JP6438425B2 - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルト用リトラクタに関し、より詳細には、エンドロック防止機構を備えるシートベルト用リトラクタに関する。
従来、車両の乗員等を座席に安全に保持するためのシートベルト用リトラクタとして、急な加速、衝突又は減速に反応する車体加速度感知手段によってウェビングの引き出しを物理的にロックする車体加速度感知手段や、ウェビングの急激な引き出しを感知してスピンドルのウェビング引き出し方向の回転を阻止するウェビング加速度感知手段などの緊急ロック機構を備えて、乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リトラクタが用いられている。
緊急ロック機構は、スピンドルと一体回転するロック部材の揺動により、ロック部材の爪を、スピンドルを支持するフレームの内歯に噛み合わせて、スピンドルをロックするようにしている。ところで、緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラクタでは、車両緊急時ではない不必要な時にも、スピンドル(巻取軸)のウェビング引き出し方向の回転がロックされることがある。即ち、車両取付け状態において、ウェビング引き出し状態から巻き取りバネのバネ力に従って急激にウェビングが全量巻き取られたとき、その衝撃で緊急ロック機構が作動して、スピンドルのウェビング引き出し方向の回転がロックされてしまうことがあり、この場合には、ウェビングの引き出しができなくなる。しかもこのとき、ウェビングは全量巻き取り状態にあるので、スピンドルはウェビング巻き取り方向にも回転できず、リトラクタは所謂エンドロック状態に陥るという問題があった。
このようなリトラクタにおいて、エンドロックが起きるケースとしては、次の3つの場合がある。
(1)ウェビング加速度感知手段(WS)の誤作動によるもの。
一般的に、ウェビング加速度感知手段は、急速にベルトを引き出すと、マスの慣性でマス側の回転がスピンドルより遅れることで、ロック部材が外に飛び出して、フレームの内歯に噛み込む、という原理を用いている。ところが、急激なウェビング巻き取り後にウェビングが突っ張ると、勢いでマスがスピンドルに対して相対移動してしまい、ロック部材がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
(2)車体加速度感知手段(VSI)の誤作動によるもの。
ウェビングの急速な巻き取り等に伴い車体加速度感知手段に加速度が入力した際に、慣性部材であるボールが動き、レバーが揺動して、ラッチ部材に噛んでロックする場合である。
(3)ロック部材自体の誤作動によるもの。
ウェビングを巻き取った勢いで、ロック部材自体がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
特許文献1に記載のシートベルトリトラクタは、スピンドルの回転に連動するカムプレートのカム溝に揺動阻止部材に設けられたカムフォロワを案内させ、揺動阻止部材のストッパ部を回動する。そして、このストッパ部が慣性体に当接して、慣性体を非作動位置に保持して慣性体の揺動を阻止する。これにより、ウェビングの巻取り完了時に、慣性体が作動してロックギヤ(ラチェットホイール)への係合を防止し、ウェビングの巻取り完了時のエンドロックを防止している。
また、特許文献2に記載のシートベルトリトラクタのエンドロック防止機構は、スプールによるシートベルト巻取りがシートベルトの全量の近傍になったとき、スプールのシートベルト巻取り速度を大きく減速する大減速部と、シートベルトの巻取りが終了したとき、シートベルト巻取り速度を低速度に設定する低速部と、を有する。シートベルトの巻取り終了時に巻取り速度を低速度に設定することで、一旦ロック位置となったロック機構の慣性体を非ロック位置に移動するための時間的猶予を与えて、エンドロックを防止している。
特開平9−58410号公報 特開2010−120527号公報
特許文献1に記載のシートベルト用リトラクタでは、慣性体の揺動を阻止することでウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止しているが、機構が複雑であり、製作コスト低減のためにも改善の余地があった。また、特許文献2に記載のシートベルト用リトラクタでは、シートベルトの巻取り終了時の巻取り速度を低速度にすることで、ロック機構の慣性体が自発的に非ロック位置に戻ることを期待したものであり、慣性体を強制的に非ロック位置に規制するものではなく、シートベルト用リトラクタの組立て精度によっては、慣性体がロック位置に留まってしまう可能性があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、ウェビング加速度感知手段のエンドロックを確実に防止することができるシートベルト用リトラクタを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングホイールと、
ベアリングプレートの内歯と係脱可能な位置で、前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支され、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止する作動位置と、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を許容する非作動位置との間を変位するウェビングセンサレバーと、
前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支され、前記ウェビングセンサレバーと当接離間可能なウェビングセンサレバー阻止部を備えるロックレバーと、
摩擦力により前記ベアリングプレートの軸部に軸支され、その一方の腕部が前記ロックレバーと連結され、前記ロックレバーの前記ウェビングセンサレバー阻止部が前記ウェビングセンサレバーと当接して前記ウェビングセンサレバーの揺動を阻止する揺動阻止位置と、前記ロックレバーの前記ウェビングセンサレバー阻止部が前記ウェビングセンサレバーから離間して前記ウェビングセンサレバーの揺動を許容する揺動許容位置とに前記ロックレバーを切換えるフリクションスプリングと、
を備え、
前記ウェビングの巻き取り時に、前記ロックレバーが前記揺動阻止位置に位置することで、前記ウェビングセンサレバーの作動によるエンドロックを防止することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(2) 前記ロックレバーは、前記ロック部材と当接離間可能なロック部材阻止部を更に備え、
前記ロックレバーが前記揺動阻止位置に位置するとき、前記ロック部材阻止部が前記ロック部材の作動を阻止することを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(3) 前記フリクションスプリングの腕部は、その先端が前記ロックレバーの長孔内に移動自在に係止されることで、前記ロックレバーに連結され、
前記ベアリングプレートの軸部の中心と前記フリクションスプリングの先端との距離は、前記ロックレバーの支持孔の中心と前記フリクションスプリングの先端との距離より長く設定されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(4) 前記ステアリングホイールは、前記ウェビングセンサレバーを非作動位置に付勢するためのスプリングを支持するばね受け部を有し、
前記フリクションスプリングの腕部は、前記ばね受け部と前記ベアリングプレートとの対向面間に配置されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
本発明のシートベルト用リトラクタによれば、摺動回転するフリクションレバーにより、ステアリングホイールに揺動自在に軸支されたロックレバーの位置を切り換え、ウェビングの巻き取り時に、ロックレバーのウェビングセンサレバー阻止部が、ウェビングセンサレバーと当接してウェビングセンサレバーの揺動を阻止する揺動阻止位置に移動する。これにより、ウェビングセンサレバーの作動によるエンドロックを、簡単な構成で確実に防止することができる。
シートベルト用リトラクタの分解斜視図である。 図1に示すシートベルト用リトラクタの断面図である。 ウェビング格納時の緊急ロック機構の側面図である。 ウェビング引出し時の緊急ロック機構の側面図である。 ウェビング巻き取り時の緊急ロック機構の側面図である。 ウェビングセンサレバー及びロックドックの作動時の緊急ロック機構の側面図である。
以下、本発明に係るシートベルト用リトラクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はシートベルト用リトラクタの分解斜視図、図2はシートベルト用リトラクタの断面図である。
図1及び図2に示すように、シートベルト用リトラクタ10は、不図示のウェビングが巻装される金属製(例えば、アルミ合金製)のスピンドル20と、スピンドル20を回転自在に支持する金属製のコ字状のフレーム11と、フレーム11の一方の側板11Aの外側に配置され、ウェビングの引き出しを機械的にロックする緊急ロック機構14と、フレーム11の他方の側板11Bの外側に配置され、スピンドル20をウェビングの巻き取り方向に回転付勢するバネ式の巻き取り装置30と、を備える。
緊急ロック機構14は、ウェビングの急激な引き出しを感知するウェビング加速度感知手段70と、車体の加速度を感知する車体加速度感知手段としての加速度センサ110と、を備える。緊急ロック機構14は、システムカバー95によって覆われている。バネ式の巻き取り装置30は、スプリングケース31内に格納されている。なお、図1では、加速度センサ110及びシステムカバー95は、図示省略されている。
フレーム11の一対の側板11A、11Bは、スピンドル20の軸方向の中央部分を挟んで互いに対向する。また、フレーム11の側板11Aの円形開口の内周には、後述するロックドッグ50の爪51が噛合する多数の内歯12が形成されている。
スピンドル20は、ウェビングが巻回される胴部27と、胴部27の軸方向両側に設けられた一対の鍔部22から軸方向外側に延出する一対の軸部21,25と、を有する。軸部21は、システムカバー95の支持孔96に回動自在に支持され、軸部25は、スプリングケース31の支持孔32に回動自在に支持されている。また、スピンドル20の一方の端面側で、鍔部22と軸部21との間には、所定の肉厚の略円盤状の側壁部23が設けられている。
ロックドッグ50は、この側壁部23を略扇状に部分的に切欠いたロックドッグ収容空間24に変位自在に収容されている。そこには、ロックドッグ50の爪51をフレーム11の内歯12から離れる方向に付勢するための不図示のラッチスプリングが収容されている。
緊急ロック機構14は、ロック部材としての金属製(例えば、鉄製)のロックドッグ50と、樹脂製のステアリングホイール60と、ウェビングの急激な引き出しを感知してスピンドル20のウェビング引き出し方向の回転を阻止するウェビング加速度感知手段70を構成する、慣性体としての機能を併せ持つウェビングセンサレバー(以後、WSレバーと言う)71及びWSスプリング75(図3参照)と、フレーム11に固定されるベアリングプレート90と、を備え、フレーム11(一方の側板11A)に固定されるシステムカバー95によって覆われている。
また、図2に示すように、緊急ロック機構14は、加速度センサ110を構成する、センサホルダ111と、センサホルダ111内に格納され、水平方向の加速度に応じて変位する慣性体(ボール)112と、不図示の軸を中心に揺動して先端歯先がステアリングホイール60の係合爪66に係合離脱可能な加速度センサレバー113と、を備える。加速度センサ110は、車体加速度に応じてボール112が移動することにより、加速度センサレバー113が揺動して先端歯先がステアリングホイール60の係合爪66に係合して、ステアリングホイール60をロックする。
ステアリングホイール60は、スピンドル20に相対回転可能に支持され、スピンドル20に対して回転遅れを生じることによりロックドッグ50を作動する。図3も参照して、ステアリングホイール60は、円板部62と、該円板部62の外周に形成された環状部67とを備え、環状部67の外周面には、複数の係合爪66が形成されている。
円板部62には、ロックドッグ50のカムピン52が係合するカム孔63が形成されている。また、円板部62には、中心に形成されてスピンドル20の一方の軸部21に回動自在に嵌合する軸受部61と、WSレバー71の軸孔72に嵌まることでWSレバー71を揺動自在に支持する凸軸64と、WSスプリング75の一端を支持する略矩形のばね受け部65と、後述するロックレバー80の支持孔82と嵌合する支持ピン81が固定される軸孔68と、が設けられている。
したがって、ステアリングホイール60がスピンドル20に対して時計回りに相対的に回転する(実際には、スピンドル20が回転する)時には、ラッチスプリングの付勢力に抗して、カムピン52がカム孔63に沿って作動し、爪51を径方向外方に進出させる。そして、径方向外方に進出した爪51を、フレーム11の内歯12に噛み合わせることにより、スピンドル20をフレーム11の内歯12にロックさせ、ウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする。
WSレバー71は、慣性体としての機能も併せ持つように金属製で構成されており、
後述するベアリングプレート90の内歯94に係合可能な爪73を備え、軸孔72がステアリングホイール60の凸軸64に嵌合している。軸孔72に対して爪73と反対側の腕74と、ステアリングホイール60の略矩形のばね受け部65との間には、WSスプリング75が装着されて爪73を内方に退避させる方向(ベアリングプレート90の内歯94から離間する方向)にWSレバー71を回転付勢している。従って、通常時には、爪73がベアリングプレート90の内歯94と係合しない非作動位置に保持される。
ロックレバー80は、図3に示すように、ステアリングホイール60のばね受け部65との干渉を防止するように略U字形に形成されており、略中央部に設けられた支持孔82が、ステアリングホイール60の軸孔68に固定された支持ピン81に嵌合することでステアリングホイール60に対して揺動自在に軸支されている。
支持孔82から一方側(図3で右方向)に延びる腕部84の先端には、WSレバー71の腕74の先端部74aと当接離間可能なウェビングセンサレバー阻止部83が形成され、支持孔82から他方側(図3で左方向)に延びる略U字形の腕部86の先端には、ロックドッグ50のカムピン52と当接離間可能なロック部材阻止部85が形成されている。一方側の腕部84には、長孔87が形成されて、フリクションスプリング100の腕部102の先端103が移動自在に係止されている。
これにより、ロックレバー80は、支持ピン81を中心として揺動することで、ウェビングセンサレバー阻止部83がWSレバー71と当接してWSレバー71の揺動を阻止すると共に、ロック部材阻止部85がロックドッグ50のカムピン52と当接してロックドッグ50の作動を阻止する揺動阻止位置(図3参照)と、ウェビングセンサレバー阻止部83がWSレバー71の移動軌跡から離間してWSレバー71の揺動を許容すると共に、ロック部材阻止部85がロックドッグ50のカムピン52の移動軌跡から離間してロックドッグ50の作動を許容する揺動許容位置(図4参照)と、の間で切換えられる。
ベアリングプレート90の中心部に形成された軸部91には、フリクションスプリング100が、弾性力により外嵌軸支されている。ベアリングプレート90の側板部92の内側には、円筒壁93が突設されており、円筒壁93の内周には、WSレバー71と噛み合い可能な内歯94が設けられている。
フリクションスプリング100は、略C字形に形成された本体部101と、本体部101の一端から径方向外方に延びてL字型に屈曲する腕部102と、を備え、腕部102の先端103は、ロックレバー80の長孔87に嵌合する。フリクションスプリング100の本体部101は、弾性力により軸部91に締付嵌合しており、本体部101と軸部91との摩擦力で周方向での相対位置を維持している。換言すれば、フリクションスプリング100の弾性力による本体部101と軸部91との摩擦力より大きな力が作用すると、フリクションスプリング100は、軸部91回りを摺動回転する。腕部102は、ばね受け部65とベアリングプレート90との対向面間に移動自在に配置される。
また、図3に示すように、フリクションスプリング100の本体部101の中心(ベアリングプレート90の軸部91の中心)とフリクションスプリング100の先端103との距離L1は、ロックレバー80の支持孔82の中心とフリクションスプリング100の先端103との距離L2より、大幅に長く設定されている。従って、ロックレバー80は、ステアリングホイール60の僅かな回転角度で揺動阻止位置から揺動許容位置へ、またその逆に揺動許容位置から揺動阻止位置へ、感度よく切換えられる。
以下、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10の作用について、図3から図6を参照して説明する。
(通常作動時)
まず、ウェビング格納状態のシートベルト用リトラクタ10は、図3に示すように、ウェビングが完全にスピンドル20に巻き取られ、ロックレバー80が支持ピン81を中心として反時計方向に回動した揺動阻止位置に位置する。従って、ロックレバー80は、ウェビングセンサレバー阻止部83がWSレバー71の腕74に当接すると共に、ロック部材阻止部85がロックドッグ50のカムピン52に当接して、WSレバー71及びロックドッグ50の作動を阻止している。このとき、フリクションスプリング100の腕部102の先端103は、ロックレバー80の長孔87の右端に嵌合している。
そして、ウェビング格納状態から通常の速度でウェビングが引き出されると、図4に示すように、スピンドル20が反時計方向に回転し、これに伴って、ステアリングホイール60が反時計方向に回転を開始する。
フリクションスプリング100は、その本体部101が摩擦力によってベアリングプレート90の軸部91と嵌合する位置を維持するので、フリクションスプリング100の腕部102も停止している。
この状態でステアリングホイール60が反時計方向に回転すると、ロックレバー80も反時計方向に回転するので、フリクションスプリング100の先端103は長孔87内で左方向に相対移動し、これにより、ロックレバー80が支持ピン81を中心として時計方向に回動する。
ロックレバー80の時計方向への回動により、ウェビングセンサレバー阻止部83及びロック部材阻止部85が、図3に示す、WSレバー71の腕74及びロックドッグ50のカムピン52にそれぞれ当接する揺動阻止位置から、WSレバー71の腕74及びロックドッグ50のカムピン52から離間して、ロックドッグ50及びWSレバー71が作動可能な揺動許容位置に切換えられる。この切換えは、ステアリングホイール60の僅かな回転(回転の初期)により行われる。
そして、ウェビングが乗員を拘束するのに必要な長さだけ更に引き出される間、ロックレバー80は、図4に示す揺動許容位置を維持する。従って、このウェビング引出し期間の間、緊急ロック機構14は作動可能な状態にある。
ロックレバー80が揺動許容位置に切り換わった後、必要な長さ分のウェビングの引出しの際、ロックレバー80及びフリクションスプリング100は、ステアリングホイール60と共に回転する。このとき、フリクションスプリング100は、軸部91との摩擦力に抗してベアリングプレート90の軸部91回りを摺動回転するので、ステアリングホイール60の回転がフリクションスプリング100によって阻害される虞はない。
引き出されたウェビングのタングが車両に固定されたラチェット(いずれも図示せず)にラッチされ、ウェビングの弛み分を吸収するために巻き取られると、図5に示すように、ステアリングホイール60が時計方向に回転する。フリクションスプリング100の先端103が長孔87に嵌合するロックレバー80は、先端103が長孔87内で右方向に相対移動して支持ピン81を中心として反時計方向に回動する。これにより、ロックレバー80は、図3に示す揺動許容位置から、ロックドッグ50及びWSレバー71の作動が阻止される、図4に示す揺動阻止位置に切換えられる。
(ウェビングセンサレバーのロック動作)
次に、乗員によってウェビングが急速に引き出される場合や、車両に急速な減速加速度が作用し、慣性により乗員が前方に移動することでウェビングが急速に引き出される場合に、WSレバー71がロックする動作について述べる。図4に示すロックレバー80が揺動許容位置にある状態から、ウェビングが急速に引き出されると、図6に示すように、WSレバー71が慣性力によって時計方向に回動し、WSレバー71の爪73が外方に突き出されて、ベアリングプレート90の内歯94に噛合する。これにより、ステアリングホイール60のウェビング引き出し方向の回転が阻止される。
なお、図5に示すロックレバー80が揺動阻止位置にある場合に、ウェビングが急速に引き出された場合も、ウェビングの引出し開始時に、ステアリングホイール60が反時計方向に回転し、ロックレバー80が、図4に示す揺動許容位置に切り換わるので、以後、同様に作動する。
ステアリングホイール60の回転が阻止された状態で、ウェビングの引出しによりスピンドル20が更に回転すると、ステアリングホイール60の回転遅れにより、カムピン52がカム孔63に沿って作動して爪51を径方向外方に進出させ、爪51がフレーム11の内歯12に噛み合わされる。これにより、スピンドル20がフレーム11の内歯12にロックして、ウェビング引き出し方向の回転が機械的にロックされてウェビングの引出しが阻止される。
(ウェビング格納動作)
ウェビング装着状態から、タングとラチェットのラッチを解除してウェビングを巻き取ることで、シートベルト用リトラクタ10は、図5に示す巻き取り状態から図3に示す格納状態に戻る。ロックレバー80は、図5に示す巻き取り状態から図3に示す格納状態まで、揺動阻止位置に位置してロックドッグ50及びWSレバー71の作動を阻止するので、ウェビング加速度感知手段70のエンドロックが防止される。なお、揺動阻止位置に位置するロックレバー80は、ロックドッグ50の作動も阻止しているので、加速度センサ110のエンドロックも同時に防止する。
以上説明したように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ10によれば、ステアリングホイール60に揺動自在に軸支されて、WSレバー71と当接離間可能なウェビングセンサレバー阻止部83を備えるロックレバー80と、摩擦力によりベアリングプレート90の軸部91に軸支され、ロックレバー80を、WSレバー71の揺動を阻止する揺動阻止位置と、WSレバー71の揺動を許容する揺動許容位置とに切換えるフリクションスプリング100と、を備え、ロックレバー80は、ウェビングの巻き取り時に、ウェビングセンサレバー阻止部83がWSレバー71と当接してWSレバー71の揺動を阻止する揺動阻止位置にあるので、WSレバー71ーの作動によるエンドロックを確実に防止することができる。
また、ロックレバー80は、ロックドッグ50と当接離間可能なロック部材阻止部85を更に備え、ロックレバー80が揺動阻止位置に位置するとき、ロック部材阻止部85がロックドッグ50の作動を阻止するので、WSレバー71のエンドロックだけでなく、加速度センサ110のエンドロック、及びロックドッグ50自体の誤作動によるエンドロックも確実に防止することができ、シートベルト用リトラクタ10の信頼性が向上する。
また、フリクションスプリング100の腕部102は、その先端103がロックレバー80の長孔87内に移動自在に係止されることで、ロックレバー80に連結され、ベアリングプレート90の軸部91の中心とフリクションスプリング100の先端103との距離L1は、ロックレバー80の支持孔82の中心とフリクションスプリング100の先端103との距離L2より、長く設定されている。これにより、フリクションスプリング100の摺動回転によって、ロックレバー80が確実に揺動回転すると共に、ロックレバー80は、ステアリングホイール60の僅かな回転角度で揺動阻止位置と揺動許容位置との間を感度よく切換えられる。
さらに、ステアリングホイール60は、WSレバー71を非作動位置に付勢するためのWSスプリング75を支持するばね受け部65を有し、フリクションスプリング100の腕部102は、ばね受け部65とベアリングプレート90との対向面間に配置される。これにより、フリクションスプリング100の腕部102の移動が確実に案内される。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、本実施形態では、ロックレバーは、ウェビングセンサレバー阻止部と、ロック部材阻止部との両方を備えているが、本発明のロックレバーは、少なくともウェビングセンサレバー阻止部のみ有する構成であってもよい。
10 シートベルト用リトラクタ
11 フレーム
14 緊急ロック機構
20 スピンドル
50 ロックドッグ(ロック部材)
60 ステアリングホイール
70 ウェビング加速度感知手段(緊急ロック機構)
71 WSレバー(ウェビングセンサレバー)
80 ロックレバー
83 ウェビングセンサレバー阻止部
85 ロック部材阻止部
87 長孔
90 ベアリングプレート
91 軸部
94 内歯
100 フリクションスプリング
102 腕部
103 先端
110 加速度センサ(緊急ロック機構)

Claims (4)

  1. フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
    前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
    前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングホイールと、
    ベアリングプレートの内歯と係脱可能な位置で、前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支され、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止する作動位置と、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を許容する非作動位置との間を変位するウェビングセンサレバーと、
    前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支され、前記ウェビングセンサレバーと当接離間可能なウェビングセンサレバー阻止部を備えるロックレバーと、
    摩擦力により前記ベアリングプレートの軸部に軸支され、その一方の腕部が前記ロックレバーと連結され、前記ロックレバーの前記ウェビングセンサレバー阻止部が前記ウェビングセンサレバーと当接して前記ウェビングセンサレバーの揺動を阻止する揺動阻止位置と、前記ロックレバーの前記ウェビングセンサレバー阻止部が前記ウェビングセンサレバーから離間して前記ウェビングセンサレバーの揺動を許容する揺動許容位置とに前記ロックレバーを切換えるフリクションスプリングと、
    を備え、
    前記ウェビングの巻き取り時に、前記ロックレバーが前記揺動阻止位置に位置することで、前記ウェビングセンサレバーの作動によるエンドロックを防止することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記ロックレバーは、前記ロック部材と当接離間可能なロック部材阻止部を更に備え、
    前記ロックレバーが前記揺動阻止位置に位置するとき、前記ロック部材阻止部が前記ロック部材の作動を阻止することを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記フリクションスプリングの腕部は、その先端が前記ロックレバーの長孔内に移動自在に係止されることで、前記ロックレバーに連結され、
    前記ベアリングプレートの軸部の中心と前記フリクションスプリングの先端との距離は、前記ロックレバーの支持孔の中心と前記フリクションスプリングの先端との距離より長く設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記ステアリングホイールは、前記ウェビングセンサレバーを非作動位置に付勢するためのスプリングを支持するばね受け部を有し、
    前記フリクションスプリングの腕部は、前記ばね受け部と前記ベアリングプレートとの対向面間に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルト用リトラクタ。
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