JP4502756B2 - 殺菌卵白の製法 - Google Patents

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Description

本発明は、起泡性のうちでも特に泡の硬さに優れた殺菌卵白に関する。
卵白は高蛋白で起泡性があるため、従来その性質を利用して菓子が製造されている。この場合、殻付生卵を割卵し卵黄を分離して得られる生卵白では起泡性が不足することがあるので、卵白にセアミンラウリル硫酸塩やサイクロデキストリン等を添加し、その起泡性を向上させることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特公昭50−25537号公報 特公昭51−37328号公報
ところで、卵白の起泡性には、卵白を一定時間泡立てた場合にどの程度高く泡立つことができるかという起泡力と、形成された泡がどの程度の荷重に耐えられるかという泡の硬さと、形成された泡がどの程度の時間持続するかという泡の安定性の3つの要素が含まれる。
その要素の中で、シフォンケーキのような焼菓子に使用する卵白にあっては、卵白に砂糖等の糖類を入れて泡立てたメレンゲの泡の硬さが特に重視される。なぜなら、泡の硬さに優れたメレンゲを用いたバッターは、これを焼成すると保形性のよい焼菓子を製することができるからである。したがって、泡の硬さに優れたメレンゲを得るには、当該原料である卵白において泡の硬さに優れたものが必要となる。
しかしながら、卵白は加熱殺菌すると、起泡性の3要素の中でも泡の硬さが特に低下してしまう性質がある。そして、この性質はセアミンラウリル硫酸塩やサイクロデキストリン等を添加した卵白を加熱殺菌した場合も同様であり、泡の硬さの低下は免れ得ない。
しかして、工業的規模で製される製菓に用いる原料の卵白は、食品衛生の面から加熱殺菌することが好まれているが、上述のように加熱殺菌すると泡の硬さが低下することから、泡の硬さの優れた殺菌卵白を得るための製法の出現が望まれている。
このような状況下、本発明は起泡性のうちでも特に泡の硬さに優れた殺菌卵白を得るための製法を提供することを目的とする。
その目的は、(1)殺菌卵白がメレンゲを用いる製菓用であって、卵白に食塩を添加した後、加熱殺菌する殺菌卵白の製法、(2)卵白に対して0.05〜1.0%の食塩を添加することとした(1)記載の殺菌卵白の製法、(3)殺菌卵白がメレンゲを用いる焼き菓子用である(1)又は(2)記載の殺菌卵白の製法、によって達成される。
本発明の殺菌卵白の製法によれば、卵白を殺菌するにも拘らず未殺菌の卵白と同等の泡の硬さを有する殺菌卵白を提供することができる。
以下、本発明を説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明を実施するに当って、まず原料の卵白を用意する。この卵白としては、殻付生卵を割卵し卵黄を分離して得られる生卵白のほか、冷凍卵白を解凍した卵白液や乾燥卵白を水戻しした卵白液等も用いることができる。なお、この卵白はその起泡性の阻害要素となる卵黄がほとんど混入していないもののほか、商業的割卵において卵黄が混入する程度の卵黄混入卵白(卵白全体に対して約0.1%まで)を用いてもよい。
次に、上記卵白に食塩を添加して十分混合する。この食塩としては、精製塩のほかに岩塩や海水濃縮塩等のいわゆる粗塩を用いてもよい。食塩の添加量は卵白に対して好ましくは0.05〜1.0%、より好ましくは0.1〜1.0%である。これは後述の実施例でも示すようにその添加量が少な過ぎると殺菌卵白の泡の硬さを改善する作用が十分でなく、一方、多過ぎると泡の硬さの改善作用はあるものの、菓子の食味に影響を与えてしまい製菓用の原料として好ましくないからである。
最後に、上記食塩添加の卵白を加熱殺菌すれば、目的の殺菌卵白を得ることができる。この加熱殺菌は、食品衛生法で定められている加熱殺菌を行なえばよく、バッチ式殺菌の場合は54℃で10分間、連続式殺菌の場合は56℃で3.5分間、卵白を加熱すればよい。
得られた殺菌卵白は、常法により、容器に無菌的にパックしたり、凍結した冷凍品にしたり、乾燥して乾燥品にして商品とする。
このようにして得られた殺菌卵白は、常温で液状品にあってはそのまま、冷凍品にあっては解凍し、また乾燥品にあっては約7倍質量部の清水を加えて水戻しして使用することができる。そして、前記液状品は生卵白を用いた場合と同等の泡の硬さの起泡卵白となり、前記乾燥品は生卵白の乾燥品を用いた場合と同等の泡の硬さの起泡卵白となり、前記冷凍品は生卵白の冷凍品を用いた場合と同等の泡の硬さの起泡卵白となる。
このように、本発明によって得られる殺菌卵白は、後述の実施例で示す生卵白を単に殺菌したり、あるいはセアミンラウリル硫酸塩やβサイクロデキストリンを添加後殺菌した従来の殺菌卵白に比べて泡の硬さに優れているので、卵白の泡の硬さを必要とするメレンゲを用いた製菓、例えばムース、淡雪羹、シフォンケーキ、エンゼルフードケーキ、ダックワーズ、フィナンシェ、マカロン等の原料として好適である。特に、上述したメレンゲを用いた製菓のうち、加熱により保形性が失われやすいシフォンケーキ、エンゼルフードケーキ、ダックワーズ、フィナンシェ、マカロン等の焼き菓子の原料としてより好適である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
<対照例、比較例1〜3、実施例1〜9>
対照例:割卵機で殻付生卵を割卵し、卵黄を分離して生卵白(卵黄混入率0.1%)を得た。
比較例1:対照例で得られた生卵白をプレート式熱交換機にて56℃で3.5分間加熱殺菌した後、常温(20℃)に冷却して殺菌卵白を得た。
比較例2:対照例で得られた生卵白にセアミンラウリル硫酸塩をその配合量が0.01%となるように添加混合し、これをプレート式熱交換機にて 56℃で3.5分間加熱殺菌した後、常温(20℃)に冷却して殺菌卵白を得た(特許文献1記載のもの)。
比較例3:対照例で得られた生卵白にβサイクロデキストリンをその配合量が0.5%になるように添加混合し、これをプレート式熱交換機にて56℃で3.5分間加熱殺菌した後、常温(20℃)に冷却して殺菌卵白を得た(特許文献2記載のもの)。
実施例1〜9:対照例で得られた生卵白に、卵白に対して食塩をそれぞれ0.03%、0.05%、0.1%、0.3%、0.5%、0.8%、1.0%、1.2%及び1.5%の配合量となるように添加混合して、食塩濃度の異なる9種類の卵白を得、これらの卵白をそれぞれ各別にプレート式熱交換機にて56℃で3.5分間加熱殺菌した後、常温(20℃)に冷却して、食塩濃度の異なる9種類の殺菌卵白を得た。
試験1
対照例、比較例1〜3及び実施例1〜9で得られた卵白のサンプルをそれぞれ各別に、500gずつボール(口径25cm、深さ23cm)に入れ、これに上白糖500gずつを加えて混合し品温を20℃に調整した後、ホバートミキサー(ホバート社製C−100)にて中速(240rpm)で15分間攪拌して泡立て、その後ヘラで表面をならし、その表面に錘(卵白との接触面が直径4cmの丸型)をのせて5秒間沈まない錘の重さを調べ、泡の硬さを測定した。その結果は表1に示すとおりである。
試験2
対照例、比較例1〜3及び実施例1〜9で得られた卵白のサンプルをそれぞれ各別に、1500gずつミキサー(関東混合機工業社製20コート)に投入し、中速(310rpm)で攪拌しながらそれぞれ上白糖663gを3度に分けて加えメレンゲを調製した。次に前記メレンゲに低速(136rpm)で攪拌しながらそれぞれ卵黄352gとサラダ油1000gを加え、さらにこれにそれぞれ薄力粉700gとベーキングパウダー25gを加えてバッターを得、次に得られたバッターをシフォンケーキ型(直径18cm、高さ8cm)に400gずつ流し入れ、オーブンにて180℃で35分間焼成してシフォンケーキを得た。
得られた各ケーキを20℃に5時間放置した後、ケーキの保形性をみるためその高さを測定した。またよく訓練したパネラー5名にケーキを試食させ、その味を確認した。その結果は表1に示すとおりである。
Figure 0004502756
表1より、卵白に食塩を添加した殺菌卵白は、従来にはなかった生卵白と同等の泡の硬さを有するものであることが理解できる。
特に、卵白に対して0.05〜1.0%、より好ましくは0.1〜1.0%の食塩を添加した殺菌卵白は泡の硬さが優れているばかりでなく、これを用いた菓子は塩味を感じさせないので、菓子の原料として好適であることが理解できる。
そして、表中には示していないが泡の高さを目視で確認したところ実施例の各殺菌卵白は対照例の未殺菌卵白と同等の起泡力を有していた。
実施例10
実施例4で得られた殺菌卵白と対照例の未殺菌卵白をそれぞれポリエチレン製容器に充填密封し、−20℃に凍結した。
これを−20℃の冷凍庫に3ヶ月保管した後、流水中で解凍して液状に戻し、この卵白液を20℃に調整し、前記試験1と同じ方法でその泡の硬さを測定すると共に、試験2と同じ方法でシフォンケーキの焼成試験をしてみたところ、凍結した殺菌卵白と凍結した未殺菌卵白でほぼ同じ結果が得られた。
実施例11
実施例5で得られた殺菌卵白と対照例の未殺菌卵白をそれぞれスプレー乾燥して粉末化し、これを常温(20℃)に3ヶ月間保管した後、この粉末卵白1質量部に清水7質量部を加え粉末卵白を水戻しした。
得られた卵白液について前記試験1と同じ方法で泡の硬さを測定すると共に、試験2と同じ方法でシフォンケーキの焼成テストをしてみたところ、乾燥した殺菌卵白と乾燥した未殺菌卵白でほぼ同じ結果が得られた。
本発明は、優れた起泡性を有し、且つ殺菌されて安全性が極めて高いため、起泡性を必要とする菓子の製造に産業上有用である。

Claims (3)

  1. 殺菌卵白がメレンゲを用いる製菓用であって、卵白に食塩を添加した後、加熱殺菌することを特徴とする殺菌卵白の製法。
  2. 卵白に対して0.05〜1.0%の食塩を添加することとした請求項1記載の殺菌卵白の製法。
  3. 殺菌卵白がメレンゲを用いる焼き菓子用である請求項1又は2記載の殺菌卵白の製法。
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