JP2006306010A - 膜形成用品および膜形成方法ならびに離型剤 - Google Patents

膜形成用品および膜形成方法ならびに離型剤 Download PDF

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Abstract

【課題】フラーレン類を主成分とする膜の形成に使用される膜形成用品を提供する。フラーレン類を主成分とする膜は、離型剤、潤滑剤の他、着色剤、筆記用具、化粧品、補修材としての応用が考えられる。
【解決手段】フラーレン類を主成分とする成形体から成る膜形成用品。好ましい実施態様においては、形状が棒状であり、離型用膜または潤滑用膜の形成に使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、膜形成用品および膜形成方法ならびに離型剤に関し、詳しくは、フラーレン類を主成分とする膜の形成に使用される膜形成用品および膜形成方法ならびにフラーレン類を含有する離型剤に関する。
フラーレンは、炭素のみで出来た分子性結晶であり、分子1個が1nm程度の球状またはラグビーボール状であり、潤滑機能が期待されている。
ところで、従来、フラーレン類の膜の形成法としては、真空蒸着法が知られているが、斯かる方法は、真空機器を必要とするため手軽な方法とはいえない。因みに、スピンコート法は、比較的に手軽な方法であるが、フラーレン類については適当な溶媒が存在しないために現時点では適応困難である。
従って、フラーレン類は、潤滑機能が期待されていながらも、その膜の形成が容易でないため、工業的規模で使用されていないのが現状である。
ところで、鉛筆によって描かれた線画は、紙面に鉛筆の芯を擦り付けて形成され、線状ではあるが広義には芯材料の膜と考えられる。そして、従来、無機体質剤を用いる高温熱処理型鉛筆芯において、フラーレン類を添加してなる焼成鉛筆芯が提案されている(例えば特許文献1参照)。
上記の提案は、フラーレン類の添加によって焼成鉛筆芯の滑らかさが向上するとの知見に基づくものであり、フラーレン類の添加量は、焼成鉛筆芯全体の0.1重量%以下であり、従って、実質的にフラーレン類の膜とはいえない。
特許第3373302号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、フラーレン類を主成分とする膜の形成に使用される膜形成用品および膜形成方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、新規な離型剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、フラーレン類はそれ自体で容易に成形することが出来、しかも、得られた成形体は物体の表面に擦り付けて膜を形成するのに十分な強度を有している。また、フラーレン類は優れた離型性能を有する。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものであり、その要旨は次の通りである。
すなわち、本発明の第1の要旨は、フラーレン類を主成分とする成形体から成ることを特徴とする膜形成用品に存し、本発明の第2の要旨は、物体の表面に上記の膜形成用品を擦り付けることを特徴とする膜形成方法に存し、本発明の第3の要旨は、フラーレン類を含有することを特徴とする離型剤に存する。
本発明によれば、離型剤、潤滑剤の他、着色剤、筆記用具、化粧品、補修材としての応用も考えられる、フラーレン類を主成分とする膜の形成に使用される膜形成用品が提供される。また、本発明によれば、新規な離型剤が提供される。
以下、本発明を詳細に説明するが、この発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を超えない範囲であれば、種々変更して実施することが出来る。
先ず、本発明で使用するフラーレン類について説明する。本発明においてフラーレン類とは、フラーレン骨格を有するものを指し、フラーレンの他にフラーレン誘導体も含むが、特に、離型性や潤滑性の点からは、嵩高くないことからフラーレンが好ましい。但し、フラーレン骨格の一部が損なわれてサイズが大きいフラーレンの多量体は、本発明におけるフラーレン類には含まないものとする。フラーレンとは、閉殻構造を有する炭素クラスターである。フラーレンの炭素数は通常60〜130の偶数である。フラーレンの具体例としては、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96、これらよりも多くの炭素を有する高次の炭素クラスター等が挙げられる。フラーレン誘導体とは、フラーレン骨格上に置換基を有するものの他、フラーレン骨格の内部に金属、化合物などを内包するもの、他の金属原子や化合物と錯体を形成したもの等が含まれる。フラーレン誘導体が有する置換基、金属、化合物などは、本発明の膜形成用品の優れた効果が大幅に損なわなければ如何なる種類でもよいが、離型性や潤滑性の観点から、嵩高くない方が好ましい。また、離型性や潤滑性を向上させるものが好ましい。本発明において、フラーレン類が有するフラーレン骨格としては、製造が容易で、真球に近い形状をしていることから、C60骨格が好ましい。また、フラーレン類の混合品を使用する場合、C60骨格の割合が50重量%以上であることが好ましく、C70骨格の割合が30重量%以下であることが更に好ましい。
次に、本発明の膜形成用品について説明する。本発明の膜形成用品は、フラーレン類を主成分とする成形体から成る。
成形体全体におけるフラーレン類の含量は、本発明の膜形成用品の優れた効果が発現されれば如何なる量でも構わないが、多い方が好ましく、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上となる様に調製される。また、100重量%でも成形可能である。フラーレン類の含量が少な過ぎる場合は、形成される膜中のフラーレン以外の物質の比率が高く、潤滑性の高いフラーレン類の性能が十分に発揮できない。フラーレン類以外の成形原料としては例えば後述するバインダー等の成形助剤が挙げられる。
成形体の形状は、本発明の膜形成用品の優れた効果が大幅に損なわなければ如何なる形状でもよい。棒状、球状、円錐状、角錐状の他、保持し易い様に凹凸のある不定形状など各種の形状が挙げられる。これらの中では、物体の表面に膜形成用品を擦り付けて膜を形成する際に、物体に凹凸があってもうまく追従できる様にする観点から、棒状が好ましい。棒状成形体断面の形状は、特に制限されず、例えば、円形、三角形、四角形、六角形などの形状が挙げられる。太さは通常0.1〜10mm、長さは通常10〜500mm、アスペクト比は通常1〜1000である。膜形成用品を擦り付けて膜を形成する際の作業性を高め、周りを保護するため、木、紙、プラスチック等により、例えば先端の一部を除き、被覆されていてもよい。また、例えば、成形体を芯状にし、シャープペンシルの様なものに入れ、筆記具の様にして使用することも出来る。膜形成の方法としては、高速回転の電動治具の先端に本発明の成形体を取り付け物体の表面に擦りつけてもよい。
成形方法としては、本発明の膜形成用品が得られれば、如何なる成形方法および条件でもよく、圧縮成形、押出成形、射出成形などの種々の成形法が使用される。圧力は、通常0.005〜10t/cm、好ましくは0.1〜10t/cm、加圧時間は通常1〜5分間である。圧力が高すぎたり加圧時間が長すぎる場合はフラーレン骨格が崩壊する恐れがあり、圧力が低すぎたり加圧時間が短すぎる場合は成形不十分となる。加圧時の雰囲気はフラーレン類が反応してフラーレン骨格が崩壊しない雰囲気であり、通常は空気雰囲気で十分である。必要に応じ、成形時に加熱しても抜気してもよい。
成形の際、成形性および成形体の安定性を高めるため、成形助剤、結合材、潤滑材、体質材を使用してこれを均一混合してもよい。
成形助剤としては、ポリビニルアルコール、合成ワックス、流動パラフィン、動物性油脂、合成樹脂、ワックス、タルク、ロウ、のり等が挙げられる。
結合材としては、例えば、ニトロセルロース(硝化綿)、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル−スチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、マレイン酸重合物、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、天然ゴム、SBR等の合成ゴム等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
潤滑剤としては、例えば、カルナバワックス、密ろう、木ろう等の天然系ワックス群、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ジンクステアリルケトン、マイクロクリスタリンワックス等の合成系ワックス群、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸系の各種金属石鹸などの摩耗性付与材が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
体質材としては、例えば、タルク、マイカ、カオリンクレー、ベントナイト、N−ε-ラウロイルリジン、N−ラウロイル−β−アラニンの各種金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、二酸化チタンウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、硫酸アルミニウムウィスカー等が挙げられる。これらは2種以上を併用してよい。
なお、アミン系の化合物は、フラーレン類と反応してポリマー化を起こし、フラーレン類の潤滑性を落とすことがある。上記の他、成形時に溶媒を使用してもよい。
成形後にバインダーや溶媒の加熱乾燥が必要な場合、加熱乾燥の温度は、フラーレン類が反応してフラーレン骨格が崩壊しない温度で行なう。例えば、真空中では通常200℃以下とされる。すなわち、酸素が存在する雰囲気下で高温で加熱を行うと、フラーレン類が酸化する可能性がある。また、不活性雰囲気下でも700℃以上の高温で加熱を行うと、フラーレン類同士で反応しポリマー化を起こし、フラーレン類の特性(例えば潤滑性)が落ちることがある。
本発明の膜形成用品は、成形体にて構成されているため、粉体や分散体に比し、取扱いが容易である。また、膜を形成する際の作業は、膜形成用品の擦り付け作業であり、操作が容易である。
次に、本発明の膜形成用品の使用方法、すなわち、本発明の膜形成方法について説明する。本発明の膜形成方法は、物体の表面に本発明の膜形成用品を擦り付けることを特徴とする。従って、本発明の方法で形成される「膜」とは、例えば物体の表面を保護する「塗膜」の形態を挙げることが出来る。フラーレン類は、分子性結晶で微小なため、物質表面の微小な凹凸を埋めることが出来る。その上、形成された膜は除去されにくい(拭き取られにくい)という特徴を有する。また、フラーレンは、分子内に5員環を有することから反応性が高く、200℃以上の高温下では、金属などの物体表面やフラーレン同士で反応し、アモルファスカーボンの様な膜を形成して一層剥離し難くなり、形成された膜の耐久性が向上するという効果も考えられる。それに加え、フラーレンは、炭素原子のみから成る分子であることから、他の有機物に比し、高温下において熱分解ガスの発生が非常に少ないという利点を有する。
これに対して、通常、離型材として使用されている黒鉛は、層状の結晶で、へき開はするが、結晶には塑性変形能がないため、擦り付けても物体表面上にのるだけで、凹凸に入り込まず密着性がない。また、非常に安定で反応性がないため、非常に剥がれやすい膜になる。
上述のことから、金型の表面に離型用膜として形成された場合、成形時の摩擦熱などにより強固な膜となって離型効果が発揮するものと考えられる。特に、金型を加熱する場合、または、金型により成形される材料が高温で且つ金型温度が200〜500℃程度の場合、より高い効果が得られる。また、固体潤滑膜として使用される場合、潤滑時の摩擦熱により強固な膜が形成されると考えられるため、上記と同様の高い効果が期待できる。
本発明の膜形成方法が適用される物体としては、膜形成用品の使用方法に従って各種の物品が選ばれる。例えば、金属、プラスチック、セラミックスを成形する際の金型の表面に離型用膜を形成する場合(離型剤用途)、上記と同様の材料の摺動表面に潤滑用膜を形成する場合(固体潤滑剤用途)等が挙げられる。
特に、離型剤用途は、鉄、銅、ステンレス、非鉄金属などの粉末冶金、鋼、ステンレス、チタン等の熱間、温間、冷間時の鍛造、圧延、プレス、引き抜き等の塑性加工、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛合金、銅合金などのダイカスト、金型鋳造、低圧鋳造などの鋳造加工、各種プラスチックの射出成形、圧縮成形などに好適である。より好ましくは、金型温度が200〜500℃で使用されるダイカイトである。また、固体潤滑剤用途の場合、単体のフラーレン膜としても潤滑性能があるが、形成された潤滑用膜の表面に更に潤滑油を塗布することが出来、この場合、本発明の方法で形成されるフラーレン類を主成分とする膜には、潤滑油の潤滑性を向上させ且つ潤滑油のラジカルをトラップさせることによる劣化防止効果も期待できる。
また、フラーレン類の厚膜は、黒茶色であるため、その色を活かし、本発明の膜形成用品は、着色剤、筆記用具、化粧品などにも応用することが考えられる。また、補修材としての用途も考えられる。
本発明の方法で形成される膜の厚さは、その用途によって適宜に選択されるが、一般的には数百nmから数百μmの範囲である。また、膜の大きさ(付着面積)は、本発明の優れた効果が発現されれば特に制限されないが、例えば、離型剤として使用する場合は、型との接触面全面に均一に形成されているのが好ましい。また、金型や潤滑摺動部の特定部位に対し、焼き付き防止などの目的で局所的に形成することも出来る。
次に、本発明の離型剤について説明する。本発明の離型剤はフラーレン類を含有することを特徴とする。本発明でいう離型剤とは、金型と成形体と離型する目的で使用されるものであればよく、金型に塗布する塗型剤を含む概念である。本発明の離型剤の剤形は、特に制限されず、例えば、粉剤または液体(水や有機溶剤)の分散体でもよいが、物体の表面に簡便に塗り付け易いこと等から、前述の成形体が好ましい。
粉剤の場合は、金型に直接に粉を振り掛けて使用する。分散体の場合は、金型にスプレーで吹き付けたり、刷毛で塗布して使用する。また、金型表面に真空蒸着してフラーレンの膜を形成してもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
<膜形成用品の作製>
成形原料としては、C60:61重量%、C70:25重量%、それ以外の分子量の高いフラーレン:14重量%のフラーレン混合体のみを使用し、成形助剤などは使用しなかった。加圧成形機を使用し、縦5mm、横5mm、高さ30mmの棒状の成形体を作製し膜形成用品とした。成形雰囲気は空気、成形温度は常温、成形圧力は350kg/cm、加圧時間は3分間とした。
<離型性試験>
部分安定化ジルコニア(ZrO:97mol%、Y:3mol%)の粉末を使用し、1850kg/cmの圧力の圧縮成形により、直径1cm、高さ1cmの円柱体を成形した。その際、予め、金型表面(合金工具鋼SKD11)の全面に上記の膜形成用品を手で擦り付け、余剰分をワイパーで拭き取り、均一なフラーレン膜を形成した。成形体の取り出しの際、離型性が非常に良く、成形体の金型癒着や欠けはなかった。因みに、金型表面にフラーレン膜の形成を行なわなかった場合は、成形体を取り出しの際、金型側に成形体が癒着し、離型が困難であった。
実施例2:
実施例1において、離型性試験の際、アルミナ粉末の成形を行なった以外は、実施例1と同様に行なった。離型性試験においては、成形体の取り出しの際、離型性が非常に良く、成形体の金型癒着や欠けはなかった。因みに、金型表面にフラーレン膜の形成を行なわなかった場合は、成形体を取り出しの際、金型側に成形体が癒着し、離型が困難であった
比較例1:
実施例1において、膜形成用品の作製の際、成形原料として黒鉛粉末を使用した以外は、実施例1と同様に成形操作を行なったが、黒鉛粉末原料は成形性がなく成形体を得ることは出来なかった。因みに、黒鉛粉末に成形助剤として10重量%のポリビニルアルコール加えた成形原料についても同様の結果であった。
実施例3:
常法により押出し加工して得られた下記組成の直径2mmの芯状成形体を芯ホルダーに挿入して膜形成用品を作製した。そして、擦り付けることにより、合金工具鋼(SKD)上に目視で全面に均一になるよう塗膜を形成した。塗膜の表面を電子顕微鏡写真(倍率1,000)で観察したところ、図1に示す様に全面にフラーレンの膜が形成されていることがわかった。すなわち、図1ではSKD表面に存在していた研磨傷が塗膜に覆われているため、ぼんやりとしか観察できない。なお、図1において左右上部の島状部分はフラーレンが厚塗りされた部分であり、島状部分以外の領域におけるトーンの違いは膜の厚さに基ずくものである。
Figure 2006306010
比較例2:
実施例3において、原料として、混合フラーレンに代えて黒鉛粉末を使用した以外は、実施例3と同様に、膜形成用品を作製し、目視で全面に均一になるよう塗膜を形成した。塗膜の表面を電子顕微鏡写真(倍率1,000)で観察したところ、図2に示す様に一部では黒鉛が付着しているものの、付着していない部分も多く観察された。すなわち、図2において、縦に形成された複数本の島状部分は黒鉛が厚塗りされた部分であるが、それ以外の部分は、黒鉛が付着していない部分である。黒鉛が付着していない部分ではSKD表面に存在していた研磨傷がはっきりと観察できる。黒鉛が付着していない部分の割合は約60%である。
実施例3で形成された塗膜の表面の図面代用電子顕微鏡写真
比較例2で形成された塗膜の表面の図面代用電子顕微鏡写真

Claims (6)

  1. フラーレン類を主成分とする成形体から成ることを特徴とする膜形成用品。
  2. 形状が棒状である請求項1に記載の膜形成用品。
  3. 離型用膜の形成に使用する請求項1又は2に記載の膜形成用品。
  4. 物体の表面に請求項1に記載の膜形成用品を擦り付けることを特徴とする膜形成方法。
  5. 金型表面に離型用膜を形成する請求項4に記載の膜形成方法。
  6. フラーレン類を含有することを特徴とする離型剤。
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