JP2006271211A - 無リン冷凍すり身のpH調整剤及びそれを使用した無リンすり身の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 無リン冷凍すり身を製造する工程において、pH調整剤として炭酸カリウムとグリシンとの混合物を添加してpHを特定の範囲に調整することにより、ゲル化に際して高いゼリー強度が得られ、しかも、長期間の冷凍貯蔵にも適応できる無リン冷凍すり身を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明で使用できるすり身の原料である魚種は通常、すり身として使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、スケソウダラ、グチ、イトヨリ、キンメ、ホッケ、ニシン、イワシ、ワラヅカ、トビウオなどが挙げられる。
0.10〜0.40重量%(pH7.5〜8.6)、0.20〜0.30重量%(pH7.8〜8.2)
配合比が6:4の場合、魚肉重量に基づいて、
0.15〜0.60重量%(pH7.5〜8.6)、0.25〜0.45重量%(pH7.8〜8.2)
である。
また、pH調整剤として炭酸ナトリウム単独で又は炭酸水素ナトリウム単独で使用した場合のゼリー強度の改善(弾力補強効果)を比較試験したところ、炭酸ナトリウムが炭酸水素ナトリウムよりも効果が大きいことが判明した。後述の表2及び図2及び図3を参照されたい。
[参考例]
(1) 従来のpH調整剤を使用した冷凍無リンすり身の調製
各試験区毎に、水晒ししたスケトウダラ脱水肉(200kg)ずつを使用し、これにスクロース4重量%とソルビトール4重量%を加え、さらに、表1に示したpH調整剤(2種の塩の混合物の場合は、炭酸塩:炭酸水素塩の重量比は3:1又は1:1)を所定のpHが得られるように混合した後、10kgづつ小分けしてポリ塩化ビニール袋に詰め、コンタクトフリーザーで急速凍結して、冷凍無リンすり身を得た。
(2) 蒲鉾ゲル(ケーシングゲル)の調製
参考例1で調製した、スケトウダラの無リンすり身1000gをサイレントカッター(HOBART社製)で空ずりし、食塩30gを加えて塩ずりした後、水300gを加えて生身温度が7〜8℃になるまで混合した。この後、折径48mmの塩化ビニリデン製のケーシングにすり身を詰め、加熱(直加熱:85℃で30分加熱、坐り加熱:30℃で1時間坐らせた後、85℃で30分加熱)し、冷却して蒲鉾ゲルを調製した。
測定機器 :サン科学社製のレオメーター(CR−200D)
プランジャー :径1mmのくさび
試料厚 :13mm
テーブルスピード:60mm/min.
測定温度 :20〜25℃
測定の結果を下記の表1及び表2に示す。さらに、これらの表に示した数値に基づいて作成したグラフを図1、図2及び図3に示した。なお、表1及び表2では、pH調整剤を使用しないサンプル(pH7.0)を対照とした。
破断強度(g)と破断距離(cm)とかけ合わせた値をゼリー強度(g・cm)として表した。[破断強度は試料が破断するのに必要な力であり、破断距離は試料が破断するまでの距離を表す。]
[実施例1] 炭酸カリウムとグリシンとの併用
参考例の(1)に記載の方法において、pH調整剤として表3に示すように、炭酸カリウムとグリシンとを組合せたpH調整剤を使用して冷凍無リンすり身を製造した。なお、対照として炭酸カリウムを単独で使用して、同様に冷凍無リンすり身を製造した。
結果を表3及び図4、図5に示した。
(1) 各試験区(1〜7)ごとに、水晒ししたスケトウダラ脱水肉(200kg)ずつ使用し、これに表5−1に示した添加物を混合した後、10kgずつ小分けしてポリ塩化ビニール袋に詰め、コンタクトフリーザーで急速凍結して、得られた冷凍無リンすり身を9カ月間冷凍貯蔵した。
参考例で調製した、スケトウダラの無リンすり身を調製凍結後直ちに、及び調製後9カ月間冷凍貯蔵したもの1000gを、サイレントカッター(HOBART社製)で空ずりし、食塩30gを加えて塩ずりした後、水300gを加えて生身温度が7〜8℃になるまで混合した。この後、折径48mmの塩化ビニリデン製のケーシングにすり身を詰め、加熱(直加熱:85℃で30分加熱、坐り加熱:30℃で1時間坐らせた後、85℃で30分加熱)し、冷却して蒲鉾ゲルを調製した。
測定機器 :サン科学社製のレオメーター(CR−200D)
プランジャー :径1mmのくさび
試料厚 :13mm
テーブルスピード:60mm/min.
測定温度 :20〜25℃
測定の結果を下記の表5−2に示す。さらに、この表に示した数値に基づいて作成したグラフを図6(図6−1及び図6−2)に示した。
破断強度(g)と破断距離(cm)とかけ合わせた値をゼリー強度(g・cm)として表した。[破断強度は試料が破断するのに必要な力であり、破断距離は試料が破断するまでの距離を表す。]
本発明のpH調整剤を使用し、9カ月間冷凍貯蔵したサンプルは、他の試験区の場合と比較して、タンパク質の変性防止効果により、直加熱(図6−1)、坐り加熱(図6−2)のいずれの加熱方式においてもゼリー強度の改善は顕著であった。
Claims (8)
- K2CO3とグリシンとを含む、無リン冷凍すり身のpH調整剤。
- K2CO3とグリシンとの重量混合比が8:2〜2:8であることを特徴とする請求項1に記載の無リン冷凍すり身のpH調整剤。
- K2CO3とグリシンとの重量混合比が8:2〜6:4であることを特徴とする請求項1に記載の無リン冷凍すり身のpH調整剤。
- K2CO3とグリシンとの混合物をpH調整剤として含有し、pHが7.5〜8.6に調整されていることを特徴とする無リン冷凍すり身。
- pHが7.8〜8.2に調整されていることを特徴とする、請求項4に記載の無リン冷凍すり身。
- pH調整剤のK2CO3とグリシンとの重量混合比が8:2〜2:8であることを特徴とする請求項4又は5に記載の無リン冷凍すり身。
- K2CO3とグリシンとの混合物をpH調整剤として、原料魚肉に対して0.10〜0.60重量%使用することを特徴とする請求項4、5又は6に記載の無リン冷凍すり身。
- K2CO3とグリシンとの混合物をpH調整剤として使用することを特徴とする無リン冷凍すり身の製造方法。
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JP2005090564A JP2006271211A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 無リン冷凍すり身のpH調整剤及びそれを使用した無リンすり身の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5466329B1 (ja) * | 2013-10-03 | 2014-04-09 | 聖一 村上 | 水産練り製品の製造方法、水産練り製品および保存性向上剤 |
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JPH09308463A (ja) * | 1996-05-20 | 1997-12-02 | Showa Denko Kk | 水産練り製品の製造方法 |
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2005
- 2005-03-28 JP JP2005090564A patent/JP2006271211A/ja active Pending
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