JP2007061055A - ゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法 - Google Patents

ゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法を提供する。
【解決手段】製品の水分含量が50%以上であり、液卵の配合量が製品に対して生換算で5〜50%であるゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法において、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合して製した液卵混合液を加熱調理してゼリー状とするゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法。
【選択図】 無し

Description

本発明は、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法に関する。
カスタードプリンや茶碗蒸し等のゼリー状の卵調理食品は、液卵に牛乳やだし汁等の水分を多く含む原料を加えて加熱すると、液卵中の蛋白質が牛乳やだし汁等を抱え込みながらやわらかくゼリー状に加熱凝固する性質を利用したものである。このようなカスタードプリンや茶碗蒸し等のゼリー状卵調理食品は、食した時に口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感が得られるように、通常、製品の水分含量が50%以上、液卵の配合量が製品に対して生換算で5〜50%程度に調整されている。
このようなカスタードプリンや茶碗蒸し等のゼリー状卵調理食品は、凍結処理して冷凍品とすると長期保存ができて便利であるが、卵が配合されているため、冷凍により物性が変性して、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感が損なわれて、口の中で崩れ難い硬くてざらついた食感となってしまうという問題があった。
卵調理食品の冷凍変性による品質の劣化を防止する方法としては、例えば、特開平7−39342号公報(特許文献1)には、特定の油脂含有量とした水中油型乳化物を卵加工食品中に特定量含有させる方法が提案されている。また、特開2001−346508号公報(特許文献2)には、卵加工品に用いる液卵にデキストリンアルコールを添加する方法が提案されている。
しかしながら、これらの技術は、主に卵焼きやオムレツ等の比較的液卵の配合量が多く硬く加熱凝固した卵調理食品に応用することを想定しており、本発明者らが、カスタードプリンや茶碗蒸し等の比較的液卵の配合量が少なくゼリー状に凝固した卵調理食品にこれらの技術を応用したところ、冷凍変性を充分に防止することができなかった。
一方、市販されているデザート用プリンとしては、卵を配合して卵の加熱凝固力を利用して製したカスタードプリンの他に、牛乳にゼラチンやカラギーナン等の凝固材を加え、卵フレーバー等で風味付けしてゼリー状に凝固させたミルクプリンが知られている。このミルクプリンは、卵が配合されていないことから、冷凍食品としても、冷凍変性がほとんど問題とはならないものである。
特開平7−39342号公報 特開2001−346508号公報
そこで、本発明の目的は、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、鋭意研究を行い、このような製品の水分含量が50%以上であり、液卵の配合量が製品に対して生換算で5〜50%であるゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法において、意外にも、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合して製した液卵混合物を加熱調理することにより、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品が得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
つまり、本発明は、
(1) 製品の水分含量が50%以上であり、液卵の配合量が製品に対して生換算で5〜50%であるゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法において、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合して製した液卵混合液を加熱調理してゼリー状とするゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法、
(2) カラギナンの配合量を、製品に対して乾物換算で0.05%以上とする(1)記載のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法、
(3) デキストリン及び/又は還元デキストリンの合計配合量を、製品に対して1%以上とする(1)又は(2)記載のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法、
である。
本発明のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法によれば、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するカスタードプリンや茶碗蒸し等のゼリー状卵調理冷凍食品を製することができる。したがって、レストラン等においては、これらカスタードプリンや茶碗蒸し等のゼリー状卵調理冷凍食品を在庫として保管しておき、注文に応じてこれらを解凍するだけで簡便に提供することができることから大変便利である。
以下、本発明のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明において、製品の水分含量が50%以上であり、液卵の配合量が製品に対して生換算で5〜50%であるゼリー状卵調理食品とは、製品の水分含量及び液卵の配合量が前記範囲となるように調整した液卵混合液を加熱調理してゼリー状としたものである。このようなゼリー状卵調理食品としては、例えば、液卵黄や液全卵に牛乳や砂糖等を加えた液卵混合液を加熱調理してゼリー状としたカスタードプリンや、液全卵にだし汁や調味料等を加えた液卵混合液を加熱調理してゼリー状とした茶碗蒸しや卵豆腐等が挙げられる。
前記製品の水分含量は、食した時に口の中で崩れ易いよりやわらかい食感とする点からは、好ましくは60%以上である。また、製品の水分含量は、あまり高すぎても水っぽくなりゼリー状とし難いことから、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。このような製品の水分含量の調整は、清水や牛乳等の比較的水分含量の多い原料の配合量を増やすことにより調整することができる。なお、本発明における水分含量は、栄養表示基準(平成15年4月24日厚生労働省告示第176号)別表第2の第3欄記載の減圧加熱乾燥法に準じて測定した値である。
また、前記液卵の配合量は、製品に対して生換算で5〜50%であるが、より卵風味を増加させる点から、好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上であり、食した時に口の中で崩れ易いよりやわらかい食感とする点から、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下である。ここで、液卵とは、殻付生卵を割卵して溶きほぐして製した液全卵、殻付生卵を割卵して卵黄と卵白を分離してこれらをそれぞれ溶きほぐして製した液卵黄、液卵白及びこれらの混合物、並びに乾燥卵を乾燥前の生の液卵の水分含量となるように水戻ししたもの等であり、これらは、アルコール抽出法や超臨界二酸化炭素抽出法等により脂質やコレステロールを低減処理されたもの、バッチ式殺菌タンク、プレート式熱交換機、ジュール加熱装置等で殺菌処理されたもの、脱糖処理、脱塩処理等の各種処理が施されたもの等であってもよい。
本発明は、このような製品の水分含量が50%以上であり、液卵の配合量が製品に対して5〜50%であるゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法において、加熱調理する液卵混合液として、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合したものを用いることを特徴とする。
本発明で用いる加熱膨潤したカラギナンとは、カラギナンを水系媒体に分散して70℃以上に達温するまで加熱してカラギナンを膨潤させたものである。カラギナンは、水系媒体中で70℃以上に加熱されることにより膨潤する性質を有するが、本発明においては、単に乾物状態のカラギナンを用いるのではなく、カラギナンを予め水系媒体中で加熱膨潤させて用いることにより、後述するデキストリン及び/又は還元デキストリンを用いることと併せて、冷凍変性を防止することができ、その結果、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品を製することができる。これに対して、単に乾物状態のカラギナンを用いた場合は、当該カラギナンが液卵混合液中で加熱調理される際に膨潤することになって、液卵中の蛋白質が影響して充分に膨潤されないためか、後述の比較例に示すように、冷凍変性を防止することができず、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品を製することができない。
前記加熱膨潤したカラギナンは、具体的には、以下のように製することができる。まず、カラギナンと水系媒体を用意する。水系媒体としては、水を主成分とするものであり、好ましくは清水であるが、だし汁、牛乳等の好ましくは水分含量が80%以上のものを用いるとよい。次に、カラギナンを膨潤するのに充分な量の水系媒体、具体的には、乾物状態のカラギナンの好ましくは10質量倍以上、より好ましくは50質量倍以上の水系媒体にカラギナンを分散してカラギナン分散液を製する。この際、水系媒体の温度が高すぎるとカラギナンが分散し難いことから、好ましくは65℃以下、より好ましくは60℃以下の水系媒体にカラギナンを分散する。続いて、このカラギナン分散液をニーダーや二重釜等を用いて加熱して、70℃以上に達温させてカラギナンを膨潤させることにより、加熱膨潤したカラギナンを含む水溶液を製することができる。本発明で、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合する際には、この加熱膨潤したカラギナンを水溶液の状態で用いればよい。なお、カラギナン分散液を70℃以上に加熱する際には、攪拌装置付きのニーダーや二重釜等を用い、好ましくは攪拌羽の攪拌速度が1〜60回転/分の条件で攪拌しながら加熱すると、カラギナン水溶液中の濃度ムラがなくなって、後述する液卵との混合時により均一に混合できることから好ましい。
前記カラギナンとしては、イオタカラギナン、カッパカラギナン及びラムダカラギナンをそれぞれ単独で、あるいはこれらを組み合わせて用いることができるが、これらカラギナンは加熱調理した際の卵の凝固力を低下させる傾向があることから、これを補ってゼリー状に凝固させる点から、本発明においては、ゲル化する性質を有するイオタカラギナン及び/又はカッパカラギナンを少なくとも用いることが好ましい。
カラギナンの配合量は、製品に対して乾物換算で、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。これにより冷凍変性が充分に防止されたゼリー状卵調理冷凍食品が得られ易く好ましい。なお、カラギナンの配合量は、あまり多すぎても、食感が硬くなったり、なめらかさが失われたりする場合があることから、製品に対して乾物換算で、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
また、本発明で用いるデキストリンとは、澱粉を加水分解したものであり、還元デキストリンはその還元物であるが、これらは、デキストリンとしては、デキストリン、澱粉糖化物、澱粉分解物、澱粉加水分解物等の名称で、還元デキストリンとしては、還元デキストリン、デキストリンアルコール、糖アルコール等の名称で市販されているので、これらを用いることができる。これらは、単独で、あるいはこれらを組み合わせて用いてもよい。本発明においては、このようなデキストリン及び/又は還元デキストリンを用いることにより、前述した加熱膨潤したカラギナンを含む水溶液を用いることと併せて、冷凍変性を防止することができ、その結果、冷凍保存して解凍した後も口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品を製することができる。これに対して、デキストリン及び/又は還元デキストリンを用いない場合は、後述の比較例に示すように、冷凍変性を防止することができず、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するゼリー状卵調理冷凍食品を製することができない。
前記デキストリン及び/又は還元デキストリンの中でも、本発明においては、べたつきを少なくしてよりなめらかで口当たりのよい食感を得る点から、DE値が50以下のデキストリン及び/又はDE値が50以下のデキストリンの還元物を用いることが好ましい。ここでDE値とは、「デキストロースエキュイバレント(dextrose equivalent)」の略称で、澱粉の加水分解の程度を示す指標であり、DE値が低いほうが加水分解の程度が低く分子量が大きいことを意味する。
前記デキストリン及び/又は還元デキストリンの合計配合量は、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上である。これにより冷凍変性が充分に防止されたゼリー状卵調理冷凍食品が得られ易く好ましい。なお、デキストリン及び/又は還元デキストリンの合計配合量は、あまり多すぎても、食感がべたついたり、食味が甘すぎるものとなる傾向があることから、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。また、液状のデキストリン、還元デキストリンを用いる場合の配合量は、その固形分に換算した値である。
本発明においては、前述した加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合して液卵混合液を製する。混合する方法としては、特に制限は無く、例えば、攪拌タンク等を用いて、泡立たない程度に適宜攪拌条件を調節して攪拌することにより混合することができる。この際、本発明においては、加熱膨潤したカラギナンは、水溶液の状態で用いるが、この加熱膨潤したカラギナンを含む水溶液の品温が70℃以上のときに液卵と混合すると液卵中の蛋白質が熱変性してざらついたものとなる場合があることから、加熱膨潤したカラギナンを含む水溶液の品温が65℃以下に低下してから液卵と混合することが好ましい。また、カラギナンとしてイオタカラギナン及び/又はカッパカラギナンを用いた場合には、加熱膨潤したカラギナンを含有する水溶液の品温が低下すると当該水溶液がゲル化して液卵やその他の原料と混合し難くなることから、加熱膨潤したカラギナンを含有する水溶液の品温が、30℃以上のときに液卵やその他の原料と混合することが好ましい。
なお、前記液卵混合液の原料には、前述した原料の他に、牛乳、バター等の乳製品、カツオやコンブ等の動植物エキス、醤油、食塩、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、食酢、クエン酸等のpH調整材、増粘多糖類等の品質改良材、着色料、甘味料、保存料等の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
次いで、製した液卵混合液を加熱調理してゼリー状とすることにより、ゼリー状卵調理食品を製することができる。加熱調理は、卵蛋白が熱変性するように、液卵混合液の品温を好ましくは70℃以上に加熱して行うことが好ましい。このような加熱調理としては、例えば、液卵混合液を型やパウチ等に充填して、スチーマーやオーブン等で、70〜150℃で10〜60分程度加熱して行えばよい。
更に、製したゼリー状卵調理食品を、凍結処理して冷凍品とすることによりゼリー状卵調理冷凍食品を製することができる。凍結処理は、凍結機を用い適宜条件を調節して行えばよいが、例えば、−60〜−15℃程度の雰囲気温度で10分〜3時間程度の時間凍結処理を行うことにより凍結することができる。製したゼリー状卵調理冷凍食品は、温水や電子レンジによる加熱解凍や流水解凍等により解凍することができる。
以上のようにして製したゼリー状卵調理冷凍食品は、冷凍保存して解凍した後も、冷凍により物性が変性して、口の中で崩れ難い硬くてざらついた食感となったり、離水が過度に生じたりしてしまうことがなく、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有するものである。
本発明により製したゼリー状卵調理冷凍食品の冷凍変性が防止される理由は定かではないが、以下のように推察される。まず、製品の水分含量が一定量以上であり、液卵の配合量が比較的少ないゼリー状卵調理食品は、液卵の配合量が比較的多く硬い卵焼き等に比べて、少量の卵蛋白質が多量の水を抱えて加熱凝固したゼリー状の組織となっていることから、冷凍により製品中の水分が結晶化して組織を破壊し易い状態となっていると考えられる。しかしながら、本発明においては、液卵中の蛋白質の熱変性が、予め加熱膨潤されたカラギナンと、デキストリン及び/又は還元デキストリンとが混合された状態で行われるので、これら加熱膨潤したカラギナンとデキストリン及び/又は還元デキストリンが、ゼリー状の組織の形成に関与し、これにより効果的に冷凍変性が抑制されていると推察される。
以下、本発明のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法について、実施例及び比較例に基き具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例及び比較例に限定するものではない。
[実施例1](カスタードプリン)
下記原料を用意した。
牛乳 50kg
還元デキストリン(液状)※ 20
液卵黄 15
イオタカラギナン 0.5
清水 14.5
――――――――――――――――――――
合計100kg
※還元デキストリン:原料デキストリンのDE値15、固形分70%、商品名「エスイー100」、日研化成(株)製
まず、前記原料のうち、品温20℃の清水10kgとイオタカラギナン0.5kgを攪拌装置付きのニーダーに投入してイオタカラギナンの分散液を製し、これを攪拌羽の攪拌速度20回転/分で攪拌しながら20分かけて品温80℃に達温するまで加熱してイオタカラギナンを加熱膨潤させ、加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液を製した。次に、この加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液が品温60℃まで低下した後、この加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液と残りの原料、すなわち、加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液10.5kg、牛乳50kg、還元デキストリン(液状)20kg、液卵黄15kg、清水4.5kgを混合タンクに投入して混合し、液卵混合液を製した。続いて、この液卵混合液を150cc容量の合成樹脂製成型容器に120gずつ充填し、スチーマーで、雰囲気温度80℃で50分間蒸煮した後冷却してカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は71%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%、還元デキストリンの配合量が14%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
更に、このカスタードプリンを凍結機で、雰囲気温度−40℃で60分間凍結処理し、冷凍カスタードプリンを製した。製した冷凍カスタードプリンを−20℃で1ヵ月間保存した後、雰囲気温度10℃の冷蔵庫で12時間かけて解凍した。このカスタードプリンを食したところ、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
[実施例2](カスタードプリン)
実施例1において、還元デキストリンの配合量を10kgに減らすとともに、新たにデキストリン(固体状、DE値11、商品名「パインデックス♯2」、松谷化学工業(株)製)7kgを配合し、合計配合量が同じになるように清水の配合量を増やして補正した他は、実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は71%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%、デキストリン及び還元デキストリンの合計配合量が14%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。更に、実施例1と同様に、このカスタードプリンを凍結処理して冷凍カスタードプリンを製し、これを冷凍保存後解凍して食したところ、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
[実施例3](カスタードプリン)
実施例1において、還元デキストリンを配合せず、代わりにデキストリン(実施例2で用いたものと同じ)14kgを配合し、合計配合量が同じになるように清水の配合量を増やして補正した他は、実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は71%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%、デキストリンの配合量が14%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。更に、実施例1と同様に、このカスタードプリンを凍結処理して冷凍カスタードプリンを製し、これを冷凍保存後解凍して食したところ、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
[実施例4](カスタードプリン)
実施例1において、イオタカラギナンの配合量を0.25kgに減らし、新たにカッパカラギナン0.25kgを配合した他は、実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は71%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%、還元デキストリンの配合量が14%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。更に、実施例1と同様に、このカスタードプリンを凍結処理して冷凍カスタードプリンを製し、これを冷凍保存後解凍して食したところ、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
[実施例5](カスタードプリン)
実施例1において、イオタカラギナンの代わりにカッパカラギナンを用いた他は、実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は71%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%、還元デキストリンの配合量が14%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。更に、実施例1と同様に、このカスタードプリンを凍結処理して冷凍カスタードプリンを製し、これを冷凍保存後解凍して食したところ、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
[実施例6](茶碗蒸し)
下記原料を用意した。
液全卵 25kg
還元デキストリン(液状)※ 15
イオタカラギナン 1
コンブエキス 0.5
食塩 0.5
清水 58
――――――――――――――――――――
合計100kg
※還元デキストリン:実施例1で用いたものと同じ
まず、前記原料のうち、品温20℃の清水50kgとイオタカラギナン1kgを攪拌装置付きのニーダーに投入してイオタカラギナンの分散液を製し、これを攪拌羽の攪拌速度20回転/分で攪拌しながら30分かけて品温80℃に達温するまで加熱してイオタカラギナンを加熱膨潤させ、加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液を製した。次に、この加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液が品温60℃まで低下した後、この加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液と残りの原料、すなわち、加熱膨潤したイオタカラギナンを含む水溶液51kg、液全卵25kg、還元デキストリン(液状)15kg、コンブエキス0.5kg、食塩0.5kg、清水8kgを混合タンクに投入して混合して、液卵混合液を製した。続いて、この液卵混合液を150cc容量の合成樹脂製成型容器に120gずつ充填し、スチーマーで雰囲気温度90℃で40分間蒸煮した後冷却して茶碗蒸しを製した。製した茶碗蒸しの水分含量は82%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で25%、カラギナンの配合量が乾物換算で1%、還元デキストリンの配合量が10.5%であった。この茶碗蒸しを食したところ、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
更に、この茶碗蒸しを凍結機で、雰囲気温度−40℃で60分間凍結処理し、冷凍茶碗蒸しを製した。製した冷凍茶碗蒸しを−20℃で1ヵ月間保存した後、雰囲気温度10℃の冷蔵庫で12時間かけて解凍し、これを電子レンジで温めて食したところ、冷凍保存前と同様に、口の中で適度に崩れる大変やわらかくてなめらかな食感を有し好ましいものであった。
[比較例1]
実施例1において、カラギナンを予め加熱膨潤させず、乾物状態で液卵と混合した他は、実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。すなわち、実施例1の配合原料である、牛乳50kg、還元デキストリン(液状)20kg、液卵黄15kg、イオタカラギナン0.5kg及び清水14.5kgを混合タンクで混合して液卵混合液を製し、この液卵混合液を用いて、実施例1と同様に加熱調理してカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は71%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%、還元デキストリンの配合量が14%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有していた。更に、実施例1と同様に、このカスタードプリンを凍結して冷凍カスタードプリンを製し、これを冷凍保存後解凍して食したところ、硬くて口の中で崩れ難い上に、なめらかさのないざらついた食感であり好ましくないものであった。
[比較例2]
実施例1において、還元デキストリンを配合せず、その減少分を清水の配合量を増やして補正した他は、実施例1と同じ配合と製法でカスタードプリンを製した。製したカスタードプリンの水分含量は85%であり、製品に対する原料の配合量はそれぞれ、液卵の配合量が生換算で15%、カラギナンの配合量が乾物換算で0.5%であった。このカスタードプリンを食したところ、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有していた。更に、実施例1と同様に、このカスタードプリンを凍結して冷凍カスタードプリンを製し、これを冷凍保存後解凍して食したところ、硬くて口の中で崩れ難い上に、スポンジ状のざらついた食感を有し、更に大量の離水が生じていて水っぽいものであり好ましくないものであった。
以上より、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合して製した液卵混合液を加熱調理してゼリー状とする実施例1乃至6のゼリー状卵調理冷凍食品は、冷凍保存して解凍した後も、口の中で適度に崩れるやわらかくてなめらかな食感を有することが理解できる。これに対して、カラギナンを予め加熱膨潤させず、乾物状態で用いる比較例1の比較品、デキストリン及び/又は還元デキストリンを用いていない比較例2の比較品は、冷凍保存して解凍すると、口の中で崩れ難い硬くてざらついた食感となったり、離水が過度に生じたりしてしまい、やわらかくなめらかな口当たりが損なわれてしまった。

Claims (3)

  1. 製品の水分含量が50%以上であり、液卵の配合量が製品に対して生換算で5〜50%であるゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法において、加熱膨潤したカラギナンと、液卵と、デキストリン及び/又は還元デキストリンとを混合して製した液卵混合液を加熱調理してゼリー状とすることを特徴とするゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法。
  2. カラギナンの配合量を、製品に対して乾物換算で0.05%以上とする請求項1記載のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法。
  3. デキストリン及び/又は還元デキストリンの合計配合量を、製品に対して1%以上とする請求項1又は2記載のゼリー状卵調理冷凍食品の製造方法。
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