JP4658859B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、ウエビングをウエビングリールに巻き取る巻取ばねおよび電動モータを備えた車両のシートベルト装置に関する。
車両のシートベルト装置として、衝突時や急制動時にウエビングを引き込むプリテンショナや、ウエビングにかかるテンションを調整する電動モータを備えたものがある。
プリテンショナは、衝突時や急制動時に、火薬の燃焼圧力でウエビングを引き込むことで乗員を保護するものである。
電動モータは、シートベルト巻取装置のスプールの回転を制御して、ウエビングのテンションを調節することにより、乗員の拘束保護をより一層効率よくおこなうものである。
電動モータを備えたシートベルト装置のなかには、ウエビングを巻取ばねで巻き取る際に、電動モータを利用してウエビングの全量を良好に巻き取るように構成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−81056公報
しかし、特許文献1のシートベルト装置によれば、巻取ばねはウエビングの巻取り開始の際にばね力が強い。
このため、ウエビングに備えたタングプレートをバックルから外した際に、巻取ばねで巻き取る際に、巻取ばねの巻取力によりウエビングが急速に巻き取られることが考えられる。
本発明は、タングプレートをバックルから外した際に、ウエビングを良好に巻き取ることができる車両のシートベルト装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ウエビングに挿通されたタングプレートをバックルに係合して前記ウエビングで乗員を拘束するために、このウエビングをウエビングリールに巻き取る巻取ばねおよび電動モータを備えた車両のシートベルト装置において、前記タングプレートおよび前記バックルの係合解除を検知するタング解除検知部と、このタング解除検知部から伝えられた係合解除情報に基づいて前記電動モータを所定回転方向に回転させる制御部と、この電動モータの所定回転方向への回転に対応して作動し、前記ウエビングリールと一体に回転する回転体を押圧することにより、前記巻取ばねによる前記ウエビングの巻取速さを調整する巻取調整機構と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明において、前記巻取調整機構は、前記回転体の回転中に前記電動モータを停止させた際に、前記回転体の跳上力で回転体への押圧が解除されるように構成され、前記制御部は、前記タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、前記電動モータを停止することを特徴とする。
請求項3に係る発明において、前記巻取調整機構は、前記回転体の回転中に前記電動モータを前記所定回転方向に対して反対方向に回転させることで、前記回転体への押圧が解除されるように構成され、前記制御部は、前記タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、前記電動モータを前記所定回転方向に対して反対方向に回転させて前記巻取調整機構による前記回転体への押圧を解除し、解除後に電動モータを停止することを特徴とする。
ここで、請求項2および請求項3において、電動モータを停止した理由について説明する。
すなわち、巻取ばねは、通常、ウエビングの巻取り開始の際にばね力が強く、時間の経過とともにばね力が弱くなる。
一方、自動車のエンジンを停止した状態で、タングプレートをバックルから外すことが考えられる。よって、電力の消費を抑える観点から電動モータの駆動時間を短くすることが好ましい。
そこで、請求項2において、巻取調整機構の構成を、電動モータの停止で回転体への押圧が解除可能とし、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に電動モータを停止するようにした。
また、請求項3において、巻取調整機構の構成を、電動モータの反対方向への回転で回転体への押圧が解除可能とし、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に電動モータを反対方向に回転し、その後電動モータを停止するようにした。
請求項4に係る発明は、前記巻取調整機構で前記回転体を押圧した状態において、この回転体と前記巻取調整機構との摩擦抵抗を高める摩擦増大部を前記回転体の表面に備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、タング解除検知部から伝えられた係合解除情報に基づいて制御部が電動モータを所定回転方向に回転させる。電動モータの所定回転方向への回転に対応して巻取調整機構が作動し、ウエビングリールと一体に回転する回転体を押圧してウエビングの巻取速さを調整する。
これにより、タングプレートをバックルから外した際に、ウエビングを良好に巻き取ることができる。
請求項2に係る発明では、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータを停止して巻取速さの調整を解除するようにした。
これにより、ウエビングの巻取りが完了するまで、電動モータを駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができるという利点がある。
一方、巻取ばねは、通常、ウエビングの巻取り開始の際にばね力が強く、時間の経過とともにばね力が弱くなる。
よって、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビングの巻取りが速すぎることはなく、ウエビングを良好に巻き取ることができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータを反対方向に回転させて前記巻取速さの調整を解除し、調整の解除後に電動モータを停止するようにした。
これにより、ウエビングの巻取りが完了するまで、電動モータを駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができるという利点がある。
一方、巻取ばねは、通常、ウエビングの巻取り開始の際にばね力が強く、時間の経過とともにばね力が弱くなる。
よって、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビングの巻取りが速すぎることはなく、ウエビングを良好に巻き取ることができるという利点がある。
請求項4に係る発明では、回転体と巻取調整機構との摩擦抵抗を高める摩擦増大部を回転体の表面に備えた。
よって、巻取調整機構で回転体を押圧した際に、高められた摩擦抵抗でウエビングの巻取速さを一層良好に調整することができる。
これにより、タングプレートをバックルから外した際に、ウエビングを一層良好に巻き取ることができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は作業者から見た方向に従い、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
図1は本発明に係る車両のシートベルト装置(第1実施の形態)を示す斜視図である。
車両のシートベルト装置10は、車体11に備えたピラー12の下部12aに巻取装置14が設けられ、巻取装置14のウエビングリール15にウエビング16の一端部16aが巻き付けられ、巻取装置14から引き出されたウエビング16の他端部16bが取付具17を介してシート19の右側床面21に設けられ、ウエビング16にタングプレート23が挿通され、タングプレート23に係合するバックル24が取付具25を介してシート19の左側床面22に設けられている。
この車両のシートベルト装置10は、タングプレート23およびバックル24の係合解除を検知するタング解除検知部27をバックル24に備え、タング解除検知部27から伝えられた係合解除情報に基づいて巻取装置14の電動モータ28を所定回転方向に回転させる制御部29を備える。
なお、「所定回転方向」については図3で詳しく説明する。
巻取装置14は、ウエビング16を巻き取る(引き込む)手段として、ばね駆動部31、モータ駆動部32およびプリテンショナ33(図2参照)などを備える。
バックル24は、通常のバックルと同様に、タングプレート23を係合する係合部(図示せず)が内蔵され、この係合部とタングプレート23とのロックを解除するロック解除ボタン24aを備える。
バックル24のロック解除ボタン24aを押圧することにより、前記係合部とタングプレート23とのロックを解除する。この際に、タング解除検知部27がタングプレート23およびバックル24の係合解除を検知する。
図2は第1実施の形態に係る巻取装置を示す分解斜視図である。
巻取装置14は、ピラー12(図1参照)に取り付けるフレーム41を備え、フレーム41内にウエビングリール15が回転自在に設けられ、フレーム41の外部にプリテンショナ33およびモータ駆動部32が設けられ、モータ駆動部32の外部にばね駆動部31が設けられている。
ウエビングリール15にウエビング16の一端部16aが取り付けられ、フレーム41の引出開口41aからフレーム41の外部に引き出される。
プリテンショナ33は、車両が衝突した場合に、火薬の力により急速にウエビング16を巻き取り、ウエビング16で乗員をシート19(図1参照)に拘束するウエビング引込み装置である。
モータ駆動部32は、内外側のケース43,44を有し、内側ケース(フレーム41側のケース)43の下端部に電動モータ28が取り付けられ、内外側のケース43,44内に電動モータ28に連結する減速/クラッチ機構35が収容されている。
電動モータ28を駆動して減速/クラッチ機構35を作動させることにより、車両の走行状況に応じてウエビングリール15の回転を制御する。ウエビングリール15の回転を制御することで、ウエビング16のテンションを調節して、乗員を良好に拘束保護する。
減速/クラッチ機構35は、電動モータ28の駆動軸28aに減速ギヤ群46が連結され、減速ギヤ群46にクラッチ部(巻取調整機構)36が連結されたものである。
減速ギヤ群46は、駆動軸28aに駆動ギヤ47が設けられ、駆動ギヤ47に第1中間ギヤ48が噛み合い、第1中間ギヤ48に第2中間ギヤ49が噛み合い、第2中間ギヤ49と一体に形成された第3中間ギヤ51が第4中間ギヤ52に噛み合うように配置されたものである。
第4中間ギヤ52は、クラッチ部36のファイナルギヤ(リングギヤ)54に噛み合う。
クラッチ部36は、制御部29からの信号に基づいて電動モータ28が所定回転方向に回転した際に、電動モータ28の所定回転方向への回転に対応して作動する機構である。
具体的には、クラッチ部36は、外側ケース44に軸受56を介してリングプレート57を回転自在に取り付け、リングプレート57にファイナルギヤ54を一体に取り付け、リングプレート57にパウルピン62を介してクラッチパウル61をスイング自在に取り付けるとともにリターンスプリング63を取り付け、ガイドリング64をフリクションスプリング65を介して内側ケース43に取り付け、ガイドリング64にカムピン67を介してカム66をスイング自在に取り付け、ラチェットリング(回転体)68を軸受69を介して内側ケース43に取り付け、ラチェットリング68をウエビングリール15の連結軸15aに連結したものである。
ばね駆動部31は、モータ駆動部32の外側ケース44にカバー71が設けられ、カバー71内に巻取ばね72が収納されている。
巻取ばね72は、図1に示すタングプレート23をバックル24に係合した状態において、ウエビング16をウエビングリール15に巻き取ることで、シート19(図1参照)に着座した乗員をウエビング16で常時拘束するものである。
さらに、巻取ばね72は、タングプレート23をバックル24から外した状態において、ウエビング16を引き込むものである。
図3は第1実施の形態に係るモータ駆動部を説明する図である。
モータ駆動部32は、電動モータ28の駆動軸28aを矢印Aの如く回転することにより、駆動ギヤ47および第1〜第4の中間ギヤ48,49,51,52が矢印の如く回転して、ファイナルギヤ54が矢印Bの如く回転する。
ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Bの如く回転して、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印B方向に円弧状に移動する。
ここで、電動モータ28の矢印A方向の回転を、前述した「所定回転方向」とする。
一方、モータ駆動部32は、電動モータ28の駆動軸28aを矢印Cの如く回転することにより、駆動ギヤ47および第1〜第4の中間ギヤ48,49,51,52が矢印に対して反対方向に回転して、ファイナルギヤ54が矢印Dの如く回転する。
ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Dの如く回転して、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印D方向に円弧状に移動する。
リングプレート57と同軸上にガイドリング64が設けられている。
ガイドリング64は、フリクションスプリング65を介して内側ケース43(図2参照)に取り付けられている。
よって、フリクションスプリング65の摩擦力より小さい荷重がガイドリング64に作用した場合には、フリクションスプリング65の摩擦力でガイドリング64が静止状態を保つ。
一方、フリクションスプリング65の摩擦力より大きい荷重がガイドリング64に作用した場合には、フリクションスプリング65の摩擦力に抗してガイドリング64が回転する。
ガイドリング64には、カムピン67およびシャーピン74を介してカム66が設けられている。
すなわち、カム66にはシャーピン74が設けられ、シャーピン74が取付孔64aに嵌合されている。取付孔64aは、ガイドリング64に形成されている。
これにより、カム66は、カムピン67およびシャーピン74の2本のピンでガイドリング64に図示の状態に支持される。
このカム66のガイド面66aにクラッチパウル61の係止爪61aが接触した状態に保持されることで、係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れ(図3の状態)、クラッチ部36が切られた状態(クラッチ断)になる。
クラッチパウル61の係止爪61aは、リターンスプリング63のばね力でクラッチパウル61のガイド面66aに接触した状態に保たれる。
クラッチ断の状態において、図2に示す巻取ばね72のばね力で、ウエビングリール15にウエビング16を巻き取ることができる。
なお、クラッチ断の状態において、パウルピン62およびカムピン67の間隔がD1となる。以下、間隔D1を「クラッチ断間隔」という。
クラッチ断間隔D1の状態から、クラッチパウル61がカム66側に移動することで、クラッチパウル61の係止爪61aがカム66のガイド面66aに案内されてラチェットリング68のラチェット68aに係止する。
これにより、クラッチ部36が接続された状態(クラッチ接)になる。
つぎに、シートベルト装置10に備えたモータ駆動部32(特に、クラッチ部36)の動作を図4〜図7に基づいて説明する。
図4(a),(b)は第1実施の形態に係るモータ駆動部を駆動した例を説明する図である。
(a)において、電動モータ28(図3参照)でファイナルギヤ54を矢印Bの如く回転する。ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Bの如く回転することで、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印Bの如くカム66に向けて回転する。
一方、ガイドリング64は静止状態を保つ。よって、クラッチ断間隔D1が小さくなる。
(b)において、クラッチパウル61の係止爪61aがカム66のガイド面66aに当接した後、ガイド面66aに案内されてラチェットリング68側に向けて移動する。
すなわち、クラッチパウル61はパウルピン62を軸にして反時計回り方向に回転する。
図5は第1実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングを巻き取る例を説明する図である。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aに係止する。
この状態において、パウルピン62およびカムピン67の間隔は、クラッチ接状態の間隔(以下、「クラッチ接間隔」という)D2になる。
電動モータ28(図3参照)が駆動を継続することで、係止爪61aでラチェット68aを押圧するとともにガイド面66aを押圧する。
係止爪61aでガイド面66aを押圧することで、フリクションスプリング65の摩擦力より大きい荷重がガイドリング64に作用し、フリクションスプリング65の摩擦力に抗してガイドリング64が矢印Bの如く回転する。
よって、係止爪61aが矢印B方向の円弧状に移動するとともに、ガイドリング64と一体にカム66が円弧状に移動する。
係止爪61aでラチェット68aを押圧しているので、ラチェットリング68が矢印の如く回転し、ウエビングリール15(図2参照)にウエビング16が矢印の如く巻き取られる。
図6は第1実施の形態に係るプリテンショナでウエビングを巻き取る例を説明する図である。
車両が衝突した場合に、図2に示すプリテンショナ33の火薬の力によりウエビングリール15を回転する。ウエビングリール15が回転することで、ウエビングリール15と一体にラチェットリング68が矢印の如く回転する。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aに蹴り上げられて、係止爪61aがカム66を押し上げる。よって、カム66のシャーピン74が破断されて、カム66がカムピン67を軸に反時計回り方向に回転させる。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れて、クラッチ断の状態になる。
これにより、プリテンショナ33の火薬の力でラチェットリング68が急速に矢印の如く回転して、ウエビング16を急速に巻き取る(引き込む)ことができる。
図7(a),(b)は第1実施の形態に係るモータ駆動部を通常の使用状態に復帰する例を説明する図である。
(a)において、電動モータ28(図3参照)でファイナルギヤ54を矢印Dの如く回転する。ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Dの如く回転することで、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印Dの如くカム66から離れる方向に円弧状に回転する。
一方、ガイドリング64は静止状態を保つ。よって、クラッチ接間隔D2が大きくなる。
(b)において、クラッチパウル61の係止爪61aがカム66のガイド面66a下端部に到達する。クラッチパウル61はリターンスプリング63のばね力でパウルピン62を軸にして時計回り方向に回転する。
クラッチパウル61の係止爪61aがガイド面66aに沿って上昇し、クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れる。
この状態において、パウルピン62およびカムピン67の間隔はクラッチ断間隔D1になる。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れることで、巻取ばね72(図2参照)でラチェットリング68を回転させてウエビング16(図1参照)を巻き取ることができる。
つぎに、第1実施の形態のシートベルト装置10において、バックル24からタングプレート23を外してウエビング16を引き込む例を図1および図8〜図11に基づいて説明する。
まず、バックル24からタングプレート23を外してウエビング16を引き込む例を図1および図8に基づいて説明する。
図8は第1実施の形態に係るシートベルト装置のバックルからタングプレートを外してウエビングを引き込む例を説明するフローチャートであり、図中ST××はステップ番号を示す。
ST10;シート19に着座した乗員がバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックル24からタングプレート23を外す。
ST11;バックル24からタングプレート23を外すことにより、タング解除検知部27がタングプレート23およびバックル24の係合解除を検知する。
ST12;タング解除検知部27から係合解除情報が伝えられたか否かを制御部29で判断する。係合解除情報が伝えられない場合ST12に戻り、係合解除情報が伝えられた場合ST13に進む。
ST13;電動モータ28を所定回転方向に回転させる信号を制御部29から電動モータ28に伝える。
ST14;電動モータ28が所定回転方向に回転して、図3に示すクラッチパウル61の係止爪61aでラチェットリング68のラチェット68aを押圧する。
係止爪61aでラチェット68aを押圧することで、ラチェットリング68の回転速度を減速させる。
ラチェットリング68の回転速度を減速させることで、ウエビング16の巻取速度を良好に保ち、ウエビング16を良好に巻取り開始する。
ST15;タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過したか否かを制御部29で判断する。所定時間経過していない場合ST15に戻り、所定時間経過した場合ST16に進む。
ST16;制御部29から電動モータ28に停止信号を伝える。
ST17;停止信号に基づいて電動モータ28が停止する。
ST18;図3に示すラチェット68aで係止爪61aを蹴り上げ、蹴り上げられた係止爪61aでカム66を押圧移動させる。カム66を押圧移動させて、係止爪61aをラチェット68aから離れた状態(すなわち、クラッチ部36を断の状態)に保つ。
この状態において、巻取ばね72のばね力でラチェットリング68が継続して回転し、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
以下、図8のST10〜ST16の内容を図9〜図11に基づいて詳しく説明する。
図9(a),(b)は第1実施の形態に係るモータ駆動部をウエビングの巻き取りに合わせて駆動する例を説明する図であり、図8のST10〜ST13に相当する。
(a)において、図1に示すバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックルからタングプレート23を外す。図2に示す巻取ばね72でラチェットリング68を矢印Eの如く回転する。
この際に、図3に示す電動モータ28を所定回転方向に回転することで、電動モータ28でファイナルギヤ54を矢印Bの如く回転する。
ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Bの如く回転することで、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印Bの如くカム66に向けて円弧状に移動する。
一方、ガイドリング64は静止状態を保つ。よって、クラッチ断間隔D1が小さくなる。
(b)において、クラッチパウル61の係止爪61aがカム66のガイド面66aに当接した後、ガイド面66aに案内されてラチェットリング68側に向けて移動する。
すなわち、クラッチパウル61はパウルピン62を軸にして反時計回り方向に回転する。
図10(a),(b)は第1実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングの巻取速さを調整する例を説明する図であり、図8のST14〜ST17に相当する。
(a)において、ラチェットリング68が矢印Eの如く回転しているので、クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68の外周に備えたラチェット68aの先端部68bに当たる。
係止爪61aはガイド面66aに当接しているので、係止爪61aがラチェット68aの先端部68bを押圧する。よって、ラチェットリング68の回転速度が減速し、ウエビング16の巻取速さが遅くなるように調整される。
これにより、図1に示すタングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
すなわち、クラッチ部36は、電動モータ28(図3参照)の所定回転方向への回転に対応して作動し、ラチェットリング68の先端部68bを押圧することにより、図2に示す巻取ばね72によるウエビング16の巻取速さを調整することができる。
ここで、係止爪61aがラチェット68aの先端部68bを押圧した状態において、係止爪61aはガイド面66aに当接している。加えて、クラッチパウル61は矢印Bの如く円弧状に移動している。
クラッチパウル61の係止爪61aからカム66のガイド面66aに矢印Fの如く押圧力が伝わる。
よって、カム66はクラッチパウル61とともに矢印(矢印Bと同じ方向)の如く円弧状に移動する。
(b)において、図1に示すタング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータ28(図3参照)を停止する。
よって、ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が静止して、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が静止する。
一方、ラチェットリング68は矢印E方向の回転を継続している。
図11(a),(b)は第1実施の形態に係るモータ駆動部をウエビングの巻き取り途中で停止する例を説明する図であり、図8のST18に相当する。
(a)において、ラチェットリング68が矢印Eの如く回転しているので、クラッチパウル61の係止爪61aがラチェット68aの先端部68bに当たり、係止爪61aでラチェット68aの先端部68bを押圧する。
この状態において、係止爪61aがガイド面66aに当接している。よって、係止爪61aからカム66のガイド面66aに矢印Fの如く押圧力が伝わる。
これにより、カム66はクラッチパウル61とともに矢印の如く円弧状に微少量だけ(ごく僅かだけ)移動する。
(b)において、パウルピン62およびカムピン67の間隔が、クラッチ断間隔D1になり、リターンスプリング63のクラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから離れた状態(クラッチ断の状態)に保たれる。
係止爪61aがラチェット68aから離れることで、クラッチ部36による巻取速さの調整が解除される。
図2に示す巻取ばね72のばね力でラチェットリング68が矢印Eの如く回転を継続して、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
ここで、巻取ばね72は、通常、ウエビング16(図1参照)の巻取り開始の際にばね力が強く、時間の経過とともにばね力が弱くなる。
よって、図1に示すタング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビング16の巻取りが速すぎることはなく、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
このように、タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、図3に示す電動モータ28を停止する。
これにより、ウエビング16の巻取りが完了するまで、電動モータ28を駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができる。
なお、前記第1実施の形態では、タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータ28を停止させる例について説明したが、これに限らないで、電動モータ28を所定回転方向に対して反対方向に回転させた後、停止させることも可能である。
すなわち、タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータ28を所定回転方向に対して反対方向に回転させることでクラッチ接の状態を積極的に解除し(図7参照)、その後電動モータ28を停止することで第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記第1実施の形態で例示したラチェットリング68は、係止爪61aで押圧した状態において、ラチェット68aの先端部68bの摩擦抵抗を係止爪61aに対して高めるように形成することが好ましい。
先端部68bの摩擦抵抗を高める手段として、例えば、先端部68bの表面に凹凸を形成することが考えられる。
さらに、ラチェット68aおよび係止爪61aは比較的弾性率の低い素材により形成することが好ましい。ラチェット68aおよび係止爪61aを弾性率の低い素材で形成することで、接触時(押圧時)の変形を好適に確保して摩擦抵抗(摩擦力)を高める効果が得られる。
また、ラチェット68aおよび係止爪61aの接触部のみを弾性率の低い異材で形成してもよい。
ラチェット68aの先端部68bの摩擦抵抗を係止爪61aに対して高めることで、係止爪61aでラチェット68aの先端部68bを押圧した際に、高められた摩擦抵抗でウエビング16の巻取速さを一層良好に調整することができる。
これにより、タングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を一層良好に巻き取ることができる。
つぎに、第2実施の形態のシートベルト装置について説明する。
なお、第2実施の形態のシートベルト装置において第1実施の形態のシートベルト装置10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図12は本発明に係る車両のシートベルト装置(第2実施の形態)に備えた巻取装置を示す分解斜視図である。
車両のシートベルト装置80は、第1実施の形態の巻取装置14を巻取装置81に代えたもので、その他の構成は第1実施の形態の車両のシートベルト装置10と同じである。
巻取装置81は、ピラー12(図1参照)に取り付けるフレーム83を備え、フレーム83内にウエビングリール84が回転自在に設けられ、フレーム83の外部にプリテンショナ85およびモータ駆動部86が設けられ、モータ駆動部86の外側にばね駆動部87が設けられている。
ウエビングリール84にウエビング16の一端部16aが取り付けられ、フレーム83の引出開口83aからフレーム83の外部に引き出される。
プリテンショナ85は、車両が衝突した場合に、火薬の力により急速にウエビング16を巻き取り、ウエビング16で乗員をシート19(図1参照)に拘束するウエビング引込み装置である。
モータ駆動部86は、内外側のケース91,92を有し、内側ケース(フレーム83側のケース)91に電動モータ94が取り付けられ、内外側のケース91,92内に電動モータ94に連結する減速/クラッチ機構95が収容されている。
電動モータ94を駆動して減速/クラッチ機構95を作動させることにより、車両の走行状況に応じてウエビングリール84の回転を制御する。ウエビングリール84の回転を制御することで、ウエビング16のテンションを調節して、乗員を良好に拘束保護する。
減速/クラッチ機構95は、電動モータ94の駆動軸94aに減速ギヤ群96が連結され、減速ギヤ群96にクラッチ部(巻取調整機構)97が連結されている。
減速ギヤ群96は、駆動軸94aに駆動ギヤ101が設けられ、駆動ギヤ101に第1中間ギヤ102が噛み合い、第1中間ギヤ102に第2中間ギヤ103が噛み合い、第2中間ギヤ103に第3中間ギヤ104が噛み合い、第3中間ギヤ104と一体に第4中間ギヤ105が形成されている。
第4中間ギヤ105はファイナルギヤ106に噛み合うように配置されている。
クラッチ部97は、外側ケース92にファイナルギヤ106が回転自在に取り付けられ、ファイナルギヤ106と同軸上にリダクションプレート107が配置され、リダクションプレート107がピン108…を介してキャリアギヤ111…に取り付けられることで、それぞれのピン108…にプラネタリギヤ112…が回転自在に支持され、プラネタリギヤ112…がインターナルギヤ(回転体)113の内歯113aに噛み合うとともにファイナルギヤ106のサンギヤ114に噛み合い、キャリアギヤ111がウエビングリール84の連結軸84aに連結されている。
さらに、クラッチ部97は、クラッチパウル116がパウルピン109を介して内側ケース91に回転自在に取り付けられ、パウルピン109に復帰スプリング117が設けられ、第3中間ギヤ104の支持軸118(図13参照)にレバースプリング121が取り付けられ、レバースプリング121の先端部121aがクラッチパウル116の嵌合孔116aに嵌合されたものである。
クラッチパウル116は、インターナルギヤ113のラチェット113bに係止可能な係止爪116bを備える。ラチェット113bは、インターナルギヤ113の外周に形成されている。
軸受122,123は、キャリアギヤ111を支持するものである。
加えて、クラッチ部97は、フレーム83のうち、内側ケース91に臨む壁部83bに突起125を介してストッパ部材(ばね部材)126が取り付けられ、先端部126aが湾曲状の開口部127に差し込まれ、リリーススプリング128の基端部128aが一対の支え部129に取り付けられている。
このストッパ部材126は、通常、先端部126aが開口部127の左端部127aの位置に係止され、先端部121aにリリーススプリング128の先端部128bが載置されている。
そして、プリテンショナ85が作動した際に、先端部126aの係止が解除され、開口部127に沿って図示の位置(右端部)127bまで移動する。
先端部121aがリリーススプリング128の先端部128bから離れ、先端部128bが下方に移動する(図示の位置)。
ばね駆動部87は、モータ駆動部86の外側ケース92にカバー131が設けられ、カバー131内に巻取ばね132が収納されている。
巻取ばね132は、ウエビングリール84を反時計回り方向に回転するようにウエビングリール84の連結軸84aに連結されている。
この巻取ばね132は、図1に示すタングプレート23をバックル24に係合した状態において、ウエビング16をウエビングリール84に巻き取ることで、シート19(図1参照)に着座した乗員をウエビング16で常時拘束するものである。
さらに、巻取ばね132は、タングプレート23をバックル24から外した状態において、ウエビング16を引き込むものである。
図13は第2実施の形態に係るモータ駆動部を説明する図である。
モータ駆動部86は、電動モータ94の駆動軸94aを矢印Gの如く回転することにより、駆動ギヤ101および第1〜第4の中間ギヤ102,103,104,105が矢印の如く回転して、ファイナルギヤ106が矢印Hの如く回転するとともに、サンギヤ114が矢印Iの如く回転する。
ここで、電動モータ94の矢印G方向の回転を、「所定回転方向」とする。
第3中間ギヤ104の支持軸118が矢印の如く回転することで、レバースプリング121が矢印の如くスイング移動する。
レバースプリング121の先端部121aが、復帰スプリング117のばね力に抗してクラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bに向けて付勢する。
一方、モータ駆動部86は、電動モータ94の駆動軸94aを矢印Jの如く回転することにより、駆動ギヤ101および第1〜第4の中間ギヤ102,103,104,105が矢印に対して反対方向に回転して、ファイナルギヤ106が矢印Kの如く回転するとともに、サンギヤ114が矢印Lの如く回転する。
第3中間ギヤ104の支持軸118が矢印に対して反対方向に回転することで、レバースプリング121が矢印と反対方向(すなわち、ラチェット113bから離れる方向)にスイング移動する。
よって、復帰スプリング117のばね力でクラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bから離れる方向に移動する。
つぎに、シートベルト装置80に備えたモータ駆動部86(特に、クラッチ部97)の動作を図14〜図15に基づいて説明する。
図14は第2実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングを巻き取る例を説明する図である。
電動モータ94(図13参照)を所定回転方向に回転することで、第3中間ギヤ104が矢印Mの如く回転する。
第3中間ギヤ104と一体に支持軸118が矢印Mの如く回転することで、レバースプリング121が矢印Nの如くスイング移動する。
レバースプリング121の先端部121aが、復帰スプリング117のばね力に抗してクラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bに向けて付勢する。
クラッチパウル116がパウルピン109を軸にして矢印Oの如くスイング移動して、係止爪116bがラチェット113bに係止する。
よって、インターナルギヤ113が時計回り方向に回転することを阻止する。
一方、第3中間ギヤ104と一体に第4中間ギヤ105が矢印Mの如く回転することで、ファイナルギヤ106が矢印Hの如く回転する。よって、ファイナルギヤ106と一体にサンギヤ114が矢印Iの如く回転して、プラネタリギヤ112…が矢印の如く自転する。
インターナルギヤ113は時計回り方向への回転が抑えられているので、プラネタリギヤ112…が矢印の如く自転しながら矢印Pの如く公転する。
プラネタリギヤ112…が矢印Pの如く公転することでキャリアギヤ111(図12参照)が反時計回り方向に回転する。
キャリアギヤ111と一体にウエビングリール84(図12参照)が反時計回り方向に回転してウエビングリール84にウエビング16が巻き取られる。
図15は第2実施の形態に係るモータ駆動部を通常の使用状態に復帰する例を説明する図である。
電動モータ94(図13参照)を所定回転方向に対して反対方向に回転することで、第3中間ギヤ104が矢印Qの如く回転する。
第3中間ギヤ104と一体に支持軸118が矢印Qの如く回転することで、レバースプリング121が矢印Rの如くスイング移動する。
レバースプリング121の先端部121aがクラッチパウル116にかける押付力と、復帰スプリング117のばね力とで、クラッチパウル116をラチェット113bから離れる方向に移動する。
クラッチパウル116がパウルピン109を軸にして矢印Sの如くスイング移動して、係止爪116bがラチェット113bから離れる。
よって、インターナルギヤ113が回転可能な状態になる。係止爪116bがラチェット113bから離れた後、電動モータ94を停止する。
この状態で、図12に示す巻取ばね132のばね力でウエビングリール84の連結軸84aを反時計回り方向に回転する。よって、ウエビングリール84が反時計回り方向に回転してウエビングリール84にウエビング16が巻き取られる。
この際に、連結軸84aが反時計回り方向に回転することで、キャリアギヤ111(図12参照)が反時計回り方向に回転し、プラネタリギヤ112…が矢印Pの如く公転する。
サンギヤ114は、減速/クラッチ機構95の各部材を介して電動モータ94に連結されているので静止状態を保たれる。よって、プラネタリギヤ112が矢印の如く回転して、インターナルギヤ113が矢印Tの如く回転する。
これにより、電動モータ94の抵抗を受けずに、巻取ばね132のばね力でウエビング16を巻き取ることができる。
図12に戻って、プリテンショナ85が作動した場合には、リリーススプリング128の先端部128bが図示の位置まで下方に移動する。
このとき、先端部128bがクラッチパウル116のピン135を下方に押し下げる。よって、クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bから離れる。
よって、インターナルギヤ113が回転可能な状態になり、電動モータ94の抵抗を受けずに、プリテンショナ85でウエビング16を巻き取ることができる。
つぎに、第2実施の形態のシートベルト装置80において、バックル24からタングプレート23を外してウエビング16を引き込む例を図1および図16〜図18に基づいて説明する。
まず、バックル24からタングプレート23を外してウエビング16を引き込む例を図1および図16に基づいて説明する。
図16は第2実施の形態に係るシートベルト装置のバックルからタングプレートを外してウエビングを引き込む例を説明するフローチャートである。
ST20;シート19に着座した乗員がバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックル24からタングプレート23を外す。
ST21;バックル24からタングプレート23を外すことにより、タング解除検知部27がタングプレート23およびバックル24の係合解除を検知する。
ST22;タング解除検知部27から係合解除情報が伝えられたか否かを制御部29で判断する。係合解除情報が伝えられない場合ST22に戻り、係合解除情報が伝えられた場合ST23に進む。
ST23;電動モータ94を所定回転方向に回転させる信号を制御部29から電動モータ94に伝える。
ST24;電動モータ94が所定回転方向に回転して、図13に示すクラッチパウル116の係止爪116bでインターナルギヤ113のラチェット113bを押圧する。
係止爪116bでラチェット113bを押圧することで、インターナルギヤ113の回転速度を減速させる。
インターナルギヤ113の回転速度を減速させることで、ウエビング16の巻取速度を良好に保ち、ウエビング16を良好に巻取り開始する。
ST25;タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過したか否かを制御部29で判断する。所定時間経過していない場合ST25に戻り、所定時間経過した場合ST26に進む。
ST26;電動モータ94を所定回転方向に対して反対方向に回転させる信号を制御部29から電動モータ94(図13参照)に伝える。
ST27;反対方向に回転させる信号に基づいて、電動モータ94が所定回転方向に対して反対方向に回転する
ST28;電動モータ94が反対方向に回転することで、クラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bから離れた状態(すなわち、クラッチ部97を断の状態)に保つ。
ST29;電動モータ94を所定回転方向に対して反対方向に回転させる信号を電動モータ94に伝えた時点から所定時間経過したか否かを制御部29で判断する。所定時間経過していない場合ST29に戻り、所定時間経過した場合ST30に進む。
ここで、所定時間とは、クラッチ部36が断に保たれるまでの時間をいう。
ST30;制御部29から電動モータ94に停止信号を伝える。
ST31;停止信号に基づいて電動モータ94が停止する。
この状態において、巻取ばね132のばね力でウエビングリール84を反時計回り方向に継続して回転させて、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
以下、図16のST20〜ST27の内容を図17〜図18に基づいて詳しく説明する。
図17(a),(b)は第2実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングの巻取速さを調整する例を説明する図であり、図16のST20〜ST24に相当する。
(a)において、図1に示すバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックルからタングプレート23を外す。
この際に、図13に示す電動モータ94を所定回転方向に回転することで、第3中間ギヤ104と一体に支持軸118が矢印Mの如く回転する。レバースプリング121が矢印Nの如くスイング移動して、レバースプリング121の先端部121aがクラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bに向けて押し付ける。
クラッチパウル116がパウルピン109を軸にして矢印Oの如くスイング移動する。
(b)において、クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bに係止する。
加えて、電動モータ94(図13参照)で第4中間ギヤ105を矢印Mの如く回転することで、ファイナルギヤ106が矢印Hの如く回転するとともに、サンギヤ114が矢印Iの如く回転する。
この際に、図12に示す巻取ばね132でウエビングリール84を反時計回り方向に回転してウエビングリール84にウエビング16を巻き取る。
巻取ばね132のばね力で、キャリアギヤ111(図12参照)が反時計回り方向に回転し、プラネタリギヤ112…矢印Pの如く公転する。
電動モータ94でサンギヤ114が矢印Iの如く回転する。ここで、サンギヤ114の回転速度は、ウエビングリール84の巻取速度より小さいので、プラネタリギヤ112が矢印の如く自転する。
これにより、インターナルギヤ113が矢印Tの如く回転する。
クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bを押圧する。よって、インターナルギヤ113の回転速度が減速し、ウエビング16の巻取速さが遅くなるように調整される。
これにより、タングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
すなわち、クラッチ部97は、電動モータ94(図13参照)の所定回転方向への回転に対応して作動する。作動したクラッチ部97は、ウエビングリール84と一体に回転するインターナルギヤ113のラチェット113bを押圧する。
これにより、巻取ばね132によるウエビング16の巻取速さを調整することができる。
図18(a),(b)は第2実施の形態に係るモータ駆動部をウエビングの巻き取り途中で停止する例を説明する図であり、図16のST25〜ST31に相当する。
(a)において、図1に示すタング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータ94(図13参照)を所定回転方向に対して反対方向に回転する。
第3中間ギヤ104と一体に支持軸118が矢印Qの如く回転して、レバースプリング121が矢印Rの如くスイング移動する。
レバースプリング121の先端部121aがクラッチパウル116にかける押付力と、復帰スプリング117のばね力とでクラッチパウル116をラチェット113bから離れる方向に矢印Sの如く移動する。
(b)において、クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bから離れ、クラッチ断の状態に保たれる。
クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bから離れることで、クラッチ部97による巻取速さの調整が解除される。
クラッチパウル116がラチェット113bから離れた際に、電動モータ94を停止する。
巻取ばね132のばね力でウエビングリール84が反時計回り方向の回転を継続して、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
ここで、巻取ばね132は、通常、ウエビング16の巻取り開始の際にばね力が強く、時間の経過とともにばね力が弱くなる。
よって、タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビング16の巻取りが速すぎることはなく、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
このように、タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータ94を停止することで、ウエビング16の巻取りが完了するまで、電動モータ94を駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができる。
以上説明したように、第2実施の形態の車両のシートベルト装置80によれば、第1実施の形態の車両のシートベルト装置10と同様の効果が得られる。
なお、前記第2実施の形態で例示したラチェット113bは、クラッチパウル116で押圧した状態において、ラチェット113bの摩擦抵抗をクラッチパウル116に対して高めるように形成することが好ましい。
ラチェット113bの摩擦抵抗を高める手段として、例えば、ラチェット113bの表面に凹凸を形成することが考えられる。
さらに、ラチェット113bおよびクラッチパウル116は比較的弾性率の低い素材により形成することが好ましい。ラチェット113bおよびクラッチパウル116を弾性率の低い素材で形成することで、接触時(押圧時)の変形を好適に確保して摩擦抵抗(摩擦力)を高める効果が得られる。
また、ラチェット113bおよびクラッチパウル116の接触部のみを弾性率の低い異材で形成してもよい。
ラチェット113bの摩擦抵抗をクラッチパウル116に対して高めることで、クラッチパウル116でラチェット113bを押圧した際に、高められた摩擦抵抗でウエビング16の巻取速さを一層良好に調整することができる。
これにより、タングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を一層良好に巻き取ることができる。
本発明は、巻取ばねや電動モータでウエビングをウエビングリールに巻取り可能なシートベルト装置を備えた自動車への適用に好適である。
本発明に係る車両のシートベルト装置(第1実施の形態)を示す斜視図である。 第1実施の形態に係る巻取装置を示す分解斜視図である。 第1実施の形態に係るモータ駆動部を説明する図である。 第1実施の形態に係るモータ駆動部を駆動した例を説明する図である。 第1実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングを巻き取る例を説明する図である。 第1実施の形態に係るプリテンショナでウエビングを巻き取る例を説明する図である。 第1実施の形態に係るモータ駆動部を通常の使用状態に復帰する例を説明する図である。 第1実施の形態に係るシートベルト装置のバックルからタングプレートを外してウエビングを引き込む例を説明するフローチャートである。 第1実施の形態に係るモータ駆動部をウエビングの巻き取りに合わせて駆動する例を説明する図である。 第1実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングの巻取速さを調整する例を説明する図である。 第1実施の形態に係るモータ駆動部をウエビングの巻き取り途中で停止する例を説明する図である。 本発明に係る車両のシートベルト装置(第2実施の形態)に備えた巻取装置を示す分解斜視図である。 第2実施の形態に係るモータ駆動部を説明する図である。 第2実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングを巻き取る例を説明する図である。 第2実施の形態に係るモータ駆動部を通常の使用状態に復帰する例を説明する図である。 第2実施の形態に係るシートベルト装置のバックルからタングプレートを外してウエビングを引き込む例を説明するフローチャートである。 第2実施の形態に係るモータ駆動部でウエビングの巻取速さを調整する例を説明する図である。 第2実施の形態に係るモータ駆動部をウエビングの巻き取り途中で停止する例を説明する図である。
符号の説明
10,80…車両のシートベルト装置、14,81…巻取装置、15…ウエビングリール、16…ウエビング、23…タングプレート、24…バックル、27…タング解除検知部、28,94…電動モータ、29…制御部、36,97…クラッチ部(巻取調整機構)、68…ラチェットリング(回転体)、72,132…巻取ばね、113…インターナルギヤ(回転体)。

Claims (4)

  1. ウエビングに挿通されたタングプレートをバックルに係合して前記ウエビングで乗員を拘束するために、このウエビングをウエビングリールに巻き取る巻取ばねおよび電動モータを備えた車両のシートベルト装置において、
    前記タングプレートおよび前記バックルの係合解除を検知するタング解除検知部と、
    このタング解除検知部から伝えられた係合解除情報に基づいて前記電動モータを所定回転方向に回転させる制御部と、
    この電動モータの所定回転方向への回転に対応して作動し、前記ウエビングリールと一体に回転する回転体を押圧することにより、前記巻取ばねによる前記ウエビングの巻取速さを調整する巻取調整機構と、
    を備えたことを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記巻取調整機構は、前記回転体の回転中に前記電動モータを停止させた際に、前記回転体の跳上力で回転体への押圧が解除されるように構成され、
    前記制御部は、
    前記タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、前記電動モータを停止することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記巻取調整機構は、
    前記回転体の回転中に前記電動モータを前記所定回転方向に対して反対方向に回転させることで、前記回転体への押圧が解除されるように構成され、
    前記制御部は、
    前記タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、前記電動モータを前記所定回転方向に対して反対方向に回転させて前記巻取調整機構による前記回転体への押圧を解除し、解除後に電動モータを停止することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記巻取調整機構で前記回転体を押圧した状態において、この回転体と前記巻取調整機構との摩擦抵抗を高める摩擦増大部を前記回転体の表面に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両のシートベルト装置。
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