JP2006315546A - ドアの補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自動車のバックドア1の一側部にドアを回動させるヒンジ取付部6a,6bを設けている。バックドア1のアウタパネルの外側には、タイヤが装着される。バックドア1は、一側部側のヒンジ取付部6aの上部側に位置するヒンジ補強パネル7とバックドア1の他側部側にわたってクロスメンバ11を設け、クロスメンバ11には上端が固定され、下端がバックドア1の下部に固定されるタイヤ取付用のリーンフォースメント12を設けている。リーンフォースメント12と下側のヒンジ取付部6bとの間には、下部メンバ13を設けている。
【選択図】 図2
Description
したがって、バックドア51は、ドアの自重に加えてタイヤ52の自重がさらにヒンジ取付部及びドアロック部55に負荷されることとなるため、バックドア51にタイヤ52を装着しない車種より、よりヒンジ取付部53,54などを補強する必要がある。
特許文献1に開示された技術によると、上端部を窓枠下部に取付け、下端部をドア下部に取付けたスペアタイヤの取付部としてのリーンフォースメントを、バックドアのほぼ中央側に設け、このリーンフォースメントを、そのままヒンジ取付部まで延長してヒンジ取付部の補強を1枚の補強パネルで図っている。
特許文献2に開示された技術によると、上端部を窓枠下部に取付け、下端部をドア下部に取付けたスペアタイヤの取付部を補強するリーンフォースメントを、バックドアのほぼ中央側に設け、リーンフォースメントと上側のヒンジ取付部を補強パネルで連結し、この補強パネルとは別材で、リーンフォースメントと下側のヒンジ取付部を補強パネルで連結した複数のパネルからなる補強構造が開示されている。
特許文献2の技術によると、バックドアを開閉する際に、バックドアのヒンジ取付部がない側(ラッチ取付部側)のリーンフォースの端部が、タイヤ支持部の補強部材との取付部の部分で見切られているので、その部分に応力が集中するおそれがある。なお、これは特許文献1にも同様なことがいえる。
また、タイヤ取付部は、アウタパネルとリーンフォースメント及びタイヤがボルトによって共締めされるので、タイヤ取付部の強度が弱いと、アウタパネル側がバックドアの開閉の際に歪むおそれがあり、その歪みを繰り返すうちにパネルが疲労するおそれも考えられる。
上記発明は、前記下側ヒンジ取付部に一端部が固定され、前記リーンフォースメントに他端部が固定されている下部メンバを設けることができる。
また、上記発明は、前記クロスメンバの上端部及び下端部をインナパネルに接合し、これらのクロスメンバとインナパネルとによって、横方向に延びる閉じ断面空間を形成することができる。
上記発明は、前記ドアの他側部に側部補強パネルが設けられ、前記クロスメンバを側部補強パネルに接合することができる。
さらに、上記発明は、前記側部補強パネルをドアの下部まで延長し、該側部補強パネルを前記インナパネルの下面に接合することができる。
上記発明は、前記下側ヒンジ取付部に一端部が固定され、前記リーンフォースメントに他端部が固定されている下部メンバを設けたので、下部メンバが、リーンフォースの下側と下側ヒンジ取付部を補強することができる。
上記発明は、前記クロスメンバの上端部及び下端部をインナパネルに接合し、これらのクロスメンバとインナパネルとによって、横方向に延びる閉じ断面空間を形成したので、クロスメンバにより剛性を与えることになり、タイヤ取付用のリーンフォースメントの支持剛性をより大きくする。
上記発明は、前記ドアの他側部に側部補強パネルが設けられ、前記クロスメンバを側部補強パネルに接合したので、クロスメンバの取付けをより強固にできる。
上記発明は、前記側部補強パネルをドアの下部まで延長し、該側部補強パネルを前記インナパネルの下面に接合したので、側部補強パネルにかかる負荷をインナパネルの下面に分散できる。
図1は、本発明に係わる自動車のバックドアとバックドアに装着されるスペアタイヤとその取付部の分解斜視図、図2は、バックドアのアウタパネルを外して車体の後方からバックドアの補強部材を見たドアの背面図、図3は、バックドアのインナパネルとその補強部材の分解斜視図、図4はバックドアの縦断面図である。
自動車の後部に配設されているバックドア1には、タイヤ取付ブラケット4が取付けられ、この取付ブラケット4を介してスペアタイヤなどのタイヤ5がバックドア1に装着される。バックドア1の車体に対して右側には、ヒンジの取付部6a,6bが上下箇所に設けられ、バックドア1は、ヒンジ軸18a(図5参照)を回転中心として、横開きに回動可能である。
バックドア1の反対側のドア他端側(車両左右方向でラッチ取付側)に位置する側部補強パネル8は、バックドア1の左側に上下方向に延在し、図7に示すように、バックドア1の他端側でインナパネル2とともにほぼクランク(先端側はL字)形状に折り曲げられ、先端部に車幅方向外側に延びるフランジ8aが形成されている。フランジ8aとアウタパネル3との間には、シーラ21を設けている。側部補強パネル8は、上側の上側部補強パネル9よりも下側の下側部補強パネル10の板厚が薄く形成されている。
図4に示すように、クロスメンバ11は、バックドア1の左右中間位置において縦断面が略ハット形状であり、その上端部と下端部でインナパネル2と接合し、インナパネル2とクロスメンバ11とによって、閉じ断面16を形成している。この閉じ断面16は、バックドア1の車幅方向のほぼ一端部から他端部まで形成している。
図10に示すように、クロスメンバ11には、一対の突き出し部11b,11bを左右に形成し、リーンフォースメント12には、突き出し部11b,11bの後方に対応させて、突出部12b,12bを形成している。そして、左右突き出し部11b,11b及び左右突出部12b,12bの両外側にある略車体前後方向に形成された傾斜部に溶接部c,cで両者を接合している。なお、リーンフォースメント12の傾斜部の外側には、車両の左右方向に延びるフランジ部が設けられ、クロスメンバ11に重ねられている。
本実施の形態では、バックドア1の幅方向にわたって配設されているクロスメンバ11に、タイヤ5を支持するリーンフォースメント12を固定している。そのため、バックドア1の開閉の際に、クロスメンバ11に負荷されるタイヤ5の重力と慣性力からなる荷重をバックドア1の幅方向全体に分散し、リーンフォースメント12の左右上端側でクロスメンバ11がほぼ均等に荷重を受けることができる。さらに、クロスメンバ11の両端が、バックドア1の幅方向左右両端に存在する剛性のある補強パネル(ヒンジ補強パネル7と側部補強パネル8)に接続されているので、クロスメンバ11の両端に発生する応力集中に耐えられるものとなっている。また、クロスメンバ11がヒンジ取付部6aとタイヤ取付部であるリーンフォースメント12の両者を補強し、下部メンバ13もまた、ヒンジ取付部6bとリーンフォースメント12の取付部の両者を補強することができる。
タイヤ5を直接的に支持するリーンフォースメント12もまた、上端部をクロスメンバ11に溶接している。そして、図10に示すように、クロスメンバ11とリーンフォースメント12で形成された、左右突き出し部11b,11b及び左右突出部12a,12aの外側にある傾斜部に溶接部c,cを設けているので、ドアの開閉時に溶接部が剪断方向の負荷が作用するようにしている。また、リーンフォースメント12の傾斜部の外側には、クロスメンバ11に重ねられる車両の左右方向に伸びるフランジ部が設けられ、バックドア1を閉じる際のリーンフォースメント12に負荷されるタイヤ5の車両前方向への力をクロスメンバ11へ伝えることができる。これにより、溶接部c,cの負荷を軽減できる。
下部メンバ13は、上下部をインナパネル2に溶接することによって、タイヤ5荷重に対して圧縮荷重がかかる部位に、インナパネル2とともに閉じ断面を形成し、補強を図っている。そして、これにより、下側ヒンジ取付部6bを閉じ断面としている。つまり、図6に示すように、下部メンバ13は、その上端が車両中央側で下ヒンジ取付部6bよりも車両の前方側となるインナパネル2に溶接eによって接合されているとともに、ヒンジ取付側端部で下ヒンジ取付部6bよりも車両の後方側となるインナパネル2及びヒンジ補強パネル7に溶接fによって接合されているので、ほぼクランク(先端側はL字)形状に折り曲げられたインナパネル2のヒンジ取付部6bに平面視略三角形状の閉じ断面を形成でき、ヒンジ取付部6bを補強している。このためヒンジ取付部の強度、剛性が向上する。なお、下部メンバ13の下端は、車体の後面側に折曲げたフランジ13aをドア底面17に接合し、他端がヒンジ補強パネル7に接合され、ヒンジ取付側端部で下ヒンジ取付部6bよりも車両の後方側となるインナパネル2(ヒンジ補強パネル7)に溶接接合されており、ドア底面とドアのヒンジ取付部6b近傍を連結しているので、バックドア1のヒンジ取付6b側の下方のコーナー部の強度剛性を向上できる。また、この下部メンバ13は、バックドア1の開閉時の負荷にも有効である。
クロスメンバ11、リーンフォースメント12及び下部メンバ13は、一体成形によらず、分割されたものを接合するようにしたので、部品の精度を厳しく管理する必要が無く、 組立時にばらつきを吸収することができる。すなわち、クロスメンバ11及び下部メンバ13は、車幅方向のばらつきを吸収し、リーンフォースメント12は、上下、左右方向のばらつき調整が可能である。さらに、それらを分割したことによって、各部材の板厚を適宜変えることにより、強度、剛性の適正化図ることができる。
例えば、上記実施の形態では、クロスメンバ11を一体化したが、左右に分割してもよい。左右のパネルの強度、剛性の適正化を図ることができ、組立上バラツキをさらに吸収できる。クロスメンバ11、リーンフォースメント12は、テーラードウエルドブランク材(差厚鋼板)を使用すると、さらに強度、剛性の適正化を図ることができる。
側部補強パネル8と下側部補強パネル10は、上下分割としたが、一体にして部品点数の軽減を図ってもよい。なお、一体にした場合は、上述のテーラードウエルドブランク材を使用して、強度、剛性の適正化を図っても良い。
2 インナパネル
3 アウタパネル
4 取付ブラケット
5 タイヤ
6a,6b ヒンジ取付部
7 ヒンジ補強パネル
7a フランジ
8 側部補強パネル
8a フランジ
9 上側部補強パネル
10 下側部補強パネル
11 クロスメンバ
11a 折り曲げ部
12 リーンフォースメント
12a フランジ
13 下部メンバ
13a フランジ
14 溶接ナット
15 窓
15a 下枠部
16 閉じ断面形状
17 ドア底面
Claims (5)
- ドアの一側部にドアを回動させるヒンジ取付部を上下に設けドア枠に対して横開きに回動するドアがインナパネルとアウタパネルとを備え、ドアのアウタパネルの外側にタイヤが装着され、前記ヒンジ取付部にヒンジ補強パネルを配設したドアの補強構造において、
前記上部側のヒンジ取付部を配設したヒンジ補強パネルと前記ドアの他側部にわたってクロスメンバを設け、該クロスメンバに上端が固定され下端がドア下部に固定されるタイヤ取付用のリーンフォースメント設けたことを特徴とするドアの補強構造。 - 前記下側ヒンジ取付部に一端部が固定され、前記リーンフォースメントに他端部が固定されている下部メンバを設けたことを特徴とする請求項1に記載のドアの補強構造。
- 前記クロスメンバの上端部及び下端部をインナパネルに接合し、これらのクロスメンバとインナパネルとによって、横方向に延びる閉じ断面空間を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のドアの補強構造。
- 前記ドアの他側部に側部補強パネルが設けられ、前記クロスメンバを側部補強パネルに接合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドアの補強構造。
- 前記側部補強パネルをドアの下部まで延長し、該側部補強パネルを前記インナパネルの下面に接合したことを特徴とする請求項4に記載のドアの補強構造。
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