JP2017043690A - 固形筆記材 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性に優れ、滑らかな筆記感が得られる固形筆記材を提供する。【解決手段】固形筆記材は、着色顔料、体質顔料、および油成分を含み、体質顔料の含有量は、10〜50質量%であり、体質顔料は、ケイ酸アルミニウム、シリカ、および金属石鹸からなる群より選択される少なくとも一種の第1体質顔料を含み、体質顔料中の第1体質顔料の含有量は、90質量%以上である。第1体質顔料は、好ましくは、ケイ酸アルミニウム、シリカ、およびステアリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種である。【選択図】なし
Description
本発明は、体質顔料および油成分を含む固形筆記材に関する。
クレヨン、オイルパステル、鉛筆芯などの固形筆記材には、固形筆記材の形状を保持するために、体質顔料が使用されている。体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。特許文献1や2では、総量で40重量%以上の体質顔料が使用されている。
炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどは、安価であるため、従来から体質顔料として固形筆記材に多用されている。しかし、これらの体質顔料を用いた固形筆記材で筆記した場合、筆記面に付着した固形筆記材がざらつき、滑らかな筆記感が得られない。
滑らかな筆記感を得るために、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの体質顔料の量を少なくすることも考えられる。しかし、これらの量が少ない場合、固形筆記材の構成成分の混合物を成形加工しても、固形筆記材の形状を保持することが難しい。
本発明の目的は、加工性(具体的には、加工時の形状保持性)に優れ、かつ滑らかな筆記感が得られる固形筆記材を提供することである。
本発明の一局面は、着色顔料、体質顔料、および油成分を含み、前記体質顔料の含有量は、10〜50質量%であり、前記体質顔料は、ケイ酸アルミニウム、シリカ、および金属石鹸からなる群より選択される少なくとも一種の第1体質顔料を含み、前記体質顔料中の前記第1体質顔料の含有量は、90質量%以上である、固形筆記材に関する。
本発明の上記局面に係る固形筆記材は、その構成成分を含む混合物を加工(押出加工など)して固形筆記材を形成する際の加工性(具体的には、形状保持性)が高く、滑らかな筆記感が得られる。
[発明の実施形態の説明]
(固形筆記材)
本発明の一実施形態に係る固形筆記材は、着色顔料、体質顔料および油成分を含む。体質顔料は、ケイ酸アルミニウム、シリカ、および金属石鹸からなる群より選択される少なくとも一種の第1体質顔料を含む。固形筆記材中の体質顔料の含有量は、10〜50質量%であり、体質顔料中の第1体質顔料の含有量は90質量%以上である。
(固形筆記材)
本発明の一実施形態に係る固形筆記材は、着色顔料、体質顔料および油成分を含む。体質顔料は、ケイ酸アルミニウム、シリカ、および金属石鹸からなる群より選択される少なくとも一種の第1体質顔料を含む。固形筆記材中の体質顔料の含有量は、10〜50質量%であり、体質顔料中の第1体質顔料の含有量は90質量%以上である。
このような固体筆記材では、第1体質顔料を多く含む体質顔料を用いることで、ざらつきが抑制され、滑らかな筆記感を得ることができる。第1体質顔料を多く含む体質顔料を用いることで、高い増粘効果が得られるため、優れた加工性が得られる。なお、加工性に優れるとは、固形筆記材の構成成分の混合物を成形加工(例えば、押出加工)して固形筆記材を形成する際に形状を付与し易く、成形後にも所定の形状を保持することができることを意味する。
固形筆記材としては、例えば、クレヨン、オイルパステル、鉛筆の芯(特に、色鉛筆の芯)、固形マーカーなどが挙げられる。本発明の実施形態に係る固形筆記材は、滑らかな筆記感を有するため、特に、クレヨン、色鉛筆、または固形マーカーなどとして適している。固形筆記材は、書字用途、および描画用途のいずれにも使用でき、これらの用途のいずれかにかかわらず、固形描画材と呼ばれることもある。
以下、固形筆記材の構成成分についてより詳細に説明する。
(体質顔料)
体質顔料は、90質量%以上の第1体質顔料を含むことが重要である。このような体質顔料を用いることで、加工時に固形筆記材の形状を付与し易く、かつ、ざらつきが抑制された滑らかな筆記感が得られる。
(体質顔料)
体質顔料は、90質量%以上の第1体質顔料を含むことが重要である。このような体質顔料を用いることで、加工時に固形筆記材の形状を付与し易く、かつ、ざらつきが抑制された滑らかな筆記感が得られる。
第1体質顔料のうち、ケイ酸アルミニウムおよびシリカのそれぞれとしては、特に制限されず、天然のものを使用してもよく、公知の方法(乾式法、沈降法またはゲル法などの湿式法など)で得られるものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。ケイ酸アルミニウムおよびシリカのそれぞれは、結晶質であってもよく、非晶質であってもよい。
第1体質顔料のうち、金属石鹸は、長鎖脂肪酸と、ナトリウムおよびカリウム以外の金属との塩である。
長鎖脂肪酸としては、例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸;オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸が例示できる。長鎖脂肪酸の炭素数は、例えば、8〜26、好ましくは10〜20である。これらの長鎖脂肪酸のうち、ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸などが好ましい。
長鎖脂肪酸としては、例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸;オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸が例示できる。長鎖脂肪酸の炭素数は、例えば、8〜26、好ましくは10〜20である。これらの長鎖脂肪酸のうち、ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸などが好ましい。
金属としては、リチウム;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;亜鉛などの遷移金属などが例示できる。金属石鹸は、これらの金属を一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。これらの金属のうち、アルカリ土類金属および/または亜鉛が好ましい。
金属石鹸の具体例としては、特に制限されないが、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛などが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸金属塩が好ましく、特にステアリン酸カルシウムおよび/またはステアリン酸亜鉛が好ましい。
これらの第1体質顔料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ケイ酸アルミニウムおよび/またはシリカと、金属石鹸とを組み合わせると、増粘効果を高め易い。
これらの第1体質顔料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ケイ酸アルミニウムおよび/またはシリカと、金属石鹸とを組み合わせると、増粘効果を高め易い。
第1体質顔料の平均粒子径は、例えば、5〜30μmであり、5〜20μmまたは5〜10μmであることが好ましい。
本明細書中、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)を意味する。平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
本明細書中、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)を意味する。平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
体質顔料は、第1体質顔料に加え、第1体質顔料以外の体質顔料(第2体質顔料)を含んでもよい。優れた加工性および滑らかな筆記感を確保する観点から、体質顔料中の第1体質顔料の含有量は、90質量%以上(例えば、90〜100質量%)であり、好ましくは95質量%以上(例えば、95〜100質量%)である。固形筆記材に含まれる体質顔料を、第1体質顔料のみで構成する場合も好ましい。
第2体質顔料としては、金属無機酸塩、金属化合物、粘土鉱物などが例示できる。金属無機酸塩や金属化合物に含まれる金属としては、例えば、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、アルミニウムなどの典型金属;遷移金属などが挙げられる。
金属無機酸塩としては、炭酸塩、硫酸塩などが例示できる。炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩、遷移金属炭酸塩などが挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどのアルカリ土類金属硫酸塩、遷移金属硫酸塩などが挙げられる。
金属化合物としては、酸化物(アルミナなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウムなど)などが例示できる。
粘土鉱物としては、カオリン、タルク、クレー、ベントナイトなどが例示できる。
これらの第2体質顔料は、一種を単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
粘土鉱物としては、カオリン、タルク、クレー、ベントナイトなどが例示できる。
これらの第2体質顔料は、一種を単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
固形筆記材中の体質顔料の含有量は、10〜50質量%であり、好ましくは15〜40質量%である。体質顔料の含有量がこのような範囲である場合、固形筆記材の構成成分を混合する際に、十分な増粘効果が得られ、加工性(押出加工性など)を高めることができる。また、滑らかな筆記感が得られるとともに、十分な強度を得ることもできる。
固形筆記材中の体質顔料の含有量は、30質量%以下(例えば、10〜30質量%)とすることもできる。本発明の実施形態によれば、このように体質顔料の含有量が比較的少なくても、高い加工性を確保することができる。また、体質顔料の含有量がこのように少ない場合、着色顔料の割合を相対的に多くすることができる。よって、発色性または着色性に優れる固形筆記材を得ることができる。
(着色顔料)
着色顔料としては、特に制限されず、クレヨン、オイルパステル、鉛筆の芯、固形マーカーなどの固形筆記材(または固形描画材)に使用される公知のもの、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、金属粉顔料などが使用できる。着色顔料の色も特に制限されず、様々な色が採用でき、白色であってもよい。例えば、白色の着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛などが例示できる。また、着色顔料として、染料および/または顔料(上記例示の着色顔料)と樹脂とを含む着色粉体を用いてもよく、粒子(樹脂粒子および/または無機粒子)の表面を顔料(上記例示の着色顔料)で被覆したもの(パール顔料なども含む)を用いてもよい。
着色顔料は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
着色顔料としては、特に制限されず、クレヨン、オイルパステル、鉛筆の芯、固形マーカーなどの固形筆記材(または固形描画材)に使用される公知のもの、有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、金属粉顔料などが使用できる。着色顔料の色も特に制限されず、様々な色が採用でき、白色であってもよい。例えば、白色の着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛などが例示できる。また、着色顔料として、染料および/または顔料(上記例示の着色顔料)と樹脂とを含む着色粉体を用いてもよく、粒子(樹脂粒子および/または無機粒子)の表面を顔料(上記例示の着色顔料)で被覆したもの(パール顔料なども含む)を用いてもよい。
着色顔料は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
固形筆記材中の着色顔料の含有量は、特に制限されず、例えば、0.1〜50質量%の範囲から適宜決定でき、1〜40質量%または5〜30質量%であってもよい。着色顔料の含有量がこのような範囲である場合、発色性(または着色性)を高め易く、滑らかな筆記感を確保し易いことに加え、適度な強度の固形筆記材が得られ易い。
本発明の実施形態によれば、体質顔料の含有量を低減できるため、着色顔料の含有量を、例えば、20質量%より多くすることができる。この場合、固形筆記材中の着色顔料の含有量は、20質量%を超えて40質量%以下であってもよく、23〜30質量%であってもよい。このように、着色顔料の含有量を多くすることができるため、固形筆記材の発色性または着色性をさらに向上することができる。
(油成分)
油成分としては、例えば、オイルおよびワックスからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。固形筆記材がオイルを含む場合、筆記感の滑らかさをさらに向上させることができる。固形筆記材がワックスを含む場合、固形筆記材の構成成分(特に、粉末成分)を一体にまとめ易くなることに加え、被筆記面への付着性(または筆記面における定着性)を高めることができる。固形筆記材は、オイルおよびワックスのいずれか一方を含んでもよいが、上記の特性がバランスよく得られる観点から、オイルおよびワックスの双方を含むことが好ましい。
油成分としては、例えば、オイルおよびワックスからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。固形筆記材がオイルを含む場合、筆記感の滑らかさをさらに向上させることができる。固形筆記材がワックスを含む場合、固形筆記材の構成成分(特に、粉末成分)を一体にまとめ易くなることに加え、被筆記面への付着性(または筆記面における定着性)を高めることができる。固形筆記材は、オイルおよびワックスのいずれか一方を含んでもよいが、上記の特性がバランスよく得られる観点から、オイルおよびワックスの双方を含むことが好ましい。
(オイル)
オイルとしては、常温(例えば、20〜35℃)で液状のもの、例えば、ヤシ油、ヒマシ油などの動植物由来のオイル;流動パラフィンなどの鉱物油;シリコーンオイルなどの合成オイル;常温で液体の長鎖脂肪酸(オレイン酸、リノレン酸などの融点が35℃以下の長鎖脂肪酸など)などが例示できる。オイルとして、溶融状態のワックスと相溶(またはワックスに溶解)するものを用いると、固形筆記材の構成成分の分散性を高め易い。これらのオイルは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。オイルのうち、流動パラフィンなどの鉱物油(石油由来のオイルなど)が好ましい。なお、オイルの融点は、35℃以下または20℃以下であることが好ましい。
オイルとしては、常温(例えば、20〜35℃)で液状のもの、例えば、ヤシ油、ヒマシ油などの動植物由来のオイル;流動パラフィンなどの鉱物油;シリコーンオイルなどの合成オイル;常温で液体の長鎖脂肪酸(オレイン酸、リノレン酸などの融点が35℃以下の長鎖脂肪酸など)などが例示できる。オイルとして、溶融状態のワックスと相溶(またはワックスに溶解)するものを用いると、固形筆記材の構成成分の分散性を高め易い。これらのオイルは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。オイルのうち、流動パラフィンなどの鉱物油(石油由来のオイルなど)が好ましい。なお、オイルの融点は、35℃以下または20℃以下であることが好ましい。
固形筆記材がオイルを含む場合、固形筆記材中のオイルの含有量は、例えば、1〜20質量%の範囲から適宜選択でき、1〜10質量%または1〜5質量%が好ましい。オイルの含有量がこのような範囲である場合、固形筆記材に適度な強度および耐熱性を付与し易く、固形筆記材の滑り性および定着性を高め易い。
(ワックス)
ワックスは、常温(例えば、20〜35℃)では固体であり、加熱により溶融するものが好ましい。ワックスとしては、固形筆記材に使用される公知のワックスが使用でき、例えば、天然ワックス、合成ワックス、加工(または変性)ワックスのいずれであってもよい。ワックスの融点は、例えば、35℃を超える温度であり、40〜120℃または50〜100℃であってもよい。
ワックスは、常温(例えば、20〜35℃)では固体であり、加熱により溶融するものが好ましい。ワックスとしては、固形筆記材に使用される公知のワックスが使用でき、例えば、天然ワックス、合成ワックス、加工(または変性)ワックスのいずれであってもよい。ワックスの融点は、例えば、35℃を超える温度であり、40〜120℃または50〜100℃であってもよい。
ワックスの具体例としては、蜜ロウ、鯨ロウ、牛脂、牛脂硬化油、ラードなどの動物由来のワックス;カルナウバワックス、木ロウ、パーム硬化油、ヒマシ硬化油などの植物由来のワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油由来のワックス;モンタンワックスなどの鉱物由来のワックス;ポリオレフィンワックス(具体的には、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンをモノマー単位として含むポリオレフィンワックス)などの合成ワックスなどが挙げられる。また、ワックスとしては、常温で固形である、長鎖脂肪酸(ステアリン酸など)、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸アミド(ステアリン酸アミドなど)、ケトンワックス(ジヘプタデシルケトンなどの長鎖脂肪族ケトンなど)なども使用できる。これらのワックスは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
固形筆記材中のワックスの含有量は、例えば、10〜60質量%の範囲から適宜選択でき、20〜50質量%が好ましい。ワックスの含有量がこのような範囲である場合、発色性または着色性に優れるとともに、成形性および強度が高く、被筆記面への付着性および筆記面における定着性が良好な固形筆記材が得られ易い。
固形筆記材がオイルを含む場合、筆記感の滑らかさは向上するが、擦れなどにより、筆記面に付着した固形筆記材が取れ易くなる。固形筆記材の定着性を高める観点からは、油成分は、オイルとともに、高融点ワックス(第1ワックス)を含むことが好ましい。
ここで、第1ワックスとは、上記で例示したワックスのうち、融点が80℃以上のものである。例えば、ヒマシ硬化油、ポリオレフィンワックス、および/または脂肪酸アミド(ステアリン酸アミドなど)などが挙げられる。第1ワックスの融点は、85℃以上であることがより好ましい。第1ワックスは、少なくともヒマシ硬化油を含むことが好ましい。
ワックス中に占める第1ワックスの含有量は、例えば、10質量%以上であり、10〜90質量%または20〜70質量%が好ましく、25〜65質量%がさらに好ましい。第1ワックスの含有量がこのような範囲である場合、滑らかな筆記感と、固形筆記材の定着性とのバランスを取り易い。
第1ワックスは、融点が80℃未満のワックス(上記で例示したワックスのうち、高融点ワックス以外のワックス(第2ワックスとも言う)など)と組み合わせて用いてもよい。ワックスにおいて、第1ワックスの残部を第2ワックスとしてもよい。
第2ワックスの融点は、50℃以上80℃未満、または60℃以上80℃未満であることが好ましい。第2ワックスのうち、蜜ロウ、パーム硬化油、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、牛脂硬化油、および/またはケトンワックスなどが好ましい。
第2ワックスの融点は、50℃以上80℃未満、または60℃以上80℃未満であることが好ましい。第2ワックスのうち、蜜ロウ、パーム硬化油、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、牛脂硬化油、および/またはケトンワックスなどが好ましい。
(その他)
固形筆記材は、必要に応じて、固形筆記材に使用される公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、結着剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、防かび剤、抗菌剤などが挙げられる。添加剤は、一種を単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
固形筆記材は、必要に応じて、固形筆記材に使用される公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、結着剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、防かび剤、抗菌剤などが挙げられる。添加剤は、一種を単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
固形筆記材は、必要に応じて、接着性樹脂(公知の粘着性の樹脂、例えば、ロジン、および/またはロジン変性物などの石油樹脂など)を含んでもよい。ロジン変性物としては、ロジンエステル、水素化ロジンエステル、および/または重合ロジンエステルなどのエステル類が例示できる。固形筆記材中の接着性樹脂の含有量は、例えば、8質量%以下であることが好ましい。
固形筆記材は、着色顔料、体質顔料、および油成分を用いて、公知の方法により製造することができる。製造方法は、特に限定されるものではないが、固形筆記材は、例えば、液状の油成分に、着色顔料および体質顔料を加えて混合し、混合物を、固形筆記材の金型に流し込み、冷却して固化させ、金型から取り出すことにより得ることができる。本発明の実施形態によれば、第1体質顔料の増粘効果が高いため、構成成分を混合し易く、混合物は成形性に優れている。そのため、混合物を押し出し成形することによっても、固形筆記材を得ることができる。また、構成成分を混合する際に、特に、水などの分散媒を添加する必要がないため、特に成形後の乾燥工程を要しない。構成成分を混合した混合物は、押し出し成形性に優れるため、固形筆記材は、クレヨンやオイルパステルだけでなく、鉛筆の芯や固形マーカーなど、様々な用途に展開できる。
各成分の混合は、油成分が液体の状態で行われる。ワックスを含む油成分を用いる場合には、通常、ワックスの融点以上の温度で加熱した状態で各成分を混合してもよい。また、オイルおよびワックスを含む油成分を用いる場合には、ワックスを融点以上の温度で溶解させて、オイルと混合し、混合物が液体の状態で、各成分を混合してもよい。
各成分を混合する順序は特に制限されないが、液体の油成分に、粉末成分(着色顔料および体質顔料など)を添加し、分散させることが好ましい。オイルおよびワックスを含む油成分を用いる場合、ワックスに粉末成分を分散させた後にオイルを混合してもよいが、ワックスおよびオイルを予め混合した後、粉末成分を添加することが好ましい。また、ワックスの一部とオイルの一部とを予め混合して、着色顔料および体質顔料を添加し、さらに混合した後、残りのワックスおよびオイルを添加してもよい。構成成分を含む混合物は、金型内で、ワックスの融点よりも低い温度まで冷却することにより、固形筆記材が得られる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3および比較例1〜3
(1)固形筆記材の作製
加熱下で溶融させたワックスとオイルとを混合し、さらに着色顔料および体質顔料を加えて、均一になるまで混合した。得られた混合物を、所定形状の金型に流し込み、冷却および固化させることにより、固形筆記材(A1〜A3、およびB1〜B3)を作製した。なお、固形筆記材中の各成分の含有量が表1の値となるように、各成分の使用量を調節した。
(1)固形筆記材の作製
加熱下で溶融させたワックスとオイルとを混合し、さらに着色顔料および体質顔料を加えて、均一になるまで混合した。得られた混合物を、所定形状の金型に流し込み、冷却および固化させることにより、固形筆記材(A1〜A3、およびB1〜B3)を作製した。なお、固形筆記材中の各成分の含有量が表1の値となるように、各成分の使用量を調節した。
体質顔料としては、ケイ酸アルミニウム(e1)、ステアリン酸カルシウム(e2)、および炭酸カルシウム(e3)を用いた。(e2)のD50は、8μmであった。着色顔料としては、酸化チタン(p1)、ベンガラ(p2)および鉄黄(p3)を用いた。
オイルとしては、パラフィンオイル(流動パラフィン)を用いた。
第1ワックスとしては、ヒマシ硬化油(w1、融点85℃)を用いた。
第2ワックスとしては、パラフィンワックス(w2a、融点58℃)、牛脂硬化油(w2b、融点60℃)、マイクロクリスタリンワックス(w2c、融点62℃)、ケトンワックス(w2d、ジヘプタデシルケトン、融点78℃)を用いた。
第1ワックスとしては、ヒマシ硬化油(w1、融点85℃)を用いた。
第2ワックスとしては、パラフィンワックス(w2a、融点58℃)、牛脂硬化油(w2b、融点60℃)、マイクロクリスタリンワックス(w2c、融点62℃)、ケトンワックス(w2d、ジヘプタデシルケトン、融点78℃)を用いた。
(2)評価
固形筆記材の押出加工性、筆記感、および発色性について下記の手順で評価した。
(a)押出加工性
上記(1)の固形筆記材を作製する工程で得られる混合物を、ブランジャー型成形機に供して、直径3mmの円柱状に押出加工した。形状を保持した状態で押出加工できた場合を「A」、形状を保持できなかった場合を「B」として評価した。
固形筆記材の押出加工性、筆記感、および発色性について下記の手順で評価した。
(a)押出加工性
上記(1)の固形筆記材を作製する工程で得られる混合物を、ブランジャー型成形機に供して、直径3mmの円柱状に押出加工した。形状を保持した状態で押出加工できた場合を「A」、形状を保持できなかった場合を「B」として評価した。
(b)筆記感
画用紙の表面に、固形筆記材で線を引き、このときの筆記感が滑らかである場合を「A」、ざらついた場合を「B」と評価した。なお、上記(a)においてB評価であった例については、混合物を圧縮成形し、得られた成形物を用いて筆記感を評価した。
画用紙の表面に、固形筆記材で線を引き、このときの筆記感が滑らかである場合を「A」、ざらついた場合を「B」と評価した。なお、上記(a)においてB評価であった例については、混合物を圧縮成形し、得られた成形物を用いて筆記感を評価した。
(c)発色性
画用紙の表面に、固形筆記材で線を引き、着色顔料の色彩が明瞭であった場合を「A」、着色顔料の色彩が、白色がかっていた場合を「B」と評価した。
実施例および比較例の結果を、構成成分の種類および含有量とともに、表1に示す。なお、固形筆記材A1〜A3は実施例であり、固形筆記材B1〜B3は比較例である。
画用紙の表面に、固形筆記材で線を引き、着色顔料の色彩が明瞭であった場合を「A」、着色顔料の色彩が、白色がかっていた場合を「B」と評価した。
実施例および比較例の結果を、構成成分の種類および含有量とともに、表1に示す。なお、固形筆記材A1〜A3は実施例であり、固形筆記材B1〜B3は比較例である。
表1に示されるように、実施例では、押出加工性が高く、筆記感に優れる固形筆記材が得られた。比較例1および3では、押出加工しても、流動状態であり、固形筆記材の円柱状の形状を保持することができなかった。比較例2では、押出加工性は高いものの、筆記感が劣っていた。
本発明の実施形態に係る固形筆記材は、加工性に優れ、滑らかな筆記感が得られる。よって、固形筆記材は、クレヨン、オイルパステル、鉛筆の芯、固形マーカーなどとして家庭用または工業用などの様々な用途で利用することができる。
Claims (7)
- 着色顔料、体質顔料、および油成分を含み、
前記体質顔料の含有量は、10〜50質量%であり、
前記体質顔料は、ケイ酸アルミニウム、シリカ、および金属石鹸からなる群より選択される少なくとも一種の第1体質顔料を含み、
前記体質顔料中の前記第1体質顔料の含有量は、90質量%以上である、固形筆記材。 - 前記第1体質顔料は、ケイ酸アルミニウム、シリカ、およびステアリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の固形筆記材。
- 前記油成分は、オイルおよびワックスからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の固形筆記材。
- 前記油成分は、オイルと、融点が80℃以上の第1ワックスとを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形筆記材。
- 前記第1ワックスは、少なくともヒマシ硬化油を含む、請求項4に記載の固形筆記材。
- 前記オイルの含有量は、1〜20質量%であり、
前記ワックスの含有量は、10〜60質量%であり、
前記ワックス中の前記第1ワックスの含有量は、10〜90質量%である、請求項4または5に記載の固形筆記材。 - 前記着色顔料の含有量は、20質量%を超える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形筆記材。
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JP2015166749A JP2017043690A (ja) | 2015-08-26 | 2015-08-26 | 固形筆記材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108659626A (zh) * | 2018-07-11 | 2018-10-16 | 欧光君 | 一种水溶性粉笔及其制造方法 |
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2015
- 2015-08-26 JP JP2015166749A patent/JP2017043690A/ja active Pending
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