JP4446692B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突予測時にシートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその欠点】
従来から電動モータの駆動によりシートベルトを巻き取って乗員を拘束するようにした車両用シートベルト装置はよく知られている。このシートベルト装置においては、車両の衝突予測時に電動モータが正常に作動するか否かを予め確認して、その結果を乗員に知らせておくことが望ましい。このように電動モータの作動を確認する場合、電動モータ駆動時の作動音によって乗員が不快に感じることが多い。
【0003】
一方、下記特許文献1に示されているように、電動モータをパルス制御してパルスの周波数を人の可聴域の周波数よりも高く設定することにより、電動モータ駆動時に乗員に不快感を与えないようにした電動モータの駆動方法は知られている。しかし、電動モータの回転子が回転することにより作動音が発生するので、乗員に不快感を与えないようにするための手段としては十分ではないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−103779号公報
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、電動モータの作動を確認するための電動モータ駆動時に乗員に与える不快感を低減するシートベルト装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、ドアをロックするドアロック装置が作動していることを条件に、電動モータの作動を確認するために電動モータを駆動する駆動制御手段を設けたことにある。
【0007】
これによれば、ドアロック装置が作動しているとき、駆動制御手段によって電動モータの作動を確認するために電動モータが駆動される。したがって、電動モータの作動音はドアロック装置の作動音によって乗員に聞こえ難くなるので、電動モータ駆動時に乗員に与える不快感を低減できる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記ドアロック装置に代えて、乗員に提供される音声を発生する音声発生装置にしたことにある。この場合、乗員に提供される音声としては、例えば車両の後退を表す警報音、電動モータを駆動する旨のアナウンス、ラジオ放送などがある。これによれば、電動モータの作動音は音声発生装置が発する音声によって乗員に聞こえ難くなり、乗員に与える不快感が低減される。
【0011】
また、本発明の他の特徴は、車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、車両の衝突を予測する衝突予測手段と、衝突予測手段によって車両の衝突が予測されたことを条件に電動モータの作動を確認した後に、電動モータを制御してシートベルトを巻き取る駆動制御手段とを設けたことにある。
【0012】
これによれば、衝突予測手段によって車両の衝突が予測されたときには、駆動制御手段によって電動モータの作動が確認され、その確認後に電動モータを制御してシートベルトが巻き取られる。この場合には、車両が衝突する可能性が高く、乗員が緊張状態にあるので、電動モータを駆動しても通常乗員は不快に感じないと考えられるからである。また、この衝突予測時の電動モータの作動確認により、電動モータの異常が検出された場合には、車両の衝突時に他の保護装置によってシートベルトの巻き取り不能に対処することもできる。
【0015】
また、本発明の他の特徴は、車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、車外からのドアロックを検出するドアロック検出手段と、ドアロック検出手段によってドアロックが検出されたことを条件に、電動モータの作動を確認するために電動モータを駆動する駆動制御手段とを設けたことにある。
【0016】
これによれば、ドアロック検出手段によって車外からのドアロックが検出されたことを条件に、駆動制御手段によって電動モータが駆動される。したがって、電動モータの作動音が、車外の乗員には聞こえないか、または聞こえ難くなるので、電動モータ駆動時に乗員に対する不快感を低減できる。この場合、車外からのドアロックが検出されたときに電動モータを駆動制御してもよいし、車外からのドアロックが検出されてから所定時間が経過した後に電動モータを駆動制御してもよい。
【0017】
また、前記駆動制御手段を、電動モータの作動を確認するために電動モータをシートベルトの引き出し方向に回転させるように構成するとよい。これによれば、電動モータが作動確認のために駆動されても、シートベルトが巻き取られないので、乗員がシートベルトによって拘束された不快感を感じないで済む。
【0018】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同第1実施形態に係る車両用シートベルト装置を概略的に示している。この車両用シートベルト装置は、車両の衝突予測時および衝突時にシートベルトを巻き取って乗員を保護するものであり、シートベルト機構SBおよび電気制御装置ELを備えている。
【0019】
シートベルト機構SBは、シートSに着座した乗員を保護するシートベルト11を備えている。シートベルト11は、シートSの一方側に設けたリトラクタ装置12から引き出されて、その中間部位にてショルダベルトアンカ13によって摺動可能に支持され、その他端にてシートSの一方の側に固定されている。シートベルト11の中間部位にはタングプレート15が移動可能に組み付けられている。タングプレート15は、シートSの他方の側に固定されたバックル16に脱着可能に勘合される。
【0020】
リトラクタ装置12は、電動モータ17、プリテンショナ18、および巻き取ったシートベルト11の引き出しを禁止する機構を備えている。電動モータ17は、直流モータで構成されており、正転駆動により中間ギヤを介して巻き取り機構を回転させることによりシートベルト11を巻き取り、逆転駆動により巻き取り機構のクラッチを解除してシートベルト11を引き出し可能とする。プリテンショナ18は、ガスを噴出供給するインフレータ18aを備えていて、このガス圧によって巻き取り機構を介してシートベルト11を巻き取り、その引き出しを禁止する。電動モータ17およびプリテンショナ18の作動は、電気制御装置ELによって制御される。
【0021】
電気制御装置ELは、電動モータ17およびプリテンショナ18の作動を制御するとともに電動モータ17の異常を検出するマイクロコンピュータ30と、電動モータ17およびプリテンショナ18にそれぞれ電流を供給する駆動回路31,32とを備えている。なお、電動モータ17およびプリテンショナ18の作動は、それぞれ異なる電気制御装置によって制御することもできる。この場合は、それぞれの電気制御装置ごとに、マイクロコンピュータおよび駆動回路が設けられることになる。
【0022】
マイクロコンピュータ30は、後述するイグニッションスイッチ41のオン後の所定時間ごとに図2のモータ駆動制御プログラムを繰り返し実行して電動モータ17の作動をチェックするとともに、図4の巻き取り制御プログラムを繰り返し実行して車両の衝突予測時および衝突時に駆動回路31,32を介して電動モータ17、プリテンショナ18の作動をそれぞれ制御する。駆動回路31は、マイクロコンピュータ30の制御信号に応じて電動モータ17を作動させ、またその作動を解除する。駆動回路32は、マイクロコンピュータ30の制御信号に応じてインフレータ18aに点火して同インフレータ18a内にガスを発生させる。
【0023】
このマイクロコンピュータ30には、駆動回路31,32に加えて、イグニッションスイッチ41、ギヤ回転検出センサ42、緊急状態検出用センサ群43および警報器44も接続されている。
【0024】
イグニッションスイッチ41は、車両のエンジンを始動させるために操作されるスイッチである。ギヤ回転検出センサ42は、電動モータ17の逆転作動時にリトラクタ装置12の中間ギヤが回転しているときにオン状態になる。緊急状態検出用センサ群43は、車両の衝突予測時および衝突時などの緊急状態を検出するために利用されるもので、前方車両との距離を検出する車間距離センサ、車速を検出する車速センサ、急ブレーキを検出する急ブレーキセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサなどで構成されている。警報器44は、電動モータ17の異常や車両の後退を乗員に知らせるもので、警報ランプ、警報音発生器(スピーカ)などで構成されている。なお、上記実施形態では、イグニッションスイッチ41、ギヤ回転検出センサ42、緊急状態検出用センサ群43および警報器44を単一のマイクロコンピュータ30に接続するようにしたが、これらイグニッションスイッチ41、ギヤ回転検出センサ42、緊急状態検出用センサ群43および警報器44がそれぞれ他のマイクロコンピュータに接続されている場合には、車内通信を介して各検出信号の授受を行うことができる。
【0025】
また、マイクロコンピュータ30は、車両用装置としてのエンジン始動装置50、ドアロック装置60およびナビゲーション装置70における各マイクロコンピュータと通信線で接続されていて、各装置の制御に関連するデータを送受信している。例えば、エンジン始動装置50からはエンジンの始動を表すデータを受信し、ドアロック装置60からはドアロックを表すデータを受信し、ナビゲーション装置70からは音声発生を表すデータを受信する。
【0026】
上記のように構成した第1実施形態に係るシートベルト装置の作動を説明する。乗員がイグニッションキーを操作してイグニッションスイッチ41がオンすると、マイクロコンピュータ30は、図2のモータ駆動制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。
【0027】
このモータ駆動制御プログラムの実行はステップS10にて開始され、ステップS12にて、モータフラグMTFが“1”であるか否かを判定する。このモータフラグMTFは、初期には“0”に設定されていて、“1”により電動モータ17の作動を確認するために後述するステップS16のモータチェックルーチンを実行したことを表す。
【0028】
いま、モータフラグMTFは“0”に設定されているため、ステップS12において「No」と判定して、ステップS14にて、エンジン始動装置50が作動しているかを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ30は、イグニッションスイッチ41のオン動作に応答してエンジンが始動時(クランキング時)にあるか、またはエンジン始動装置50からエンジンの始動時を表すスタータ電圧信号が送信されているか否かを判定する。そして、エンジンが始動時になければ、ステップS14にて「No」と判定して、ステップS18にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0029】
一方、エンジンが始動時にあれば、ステップS14にて「Yes」と判定して、ステップS16にてモータチェックルーチンを実行する。このモータチェックルーチンは、電動モータ17の作動を確認するものであり、図3に示すように、ステップS20にて開始される。この開始後、マイクロコンピュータ30は、ステップS22にて所定の短時間だけ電動モータ17を逆転すなわち電動モータ17をシートベルト11の引き出し方向に回転させる。
【0030】
このように、エンジンの始動時に電動モータ17を逆転させるので、電動モータ17の作動音はエンジンの始動音によって乗員に聞こえ難くなり、乗員に与える不快感が低減される。
【0031】
また、上記のように電動モータ17の作動を確認するために電動モータ17を回転させるのは、電動モータ17のブラシの接点部分には酸化皮膜が形成されている場合があり、この場合には同接点部分の抵抗値が大きくなる。このため、電動モータ17の両端子の電圧値を用いて電動モータ17が正常であるかを判定する場合には、電動モータ17の異常が判定されてしまうので、電動モータ17の回転によって同接点部分の酸化皮膜を削り取り電動モータ17へ正確に通電されるようにするためである。また、電動モータ17の回転がリトラクタ装置12における中間ギヤを介して巻き取り機構に正確に伝達されることを確認するためでもある。そして、この場合に電動モータ17を逆転させるのは、電動モータ17を正転させるとシートベルト11の巻き取りによって乗員を拘束することとなり、乗員に不快感を与えるからである。
【0032】
ステップS22の逆転処理後、ステップS24にて電動モータ17が正常であるか否かを判定する。具体的には、電動モータ17の両端子の電圧値が所定の電圧値を示しているか、前記電動モータ17の逆転時にギヤ回転検出センサ42がオン状態すなわちリトラクタ装置12における中間ギヤの回転が検出されたか否かを判定する。その結果、電動モータ17の両端子の電圧値が所定の電圧値を示していること、ギヤ回転検出センサ42がオン状態であることの少なくともいずれか一つの条件を満たしていれば、電動モータ17は正常であるので、ステップS24にて「Yes」と判定して、ステップS30にて上述したようにモータチェックを実行したことを表すためにモータフラグMTFを“1”に設定し、ステップS32にてモータチェックルーチンの実行を終了する。
【0033】
一方、電動モータ17の両端子の電圧値が所定の電圧値を示していないか、またはギヤ回転検出センサ42がオフ状態であれば、ステップS24にて「No」すなわち電動モータ17が異常であると判定して、ステップS26以降の処理を実行する。ステップS26においては、警報器44を作動させて、電動モータ17の異常を乗員に知らせる。これにより、乗員は電動モータ17の点検、修理などの的確な処理を行うことができる。ステップS26の処理後、ステップS28にて、異常フラグKFLを“1”に設定する。この異常フラグKFLは、“0”によって電動モータ17が正常であることを表し、“1”によって電動モータ17が異常であることを表すもので、初期には“0”に設定されている。ステップS28の処理後、上記と同様に、ステップS30にてモータフラグMTFを“1”に設定して、ステップS32にてこのモータチェックルーチンの実行を終了する。
【0034】
図2に戻って、ステップS16にてモータチェックが終了すると、ステップS18にてモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。そして、モータフラグMTFが“1”に設定された後は、以後このモータ駆動制御プログラムの実行時にはステップS12にて「Yes」と判定して、ステップS10,12および18の処理が繰り返し実行される。このように、モータチェックは、イグニッションスイッチ41がオンとされてからオフとされるまでの間に1回だけ実行されるようになっている。
【0035】
次に、イグニッションスイッチ41のオン後、所定時間ごとに繰り返し実行される巻き取り制御プログラムにより、電動モータ17およびプリテンショナ18が作動制御される場合について説明する。この巻き取り制御プログラムは、図4のステップS40にてその実行が開始され、ステップS42にて異常フラグKFLが“1”であるか否かを判定する。いま、電動モータ17が正常であって異常フラグKFLが“0”であれば、ステップS42にて「No」と判定して、ステップS44以降の処理を実行する。
【0036】
ステップS44においては、車両が前方物体に衝突する可能性が高い、車両が急制動状態であるなどの緊急状態にあるかを判定する。具体的には、前方車両との距離を検出する車間距離センサ、車速を検出する車速センサ、急ブレーキを検出する急ブレーキセンサなどからなる緊急状態検出用センサ群43からの信号を入力して、車両の前方物体への衝突の可能性、車両の急制動中などの車両の緊急状態を判定する。
【0037】
車両が緊急状態になければ、ステップS44にて「No」と判定して、ステップS52にてこの巻き取り制御プログラムの実行を終了する。一方、車両が緊急状態にあれば、ステップS44にて「Yes」と判定し、ステップS46にて電動モータ17を所定時間だけ正転させてシートベルト11を所定量だけ巻き取る。すなわち、マイクロコンピュータ30は、駆動回路31を介して電動モータ17に正方向の電流を供給して電動モータ17を所定のトルクで正転させる。
【0038】
ステップS46の巻き取り処理後、ステップS48にて車両が衝突したか否かを判定する。具体的には、緊急状態検出用センサ群43のうち、車両の加速度を検出する加速度センサからの信号を入力して車両の加速度が所定加速度以上であるか否かを判定する。この所定加速度は、自車両が前方物体への衝突に伴って発生する程度の大きな加速度に設定されている。車両が前方物体に衝突していなければ、ステップS48にて「No」と判定して、ステップS52にてこの巻き取り制御プログラムの実行を終了する。以後この状態が続く限り、ステップS40〜48,52の処理を繰り返し実行し、電動モータ17が所定のトルクに維持される。
【0039】
この状態から、車両が衝突して車両の加速度が所定加速度以上になれば、ステップS48にて「Yes」と判定して、ステップS50にてプリテンショナ18を作動させる。すなわち、マイクロコンピュータ30は、駆動回路32を介してインフレータ18aに点火して同インフレータ18a内にガスを発生させる。これによりプリテンショナ18がシートベルト11を巻き取り、その引き出しを禁止する。ステップS50の処理後,ステップS52にてこの巻き取り制御プログラムの実行を終了する。
【0040】
これに対して、電動モータ17が異常であって異常フラグKFLが“1”に設定されていれば、ステップS42にて「Yes」と判定して、その後は上記と同様に、ステップS48以降の処理を実行する。これは、電動モータ17が異常であれば、駆動回路31を介して電流を供給しても電動モータ17によってシートベルト11を巻き取ることができないので、電動モータ17を用いて巻き取り制御しないが、車両の衝突時にはプリテンショナ18を作動制御することで、衝突時には乗員がシートベルト11の拘束によって確実に保護されるようにしたものである。
【0041】
(第1変形例)
次に、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1変形例においては、マイクロコンピュータ30は、上記第1実施形態の図2のモータ駆動制御プログラムに代えて、図5のモータ駆動制御プログラムを実行する。この図5のモータ駆動制御プログラムは、図2のモータ駆動制御プログラムにおけるステップS14の処理に代えて、ステップS62の処理を実行するものである。
【0042】
ステップS62においては、ドアロック装置60が作動しているかを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ30は、車両の所定速度以上の車速に応じてドアロック装置60から自動的にドアロックすることを表すドアロック信号が送信されているか、乗員が手動でドアロックしたことを表すドアロック信号が送信されているか否かを判定する。ドアロック装置60が作動していなければ、ステップS62にて「No」と判定して、ステップS18にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0043】
一方、ドアロック装置60が作動していれば、ステップS62にて「Yes」と判定して、ステップS16にて上記第1実施形態と同様に図3のモータチェックルーチンを実行する。この開始後、マイクロコンピュータ30は、ステップS22にて所定の短時間だけ電動モータ17を逆転させる。このように、ドアロック装置60によるドアロック時に電動モータ17を逆転させることにより、電動モータ17の作動音はドアロック装置60の作動音によって乗員に聞こえ難くなり、乗員に与える不快感が低減される。
【0044】
(第2変形例)
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。この第2変形例においては、マイクロコンピュータ30は、上記第1実施形態の図2のモータ駆動制御プログラムに代えて、図6のモータ駆動制御プログラムを実行する。この図6のモータ駆動制御プログラムは、図2のモータ駆動制御プログラムにおけるステップS14の処理に代えて、ステップS64の処理を実行するものである。
【0045】
ステップS64においては、マイクロコンピュータ30は、車両の後退を乗員に知らせるための警報音、警報アナウンスなどの音声が警報器44から出力されているか、または図示しない変速装置からシフトポジションR信号が送信されているか否かを判定する。車両の後退を表す音声が警報器44から出力されていなければ、ステップS64にて「No」と判定して、ステップS18にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0046】
一方、車両の後退を表す音声が警報器44から出力されていれば、ステップS64にて「Yes」と判定して、ステップS16にて上記第1実施形態と同様に図3のモータチェックルーチンを実行する。この開始後、マイクロコンピュータ30は、ステップS22にて所定の短時間だけ電動モータ17を逆転させる。このように、車両の後退時に電動モータ17を逆転させることにより、電動モータ17の作動音は車両の後退を表す音声によって乗員に聞こえ難くなり、乗員に与える不快感が低減される。
【0047】
(第3変形例)
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。この第3変形例においては、マイクロコンピュータ30は、上記第1実施形態の図2のモータ駆動制御プログラムに代えて、図7のモータ駆動制御プログラムを実行する。この図7のモータ駆動制御プログラムは、図2のモータ駆動制御プログラムにおけるステップS14の処理に代えて、ステップS66の処理を実行するものである。
【0048】
ステップS66においては、マイクロコンピュータ30は、ナビゲーション装置70から音声信号が送信されているかを判定する。具体的には、電動モータ17を逆転させる旨のアナウンスを乗員に提供するときの音声信号、道を案内する旨のアナウンスを乗員に提供するときの音声信号がナビゲーション装置70から送信されているか否かを判定する。なお、この電動モータ17を逆転させる旨のアナウンスはナビゲーション装置70の動作とは直接関係なく、図示しないプログラム処理によって電動モータ17をチェックすべきタイミングでナビゲーション装置70の音声合成器を用いてなされるものである。したがって、このアナウンスはナビゲーション装置70以外の装置を利用してもよい。上記音声信号がナビゲーション装置70から送信されていなければ、ステップS66にて「No」と判定して、ステップS18にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0049】
一方、上記音声信号がナビゲーション装置70から送信されていれば、ステップS66にて「Yes」と判定して、ステップS16にて上記第1実施形態と同様に図3のモータチェックの処理を実行する。この開始後、マイクロコンピュータ30は、ステップS22にて所定の短時間だけ電動モータ17を逆転させる。このように、ナビゲーション装置70からの音声発生時に電動モータ17を逆転させることにより、電動モータ17の作動音は上記音声によって乗員に聞こえ難くなり、乗員に与える不快感が低減される。特に、電動モータ17を逆転させる旨のアナウンスが乗員に提供された後に、電動モータ17を作動させた場合の作動音は乗員にとって不意に発生する音ではないので、乗員に与える不快感はより低減される。
【0050】
なお、上記第3変形例の他にも、例えばラジオ放送、テレビ放送、オーディオなどから乗員に提供される音声発生時に電動モータ17を逆転させてもよい。ただし、この場合には、ラジオ放送、テレビ放送、オーディオなどの音量レベルが所定レベルより大きいことを条件とするとよい。この場合にも、電動モータ17の作動音が上記各種の音声によって乗員に聞こえ難くなり、上記第3変形例と同様に乗員に与える不快感が低減される。
【0051】
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、上記第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、この第2実施形態のマイクロコンピュータ30は、図2のモータ駆動制御プログラムに代えて、図8のモータ駆動制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。図3のモータチェックルーチンを実行する点、およびその他構成については上記第1実施形態と同じである。
【0052】
以下、第2実施形態の動作を説明する。イグニッションスイッチ41のオン動作に応答して、マイクロコンピュータ30は図8のステップS70にてモータ駆動制御プログラムの実行を開始し、ステップS72にて、モータフラグMTFが“2”であるか否かを判定する。このモータフラグMTFは上記第1実施形態と同様に、“1”によってモータチェックルーチンを実行したことを表し、“2”によって電動モータ17が正常であると判定された上で車両の衝突が予測されたことによって電動モータ17が正転駆動されたことを表しており、初期には“0”に設定されている。
【0053】
いま、車両が通常の走行状態または停止状態にあり、モータチェックルーチンが未だ実行されていないものとして説明する。この場合、モータフラグMTFおよび異常フラグKFLはともに“0”に維持されており、ステップS72,74にてそれぞれ「No」と判定して、ステップS76以降の処理を実行する。
【0054】
ステップS76においては、衝突時間予測ルーチンを実行する。この衝突時間予測ルーチンは、自車両が前方物体に衝突するまでの時間を予測するもので図9に示すように、ステップS150にて開始され、ステップS152にて緊急状態検出用センサ群43のうちの車速センサによって検出された車速Vが所定車速V0以上であるかを判定する。車速Vが所定車速V0未満であれば、ステップS152にて「No」すなわち衝突可能性がないと判定し、ステップS154にて衝突時間Tsを所定時間Tsxに設定して、ステップS166にてこのプログラムの実行を終了する。なお、この所定時間Tsxは、衝突可能性がないと判定される極めて大きな時間である。
【0055】
一方、車速Vが所定車速V0以上であれば、ステップS152にて「Yes」と判定し、ステップS156以降の処理を実行する。ステップS156においては、緊急状態検出用センサ群43のうちの距離センサによって検出された距離Lを入力して、今回のプログラムの実行による入力距離を表す今回距離Lnewとして設定する。次に、ステップS158にて、前回のプログラムの実行時に入力した距離L(以降、前回距離Loldという)から今回距離Lnewを減算した減算値Lold−Lnewをこの衝突時間予測ルーチンの実行時間間隔Δtで除算することにより、前方物体との相対速度Vabを計算する。なお、前回距離Loldは、初期設定処理によって「0」に設定されている。この場合、初回に計算される相対速度Vabは負になるが、後述するステップS162にて「No」と判定されて、ステップS154の処理により衝突時間Tsが大きな所定時間Tsxに設定されるだけであるので、初回に計算される相対速度Vabが不適切であっても、この点が問題になることはない。
【0056】
前記相対速度Vabの計算後、ステップS160にて次回の相対速度Vabの計算のために、前回距離Loldを今回距離Lnewに更新しておく。相対速度Vabが正でなければ、車両が前方物体に衝突する可能性がないので、ステップS162にて「No」と判定し、ステップS154にて衝突時間Tsを大きな所定時間Tsxに設定した後、ステップS166にてこの衝突時間予測ルーチンの実行を終了する。
【0057】
相対速度Vabが正であれば、ステップS162にて「Yes」と判定し、ステップS164にて今回距離Lnewを相対速度Vabで除算することにより、現在の相対速度Vabで走行し続ければ、車両が前方物体に衝突するまでの衝突時間Tsを計算した後、ステップS166にてこの衝突時間予測ルーチンの実行を終了する。このようにして衝突時間Tsが予測計算された後、すなわち図8のステップS76の処理後、ステップS78以降の処理を実行する。
【0058】
ステップS78においては、モータフラグMTFが“1”であるかを判定する。この時点ではモータフラグMTFは“0”に維持されているので、ステップS78にて「No」と判定し、ステップS80にて衝突時間Tsが所定時間Ts1以下であるかを判定する。この所定時間Ts1は、自車両が前方物体に衝突する可能性がある時間すなわち後述するステップS86における所定時間Ts2とほぼ同じか、もしくはわずかに大きな時間に設定されている。そして、衝突時間Tsが所定時間Ts1よりも大きい場合には、衝突可能性がないので、ステップS80にて「No」と判定して、ステップS106にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0059】
この状態から衝突時間Tsが所定時間Ts1以下になれば、ステップS80にて「Yes」と判定して、ステップS82にて図3のモータチェックルーチンを実行し、図3のステップS22にて電動モータ17を逆転させる。このように衝突時間Tsが所定時間Ts1以下になったときに、電動モータ17を逆転させるのは、この場合自車両が前方物体と衝突する可能性がある程度高い状態にあり、衝突を回避するなど乗員が緊張状態にあるので、電動モータ17を逆転させることによりその作動音が発生しても、通常乗員は不快に感じないと考えられるからである。
【0060】
このようなステップS82の処理によって、まず、電動モータ17が正常であると判定された場合について説明する。この場合、異常フラグKFLは“0”に維持されているので、ステップS84にて「No」と判定して、ステップS86以降の処理を実行する。
【0061】
ステップS86においては、衝突時間Tsが所定時間Ts2以下であるかを判定する。衝突時間Tsが所定時間Ts1以下であるがTs2よりも大きい場合には、衝突可能性がないとしてステップS86にて「No」と判定し、ステップS106にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。この状態が続く限り、以後ステップS72〜76,78,84,86,106の処理が繰り返し実行される。
【0062】
この状態から衝突時間Tsが所定時間Ts2以下になれば、ステップS86にて「Yes」と判定して、上記図4のステップS46と同様に、ステップS88にて電動モータ17を所定時間だけ正転させてシートベルト11を所定量だけ巻き取る。ステップS88の処理後、ステップS90にてモータフラグMTFを“2”に設定してステップS92以降の処理を実行する。ステップS92,94の処理は図4のステップS48,50の処理とそれぞれ同じであり、車両が前方物体に衝突していなければ、ステップS92にて「No」と判定して、ステップS106にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0063】
このモータ駆動制御プログラムが次に実行された場合には、モータフラグMTFは“2”に設定されているので、ステップS72にて「Yes」と判定して、ステップS96にて前述した衝突時間予測ルーチンを実行する。そして、この衝突時間予測ルーチンの実行後、ステップS98にて衝突時間予測ルーチンで計算された衝突時間Tsが所定時間Ts3以上であるかを判定する。なお、この所定時間Ts3は前記所定時間Ts1よりも若干大きな値に設定されていて、このステップS98の判定処理により車両が緊急状態を回避したことが判定される。衝突時間Tsが所定時間Ts3以上でなければ、ステップS98にて「No」すなわち車両が緊急状態を未だ回避していないとして、ステップS92に進む。以後この状態が続く限り、ステップS72にて「Yes」、ステップS98にて「No」と判定してステップS106にて終了する処理を繰り返し実行し、シートベルト11を所定量だけ巻き取るように電動モータ17を制御する状態が維持される。なお、この状態では、電動モータ17の駆動トルクよりも大きなトルクが発生するような力がシートベルト11に付与されれば、シートベルト11は引き出される。
【0064】
この状態から、車両が衝突すると、ステップS92にて「Yes」と判定して、ステップS94にてプリテンショナ18を作動させる。ステップS94の処理後、ステップS106にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0065】
一方、ステップS88の処理によってシートベルト11が巻き取られた後でも、車両の緊急状態が回避されて衝突時間Tsが所定時間Ts3以上になれば、ステップS98にて「Yes」と判定して、ステップS100以降の処理を実行する。ステップS100においては、電動モータ17への電流供給が停止される。これにより、乗員はシートベルト11による拘束から解放されてシートベルト11を自由に引き出せるようになる。ステップS100の処理後、ステップS102にてモータフラグMTFを“0”に設定し、ステップS104にて異常フラグKFLを“0”に設定して、ステップS106にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。したがって、次回このプログラムを実行するときにはステップS72,74,78にてそれぞれ「No」と判定されるため、ステップS80にて衝突時間Tsが所定時間Ts1以下になったことを条件にステップS82にてモータチェックルーチンが再度実行される。これにより、ステップS88にて電動モータ17を正転させる前には必ずステップS82にて電動モータ17が再チェックされるので、乗員は電動モータ17が正常に作動できる状態にあるかを確実に知ることができる。
【0066】
次に、ステップS82の処理によって電動モータ17が異常であると判定された場合について説明する。この場合、図3のステップS28にて異常フラグKFLが“1”に設定されるので、ステップS82の処理後、ステップS84にて「Yes」と判定して、ステップS92以降の処理を実行する。車両が衝突しなければ、ステップS92にて「No」と判定し、ステップS106にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。以後、ステップS72にて「No」、ステップS74にて「Yes」と判定して、ステップS76〜90の処理を実行することなく、ステップS92以降の処理を繰り返し実行する。これは、電動モータ17が異常であれば、駆動回路31を介して電流を供給しても電動モータ17によってシートベルト11を巻き取ることができないので、電動モータ17を用いて巻き取り制御しないが、車両の衝突時にはプリテンショナ18を作動制御することで、乗員がシートベルト11の拘束によって確実に保護されるようにしたものである。なお、このようにシートベルト11の電動モータ17による巻き取りがなされない場合には、プリテンショナ18によるシートベルト11の張力を若干大きくしたり、作動タイミングを若干早めるなど、電動モータ17によるシートベルト11の巻き取りがないことに対処するための処置をとるとよい。
【0067】
なお、上記第2実施形態において、衝突時間Tsが所定時間Ts1以下になるごとに毎回、ステップS82にてモータチェックルーチンを実行して電動モータ17を逆転させるようにすることもできる。この場合、ステップS78の処理を省略すればよい。これにより、車両が緊急状態になるごとに乗員は電動モータ17が正常に作動できる状態にあるかを確実に知ることができる。
【0068】
c.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、上記第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、図1に破線で示すように、マイクロコンピュータ30には電動モータ17の作動を確認するための作動確認スイッチ45が接続されている。また、この第3実施形態のマイクロコンピュータ30は、図2のモータ駆動制御プログラムに代えて、図10のモータ駆動制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。図3のモータチェックルーチンおよび図4の巻き取り制御プログラムを所定時間ごとに繰り返し実行する点、およびその他構成については上記第1実施形態と同じである。
【0069】
以下、第3実施形態の動作を説明する。イグニッションスイッチ41のオン動作に応答して、マイクロコンピュータ30は図10のステップS110にてモータ駆動制御プログラムの実行を開始し、上記第1実施形態に係る図2のステップS12と同じステップS112にて、モータフラグMTFが“1”であるか否かを判定する。このプログラムの開始時には、モータフラグMTFは“0”に設定されているため、ステップS112にて「No」と判定して、ステップS114にて、作動確認スイッチ45がオンであるかを判定する。乗員が作動確認スイッチ45を操作していなければ、ステップS114にて「No」と判定して、ステップS118にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0070】
一方、乗員が電動モータ17の作動を確認するために作動確認スイッチ45をオンにすれば、ステップS114にて「Yes」と判定して、ステップS116にて図3のモータチェックルーチンが開始され、ステップS22にて電動モータ17を逆転させる。このように、乗員の意志で作動確認スイッチ45をオンにしたときに電動モータ17を逆転させるので、電動モータ17の作動音が不意に発生したものではなくなり、電動モータ17の駆動時に乗員に対する不快感を低減できる。ステップS116の処理後、ステップS118にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。そして、次回以降はステップS110,112および118の処理が繰り返し実行される。すなわち、イグニッションスイッチ41がオンとされてからオフとされるまでの間に、作動確認スイッチ45の操作に応答してモータチェック処理は1回だけ実行される。
【0071】
しかし、この第3実施形態では乗員の意志により電動モータ17の作動が確認されるので、ステップS112の処理を削除して、乗員が作動確認スイッチ45を操作するたびにステップS116のモータチェックルーチンが実行されるようにしてもよい。
【0072】
d.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、上記第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、この第4実施形態のマイクロコンピュータ30は、図2のモータ駆動制御プログラムに代えて、図11のモータ駆動制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。なお、この第4実施形態は、イグニッションスイッチ41のオン動作に応答して作動するものではなく、図示しないバッテリから供給される電力に基づいて作動しており、マイクロコンピュータ30は図11のモータ駆動制御プログラムおよび図3のモータチェックルーチンを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。
【0073】
以下、第4実施形態の作動を説明する。このモータ駆動制御プログラムの実行は、ステップS120にて開始され、上記第1実施形態に係る図2のステップS12と同じステップS122にてモータフラグMTFが“1”であるか否かを判定する。モータフラグMTFは初期には“0”に設定されているため、ステップS122にて「No」と判定し、ステップS124にて、タイマフラグTFLが“1”であるか否かを判定する。このタイマフラグTFLは、“1”によって後述するステップS128にてタイマが計時を開始していることを表し、初期には“0”に設定されている。この段階ではタイマフラグTFLは“0”に設定されているので、ステップS124にて「No」と判定して、ステップS126以降の処理を実行する。
【0074】
ステップS126においては、車外からドアロックされることによりドアロック装置60からドアロック信号が送信されているか否かを判定する。具体的には、マイクロコンピュータ30は、自動的にドアロックする機能を備えたイグニッションキーからの操作信号に応答してドアロック装置60からドアロック信号が送信されているか、乗員が車外から手動によりイグニッションキーを操作することによりドアロック装置60からドアロック信号が送信されているかを判定する。乗員が車外からドアロックしていなければ、ステップS126にて「No」と判定して、ステップS136にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。
【0075】
一方、乗員が車外からドアロックしてドアロック装置60からドアロック信号が送信されていれば、ステップS126にて「Yes」と判定して、ステップS128にてカウント値TMを「0」に設定して計時を開始させ、ステップS130にてタイマフラグTFLを“1”に設定する。なお、このカウント値TMは、タイマによって制御される図示しないプログラムの実行により時間経過に従ってカウントアップされて経過時間を表す。
【0076】
ステップS130の処理後、ステップS132にてカウント値TMが所定時間TM0以上を示しているか否かを判定する。この所定時間TM0は、乗員が車外に出て車両から一定距離以上離れることが可能な時間に設定されている。カウント値TMが所定時間TM0よりも小さければ、ステップS132にて「No」と判定して、ステップS136にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。この場合、タイマフラグTFLは“1”に設定されているから、以後この状態が続く限り、ステップS120〜124,132,136の処理が繰り返し実行される。
【0077】
この状態から、カウント値TMが所定時間TM0以上を示すようになると、ステップS132にて「Yes」と判定し、ステップS134にてモータチェックルーチンを実行する。すなわち、図3のモータチェックルーチンが開始され、図3のステップS22にて電動モータ17を逆転させる。このように、乗員が車外に出て車両から一定距離以上離れたときに電動モータ17を逆転させるので、乗員には電動モータ17の作動音が聞こえないか、または聞こえ難くなり、電動モータ17の駆動時に乗員に対する不快感を低減できる。ステップS134の処理後、ステップS136にてこのモータ駆動制御プログラムの実行を終了する。そして、次回以降はステップS122,136の処理が繰り返し実行される。
【0078】
なお、この第4実施形態において、所定時間TM0をきわめて小さく設定して、車外からのドアロックに応答してドアロック装置60からドアロック信号が送信されたときに電動モータ17を逆転させるようにすることもできる。これにより、乗員が車外にいることに加えて、ドアロック装置60によるドアロック時の作動音によっても電動モータ17の作動音が聞こえ難くなるので、乗員に対する不快感が低減される。
【0079】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0080】
例えば、上記第1ないし第4実施形態およびそれらの変形例においては、電動モータ17の逆転によるチェック時期(タイミング)の各種例についてそれぞれ説明したが、これらの各種例を適宜組み合わせて電動モータ17の逆転によるチェックを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1ないし第4実施形態およびそれらの変形例に係る車両用シートベルト装置の全体概略図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【図3】 本発明の第1ないし第4実施形態およびそれらの変形例に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータチェックプログラムのフローチャートである。
【図4】 本発明の第1、第3および第4実施形態ならびにそれらの変形例に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行される巻き取り制御プログラムのフローチャートである。
【図5】 本発明の第1実施形態の第1変形例に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【図6】 本発明の第1実施形態の第2変形例に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【図7】 本発明の第1実施形態の第3変形例に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【図8】 本発明の第2実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【図9】 本発明の第2実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行される衝突時間予測プログラムのフローチャートである。
【図10】 本発明の第3実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【図11】 本発明の第4実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるモータ駆動制御プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
SB…シートベルト機構、EL…電気制御装置、11…シートベルト、12…リトラクタ装置、17…電動モータ、18…プリテンショナ、30…マイクロコンピュータ、31,32…駆動回路、41…イグニッションスイッチ、42…ギヤ回転検出センサ、43…緊急状態検出用センサ群、44…警報器、45…作動確認スイッチ、50…エンジン始動装置、60…ドアロック装置、70…ナビゲーション装置

Claims (5)

  1. 車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、
    ドアをロックするドアロック装置が作動していることを条件に、前記電動モータの作動を確認するために前記電動モータを駆動する駆動制御手段
    を設けたことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、
    乗員に提供される音声を発生する音声発生装置が作動していることを条件に、前記電動モータの作動を確認するために前記電動モータを駆動する駆動制御手段
    を設けたことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  3. 車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、
    車両の衝突を予測する衝突予測手段と、
    前記衝突予測手段によって車両の衝突が予測されたことを条件に前記電動モータの作動を確認した後に、前記電動モータを制御してシートベルトを巻き取る駆動制御手段と
    を設けたことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  4. 車両の衝突予測時に、シートベルトを巻き取って乗員を保護する電動モータを備えた車両用シートベルト装置において、
    車外からのドアロックを検出するドアロック検出手段と、
    前記ドアロック検出手段によってドアロックが検出されたことを条件に、前記電動モータの作動を確認するために前記電動モータを駆動する駆動制御手段と
    を設けたことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載した車両用シートベルト装置において、
    前記駆動制御手段を、前記電動モータの作動を確認するために前記電動モータをシートベルトの引き出し方向に回転させるものとした車両用シートベルト装置。
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