JP4658859B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents
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Description
プリテンショナは、衝突時や急制動時に、火薬の燃焼圧力でウエビングを引き込むことで乗員を保護するものである。
電動モータは、シートベルト巻取装置のスプールの回転を制御して、ウエビングのテンションを調節することにより、乗員の拘束保護をより一層効率よくおこなうものである。
このため、ウエビングに備えたタングプレートをバックルから外した際に、巻取ばねで巻き取る際に、巻取ばねの巻取力によりウエビングが急速に巻き取られることが考えられる。
すなわち、巻取ばねは、通常、ウエビングの巻取り開始の際にばね力が強く、時間の経過とともにばね力が弱くなる。
一方、自動車のエンジンを停止した状態で、タングプレートをバックルから外すことが考えられる。よって、電力の消費を抑える観点から電動モータの駆動時間を短くすることが好ましい。
これにより、タングプレートをバックルから外した際に、ウエビングを良好に巻き取ることができる。
これにより、ウエビングの巻取りが完了するまで、電動モータを駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができるという利点がある。
よって、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビングの巻取りが速すぎることはなく、ウエビングを良好に巻き取ることができるという利点がある。
これにより、ウエビングの巻取りが完了するまで、電動モータを駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができるという利点がある。
よって、タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビングの巻取りが速すぎることはなく、ウエビングを良好に巻き取ることができるという利点がある。
よって、巻取調整機構で回転体を押圧した際に、高められた摩擦抵抗でウエビングの巻取速さを一層良好に調整することができる。
これにより、タングプレートをバックルから外した際に、ウエビングを一層良好に巻き取ることができるという利点がある。
車両のシートベルト装置10は、車体11に備えたピラー12の下部12aに巻取装置14が設けられ、巻取装置14のウエビングリール15にウエビング16の一端部16aが巻き付けられ、巻取装置14から引き出されたウエビング16の他端部16bが取付具17を介してシート19の右側床面21に設けられ、ウエビング16にタングプレート23が挿通され、タングプレート23に係合するバックル24が取付具25を介してシート19の左側床面22に設けられている。
なお、「所定回転方向」については図3で詳しく説明する。
バックル24は、通常のバックルと同様に、タングプレート23を係合する係合部(図示せず)が内蔵され、この係合部とタングプレート23とのロックを解除するロック解除ボタン24aを備える。
バックル24のロック解除ボタン24aを押圧することにより、前記係合部とタングプレート23とのロックを解除する。この際に、タング解除検知部27がタングプレート23およびバックル24の係合解除を検知する。
巻取装置14は、ピラー12(図1参照)に取り付けるフレーム41を備え、フレーム41内にウエビングリール15が回転自在に設けられ、フレーム41の外部にプリテンショナ33およびモータ駆動部32が設けられ、モータ駆動部32の外部にばね駆動部31が設けられている。
ウエビングリール15にウエビング16の一端部16aが取り付けられ、フレーム41の引出開口41aからフレーム41の外部に引き出される。
電動モータ28を駆動して減速/クラッチ機構35を作動させることにより、車両の走行状況に応じてウエビングリール15の回転を制御する。ウエビングリール15の回転を制御することで、ウエビング16のテンションを調節して、乗員を良好に拘束保護する。
減速ギヤ群46は、駆動軸28aに駆動ギヤ47が設けられ、駆動ギヤ47に第1中間ギヤ48が噛み合い、第1中間ギヤ48に第2中間ギヤ49が噛み合い、第2中間ギヤ49と一体に形成された第3中間ギヤ51が第4中間ギヤ52に噛み合うように配置されたものである。
第4中間ギヤ52は、クラッチ部36のファイナルギヤ(リングギヤ)54に噛み合う。
具体的には、クラッチ部36は、外側ケース44に軸受56を介してリングプレート57を回転自在に取り付け、リングプレート57にファイナルギヤ54を一体に取り付け、リングプレート57にパウルピン62を介してクラッチパウル61をスイング自在に取り付けるとともにリターンスプリング63を取り付け、ガイドリング64をフリクションスプリング65を介して内側ケース43に取り付け、ガイドリング64にカムピン67を介してカム66をスイング自在に取り付け、ラチェットリング(回転体)68を軸受69を介して内側ケース43に取り付け、ラチェットリング68をウエビングリール15の連結軸15aに連結したものである。
巻取ばね72は、図1に示すタングプレート23をバックル24に係合した状態において、ウエビング16をウエビングリール15に巻き取ることで、シート19(図1参照)に着座した乗員をウエビング16で常時拘束するものである。
さらに、巻取ばね72は、タングプレート23をバックル24から外した状態において、ウエビング16を引き込むものである。
モータ駆動部32は、電動モータ28の駆動軸28aを矢印Aの如く回転することにより、駆動ギヤ47および第1〜第4の中間ギヤ48,49,51,52が矢印の如く回転して、ファイナルギヤ54が矢印Bの如く回転する。
ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Bの如く回転して、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印B方向に円弧状に移動する。
ここで、電動モータ28の矢印A方向の回転を、前述した「所定回転方向」とする。
ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Dの如く回転して、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印D方向に円弧状に移動する。
ガイドリング64は、フリクションスプリング65を介して内側ケース43(図2参照)に取り付けられている。
よって、フリクションスプリング65の摩擦力より小さい荷重がガイドリング64に作用した場合には、フリクションスプリング65の摩擦力でガイドリング64が静止状態を保つ。
一方、フリクションスプリング65の摩擦力より大きい荷重がガイドリング64に作用した場合には、フリクションスプリング65の摩擦力に抗してガイドリング64が回転する。
すなわち、カム66にはシャーピン74が設けられ、シャーピン74が取付孔64aに嵌合されている。取付孔64aは、ガイドリング64に形成されている。
これにより、カム66は、カムピン67およびシャーピン74の2本のピンでガイドリング64に図示の状態に支持される。
クラッチパウル61の係止爪61aは、リターンスプリング63のばね力でクラッチパウル61のガイド面66aに接触した状態に保たれる。
なお、クラッチ断の状態において、パウルピン62およびカムピン67の間隔がD1となる。以下、間隔D1を「クラッチ断間隔」という。
これにより、クラッチ部36が接続された状態(クラッチ接)になる。
つぎに、シートベルト装置10に備えたモータ駆動部32(特に、クラッチ部36)の動作を図4〜図7に基づいて説明する。
(a)において、電動モータ28(図3参照)でファイナルギヤ54を矢印Bの如く回転する。ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Bの如く回転することで、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印Bの如くカム66に向けて回転する。
一方、ガイドリング64は静止状態を保つ。よって、クラッチ断間隔D1が小さくなる。
すなわち、クラッチパウル61はパウルピン62を軸にして反時計回り方向に回転する。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aに係止する。
この状態において、パウルピン62およびカムピン67の間隔は、クラッチ接状態の間隔(以下、「クラッチ接間隔」という)D2になる。
係止爪61aでガイド面66aを押圧することで、フリクションスプリング65の摩擦力より大きい荷重がガイドリング64に作用し、フリクションスプリング65の摩擦力に抗してガイドリング64が矢印Bの如く回転する。
係止爪61aでラチェット68aを押圧しているので、ラチェットリング68が矢印の如く回転し、ウエビングリール15(図2参照)にウエビング16が矢印の如く巻き取られる。
車両が衝突した場合に、図2に示すプリテンショナ33の火薬の力によりウエビングリール15を回転する。ウエビングリール15が回転することで、ウエビングリール15と一体にラチェットリング68が矢印の如く回転する。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れて、クラッチ断の状態になる。
これにより、プリテンショナ33の火薬の力でラチェットリング68が急速に矢印の如く回転して、ウエビング16を急速に巻き取る(引き込む)ことができる。
(a)において、電動モータ28(図3参照)でファイナルギヤ54を矢印Dの如く回転する。ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が矢印Dの如く回転することで、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が矢印Dの如くカム66から離れる方向に円弧状に回転する。
一方、ガイドリング64は静止状態を保つ。よって、クラッチ接間隔D2が大きくなる。
クラッチパウル61の係止爪61aがガイド面66aに沿って上昇し、クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れる。
クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68のラチェット68aから外れることで、巻取ばね72(図2参照)でラチェットリング68を回転させてウエビング16(図1参照)を巻き取ることができる。
まず、バックル24からタングプレート23を外してウエビング16を引き込む例を図1および図8に基づいて説明する。
ST10;シート19に着座した乗員がバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックル24からタングプレート23を外す。
ST11;バックル24からタングプレート23を外すことにより、タング解除検知部27がタングプレート23およびバックル24の係合解除を検知する。
ST13;電動モータ28を所定回転方向に回転させる信号を制御部29から電動モータ28に伝える。
係止爪61aでラチェット68aを押圧することで、ラチェットリング68の回転速度を減速させる。
ラチェットリング68の回転速度を減速させることで、ウエビング16の巻取速度を良好に保ち、ウエビング16を良好に巻取り開始する。
ST16;制御部29から電動モータ28に停止信号を伝える。
ST17;停止信号に基づいて電動モータ28が停止する。
この状態において、巻取ばね72のばね力でラチェットリング68が継続して回転し、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
以下、図8のST10〜ST16の内容を図9〜図11に基づいて詳しく説明する。
(a)において、図1に示すバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックルからタングプレート23を外す。図2に示す巻取ばね72でラチェットリング68を矢印Eの如く回転する。
この際に、図3に示す電動モータ28を所定回転方向に回転することで、電動モータ28でファイナルギヤ54を矢印Bの如く回転する。
一方、ガイドリング64は静止状態を保つ。よって、クラッチ断間隔D1が小さくなる。
すなわち、クラッチパウル61はパウルピン62を軸にして反時計回り方向に回転する。
(a)において、ラチェットリング68が矢印Eの如く回転しているので、クラッチパウル61の係止爪61aがラチェットリング68の外周に備えたラチェット68aの先端部68bに当たる。
これにより、図1に示すタングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
クラッチパウル61の係止爪61aからカム66のガイド面66aに矢印Fの如く押圧力が伝わる。
よって、カム66はクラッチパウル61とともに矢印(矢印Bと同じ方向)の如く円弧状に移動する。
よって、ファイナルギヤ54と一体にリングプレート57が静止して、クラッチパウル61およびリターンスプリング63が静止する。
一方、ラチェットリング68は矢印E方向の回転を継続している。
(a)において、ラチェットリング68が矢印Eの如く回転しているので、クラッチパウル61の係止爪61aがラチェット68aの先端部68bに当たり、係止爪61aでラチェット68aの先端部68bを押圧する。
この状態において、係止爪61aがガイド面66aに当接している。よって、係止爪61aからカム66のガイド面66aに矢印Fの如く押圧力が伝わる。
これにより、カム66はクラッチパウル61とともに矢印の如く円弧状に微少量だけ(ごく僅かだけ)移動する。
係止爪61aがラチェット68aから離れることで、クラッチ部36による巻取速さの調整が解除される。
図2に示す巻取ばね72のばね力でラチェットリング68が矢印Eの如く回転を継続して、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
よって、図1に示すタング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビング16の巻取りが速すぎることはなく、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
これにより、ウエビング16の巻取りが完了するまで、電動モータ28を駆動する必要がなく、電力の消費を抑えることができる。
先端部68bの摩擦抵抗を高める手段として、例えば、先端部68bの表面に凹凸を形成することが考えられる。
また、ラチェット68aおよび係止爪61aの接触部のみを弾性率の低い異材で形成してもよい。
これにより、タングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を一層良好に巻き取ることができる。
なお、第2実施の形態のシートベルト装置において第1実施の形態のシートベルト装置10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図12は本発明に係る車両のシートベルト装置(第2実施の形態)に備えた巻取装置を示す分解斜視図である。
車両のシートベルト装置80は、第1実施の形態の巻取装置14を巻取装置81に代えたもので、その他の構成は第1実施の形態の車両のシートベルト装置10と同じである。
ウエビングリール84にウエビング16の一端部16aが取り付けられ、フレーム83の引出開口83aからフレーム83の外部に引き出される。
電動モータ94を駆動して減速/クラッチ機構95を作動させることにより、車両の走行状況に応じてウエビングリール84の回転を制御する。ウエビングリール84の回転を制御することで、ウエビング16のテンションを調節して、乗員を良好に拘束保護する。
減速ギヤ群96は、駆動軸94aに駆動ギヤ101が設けられ、駆動ギヤ101に第1中間ギヤ102が噛み合い、第1中間ギヤ102に第2中間ギヤ103が噛み合い、第2中間ギヤ103に第3中間ギヤ104が噛み合い、第3中間ギヤ104と一体に第4中間ギヤ105が形成されている。
第4中間ギヤ105はファイナルギヤ106に噛み合うように配置されている。
軸受122,123は、キャリアギヤ111を支持するものである。
そして、プリテンショナ85が作動した際に、先端部126aの係止が解除され、開口部127に沿って図示の位置(右端部)127bまで移動する。
先端部121aがリリーススプリング128の先端部128bから離れ、先端部128bが下方に移動する(図示の位置)。
巻取ばね132は、ウエビングリール84を反時計回り方向に回転するようにウエビングリール84の連結軸84aに連結されている。
この巻取ばね132は、図1に示すタングプレート23をバックル24に係合した状態において、ウエビング16をウエビングリール84に巻き取ることで、シート19(図1参照)に着座した乗員をウエビング16で常時拘束するものである。
さらに、巻取ばね132は、タングプレート23をバックル24から外した状態において、ウエビング16を引き込むものである。
モータ駆動部86は、電動モータ94の駆動軸94aを矢印Gの如く回転することにより、駆動ギヤ101および第1〜第4の中間ギヤ102,103,104,105が矢印の如く回転して、ファイナルギヤ106が矢印Hの如く回転するとともに、サンギヤ114が矢印Iの如く回転する。
ここで、電動モータ94の矢印G方向の回転を、「所定回転方向」とする。
レバースプリング121の先端部121aが、復帰スプリング117のばね力に抗してクラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bに向けて付勢する。
よって、復帰スプリング117のばね力でクラッチパウル116の係止爪116bをラチェット113bから離れる方向に移動する。
つぎに、シートベルト装置80に備えたモータ駆動部86(特に、クラッチ部97)の動作を図14〜図15に基づいて説明する。
電動モータ94(図13参照)を所定回転方向に回転することで、第3中間ギヤ104が矢印Mの如く回転する。
第3中間ギヤ104と一体に支持軸118が矢印Mの如く回転することで、レバースプリング121が矢印Nの如くスイング移動する。
クラッチパウル116がパウルピン109を軸にして矢印Oの如くスイング移動して、係止爪116bがラチェット113bに係止する。
よって、インターナルギヤ113が時計回り方向に回転することを阻止する。
インターナルギヤ113は時計回り方向への回転が抑えられているので、プラネタリギヤ112…が矢印の如く自転しながら矢印Pの如く公転する。
キャリアギヤ111と一体にウエビングリール84(図12参照)が反時計回り方向に回転してウエビングリール84にウエビング16が巻き取られる。
電動モータ94(図13参照)を所定回転方向に対して反対方向に回転することで、第3中間ギヤ104が矢印Qの如く回転する。
第3中間ギヤ104と一体に支持軸118が矢印Qの如く回転することで、レバースプリング121が矢印Rの如くスイング移動する。
クラッチパウル116がパウルピン109を軸にして矢印Sの如くスイング移動して、係止爪116bがラチェット113bから離れる。
よって、インターナルギヤ113が回転可能な状態になる。係止爪116bがラチェット113bから離れた後、電動モータ94を停止する。
この際に、連結軸84aが反時計回り方向に回転することで、キャリアギヤ111(図12参照)が反時計回り方向に回転し、プラネタリギヤ112…が矢印Pの如く公転する。
これにより、電動モータ94の抵抗を受けずに、巻取ばね132のばね力でウエビング16を巻き取ることができる。
このとき、先端部128bがクラッチパウル116のピン135を下方に押し下げる。よって、クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bから離れる。
よって、インターナルギヤ113が回転可能な状態になり、電動モータ94の抵抗を受けずに、プリテンショナ85でウエビング16を巻き取ることができる。
まず、バックル24からタングプレート23を外してウエビング16を引き込む例を図1および図16に基づいて説明する。
ST20;シート19に着座した乗員がバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックル24からタングプレート23を外す。
ST21;バックル24からタングプレート23を外すことにより、タング解除検知部27がタングプレート23およびバックル24の係合解除を検知する。
ST23;電動モータ94を所定回転方向に回転させる信号を制御部29から電動モータ94に伝える。
係止爪116bでラチェット113bを押圧することで、インターナルギヤ113の回転速度を減速させる。
インターナルギヤ113の回転速度を減速させることで、ウエビング16の巻取速度を良好に保ち、ウエビング16を良好に巻取り開始する。
ST26;電動モータ94を所定回転方向に対して反対方向に回転させる信号を制御部29から電動モータ94(図13参照)に伝える。
ST27;反対方向に回転させる信号に基づいて、電動モータ94が所定回転方向に対して反対方向に回転する
ここで、所定時間とは、クラッチ部36が断に保たれるまでの時間をいう。
ST31;停止信号に基づいて電動モータ94が停止する。
この状態において、巻取ばね132のばね力でウエビングリール84を反時計回り方向に継続して回転させて、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
以下、図16のST20〜ST27の内容を図17〜図18に基づいて詳しく説明する。
(a)において、図1に示すバックル24のロック解除ボタン24aを押圧してバックルからタングプレート23を外す。
クラッチパウル116がパウルピン109を軸にして矢印Oの如くスイング移動する。
加えて、電動モータ94(図13参照)で第4中間ギヤ105を矢印Mの如く回転することで、ファイナルギヤ106が矢印Hの如く回転するとともに、サンギヤ114が矢印Iの如く回転する。
この際に、図12に示す巻取ばね132でウエビングリール84を反時計回り方向に回転してウエビングリール84にウエビング16を巻き取る。
電動モータ94でサンギヤ114が矢印Iの如く回転する。ここで、サンギヤ114の回転速度は、ウエビングリール84の巻取速度より小さいので、プラネタリギヤ112が矢印の如く自転する。
これにより、インターナルギヤ113が矢印Tの如く回転する。
これにより、タングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
これにより、巻取ばね132によるウエビング16の巻取速さを調整することができる。
(a)において、図1に示すタング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、電動モータ94(図13参照)を所定回転方向に対して反対方向に回転する。
レバースプリング121の先端部121aがクラッチパウル116にかける押付力と、復帰スプリング117のばね力とでクラッチパウル116をラチェット113bから離れる方向に矢印Sの如く移動する。
クラッチパウル116の係止爪116bがラチェット113bから離れることで、クラッチ部97による巻取速さの調整が解除される。
クラッチパウル116がラチェット113bから離れた際に、電動モータ94を停止する。
巻取ばね132のばね力でウエビングリール84が反時計回り方向の回転を継続して、ウエビング16を巻取完了まで巻き取る。
よって、タング解除検知部27が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に巻取速さの調整を解除しても、ウエビング16の巻取りが速すぎることはなく、ウエビング16を良好に巻き取ることができる。
ラチェット113bの摩擦抵抗を高める手段として、例えば、ラチェット113bの表面に凹凸を形成することが考えられる。
また、ラチェット113bおよびクラッチパウル116の接触部のみを弾性率の低い異材で形成してもよい。
これにより、タングプレート23をバックル24から外した際に、ウエビング16を一層良好に巻き取ることができる。
Claims (4)
- ウエビングに挿通されたタングプレートをバックルに係合して前記ウエビングで乗員を拘束するために、このウエビングをウエビングリールに巻き取る巻取ばねおよび電動モータを備えた車両のシートベルト装置において、
前記タングプレートおよび前記バックルの係合解除を検知するタング解除検知部と、
このタング解除検知部から伝えられた係合解除情報に基づいて前記電動モータを所定回転方向に回転させる制御部と、
この電動モータの所定回転方向への回転に対応して作動し、前記ウエビングリールと一体に回転する回転体を押圧することにより、前記巻取ばねによる前記ウエビングの巻取速さを調整する巻取調整機構と、
を備えたことを特徴とする車両のシートベルト装置。 - 前記巻取調整機構は、前記回転体の回転中に前記電動モータを停止させた際に、前記回転体の跳上力で回転体への押圧が解除されるように構成され、
前記制御部は、
前記タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、前記電動モータを停止することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。 - 前記巻取調整機構は、
前記回転体の回転中に前記電動モータを前記所定回転方向に対して反対方向に回転させることで、前記回転体への押圧が解除されるように構成され、
前記制御部は、
前記タング解除検知部が係合解除を検知した時点から所定時間経過した後に、前記電動モータを前記所定回転方向に対して反対方向に回転させて前記巻取調整機構による前記回転体への押圧を解除し、解除後に電動モータを停止することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。 - 前記巻取調整機構で前記回転体を押圧した状態において、この回転体と前記巻取調整機構との摩擦抵抗を高める摩擦増大部を前記回転体の表面に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両のシートベルト装置。
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