JP4769761B2 - 酢〆かまぼことその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酢〆かまぼことその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、塩分含有量が低く、微生物の生育が抑制されており、なおかつ食感が優れた酢〆かまぼこと、その簡便な製造方法に関する。
酢〆かまぼこは、かまぼこを調味酢で〆めることにより製造される食品である。酢〆かまぼこの上には他の食品が乗せられることが多く、例えば酢〆かまぼこの上に〆鯖を乗せた商品が広く流通している。
酢〆かまぼこは、一般に魚肉すり身を塩ずりした後に成形し、坐りを与えた後に調味酢の中に浸漬することにより製造される。例えば、魚肉に対して2〜3重量%の塩分を含ませて塩ずりして水分70%の生身を調製し、成形して坐りを与えた後に、酸濃度が1〜5%の酸液に20時間程度浸漬させることにより酢〆かまぼこを製造する方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法により製造される酢〆かまぼこは、貯蔵中に品質が変化するという問題があることが指摘されていた。
貯蔵中の品質の変化に対処するために、すり身の中に加工澱粉を含ませておくことが提案されている(特許文献2参照)。具体的には、エステル化またはエーテル化した架橋澱粉、ワキシコーン澱粉、α化澱粉等を添加して生身を調製し、これに坐りを与えた後、酸度4.2、塩分濃度4.2%の調味酢に浸漬することが記載されている。この方法によれば、酢〆かまぼこの品質を長期間に渡り維持できるとされている。
一方、酢〆かまぼこの弾力性の形成やその影響要因について検討した文献は見あたらない。また、近年では健康意識の高まりとともに食品中の塩分含有量を抑えることが要求されているが、そのような要求に応じた酢〆かまぼこの製造方法を記載した文献も見あたらない。
特開昭52−10446号公報 特開平1−235562号公報
上記の特許文献1に記載される方法により製造される酢〆かまぼこは弾力性が小さく、また、硬くて脆い酢〆かまぼこしか得られないことがあった。また、上記の特許文献2に記載される方法により製造される酢〆かまぼこは、加工澱粉を含むものであるためかまぼこ本来の食感や食味が得られにくく、また、加工澱粉を使用しなければ保存性が悪くて脆い酢〆かまぼこしか得られないという課題があった。一方、近年の塩分含有量抑制の要望に応えるために、酢〆かまぼこ中の塩分を減らすと脆い食感になるという課題があった。また、市販されている酢〆蒲鉾は、微生物制御という点で不十分であるという課題があった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、塩分含有量が低く、微生物の生育が十分に抑制されていて、しなやかな食感と弾力性を有する酢〆かまぼことその製造方法を提供することを本発明の目的として設定した。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、最終製品の塩分含有量が低く、酸度とpHを特定の範囲内に調整することで従来技術の課題を解決しうることを見出した。すなわち、課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1]酸度が0.9〜1.6であり、pHが3.9〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜2.0重量%であることを特徴とする酢〆かまぼこ。
[2]酸度が1.1〜1.3であり、pHが4.0〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜1.6重量%であることを特徴とする酢〆かまぼこ。
[3]酸度が0.9〜1.6であり、pHが3.9〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜2.0重量%である酢〆かまぼこの製造方法であって、魚肉に対して2〜8重量%の塩分の存在下で魚肉すり身を塩ずりした後、塩分含有量を2〜4重量%に調整することにより生身を調製し、さらに得られた生身を酸液と接触させ、最終製品の塩分含有量を1.3〜2.0重量%に調整する工程を含む酢〆かまぼこの製造方法。
[4]魚肉に対して4〜8重量%の塩分の存在下で魚肉すり身を塩ずりすることを特徴とする[3]に記載の酢〆かまぼこの製造方法。
[5]前記酸液の塩分濃度が0〜1.2重量%であることを特徴とする[3]または[4]に記載の酢〆かまぼこの製造方法。
[6]前記酸液の酸度が1.5〜4であることを特徴とする[3]〜[5]のいずれかに記載の酢〆かまぼこの製造方法。
本発明の酢〆かまぼこは、非加熱で塩分含有量が低く、微生物の生育が十分に抑制されていて保存性も優れている。また、しなやかな食感と弾力性を有しており、品質も良好である。本発明の製造方法によれば、このような特徴を有する酢〆かまぼこを簡便に製造することができる。
以下において、本発明の酢〆かまぼことその製造方法について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(酢〆かまぼこ)
本発明の酢〆かまぼこは、酸度が0.9〜1.6であり、pHが3.9〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜2.0重量%であることを特徴とする。
本発明において「酸度」とは、試料100gに対する0.1mol/LのNaOHの滴定量(ml)を酢酸量(%)として算出した値を意味する。本発明の酢〆かまぼこの酸度は、好ましくは1.0〜1.5であり、より好ましくは1.1〜1.3である。最終製品の酸度は0.9以上でなければ十分な微生物発育抑制作用を得ることができないうえ、適度な弾力と食感が得られなくなり、硬くて脆い組織になってしまう。また、本発明の酢〆かまぼこのpHは、好ましくは4.0〜4.2である。さらに、本発明の酢〆かまぼこの塩分含有量は、好ましくは1.3〜2.0であり、より好ましくは1.3〜1.6である。本発明の酢〆かまぼこは、酸度が1.1〜1.3であり、pHが4.0〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜1.6重量%であるものが特に好ましい。
本発明の酢〆かまぼこは、最終製品の塩分含有量が低いために健康指向が強い現代人の要求に合致したものである。現在市販されている酢〆かまぼこの塩分含有量は2.7〜2.8重量%と比較的高いものとなっている。また、現在市販されている酢〆かまぼこは、酸度・pHの観点から微生物制御という点でも万全とはいえない。
本発明の酢〆かまぼこは、塩分濃度を低く設定し、更に微生物発育抑制作用が優れているという予想外の効果を示すものである。
(酢〆かまぼこの製造方法)
次に、本発明の酢〆かまぼこを製造する方法について説明する。なお、以下に記載する具体的な製造方法は、本発明の酢〆かまぼこを製造するための好ましい工程に過ぎず、特許請求の範囲に記載されている条件を満たす酢〆かまぼこを製造することができる方法であれば、いかなる方法でも採用することができる。
本発明の酢〆かまぼこを製造する際には、まず魚肉すり身を塩ずりして成形する。使用する魚肉すり身は、かまぼこの製造原料として用いることができるものの中から選択することができる。例えば、スケソウダラ、サメ、クロカワ、グチ、ヒラメ、ホッケ、イトヨリ等の魚肉のすり身を用いるのが典型的である。これらのすり身は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。通常は、冷凍すり身を解凍して細片にして塩ずりに用いる。
すり身に添加する塩分の量は適宜調節することができるが、魚肉すり身に対して通常2〜8重量%、好ましくは4〜8重量%、より好ましくは4〜6重量%にする。通常の魚肉すり身の塩ずりは塩分を2.5〜3重量%添加して行うが、本発明ではより多く塩分を添加して塩ずりすることが、望ましい食感と性状を有する酢〆かまぼこを製造するうえで好ましい。ただし、添加する塩分の量が8重量%を上回ると、たとえ塩ずり後に水を添加して生身の塩分含有量を調整したとしても、最終的に得られる酢〆かまぼこのキメが粗くなり、ザラザラした舌触りになってしまう傾向がある。これに対して、添加する塩分の量が2〜8重量%であれば、最終的に得られる酢〆かまぼこのキメが細かくなり、ツルッとした食感を有する良好な酢〆かまぼこが製造できる。なお、添加する塩分の量が2重量%未満である場合は、塩ずりの際の魚肉蛋白質の塩溶解が不十分になることがある。
塩ずりは、塩分が塩溶性蛋白を溶解する程度に十分に行き渡るようにして行うことが好ましく、通常は10〜20分程度行う。塩ずりに用いる装置は特に限定されず、例えばサイレントカッターなどを用いることができる。
塩ズリ後のすり身、または塩ズリ前のすり身には、調味料、水、塩分などを適宜添加することができる。添加する調味料の種類は、通常のかまぼこの製造時に添加することができるものであれば特に制限されない。例えば、みりん、砂糖、澱粉、グルタミン酸ナトリウム、着色剤、香料等を添加することができる。これらの添加剤の組み合わせや添加順序は特に制限されない。水や塩分を添加する場合、それぞれの添加量は添加後のすり身の塩分含有量が2〜4重量%の範囲内になる量とすることが好ましい。塩分は必ずしも添加する必要はなく、単に水だけを添加してもよい。塩分は、塩ずり前の塩分添加量が魚肉に対して2〜4重量%であるときに添加することが好ましい。塩ずり前だけ塩分を添加した場合であっても、塩ずり前と塩ずり後に分けて塩分を添加した場合であっても、最終的にすり身の塩分含有量が2〜4重量%の範囲内に入っていれば、得られる酢〆かまぼこの性状はほぼ同等になる。
塩ずりしたすり身は成形する。成形は、最終的に製造しようとしている酢〆かまぼこの形状を考慮して決定することができる。例えば、板状、球状、ブロック状、棒状、サイコロ状など様々な形状とすることができる。成形には、かまぼこの成形に適用可能な方法を適宜選択して用いることができ、例えば型枠の中にすり身を流し込んで固める方法などを採用することができる。
成形後のすり身には、坐りを与える。坐りの温度は、通常3〜10℃であり、3〜8℃が好ましく、5〜8℃がより好ましい。坐りの時間は、坐りの温度にもよるが通常は3〜24時間であり、12〜24時間がより好ましく、18〜24時間がさらに好ましい。坐りを与えた後の生身は、必要に応じて切断し、所望の形状とサイズにすることができる。
その後、生身を酸液と接触させる。酸液と接触させることによって、生身中の魚肉蛋白質が酸変性して弾力が形成される。それによって、製造される酢〆かまぼこに望ましい弾力と食感が付与される。
接触は、生身の外表面が酸液と触れる状態に置くことにより行う。接触の方法として、例えば生身を酸液中に浸漬する方法が挙げられる。浸漬時間は通常は12〜48時間であり、18〜48時間がより好ましく、24〜48時間がさらに好ましい。浸漬の温度は、通常1〜10℃であり、3〜10℃が好ましく、5〜10℃がより好ましい。
酸液としては、食用酢などの酸を含む溶液を用いることができる。酸液の種類は、酸液と接触させた後の生身の酸度が0.9〜1.6、pHが3.9〜4.2、塩分含有量が1.3〜2.0重量%となるようなものを選択する。中でも、浸透圧の関係から生身の塩分含有量よりも塩分濃度が低い酸液を選択することが好ましい。好ましい酸液は、酸度が1.5〜4であり、塩分濃度が0〜1.2重量%である食用酢である。より好ましい酸液は、酸度が2.4〜4であり、塩分濃度が0.6〜1.2重量%である食用酢である。
従来の製造方法では、塩分濃度が高い(例えば1.3〜1.8重量%)酸液や酸度が低い酸液(例えば1.4〜1.7)の中に生身を浸漬して酢〆かまぼこを製造していたが、このような塩分濃度が高い酸液を用いると製造される酢〆かまぼこの塩分は高いものとなり、又酸度が低い酸液を用いると、製造される酢〆かまぼこが硬く脆くなりやすい。本発明に従って、塩分濃度がやや高めの生身、すなわち魚肉に対して2〜8重量%の塩分で塩ずりした後、塩分含有量を2〜4重量%に調整した生身と、塩分濃度が低く酸度が高い酸液を用いれば、良好な弾力性と強度、しなやかな食感を有し、微生物制御に適した酸度・pHを有する優れた酢〆かまぼこを製造することができる。
得られた酢〆かまぼこは、そのまま食品としてもよいし、食品の一部として利用してもよいし、食材として利用してもよい。食品の一部として利用する場合は、本発明の酢〆かまぼこの上に例えば〆鯖などを乗せて食品とすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
本実施例において、酸度とpHが異なる5種類の酢〆かまぼこを製造して微生物の生育抑制作用を評価した。
冷凍すり身(スケトウダラFA)を解凍して細片状とした後、すり身1000gに対して天日塩40gを添加してサイレントカッター(HOBART)により2〜3℃まで塩ずりした。その後、砂糖30g、みりん30g、卵白65g、グルタミン酸ナトリウム6g、水800gを添加して混合した。混合後に、幅240mm、長さ540mm、高さ10mmの型枠で成形し、5〜10℃で24時間坐りを与えた。その後、幅60mm、長さ120mm、高さ10mmに細断して1枚あたり90〜95gの生身を得た。
ホワイトビネガー20.0重量部、米酢9.0重量部、クエン酸0.2重量部、天日塩0.6重量部、糖類5.1重量部、調味料4.2重量部、水61.0重量部からなる調味酢を調製した(塩分濃度は0.6重量%)。この調味酢の中に上で調製した生身を7℃で48時間浸漬した。その後、生身を調味酢から取り出して酢〆かまぼことした(サンプル1)。
以上の製造工程の中で、調味酢に含まれるホワイトビネガーと米酢とクエン酸の濃度を表1の通りに変更して、同様にしてサンプル2〜5の酢〆かまぼこを製造した。
製造した5種類の酢〆かまぼこのpHと酸度と塩分濃度を測定した。また、製造した5種類の酢〆かまぼこの製造直後と10℃で7日間静置後と10℃で15日間放置後の一般生菌数と大腸菌数を測定した。結果を表1に示す。いずれの酢〆かまぼこでも、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、セレウス菌、クロストリジア菌は検出されなかった。
Figure 0004769761
表1の結果は、本発明の酸度とpHの条件を満たす酢〆かまぼこが微生物の生育を有効に抑制でき、保存性に優れていることを示している。
(実施例2)
本実施例において、塩分濃度が異なる調味酢を用いて塩分含有量が異なる5種類の酢〆かまぼこを製造して評価した。
実施例1で調製した生身を塩分濃度が異なる5種類の調味酢の中に浸漬して5種類の酢〆かまぼこを調製した(サンプル11〜15)。サンプル12の調製に用いた調味酢は実施例1のサンプル1の調製に用いた調味酢と同じである。サンプル11、13〜15の調製に用いた調味酢は、天日塩の添加量を変えることにより調製した。
製造した5種類の酢〆かまぼこのpHと酸度と塩分濃度を測定した。また、製造した5種類の酢〆かまぼこについて官能評価を行うとともに、破断強度と破断距離を測定した。破断強度と破断距離の測定はサン科学のレオメーターCR−200Dを用いて次の条件で行った。
試料厚:13mm、
プランジャー:径1mmのくさび、
テーブルスピード:60mm/min、
コレクション:10g
結果を表2に示す。なお、破断強度はサンプル13を基準値とした相対値で示した。
Figure 0004769761
表2の結果は、本発明の塩分含有量の条件を満たす酢〆かまぼこが、ほどよい弾力性と強度を有しており、食感も良好であることを示している。これに対して、塩分濃度が高い調味酢を用いた場合は、製造される酢〆かまぼこが硬くて脆くなる傾向があり、塩分濃度が低い調味酢を用いた場合は破断距離が短くなる傾向がある。
(実施例3)
本実施例において、酸度が異なる調味酢を用いて酸度や原材料が異なる16種類の酢〆かまぼこを製造して評価した。
原料となる魚肉のロットや種類を変更して、実施例1と同じ方法により4種類の生身を調製した(生身I〜IV)。実施例1で用いた調味酢のホワイトビネガーと米酢とクエン酸の濃度を変えることにより酸度を調整した調味酢を用意し、生身I〜IVをそれぞれ酸度が異なる調味酢の中に実施例1と同じ方法で浸漬した。生身と調味酢の組み合わせは表3に示す16通りとした(サンプル21〜55)。
製造した16種類の酢〆かまぼこのpHと酸度と塩分濃度を測定した。また、製造した16種類の酢〆かまぼこについて官能評価を行うとともに、実施例2と同じ方法で破断強度と破断距離を測定した。結果を表3に示す。なお、破断強度はサンプル21、31、41、51をそれぞれ生身I〜IVを用いた群の基準値とした相対値で示した。
Figure 0004769761
表3の結果は、本発明の酸度の条件を満たす酢〆かまぼこが、ほどよい弾力性と強度を有しており、食感も良好であることを示している。これに対して、本発明の範囲外の酸度を有する酢〆かまぼこは硬くて、脆くなりやすい傾向がある。
(実施例4)
本実施例において、生身調製時に添加する塩分量を変えて調製した8種類の生身を用いて酢〆かまぼこを製造し、評価した(サンプル61〜65)。
天日塩の添加量を変えて実施例1と同じ方法を実施することにより8種類の生身を調製した。この8種類の生身を実施例1と同じ食用酢の中に実施例1と同じ方法で浸漬して8種類の酢〆かまぼこを製造した。
製造した8種類の酢〆かまぼこのpHと酸度と塩分濃度を測定した。また、製造した8種類の酢〆かまぼこについて官能評価を行うとともに、実施例2と同じ方法で破断強度と破断距離を測定した。結果を表4に示す。なお、破断強度はサンプル65を基準値とした相対値で示した。
Figure 0004769761
表4の結果は、生身調製時に添加する塩分量を4〜8重量%にして、生身の塩分含有量が魚肉に対して2〜4重量%となるようにすることによって、製造される酢〆かまぼこが、ほどよい弾力性としなやかさと強度を有しており、食感も良好になることを示している。これに対して、生身の塩分含有量が2重量%未満である場合は、製造される酢〆かまぼこが脆くなり、4重量%を超える場合は、製造される酢〆かまぼこの弾力が不足してザクッとした食感になりやすい傾向がある。
(実施例5)
本実施例において、生身調製時に添加する塩分量を4通りに変え、さらに塩ずり後の水添加時に塩分を追加添加して生身の塩分含有量が魚肉に対して一律3重量%となるように調製した生身を用いて酢〆かまぼこを製造し、評価した(サンプル71〜74)。変更した点以外は実施例4と同じ方法を用いた。
製造した4種類の酢〆かまぼこのpHと酸度と塩分濃度を測定した。また、製造した8種類の酢〆かまぼこについて官能評価を行うとともに、実施例2と同じ方法で破断強度と破断距離を測定した。結果を表4に示す。なお、破断強度はサンプル72を基準値とした相対値で示した。
Figure 0004769761
表5の結果は、生身調製時に添加する塩分量を2〜4重量%と低くした場合であっても、塩ずり後に水とともに塩分を添加して生身の塩分含有量を魚肉に対して2〜4重量%となるように調整すれば、製造される酢〆かまぼこが、ほどよい弾力性としなやかさと強度を示し、食感も良好になることを示している。
(実施例6)
本実施例において、生身調製時に添加する塩分量を5通りに変え、さらに塩ずり後の水添加時に添加する水分量も調整して5種類の生身を調製した。変更した点以外は実施例4と同じ方法を用いた(サンプル81〜85)。この5種類の生身を用いて酢〆かまぼこを製造し、評価した。
製造した5種類の酢〆かまぼこのpHと酸度と塩分濃度を測定した。また、製造した5種類の酢〆かまぼこについて官能評価を行うとともに、実施例2と同じ方法で破断強度と破断距離を測定した。結果を表4に示す。なお、破断強度はサンプル81を基準値とした相対値で示した。
Figure 0004769761
表6の結果は、生身調製時に添加する塩分量が8重量%より多いと、たとえ塩ずり後に添加する水の量を少なくして弾力を調整したとしても、キメが粗くてザラザラした舌触りの酢〆かまぼこしか得られないことを示している。これに対して、生身調製時に添加する塩分量が2〜8重量%の範囲内であれば、キメが細かくてツルッとして食感の良好な酢〆かまぼこが得られる。
本発明の酢〆かまぼこは、塩分含有量が低くて、しなやかな食感と弾力性を有しており、品質も良好である。したがって、健康志向が強い現代の消費者に好まれる食品であり、応用用途も広い。また、本発明の酢〆かまぼこは、微生物の生育が十分に抑制されていて保存性も優れている。このため、食品として製造や販売がしやすいという利点がある。さらに、本発明の製造方法によれば、このような特徴を有する酢〆かまぼこを簡便に製造することができる。よって、本発明は産業上の利用可能性が高い。

Claims (5)

  1. 酸度が0.9〜1.6であり、pHが3.9〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜2.0重量%であることを特徴とする酢〆かまぼこ。
  2. 酸度が0.9〜1.6であり、pHが3.9〜4.2であり、塩分含有量が1.3〜2.0重量%である酢〆かまぼこの製造方法であって、
    魚肉に対して2〜8重量%の塩分の存在下で魚肉すり身を塩ずりした後、塩分含有量を2〜4重量%に調整することにより生身を調製し、さらに得られた生身を塩分濃度が0.6〜1.2%の酸液と接触させ最終製品の塩分含有量を1.3〜2.0重量%に調整する工程を含む酢〆かまぼこの製造方法。
  3. 塩ずりした前記魚肉すり身に3〜10℃で坐りを与えて前記生身を調製することを特徴とする請求項2に記載の酢〆かまぼこの製造方法。
  4. 前記酸液の酸度が1.5〜4であることを特徴とする請求項2または3に記載の酢〆かまぼこの製造方法。
  5. 前記魚肉すり身の塩ずりを、魚肉に対して4〜8重量%の塩分の存在下で行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の酢〆かまぼこの製造方法。
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