JP5169182B2 - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラクタの改良に関するものである。
従来、車両の乗員等を座席に安全に保持するためのシートベルト用リトラクタとして、急な加速、衝突又は減速に反応する車体加速度感知手段によってウェビングの引き出しを物理的にロックする緊急ロック機構を備えて、乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リトラクタが用いられている。
ところで、こうした緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラクタでは、車両緊急時ではない不必要な時にも、スピンドル(巻取軸)のウェビング引き出し方向の回転がロックされることがある。即ち、車両取付け状態において、ウェビング引き出し状態から巻き取りバネのバネ力に従って急激にウェビングが全量巻き取られたとき、その衝撃で緊急ロック機構が作動して、スピンドルのウェビング引き出し方向の回転がロックされてしまうことがあり、この場合には、ウェビングの引き出しができなくなる。しかもこのとき、ウェビングは全量巻き取り状態にあるので、スピンドルはウェビング巻き取り方向にも回転できず、リトラクタは所謂エンドロック状態に陥るという問題があった。
例えば、緊急ロック機構としては、次のようなものがある。一つは、ウェビングの急激な引き出しを感知してスピンドルのウェビング引き出し方向の回転を阻止するもの(ウェビング加速度感知手段:WS)、もう一つは車両の急減速状態を感知してスピンドルのウェビング引き出し方向の回転を阻止するもの(車体加速度感知手段:VSI)である。いずれの場合も、スピンドルと一体回転するロック部材の揺動により、ロック部材の爪を、スピンドルを支持するフレームの内歯に噛み合わせて、スピンドルをロックするようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このようなエンドロックが起きるケースとしては、次の3つの場合がある。
(1)ウェビング加速度感知手段(WS)の誤作動によるもの。
一般的に、ウェビング加速度感知手段は、急速にベルトを引き出すと、マスの慣性でマス側の回転がスピンドルより遅れることで、ロック部材が外に飛び出して、フレームの内歯に噛み込む、という原理を用いている。ところが、急激なウェビング巻き取り後にウェビングが突っ張ると、勢いでマスがスピンドルに対して相対移動してしまい、ロック部材がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
(2)車体加速度感知手段(VSI)の誤作動によるもの。
ウェビングの急速な巻き取り等に伴い車体加速度感知手段に加速度が入力した際に、慣性部材であるボールが動き、レバーが揺動して、ラッチ部材に噛んでロックする場合である。
(3)ロック部材自体の誤作動によるもの。
ウェビングを巻き取った勢いで、ロック部材自体がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
特許文献1に記載のシートベルトリトラクタは、スピンドルの回転に連動するカムプレートのカム溝に揺動阻止部材に設けられたカムフォロワを案内させ、揺動阻止部材のストッパ部を回動する。そして、このストッパ部が慣性体に当接して、慣性体を非作動位置に保持して慣性体の揺動を阻止する。これにより、ウェビングの巻取り完了時に、慣性体が作動してロックギヤ(ラチェットホイール)への係合を防止し、ウェビングの巻取り完了時のエンドロックを防止している。
特開平9−58410号公報
ところで、特許文献1に記載のシートベルト用リトラクタでは、慣性体の揺動を阻止することでウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止しているが、車体加速度感知手段の誤作動によるエンドロックやロック部材自体の誤作動によるエンドロックについて考慮されておらず、依然として改善すべき余地があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンドロックの発生を確実に防止することができるシートベルト用リトラクタを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るシートベルト用リトラクタは、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングディスクと、
該ステアリングディスクに対して相対回転可能に支持され、車体の加速度を感知する車体加速度感知手段が作動した際に該感知手段の作動部材が係合することで回転をロックされるラッチ部材と、
前記ステアリングディスクに揺動自在に軸支され、前記ウェビングが所定量以上引き出されている時に前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材とを結合し、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材との結合を解除してステアリングディスクとラッチ部材の相対回転を許可すると共に、前記スピンドルと前記ステアリングディスクとを一体回転するように係合する制御部材と、
を備えることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(2) 前記ステアリングディスクに揺動自在に軸支され、前記ステアリングディスクのウェビング引き出し方向の回転を阻止可能な係止手段を有し、所定の速度以上でウェビングが引き出された時に前記係止手段を作動位置に変位させるウェビング加速度感知手段を更に備え、
前記係止手段は、前記ウェビングの巻き取り完了時に、非作動位置に固定的に保持されるように構成されていることを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(3) 前記スピンドルの回転に対して減速回転する制御ディスクを更に備え、
前記制御部材は、前記制御ディスクの回転に応じて揺動するように構成されていることを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(4) 前記制御ディスクの側面には、カム溝と、該カム溝の端部開口に連続し外径が部分的に異なるカム外周部が形成され、
前記制御部材は、前記カム溝及びカム外周部に案内される第1の突起を備え、
前記係止手段は、前記カム外周部と当接して案内される第2の突起を備えることを特徴とする(3)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(5) 前記スピンドルと一体に回転する第1のギヤと、前記制御ディスクと一体に回転する第2のギヤと、前記スピンドルの側方に配置されるケースを貫通すると共に該ケースに軸支されて前記第1及び第2のギヤの両方に噛合する第3のギヤとを有する歯車減速機構を更に備え、
前記制御ディスクは、前記歯車減速機構によって前記スピンドルの回転に対して減速回転することを特徴とする(3)又は(4)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(6) 前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材は、互いの摺接面を摺動させることで相対回転可能であり、
前記摺接面の少なくとも一方は、前記スピンドルの回転軸に対して径の異なる非円形状とされていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
(7) 前記制御部材は、前記ウェビングの巻取り完了時に、前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材とを相対回転させた後に、前記スピンドルと前記ステアリングディスクとを一体回転させることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
本発明のシートベルト用リトラクタによれば、ウェビングの巻き取り完了時に、ステアリングディスクとラッチ部材との結合を解除して、ステアリングディスクとラッチ部材を相対回転できる状態にすると共に、スピンドルとステアリングディスクとを一体回転できる状態にするので、車体加速度感知手段の作動によるロック部材のロック作動をキャンセルすることができる。従って、ウェビングの巻き取り完了時のエンドロックの問題を確実に解消することができる。
以下、本発明のシートベルト用リトラクタに係る好適な実施形態について図1〜5を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、このシートベルト用リトラクタは、ウェビング(図示略)が巻装される金属製(例えば、アルミ合金製)のスピンドル1と、スピンドル1を巻き取り方向に回転付勢するバネ式の巻取装置2と、スピンドル1を回転自在に支持する金属製のコ字状のフレーム10と、ロック部材としての金属製(例えば、鉄製)のロックドック20と、ラッチ部材としての樹脂製のラチェットホイール30と、ラチェットホイール30と別体に形成された樹脂製のステアリングディスク40と、ウェビング加速度感知手段の係止手段としての樹脂製のWSレバー50と、制御部材としての樹脂製の制御レバー60と、ウェビング加速度感知手段の一要素としてステアリングディスク40の質量を付与する金属製(例えば、亜鉛合金製)の慣性体(イナーシャマス)70と、制御ディスクとしての樹脂製の制御ディスク80と、ロックドック20、ラチェットホイール30、ステアリングディスク40、WSレバー50、制御レバー60、慣性体70等の緊急ロック機構3の主要構成部品を覆うケースとしての樹脂製のベアリングプレート100と、車体加速度感知手段110と、外側カバー140と、を備えている。
フレーム10は、スピンドル1の軸方向の中央部分を挟んで対向する左右側板10A、10Bを有し、一方の側板10Aの外側に緊急ロック機構3が配置され、他方の側板10Bの外側に巻取装置2が配置されている。スピンドル1の一端側の軸5は、側板10Aの円形開口を通して外に突出しており、その先端には第1のギヤ6が一体回転するように嵌着されている。側板10Aの外面には、面板101と周壁102を有する略円形箱状のベアリングプレート100が配置されており、そのベアリングプレート100に設けた軸孔105にスピンドル1の軸5が回転自在に貫通している。そして、ベアリングプレート100の面板101の外側に第1のギヤ6が配置されている。
また、ベアリングプレート100の面板101には浅めの凹部104が設けられており、その凹部104に突設した軸106に、第3のギヤ7が嵌まっている。この第3のギヤ7は、第1のギヤ6と噛み合っている。また、第3のギヤ7の外周の一部は、凹部104の奥に設けた貫通穴104aから、ベアリングプレート100の内側の空間に露出しており、その露出した部分の歯が、ベアリングプレート100の面板101の内部に回転自在に支持した制御ディスク80の片面に設けた第2のギヤ81と噛み合っている。従って、スピンドル1の回転が、第1のギヤ6から第3のギヤ7を介して第2のギヤ81に伝えられ、第2のギヤ81を有する制御ディスク80が、スピンドル1と連動して減速回転するようになっている。
この場合、第1のギヤ6、第3のギヤ7、第2のギヤ81よりなる歯車減速機構の減速比は、ウェビングを全量引き出した状態から全量巻き取った状態にするときのスピンドル1の回転が、制御ディスク80の1回転に変換されるような数値に設定されている。なお、第1、第2、及び第3のギヤ6,7,81はそれぞれ樹脂製からなる。
また、フレーム10の側板10Aの円形開口の内周には、ロックドック20の爪22の嵌まる多数の内歯11が形成されている。ロックドック20は、スピンドル1の一方の端面と該端面に固着された金属製(例えば、鉄製)のカバープレート29との間に確保された空間に、内方にバネ28で付勢された状態(ロック解除方向に付勢された状態)で変位自在に収容されており、カムピン21の動きにより、必要時に、バネ28の力に抗して爪22を外に飛び出させる。そして、外に飛び出させた爪22を、フレーム10の内歯11に噛み合わせることにより、スピンドル1をフレーム10にロックさせ、ウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする。
また、ロックドック20を装着したスピンドル1の端面には、ロックドック20と干渉しないように突起4が突設されている。この突起4は、図5に示すように、ウェビングの完全巻き取り時に制御レバー60に突き当たることで、スピンドル1とステアリングディスク40とを一体回転するように結合する機能を果たす。
ステアリングディスク40は、スピンドル1の軸5の基部側外周に中心孔45を嵌めることで、スピンドル1に対して相対回転自在に設けられており、ステアリングディスク40の外周には、互いの円形状の摺接面33,49を摺動させることでラチェットホイール30が相対回転自在に設けられている。ラチェットホイール30の外周と内周には、外歯31と内歯32が設けられている。また、ステアリングディスク40は、ロックドック20のカムピン21の係合するカム溝41と、WSレバー50の軸孔51に嵌まることでWSレバー50を揺動自在に支持する凸軸42と、WSレバー50用のストッパ47と、制御レバー60の軸孔61に嵌まることで制御レバー60を揺動自在に支持する凸軸43と、スピンドル1の突起4が貫通する貫通溝48と、を有している。なお、WSレバー50用のストッパ47は、爪52が外に飛び出す側のWSレバー50の揺動限を定めるストッパである。
カム溝42は、スピンドル1に対してステアリングディスク40が相対回転するときに、カムピン22を介してロックドック20の爪22を外方に押し出す。例えば、ウェビング引き出し時に、スピンドル1に対してステアリングディスク40が回転遅れを生じた場合に、スピンドル1とステアリングディスク40の相対回転により、ロックドック20をロック側へ作動させる。
WSレバー50は、爪52と突起53を有している。WSレバー50の爪52は、後述するベアリングプレート100の内歯108(図3)に係合するものであり、WSレバー50は、爪52を内方に引っ込める方向にバネ58で回転付勢されている。
また、制御レバー60は、カムピン62と爪63を有している。制御レバー60の爪63は、ラチェットホイール30の内歯32に係合するものである。制御レバー60は、ステアリングディスク40とラチェットホイール30を結合したり、結合を解除したりするための切替手段であり、制御レバー60の爪63がラチェットホイール30の内歯32に係合しているとき、ステアリングディスク40とラチェットホイール30は結合されている。また、制御レバー60の爪63がラチェットホイール30の内歯32に係合していないとき、ステアリングディスク40とラチェットホイール39は相対回転自在となり、ラチェットホイール39が車体加速度感知手段110により回転規制された場合であっても、ステアリングディスク40は自由に回転できる。
慣性体70は、ステアリングディスク40にWSレバー50や制御レバー60等を組み付けた状態で、ステアリングディスク40に取り付けられており、中心孔75をスピンドル1の軸5に相対回転自在に嵌合させている。また、慣性体70は、ステアリングディスク40に対して僅かに相対回転できるように組み付けられている。慣性体70の側面には凸部71が設けられており、この凸部71がWSレバー50の爪52の近傍に位置している。そして、慣性体70とステアリングディスク40の間に相対回転が生じた際に、この慣性体70の凸部71が、ステアリングディスク40に支持されたWSレバー50を押圧して、WSレバー50の爪52を外方に突き出させ、ベアリングプレート100の内歯108に噛み合わせる。また、慣性体70には、WSレバー50の突起53と制御レバー60のカムピン62を制御ディスク80側に向けて貫通させる切欠き部72,73が形成されている。
ベアリングプレート100の面板101の内面側には円筒壁107が突設され、その円筒壁107の内周に内歯108が設けられている。また、ベアリングプレート100には、車体加速度感知手段110を構成するベース部110Aが設けられ、そこに、作動部材としてのVSセンサレバー120と、加速度に応じて移動するボール125と、ボール125を保持するボールカバー127とが取り付けられている。そして、車体加速度に応じてボール125が移動することにより、VSセンサレバー120が揺動して爪121が持ち上がり、ラチェットホイール30の外歯31に係合して、ラチェットホイール30をロックするようになっている。
制御ディスク80には、中心にベアリングプレート100に回転自在に嵌合する中心孔85が設けられており、片面には前述した第2のギヤ81が設けられている。また、第2のギヤ81を設けた側と反対側の側面には、図3に示すように、カム溝84と、周方向の2つの領域で径を異ならせた円弧状のカム外周部82、83とが設けられている。カム溝84は、スピンドル1の回転中心と同心の円弧状に形成されており、一端84aが閉じているが、他端84bが開口している。そして、開口した他端84bが、段差を介して、カム溝84より径の大きな小径のカム外周部82に連なっている。そして、カム溝84及びそれに連なる小径のカム外周部82は、制御レバー60のカムピン62の摺動する案内経路となっている。
制御レバー60は、図3に示すように、カムピン62がカム溝84内を移動する間は、爪63を外側に突き出すように揺動し、ラチェットホイール30の内歯32に係合させる。また、図4に示すように、カムピン62がカム溝84の他端84bの開口から小径のカム外周部82に移行する段階で、矢印Nで示すように、爪63を内側に引っ込めるように揺動し、図5に示すように、小径のカム外周部82の上に乗った段階では、爪63を完全に内側に引っ込めて、ラチェットホイール30の内歯32から引き離す。そして、その段階で、スピンドル1の端面に設けた突起4が、制御レバー60の後端に突き当たることで、ステアリングディスク40とスピンドル1が一体回転するように結合する。
また、小径のカム外周部82から大径のカム外周部83までの範囲で、WSレバー50の突起53が摺動する。WSレバー50は、図3に示すように、突起53が小径のカム外周部82に乗っているときは、爪52をベアリングベース100の内歯108に係合したり係合しなかったり自由に揺動できる状態に保たれ、図4及び図5に示すように、突起53が大径のカム外周部83に乗った段階では、爪52を引っ込めた状態に固定的に保持される。
次に本実施形態のシートベルト用リトラクタの動作について述べる。
図3に示すように、ウェビングが引き出されている時には、制御ディスク80のカム溝84の作用により、制御レバー60が外側に揺動して爪63をラチェットホイール30の内歯32に係合させるので、ラチェットホイール30とステアリングディスク40は結合された状態となる。また、WSレバー50は、カム外周部82の作用により、自由に揺動できる状態に保たれる。この状態で、スピンドル1に急激なウェビング引き出し力が作用した場合、慣性体70とステアリングディスク40の間に相対回転が生じるので、WSレバー50の爪52がベアリングプレート100の内歯108に係合する。そうすると、今度はステアリングディスク40とスピンドル1に相対回転が生じるので、ロックドック20の爪22が外に飛び出して、フレーム10の内歯11と係合し、これによりスピンドル1にロックがかかる。
また、車体加速度感知手段110が作動した場合は、VSレバー120の爪121がラチェットホイール30の外歯31に係合することで、ラチェットホイール30をロックする。ラチェットホイール30がロックされると、制御レバー60で結合されたステアリングディスク40がロックされ、スピンドル1との間に相対回転が生じ、上と同様にロックドック20の作用によりスピンドル1にロックがかかる。
次に、図3に示すウェビングが引き出された状態からウェビングが巻き取られると、図4に示す状態となり、最終的に図5に示すような巻取りが完了した状態となる。この状態になると、制御レバー60の爪63がラチェットホイール30から離れ、WSレバー50の爪52がベアリングプレート100の内歯108から離れて状態に保持される。従って、スピンドル1にロックがかからなくなる。また、スピンドル1の突起4が制御レバー60に当たることで、スピンドル1とステアリングディスク40が結合される。
以上のように、本実施形態のシートベルト用リトラクタによれば、ウェビングの巻き取り完了時に、ステアリングディスク40とラチェットホイール30との結合を解除して、ステアリングディスク40とラチェットホイール30を相対回転できる状態にすると共に、スピンドル1とステアリングディスク40とを一体回転できる状態にするので、車体加速度感知手段110の作動によるロックドック20のロック作動をキャンセルすることができる。従って、ウェビングの巻き取り完了時のエンドロックの問題を解消することができる。
また、ウェビングの巻き取り完了時に、ウェビング加速度感知手段のWSレバー50が非作動位置に固定的に保持されるので、ウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止することができる。
また、スピンドル1の回転に対して減速回転する制御ディスク80の回転に応じて制御レバー60が揺動するので、ウェビングの巻き取り・引き出し量に応じた制御レバー60の揺動制御を簡単に行うことができる。例えば、全量引き出しから全量巻き取りまでのスピンドル1の回転に対して制御ディスク80が1回転するように減速すれば、制御ディスク80の1回の回転範囲で、制御レバー60の揺動スケジュールを作成することができる。つまり、カムで制御レバー60の揺動を制御する場合、カム経路を最低でも1周だけ形成すれば、全量引き出しから全量巻き取りまでの全範囲の制御部材の揺動制御を行うことができる。従って、カム経路の設計の自由度が増し、他のカム経路と組み合わせた設計も可能となり、部材コストの低減に寄与することができる。
特に、本実施形態では、制御ディスク80の側面にカム溝84とカム外周部82、83とを設け、制御レバー60とWSレバー50の各突起62、53をカム溝84やカム外周部82、83に案内させることで、制御レバー60やWSレバー50の揺動制御を行うようにしたので、1個の部品(制御ディスク80)で、2種類の部材(制御レバー60とウェビング加速度感知手段のWSレバー50)の揺動制御が可能であり、部材コストの低減に寄与することができる。また、1個の部品で2つの部材を制御するから、制御レバー60とWSレバー50の作動タイミングのズレを小さくすることができる。
また、本実施形態では、ベアリングプレートを貫通する第3のギヤ7により、スピンドル1側の第1のギヤ6と制御ディスク80側の第2のギヤ81の間の回転を伝達するようにしたので、コンパクトな設計が可能になる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
上記実施形態では、ステアリングディスク40とラチェットホイール30は、互いの円形状の摺接面を摺動させることで相対回転可能になっているが、図6(a)、(b)に示すように、摺接面の少なくとも一方は、スピンドル1の回転軸Oに対して径の異なる非円形状とされてもよい。ここでは、ラチェットホイール30の内周の摺動面30Sは全周が一定径の円筒面で構成され、ステアリングディスク40の制御レバー60のある側の摺動面40S1は小径の円筒面で構成され、制御レバー60のある側と反対側の摺動面40S2は大径の円筒面で構成されている。大径の円筒面からなる制御レバー60と反対側の摺動面40S2の径は、ラチェットホイール30の摺動面30Sの径とほぼ等しく、小径の円筒面からなる制御レバー60側の摺動面40S1の径は、ラチェットホイール30の摺動面30Sの径より小さく設定されている。
これにより、図6(a)に示すように、ラチェットホイール30とステアリングディスク40を制御レバー60で結合していないときには、摺動面間に充分な隙間を確保することができ、それにより、ラチェットホイール30とステアリングディスク40の相対回転をスムーズに行わせることができる。また、制御レバー60の爪63がラチェットホイール30の内歯32に係合しているときは、制御レバー60の突っ張り力により、ラチェットホイール30が矢印Y1方向に押されるので、ラチェットホイール30の摺動面30Sにステアリングディスク40の大径の摺動面40S2が隙間なく接触させることができ、ステアリングディスク40の位置を安定させることができて、ガタつきを無くすことができる。
なお、図6(a)、(b)は、上記説明を行うための概略図であり、制御レバー60を含むその他の構成は、図1〜5で示した実施形態のものと同様である。
また、本実施形態では、制御レバー60は、ウェビングの巻取り完了時に、ステアリングディスクとラチェットホイールとの結合を解除してステアリングディスクとラチェットホイールの相対回転と、スピンドルとステアリングディスクとを一体回転を同時に作動させているが、ステアリングディスクとラチェットホイールとを相対回転させた後に、スピンドルとステアリングディスクとを一体回転させるように構成してもよい。
本発明に実施形態のシートベルト用リトラクタの組立状態の断面図である。 本発明の要部の分解斜視図である。 ウェビングを全量引き出した状態のときの要部の動作関係を示す図である。 ウェビングを完全巻き取りする付近の同要部の動作関係を示す図である。 ウェビングを完全に巻き取った際のロック作動キャンセル状態を示す図である。 本実施形態のシートベルト用リトラクタの変形例におけるラチェットホイールとステアリングディスクの関係を示す図で、(a)は制御レバーが非作動位置(ロック作動キャンセル位置)にあるときの図、(b)は制御レバーが作動位置(ロック作動非キャンセル位置)にあるときの図である。
符号の説明
1 スピンドル
2 バネ式の巻取装置
6 第1のギヤ
7 第3のギヤ
10 フレーム
20 ロックドック(ロック部材)
30 ラチェットホイール(ラッチ部材)
40 ステアリングディスク
50 WSレバー(ウェビング加速度感知手段の係止手段)
53 突起(第2の突起)
60 制御レバー(制御部材)
62 カムピン(第1の突起)
70 慣性体
80 制御ディスク
81 第2のギヤ
82,83 カム外周部
84 カム溝
110 車体加速度感知手段
120 VSレバー(作動部材)
30S,40S,40S1,40S2 摺動面

Claims (7)

  1. フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
    前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
    前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングディスクと、
    該ステアリングディスクに対して相対回転可能に支持され、車体の加速度を感知する車体加速度感知手段が作動した際に該感知手段の作動部材が係合することで回転をロックされるラッチ部材と、
    前記ステアリングディスクに揺動自在に軸支され、前記ウェビングが所定量以上引き出されている時に前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材とを結合し、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材との結合を解除してステアリングディスクとラッチ部材の相対回転を許可すると共に、前記スピンドルと前記ステアリングディスクとを一体回転するように係合する制御部材と、
    を備えることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記ステアリングディスクに揺動自在に軸支され、前記ステアリングディスクのウェビング引き出し方向の回転を阻止可能な係止手段を有し、所定の速度以上で前記ウェビングが引き出された時に前記係止手段を作動位置に変位させるウェビング加速度感知手段を更に備え、
    前記係止手段は、前記ウェビングの巻き取り完了時に、非作動位置に固定的に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記スピンドルの回転に対して減速回転する制御ディスクを更に備え、
    前記制御部材は、前記制御ディスクの回転に応じて揺動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記制御ディスクの側面には、カム溝と、該カム溝の端部開口に連続し外径が部分的に異なるカム外周部が形成され、
    前記制御部材は、前記カム溝及びカム外周部に案内される第1の突起を備え、
    前記係止手段は、前記カム外周部と当接して案内される第2の突起を備えることを特徴とする請求項3に記載のシートベルト用リトラクタ。
  5. 前記スピンドルと一体に回転する第1のギヤと、前記制御ディスクと一体に回転する第2のギヤと、前記スピンドルの側方に配置されるケースを貫通すると共に該ケースに軸支されて前記第1及び第2のギヤの両方に噛合する第3のギヤとを有する歯車減速機構を更に備え、
    前記制御ディスクは、前記歯車減速機構によって前記スピンドルの回転に対して減速回転することを特徴とする請求項3又は4に記載のシートベルト用リトラクタ。
  6. 前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材は、互いの摺接面を摺動させることで相対回転可能であり、
    前記摺接面の少なくとも一方は、前記スピンドルの回転軸に対して径の異なる非円形状とされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
  7. 前記制御部材は、前記ウェビングの巻取り完了時に、前記ステアリングディスクと前記ラッチ部材とを相対回転させた後に、前記スピンドルと前記ステアリングディスクとを一体回転させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
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