連結爪76が噛み合う。
一方、車両が減速した際の慣性で、乗員の身体が略車両前方側へ移動すると、乗員の身体によりウェビング20が引っ張られる。このように、ウェビング20が引っ張られるとスプール18は引出方向に回転する。スプール18が引出方向に回転すると、トーションシャフト24がスプール18と共に引出方向に回転し、ひいては、Vギヤ48が引出方向に回転する。このようにしてVギヤ48が引出方向に回転すると、基本的にはWパウル50及びイナーシャマス52がVギヤ48と共に引出方向に回転する。
しかしながら、Vギヤ48が所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転した場合には、イナーシャマス52が慣性によって回転せずにその位置で留まろうとする(すなわち、イナーシャマス52がVギヤ48の回転に追従できない)。この結果、引出方向に回転するVギヤ48と、これに追従できないイナーシャマス52との間に圧縮コイルばね54の付勢力に抗した相対的な回転が生じ、イナーシャマス52はVギヤ48に対して巻取方向へ相対回転する。
このような相対回転がイナーシャマス52に生じると、イナーシャマス52がWパウル50を押圧し、その基端側を軸にWパウル50の先端側をVギヤ48の外周縁へ接近させる向きにWパウル50を回動させる。このように回動したWパウル50は先端側がセンサギヤ58のラチェット歯に接近して噛み合う。
以上のように、Vギヤ48のラチェット歯78に連結爪76が噛み合った状態や、センサギヤ58のラチェット歯にWパウル50の先端側が噛み合った状態でVギヤ48が引出方向に回転すると、このVギヤ48の回転がセンサギヤ58に伝わり、センサギヤ58がリターンスプリング62の付勢力に抗してVギヤ48と共に引出方向に回動する。
このようにセンサギヤ58が引出方向に回動すると、センサギヤ58に形成されたガイド孔114の内周部が係合ピン102の外周部を押圧して、リンク部材94を巻取方向に回動させる。リンク部材94が巻取方向に回動すると、リンク部材94に形成されたガイド孔の内周部が係合ピン132の外周部を押圧して、ロックパウル122を巻取方向に回動させる。このようにロックパウル122がロックベース124に接近し、ロックパウル122のラチェット歯がロックベース124のラチェット歯128に噛み合い、ロックベース124の引出方向への回転が規制される。
ロックベース124はトーションシャフト24を介してスプール18に対して相対回転不能な状態で繋がっているので、ロックベース124の引出方向への回転が規制されることで、スプール18の引出方向への回転が規制される。これにより、スプール18からのウェビング20の引出しが規制されるので、例えば、車両急減速状態で車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体をウェビング20によって強く拘束できる。
一方、ウェビング20が引っ張られてスプール18からウェビング20が引出されると、スプール18が引出方向に回転する。このようにスプール18が引出方向に回転すると、Vギヤ48がスプール18と共に引出方向に回転し、ひいては、Vギヤ48の一部である太陽ギヤ180が引出方向に回転する。太陽ギヤ180の引出方向の回転は減速されて遊星ギヤ172に伝わり、これにより、遊星ギヤ172が太陽ギヤ180の回転方向である引出方向とは反対の巻取方向に自転する。
このように自転する遊星ギヤ172は内歯ギヤ176に噛み合っているので、遊星ギヤ172の回転力が内歯ギヤ176に伝わり、内歯ギヤ176を巻取方向に回転させようとする。内歯ギヤ176が形成されたセンサギヤ58はVギヤ48のボス60に回動可能に支持されている。しかしながら、上述したように、センサギヤ58におけるリターンスプリング62の係止部分に対してセンサホルダ42の一部が巻取方向側から当接することによってセンサギヤ58の巻取方向への回転が規制される。
したがって、上記のように遊星ギヤ176からの回転力が内歯ギヤ176に伝わっても、内歯ギヤ176、すなわち、センサギヤ58が巻取方向に回転しない。このため、遊星ギヤ172は、上記のように自転しつつ太陽ギヤ180の周囲を引出方向に公転(回転)する。
遊星ギヤ172が引出方向に公転すると遊星ギヤ172と共にキャリアプレート142が引出方向に回転する。これにより、キャリアプレート142の押圧片148が切替レバー152の当接部158に接近する。『全引出状態』までスプール18が引出方向に回転すると、キャリアプレート142の押圧片148が切替レバー152の当接部158に当接して、支持軸156周りの切替レバー152の回動中間位置を境として、この境よりも支持軸156周りの一方の側まで押圧片148が当接部158を押圧する。
このように当接部158が押圧片148に押圧されて回動すると、切替レバー152がコイルばね166の付勢力により支持軸156周りの一方の側へ更に回動する。これによって切替レバー152の係合爪160の先端側がセンサギヤ58に形成された切欠162を通過してセンサギヤ58の内側に入り込む。このようにして係合爪160がセンサギヤ58の内側に入り込むと、係合爪160の先端が上述したVギヤ48のラチェット歯78に係合する。
この状態ではVギヤ48が引出方向に回転すると、このVギヤ48の回転がセンサギヤ58に伝わり、センサギヤ58がリターンスプリング62の付勢力に抗してVギヤ48と共に引出方向に回動する。すなわち、この状態はVギヤ48のラチェット歯78に連結爪76が噛み合った状態や、センサギヤ58のラチェット歯にWパウル50の先端側が噛み合った状態と同じである。したがって、この状態でスプール18が引出方向に回転するとロックパウル122のラチェット歯がロックベース124のラチェット歯128に噛み合い、ロックベース124の引出方向への回転、ひいては、スプール18の引出方向への回転が規制される。
すなわち、この状態では、車両の状態(車両が急減速したか否か)等とは無関係にスプール18からウェビング20を引出すことができない。
一方、この状態でスプール18が巻取方向に回転してウェビング20を巻取るとスプール18、ひいては、太陽ギヤ180が巻取方向に回転する。太陽ギヤ180が巻取方向に回転すると遊星ギヤ172が引出方向に自転する。
このように自転する遊星ギヤ172の回転力は内歯ギヤ176に伝わり、内歯ギヤ176が形成されたセンサギヤ58を引出方向に回転させようとする。しかしながら、上述したように、センサギヤ58はリターンスプリング62によって巻取方向に付勢されているので、センサギヤ58の引出方向への回転が抑制される。
このため、遊星ギヤ176は内歯ギヤ176との噛み合いで自転しつつ太陽ギヤ180の周囲を巻取方向に公転(回転)する。これにより、キャリアプレート142が巻取方向に回転し、キャリアプレート142の押圧部150が切替レバー152の当接部158に接近する。『所定の巻取状態』までスプール18が巻取方向に回転すると、キャリアプレート142の押圧部150が切替レバー152の当接部158に当接して、支持軸156周りの切替レバー152の回動中間位置を境として、この境よりも支持軸156周りの他方の側まで押圧部150が当接部158を押圧する。
このように当接部158が押圧部150に押圧されて回動すると、切替レバー152がコイルばね166の付勢力により支持軸156周りの他方の側へ更に回動する。これによって切替レバー152の係合爪160とVギヤ48のラチェット歯78との係合が解消される。これにより、スプール18の引出方向への回転が可能になる。
ところで、本実施の形態では、遊星ギヤ172の小径ギヤ部174が噛み合う内歯ギヤ176はセンサギヤ58に形成されている。センサギヤ58はVギヤ48に形成された円筒形状のボス60に支持されており、上述したようにVギヤ48のラチェット歯78に連結爪76が噛み合った状態や、センサギヤ58のラチェット歯にWパウル50の先端側が噛み合った状態でVギヤ48が引出方向に回転すると、センサギヤ58がVギヤ48と共に引出方向に回動する。このような構成であるため、センサギヤ58はその回動半径方向の外力を受けることでその外力の向きに変位する。
例えば、遊星ギヤ172を介して太陽ギヤ180とは反対向きにセンサギヤ58が変位すると、太陽ギヤ180を介して遊星ギヤ172とは反対側に位置する規制回転体184の軸部186が内歯ギヤ176によって太陽ギヤ180側へ押圧される。規制回転体184の軸部186が太陽ギヤ180側へ押圧されることにより、この押圧方向へ規制回転体184のギヤ部188太陽ギヤ180を押圧する。このようにして太陽ギヤ180が受けた押圧力の向きは、上述したセンサギヤ58の変位方向と同じ向きになるため、太陽ギヤ180は遊星ギヤ172の大径ギヤ部178をセンサギヤ58の変位方向と同じ向き押圧する。これにより、上記のような変位がセンサギヤ58に生じても、遊星ギヤ172の小径ギヤ部174から内歯ギヤ176が離間することを防止又は効果的に抑制できる。
換言すれば、このようなセンサギヤ58に内歯ギヤ176を形成しても、遊星ギヤ172の小径ギヤ部174から内歯ギヤ176が離間することを防止又は効果的に抑制できるので、センサギヤ58に内歯ギヤ176を形成しても良好な動作性能を確保できる。このように、センサギヤ58のような回転する部材に内歯ギヤ176を形成できるので、センサギヤ58とは別に新たに固定された内歯ギヤを設けなくてもよい。
また、このように、規制回転体184を設けることによって上記のように遊星ギヤ172の小径ギヤ部174から内歯ギヤ176が離間することを防止又は効果的に抑制できるため、遊星ギヤ172やこの遊星ギヤ172を支持するキャリアプレート142、内歯ギヤ176(すなわち、センサギヤ58)や太陽ギヤ180(すなわち、Vギヤ48)等の剛性を特に高く設定しなくてもよい。これにより、本実施の形態のように、キャリアプレート142、遊星ギヤ172、内歯ギヤ176、太陽ギヤ180等を合成樹脂材によって形成でき、これらのギヤ等の小型化、軽量化を図ることができる。
しかも、規制回転体184は軸部186がキャリアプレート142の透孔182に嵌挿されることでキャリアプレート142に取り付けられている。このため、遊星ギヤ172に伴われてキャリアプレート142が回転すると、規制回転体184も共に回転する。このため、キャリアプレート142がどの回転位置にあっても規制回転体184は太陽ギヤ180を介して遊星ギヤ172とは反対側に位置している。このため、キャリアプレート142とは別に遊星ギヤ172の公転に規制回転体184を追従回転させる構成は不要である。
また、図3に示されるように、規制回転体184は、内歯ギヤ176に噛み合う部位を備えておらず、したがって、太陽ギヤ180の回転をキャリアプレート142に伝えることがない。すなわち、規制回転体184を組み付けるに際しては、規制回転体184のギヤ部188が太陽ギヤ180に噛み合うように規制回転体184の回転位置を調整すればよい。このため、遊星ギヤ172を組み付けた後にも規制回転体184を組み付けが容易である。このため、規制回転体184よりも先に遊星ギヤ172を組み付けることができ、遊星ギヤ172を容易に組み付けることができる。
10 ウェビング巻取装置
18 スプール
20 ウェビング
40 ロック機構
58 センサギヤ(回動部材)
142 キャリアプレート(切替手段)
172 遊星ギヤ
176 内歯ギヤ
180 太陽ギヤ
184 規制回転体(規制手段)
188 ギヤ部

Claims (5)

  1. ウェビングの長手方向基端側が係止され、巻取方向に回転することで前記ウェビングを巻取って格納するスプールと、
    前記スプールと一体的又は前記スプールに連動して回転する太陽ギヤと、
    前記太陽ギヤの外側で前記太陽ギヤに対して同軸的に設けられた内歯ギヤと、
    前記太陽ギヤ及び前記内歯ギヤの双方に噛み合い、前記太陽ギヤの回転が伝えられて自転しつつ前記太陽ギヤの周囲を公転すると共に、所定長さの前記ウェビングが前記スプールに巻取られた所定の巻取状態から、前記スプールから前記ウェビングが全て引出された全引出状態までに要する前記スプールの回転数に対して前記公転の回転数が1回転未満になるように減速比が設定された遊星ギヤと、
    作動することで前記スプールの前記巻取方向への回転を許容しつつ前記巻取方向とは反対の引出方向への前記スプールの回転を規制するロック機構と、
    前記太陽ギヤに対して同軸的に相対回転可能で且つ前記遊星ギヤを回転自在に支持して前記遊星ギヤの公転により前記太陽ギヤに対して相対回転し、前記スプールの前記全引出状態に対応した回転位置に到達することで前記ロック機構を作動させると共に、前記スプールの前記所定の巻取状態に対応した回転位置に到達することで前記ロック機構の作動を解除させる切替手段と、
    前記太陽ギヤの側方に設けられて、前記太陽ギヤの回転を前記切替手段に伝えないように構成されると共に、前記太陽ギヤの回転半径方向に沿った前記太陽ギヤに対する前記内歯ギヤ変位に前記太陽ギヤを追従させる規制手段と、
    を備えるウェビング巻取装置。
  2. 前記太陽ギヤの回転軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動可能で、回動することによりロック機構が作動する回動部材を備え、前記回動部材に前記内歯ギヤを形成した請求項1に記載のウェビング巻取装置。
  3. 前記規制手段を前記切替手段に支持させた請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置。
  4. 前記太陽ギヤを介して前記遊星ギヤとは反対側に前記規制手段を設けた請求項1から請求項3の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
  5. 前記太陽ギヤに噛み合うギヤ部を含めて前記規制手段を構成した請求項3又は請求項4に記載のウェビング巻取装置。
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