JPH09308463A - 水産練り製品の製造方法 - Google Patents

水産練り製品の製造方法

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JPH09308463A
JPH09308463A JP8124546A JP12454696A JPH09308463A JP H09308463 A JPH09308463 A JP H09308463A JP 8124546 A JP8124546 A JP 8124546A JP 12454696 A JP12454696 A JP 12454696A JP H09308463 A JPH09308463 A JP H09308463A
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信 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾力性が強くかつ保存性に優れた水産練り製
品の製造方法とその方法に使用する水産練り製品の弾力
性・保存性改善剤を提供する。 【解決手段】 グリシンの可食性金属塩を水産練り製品
中に含有させることを特徴とする弾力性と・保存性水産
練り製品の製造方法とグリシンの可食性金属塩を含有し
てなる水産練り製品の弾力性・保存性改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾力性が強くかつ保
存性に優れた水産練り製品の製造方法とその方法に使用
する弾力性・保存性改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水産練り製品は近年主としてスケソウタ
ラの冷凍すり身を原料として製造されている。しかし、
古くはエソ、グチ、キチジ、ヒラメ、サメ、カジキマグ
ロ、ニベ、ハモなど近海で捕れる魚類の肉、あるいは、
いか、たこの類、えび、かにの類、貝類等を原料とし
て、それぞれの地方の特色を生かした製品が製造されて
きた。そして、これらの水産練り製品は、板付けしたの
ち蒸して作るもの、蒸したのち表面に焼きを入れるも
の、鉄板などの上で両面を焼いて作るもの、表面に輻射
熱を当てて焼き抜くもの、リテイナー中に包装材と共に
成形し蒸気で加熱するもの、プラスチック製チューブ中
に充填して温水中で加熱するなどの各種の蒲鉾類、鉄製
ないしは竹製の芯にすり身を巻き付け外部より焼き揚げ
る竹輪類、あるいは油中で揚げる揚げ蒲鉾などの各種の
方法によって製造されている。これらの水産練り製品は
以上のような各種の材料や各種の製法によって製品とさ
れるが、その基本とするところは基本原料の魚肉すり身
に2〜3%の食塩を添加して、十分混合する事によって
魚肉の筋肉タンパク質を水に溶解し易い状態とし、これ
によりすり身を膨潤させ、一部の場合には必要に応じて
澱粉などを加え成形したのち80〜90℃で数分ないし
30分程度加熱する事により特有の弾力性を持った水産
練り製品を作ることにある。
【0003】この水産練り製品の弾力性は、製品の商品
価値、地方の特色、品質、特徴などを決定する最も重要
な属性であり、そしてその特性はすり身の品質、製造方
法、坐り、添加物の有無や種類、加熱方法、製造後の保
存条件等によって左右される。また、水産練り製品を流
通させ販売するためには保存料や日持ち向上剤のような
ものを添加するとか、製品を低温に保存するとか、無菌
的に包装して低温に保存するとか、冷凍するとか何らか
の方法によってある程度の長期保存性を与えることが必
要である。しかしながら、水産練り製品の特徴である弾
力性を強く保つことと、製品の保存性を高めることとは
必ずしも一致せず、むしろ相反する要求であることが多
い。例えば、練り製品の保存性を高めるために保存料と
してソルビン酸を添加すると保存性は増すが弾力性は著
しく損なわれる。また、製品を低温に置くと次第に硬く
なり品質として好ましい柔らかい粘りのある弾力性を失
う。また、水産練り製品を冷凍するときは、しばしば亀
裂が入りスポンジ状となり品質を損ねる。あるいはま
た、フィルムに包装して100℃を越える高温で加熱し
て殺菌すると弾力性は著しく失われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は水産
練り製品の弾力性を強くしつつ、しかも保存性を高める
ための製造方法とそれに使用する改善剤を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、水産すり身原料に
グリシンの可食性の金属塩を含有させて水産練り製品を
製造することによって問題が解決できることを見いだし
この発明を完成させた。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに具体的に説
明する。本発明に使用する原料は通常水産練り製品の原
料として使用されるものであれば特に制限はないが、例
えばスケソウタラが好ましく使用できる。スケソウタラ
を冷凍すり身の製造段階からグリシンの可食性金属塩を
添加して冷凍すり身を製造し、これをそのまま使用して
水産練り製品としても良いし、通常の冷凍すり身を原料
とする場合は水産練り製品を製造する工程において、グ
リシンの可食性金属塩を添加しても良い。グリシンの可
食性金属塩としてはナトリウムあるいはカリウム等のア
ルカリ金属塩、カルシウムあるいはマグネシウム等のア
ルカリ土類金属塩その他鉄、アルミニウム等の金属塩が
挙げられるが、特に好ましくはナトリウムあるいはカリ
ウム塩等のアルカリ金属塩である。
【0007】その可食性金属塩は単独で使用しても良い
し、2種以上併用しても良い。また、グリシンをその可
食性金属塩と併用することにより製造された水産練り製
品の弾力性と保存性をさらに高めることができる。通
常、日持ち向上の目的で使用するグリシン単体としての
量は概略0.5〜1.0%であるが、本発明によれば、
水産練り製品の弾力性向上の目的で使用するグリシンの
可食性金属塩の量は練り製品のpHが大体7.5〜8.
0付近に落ち着く程度の量が望ましく、グリシンナトリ
ウムを例にとると添加量は製品に対して0.1〜0.5
%程度でよい。しかし、この量よりも少量でも多少の弾
力性増強効果が期待でき、またこれよりも多くても無添
加の製品と比べると良好な弾力性が得られる。また、水
産製品の種類に応じてもグリシンナトリウムの添加量は
増減し、必ずしも上記の範囲に限定されるものでない。
【0008】前記したようにグリシンとの併用や異なる
種類の金属塩と混合使用することにより保存性の増大と
弾力性の増強を同時に期待できる。また、グリシンの可
食性金属塩と水産練り製品の弾力性向上あるいは保存性
向上の目的で従来より使用されている各種の物質、例え
ばグルテン、重合リン酸塩類、ソルビトール、ソルビン
酸カリウム、酢酸ナトリウム、ポリリジン、乳酸ナトリ
ウムなどと併用しても問題を生じることなしに本発明の
効果を発揮することができる。また、多くの場合、併用
することによって、その効果の増大すら期待することが
できる。本発明では、擂潰工程、擂砕工程、加温、加圧
工程などは従来公知の方法を採用して水産練り製品を製
造することができる。
【0009】
【作用および効果】本発明はグリシンの可食性金属塩を
すり身に使用して水産練り製品を製造すると著しく製品
の弾力性が増し、しかもグリシンの本来持っている細菌
類に対する抗菌作用はそのまま発揮されることに基づい
ている。グリシンの可食性金属塩を使用すると水産練り
製品の弾力性が強くなる理由は明らかではないが、恐ら
くグリシンの可食性金属塩がかなりアルカリ性を呈して
いるため、製品のpHが高くなりそれによって弾力性が
強くなるとともに、すり身中の塩濃度が金属イオンの添
加によって高まりその結果として弾力性が高くなるので
あろう。さらに、グリシンの細菌類に対する抗菌作用
は、特に水産練り製品中に残留し易い芽胞形成細菌類に
強い作用を示す。この作用はグリシンを可食性金属塩と
して製品に含ませたとしても、全くグリシンのままで使
用したものと変化はないばかりかむしろ、ややアルカリ
性の領域では、高い抗菌作用を発揮する傾向が認められ
る。従って、強い製品弾力性と高い抗菌作用を併せて得
ることができるという従来はほとんど得ることができな
かった成果を挙げることができるのである。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。本発明は
これらの実施例により限定されるものでない。以下の実
施例1〜6および比較例1〜3は次に示す試験により評
価した。試験はスケソウタラのすり身を原料にし蒲鉾を
作るに当たり、まず3kgのすり身をサイレントカッタ
ーで3分間擂潰した後、食塩75g、氷水1000g、
グルタミン酸ソーダ一水和物30g、グリシンアルカリ
金属塩およびグリシンを任意の量加え、再び10分間擂
潰する。これに澱粉280gを加え、再び3分間擂潰す
る。この練った混合物を直径30mm、長さ150mm
の塩化ビニリデンフィルムに密閉充填する。この充填し
たものを90℃の温浴中で30分間加熱し更に室温で1
日放置する。この方法で得られた蒲鉾を次の方法で評価
した。弾力性の評価は富士理科工業(株)製のレオメー
ターを用い測定した。測定に際しては調整した蒲鉾を長
さ30mmの円柱状に切りその上部から荷重をかけ、破
断するまでのひずみと荷重を測定しその二つの値を乗じ
た値を弾力性の指標とした。1サンプルについて10回
測定しその平均値を値とした。値が高いほうが弾力性が
高いことになる。保存性の評価は蒲鉾を製造した直後と
五日間クリーンボックス内、室温で塩化ビニリデンフィ
ルム包装のまま放置したものについてそれぞれ70%エ
タノール水で滅菌した後、滅菌水で洗浄したホモジナイ
ザーを用いて蒲鉾を塊砕する。塊砕に際しては蒲鉾10
g、滅菌水90gにて行った。この上澄み液を栄研化学
(株)製の標準寒天培地に蒔き培養された一般生菌数に
より評価した。
【0011】実施例1 原料のスケソウタラのすり身に対しグリシンナトリウム
を0.17重量%、グリシンを0.33重量%添加し
た。結果は表1にまとめた。 実施例2〜5 実施例1と同様に行った。表1にグリシンナトリウムお
よびグリシンの添加量を示し、その結果をまとめて記し
た。 実施例6 原料のスケソウタラのすり身に対しグリシンカリウムを
0.30重量%、グリシンを0.25重量%添加した。
結果は表1にまとめた。
【0012】比較例1 グリシンのアルカリ金属塩およびグリシンは添加しなか
った。結果は表1にまとめた。 比較例2 原料のスケソウタラのすり身に対しグリシンのみを0.
5重量%添加した。結果は表1にまとめた。 比較例3 原料のスケソウタラのすり身に対し重合リン酸ナトリウ
ムを0.5重量%添加した。結果は表1にまとめた。
【0013】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水産すり身原料にグリシンの可食性金属
    塩を含有させて製造することを特徴とする弾力性・保存
    性の改善された水産練り製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらにグリシンを含有させることを特徴
    とする請求項1記載の水産練り製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 グリシンの可食性金属塩を含有してなる
    水産練り製品の弾力性・保存性改善剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006271211A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Kibun Foods Inc 無リン冷凍すり身のpH調整剤及びそれを使用した無リンすり身の製造方法
JP2008511325A (ja) * 2004-08-30 2008-04-17 フリト−レイ ノース アメリカ インコーポレイテッド 熱処理食品中のアクリルアミド形成を低減する方法
JP5466329B1 (ja) * 2013-10-03 2014-04-09 聖一 村上 水産練り製品の製造方法、水産練り製品および保存性向上剤
WO2015141394A1 (ja) * 2014-03-17 2015-09-24 白石工業株式会社 水産練り製品の品質改良剤及び水産練り製品の製造方法

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