JP2001253317A - シートベルトシステム - Google Patents

シートベルトシステム

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JP2001253317A JP2000070497A JP2000070497A JP2001253317A JP 2001253317 A JP2001253317 A JP 2001253317A JP 2000070497 A JP2000070497 A JP 2000070497A JP 2000070497 A JP2000070497 A JP 2000070497A JP 2001253317 A JP2001253317 A JP 2001253317A
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Hiroaki Fujii
藤居弘昭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シートベルトの通常装着時のベルトテンション
が非常に小さく設定されても、この通常装着時において
乗員の移動で発生したベルトスラックを可能な限り除去
できるシートベルトシステムを提供する。 【解決手段】CPU4は、イグニッションキーオンまた
はドアーロックオン検出手段5、ベルト引出検出手段
6、バックル装着検出手段7および乗員の車両乗車時に
おける各種情報であるブレーキペダル踏込情報を検出す
るブレーキペダル踏込検出手段8からの各検出情報に基
づいてベルトスラック制御装置3を作動制御してベルト
スラック除去制御を行う。ベルトスラック制御装置3は
シートベルトリトラクタ2を作動制御して、シートベル
トの通常装着時は、ベルトスラックを除去するとともに
ベルトテンションを実質的に0となるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の
車両に搭載され、乗員をシートベルトにより拘束保護す
るためのシートベルトシステムの技術分野に属し、特
に、シートベルト非装着時にモータでウェビングの巻取
格納を行うとともに、乗員のシートベルト装着状態や外
部からの信号によりモータでウェビングを巻き取ること
でベルトテンション制御を行うモータ巻取方式によるシ
ートベルト巻取装置を備えているシートベルトシステム
の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術分野】例えば自動車等の車両の座席に付設
されるシートベルトシステムはシートベルトリトラクタ
を備えており、このシートベルトリトラクタは、一般
に、ぜんまいばねによりシートベルトを常時巻き取り方
向に付勢して、ベルト装着時にはベルトが乗員に密着さ
せるとともに、ベルト装着解除時にはシートベルトを巻
き取り、格納するようになっている。また、このシート
ベルトリトラクタは、車両衝突時などの緊急時にはシー
トベルトの引出を阻止することにより、乗員の慣性によ
る前方移動を阻止している。
【0003】このように、従来のシートベルトシステム
では、シートベルトがばねにより常時ベルト巻き取り方
向に付勢されているだけでベルト張力が制御されないた
め、シートベルトの引出時にベルト引出力が大きくなっ
てシートベルトの取扱いが軽快でないばかりでなく、通
常の装着時にばねの付勢力で乗員が締め付けられるの
で、乗員は圧迫感を抱くようになる。そこで、通常の装
着時での乗員への圧迫感を小さくするために、リターン
スプリングのばね力を弱くすると、シートベルトの巻取
力が小さくなり、シートベルトの格納性が低下してしま
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本出願人は、シートベルトの巻取にリターンスプリング
を用いずに、シートベルト非装着時におけるシートベル
トの巻取格納およびシートベルト装着時のベルトテンシ
ョン制御のためのシートベルトの巻取をモータの駆動力
で行うようにすることで、リターンスプリングを用いず
にシートベルトの巻取を行うようにしたモータ巻取方式
によるシートベルト巻取装置を特許出願している(特願
平11ー010184号)。
【0005】このシートベルト巻取装置によれば、シー
トベルトの装着、非装着状況に応じてモータの駆動力を
制御することで、ベルトテンションを適切に制御可能と
なるので、シートベルト非装着時にはシートベルトの巻
取力を大きくしてシートベルトの格納性を向上すること
ができ、また、シートベルトの通常装着時には乗員とシ
ートベルトとの間のベルトスラックを除去できるととも
にシートベルトのベルトテンションを小さくして乗員の
圧迫感を解消し、コンフォート性を向上することがで
き、更に緊急時にはベルトテンションを大きくして乗員
の拘束保護を確実にすることができるようになる。
【0006】ところで、シートベルトの通常装着時には
乗員に対してベルトテンションを可能な限り小さくし
て、コンフォート性を可能な限り向上させることが望ま
しいが、通常装着時のベルトスラックの検出がベルトテ
ンションを測定することで行われているため、ベルトテ
ンションを例えば0またはほぼ0のような非常に小さい
値に設定した場合、ベルトスラックを確実に検出するこ
とが難しくなってしまう。しかし、このように通常装着
時にベルトテンションが非常に小さく設定され、ベルト
スラックが検出され難くなっている場合において、例え
ば物取り等の乗員が移動した後再び正規の着座姿勢に戻
った状態では、この乗員の移動によって発生したベルト
スラックを可能な限り除去できるようにすることが理想
的である。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、シートベルトの通常装着
時のベルトテンションが非常に小さく設定されても、こ
の通常装着時において乗員の移動で発生したベルトスラ
ックを可能な限り除去できるシートベルトシステムを提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、モータ駆動によりシートベル
トを巻き取るシートベルトリトラクタを少なくとも備え
ているシートベルトシステムにおいて、ベルトスラック
除去制御を行うベルトスラック除去制御装置と、乗員の
車両乗車時における、車両運転情報、車両挙動情報、乗
員挙動情報および道路状況情報等の乗員の車両乗車時に
おける各種情報の少なくとも1つに基づいて前記ベルト
スラック制御装置を作動制御することで、シートベルト
の通常装着時にベルトスラックを除去しかつベルトテン
ションを0またはほぼ0となるように設定する制御装置
とを備えていることを特徴としている。
【0009】また、請求項2の発明は、前記乗員の車両
乗車時における各種情報が、ブレーキペダル踏込情報、
ブレーキペダル解放情報、アクセルペダル踏込情報、ア
クセルペダル解放情報、操舵情報、操舵戻り情報、乗員
の挙動情報、車両の挙動情報、道路状況情報の少なくと
も1つであることを特徴としている。更に、請求項3の
発明は、前記各種情報の少なくとも1つに基づいて車両
衝突が予測される等の緊急時には、前記制御装置がベル
トスラック除去制御装置にベルトスラック除去制御を行
わせるとともに、ベルトテンションをシートベルトの通
常装着時より増大させるようにしたことを特徴としてい
る。
【0010】
【作用】このように構成された本発明に係るシートベル
トシステムにおいては、シートベルトの通常装着時に
は、シートベルトは、ベルトスラックがなくしかもベル
トテンションが非常に小さく実質的に0となるようにし
て乗員にフィットされるようになる。したがって、乗員
はシートベルト着用時の圧迫感がほとんど抱かなくな
り、シートベルトの通常装着時でのコンフォート性がよ
り確実に保持されるようになる。しかも、通常装着時に
ベルトテンションが0またはほぼ0の非常に小さい値に
設定されても、緊急時のシートベルトによる乗員の拘束
性がより確実に維持される。
【0011】また、乗員の車両乗車時における各種情報
を用いてベルトスラック除去制御が行われるようにな
る。したがって、シートベルトの通常装着時にベルトス
ラックが発生したままになることが防止される。これに
より、通常装着時でのコンフォート性がより効果的に保
持され、しかも緊急時のシートベルトによる乗員の拘束
性がより確実に維持される。しかも、緊急時にはベルト
スラック除去制御が行われるばかりでなく、ベルトテン
ションが増大することにより、乗員拘束力が大きくな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明のシートベルトシ
ステムの実施の形態の一例を模式的に示すブロック図で
ある。図1に示すように、この例のシートベルトシステ
ム1は、基本的には、モータ駆動によりシートベルトの
巻取りを行うとともに、車体に所定の減速度が作用され
たときシートベルトの引出しを阻止するシートベルトリ
トラクタ2と、シートベルトリトラクタ2のシートベル
ト巻取りを制御することによりシートベルトのスラック
除去を制御するベルトスラック除去制御装置3と、通常
装着時にベルトスラックを除去するためにベルトスラッ
ク除去制御装置3を制御する制御部(以下、CPUとも
いう)4と、イグニッションキーがオンしたことを検出
するイグニッションキーのオンまたはドアーロックがオ
ンされたことを検出するイグニッションキーオンまたは
ドアーロックオン検出手段5と、ベルト引出を検出する
ベルト引出検出手段6と、タングがバックルに挿入係止
されたことを検出するバックル装着検出手段7と、乗員
の車両乗車時における各種情報であるブレーキペダル踏
込情報を検出するブレーキペダル踏込検出手段8とから
構成されている。そして、CPU4にはこれらの各検出
手段5,6,7,8がそれぞれ接続されている。
【0013】ベルトスラック除去制御装置3はシートベ
ルトリトラクタ2のモータが兼用されており、このモー
タの駆動トルクでシートベルトリトラクタ2のリールを
直接回転させてシートベルトの巻取りを行うことによ
り、ベルトスラックを除去するものである。CPU4
は、イグニッションキーオンまたはドアーロックオン検
出手段5と、ベルト引出検出手段6と、バックル装着検
出手段7と、ブレーキペダル踏込検出手段8とからのそ
れぞれの出力信号に基づいてベルトスラック除去信号を
ベルトスラック除去制御装置3に出力するようになって
いる。
【0014】次に、このように構成されたこの例のシー
トベルトシステムのベルトスラック除去制御の作用につ
いて説明する。図2に示すように、まずステップS1で
イグニッションキーオンまたはドアーロックオン検出手
段5からの検出信号に基づいてイグニッションキーがオ
ンしたかあるいはしないか、またはドアーロックがオン
したかあるいはしないかが、CPU4によって判断され
る。イグニッションキーまたはドアーロックがオンしな
いと判断されると、ベルトスラック除去制御はそのまま
終了し、再びスタートから開始される。
【0015】ステップS1でイグニッションキーまたは
ドアーロックがオンしたと判断されると、乗員が車両に
乗車して車両シートに着座したと判断され、続いてステ
ップS2でベルト引出検出手段6からの検出信号に基づ
いてシートベルトの引出が開始されたか否かが判断され
る。シートベルトの引出が開始されないと判断される
と、ベルトスラック除去制御はそのまま終了され、再び
スタートから開始される。ステップS2でシートベルト
の引出が開始されたと判断されると、乗員がシートベル
トを着用するためシートベルトの引出を開始したと判断
され、ステップS3でバックル装着検出手段7からの検
出信号に基づいてタングがバックルに挿入係止されたか
否か、つまりバックルが装着されたか否かが判断され
る。バックルが装着されないと判断されると、ベルトス
ラック除去制御はそのまま終了され、再びスタートから
開始される。
【0016】ステップS3でバックルが装着されたと判
断されると、ステップS4でこのバックル装着時から経
過した時間がタイマの設定時間を超えたとき、ステップ
S5でCPU4によりベルトスラック除去制御装置3で
あるモータが駆動され、シートベルトの巻取が行われ
る。これにより、乗員がシートベルト着用のために余分
に引き出したシートベルトが巻き取られる。続いて、ス
テップS6で図示しないベルトテンション検出手段から
の検出信号に基づいてベルトテンションが発生したか否
かが判断される。ベルトテンションが発生していないと
判断されると、モータによるベルト巻取がそのまま続け
て行われる。なお、このようにモータによるベルト巻取
を続行することに代えて、図示しないがタイマを設け、
このタイマをベルトテンションが発生していないと判断
されたときからベルトスラックが除去可能な予め設定さ
れた設定時間だけ作動させ、このタイマの作動時間だけ
モータを駆動し、その後ステップS7のモータ停止の処
理に移行してモータを停止させるようにモータの駆動を
制御することもできる。
【0017】モータによるベルト巻取でベルトスラック
が除去され、ベルトテンション発生が検出されると、ス
テップS7でモータの回転が停止し、モータによるベル
ト巻取が終了する。これにより、余分に引き出したシー
トベルトが巻き取られてベルトスラックが除去され、シ
ートベルトは乗員にフィットした状態にセットされる。
このとき、ベルトテンションが発生してすぐにモータが
停止されるので、ベルトテンションが実質的に0で非常
に小さいものとなっている。したがって、乗員はシート
ベルトを着用しても圧迫感をほとんど抱くことがなく、
シートベルトの通常装着時でのコンフォート性が向上す
る。また、ベルトスラックが除去されているので、緊急
時にシートベルトリトラクタ2によるベルト巻取でベル
トテンションが所定の値に迅速に増大してシートベルト
により乗員が確実に拘束されるようになる。これによ
り、シートベルトの通常装着時には乗員に対するコンフ
ォート性が良好であり、しかも緊急時にはシートベルト
による乗員の拘束性が向上するようになる。
【0018】この状態で車両が走行しているとき、ステ
ップS8で通常ブレーキのためのブレーキペダル踏込が
検出されたか否かが判断される。ブレーキペダル踏込検
出手段8からの検出信号に基づいてブレーキペダル踏込
が検出されなく、ブレーキペダルが踏み込まれないと判
断されると、ベルトスラック除去制御はそのまま終了さ
れ、再びスタートから開始される。また、ブレーキペダ
ル踏込検出手段8からの検出信号に基づいてブレーキペ
ダル踏込が検出され、ブレーキペダルが踏み込まれたと
判断されると、前述のステップ4の処理に移行し、CP
U4はステップ4以降の処理を実行する。
【0019】すなわち、ステップS4でこのブレーキペ
ダル踏込検出時から経過した時間がタイマの設定時間を
超えたとき、ステップS5でモータ駆動によるシートベ
ルトの巻取の処理が実行される。しかし、このとき、ベ
ルトスラックが発生していないと小さなベルトテンショ
ンの発生がすぐに検出されるので、ステップS7の処理
が実行され、モータはほとんど駆動することなく停止さ
れる。つまり、モータは実質的に駆動されない。また、
ステップS5でのモータ駆動によるシートベルトの巻取
の処理の実行開始時に、通常装着状態で例えばコンソー
ルボックス等の物を取るため等に乗員が正規着座姿勢か
ら移動してシートベルトが引き出されたり、乗員自らの
ベルト引出動作によりシートベルトが引き出されたりし
て、ベルトスラックが発生していると、ステップS5で
モータが回転され、ベルト巻取が実行される。そして、
前述の場合と同様にベルトスラックが除去され、ベルト
テンション発生が検出されると、モータの回転が停止
し、モータによるベルト巻取が終了する。これにより、
再びシートベルトはベルトスラックがない乗員にフィッ
トした状態にセットされ、このときにもベルトテンショ
ンは実質的に0で非常に小さいものとなる。したがっ
て、乗員はシートベルトを着用しても圧迫感をほとんど
抱くことがなく、シートベルトの通常装着時でのコンフ
ォート性が保持されるとともに、緊急時のシートベルト
による乗員の拘束性が維持される。特に、ブレーキペダ
ルの踏込が通常走行時には繰り返し行われることから、
シートベルトの通常装着時にベルトスラックが発生した
ままになることはほとんどなくなる。
【0020】乗員の車両乗車時における各種情報である
ブレーキペダル踏込の検出としては、図3に示すように
ブレーキペダルの踏込変位の検出、同ペダルの踏込速度
の検出あるいは同ペダルの踏込加速度の検出等がある。
【0021】ところで、シートベルトの通常装着時にお
けるブレーキペダルの踏込には、前述の通常ブレーキの
ためのブレーキペダルの踏込以外に、障害物との衝突が
予測されて急ブレーキを行うための緊急時のブレーキペ
ダルの踏込がある。衝突の予測等の緊急時のブレーキペ
ダルの踏込では、ベルトスラック除去制御を行うが、ベ
ルトテンションを通常装着時の0またはほぼ0より増大
して乗員拘束力を大きくする必要がある。そこで、緊急
時のブレーキペダルの踏込であることを、前述のブレー
キペダルの踏込変位の検出、同ペダルの踏込速度の検出
あるいは同ペダルの踏込加速度の検出に基づいて判断す
るようにする。また、ブレーキペダルの踏込の検出と例
えばレーダによる障害物との相対距離や相対速度等の他
の情報とに基づいて、緊急時のブレーキペダルの踏込で
あることを判断することもできる。
【0022】このようにこの例のシートベルトシステム
によれば、シートベルトの通常装着時には、シートベル
トをベルトスラックがなくしかもベルトテンションが非
常に小さく実質的に0にして乗員にフィットさせること
ができる。したがって、乗員に対してシートベルト着用
時の圧迫感をほとんど抱かせず、シートベルトの通常装
着時でのコンフォート性をより確実に保持できるととも
に、緊急時のシートベルトによる乗員の拘束性をより確
実に維持できる。特に、ブレーキペダルの踏込が通常走
行時には繰り返し行われることから、シートベルトの通
常装着時にベルトスラックが発生したままになることを
防止できる。しかも、緊急時にはベルトスラック除去制
御を行うばかりでなく、ベルトテンションを増大して、
乗員拘束力を大きくすることができる。
【0023】なお、ベルトスラック除去制御のための、
乗員の車両乗車時における各種情報の検出としては、前
述のブレーキペダルの踏込の検出の他に、図3に示すよ
うに次のような検出がある。すなわち、ブレーキペダル
の解放の検出があり、このブレーキペダルの解放変位の
検出、同ペダルの解放速度の検出あるいは同ペダルの解
放加速度の検出等がある。また、他の各種情報の検出と
して、アクセルペダルの踏込の検出があり、このアクセ
ルペダル踏込の検出としては、アクセルペダルの踏込変
位の検出、同ペダルの踏込速度の検出あるいは同ペダル
の踏込加速度の検出等がある。更に、他の各種情報の検
出として、アクセルペダルの解放の検出があり、このア
クセルペダル解放の検出としては、アクセルペダルの解
放変位の検出、同ペダルの解放速度の検出あるいは同ペ
ダルの解放加速度の検出等がある。
【0024】更に、他の各種情報の検出として、ハンド
ルの操舵の検出があり、この操舵の検出としては、操舵
角の検出、操舵速度の検出あるいは操舵加速度の検出等
がある。更に、他の各種情報の検出として、ハンドルの
戻しである操舵戻りの検出があり、この操舵戻りの検出
としては、操舵戻り変位の検出、操舵戻り速度の検出あ
るいは操舵戻り加速度の検出等がある。
【0025】以上の各種情報の検出は、車両の運転に関
する情報であるが、その他、例えば車両に乗車している
乗員の挙動の検出がある。この乗員挙動検出としては、
乗員のシート着座時のシート荷重の検出、乗員が移動す
ることによりシート荷重分布変化の検出、車両に設けた
カメラ等の画像検出手段を用いた画像による乗員挙動検
出あるいは赤外線による乗員挙動検出等がある。更に、
他の各種情報の検出として、車両の挙動の検出があり、
この車両の挙動の検出としては、車両のスピンの検出、
車両の加速の検出、車両の減速の検出、車輪の空転の検
出あるいは車輪のロックの検出検出等がある。
【0026】更に、各種情報の検出として、道路状況の
検出がある、この道路状況の検出としては、水平路の検
出、上り坂の検出、下り坂の検出、左傾斜路の検出、右
傾斜路の検出、舗装路の検出あるいは非舗装路の検出が
ある。更に、図示しないが道路状況の検出として、直線
路の検出や曲線路の検出等がある。これらの各種情報の
検出のうち、特に、操舵検出、乗員挙動検出、車両挙動
検出、道路状況検出による情報は、ベルトスラック除去
制御に用いられるばかりでなく、緊急時のベルトテンシ
ョン増大制御のためにも用いられる。なお、前述の各種
情報は互いに組み合わせて用いることでベルトスラック
除去制御を行うようにすることもできる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシートベルトシステムによれば、シートベルトの通常
装着時には、シートベルトをベルトスラックがなく、し
かもベルトテンションが非常に小さく実質的に0にして
乗員にフィットさせることができる。したがって、乗員
に対してシートベルト着用時の圧迫感をほとんど抱かせ
ず、シートベルトの通常装着時でのコンフォート性をよ
り確実に保持できる。しかも、通常装着時にベルトテン
ションを0またはほぼ0の非常に小さい値に設定しても
緊急時のシートベルトによる乗員の拘束性をより確実に
維持できる。
【0028】特に、乗員の車両乗車時における各種情報
を用いてベルトスラック除去制御を行うようにしている
ので、シートベルトの通常装着時にベルトスラックが発
生したままになることを防止できる。これにより、通常
装着時でのコンフォート性をより効果的に保持でき、し
かも緊急時のシートベルトによる乗員の拘束性をより確
実に維持できる。しかも、緊急時にはベルトスラック除
去制御を行うばかりでなく、ベルトテンションを増大す
ることにより、乗員拘束力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシートベルトシステムの実施の形態
の一例を模式的に示すブロック図である。
【図2】 図1に示す例のシートベルトシステムにおけ
るベルトスラック除去制御のためのフローを示す図であ
る。
【図3】 図1に示す例のシートベルトシステムにおけ
るベルトスラック除去制御のために用いられる各種情報
を説明する図である。
【符号の説明】
1…シートベルトシステム、2…シートベルトリトラク
タ、3…ベルトスラック除去制御装置、4…制御部(C
PU)、5…イグニッションオンまたはドアロックオン
検出手段、6…ベルト引出検出手段、7…バックル装着
検出手段、8…乗員の車両乗車時における各種情報の検
出手段(ブレーキペダル踏込検出手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ駆動によりシートベルトを巻き取
    るシートベルトリトラクタを少なくとも備えているシー
    トベルトシステムにおいて、 ベルトスラック除去制御を行うベルトスラック除去制御
    装置と、 乗員の車両乗車時における、車両運転情報、車両挙動情
    報、乗員挙動情報および道路状況情報等の乗員の車両乗
    車時における各種情報の少なくとも1つに基づいて前記
    ベルトスラック制御装置を作動制御することで、シート
    ベルトの通常装着時にベルトスラックを除去しかつベル
    トテンションを0またはほぼ0となるように設定する制
    御装置と、を備えていることを特徴とするシートベルト
    システム。
  2. 【請求項2】 前記乗員の車両乗車時における各種情報
    は、ブレーキペダル踏込情報、ブレーキペダル解放情
    報、アクセルペダル踏込情報、アクセルペダル解放情
    報、操舵情報、操舵戻り情報、乗員の挙動情報、車両の
    挙動情報、道路状況情報の少なくとも1つであることを
    特徴とする請求項1記載のシートベルトシステム。
  3. 【請求項3】 前記各種情報の少なくとも1つに基づい
    て車両衝突が予測される等の緊急時には、前記制御装置
    がベルトスラック除去制御装置にベルトスラック除去制
    御を行わせるとともに、ベルトテンションをシートベル
    トの通常装着時より増大させるようにしたことを特徴と
    する請求項1または2記載のシートベルトシステム。
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