JP5319566B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員の身体を拘束するウエビングベルトをスプールに巻き取って格納するウエビング巻取装置に関する。
下記特許文献1に開示されたウエビング巻取装置では、加速度センサの硬球が慣性移動してセンサ爪を押し上げ、これにより、センサギヤに設けられている係合爪がVギヤの外周部に形成されたラチェット歯に噛み合ったり、Vギヤに設けられたWパウルが揺動してセンサギヤに形成されているラチェット歯に噛み合ったりすると、スプールと共に回転するVギヤの引出方向への回転がセンサギヤに伝わってセンサギヤが引出方向に回動する。
センサギヤが引出方向に回動すると、センサギヤに設けられた押圧部がロックパウルを押圧して、ロックパウルをロックベースに形成されたラチェット歯に噛み合わせる。これにより、ロックベースの引出方向への回転が規制される。ロックベースはトーションシャフトを介してスプールに対して相対回転不能に繋がっているので、ロックベースの引出方向への回転が規制されることでスプールの引出方向への回転が規制され、スプールからのウエビングベルトの引き出しが規制される。
特開2006−188148の公報
ところで、センサギヤに設けられている係合爪がVギヤの外周部に形成されたラチェット歯に噛み合った状態やVギヤに設けられたWパウルが揺動してセンサギヤに形成されているラチェット歯に噛み合った状態のまま、それ以上ウエビングベルトを巻き取ることができない状態までスプールが引出方向に回転すると、所謂「エンドロック」の状態になる。この状態でウエビングベルトを引っ張るとロックパウルがロックベースの引出方向への回転を規制してしまうので、ウエビングベルトを引き出しが困難になる。このため、例えば、スプールが巻取方向に回転する際に上記のWパウルをセンサギヤのラチェット歯から離間させた状態で保持するような特別な機構を設け対処している。
本発明は、上記事実を考慮して、特に複雑な構成を設けなくてもエンドロックの発生を防止又は効果的に抑制できるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、前記ウエビングベルトを基端側から巻き取ると共に前記ウエビングベルトが引き出されることで引出方向に回転するスプールと、ラチェット歯が形成されて、前記スプールに対して一体的に回転するロックベースと、前記ラチェット歯に噛み合い可能なロック歯が先端側に形成されて、前記ロック歯が前記ラチェット歯に係合してから前記スプールが前記引出方向に回転することによって、前記ロック歯が前記ラチェット歯に誘導されて移動し、前記ロック歯が前記ラチェット歯に噛み合ってロック状態となり前記引出方向への前記スプールの回転を規制するロック部材と、前記引出方向に回転する前記スプールと共に所定の向きに回転する第1回転体と、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられ、前記所定の向きに回転することで前記ロック部材の前記ロック歯を前記ロックベースの前記ラチェット歯に係合させると共に、前記ロックが前記ラチェット歯に係合してから前記ロック状態になるまでの前記ロック部材の移動によって前記第1回転体よりも速く前記所定の向きに回される第2回転体と、前記引出方向への前記スプールの回転加速度が所定の大きさを越えた場合や減速する車両の加速度が所定の大きさをえた場合に作動して前記第2回転体を前記第1回転に連結し、前記所定の向きに前記第1回転体と前記第2回転体とを一体的に回転させると共に、前記第1回転体に対して前記第2回転体が前記所定の向きに相対回転することで前記第2回転体と前記第1回転体との連結の解除が可能な連結手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、スプールから引き出されたウエビングベルトが乗員の身体に装着された状態で、例えば、車両が急減速してその際の車両の加速度が所定の大きさを超えたり、車両が急減速することで車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体がウエビングベルトを引っ張って、これにより、引出方向へのスプールの回転加速度が所定の大きさを越えたりすると、連結手段が作動する。作動した連結手段は第2回転体を第1回転体に連結する。第2回転体は第1回転体に対して相対回転可能に設けられているが、第1回転体は引出方向に回転するスプールによって所定の向きに回転させられる。したがって、この状態でスプールが引出方向に回転していれば、第2回転体が連結手段によって第1回転体に連結されることで第1回転体と共に所定の向きに回転する。
このように第2回転体が所定の向きに回転すると、ロック部材が移動してロック部材のロック歯がロックベースのラチェット歯に係合される。ロックベースは、スプールと一体的に回転されるため、スプールが更に引出方向に回転すると、ロック部材のロック歯は、ロックベースのラチェット歯に誘導される。これによって、ロック部材のロック歯はロックベースのラチェット歯に噛み合い、ロック部材がロック状態となる。これにより、スプールの引出方向への回転が規制され、スプールからのウエビングベルトの引き出しが規制される。このように、スプールからのウエビングベルトの引き出しが規制されることで、例えば、車両が急減速することで車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体をウエビングベルトによって強く保持できる。
ここで、本発明に係るウエビング巻取装置では、第2回転体は、連結手段によって第1回転体に連結されることによって第1回転体と一体的に所定の向きへ回転される。しかしながら、ロック部材のロック歯がロックベースのラチェット歯に誘導されてロック部材が移動している状態では、第2回転体はロック部材の移動によって第1回転体よりも速く所定の向きへ回転される。
のため、ロック部材のロック歯がロックベースのラチェット歯に誘導されてロック部材が移動している状態では第2回転体は第1回転体に対して所定の向きに相対回転する。このようにして第1回転体に対する第2回転体の引出方向への相対回転が生じると、連結手段による第1回転体と第2回転体との連結が解除される。このため、第1回転体と第2回転体との連結が不要に維持されたままスプールにウエビングベルトが巻き取られることに起因した「エンドロック」の発生を防止又は効果的に抑制できる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、特に複雑な構成を用いることなくエンドロックの発生を防止又は効果的に抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の全体構成を概略的に示す分解斜視図である。 (A)リンク部材の正面図で、(B)がリンク部材の背面図である。 第1回転体と第2回転体との関係及び連結手段の構成を示す正面図である。 連結手段が第1回転体と第2回転体とを連結した状態を示す図3に対応した正面図である。 第1回転体と共に第2回転体が引出方向に回動した状態を示す図3に対応した正面図である。 第1回転体に対して第2回転体が引出方向に相対的に回動した状態を示す図3に対応した正面図である。 リンク部材及びロック部材の関係を示す正面図である。 ロック部材がスプールの回転を規制した状態を示す図7に対応した正面図である。 第1回転体に対して第2回転体が引出方向に相対的に回動した状態でのロック部材に対するリンク部材の位置関係を示す図3に対応した正面図である。
<本実施の形態の構成>
図1には、本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置10の全体的な構成の概略が正面断面図により示されている。
この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は、例えば、略車両前後方向に沿って互いに対向する一対の脚板14、16を備えている。この脚板14と脚板16との間にはスプール18が設けられている。スプール18は軸方向が脚板14、16の対向方向に沿った略円筒形状に形成されている。
スプール18には長尺帯状のウエビングベルト20の長手方向基端側が係止されており、スプール18の中心軸線周りの一方である巻取方向にスプール18を回転させると、ウエビングベルト20がその長手方向基端側からスプール18の外周部に巻き取られて格納され、ウエビングベルト20をその先端側へ引っ張ると、スプール18に巻き取られているウエビングベルト20が引き出されると共に、巻取方向とは反対の引出方向にスプール18が回転する。
一方、スプール18の内側には、長手方向がスプール18の軸方向に沿った棒状のトーションシャフト24が配置されている。トーションシャフト24は、スプール18における脚板16側の端部近傍にて、スプール18に対して相対回転不能な状態でスプール18に繋がっている。
また、このトーションシャフト24の脚板16側の端部には、脚板16の外側(脚板16の脚板14とは反対側)に設けられた渦巻きばね等の図示しないスプール付勢手段が繋がっており、スプール18と共にトーションシャフト24が引出方向に回転すると、スプール付勢手段にて付勢力が生じ、この付勢力がトーションシャフト24を介してスプール18を巻取方向に回転させる。これにより、スプール18にウエビングベルト20を巻き取らせることができる。
一方、脚板14の外側(脚板14の脚板16とは反対側)では、ロック機構40のセンサホルダ42が脚板14に取り付けられている。センサホルダ42は部分的に脚板14側へ向けて開口した凹形状に形成されている。センサホルダ42の脚板14とは反対側には図示しないセンサカバーが設けられており、このセンサカバーよってセンサホルダ42が覆われていると共に、センサホルダ42を貫通したトーションシャフト24の他端側からに延びる軸部46が回転自在に軸支されている。
さらに、センサホルダ42の脚板14とは反対側(すなわち、センサホルダ42とセンサカバーとの間)には第1回転体としてのVギヤ48が設けられている。Vギヤ48は全体的にスプール18の軸方向に沿って脚板14とは反対側へ向けて開口した浅底の有底円筒形状(盆形状)とされており、軸部46に対して同軸的且つ一体的に取り付けられている。Vギヤ48の中心軸線からVギヤ48の半径方向に離間した位置には、連結手段の一態様であるクラッチ部材としてのWパウル50が設けられている。Wパウル50は、基端側がVギヤ48の中心軸線の向きと同じ向きを軸方向とする軸周りに揺動可能にVギヤ48に支持されており、Wパウル50はこの支持位置を中心に揺動することで先端側がVギヤ48の外縁に対して接離する。
また、慣性質量体としてのイナーシャマス52が設けられている。イナーシャマス52はVギヤ48の中心軸線の向きと同じ向きを軸方向とする軸周りに揺動可能にVギヤ48に支持されている。このようにVギヤ48に支持されたイナーシャマス52はVギヤ48に対してイナーシャマス52が巻取方向に相対的に回動(揺動)すると、イナーシャマス52は上記のWパウル50を押圧し、Wパウル50の先端側をVギヤ48の外縁に対して接近させる。さらに、イナーシャマス52の側方には圧縮コイルばね54が設けられている。圧縮コイルばね54は一端がイナーシャマス52に係合しており、イナーシャマス52を引出方向に付勢する。
一方、図1に示されるように、Vギヤ48の脚板14とは反対側には第2回転としてのセンサギヤ58が設けられている。センサギヤ58は脚板14とは反対側へ向けて開口した浅底の有底円筒形状(盆形状)とされており、軸部46が貫通するようにVギヤ48に形成された円筒形状のボス60に回動可能に支持されている。このセンサギヤ58の近傍にはリターンスプリング62が設けられている。このリターンスプリング62は、圧縮コイルスプリング等で構成されており、センサギヤ58がボス60周りに引出方向に回動すると付勢力が増加して、センサギヤ58を巻取方向に付勢する。
このセンサギヤ58の内側にはラチェット歯59(図3参照)が、ボス60に対して同軸的に形成されている。このラチェット歯59はVギヤ48の内側に入り込んでいる。Wパウル50の先端側がVギヤ48の外縁に接近するように回動すると、Wパウル50の先端側がラチェット歯59に係合する。上記のように、センサギヤ58はVギヤ48のボス60に回動可能に支持されているが、Wパウル50の先端側がラチェット歯59に係合した状態でVギヤ48が引出方向に回転すると、Wパウル50の先端側にラチェット歯59が押圧されてセンサギヤ58がVギヤ48と共に引出方向に回転する。
また、センサギヤ58には連結爪取付部72が形成されている。連結爪取付部72には軸方向がスプール18の軸方向に沿った支持軸74が形成されている。この支持軸74には連結手段としての連結爪76が支持軸74周りに回動可能に支持されている。
連結爪76は支持軸74周りに回動することで先端がVギヤ48の外周部に接離する。この連結爪76に対応してVギヤ48の外周部にはラチェット歯78が形成されており、連結爪76がVギヤ48の外周部に接近するように回動すると、連結爪76の先端がラチェット歯78に噛み合う。この状態で、Vギヤ48が引出方向に回転すると、Vギヤ48の回転がラチェット歯78、連結爪76、支持軸74、及び連結爪取付部72を介してセンサギヤ58に伝わり、センサギヤ58を引出方向に回動させる。
上記の連結爪76の下方では加速度検出手段としての加速度センサ80がセンサホルダ42に設けられている。加速度センサ80はセンサフレーム82を備えている。センサフレーム82には載置部84が設けられている。載置部84は略車両上方へ向けて開口するように湾曲又は傾斜した凹状の傾斜面で、この載置部84上には硬球86が載置されている。硬球86の上側には押上片88が設けられている。
押上片88は略車両前後方向を軸方向とする軸周りに回動可能にセンサフレーム82から立設された縦壁に支持されており、硬球86が載置部84上を転動して載置部84の傾斜面を昇り上がると硬球86が押上片88を押し上げる。このようにして押し上げられた押上片88は、上記の縦壁との連結部分を中心に回動して先端側を上昇させる。この押上片88の上方には上記の連結爪76が位置しているので、押上片88が回動して押上片88の先端側が上昇すると、押上片88の先端に連結爪76が押し上げられる。これにより、連結爪76の先端がラチェット歯78に噛み合う。
一方、連結爪取付部72の近傍でセンサギヤ58の脚板14側には中間回転伝達部材として回転伝達機構を構成するリンク部材94が設けられている。このリンク部材94に対応してフレーム12の脚板14には支持体96が取り付けられている。支持体96には軸方向がスプール18の中心軸線方向と同じ向きを向く支持シャフト98が設けられている。上記のリンク部材94には支持シャフト98の嵌挿が可能な筒状体100が形成されており、支持シャフト98を筒状体100に嵌挿させることで、支持シャフト98周りにリンク部材94が回転自在に支持される。
図2に示されるように、このリンク部材94には係合ピン102が形成されている。係合ピン102はリンク部材94の回転中心である筒状体100の中心軸線に対してリンク部材94の回転半径方向に離間した位置からスプール18の軸方向と同方向にセンサギヤ58の側へ向けて突出形成されている。この係合ピン102に対応してセンサホルダ42には透孔104が形成されており、この透孔104を係合ピン102が通過している。透孔104は支持シャフト98及び筒状体100の中心軸線を中心に湾曲した円弧状に形成されている。このため、おり、透孔104を係合ピン102が通過していても支持シャフト98周りにリンク部材94が所定角度回転できる。
透孔104を通過した係合ピン102に対応してセンサギヤ58の所定部位にはガイド孔114(図3参照)が形成されている。このガイド孔114は内幅寸法が係合ピン102の外径寸法よりも僅かに大きな長孔とされており、この内側を係合ピン102が貫通している。センサギヤ58がスプール18の中心軸心周りに回動すると、ガイド孔114の内周部が係合ピン102を押圧し、これにより、リンク部材94が支持シャフト98周りに回動する。
一方、図1に示されるように、上記の支持体96には取付ピン120によってロック部材としてのロックパウル122が支持シャフト98の軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動自在に支持されている。このロックパウル122に対応してスプール18にはロックベース124が設けられている。ロックベース124は一部がスプール18の脚板14側の開口端からスプール18に対して同軸的に相対回転可能に嵌挿されている。但し、ロックベース124には、トーションシャフト24が相対回転不能な状態で貫通している。このため、ロックベース124は、トーションシャフト24を介してスプール18に対して相対回転不能な状態で繋がっている。
また、ロックベース124の外周部にはラチェット歯128が設けられている。上記のロックパウル122の先端側には、ラチェット歯128に噛み合い可能なラチェット歯(ロック歯)が形成されており、ロックパウル122の先端側がラチェット歯128の外周部に接近する向きへロックパウル122が回動すると、ロックパウル122のラチェット歯がラチェット歯128(ロックベース124)に噛み合う。このように、ロックパウル122のラチェット歯がラチェット歯128(ロックベース124)に噛み合った状態では、ロックベース124の引出方向への回転が規制される。
このロックパウル122の回動中心からその半径方向に変位した位置では、ロックパウル122に回転伝達機構を構成する係合ピン132が形成されている。係合ピン132はロックパウル122におけるリンク部材94側の端面からスプール18の軸方向と同方向に突出形成されている。図2に示されるように、係合ピン132に対応してリンク部材94には回転伝達機構を構成する長孔状のパウルガイド孔134が形成されている。
係合ピン132はパウルガイド孔134に入り込んでおり、センサギヤ58が引出方向に回転してガイド孔114の内周部に係合ピン102が押圧されることでリンク部材94が支持シャフト98周りに巻取方向に回動すると、パウルガイド孔134の内周部が係合ピン132を押圧してパウルガイド孔134の内側の一端側から他端側へ移動させる。これにより、ロックパウル122のラチェット歯をラチェット歯128(ロックベース124)に接近させるようにロックパウル122が回動する。
さらに、パウルガイド孔134の他端の位置やパウルガイド孔134長さは、係合ピン132がパウルガイド孔134の他端に到達した状態でロックパウル122のラチェット歯の先端(歯先)が、ロックベース124のラチェット歯128の先端近傍(歯先の近傍)に接するように設定されている。
さらに、このパウルガイド孔134の長手方向他端部からは連続して被ガイド孔136が形成されており、パウルガイド孔134の長手方向他端部に到達した係合ピン132はパウルガイド孔134から被ガイド孔136に移って被ガイド孔136内を移動できるようになっている。
ここで、図7に示されるように、パウルガイド孔134の一端から他端への向きに対して被ガイド孔136の一端(パウルガイド孔134の他端)から他端への向きは傾斜している。このため、係合ピン132がパウルガイド孔134内に位置している状態でリンク部材94が一定角度回転した場合のロックパウル122の回転角度よりも、係合ピン132が被ガイド孔136内に位置している状態でリンク部材94が一定角度回転した場合のロックパウル122の回転角度の方が小さくなる(すなわち、係合ピン132がパウルガイド孔134内に位置している状態と係合ピン132が被ガイド孔136内に位置している状態とでは、リンク部材94からロックパウル122への回転速度の伝達比が異なる)。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、図3から図9の各図を用いて本ウエビング巻取装置10の作用並びに効果について説明する。なお、これらの図では本ウエビング巻取装置10の動作をわかり易くするため、これまでに説明した各部材の形状等の詳細を省略して描いていることを予め付言しておく。
本ウエビング巻取装置10では、スプール18から引き出されたウエビングベルト20を乗員が装着した状態で、車両が急減速状態になると、図3に示される硬球86が慣性で車両前方側へ転動し、これにより、図4に示されるように硬球86が載置部84の傾斜面を昇りあがり、硬球86が押上片88を押し上げる。押し上げられた押上片88は、センサギヤ58の連結爪76に係合して連結爪76を巻取方向(図3の矢印A方向)に押し上げるように回動させる。これにより、図4に示されるようにVギヤ48のラチェット歯78に連結爪76が噛み合う。
一方、車両が減速した際の慣性で、乗員の身体が略車両前方側へ移動すると、乗員の身体によりウエビングベルト20が引っ張られる。このように、ウエビングベルト20が引っ張られるとスプール18は引出方向に回転する。スプール18が引出方向に回転すると、トーションシャフト24がスプール18と共に引出方向に回転し、ひいては、Vギヤ48が引出方向(図3の矢印B方向)に回転する。このようにしてVギヤ48が引出方向に回転すると、基本的にはWパウル50及びイナーシャマス52がVギヤ48と共に引出方向に回転する。
しかしながら、Vギヤ48が所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転した場合には、イナーシャマス52が慣性によって回転せずにその位置で留まろうとする(すなわち、イナーシャマス52がVギヤ48の回転に追従できない)。この結果、引出方向に回転するVギヤ48と、これに追従できないイナーシャマス52との間に圧縮コイルばね54の付勢力に抗した相対的な回転が生じ、イナーシャマス52はVギヤ48に対して巻取方向(図3の矢印C方向)へ相対回転する。
このような相対回転がイナーシャマス52に生じると、イナーシャマス52がWパウル50を押圧し、その基端側を軸にWパウル50の先端側をVギヤ48の外周縁へ接近させる向き(図3の矢印D方向)にWパウル50を回動させる。このように回動したWパウル50は、図4に示されるように、先端側がセンサギヤ58のラチェット歯59に接近して噛み合う。
以上のように、Vギヤ48のラチェット歯78に連結爪76が噛み合った状態や、センサギヤ58のラチェット歯にWパウル50の先端側が噛み合った状態でVギヤ48が引出方向に回転すると、このVギヤ48の回転がセンサギヤ58に伝わり、図5に示されるようにセンサギヤ58がリターンスプリング62の付勢力に抗してVギヤ48と共に引出方向に回動する。
このようにセンサギヤ58が引出方向に回動すると、図2及び図7に示されるセンサギヤ58に形成されたガイド孔114の内周部が係合ピン102の外周部を押圧して、リンク部材94を巻取方向(図7の矢印E方向)に回動させる。リンク部材94が巻取方向に回動すると、リンク部材94に形成されたパウルガイド孔134の内周部が係合ピン132の外周部を押圧して、ロックパウル122を巻取方向(図7の矢印F方向)に回動させる。このようにロックパウル122が回動することで、係合ピン132がパウルガイド孔134の他端に到達すると、図8に示されるように、ロックベース124のラチェット歯128の先端(歯先)又はその近傍部分にロックパウル122のラチェット歯の先端(歯先)が接する。
この状態で、更に、スプール18と共にロックベース124が引出方向に回転すると、ロックベース124のラチェット歯128に接したロックパウル122のラチェット歯を、ラチェット歯128の谷の底側へ誘導する(吸い込む)。これにより、図9に示されるように、ロックパウル122のラチェット歯がロックベース124のラチェット歯128に噛み合い、ロックパウル122がロック状態となってロックベース124の引出方向への回転を規制する。
ロックベース124はトーションシャフト24を介してスプール18に対して相対回転不能な状態で繋がっているので、ロックベース124の引出方向への回転が規制されることで、スプール18の引出方向への回転が規制される。これにより、スプール18からのウエビングベルト20の引き出しが規制されるので、例えば、車両急減速状態で車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体をウエビングベルト20によって強く拘束できる。
ところで、図8に示されるように、ロックベース124のラチェット歯128の先端(歯先)又はその近傍部分にロックパウル122のラチェット歯の先端(歯先)が接してから、図9に示されるようにロックパウル122のラチェット歯がロックベース124のラチェット歯128に噛み合う際には、ロックパウル122が更に回転する。この回転により、係合ピン132はパウルガイド孔134から被ガイド孔136に移る。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、係合ピン132がパウルガイド孔134内に位置している状態でリンク部材94が一定角度回転した場合のロックパウル122の回転角度よりも、係合ピン132が被ガイド孔136内に位置している状態でリンク部材94が一定角度回転した場合のロックパウル122の回転角度の方が小さくなるようにパウルガイド孔134及び被ガイド孔136の傾き等が設定されている。このため、スプール18の引出方向への回転でラチェット歯128の谷の底側へロックベース124のラチェット歯128がロックパウル122のラチェット歯を誘導する(吸い込む)ことによるロックパウル122の回転速度が、スプール18の引出方向への回転をVギヤ48、Wパウル50、センサギヤ58、及びリンク部材94を介してロックパウル122に伝えることによるロックパウル122の回転速度よりも速くなる。
このため、ロックベース124のラチェット歯128に誘導されてロックパウル122が回転すると、係合ピン132が被ガイド孔136の他端側へ移動しつつ係合ピン132が被ガイド孔136における巻取方向側の内周部136A(面が引出方向側を向く内周部136A)を押圧して、リンク部材94をそれまでよりも速く巻取方向(図7の矢印E方向)に回動させる。これにより、リンク部材94の回動がセンサギヤ58の回動に先行するので、リンク部材58の係合ピン102がセンサギヤ58のガイド孔114の内周部を押圧して、それまでよりも速くセンサギヤ58を回動させる。
このようにセンサギヤ58がリンク部材94によって回動させられると、センサギヤ58はVギヤ48よりも速く引出方向に回動する(すなわち、Vギヤ48に対してセンサギヤ58が相対的に引出方向に回動する)。センサギヤ58がVギヤ48に対して引出方向に回動すると、センサギヤ58のラチェット歯59がWパウル50から引出方向に離れて、Wパウル50とセンサギヤ58のラチェット歯59との噛み合いが解消され、Wパウル50は圧縮コイルばね54の付勢力によって元の位置に戻る。
このように、本ウエビング巻取装置10では、ロックパウル122のラチェット歯がロックベース124のラチェット歯128に噛み合ってロック状態になることでWパウル50とセンサギヤ58のラチェット歯59との噛み合いが解消させることができる。
このため、この状態からスプール18が巻取方向に回転してウエビングベルト20をそれ以上巻き取ることができない「全格納状態」になった状態でセンサギヤ58のラチェット歯59とWパウル50の先端との噛み合った場合には、この状態でウエビングベルト20を引っ張ってスプール18を引出方向に回転させ、ロックパウル122のラチェット歯をロックベース124のラチェット歯128に噛み合ってロック状態にさせると、上記のようにWパウル50とセンサギヤ58のラチェット歯59との噛み合いが解消される。
このため、本実施の形態に係るウエビング巻取装置10では、「全格納状態」でセンサギヤ58のラチェット歯59にWパウル50の先端が噛み合ってしまうことでウエビングベルト20を引き出せなくなる所謂「エンドロック」の発生を防止できる(厳密に言うと、「エンドロック」が発生してもウエビングベルト20を引っ張るだけで簡単に「エンドロック」を解消でき、継続的な「エンドロック」の発生を防止できる)。
なお、本実施の形態では、ロックパウル122に係合ピン132を設け、リンク部材94にパウルガイド孔134及び被ガイド孔136を設けた構成であった。しかしながら、本発明がこのような構成に限定されるものではない。例えば、ロックパウル122にパウルガイド孔134や被ガイド孔136を設けてリンク部材94に係合ピン132を設ける構成であってもよい。また、上述した係合ピン102やガイド孔114に代えてセンサギヤ58及びリンク部材94の何れかの一方に係合ピン132を設けて、何れかの他方にパウルガイド孔134や被ガイド孔136を設ける構成としてもよい。
また、本実施の形態では、センサギヤ58とロックパウル122との間にリンク部材94が介在する構成であったが、センサギヤ58及びロックパウル122の何れかの一方に係合ピン132を設けて、何れかの他方にパウルガイド孔134や被ガイド孔136を設けてセンサギヤ58とロックパウル122とを直接繋ぐ構成であってもよい。
10 ウエビング巻取装置
18 スプール
20 ウエビングベルト
40 ロック機構(ロック手段)
48 Vギヤ(第1回転体)
50 Wパウル(連結手段)
58 センサギヤ(第2回転体)
76 連結爪(連結手段)
122 ロックパウル(ロック部材)

Claims (1)

  1. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、前記ウエビングベルトを基端側から巻き取ると共に前記ウエビングベルトが引き出されることで引出方向に回転するスプールと、
    ラチェット歯が形成されて、前記スプールに対して一体的に回転するロックベースと、
    前記ラチェット歯に噛み合い可能なロック歯が先端側に形成されて、前記ロック歯が前記ラチェット歯に係合してから前記スプールが前記引出方向に回転することによって、前記ロック歯が前記ラチェット歯に誘導されて移動し、前記ロック歯が前記ラチェット歯に噛み合ってロック状態となり前記引出方向への前記スプールの回転を規制するロック部材と、
    前記引出方向に回転する前記スプールと共に所定の向きに回転する第1回転体と、
    前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられ、前記所定の向きに回転することで前記ロック部材の前記ロック歯を前記ロックベースの前記ラチェット歯に係合させると共に、前記ロックが前記ラチェット歯に係合してから前記ロック状態になるまでの前記ロック部材の移動によって前記第1回転体よりも速く前記所定の向きに回される第2回転体と、
    前記引出方向への前記スプールの回転加速度が所定の大きさを越えた場合や減速する車両の加速度が所定の大きさをえた場合に作動して前記第2回転体を前記第1回転に連結し、前記所定の向きに前記第1回転体と前記第2回転体とを一体的に回転させると共に、前記第1回転体に対して前記第2回転体が前記所定の向きに相対回転することで前記第2回転体と前記第1回転体との連結の解除が可能な連結手段と、
    を備えるウエビング巻取装置。
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