JPH0637022U - ウエビング巻取装置 - Google Patents
ウエビング巻取装置Info
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- JPH0637022U JPH0637022U JP7419892U JP7419892U JPH0637022U JP H0637022 U JPH0637022 U JP H0637022U JP 7419892 U JP7419892 U JP 7419892U JP 7419892 U JP7419892 U JP 7419892U JP H0637022 U JPH0637022 U JP H0637022U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 通常のウエビング装着状態では車両急減速時
に瞬時にウエビングの引出しを阻止することができ、し
かもウエビングの全巻取り状態からはウエビングを容易
に引き出すことができるウエビング巻取装置を得る。 【構成】 巻取軸20に固定されたロータ44の側方に
は連結ギヤ70が配置されている。連結ギヤ70は、軸
線と直交する方向に移動することにより、ロータ44の
歯溝48及びロック輪38に固着されたサブギヤ41の
歯溝42に共に噛み合い可能である。連結ギヤ70の軸
72は、巻取軸20と同期回転するカム52の凸部60
が対応しており、ウエビング22が全量巻き取られた時
点で、凸部60に押圧されて移動する。したがって、こ
の際には、連結ギヤ70によってロータ44とロック輪
38が一体的に連結される。このため、巻取軸20とロ
ック輪38は相対回転が阻止され、エンドロックが防止
される。
に瞬時にウエビングの引出しを阻止することができ、し
かもウエビングの全巻取り状態からはウエビングを容易
に引き出すことができるウエビング巻取装置を得る。 【構成】 巻取軸20に固定されたロータ44の側方に
は連結ギヤ70が配置されている。連結ギヤ70は、軸
線と直交する方向に移動することにより、ロータ44の
歯溝48及びロック輪38に固着されたサブギヤ41の
歯溝42に共に噛み合い可能である。連結ギヤ70の軸
72は、巻取軸20と同期回転するカム52の凸部60
が対応しており、ウエビング22が全量巻き取られた時
点で、凸部60に押圧されて移動する。したがって、こ
の際には、連結ギヤ70によってロータ44とロック輪
38が一体的に連結される。このため、巻取軸20とロ
ック輪38は相対回転が阻止され、エンドロックが防止
される。
Description
【0001】
本考案はウエビングの急激な引き出しで、ロック手段を作動させて巻取軸のウ エビング引出し方向回転を瞬時に停止させることができるウエビング巻取装置に 関する。
【0002】
車両に装備されるウエビング巻取装置には、ウエビングの急激な引出しに応じ てロック輪に回転遅れを生じさせ、巻取軸とロック輪との相対回転によりロック 手段を作動させて巻取軸のウエビング引出方向回転を停止させて、ウエビングの 引き出しを瞬時に阻止するものがある(WSIRと称される)。
【0003】 このタイプのウエビング巻取装置においてはロック手段の作動を解除する場合 、巻取軸を若干量ウエビング巻取方向へ回転させることによりロック手段の作動 を解除するようになっている。
【0004】 ところで、乗員がウエビングの装着を解除する場合、巻取軸は付勢手段よりウ エビング巻取方向へ付勢されているため、乗員がウエビングを手放すとウエビン グが急激に巻き取られることがある。このような状態でウエビングの巻き取りが 終了すると巻取軸の回転が急激に停止し、ウエビングを急激に引き出した場合と 同じ状態になり、ロック手段が作動する場合がある。
【0005】 そこで、この不具合を解消するウエビング巻取装置が提案されている(実開昭 62−95058号)。
【0006】 図7に基づいてこのタイプのウエビング巻取装置を説明する。 ウエビング102を巻き取る巻取軸104の一端部104Aにはロック輪10 6が軸支されている。このロック輪106にはフレーム108に固着された内歯 ギヤホイル110と噛み合うことにより巻取軸104の回転を停止させる一対の ロックプレート112が配設されている。また、巻取軸104の一端部104A には巻取軸104と一体となって回転するロータ114が連結されている。この ロータ114にはカム116のボス部116Aが嵌入されており、カム116は ロータ114との摩擦力により回転可能となっている。このカム116はカバー 体118に設けられたフリクシヨンスプリング120によってロータ114との 摩擦力より強い力で挟持されている。
【0007】 前記ロック輪106とロータ114との間にはねじりコイルばね122が配設 され、ねじりコイルばね122はロック輪106をウエビング引出方向(図7矢 印B方向)に付勢している。
【0008】 また、前記ロック輪106には突起部124が形成され、この突起部124に はロータ114のピン114Aに軸支されるポール126が当接可能とされてい る。
【0009】 上記構成のウエビング巻取装置において、ウエビング巻取時は巻取軸104が ウエビング巻取方向(図7矢印A方向)に回転すると、ロータ114も一体とな って回転する。この場合、ロータ114の回転力をカム116へ所定摩擦力を介 して伝達しているが、カム116はフリクシヨンスプリング120に挟持されて いるため回転されない。
【0010】 従って、ポール126の一端部126Aがカム116の切欠面116Bと当接 してポール126はピン114Aを中心として矢印F方向に回転される。これに よりポール126がロック輪106の突起部124と係合しロック輪106と巻 取軸104との相対回転を阻止する。
【0011】 この結果、ウエビング全巻取時においては巻取軸104はロックプレート11 2によりロックされないためウエビング102を容易に引き出すことができる。
【0012】 ところで、ウエビング装着時において乗員の姿勢変化に対応して引き出された ウエビング102が巻き取られる場合においても前述の作用と同様にロック輪1 06と巻取軸104とは相対回転阻止状態とされる。
【0013】 従って、この時に車両が急減速状態になると巻取軸104とロック輪106と は相対回転可能状態となっていないため、乗員の急激な移動によって巻取軸10 4とロック輪106とが相対回転可能状態となるまでの間ウエビング102は引 き出されるので、巻取軸104の引出しを停止する迄の時間が長くなる。このウ エビング102の引出し停止迄の時間を短くするにはカム116やポール126 の寸法精度を向上させる必要があり、コストアツプの原因となる。
【0014】
本考案は上記事実を考慮し、通常のウエビング装着状態では車両急減速時に瞬 時にウエビングの引き出しを阻止することができ、しかもウエビングの全巻取状 態からはウエビングを容易に引き出すことができるウエビング巻取装置を得るこ とが目的である。
【0015】
本考案に係るウエビング巻取装置は、乗員に装着されるウエビングを巻き取る 巻取軸と、内周壁に歯溝を有する円筒状に形成され、前記巻取軸と同軸的でかつ 相対回転可能に配置され、ウエビングの急激な引出しによって前記巻取軸に対し 回転遅れが生じるロック輪と、前記巻取軸とロック輪との間に設けられ前記ロッ ク輪の回転遅れにより作動して巻取軸の回転を阻止するロック手段と、内周壁に 歯溝を有する円筒状に形成され、前記ロック輪の側近にロック輪と同軸的に配置 されると共に前記巻取軸に連結されて常に巻取軸と共に回転するロータと、前記 ロック輪及びロータに対して軸線が平行状態でかつ軸線と直交する方向に移動可 能に支持されると共に、軸線と直交する方向に移動することにより前記ロック輪 の歯溝と前記ロータの歯溝に共に噛み合って一体的に連結状態となり前記ロック 輪とロータとの相対回転を阻止し、常に前記ロック輪の歯溝及び前記ロータの歯 溝から離間する方向へ付勢された連結ギヤと、前記巻取軸にギヤを介して連結さ れて巻取軸の回転に同期して回転し、ウエビングの巻取量が所定量を越えた場合 に前記連結ギヤを押圧して軸線と直交する方向に移動させる凸部が形成されたカ ムと、を備えている。
【0016】
上記構成のウエビング巻取装置では、通常の状態においては、連結ギヤはロッ ク輪の歯溝及びロータの歯溝から離間しており、したがって、ロック輪はロータ すなわち巻取軸と相対回転可能である。このため、ウエビング装着時に車両が著 しい急減速状態に陥ると、ロック輪と巻取軸とは相対回転して、巻取軸はロック 手段により回転が阻止されて、瞬時にウエビングの引き出しが停止される。
【0017】 引き出されたウエビングが巻取軸に巻き取られ、ウエビングの巻取量が所定量 を越えた場合(例えば、ウエビングの全巻取り状態になった場合)には、カムの 凸部が連結ギヤを押圧して軸線と直交する方向に移動させる。これにより、連結 ギヤがロック輪の歯溝とロータの歯溝に共に噛み合い、ロック輪とロータとを一 体的に連結した状態となる。したがって、ロック輪とロータすなわち巻取軸との 相対回転が阻止され、ロック輪は巻取軸に対して回転遅れが阻止される。
【0018】 この結果、ロック手段が作動することがなく、巻取軸は自由に回転可能であり 、ウエビングを容易に引き出すことができる。
【0019】 このように、本考案に係るウエビング巻取装置では、通常のウエビング装着状 態では車両急減速時に瞬時にウエビングの引き出しを阻止することができ、しか もウエビングの全巻取状態からはウエビングを容易に引き出すことができる。
【0020】
図1には本考案の実施例に係るウエビング巻取装置10が示されている。
【0021】 ウエビング巻取装置10では、フレーム11には基部の両側部から一対の脚部 12、14が互い平行に延びている。これらの脚部12、14には巻取軸20が 軸支されており、この巻取軸20には乗員に装着されるウエビング22の一端部 が係止されている。
【0022】 巻取軸20の長手方向一端部は脚部12の外側へ突出し、この突出部にはぜん まいばね27の内端部が係止されている。ぜんまいばね27の外端部は、脚部1 2に固着されてぜんまいばね27を収容するばねカバー29へ係止されており、 これにより巻取軸20はぜんまいばね27の付勢力でウエビング巻取方向(図1 矢印A方向)へ付勢回転されてウエビング22を層状に巻き取るようになってい る。
【0023】 巻取軸20の他端部は脚部14の外側へ突出し、この突出部には二股部20A が形成されている。二股部20Aの回りには図2及び図3にも示される如くロッ ク手段の一部を構成する一対のロックプレート24、25が配置されている。こ れらのロックプレート24、25はそれぞれ中央部に略U字形の切欠凹部26が 形成された略C字状とされており、この切欠凹部26内へ二股部20Aが位置し ている。この切欠凹部26は図2に示される如く、幅寸法(図2上下方向長さ) が二股部20Aの幅寸法(図2上下方向長さ)より若干大きく形成されており、 ロックプレート24、25が巻取軸20に対して所定角度だけ相対回転可能とな っている。
【0024】 これらのロックプレート24、25の一端部にはそれぞれ爪部28、30が形 成されており、脚部14へ固着されてロックプレート24、25と共にロック手 段を構成する内歯ギヤホイル32の内歯と対向している。
【0025】 さらに、ロックプレート24、25にはそれぞれ一対のピン34、36が突設 されており、ロック輪38へ形成された長孔40内へ挿入されている。
【0026】 ロック輪38は、全体として略円筒形で外周にはラチェット歯39が形成され ており、巻取軸20の軸心部から突出される小径軸部20Bへ軸支されて巻取軸 20と相対回転可能となっている。ロック輪38が巻取軸20と相対回転(回転 遅れ)した場合には、長孔40内へ挿入されたピン34、36が案内されてロッ クプレート24、25が内歯ギヤホイル32の方向へ移動される。このロック輪 38は、ウエビング22の急激な引出しによる巻取軸20の急激な回転に対して 回転遅れを生じる所謂WSIRの機構とされると共に、後述するパウルレバー8 0がラチェット歯39に係合することによっても回転が阻止される。
【0027】 図4乃至図6にも示す如く、ロック輪38の外周の肉厚方向一端側(ラチェッ ト歯39と反対側)には、サブギヤ41が一体的に固定されている。サブギヤ4 1はリング状に形成されており、内周壁には全周に渡って歯溝42が形成されて いる。この歯溝42は、後述する連結ギヤ70に対応しており、連結ギヤ70が 噛み合い可能である。
【0028】 一方、ロック輪38の側方にはロータ44が配置されている。ロータ44は、 ロック輪38よりも小径の略円筒形に形成されており、ロック輪38の側近でサ ブギヤ41よりも内側に配置され、巻取軸20の小径軸部20Bの先端部に固定 されている。ロータ44の軸心部には貫通孔46が形成されており、この貫通孔 46に前記巻取軸20の小径軸部20Bが嵌入されて固定され、ロータ44は巻 取軸20と一体回転する構成である。
【0029】 ロータ44の内周壁には、全周に渡って歯溝48が形成されている。歯溝48 は、前述のサブギヤ41の歯溝42に対応しており、同一の形状及び歯数で設け られている。この歯溝48も、前記サブギヤ41の歯溝42に噛み合い可能な後 述する連結ギヤ70が同時に噛み合い可能である。
【0030】 ロック輪38とロータ44との間には捩じりコイルばね50が配設されている 。このねじりコイルばね50のコイル部はロック輪38のボス部38Aに外嵌さ れ、一端部はロック輪38に他端部はロータ44にそれぞれ係止されている。こ れによりロック輪38は捩じりコイルばね50の付勢力によりウエビング引出方 向(図1矢印B方向)に付勢回転されている。したがって、ロック輪38は捩じ りコイルばね50の付勢力で図2に示すようにロックプレート24、25のピン 34、36を長孔40の一端部へ収容して爪部28、30を内歯ギヤホイル32 と離間させている。
【0031】 一方、ロータ44の側方(ロック輪38と反対側)には円盤状のカム52が配 設されている。カム52の軸心部には貫通孔54が形成されており、この貫通孔 54に前記巻取軸20の小径軸部20Bが貫通して支持され、カム52は巻取軸 20と相対回転するようになっている。
【0032】 このカム52の外周一部には、図4にも示す如く、軸線と直交する方向(半径 方向)へ凸部60が周方向に沿って一定長さ突出形成されており、後述する連結 ギヤ70に対応してこれを押圧可能である。
【0033】 また、このカム52のロック輪38と反対側の面には凹部56が形成されてお り、この凹部56の内周面には内歯58が形成されている。
【0034】 カム52の軸心部に形成された貫通孔54からは、巻取軸20の小径軸部20 Bの先端に形成された平歯車62が突出されて位置している。
【0035】 また、カム52の凹部56には、平歯車62とカム52の内歯58との間に、 歯車64が配設されている。歯車64はセンサカバー66の内部に突設されたピ ン68に軸支されており、大ギヤ部64Aが平歯車62に噛み合うと共に、小ギ ヤ部64Bがカム52の内歯58に噛み合っている。これにより、巻取軸20と 共に平歯車62が回転すると、歯車64を介して回転力が伝達されて、カム52 が巻取軸20と反対方向へ回転する構成である。なお、この場合、ウエビング2 2の全巻取り状態から全引出し状態までの間の巻取軸20の回転に対して、カム 52が一回転するように、平歯車62、歯車64(大ギヤ部64A、小ギヤ部6 4B)及び内歯58の歯数等が設定されている。
【0036】 ロータ44及びカム52の側方には、連結ギヤ70が配置されている。連結ギ ヤ70は、ギヤ部70Aとギヤ部70Bが軸72に一体的に設けられた構成とな っており、さらに軸72には鍔部74が形成されている。この連結ギヤ70は、 軸72がロック輪38及びロータ44の軸線に対して平行状態でかつ軸線と直交 する方向に沿って移動可能に、鍔部74がセンサカバー66の内部に延出する保 持板76によって支持されている。さらに、連結ギヤ70は、ギヤ部70Aがロ ータ44の歯溝48に対向すると共にギヤ部70Bがサブギヤ41の歯溝42に も対向しており、保持板76に沿って軸線と直交する方向に沿って移動すること により、ギヤ部70Aが歯溝48に噛み合うと共にギヤ部70Bが歯溝42にも 噛み合うことができる。したがって、この状態ではロータ44とサブギヤ41す なわちロック輪38とは連結ギア70によって一体的に連結された状態となり、 ロータ44とロック輪38との相対回転が阻止される構成である。
【0037】 さらに、連結ギヤ70のギヤ部70Aとギヤ部70Bとの間の軸72は、カム 52の凸部60に対応している。すなわち、カム52の凸部60が連結ギヤ70 に至ると、軸72が押圧されて軸線と直交する方向に移動し、前述の如くギヤ部 70Aがロータ44の歯溝48に噛み合うと共にギヤ部70Bがサブギヤ41の 歯溝42にも噛み合う構成である。
【0038】 連結ギヤ70の鍔部74には、下方へ向けて腕部78が延出されている。この 腕部78の先端はロック輪38の方向へL字状に屈曲されており、後述するパウ ルレバー80に対応している。
【0039】 また、連結ギヤ70の鍔部74には、引張コイルばね79が連結されている。 引張コイルばね79の他端部はセンサカバー66に支持されている。これにより 、連結ギヤ70は、常にロータ44及びロック輪38から離間する方向に付勢さ れており、ギヤ部70Aはロータ44の歯溝48から離間しギヤ部70Bもサブ ギヤ41の歯溝42から離間した状態となっている。
【0040】 ロック輪38及び連結ギヤ70の直下には、パウルレバー80及びボール82 が配置されている。
【0041】 パウルレバー80は略L字状で、脚部14の外側に固着されたセンサホルダ8 4の一端に突出形成された一対の腕部86に回転可能に支持されている。パウル レバー80の先端は上方へ向いて略U字状に屈曲し弾性変形可能な係合部88と なっており、ロック輪38のラチェット歯39に係合してロック輪38の回転を 阻止することができる。
【0042】 一方、ボール82は、センサホルダ84の円錐受部90に配置されており、大 きな加速度作用時に円錐受部90内を登り上がるようになっている。また、この ボール82上に、腕部86に回転可能に支持されたパウルレバー80の傘部92 が載置されており、ボール82が円錐受部90を登り上がることによって押上げ られ、これによってパウルレバー80が回転されて係合部88がロック輪38の ラチェット歯39に噛み合う構成である。
【0043】 さらに、パウルレバー80は、連結ギヤ70の腕部78に対応している。すな わち、カム52の凸部60に押圧されて連結ギヤ70が移動すると、腕部78が パウルレバー80の上部に当接してパウルレバー80の移動を阻止し、パウルレ バー80の係合部88がロック輪38のラチェット歯39に噛み合うことを阻止 するようになっている。
【0044】 以上の如く、ウエビング巻取装置10は、ウエビング22の急激な引出しを感 知して巻取軸20の回転を阻止する所謂ウエビング感応式(WSIR)の機構と 、車両急減速状態を感知して巻取軸20の回転を阻止する所謂車体感応式(VS IR)の機構とを併有する所謂DSIRの構成とされている。
【0045】 次に本実施例の作用を説明する。 上記のように構成される本実施例のウエビング巻取装置10では、フレーム1 1がボルトを介して車体に取り付けられる。この巻取装置10がウエビング連続 式とされた3点式シートベルト装置に用いられる場合には、巻取軸20から引き 出されたウエビング22は、端部がアンカ部材を介して車体へ係止され、中間部 が車体に係止されたスリツプジヨイントで折り返され、さらに前記アンカ部材と スリツプジヨイントとの中間部にタングプレートが長手方向へ摺動可能に取り付 けられる。
【0046】 ここで、シートに着座した乗員がウエビング22を装着する際には、ウエビン グ22を巻取軸20から引き出し、車体へ取り付けられたバツクル装置に前記タ ングプレートを係合させることで、乗員はウエビング装着状態となる。
【0047】 このようにして引き出されたウエビング22を装着している場合であって、乗 員の姿勢変化に応じてウエビング22が巻き取られている時に車両が著しい急減 速状態に陥ると、ロック輪38と巻取軸20との間に相対回転が生じる。
【0048】 すなわち、ロック輪38自身の慣性力により巻取軸20に対して回転遅れを生 じる。さらに、これと共に、ボール82がセンサホルダ84の円錐受部90内を 登り上がってパウルレバー80の傘部92が押上げられ、パウルレバー80が回 転される。これによりパウルレバー80の係合部88がロック輪38のラチェッ ト歯39に噛み合い、ロック輪38の回転が阻止されて、これによっても巻取軸 20との間に相対回転が生じる。
【0049】 このロック輪38の相対回転により、巻取軸20と共に回転するロックプレー ト24、25は、図3に示す如くピン34、36がロック輪38の長孔40によ って案内されて、爪部28、30は内歯ギヤホイル32と噛み合う。この結果、 巻取軸20のウエビング引出方向回転が阻止されてウエビング22の引き出しが 瞬時に阻止され、乗員はウエビング22により確実に拘束される。
【0050】 一方、乗員が降車する場合には、先ずタングプレートとバツクル装置との係合 を解除する。これにより、ぜんまいばね27の付勢力で巻取軸20はウエビング 巻取方向(図1矢印A方向)に回転して、ウエビング22は巻取軸20に巻き取 られる。この巻取軸20のウエビング巻取方向の回転と共に平歯車62もウエビ ング巻取方向に回転する。
【0051】 平歯車62の前記回転によって、この平歯車62と噛合している歯車64は、 図4矢印C方向に回転して平歯車62の回転力をカム52へ伝達し、これにより カム52が図4時計回り方向へ回転する。
【0052】 ウエビング22の巻取量が所定量を越え全量巻き取られた状態になると、カム 52の凸部60が連結ギヤ70の軸72に当接する。この結果、連結ギヤ70は 引張コイルばね79の付勢力に抗してロータ44及びロック輪38の方向に移動 され、図6に示す如く、ギヤ部70Aがロータ44の歯溝48に噛み合うと共に ギヤ部70Bがサブギヤ41の歯溝42にも噛み合う。これにより、ロータ44 とサブギヤ41すなわちロック輪38とが連結ギア70によって一体的に連結さ れた状態となり、ロータ44が固定された巻取軸20とロック輪38とは一体回 転する状態となる。すなわち、この状態では、ロック輪38と巻取軸20とは相 対回転することがなく、ロック輪38は巻取軸20に対して回転遅れすることが ない。
【0053】 さらに、これと共に、カム52の凸部60に押圧されて連結ギヤ70が移動す ると、腕部78がパウルレバー80の上部に当接してパウルレバー80の移動が 阻止される。これにより、パウルレバー80の係合部88がロック輪38のラチ ェット歯39に噛み合うことが阻止される。したがって、これによっても、ロッ ク輪38の回転が阻止されることがなく、ロック輪38は巻取軸20に対して回 転遅れすることがない。
【0054】 この結果、ロックプレート24、25は内歯ギヤホイル32と噛み合うことが なく、巻取軸20は自由に回転可能である。
【0055】 したがって、このようなウエビング22の全巻取り状態から乗員が再びウエビ ング22を装着する場合には、ウエビング22を単に引張るだけで容易に引き出 すことができる。
【0056】 更に、乗員によってウエビング22が引き出されると、巻取軸20及び平歯車 62はウエビング引出方向(図1矢印B方向)に回転する。このため、歯車64 は図6矢印D方向に回転して平歯車62の回転力をカム52へ伝達し、カム52 は図6反時計回り方向に回転する。これにより、カム52の凸部60が連結ギヤ 70から離間するため、連結ギヤ70は引張コイルばね79の付勢力によってロ ータ44及びサブギヤ41から離間する方向へ移動し、ギヤ部70Aと歯溝48 との噛み合い、及びギヤ部70Bと歯溝42との噛み合いが解除される(図4図 示状態に復帰する)。したがって、ロータ44すなわち巻取軸20とロック輪3 8とは再び相対回転が可能な状態となる。
【0057】 さらに、この連結ギヤ70の移動により、腕部78もパウルレバー80から離 間し、パウルレバー80の係合部88がロック輪38のラチェット歯39に噛み 合うことが可能な状態となる。
【0058】 これにより、前述の如く、車両が著しい急減速状態に陥った場合には、ロック プレート24、25を作動させて瞬時にウエビング22の引き出しを阻止し乗員 を確実に拘束することができる。
【0059】 このように、ウエビング巻取装置10では、通常のウエビング装着状態におけ る車両急減速時には瞬時にウエビング22の引き出しを阻止することができ、し かもウエビング22の全巻取り状態からはウエビング22を容易に引き出すこと ができる。
【0060】 なお、本実施例におけるウエビング巻取装置10では、ウエビング22の急激 な引出しに応じてロック輪38に回転遅れを生じさせて巻取軸20のウエビング 引出方向回転を停止させるWSIRの機構と、車両急減速状態を感知して巻取軸 20の回転を阻止するVSIRの機構とを併有す所謂DSIRの構成について説 明したが、これに限らず、WSIRの機構のみの構成であっても当然に適用する ことができる。
【0061】
以上説明した如く本考案に係るウエビング巻取装置では、通常のウエビング装 着状態では車両急減速時に瞬時にウエビングの引き出しを阻止することができ、 しかもウエビングの全巻取状態からはウエビングを容易に引き出すことができる という優れた効果を有する。
【図1】本考案の実施例に係るウエビング巻取装置の分
解斜視図である。
解斜視図である。
【図2】ロックプレートと内歯ギヤホイルとが噛み合っ
ていない状態の図1の2−2線矢視図である。
ていない状態の図1の2−2線矢視図である。
【図3】ロックプレートと内歯ギヤホイルとが噛み合っ
ている状態の図1の2−2線矢視図である。
ている状態の図1の2−2線矢視図である。
【図4】連結ギヤ及び周辺部品を示す図1の4−4線矢
視断面図である。
視断面図である。
【図5】ウエビングが引き出された状態におけるロック
輪、ロータ、連結ギヤ等の関係を示す断面図である。
輪、ロータ、連結ギヤ等の関係を示す断面図である。
【図6】ウエビングが全量巻き取られた状態におけるロ
ック輪、ロータ、連結ギヤ等の関係を示す図4に対応す
る断面図である。
ック輪、ロータ、連結ギヤ等の関係を示す図4に対応す
る断面図である。
【図7】従来のウエビング巻取装置を示す分解斜視図で
ある。
ある。
10 ウエビング巻取装置 20 巻取軸 22 ウエビング 24 ロックプレート(ロック手段) 25 ロックプレート(ロック手段) 32 内歯ギヤホイル(ロック手段) 38 ロック輪 41 サブギヤ 42 歯溝 44 ロータ 48 歯溝 52 カム 60 凸部 62 平歯車 64 歯車 70 連結ギヤ 70A ギヤ部 70B ギヤ部 78 腕部
Claims (1)
- 【請求項1】 乗員に装着されるウエビングを巻き取る
巻取軸と、 内周壁に歯溝を有する円筒状に形成され、前記巻取軸と
同軸的でかつ相対回転可能に配置され、ウエビングの急
激な引出しによって前記巻取軸に対し回転遅れが生じる
ロック輪と、 前記巻取軸とロック輪との間に設けられ前記ロック輪の
回転遅れにより作動して巻取軸の回転を阻止するロック
手段と、 内周壁に歯溝を有する円筒状に形成され、前記ロック輪
の側近にロック輪と同軸的に配置されると共に前記巻取
軸に連結されて常に巻取軸と共に回転するロータと、 前記ロック輪及びロータに対して軸線が平行状態でかつ
軸線と直交する方向に移動可能に支持されると共に、軸
線と直交する方向に移動することにより前記ロック輪の
歯溝と前記ロータの歯溝に共に噛み合って一体的に連結
状態となり前記ロック輪とロータとの相対回転を阻止
し、常に前記ロック輪の歯溝及び前記ロータの歯溝から
離間する方向へ付勢された連結ギヤと、 前記巻取軸にギヤを介して連結されて巻取軸の回転に同
期して回転し、ウエビングの巻取量が所定量を越えた場
合に前記連結ギヤを押圧して軸線と直交する方向に移動
させる凸部が形成されたカムと、 を備えたウエビング巻取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7419892U JPH0637022U (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | ウエビング巻取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7419892U JPH0637022U (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | ウエビング巻取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0637022U true JPH0637022U (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=13540252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7419892U Pending JPH0637022U (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | ウエビング巻取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0637022U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998019896A1 (fr) * | 1996-11-06 | 1998-05-14 | Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho | Dispositif d'enroulement de sangle |
KR100494544B1 (ko) * | 2002-06-21 | 2005-06-13 | 현대자동차주식회사 | 벨트 인 시트의 감속도 센서 |
JP2009132317A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Autoliv Development Ab | シートベルト用リトラクタ |
-
1992
- 1992-10-23 JP JP7419892U patent/JPH0637022U/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998019896A1 (fr) * | 1996-11-06 | 1998-05-14 | Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho | Dispositif d'enroulement de sangle |
KR100494544B1 (ko) * | 2002-06-21 | 2005-06-13 | 현대자동차주식회사 | 벨트 인 시트의 감속도 센서 |
JP2009132317A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Autoliv Development Ab | シートベルト用リトラクタ |
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