JP5718330B2 - 筆記用具、製図用具及び/又は絵画絵画具のための芯 - Google Patents

筆記用具、製図用具及び/又は絵画絵画具のための芯 Download PDF

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Description

本発明は、筆記用具、製図用具及び/又は絵画用具のためのポリマー結合型(polymergebundene)芯に関する。
そのような筆記、製図及び/又は絵画を行うための芯は原則的に知られている。筆記、製図及び/又は絵画のための黒鉛をベースとするポリマー結合型芯は、一方では、木材または他の先端を尖らせることの可能な材料中に挿入して固定される芯、及び、他方では、曲げ剛性のある鞘材中に可動に保持される芯と理解される。この例としては、木軸鉛筆類及びシャープペンシル類、例えば、いわゆるノック式シャープペンシル又はクラッチペンシル(Fallstifte)のための芯がある。この場合、慣用的な芯の外径は約0.3mm〜6mmの範囲内である。
それ故、例えば、ドイツ国特許3827968C1号明細書(特許文献1)からは、ポリマー結合型黒鉛芯が知られている。このような非焼成芯は、ポリマーバインダー、滑剤及びフィラーを含む。
そのような芯を製造する際の欠点とは、50重量%を超える高いフィラー含有量の場合に、その筆記特性及び絵画特性は確かに非常に良好であるが、押出成形の間のその芯材料の粘度が非常に高く、それによって道具中及び押出機中での必要な押出圧力が非常に高い値となることである。ヘッド圧力は約350バールである。これは、押出機の寸法をより大きくし、そして煩雑な設備を必要とするために、その点で不利に作用する。一方でまた、機械及び道具の寿命もその高い押出圧力によって著しく短くなる。
ドイツ国特許3827968C1号明細書
従って、本発明課題は、上述の欠点を示さず、かつ低い押出圧力で製造できる、筆記、製図及び/又は絵画のための芯を提供することである。
上記の課題は、少なくとも一種のポリマーバインダー、少なくとも一種のワックス及び少なくとも一種のフィラーを含む、筆記用、製図用又は絵画用の、特に、鉛筆又は色鉛筆のためのポリマー結合型芯において、該芯が更に0.1〜5重量%のパーム核油及び/又はココヤシ脂肪(kokosfett)及び/又はココヤシ油(kokosoel)及び/又はオレイン酸を有することによって解決される。
驚くべきことに、パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸を芯成分として的確に添加することによって、内部滑剤が処方物に加えられ、それによって、押出機における押出圧力が顕著に引き下げられることが判明した。パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸を芯組成物中に添加することによって、押出時に、特に押出機のダイ又はヘッドにおけるプレス力又は押出圧力が明らかに低減される。このとき、パーム核油及び/又はココヤシ油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はオレイン酸の添加量が増加するにつれて圧力が低下し、その際、慣用的な押出可能な芯組成物と比較して、少なくとも30%、特に少なくとも50%の圧力減少が達成される。
確かに、他の天然油又は合成油も同様に押出機における圧力を低下させるが、押出成形される芯の強度に過度に悪影響を及ぼすことが示された。驚くべきことに、パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸を使用する場合、押出機における圧力は低いが、それにもかかわらず芯強度が必要な程度であるため、上記のような天然油や合成油の場合とは異なる。
それに加えて、パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸を添加することによって、芯の筆跡(Abstrich)の着色効果(Farbeindruck)が強くなり、筆記時の芯の滑り挙動が向上される。鉛筆芯では高い黒色度を有する濃い筆跡が得られる一方、色鉛筆芯は、濃く、色鮮やかな強い色調の筆跡が得られる。
芯組成物におけるパーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸の割合は、0.1〜5重量%の範囲内、特に、0.5〜2.5重量%の範囲内である。パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸の含有量が上述した5重量%の限度を超えると、芯強度が過度に低下する。そのような芯は、使っているうちに砕けたり折れたりする傾向がある。
使用されるワックス類は20℃で混練可能であり、堅い乃至脆いの硬質を有し、粗大乃至微結晶性の構造を有し、有色の透明乃至不透明であるが、ガラス様ではなく、分解することなく40℃超で溶融する。該ワックス類は融点より僅かに高温で易流動性であり、稠度と溶解性が温度に大きく依存する。
本発明によるポリマー結合型芯は、押出成形後にそれ以上の熱処理または含浸を行うことなく直ぐに使用できる非焼成芯である。
鉛筆芯および色鉛筆芯の他に、例えば、いわゆる大工用鉛筆用の芯などの特殊な芯も挙げられる。
有利な実施形態は従属項に記載されている。
ポリマー結合型芯が次を有する場合に有利であることが判明した。
10〜30重量% ポリマーバインダー、
2〜25重量% ワックス、
0.1〜5重量% パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸、
残部 フィラー(複数種可)。
ポリマー結合型芯が次を有する場合に特に好ましい。
15〜25重量% バインダー、
4〜20重量% ワックス、
0.5〜2.5重量% パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸、
残部 フィラー(複数種可)。
少なくとも一つのバインダーが、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、スチレンブタジエン(SB)、ポリオレフィン(PO)、およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)を含む群の少なくとも一種のポリマーから形成される場合に有効であることが実証された。
二種又はより多種のバインダーからなる混合物もまた使用可能である。
更に、少なくとも一種のワックスが、ステアレート、モンタンワックス、アミドワックス、パラフィンを含む群からの少なくとも一種である場合に有効であることが実証された。
二種又はより多種のワックスからなる混合物もまた使用可能である。その際、少なくとも一種のワックスが、ステアリン酸カルシウムから形成されるか、又はステアリン酸カルシウムを含む場合が特に好ましい。
少なくとも一種のフィラーが、黒鉛、カーボンブラック、六方晶系窒化硼素、層状シリケート、チョーク、バライト、有色顔料、無色顔料を含む群の少なくとも一種のフィラーから形成されるのが有利である。
その際、鉛筆の芯には、着色フィラーとして黒鉛又は黒鉛とカーボンブラックの組み合せが特に好ましい。色鉛筆の芯には、六方晶系窒化ホウ素、層状シリケート等々のような白色又は無色のフィラーと、アゾ系顔料、フタロシアニン、ジオキサジン、キナクリドン、酸化鉄類、カーボンブラック、黒鉛、ウルトラマリン、鉄−シアン錯体のような着色顔料とからなる組み合わせが有効であることが実証されている。
鉛筆芯に好ましい組成は次を有する。
15〜25重量% バインダー、
4〜12重量% ワックス、
0.5〜2重量% パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸、
残部 黒鉛、又は黒鉛とカーボンブラック。
鉛筆芯は特に次を有する。
15〜25重量% ポリスチレン(PS)、
4〜12重量% ステアリン酸カルシウム、
0.5〜2重量% パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸、
残部 黒鉛、又は黒鉛とカーボンブラック。
鉛筆芯のための模範として挙げられる処方1は次を含む。
ポリスチレン(PS) 21重量%
ステアリン酸カルシウム 6重量%
オレイン酸 1.0重量%
黒鉛 残部
鉛筆芯のための処方例2は次を含む。
ポリスチレン(PS) 20.5重量%
ステアリン酸カルシウム 6重量%
ココヤシ油 1.5重量%
黒鉛 残部
以下の表に、従来技術により押出成形された鉛筆芯と比較した、処方1による本発明の鉛筆芯を製造する場合の押出ヘッドにおける押出圧力の低下を示す。
Figure 0005718330
この際、本発明の組成に応じて形成される芯は、著しくより低い押出圧力が製造に必要であることが明らかにわかる。機械及び道具の寿命が長くなり、そして機械の設計が簡単になる。
鉛筆芯のための模範として挙げられる処方3は次を含む。
スチレン−アクリロニトリル(SAN) 15重量%
ステアリン酸アルミニウム 10重量%
ココヤシ脂肪 2重量%
黒鉛 残部
鉛筆芯のための模範として挙げられる処方4は次を含む。
ポリスチレン(PS) 15重量%
ステアリン酸アルミニウム 10重量%
ココヤシ油 1重量%
パーム核油 1重量%
黒鉛 残部
色鉛筆芯のための好ましい組成は次を含む。
15〜25重量% バインダー
4〜12重量% ワックス
0.5〜2重量% パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸
残部 層状シリケート(類)及び/又は六方晶系窒化ホウ素並びに少なくとも一種の有色顔料及び/又は無色顔料
特に、色鉛筆の芯は次を有する。
15〜25重量% ポリスチレン(PS)
4〜12重量% モンタンワックス
0.5〜2重量% パーム核油及び/又はココヤシ脂肪及び/又はココヤシ油及び/又はオレイン酸
残部 タルカム及び/又は六方晶系窒化ホウ素並びに少なくとも一種の有色顔料及び/又は無色の顔料
本発明のポリマー結合型芯の製造方法としては、押出法が有効であることが実証されている。
本発明の芯は、特に、次に挙げる工程を実施することによって製造される。
− 全ての芯の処方成分を混合し、そして粒状化して芯顆粒物にする工程;
− 押出機で適切なダイを介して130〜200℃の範囲の温度で該芯顆粒物を押出成形してエンドレス芯ストランド(endlose Minenstraengen)にする工程;
− そのエンドレス芯ストランドを冷却して硬化させる工程;そして
− このエンドレス芯ストランドを最終的な長さに、特に必要な鉛筆の長さに切断する工程。
押出ヘッドに応じて、芯の横断面を任意の形状、丸い、角張ったあるいはそれらを組み合わせた形状にすることができる。その他に、複合共押出成形(Mehrfach−Coextrusion)により、様々な芯の処方物を押出ヘッドで結合させて複合成分の芯にすることが可能である。

Claims (4)

  1. 少なくとも一種のポリマーバインダー、少なくとも一種のワックス及び黒鉛及びカーボンブラックからなる群から選択される少なくとも一種のフィラーを含むポリマー結合型(polymergebundene)鉛筆芯であって、
    前記鉛筆芯が、
    15〜25重量% ポリマーバインダー
    4〜12重量% ワックス
    0.5〜2重量% パーム核油、ココヤシ脂肪、ココヤシ油及びオレイン酸の少なくとも一種
    残部 黒鉛、又は黒鉛とカーボンブラック
    を有し、
    前記少なくとも一種のポリマーバインダーが、ポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル(SAN)、スチレン/ブタジエン(SB)、ポリオレフィン(PO)及びアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)からなる群から選択される少なくとも一種のポリマーから形成されることを特徴とする、上記の鉛筆芯。
  2. 前記少なくとも一種のワックスが、モンタンワックス、アミドワックス及びパラフィンからなる群から選択される少なくとも一種のワックスから形成されることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー結合型芯。
  3. 前記少なくとも一種のワックスが、ステアリン酸カルシウムを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリマー結合型芯。
  4. 前記芯が押出成形によって形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のポリマー結合型芯の製造方法。
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