JP2002000232A - 卵黄液及びこれを含有する凝固卵加工食品 - Google Patents

卵黄液及びこれを含有する凝固卵加工食品

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liquid
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Takeshi Onishi
剛 大西
Tomoko Nakatani
友子 中谷
Kazuo Ochiai
計夫 落合
Toshihiko Nishiyama
敏彦 西山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 凝固卵加工食品の製造に関し、レトルト加熱
処理や加熱製造後冷凍され冷凍食品として流通した場合
もフンワリ感、シットリ感に優れた食品の製造法の提
供。 【解決手段】 カルシウム反応性のゲル化剤を含有する
ことにより熱凝固性が低下することを特徴とする卵黄
液。上記カルシウム反応性のゲル化剤がアルギン酸塩、
ローメトキシルペクチン、カッパーカラギーナンであ
り、卵黄液中の卵黄の液卵換算重量に対して0.25〜
2重量%含まれることを特徴とする卵黄液。上記卵黄液
を含有して、冷凍状態で保存或いは流通することが出来
ることを特徴とする凝固卵加工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は殺菌を目的としたレ
トルト加熱処理や、加熱製造後冷凍され、冷凍食品とし
て流通する凝固卵加工食品においてフンワリ感、シット
リ感を提供する卵黄液及び該卵黄液を含有する凝固卵加
工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、卵を主原料とした卵焼き、オ
ムレツ、どんぶりに使用されるとじ卵等の凝固卵加工食
品は数多く製造され、われわれの食生活に欠かせないも
のである。これらの食品は卵蛋白の熱変性、熱凝固性を
利用した食品であり、フンワリ、シットリした食感が好
まれるため家庭で作る時は、卵蛋白が過度に凝固しない
範囲で加熱することで製造出来る。
【0003】しかしながら、凝固卵加工食品を工業的に
製造する際は、その豊富な栄養価から菌増殖しやすく保
存性が悪いため、たとえばレトルト殺菌のように高温で
の加熱殺菌を充分行う必要や、菌増殖の抑制を目的とし
て冷凍状態で流通する必要がある。
【0004】凝固卵加工食品は、加熱が強くなるほど食
感が硬くなり、離水し、家庭で作られるような本来のフ
ンワリ、シットリした食感から硬く乾燥した食感にな
る。また、冷凍保管されると凝固卵加工食品内部の凍結
によりさらに離水し食感の劣化が進み、ゴム様の食感に
なる。特に解凍、再加熱を目的としてレンジ等で加熱す
るとゴム様の食感が顕著になると言う問題を抱えてい
る。
【0005】これは、蛋白質の熱凝固は加熱に伴う蛋白
質の立体構造変化、即ち蛋白分子中の疎水基の分子表面
への露出、露出した疎水基相互の疎水結合により蛋白分
子が結合することが主要因の一つであり(加藤昭夫:N
ew Food Ind.,26,69(198
4))、弱い加熱条件であれば、疎水基の露出も少な
く、軟らかい凝固卵ができるが過度の加熱や長時間過熱
されると、疎水基の露出が進み、その結果、過凝固し硬
く保水力が無い凝固卵となるためである。また、冷凍保
管した場合は、凝固卵加工食品内部の保水性が低下して
いるため、内部での氷結晶形成、成長が進み、その結果
前述したごとく離水し乾燥したゴム様の食感となる。
【0006】上記問題を解決する方法として、加熱時の
過凝固を抑制する方法としては、特公昭55−4374
5や特開平2−227054に凝固卵加工食品中に特定
量の澱粉や米澱粉を数%使用する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では過凝固による硬く乾燥した食
感はなくなるものの澱粉特有の食感になり凝固卵加工食
品とは異なる食感となる。また、特開平06−1897
13、特開平08−173098のごとく卵蛋白を特定
の酵素にて部分的に加水分解し過凝固を防ぐ方法はある
が、酵素処理により異味異臭がでる。
【0007】冷凍・再加熱時の離水・食感の劣化を抑制
する方法としては特開平05−68476に増粘多糖類
とオリゴ糖、糖アルコールを配合する方法が提案されて
いるが甘味が強くなるため凝固卵加工食品の種類によっ
ては好ましくない。また、特開2000−83624の
ごとく乳化物や乳化剤を添加する方法が提案されている
が、乳化剤臭がする等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、凝固卵
加工食品本来の食感、風味を損なうことなく殺菌を目的
としたレトルト加熱処理や、加熱製造後冷凍され、冷凍
食品として流通した場合もフンワリ感、シットリ感に優
れた凝固卵加工食品を得ることが望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
状に鑑み上記課題を解消するため鋭意研究の結果、特定
のゲル化剤を含有した卵黄液を凝固卵加工食品製造時に
用いることにより、卵蛋白の過凝固や離水、さらには、
冷凍保管や再加熱後の食感の劣化が解決されることを見
出し本発明を完成した。すなわちカルシウム反応性のゲ
ル化剤を含有することにより熱凝固性が低下することを
特徴とする卵黄液を提供し、さらに本発明の卵黄液を使
用することによりレトルト加熱処理や、加熱製造後冷凍
され、冷凍食品として流通した場合もフンワリ感、シッ
トリ感に優れた凝固卵加工食品が得られることを見出し
本発明を完成するに至った。
【0010】本発明の最大の特徴は、卵黄とゲル化剤を
あらかじめ混合し、卵黄中のカルシウムと卵黄球表面に
て部分的に保水ゲルを形成させた後に使用することにあ
る。保水ゲルにより部分的に被覆した卵黄液は加熱され
ても蛋白質相互の結合が抑制されるため熱凝固がおこり
にくくなる即ち熱凝固性が低下するとともに保水力が向
上する。従って、このものを凝固卵加工食品製造時に卵
の代わりに一部を置き換えて添加すると、当該卵黄球が
卵液のすみずみに均一に分散されと同時に加熱時の蛋白
質相互の疎水結合を阻害し、凝固卵加工食品にフンワリ
感とシットリした保水性が付与されるところにある。ま
た、凝固卵加工食品のソフトさは当該卵黄液の添加量に
より制御できる。
【0011】即ち、本発明の第1は、カルシウム反応性
のゲル化剤を含有することにより熱凝固性が低下するこ
とを特徴とする卵黄液に関する。好ましい実施態様とし
ては、カルシウム反応性のゲル化剤が、卵黄液中の卵黄
の液卵換算重量に対して0.25〜2重量%含まれるこ
とを特徴とする上記記載の卵黄液に関し、更に好ましい
実施態様としては、カルシウム反応性のゲル化剤がアル
ギン酸塩、ローメトキシルペクチン、カッパーカラギー
ナンであることを特徴とする上記記載の卵黄液に関す
る。
【0012】本発明の第2は、上記の何れかに記載の卵
黄液を含有することを特徴とする凝固卵加工食品に関
し、好ましい実施態様としては、冷凍状態で保存或いは
流通することが出来ることを特徴とする上記記載の凝固
卵加工食品に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に用いる卵黄液は、通常の生卵黄、約60度、3分
間程度加熱した殺菌卵黄、熱凝固変性した卵黄、一部だ
け熱凝固変性した卵黄を均質化したもの、または乾燥卵
黄を水にといたものであっても良く、特に何ら制限は無
い。たとえば、割卵した後、卵白と分離して得られた卵
黄等がごく一般的なものである。また卵黄液中の卵黄濃
度は特に制限ない。
【0014】本発明において熱凝固性が低下するとは、
本来、加熱することで蛋白質が変性し凝固する温度にお
いても、ある程度流動性を有し固まっていないことを言
う。具体的には、所定濃度の卵水溶液(卵蛋白質水溶
液)を徐々に加熱した際に形成される蛋白質分子の集合
体の量、大きさを肉眼、或いは光学顕微鏡などで観察す
ることで、熱凝固性を判断することができる。通常の卵
水溶液と、例えば本発明の卵黄液を比較し、蛋白質分子
集合体の量が少なく、また、大きな蛋白質分子集合体を
形成しない場合、熱凝固性が低下したと判断できる。凝
固性が低下する原因としては、カルシウム反応性のゲル
化剤と卵黄中のカルシウムが卵黄球表面にて部分的に保
水ゲルを形成することで、保水ゲルが部分的に被覆さ
れ、蛋白質相互の結合が抑制されることに起因している
ものと考えられる。
【0015】本発明に用いるカルシウム反応性のゲル化
剤としてはアルギン酸塩、ローメトキシルペクチン、カ
ッパッカラギーナンが好ましく、アルギン酸塩として
は、たとえばアルギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、
カルシウム塩、アンモニウム塩、亜鉛塩、その他アルギ
ン酸を出発原料として水可溶性の塩としたものが挙げら
れるが、一般に安価で食品での使用量が多いことからア
ルギン酸ナトリウムが好ましい。また、原料である藻類
の由来、アルギン酸の分子量の違い、アルギン酸の構成
成分であるβ−(1−4)−D−マンヌロン酸及びα−
(1−4)−L−グルロン酸の量的比率等には特に制限
は無い。
【0016】ローメトキシルペクチンは、D−ガルクチ
ュロン酸とそのメチルエステルを構成成分とするもの
で、メチルエステルの存在が組成中の50%以下の物で
ある。原料であるかんきつ類の由来等には特に制限はな
い。
【0017】カッパーカラギーナンとは、カッパ型に分
類さるカラギーナンのことであり必ずしも精製されたも
のでなくて良く租抽出物でよい。
【0018】カルシウム反応性のゲル化剤の添加割合と
しては、卵黄含有量に左右されるため特に限定されるも
のではないが、卵黄の液卵換算重量に対し0.25〜2
重量%が好ましい。本発明の卵黄液とは、卵黄とカルシ
ウム反応性のゲル化剤と必要に応じてさらに水を含んで
なるものである。
【0019】本発明による卵黄液の製造方法は、所定量
の水にカルシウム反応性のゲル化剤及び必要によりその
他の水溶性原料を、例えば50℃に加温しながら完全に
溶解し、このものに卵黄を注加、或いは卵黄を水で希釈
して注加し、例えば30℃で10分間混合反応を行なっ
た後、直ちに0〜15℃まで冷却し卵黄液を得る。さら
に、この卵黄液を殺菌するには、混合反応後、たとえば
プレート殺菌、バッチ式殺菌、掻き取り式殺菌、チュー
ブラー式殺菌装置等を用いて加熱殺菌し、その後冷却を
行えばよい。具体的には、65℃〜90℃で10秒〜3
0分間の加熱殺菌が例示される。また、保存方法として
は、冷蔵あるいは冷凍保管することが可能である。
【0020】本発明の卵黄液に使用できるその他の原料
としては、界面活性剤類、澱粉類、蛋白質類、糖類、調
味料類、アミノ酸類、有機酸類、色素類、香料類等が卵
黄とゲル化剤との反応を阻害しない範囲内あるいは補強
する目的で添加することができる。
【0021】上述の様に製造した本発明の卵黄液を用い
て凝固卵加工食品を製造することが出来る。本発明の凝
固卵加工食品としては、卵を加熱調理するものであれば
特に限定されるものではないが、具体的には、卵焼き、
オムレツ、スクランブルエッグ、炒り卵、茶碗蒸し、卵
豆腐、プリン、キッシュ、どんぶりに使用されるとじ卵
等のレトルト加熱品や冷凍品が例示される。本発明の卵
黄液の使用量について特に限定はないが、好ましくは、
凝固卵加工食品に使用する卵量の5〜100重量%を本
発明卵黄液に置換する。凝固卵加工食品に要求されるフ
ンワリ感、シットリ感に応じて適宜本発明卵黄液の量を
調整して使用できることは言うまでもない。
【0022】この様にして製造された凝固卵加工食品
は、冷凍状態で、保存・流通させることが出来る。そし
て、冷凍状態で保存・流通後、食する際にレンジ等で再
加熱調理を行っても、フンワリ、シットリとした食感を
有するものである。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお以下の記載において「%」「部」とあるのは、特に
ことわらない限り「重量%」「重量部」を意味する。
【0024】(実施例1)50℃まで昇温した水49部
にアルギン酸ナトリウム(商品名ダックアルギンSL−
20、紀文フードケミファ株式会社製)1部を攪拌しな
がら溶解し、完全に溶解した後、10℃に保温した卵黄
50部を添加し、30℃、10分間混合反応を行なっ
た。その後75℃、30秒の加熱殺菌を行ない直ちに冷
却して卵黄液を得た。この卵黄液を卵黄濃度が30%と
なるよう清水で希釈し、ナイロン袋に充填し、90℃、
95℃の温度で10分間加熱した。10分後、95℃加
熱のものは若干増粘が見られたが、90℃では熱凝固は
特に見られなかった。
【0025】(実施例2)50℃まで昇温した水59.
7部にローメトキシルペクチン(商品名LM−13 C
G、コペンハーゲンペクチン社製)0.3部を攪拌しな
がら溶解し、完全に溶解した後、10℃に保温した卵黄
40部を添加し、30℃、10分間混合反応を行なっ
た。その後75℃、30秒の加熱殺菌を行ない直ちに冷
却して卵黄液を得た。この卵黄液を卵黄濃度が30%と
なるよう清水で希釈し、ナイロン袋に充填し、90℃、
95℃の温度で10分間加熱した。10分後、90℃、
95℃共増粘は見られたが、熱凝固性は大きく低下し
た。
【0026】(実施例3)50℃まで昇温した水39.
0部にカッパーカラギーナン(商品名カラギニンCSK
−1、三栄源エフエフアイ社製)0.3部を攪拌しなが
ら溶解し、完全に溶解した後、10℃に保温した卵黄6
0部を添加し、30℃、10分間混合反応を行なった。
その後75℃、30秒の加熱殺菌を行ない直ちに冷却し
て卵黄液を得た。この卵黄液を卵黄濃度が30%となる
よう清水で希釈し、ナイロン袋に充填し、90℃、95
℃の温度で10分間加熱した。10分後、90℃、95
℃共増粘は見られたが、熱凝固性は大きく低下した。
【0027】(比較例1)添加するゲル化剤を水に置換
する以外は実施例1と同様の方法で卵黄液の加熱テスト
を行なった。その結果、卵黄液中の卵黄は完全に熱凝固
しブロック状の塊になった。
【0028】(比較例2,3)添加するゲル化剤をキサ
ンタンガム(比較例2)、寒天(比較例3)にする以外
は実施例1と同様の方法で卵黄液の加熱テストを行なっ
た。その結果、卵黄液中の卵黄は完全に熱凝固しブロッ
ク状の塊になった。
【0029】(実施例4)実施例1で得られた卵黄液を
用いて、下記配合にて厚焼き卵を作製した。 全卵 33kg 卵黄液 9kg 調味液 18kg 上記配合をミキサーで混合し常法に従い、500gの厚
焼き卵を製造した。製造後は、一部を耐熱性のポリエチ
レン袋に密封し、115℃、15分間レトルト殺菌し2
4時間放冷後ボイルして官能評価に供した。また、一部
は−20℃で2週間冷凍保管し電子レンジで再加熱後官
能評価を実施した。この厚焼き卵は、表1に示す如く、
レトルト後もフックラ、シットリしたものであった。ま
た、冷凍再加熱後もソフトで離水も少なかった。
【0030】
【表1】 (実施例5,6、比較例4,5)実施例2,3の卵黄液
を用いた場合、卵黄液のかわりに水を用いた場合の厚焼
き卵を作製し評価を行った。その結果を実施例4の結果
と共に表1に示す。
【0031】(実施例7)実施例2で得られた卵黄液を
用いて、下記配合にてオムレツを作製した。 全卵 30kg 卵黄液 21kg デンプン 1kg コーン油 2.4kg 調味液 5.6kg 上記配合をミキサーで混合し常法に従い、160gのオ
ムレツを製造した。製造後は、一部を耐熱性のポリエチ
レン袋に密封し、115℃、15分間レトルト殺菌し2
4時間放冷後ボイルして官能評価に供した。また、一部
は−20℃で2週間冷凍保管し電子レンジで再加熱後官
能評価を実施した。このオムレツは、レトルト後もフッ
クラ、シットリしたものであった。また、冷凍レンジ加
熱後もソフトで離水は少なく、内部はペースト状であっ
た。
【0032】(実施例8)実施例1で得られた卵黄液を
用いて、下記配合にて親子丼を作製した。 全卵 40g 卵黄液 30g 玉葱 30g 鶏もも肉 40g 調味液 147g ゼラチン 3g ゼラチンを混合溶解した調味液を鍋にとり、玉葱、鳥も
も肉を加熱した。加熱後、全卵と卵黄液の混合液を上か
らかけ、よく加熱し親子丼を作成した。得られた親子丼
を耐熱性のポリエチレン袋に密封し、115℃、15分
間レトルト殺菌し24時間放冷後ボイルして官能評価に
供した。また、一部は−20℃で2週間冷凍保管し電子
レンジで再加熱後官能評価を実施した。この親子丼の卵
部は、レトルト後も冷凍再加熱後も手作り感が保持さ
れ、フンワリ、シットリしたものであった。
【0033】(比較例6)実施例1の卵黄液と同じ配合
で、卵黄とゲル化剤水溶液とを混合せず別々に準備し、
全原料を一括で混合し、実施例4と同じ方法で厚焼き卵
を得た。この厚焼き卵はレトルト後は硬く(硬さ測定値
6.0×e4 Pa/m2)、また、冷凍再加熱後は離水
が多く食感はゴム様となった。
【0034】(比較例7)実施例1のゲル化剤をあらか
じめカルシウム塩を用いてゲル化し粉砕した後、実施例
1と同配合になるよう、卵黄とゲル化剤水溶液とを別々
に準備、全原料を一括で混合し、実施例4と同じ方法で
厚焼き卵を得た。この厚焼き卵はレトルト後は硬く(硬
さ測定値6.1×e4 Pa/m2)、また、冷凍再加熱
後は離水が多く食感はゴム様となった。
【0035】
【発明の効果】叙上の通り、本発明の卵黄液により凝固
卵加工食品本来の食感、風味を損なうことなく殺菌を目
的としたレトルト加熱処理や、加熱製造後冷凍され、冷
凍食品として流通した場合もフンワリ感、シットリ感に
優れた凝固卵加工食品を得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム反応性のゲル化剤を含有する
    ことにより熱凝固性が低下することを特徴とする卵黄
    液。
  2. 【請求項2】カルシウム反応性のゲル化剤が、卵黄液中
    の卵黄の液卵換算重量に対して0.25〜2重量%含ま
    れることを特徴とする請求項1記載の卵黄液。
  3. 【請求項3】 カルシウム反応性のゲル化剤がアルギン
    酸塩、ローメトキシルペクチン、カッパーカラギーナン
    であることを特徴とする請求項1、2記載の卵黄液。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の卵黄液を含
    有することを特徴とする凝固卵加工食品。
  5. 【請求項5】冷凍状態で保存或いは流通することが出来
    ることを特徴とする請求項4記載の凝固卵加工食品。
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