JP2006315759A

JP2006315759A - ガラス板搬送パレット

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Publication number: JP2006315759A
Application number: JP2005197261A
Authority: JP
Inventors: Takao Hirabayashi; 孝夫平林; Yuji Fuse; 裕児布施; Kenichi Nakamoto; 謙一中元
Original assignee: DRS CO Ltd; Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: DRS CO Ltd; AGC Inc
Priority date: 2005-04-12
Filing date: 2005-07-06
Publication date: 2006-11-24
Anticipated expiration: 2025-07-06
Also published as: KR20070120968A; WO2006112121A1; JP4735085B2; CN101160249A; KR101231162B1; TWI364389B; CN101160249B; TW200642929A

Abstract

【課題】複数のガラス板が搬送パレットに縦置きで積層された場合でも、これらガラス板の中央近傍に撓みを生じさせることなく、移動においてもガラス板同士の滑動を生じさせることのない操作性に優れたガラス板搬送パレットを提供すること。
【解決手段】センターバー１０を縦置きに積層したガラス板１７を覆ったカバー体７の中央部１７ａの近傍に当接させたことにより、積層支持された各ガラス板１７の中央部１７ａ近傍における撓みをセンターバー１０で抑えることができるので、搬送パレット１の移送中であっても積層支持したガラス板１７の移動を確実に阻止して、ガラス板１７の破損を未然に防止することができる。また、積層支持したガラス板１７のセンターバー１０による固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、更にガラス板１７の積層枚数が増減しても、センターバー１０の揺動半径を変えることで容易に対応できる。
【選択図】図６

Description

本発明は、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットに関する。

従来、金属板を横置きに複数枚積層して搬送する搬送パレットが知られており、この種の搬送パレットは、パレット基板の幅方向両端部に複数の支柱を立設し、支柱に設けた切り欠きに嵌合した拘束板をパレット基板上に積載した複数の金属板に載せることにより、複数の金属板の揺れによる金属板の滑動を防止している（例えば、特許文献１参照）。

特開平９−３０５２６号公報（段落００１０、００１１及び図２、４参照）

しかしながら、特許文献１にあっては、積載荷重に耐えることができる金属板の場合には便利であるが、被搬送体が薄くて大きなガラス板である場合には、積載重量が下のガラス体に加わるので破損しやすく、積載量に制限があった。そこで、パレット基板上に多くのガラス板を積載するためにはガラス板に積載荷重が掛からないように縦置きにする方法が一般的であり、荷崩れ防止のためには積層ガラス体に対して縦横にラッシングベルト等を巻き付けて固定する方法が採られていた。しかしながら、ガラス板を縦置きにした場合には、ガラス板の自重により中央部が撓みやすくきつく縛ってもラッシングベルト等が緩み、搬送中にガラス板同士が滑動して位置ずれを起こし破損する恐れがあった。

本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、複数のガラス板が搬送パレットに縦置きで積層された場合でも、これらガラス板の中央近傍に撓みを生じさせることなく、移動においてもガラス板同士の滑動を生じさせることのない操作性に優れたガラス板搬送パレットを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の請求項１に記載のガラス板搬送パレットは、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記センターバーがガラス板の左右の長さ方向に延びて積層支持したガラス板の最前列ガラス板の前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴としている。
この特徴によれば、積層支持したガラス板の中央部近傍における撓みをセンターバーで抑えることができるので、搬送パレットの移送中であっても積層支持したガラス板の移動を確実に阻止してガラス板の破損を未然に防止することができる。また、積層支持したガラス板の固定と解放は支持アームの揺動運動で行えるので操作が楽であり、更にガラス板の積層枚数が増減しても、センターバーの揺動半径を変えることで容易に対応できる。

上記課題を解決するために、本発明の請求項２に記載のガラス板搬送パレットは、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記積層支持したガラス板はケースボックス内に収納され、前記センターバーが前記ケースボックスの左右の長さ方向に延びて該ケースボックスの前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴としている。
この特徴によれば、積層支持したガラス板がケースボックス内に収納されているので、ケースボックスを搬送パレットから卸したときもケースボックス内のガラス板をクリーンな状態に保つことができる。また、センターバーがケースボックスの長さ方向に延びてその前面中央部近傍で当接しているので、搬送パレットの移送中であってもケースボックスの移動を阻止することができる。更に、ケースボックスの固定と解放は支持アームの揺動運動で行えるので操作が楽であり、ケースボックスの数が増減しても、支持アームの揺動半径を変えることで容易に対応できる。

本発明の請求項３に記載のガラス板搬送パレットは、請求項２に記載のガラス板搬送パレットであって、前記ケースボックスの前面に上下方向に延びる補強バーが設けられ、前記センターバーが前記補強バーの前端面の略中央部近傍で当接することで積層支持されたガラス板の移動を阻止することを特徴としている。
この特徴によれば、センターバーがケースボックスの前面に設けた補強バーの略中央部近傍に当接することで、センターバーによる押圧力を補強バーを介してケースボックスの上下方向に渡って均等に分散して、ケースボックスを介して積層支持されたガラス板を安全確実に移送させることができる。

上記課題を解決するために、本発明の請求項４に記載のガラス板搬送パレットは、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記積層支持したガラス板は前面、側面および上面がガラスカバー体で覆われ、前記センターバーが前記ガラスカバー体の左右の長さ方向に延びて該ガラスカバー体の前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴としている。
この特徴によれば、積層支持したガラス板がガラスカバー体で覆われているのでガラス板をクリーンな状態に保つことができ、積層支持したガラス板の中央部近傍における撓みもガラスカバー体で抑えることができる。また、センターバーがガラスカバー体の長さ方向に延びてその前面中央部近傍で当接しているので、搬送パレットの移送中であってもガラスカバー体を介して積層支持したガラス板の移動を確実に阻止することができる。更に、ガラスカバー体の固定と解放は支持アームの揺動運動で行えるので操作が楽であり、ガラス板の積層枚数が増減しても、支持アームの揺動半径を変えることで容易に対応できる。

本発明の請求項５に記載のガラス板搬送パレットは、請求項４に記載のガラス板搬送パレットであって、前記ガラスカバー体の前面に上下方向に延びる補強バーが設けられ、前記センターバーが前記補強バーの前端面の略中央部近傍で当接することで積層支持されたガラス板の移動を阻止することを特徴としている。
この特徴によれば、センターバーがガラスカバー体の前面に設けられた補強バーの略中央部近傍に当接することで、センターバーによる押圧力を補強バーを介してガラスカバー体の上下方向に渡って均等に分散して、ガラスカバー体を介して積層支持されたガラス板を安全確実に移送することができる。

上記課題を解決するために、本発明の請求項６に記載のガラス板搬送パレットは、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記積層支持したガラス板はケースボックス内に収納され、該ケースボックスは前面、側面および上面がガラスカバー体で覆われ、前記センターバーが前記ガラスカバー体の左右の長さ方向に延びて該ガラスカバー体の前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴としている。
この特徴によれば、積層支持したガラス板がケースボックス内に収納され、更にこのケースボックスがガラスカバー体で覆われているので、ケースボックスを搬送パレットから卸したときもケースボックスをクリーンな状態に保つことができる。また、センターバーがガラスカバー体の長さ方向に延びてその前面中央部近傍で当接しているので、搬送パレットの移送中であってもガラスカバー体を介してケースボックスの移動を確実に阻止することができる。更に、ガラスカバー体の固定と解放は支持アームの揺動運動で行えるので操作が楽であり、ケースボックスの数が増減しても、支持アームの揺動半径を変えることで容易に対応できる。

本発明の請求項７に記載のガラス板搬送パレットは、請求項６に記載のガラス板搬送パレットであって、前記ガラスカバー体の前面に上下方向に延びる補強バーが設けられ、前記センターバーが前記補強バーの前端面の略中央部近傍で当接することで積層支持されたことを特徴としている。
この特徴によれば、センターバーがガラスカバー体の前面に設けられた補強バーの略中央部近傍に当接しているので、センターバーによる押圧力を補強バーを介してガラスカバー体の上下方向に渡って均等に分散し、さらにガラスカバー体を介してケースボックスが保持されるので、ガラスカバー体を介してガラス板が積層支持されたケースボックスの移動を確実に阻止することができる。

本発明の請求項８に記載のガラス板搬送パレットは、請求項３または５または７のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記補強バーは前記センターバーの長さ方向に沿って複数設けられたことを特徴としている。
この特徴によれば、センターバーからの押圧力が複数の補強バーを介して、ガラス板を保持したケースボックスあるいはケースカバー体の広域に渡って均一に分散されるので、ケースボックスあるいはケースカバー体の撓みを抑えることができ、ガラス板より安全確実に移送することができる。

本発明の請求項９に記載のガラス板搬送パレットは、請求項１乃至８のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記支持アームは前記背面支持体の左右両側に配設され、各一端がセンターバーの左右端近傍と連接し、各他端が回動軸に支持されていることを特徴としている。
この特徴によれば、該支持アームが回動軸に支持されているので、センターバーを上下に操作するだけで、センターバーをガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で容易に且つ均等に揺動移動させることができる。

本発明の請求項１０に記載のガラス板搬送パレットは、請求項９に記載のガラス板搬送パレットであって、前記回動軸にはセンターバーがガラス板の前面側から背面支持体の上方側あるいは載置台側へ揺動するときは助勢し、背面支持体の上方側あるいは載置側からガラス板の前面側へ揺動するときは抵抗を与えるダンパー機構が付設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、センターバーをガラス板の前面側から解放操作するときは助勢されるので操作が軽く行え、センターバーをガラス板の前面側に向けて押圧するときは勢いよく当接しないので安全である。

本発明の請求項１１に記載のガラス板搬送パレットは、請求項１乃至１０のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記支持アームは伸縮自在に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持アームは伸縮自在に構成されているので、積載されるガラス板の枚数あるいはケースボックスの数量に応じて、支持アームを伸縮させて支持アームの揺動半径を変えることができる。

上記課題を解決するために、本発明の請求項１２に記載のガラス板搬送パレットは、請求項１乃至１１のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記載置台と、背面支持体のガラス板またはケースボックスと当接する部分には緩衝材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、緩衝材によりガラス板またはケースボックスを搬送パレットに載置する作業中、および搬送パレットの移動時にガラス板が損傷することを防止できる。

上記課題を解決するために、本発明の請求項１３に記載のガラス板搬送パレットは、請求項４乃至１１のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記ガラスカバー体のガラス板またはケースボックスと当接する部分には緩衝材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送パレットの移送時にガラスカバー体がガラス板またはケースボックスと当接しても、緩衝材によって衝撃を和らげガラス板が損傷することを防止できる。

上記課題を解決するために、本発明の請求項１４に記載のガラス板搬送パレットは、請求項１乃至１３のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体にはキャスタが複数設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送パレットを床面に沿って自由な方向に移動させることができるとともに、複数のキャスタによりガラス板に極力振動を与えずに移動が行える。

本発明の請求項１５に記載のガラス板搬送パレットは、請求項１乃至１４のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記センターバーの前面側に手掛け部を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、手掛け部を利用することでセンターバーの上げ下ろしを円滑に行うことができる。

本発明の実施例を以下に説明する。

図１は、本発明の実施例１におけるガラス板搬送パレットの正面側構造を示す斜視図であり、図２は、ガラス板搬送パレットの背面側構造を示す斜視図であり、図３は、ガラス板搬送パレットの側面構造を示す一部破断側面図で、（ａ）はガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーから解放した状態を示す側面図であり、（ｂ）は、センターバーを下方に移動させ、ガラスカバー体を介してケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。

このガラス板搬送パレット（以下、搬送パレット）は、ガラス板を複数枚縦置きに積層させて搬送可能になっており、ガラス板の運搬及び移動用に使用される台車として利用されている。そこで、本発明の実施例１を図面に基づいて説明すると、図１，図２に示されるように、搬送パレット１は、主にガラス板を支持するパレット本体１ａとガラス板を保持するセンターバー１０を支持した支持アーム９とから構成されている。以下、実施例１の説明において、搬送パレット１の正面側を前方とし、搬送パレット１の背面側を後方とし、搬送パレット１の両側方向を左右方向として説明する。

パレット本体１ａは、ガラス板の底部を支持する載置台２と、ガラス板の背面を支持する背面支持体３と、載置台２の後方位置より立設された支注５と、この支柱５を補強する補強材１５と、背面支持体３と支注５を連結する上段枠材４ａ，中段枠材４ｂ，下段枠材４ｃと、これら載置台２，背面支持体３，支柱５を支持する下部底台１９と、からなる金属枠材で構成されている。

図２に示されるように、上段枠材４ａの下部にはアーム軸受部材６が取り付けられており、パレット本体１ａの両幅の長さ方向に渡る金属棒状の回動軸１３がアーム軸受部材６に回動自在に介挿して軸支され、この回動軸１３の左右両端に支持アーム９の他端が連結されている。回動軸１３の所定間隔離間された左右位置には、回動片１２の一端が固定され取り付けられ、これら左右の回動片１２の他端にそれぞれダンパー１１の上端部が軸支されるとともに、ダンパー１１の下端部は左右の下段枠材４ｃ間に連結されたダンパー支持材１４に取り付けられ、支持アーム９と回動片１２が側面視略垂直の位置関係となっている。ダンパー１１は上下方向に伸長する付勢力が働く油圧式、空圧式またはバネ式のダンパーが用いられている。

支柱５の上部には後述する支持アーム９の上方揺動時に回動を規制するアーム受金具５ａが取り付けられている。図１に示されるように、センターバー１０は、パレット本体１ａの両幅の長さ方向に渡る金属棒状の支軸１０ｂに緩衝性の高い保持材１０ａが設けられ、両端部が金属板状の支持アーム９の一端に回動自在に軸支されている。

複数縦置きで積層したガラス板１７は図３に示すように、ケースボックス８内にケースボックス単位で収納されており、本実施例では２つのケースボックスが利用されているが、ケースボックスの数はガラス板の厚みや枚数、大きさに応じて適宜選択すればよい。このケースボックス８を立設させた状態で背面支持体３に傾斜させて載置台２に載置し、さらにケースボックス８を覆うようにガラスカバー体（以下、カバー体）７がケースボックス８の前面，側面および上面を覆うように設けることで、複数のガラス板が間接的にパレット本体１ａに支持されている。

なお、載置台２の上面には緩衝材２ａが施されケースボックス８およびカバー体７の底部が当接されるとともに、背面支持体３の前面にも緩衝材３ａが施されており、ケースボックス８およびカバー体７の背面部が当接され、間接的にガラス板が保護されている。また、これら緩衝材２ａ，３ａはケースボックス８およびカバー体７の滑り止めにもなっている。つまり、緩衝材２ａ，３ａによってガラス板またはケースボックス８を搬送パレット１に載置する作業中や、搬送パレット１の移動時にケースボックス８が移動して内部に収納されたガラス板が損傷することを防止できる。

また、載置台２の下面には、回動ロック機能を備えたキャスタ１８が所定間隔で複数個取り付けられ、パレット本体１ａを自由な方向に移動可能になっているとともに、複数のキャスタ１８によって搬送パレット１が安定的に支持され、ケースボックス８内のガラス板全体に極力振動を与えないようになっている。そして、特に図示しないが所望の位置でキャスタ１８の回動をロックすることで、搬送パレット１の移動が安易に行われない構成になっている。

カバー体７は硬質プラスチック材で形成されており、軽量且つ強固に形成され、カバー体７の前面７ａには半リング状の持ち上げ部７ｄが所定間隔で複数設けられており、持ち上げ部７ｄを利用してカバー体７の移動操作が行い易くなっている。

次いで、センターバー１０を利用したカバー体７の保持操作について具体的に説明すると、図３（ａ）に示されるように、センターバー１０の開放状態ではダンパー１１の作用によって回動片１２の他端が持ち上げられ、この回動片１２の動きに連動して回動軸１３を介して支持アーム９が上方に向けて揺動するように付勢されており、アーム受金具５ａによって支持アーム９の動きが規制され、上方やや後傾された状態で位置固定される。

このように、支持アーム９の回動にダンパー１１を付設したことにより、センターバー１０を解放操作するときは支持アーム９がカバー体７の前面側から背面支持体３の上方側に揺動して助勢されるので操作が軽く行える。さらに、支持アーム９は背面支持体３の左右両側に配設され、回動軸１３に支持されているので、センターバー１０を上方向に操作するだけで、簡便にセンターバー１０をカバー体７の前面側と背面支持体３の上方側に容易に且つ均等に揺動移動させることができる。

なお、カバー体７の前面７ａの背面には複数箇所に緩衝材７ｅが設けられ、ガラス板１７が積層収納されたケースボックス８に当接されており、カバー体７の取り付け時や、外部からカバー体７に衝撃が加えられてもカバー体７内のケースボックス８やガラス板１７に対する衝撃を和らげ損傷が防止されている。さらに、図示しないがケースボックス８の内面とガラス板１７の間にも緩衝材が設けられており、ガラス板１７に極力振動を与えることのない構成となっている。

次いで、図３（ｂ）に示されるように、センターバー１０の解放状態〔図３（ａ）参照〕からセンターバー１０をカバー体７の前方側に押し下げていくと、支持アーム９の揺動に連動して、回動軸１３を介して回動片１２が回動されダンパー１１が圧縮されていく。つまり、ダンパー１１によって背面支持体３の上方側からカバー体７の前面側へ揺動するときは抵抗を与えるダンパー１１にり抵抗が与えられ、センターバー１０をカバー体７の前面７ａ側に向けて押圧するときは勢いよく当接することのない安全な構成になっている。

さらに、センターバー１０を押し下げてカバー体７の前面に近接させていくと、ダンパー９の上端部がやや斜め後方に傾斜された位置に移動され、回動片１２を上方に押し上げる力が働く。するとカバー体７の前面７ａの中央部近傍にセンターバー１０の保持材１０ａがセンターバー１０をさらに押し下げるように付勢力が与えられるようにして当接し、カバー体７の前面７ａが押圧されるので、カバー体７を介してケースボックス８が背面支持体３に安定して当接保持される。

このように、積層支持されたガラス板１７がケースボックス８内に収納され、更にこのケースボックス８がカバー体７で覆われているので、ケースボックス８を搬送パレット１から卸したときもケースボックス８をクリーンな状態に保つことができる。また、センターバー１０がカバー体７の長さ方向に延びて、その中央部近傍で当接しているので、搬送パレット１の移送中であってもカバー体７を介してケースボックス８の移動を確実に阻止することができる。更に、カバー体７の固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、ケースボックス８の数が増減しても、支持アーム９の揺動半径を変えることで容易に対応できる。

図４は、本発明の実施例２におけるガラス板搬送パレットの正面側構造を示す斜視図であり、図５は、ガラス板搬送パレットの側面構造を示す一部破断側面図であり、図５（ａ）は、補強バーが設けられたガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーから解放した状態を示す側面図であり、図５（ｂ）は、センターバーを下方に移動して補強バーに当接させ、ガラスカバー体を介してケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。なお、以下の実施例２において前述の実施例１と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。

ケースボックス８を覆うカバー体７は硬質プラスチック材で形成されており、軽量且つ強固に形成されている。図４に示されるように、カバー体７の前面７ａには、アルミ等の金属または硬質プラスチックで成型された上下方向に延びる補強バー１６が、パレット本体１ａの左右の長さ方向に所定間隔で複数本（本実施例では３本）設けられており、この補強バー１６によって前面７ａの撓みが防止されるとともに、カバー体７全体の補強材となっている。また、カバー体７の前面７ａには半リング状の持ち上げ部７ｄが所定間隔で複数設けられており、持ち上げ部７ｄを利用してカバー体７の移動操作が行い易くなっている。

次いで、センターバー１０を利用したカバー体７の保持操作について具体的に説明すると、図５（ａ）に示されるように、センターバー１０の開放状態では支持アーム９が上方に向けて揺動するように付勢され、アーム受金具５ａによって上方やや後傾された状態で位置固定される。そして、図５（ｂ）に示されるように、センターバー１０の解放状態〔図５（ａ）参照〕から、センターバー１０を押し下げてカバー体７の前面に近接させていくと、ダンパー９の上端部がやや斜め後方に傾斜された位置に移動され、回動片１２を上方に押し上げる力が働く。

すると、センターバー１０の保持材１０ａがセンターバー１０をさらに押し下げるように付勢力が与えられるようにして、全て（３本）の補強バー１６の前端面１６ａの略中央位置近傍に当接され、センターバー１０の押圧力が補強バー１６を介してカバー体７の上下方向に渡って均等に分散され、カバー体７の前面７ａが押圧されて保持され、さらにカバー体７を介してケースボックス８が保持されるので、このカバー体７を介してケースボックス８が背面支持体３に安定して当接保持される。

このようにして、センターバー１０がカバー体７の左右方向に延びて、補強バー１６の中央部近傍で当接されているので、搬送パレット１の移送中であってもカバー体７が確実に保持されるとともに、このカバー体７を介してケースボックス８の移動を確実に阻止することができる。しかも、補強バー１６を設けたことでカバー体７の前面７ａの一部にセンターバー１０の押圧力が集中しない構成となり、センターバー１０の押圧力をカバー体７の前面７ａの上下方向に渡って均等に分散させることができる。

更に補強バー１６がセンターバー１０の長さ方向に沿って複数設けられたことで、センターバー１０からの押圧力が複数の補強バー１６を介して、ケースボックス８の広域に渡って均一に分散されるので、より確実にケースカバー体の撓みを抑えながら安定して内部のケースボックス８をパレット本体１ａ側に保持可能になる。そして、ケースボックス８の内部に積層されたガラス板１７が安定支持され、ガラス板の搬送中においてもより安定した状態で移送を行える。

パレット本体１ａへのガラス板１７の載置形態としては、実施例１及び２に限定されるものではなく、実施例３として図６に基づいて説明する。なお、以下の実施例３において前述の実施例１と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。

まず、図６（ａ）には、ガラス板１７をセンターバー１０で直接保持した変形例である側面図が示されており、ガラス板を一枚ずつの底部１７ｂを載置台２に載置させ、最後尾のガラス板の背面部１７ｃを背面支持体３に載置させ複数枚に積層されている。そして、支持アーム９の揺動によって上方から載置台２側にセンターバー１０が最前列のガラス板１７’の中央部１７ａの近傍に直接当接され、積層されたガラス板１７が支持される。

なお、積層されたガラス板１７がセンターバー１０で直接支持された場合でも、緩衝材３ａ、緩衝材２ａ、保持材１０ａにより損傷の発生の恐れが回避されている。後述する他の変形例においても同様である。

このように、センターバー１０が最前列のガラス板１７’の中央部１７ａの近傍に当接されたことにより、積層支持された各ガラス板１７の中央部１７ａ近傍における撓みをセンターバー１０で抑えることができるので、搬送パレット１の移送中であっても積層支持したガラス板１７の移動を確実に阻止して、ガラス板１７の破損を未然に防止することができる。また、積層支持したガラス板１７のセンターバー１０による固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、更にガラス板１７の積層枚数が増減しても、センターバー１０の揺動半径を変えることで容易に対応できる。

次いで、図６（ｂ）には、縦置きに積層したガラス板１７を覆うカバー体７をセンターバー１０で保持した変形例である側面図が示されている。載置台２および背面支持体３には積層されたガラス板１７が直接載置されている。さらに、積層されたガラス板１７の前面，側面および上面がカバー体７で覆われ、最前列のガラス板１７’とカバー体７の間に緩衝材７ｅが設けられている。

そして、支持アーム９の揺動によってセンターバー１０がカバー体７の前面７ａの中央部近傍に当接され、ガラス板１７が間接的に積層支持されている。したがって、積層支持されたガラス板１７がカバー体７で覆われているので、ガラス板１７をクリーンな状態に保つことができ、積層支持される各ガラス板１７の中央部近傍における撓みもカバー体７で抑えることができる。

また、センターバー１０がカバー体７の左右方向に延びて、カバー体７の前面７ａの中央部近傍で当接されることから、搬送パレット１の移送中であってもカバー体７を介して積層支持したガラス板１７の移動が確実に阻止される。更に、カバー体７のセンターバー１０による固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、ガラス板１７の積層枚数が増減しても、支持アーム９の揺動半径を変えることで容易に対応できる。

実施例４は、前述の実施例２で示された補強バー１６と別の形態例であって、図７に基づいて説明する。図７（ａ）には、補強バー１６の一部を変形した補強バー１６’を示す側面図が示されており、図７（ｂ）には、センターバー１０を下方に移動させ、補強バー１６’を介してガラスカバー体７をセンターバー１０で保持した状態である側面図が示されている。

図７（ａ）に示されるように補強バー１６’の前端面１６ａには、センターバー１０の保持材１０ａを嵌合可能な嵌合部１０ｂが側面視半円状に形成されている。載置台２および背面支持体３には積層されたガラス板１７が直接載置されている。さらに、積層されたガラス板１７の前面，側面および上面がカバー体７で覆われ、最前列のガラス板１７’とカバー体７の間に緩衝材７ｅが設けられている。

そして、図７（ｂ）に示されるように、支持アーム９の揺動によって嵌合部１０ｂにセンターバー１０の保持材１０ａが嵌合され、センターバー１０の保持材１０ａの押圧力が補強バー１６’を介してカバー体７の上下方向に渡って均等に分散され保持されるので、このカバー体７を介してガラス板１７が間接的に積層支持されている。このように、嵌合部１０ｂを備えた補強バー１６’を用いることで、搬送パレット１の移送中に略上下方向に強い振動が加えられた場合でも、カバー体７を介して積層支持されたガラス板１７の移動が確実に阻止される。

尚、補強バー１６’に嵌合部１６ｂを形成した場合でも、カバー体７のセンターバー１０による固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、ガラス板１７の積層枚数が増減等によるカバー体７の前後方向の厚みが調整された場合でも、支持アーム９の揺動半径を変えることで容易に対応できる。また、本実施例による補強バー１６’には、嵌合部１６ｂが左右方向に一本しか形成していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、嵌合部１６ｂを上下方向に所定間隔で複数設けることで、積層されたガラス板の量が変化してカバー体７の前後方向の位置が変化した場合でも、支持アーム９の揺動半径を変えることなく対応できる。

実施例５はパレット本体１ａへのガラス板１７の載置の別の形態例であって、図８に基づいて説明する。図８（ａ）はケースボックス内にガラス板を収納してセンターバーで保持した側面図であり、図８（ｂ）は補強バーが設けられたケースボックスをセンターバーで保持した側面図である。なお、以下の実施例５において前述の各実施例と共通の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。

まず、図８（ａ）に示すように、ガラス板１７を収納した各ケースボックス８が縦置きにして載置台２および背面支持体３に載置され、このケースボックス８の前面中央の近傍位置に支持アーム９の揺動によってセンターバー１０がケースボックス８の中央部近傍に直接当接されている。

このことから、これらケースボックス８を搬送パレット１から卸したときも、ケースボックス８内のガラス板１７をクリーンな状態に保つことができる。なお、ガラス板１７とケースボックス８と当接する部分には図示しない緩衝材が設けられているので、ケースボックス８を搬送パレット１に載置する作業中、および搬送パレットの移動時にガラス板が損傷することを防止できる。

また、センターバー１０がケースボックス８の左右方向に延びて、その前面中央部近傍で当接しているので、搬送パレット１の移送中であってもケースボックス８の移動を阻止することができる。更に、ケースボックス８の固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、ケースボックス８の数が増減しても、支持アーム９の揺動半径を変えることで容易に対応できるようになっている。

図８（ｂ）に示すように、図８（ａ）と同様に各ケースボックス８が載置され、最前に位置した最前部のケースボックス８の前面に上下方向に沿って補強バー１６が設けられ、この補強バー１６の前端面１６ａにセンターバー１０の保持材１０ａを当接することでケースボックス８が保持され、ケースボックス８内の積層されたガラス板１７が間接的に積層支持されている。

このように、ケースボックス８に補強バー１６が設けられた場合、センターバー１０がケースボックス８の左右方向に延びて、その前面に設けられた補強バー１６の前面中央部近傍に当接するので、センターバー１０の押圧力が補強バー１６を介してケースボックス８の上下方向に渡って均等に分散され保持される。したがって、各ケースボックス８が安定して保持され、搬送パレットの移送中であってもケースボックスの移動を阻止することができ、搬送パレット１の移動時にガラス板１７が損傷することを防止できる。そして、ケースボックス８の固定と解放は支持アーム９の揺動運動で行えるので操作が楽であり、ケースボックス８の数が増減しても、支持アーム９の揺動半径を変えることで容易に対応できるようになっている。

実施例６は支持アームの別の形態例であって、図９に基づいて説明する。図９（ａ）は伸縮自在な支持アームでセンターバーを支持して複数のケースボックスを保持した側面図であり、図９（ｂ）は、伸縮自在な支持アームでセンターバーを支持して補強バーを介して、複数のケースボックスを保持した側面図である。なお、以下の実施例６において前述の各実施例と共通の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。

図９（ａ）に示すように、伸縮自在な支持アーム９’により支持されたセンターバー１０で複数のケースボックス８が保持されている。この支持アーム９’はパレット本体１ａの上段枠材４ａに設けられたアーム軸受部材６に回動可能に軸支される揺動杆９ｂと、センターバー１０が軸支される伸縮杆９ｃとから構成され、揺動杆９ｂに形成された摺動溝９ａ内に伸縮杆９ｃが前後方向に伸縮自在になっており、支持アーム９’の長さが調整可能になっており、適宜ボルト等で伸縮杆９ｃの位置固定を外部から簡便に行える。

つまり、積載されるケースボックス８の数量に応じて、支持アーム９’の長さを伸縮させて支持アーム９’の揺動半径を変えることができるようになっており、図示されるようにケースボックス８が多層に積層されても対応できる構成になっている。また、特に図示しないが、ガラス板をパレット本体１ａに多数載置した場合であっても対応可能な支持アーム９’となっている。

そして、前述の実施例で説明したように、搬送パレット１に縦置きで複数の積層したガラス板１７を直接載置させた場合や、カバー体７を介して間接的に載置した場合であっても、積載量に対応して支持アーム９’の長さが変えられる。

図９（ｂ）に示すように、、図９（ａ）と同様に各ケースボックス８が載置され、最前に位置した最前部のケースボックス８の前面に上下方向に沿って補強バー１６が設けられ、この補強バー１６の前端面１６ａにセンターバー１０の保持材１０ａを当接することでケースボックス８が保持され、ケースボックス８内の積層されたガラス板１７が間接的に積層支持されている。

そして積載されるケースボックス８の数量に応じて、支持アーム９’の長さを伸縮させ、補強バー１６を介してケースボックス８を保持した場合、センターバー１０が補強バー１６の前面中央部近傍に当接できるので、センターバー１０の押圧力が補強バー１６を介してケースボックス８の上下方向に渡って均等に分散され保持され、各ケースボックス８が安定して保持される。

次に、本発明の実施例７を図１０に基づいて説明する。図１０（ａ）は、ガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、図１０（ｂ）は、支持アームにセンターバーを取り付ける過程を示す要部拡大側面図であり、図１０（ｃ）は、センターバーを支持アームに固定する過程を示す要部拡大側面図であり、図１０（ｄ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。なお、以下の実施例７において前述の各実施例と共通の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。

図１０（ａ）に示されるように、搬送パレット２１の載置台２および背面支持体３には、ガラス板１７が積層されたケースボックス８が２つ立設され、これらケースボックス８がカバー体７で覆われている。このパレット本体１の左右に設けられた中段枠材４ｂには、金属棒状の支持アーム２９の他端がそれぞれ回転自在に軸支され、各支持アーム２９の一端が矢印に示されるように、上方からガラス板の前面側に向けて揺動可能になっている。支柱５の上部には支持アーム２９が上方に揺動され際に、後ろへの後傾を規制するアーム受金具５ａが取り付けられている。

図１０（ｂ）に示されるように、カバー体７の左右の長さ方向に延びるセンターバー２３は支持アーム２９と別体で構成されており、センターバー２３の前面側には手掛け部２３ｃが形成され持ち上げ可能になっており、手掛け部２３ｃの反対後面には側面視半円状の緩衝性の高い保持材２３ａが左右の長さ方向に渡って形成されている。センターバー２３の左右の２箇所には挿通孔２３ｄが前後に貫通して形成され、挿通孔２３ｄの中央位置にこの挿通孔２３ｄと垂直状位置で上方に貫通するボルト孔２３ｅが形成されている。

次いで、センターバー２３の取り付けについて説明すると、支持アーム２９を載置台２方向に向けて前傾させていき、カバー体７の前面７ａ側に揺動させ、センターバー２３の挿通孔２３ｄに支持アーム２９の一端を挿入させ、図１０（ｃ）に示されるように固定ボルト２２をボルト孔２３ｅに螺合し、固定ボルト２２を支持アーム２９の一端に当接させてセンターバー２３を位置固定する。

すると、図１０（ｄ）に示されるように、支持アーム２９がカバー体７の前面７ａの中央位置近傍で位置固定され、センターバー２３によってカバー体７が確実に保持される。したがって、搬送パレット１の移送中であってもカバー体７を介してケースボックス８の移動を確実に阻止することができる。そして、センターバー２３には手掛け部２３ｃが設けられているため、この手掛け部２３ｃを利用することでセンターバー２３の上げ下ろしを円滑に行うことができる。

さらに、センターバー２３と支持アーム２９とが別体で構成されているので、カバー体７やケースボックス８やガラス板１７の高さが高い場合、センターバー２３を揺動回転させずにガラス板積層後に支持アーム２９に取り付けることができるので使い勝手が良い。

実施例７のカバー体７の前面に上下方向に延びる補強バー１６を設けた変形例について図１１に基づいて説明する。図１１（ａ）は、本発明の実施例７の変形例におけるガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、図１１（ｂ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスを補強バーを介して、センターバーで保持した状態を示す側面図である。

図１１（ａ）に示されるように、搬送パレット２１のパレット本体１ａの左右に設けられた中段枠材４ｂには、金属棒状の支持アーム２９の他端がそれぞれ回転自在に軸支され、各支持アーム２９の一端が矢印に示されるように、上方からガラス板の前面側に向けて揺動される。すると、図１１（ｂ）に示されるように、支持アーム２９が補強バー１６の前端面１６ａ側で位置固定され、センターバー２３によってカバー体７が補強バー１６を介して確実に保持される。

したがって、搬送パレット１の移送中であっても補強バー１６およびカバー体７を介してケースボックス８の移動を確実に阻止することができる。そして、センターバー２３には手掛け部２３ｃが設けられているため、この手掛け部２３ｃを利用することでセンターバー２３の上げ下ろしを円滑に行うことができる。

次に、本発明の実施例８を図１２に基づいて説明する。図１２（ａ）は、ガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、図１２（ｂ）は、支持アームにセンターバーを取り付ける過程を示す要部拡大側面図であり、図１２（ｃ）は、支持アームの位置調整および位置固定を示す要部拡大側面図であり、図１２（ｄ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。なお、以下の実施例８において前述の各実施例と共通の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。

図１２（ａ）に示されるように、搬送パレット３１の載置台２および背面支持体３には、縦置きに積層したガラス板１７を収納したケースボックス８が２つ立設され、これらケースボックス８がカバー体７で覆われている。このパレット本体１ａ下方の下部底台１９の左右位置には、金属板状の支持アーム３９の他端がそれぞれ軸支され、各支持アーム３９の一端が矢印に示されるように、上方から載置台２方向に向けて揺動可能になっている。支柱５の下段枠材４ｃの近傍位置には支持アーム３９が上方に揺動された際に、後ろへの後傾を規制するアーム受金具５ａが取り付けられている。支持アーム３９の一端側の上端部には軸受凹溝３９ａが形成され、支持アーム３９の他端側の前面側には調整ボルト３２が螺合されている。

図１２（ｂ）に示されるように、センターバー３３は支持アーム３９と別体で構成されており、カバー体７の左右の長さ方向に延びる支軸３３ｂに沿って、側面視円状の緩衝性の高い保持材３３ａが設けられている。なお、支軸３３ｂと保持材３３ａの位置関係は支軸３３ｂが偏心軸となるように設けられている。このセンターバー３３の取り付けについては、支軸３３ｂを矢印に示されるように支持アーム３９の軸受凹溝３９ａに摺動させながら嵌合させることで簡便に取り付けが行われる。

次いで、図１２（ｃ）に示されるように、調整ボルト３２は支持アーム３９の他端側に形成されたボルト孔３９ｂに螺合され取り付けられている。背面支持材３と下部底台１９とで形成された隅部には、側面視略三角形状のボルト受部材４０が設けられており、調整ボルト３２の頭部が当接され、間接的に支持アーム３９の載置台２側への揺動範囲を規制した構成になっている。

そこで、調整ボルト３２を回動操作していくと、調整ボルト３２の頭部位置はボルト受部材４０の固定位置となるため、ボルト受部材４０と支持アーム３９との間隔が広げられていき、図１２（ｄ）に示されるように、支持アーム３９の一端側が徐々に上方に移動されていき、カバー体７の前面７ａの中央位置近傍に揺動されていく。

さらに、センターバー３３がカバー体７の前面７ａの中央位置近傍に当接されるまで、調整ボルト３２を回動させていくと、センターバー３３の保持材３３ａをカバー体７の前面７ａに当接されることで、カバー体７がセンターバー３３によって確実に保持される。そして保持材３３ａはカバー体７からの反作用で食い込む方向に回転し保持力を高めることができる。したがって、搬送パレット１の移送中であってもカバー体７を介してケースボックス８の移動を確実に阻止することができ、ケースボックス８内の積層されたガラス板１７の破損を未然に防止することができ、且つケースボックス８の数が増減しても、センターバー３３の揺動半径を変えることで容易に対応できる。

なお、実施例７と同様に、センターバー３３と支持アーム３９とが別体で構成されているので、カバー体７やケースボックス８やガラス板１７の高さが高い場合であっても、容易に対応できる構成になっている。

実施例８のカバー体７の前面に上下方向に延びる補強バー１６を設けた変形例について図１３に基づいて説明する。図１３（ａ）は、本発明の実施例８の変形例におけるガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、（ｂ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスを補強バーを介して、センターバーで保持した状態を示す側面図である。

図１３（ａ）に示されるように、支持アーム３９の一端が矢印に示されるように、上方から載置台２方向に向けて揺動されていくと、図１３（ｂ）に示されるように、支持アーム３９の一端側が徐々に上方に移動されていき、補強バー１６の前端面１６ａの中央位置近傍に揺動されていく。さらに、センターバー３３が前端面１６ａに当接されるまで、調整ボルト３２を回動させていくと、センターバー３３の保持材３３ａが前端面１６ａに当接されることで、センターバー３３によってカバー体７が補強バー１６を介して確実に保持される。

そして保持材３３ａは補強バー１６からの反作用で食い込む方向に回転し保持力を高めることができる。したがって、搬送パレット１の移送中であっても補強バー１６およびカバー体７を介してケースボックス８の移動を確実に阻止することができ、ケースボックス８内の積層されたガラス板１７の破損を未然に防止することができ、且つケースボックス８の数が増減しても、センターバー３３の揺動半径を変えることで容易に対応できる。

以上の説明により、搬送パレット１に縦置きで複数の積層したガラス板１７を直接載置した場合や、カバー体７やケースボックス８を介して間接的に載置した場合であっても、カバー体７やケースボックス８の最前面に上下方向に延びる補強バー１６を設けて複数のガラス板１７を搬送パレット１に間接的に載置した場合でも、この積層されたガラス板１７の中央近傍には撓みを生じさせることなく、移動においてもガラス板１７同士の滑動を生じさせることのない衝撃に強く操作性および安全性に優れた搬送パレット１となる。

以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、センターバー１０，２３，３３の保持材１０ａ，２３ａ，３３ａに用いられる緩衝性の高い部材は、ゴム状の衝撃吸収材や海綿状スポンジ体や発泡スチロール等を利用できる。つまり、外部からの衝撃等をガラス板１７に振動させずに保護できる部材であれば、他の部材を利用しても本発明に何ら限定されるものではない。

また、補強バー１６，１６’の前端面１６ａ側に、ゴム状の衝撃吸収シート材等を設けるようにしても良く、保持材１０ａ，２３ａ，３３ａとの当接による衝撃を防ぎ、ガラス板１７への振動を極力抑えた構成となる。

本発明の実施例１におけるガラス板搬送パレットの正面側構造を示す斜視図である。実施例１のガラス板搬送パレットの背面側構造を示す斜視図である。実施例１のガラス板搬送パレットの側面構造を示す一部破断側面図で、（ａ）はガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーから解放した状態を示す側面図であり、（ｂ）は、センターバーを下方に移動させ、ガラスカバー体を介してケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。本発明の実施例２におけるガラス板搬送パレットの正面側構造を示す斜視図である。実施例２のガラス板搬送パレットの側面構造を示す一部破断側面図で、（ａ）は、補強バーが設けられたガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーから解放した状態を示す側面図であり、（ｂ）は、センターバーを下方に移動して補強バーに当接させ、ガラスカバー体を介してケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。（ａ）は、ガラス板をセンターバーで直接保持した実施例３を示す側面図であり、（ｂ）は、ガラス板１７を覆うカバー体７をセンターバーで保持した変形例を示す側面図である。（ａ）は、補強バーの実施例４を示す側面図であり、（ｂ）は、センターバーを下方に移動させ、補強バーを介してガラスカバー体をセンターバーで保持した状態を示す側面図である。（ａ）は、ケースボックス内にガラス板を収納してセンターバーで保持した実施例５を示す側面図であり、（ｂ）は、補強バーが設けられたケースボックスをセンターバーで保持した側面図である。（ａ）は、伸縮自在な支持アームでセンターバーを支持して複数のケースボックスを保持した実施例６を示す側面図であり、（ｂ）は、伸縮自在な支持アームでセンターバーを支持して補強バーを介して、複数のケースボックスを保持した側面図である。（ａ）は、本発明の実施例７におけるガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、（ｂ）は、支持アームにセンターバーを取り付ける過程を示す要部拡大側面図であり、（ｃ）は、センターバーを支持アームに固定する過程を示す要部拡大側面図であり、（ｄ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。（ａ）は、本発明の実施例７の変形例におけるガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、（ｂ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスを補強バーを介して、センターバーで保持した状態を示す側面図である。（ａ）は、本発明の実施例８におけるガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、（ｂ）は、支持アームにセンターバーを取り付ける過程を示す要部拡大側面図であり、（ｃ）は、支持アームの位置調整および位置固定を示す要部拡大側面図であり、（ｄ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスをセンターバーで保持した状態を示す側面図である。（ａ）は、本発明の実施例８の変形例におけるガラス板搬送パレットの側面構造を示す側面図であり、（ｂ）は、ガラスカバー体で覆われたガラス板が複数収納されたケースボックスを補強バーを介して、センターバーで保持した状態を示す側面図である。

符号の説明

１ガラス板搬送パレット
１ａパレット本体
２載置台
２ａ緩衝材
３背面支持体
３ａ緩衝材
４補強材
４ａ上段枠材
４ｂ中段枠材
４ｃ下段枠材
５支柱
５ａアーム受金具
６アーム軸受部材
７カバー体（ガラスカバー体）
７ａ前面
７ｂ側面
７ｃ上面
７ｄ持上げ部
７ｅ緩衝材
８ケースボックス
９支持アーム
９’ 伸縮自在な支持アーム
９ａ摺動溝
９ｂ揺動杆
９ｃ伸縮杆
１０センターバー
１０ａ保持材
１０ｂ支軸
１０ｃ手掛け部
１１ダンパー
１２回動片
１３回動軸
１４ダンパー支持材
１５補強材
１６、１６’ 補強バー
１６ａ前端面
１６ｂ嵌合部
１７積層されたガラス板
１７’ 最前列のガラス板
１７ａ中央部
１７ｂ底部
１７ｃ背面部
１８キャスタ
１９下部底台
２１搬送パレット
２２固定ボルト
２３センターバー
２３ａ保持材
２３ｂ支軸
２３ｃ手掛け部
２３ｄ挿通孔
２３ｅボルト孔
２９支持アーム
３１搬送パレット
３２調整ボルト
３３センターバー
３３ａ保持材
３３ｂ支軸
３９支持アーム
３９ａ軸受凹溝
３９ｂボルト孔
４０ボルト受部材

Claims

ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記センターバーがガラス板の左右の長さ方向に延びて積層支持したガラス板の最前列ガラス板の前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴とするガラス板搬送パレット。
ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記積層支持したガラス板はケースボックス内に収納され、前記センターバーが前記ケースボックスの左右の長さ方向に延びて該ケースボックスの前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴とするガラス板搬送パレット。
前記ケースボックスの前面に上下方向に延びる補強バーが設けられ、前記センターバーが前記補強バーの前端面の略中央部近傍で当接することで積層支持されたガラス板の移動を阻止する請求項２に記載のガラス板搬送パレット。
ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記積層支持したガラス板は前面、側面および上面がガラスカバー体で覆われ、前記センターバーが前記ガラスカバー体の左右の長さ方向に延びて該ガラスカバー体の前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴とするガラス板搬送パレット。
前記ガラスカバー体の前面に上下方向に延びる補強バーが設けられ、前記センターバーが前記補強バーの前端面の略中央部近傍で当接することで積層支持されたガラス板の移動を阻止する請求項４に記載のガラス板搬送パレット。
ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置台と、ガラス板の背面を傾斜支持する背面支持体とで構成され、該背面支持体には、センターバーを支持し積層したガラス板の前面側と背面支持体の上方側あるいは載置台側との間で揺動可能な支持アームが設けられ、前記積層支持したガラス板はケースボックス内に収納され、該ケースボックスは前面、側面および上面がガラスカバー体で覆われ、前記センターバーが前記ガラスカバー体の左右の長さ方向に延びて該ガラスカバー体の前面中央部近傍で当接することで積層支持したガラス板の移動を阻止することを特徴とするガラス板搬送パレット。
前記ガラスカバー体の前面に上下方向に延びる補強バーが設けられ、前記センターバーが前記補強バーの前端面の略中央部近傍で当接することで積層支持されたガラス板の移動を阻止する請求項６に記載のガラス板搬送パレット。
前記補強バーは前記センターバーの長さ方向に沿って複数設けられた請求項３または５または７のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
前記支持アームは前記背面支持体の左右両側に配設され、各一端がセンターバーの左右端近傍と連接し、各他端が回動軸に支持されている請求項１乃至８のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
前記回動軸にはセンターバーがガラス板の前面側から背面支持体の上方側あるいは載置台側へ揺動するときは助勢し、背面支持体の上方側あるいは載置側からガラス板の前面側へ揺動するときは抵抗を与えるダンパー機構が付設されている請求項９に記載のガラス板搬送パレット。
前記支持アームは伸縮自在に構成されている請求項１乃至１０のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
前記載置台と、背面支持体のガラス板またはケースボックスと当接する部分には緩衝材が設けられている請求項１乃至１１のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
前記ガラスカバー体のガラス板またはケースボックスと当接する部分には緩衝材が設けられている請求項４乃至１１のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
前記パレット本体にはキャスタが複数設けられている請求項１乃至１３のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
前記センターバーの前面側に手掛け部を設けた請求項１乃至１４のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。