JP2006265329A - ポリエステル樹脂組成物およびそれから得られる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 6000番以上の研磨剤を用いて研磨し鏡面仕上げされた金型を用いて成形した場合でも、離型性に優れ、かつ高温に晒されても表面光沢が損なわれないポリエステル樹脂組成物および成形体を提供する。
【解決手段】 ポリエステル樹脂および、アミン価が5mgKOH/gの脂肪族ビスアミド系化合物を含有するポリエステル樹脂組成物を成形することにより、離型性に優れ、かつ高温に晒されても表面光沢が損なわれない成形品を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂およびアミン価が5mgKOH/g以下の脂肪族ビスアミド系化合物を含有するポリエステル樹脂組成物および該ポリエステル樹脂組成物からなる樹脂成形体に関する。
照明部品、例えば、自動車のヘッドランプエクステンションや施設照明の反射体などは、光源の方向性、反射性、意匠性の為の高い輝度感、鮮鋭性、均一な反射率、平滑性および光源の熱に耐える高い耐熱性が必要になる。そのような用途には、近年、例えば6000番以上の研磨剤を用いて鏡面仕上げされた金型を用いて射出成形等により得られる、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる成形体によって試みられている。従来は、1200番程度の研磨剤を用いて研磨された金型で成形され、さらに、アンダーコートと呼ばれる下塗りを施すことにより、成形体の表面を平滑にしてきた。しかしながら、成形体へ下塗り(アンダーコート)を施す場合、樹脂種毎にアンダーコート材を設計しなければいけないこと、アンダーコート材を構成する有機溶剤が環境保護上問題があること、アンダーコート工程によってコストの大幅アップを余儀なくされること、さらにアンダーコート工程での不良率が高い等の、数々の問題点があった。
それら従来の方法に対して、6000番以上の研磨剤を用いて鏡面仕上げされた金型によって得られる成形体を用いる目的は、上記アンダーコート材を使わないで、平滑な表面を有する成形体を得ることにあり、上記種々の問題を解決することにある。
ところが、6000番以上の研磨剤を用いて鏡面仕上げされた金型で成形する場合、ポリエステル樹脂は金型表面に密着してしまい、成形時に離型できないという大きな問題を抱えていた。シリコーン系やフッ素系の外部離型剤を金型表面に塗布して成形すれば離型性が劣るという問題は解決されるものの、得られる成形体の表面光沢が損なわれ、自動車のヘッドランプエクステンションや施設照明の反射体などには使用できない。
上記問題に対して、ポリエステル樹脂にエチレンビスステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド系化合物を配合する技術が開示されている(特許文献1〜7)。確かにエチレンビスステアリン酸アミドによって離型性は改善される。脂肪酸アミド系化合物はジアミン化合物と脂肪族カルボン酸との縮合反応によって得られる物質であるが、通常、未反応物としてジアミンやカルボン酸が微量ながら脂肪酸ビスアミド系化合物に含まれている。これら未反応物が混在している中で成形を続けると、ポリエステル樹脂が劣化して、劣化物が金型に付着して残る。6000番以上に高度に研磨された金型で成形された製品は高度は外観を要求されるが、上記のように金型に付着物が残ると、外観の不具合の原因になり問題である。また別の問題としては、未反応物によって発生するポリエステル樹脂の劣化物が樹脂組成物中に残存する場合、例えば、製品を150℃以上の高温環境に置いた際に樹脂の劣化物が表面にブリードすることもあり、やはり外観を損なうので改善が求められていた。
以上、6000番以上の鏡面仕上げ金型でも離型性に優れ、かつ成形体の光沢を損なわず、更に150℃以上の高温に曝されても表面光沢が低下しないポリエステル樹脂組成物を得る技術は、未だ見出されていないのが現状である。
特開2003−201394号公報 特開2003−201392号公報 特表2003−528958号公報 特開平11−209593号公報 特開2000−212413号公報 特開2000−212414号公報 特開平8−199047号公報
本発明の目的は、このような従来の問題を改善し、6000番以上の研磨剤を用いた鏡面仕上げ金型を用いて成形した場合でも、離型性に優れ、かつ高温に晒されても表面光沢が損なわれないポリエステル樹脂組成物、および該ポリエステル樹脂組成物からなる成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂に対してアミン価が5mgKOH/g以下の脂肪族ビスアミド系化合物を配合することにより、優れた特性を有するポリエステル樹脂組成物を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第一は、ポリエステル樹脂およびアミン価が5mgKOH/g以下の脂肪酸ビスアミド系化合物を含有するポリエステル樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、無機化合物を含有することを特徴とする、前記に記載のポリエステル樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、無機化合物を含有する事を特徴とする、前記に記載のポリエステル樹脂組成物に関する。
更に好ましい実施態様としては、ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレフタレート樹脂である事を特徴とする、前記に記載のポリエステル樹脂組成物に関する。
更に好ましい実施態様としては、無機化合物が膨潤性層状ケイ酸塩である事を特徴とする、前記に記載のポリエステル樹脂組成物に関する。
本発明の第二は、前記に記載のポリエステル樹脂組成物で一部または全部を形成されるポリエステル樹脂成形体に関する。
より好ましい実施態様としては、下記(a)および(b)の条件を満たすことを特徴とする、前記に記載のポリエステル樹脂成形体に関する。ただし、(a)下塗りすることなくアルミニウム膜を施した面の拡散反射率が2.0%以下であること、(b)0.45MPa荷重時の荷重たわみ温度が150℃以上であること。
より好ましい実施態様としては、更に下記(c)の条件を満たす前記に記載のポリエステル樹脂成形体。ただし、(c)下塗りすることなくアルミニウム膜を施した面を150℃で10時間処理した後の拡散反射率が3.0%以下であること。
ポリエステル樹脂に対してエステル結合を有するアミン価が5mgKOH/g以下の脂肪酸ビスアミド系化合物を配合することにより、6000番以上の研磨剤を用いて研磨仕上げされた鏡面金型を用いて成形された場合でも、離型しやすく、かつ高温に晒されても表面光沢の低減がないポリエステル樹脂組成物、および該ポリエステル樹脂組成物からなる樹脂成形体が提供される。
本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸化合物および/またはジカルボン酸のエステル形成性誘導体を主成分とする酸成分、並びにジオール化合物および/またはジオール化合物のエステル形成性誘導体を主成分とするジオール成分との反応により得られる従来公知の任意の熱可塑性ポリエステル樹脂である。
前記主成分とするとは、酸成分又はジオール成分中に占めるそれぞれの割合が80モル%以上、さらには90モル%以上であることを意図し、上限は100モル%である。
本発明における酸成分のうちの芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸等が挙げられ、これらの置換体(例えば、メチルイソフタル酸等のアルキル基置換体など)や誘導体(テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等のようなアルキルエステル化合物など)も使用し得る。また、p−オキシ安息香酸及びp−ヒドロキシエトキシ安息香酸のようなオキシ酸及びこれらのエステル形成性誘導体も使用し得る。これらのモノマーは単独で使用しても良く、2種以上混合して用いても良い。更に、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の特性を損なわない程度の少量であれば、これらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、セバシン酸等のような脂肪族ジカルボン酸を1種以上混合して使用し得る。
上記酸成分の中では、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶性や強度、弾性率の点から、テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体が好ましい。
本発明におけるジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール等のような脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のような脂環式グリコール等が挙げられ、これらの置換体や誘導体もまた使用し得る。また、ε−カプロラクトンのような環状エステルも使用し得る。これらのモノマーは単独で使用しても良く、2種以上を混合して用いても良い。更に、熱可塑性ポリエステル樹脂の弾性率を著しく低下させない程度の少量であるならば、長鎖型のジオール化合物(例えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール)、及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加重合体等(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加重合体等)などを組み合わせて使用しても良い。
上記ジオール成分の中では、入手の容易さ、取り扱い性、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂の強度、弾性率等の点から、エチレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチルテレフタレート、ネオペンチルテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレート等、またはこれらの共重合ポリエステルを挙げることができる。それらは単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
上記ポリエステル樹脂の中では、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート樹脂、または、これらの樹脂とビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加化合物またはポリテトラメチレングリコールとの共重合体が、取扱性、剛性、結晶性、耐熱性および表面性の点から好ましい。なお、ポリエステル樹脂の耐熱性または弾性率を著しく低下させない程度の少量であるならば、ポリアルキレンイソフタレート、ポリアルキレンナフタレートなどを混合して用いても差し支えない。
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、成形工程における成形流動性および最終製品の諸物性を考慮して選択され、低すぎても高すぎても好ましくなく適した分子量を設定する必要がある。すなわち、熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、フェノール/テトラクロロエタン(5/5重量比)混合溶媒を用い25℃にて測定した対数粘度が、0.3〜2.0dl/gが好ましく、0.35〜1.9dl/gがより好ましく、0.4〜1.8dl/gが更に好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂の対数粘度が0.3dl/g未満である場合には、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる成形品の機械的特性が低い場合があり、2.0dl/gを超える場合には成形時の流動性が劣る等の加工性に問題が生じる場合がある。
本発明において、ポリエステル樹脂に対してアミン価が5mgKOH/g以下の脂肪酸ビスアミド系化合物を配合することにより、鏡面金型を用いて成形された場合でも、離型しやすく、かつ高温に晒されても表面光沢の低減がないポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明で用いられる脂肪族ビスアミド系化合物とは、ジアミン化合物と脂肪族カルボン酸化合物との縮合物であり、例えば、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、メチレンビスエルカ酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスラウリン酸アミド、ブチレンビスカプリル酸アミド、ブチレンビスカプリン酸アミド、ブチレンビスパルミチン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスベヘン酸アミド、ブチレンビスエルカ酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスカプリル酸アミド、ヘキサメチレンビスカプリン酸アミド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、m−キシリレンビスラウリン酸アミド、m−キシリレンビスカプリル酸アミド、m−キシリレンビスカプリン酸アミド、m−キシリレンビスパルミチン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビスベヘン酸アミド、m−キシリレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられるがこれらに限定されない。上記ビスアミド系化合物は単独または2種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明で用いられる脂肪族ビスアミド系化合物は、アミン価が5mgKOH/g以下であり、好ましくは4mgKOH/g以下であり、更に好ましくは3mgKOH/g以下である。特に好ましいのはアミン価が1.5mgKOH/g以下であることである。アミン価が5mgKOH/gを超えると、成形品の表面光沢が損なわれる場合がある。アミン価の下限値は特にない。
アミン価が5mgKOH/g以下にする方法は特に限定されないが、例えば、ジアミン化合物と脂肪族カルボン酸化合物との縮合反応の反応時間と反応温度を十分に長くとり、未反応物の発生を極力抑制する方法や、縮合反応時に脂肪族カルボン酸の仕込みを過剰量にする方法や、また、得られた脂肪族ビスアミド系化合物に対しエポキシ化合物など、アミン化合物と反応性に富む化合物とを反応させることによって、アミン価を減らす方法が挙げられるがこれに限定される事はない。
本発明で用いるアミン価とは、試料に含まれるアミンの総量を表す数値であり、試料1gを中和するのに要する塩酸に当量の水酸化カリウムのmg数で表す。すなわち、数値が大きいほどアミン基の数が多いということである。アミン価の測定方法は従来公知の方法が用いられ、例えばASTMD2074が適用でき、具体的には、0.5g〜2.0gの間で精秤した試料に中性エタノール30mlを加えて溶解し、0.2モル/Lのエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定することで得られる。滴定量(Aml)の終点は、溶液が緑色から黄色に変色する点である。尚、アミン価は下記計算式から算出できる。
アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
ただし、Aは滴定量、fは力価、Sは0.5g〜2.0gの間で精秤した資料の重量(g)である。
本発明における脂肪族ビスアミド系化合物の添加量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、下限値として0.005重量部が好ましく、0.01重量部がより好ましく、0.02重量部がさらに好ましい。脂肪族ビスアミド系化合物の添加量下限値が0.005重量部未満であると、離型性の改善効果が十分でない場合がある。また、脂肪族ビスアミド系化合物の添加量上限値として2重量部が好ましく、1重量部がより好ましく、0.5重量部がさらに好ましい。添加量上限値が2重量部を超えると、得られる成形体の表面光沢を損なう場合がある。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂と脂肪族ビスアミド系化合物とを、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練する方法をあげることができる。混練機の例としては、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどが挙げられ、特に、剪断効率の高い混練機が好ましい。ポリエステル樹脂と脂肪族ビスアミド系化合物とは、上記の混練機に一括投入して溶融混練しても良いし、あるいは予め溶融状態にしたポリエステル樹脂に脂肪族ビスアミド系化合物を添加して溶融混練しても良い。
本発明においては、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性、弾性率または成形収縮率を改善する目的で、無機化合物を加えることができる。
本発明で用いる無機化合物は従来公知であって、例えば、膨潤性雲母、スメクタイト、タルク、カオリン等のケイ酸塩、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、チタン酸カリウム等のチタン酸塩、タングステン酸ナトリウム等のタングステン酸塩、ウラン酸ナトリウム等のウラン酸塩、バナジン酸カリウム等のバナジン酸塩、モリブデン酸マグネシウム等のモリブデン酸塩、ニオブ酸カリウム等のニオブ酸塩、黒鉛層状化合物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化ケイ素や酸化チタン、アルミナ等の酸化物、炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩化合物、硫酸カルシウムや硫酸バリウム等の硫酸塩化合物の他、硫化亜鉛、リン酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。他方、本発明においては、無機化合物ではないが、カーボンブラック、木粉等も用いることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記の無機化合物の中では、入手の容易性、取扱い性等の点から、膨潤性雲母、スメクタイト、カオリン、タルク、マイカ、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛が好ましく、更に好ましくは、表面光沢や成形収縮の点から膨潤性雲母、スメクタイトなどの膨潤性層状ケイ酸塩が用いられ得る。
本発明のポリエステル樹脂組成物が照明部品などの表面平滑性または表面光沢が要求される用途に使用される場合には、上記無機化合物は細かい方が好ましく、その場合、平均粒子径は5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。 本発明における無機化合物の添加量も、目的とする耐熱性や表面光沢などによるが、添加量は20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましく、10重量部以下が更に好ましい。
本発明においては、無機化合物を均一分散させる目的から、表面処理剤を用いることができる。該表面処理剤としては、例えば、シラン系化合物またはポリエーテル化合物が挙げられる。
本発明において、表面処理剤を用いた無機化合物の表面処理方法としては、特に限定されるものでなく、例えば、無機化合物に対し直接処理剤で表面処理する方法(乾式法)、、処理剤を含む溶液を噴霧する方法(噴霧法)、無機化合物を水に対し任意の割合で相溶する極性溶媒、または水を含有する極性溶媒に分散させた後、表面処理剤を添加するする方法(湿式法)等があげられる。これらのうちでも、表面処理の効率化の点から、湿式法が好ましい。なお、この際用いられる極性溶媒に関しては、後述する。
上記シラン系化合物とは、通常一般に用いられる任意のものが使用され、下記一般式(1):
nSiX4-n (1)
で表されるものである。一般式(1)中のnは0〜3の整数であり、Yは、置換基を有していても良い炭素数1〜25の炭化水素基である。
Yにおいて炭素数1〜25の炭化水素基が置換基を有する場合の置換基の例としては、例えば、エステル結合で結合している基、エーテル結合で結合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニル結合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン基、水酸基などが挙げられる。炭素数1〜25の炭化水素基は、これらのうちの1種で置換されていても良く、2種以上で置換されていても良い。
一般式(1)中のXは、加水分解性基および(または)水酸基であり、該加水分解性基の例としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン基などが挙げられる。
一般式(1)中、nまたは4−nが2以上の場合、n個のYまたは4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でも良い。
上記一般式(1)において、Yが炭素数1〜25の炭化水素基である場合のシラン系化合物の具体例としては、例えば、デシルトリメトキシシランのように直鎖長鎖アルキル基を有するもの、メチルトリメトキシシランのように低級アルキル基を有するもの、2−ヘキセニルトリメトキシシランのように不飽和炭化水素基を有するもの、2−エチルヘキシルトリメトキシシランのように側鎖を有するアルキル基を有するもの、フェニルトリエトキシシランのようにフェニル基を有するもの、3−β−ナフチルプロピルトリメトキシシランのようにナフチル基を有するもの、およびp−ビニルベンジルトリメトキシシランのようにアラルキル基を有するものが挙げられる。Yが炭素数1〜25の炭化水素基の中でも特にビニル基を有する基である場合の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、およびビニルトリアセトキシシランが挙げられる。Yがエステル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエーテル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−ポリオキシエチレンプロピルトリメトキシシラン、および2−エトキシエチルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエポキシ基で置換されている基である場合の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがアミノ基で置換されている基である場合の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、およびγ−アニリノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yが末端にカルボニル基を有する基で置換されている基である場合の例としては、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがメルカプト基で置換されている基である場合の例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがハロゲン原子で置換されている基である場合の例としては、γ−クロロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがスルホニル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−フェニルスルホニルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがスルフィニル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−フェニルスルフィニルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがニトロ基で置換されている基である場合の例としては、γ−ニトロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトロソ基で置換されている基である場合の例としては、γ−ニトロソプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトリル基で置換されている基である場合の例としては、γ−シアノエチルトリエトキシシランおよびγ−シアノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがカルボキシル基で置換されている基である場合の例としては、γ−(4−カルボキシフェニル)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。前記以外にYが水酸基を有する基であるシラン系化合物もまた使用し得る。その様な例としては、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3−プロピルトリエトキシシランが挙げられる。水酸基はまたシラノール基(SiOH)の形であり得る。
本発明においては、上記シラン系化合物の置換体、または誘導体もまた使用し得る。これらのシラン系化合物は単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明におけるシラン系化合物の使用量は、ポリエステル樹脂成形体中の無機化合物の分散性が十分に高まるように調製し得る。必要であるならば、異種の官能基を有する複数種のシラン系化合物を併用し得る。従って、シラン系化合物の使用量は一概に数値で限定されるものではないが、無機化合物100重量部に対するシラン系化合物の使用量下限値は、0.1重量部であり、好ましくは0.2重量部であり、より好ましくは0.3重量部であり、更に好ましくは0.4重量部であり、特に好ましくは0.5重量部である。無機化合物100重量部に対するシラン系化合物の使用量の上限値は、200重量部であり、好ましくは180重量部であり、より好ましくは160重量部であり、更に好ましくは140重量部であり、特に好ましくは120重量部である。シラン系化合物使用量下限値が0.1重量部未満であると、無機化合物の微分散化効果が充分で無くなる場合がある。また、シラン系化合物量の200重量部以上では微分散化効果が変わらないので、200重量部より多く使用する必要はない。
本発明におけるポリエーテル化合物とは、主鎖がポリオキシエチレンやポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のようなポリオキシアルキレンである化合物であることが好ましく、オキシアルキレンの繰り返し単位数が2から100程度のものであることが好ましい。
前記ポリエーテル化合物は、側鎖および/または主鎖中に、ポリエステル樹脂または無機化合物に悪影響を与えない限りにおいて、任意の置換基を有していても良い。該置換基の例としては、例えば、炭化水素基、エステル結合で結合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニル結合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、アルコキシシリル基やシラノール基などのSi−O−結合を形成し得る含Si原子官能基、ハロゲン基、水酸基などが挙げられる。これらのうちの1種で置換されていても良く、2種以上で置換されていても良い。
上記炭化水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち、側鎖を有する)の、飽和または不飽和の、一価または多価である、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本発明において、「アルキル基」という場合は、特に規定が無い限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含する。同様に、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、およびシクロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、およびシクロアルキレン基等を包含する。
前記ポリエーテル化合物中の置換基の組成比は特に制限されるものではないが、本発明に用いられるポリエーテル化合物は、水、水に対し任意の割合で相溶する極性溶媒、または水を含有する極性溶媒に可溶であることが望ましい。具体的には、例えば、室温における水100gに対するポリエーテル化合物の溶解度は、1g以上であることが好ましく、より好ましくは2g以上であり、更に好ましくは5g以上であり、特に好ましくは10g以上であり、最も好ましくは20g以上である。
上記極性溶媒とは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、その他の溶媒としてピリジン、ジメチルスルホキシドやN−メチルピロリドン等が挙げられる。また、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルような炭酸ジエステルも使用できる。これらの極性溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるポリエーテル化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルアリルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ビス(ポリエチレングリコール)ブチルアミン、ビス(ポリエチレングリコール)オクチルアミン、ポリエチレングリコールビスフェノールAエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールビスフェノールAエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールユレイドプロピルエーテル、ポリエチレングリコールメルカプトプロピルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルスルホニルプロピルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルスルフィニルプロピルエーテル、ポリエチレングリコールニトロプロピルエーテル、ポリエチレングリコールニトロソプロピルエーテル、ポリエチレングリコールシアノエチルエーテル、ポリエチレングリコールシアノエチルエーテルなどが挙げられる。これらのポリエーテル化合物は単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明で用いられるポリエーテル化合物としては、芳香族炭化水素基や脂環式炭化水素基などの環状炭化水素基を有するものが好ましく、なかでも下記一般式(2):
Figure 2006265329
(一般式(2)中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO2-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。)
で表される単位を有するものが好ましい。
さらには、下記一般式(3):
Figure 2006265329
(一般式(3)中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO2-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。R9、R10はいずれも炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。R11、R12はいずれも水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。mおよびnはオキシアルキレン単位の繰り返し単位数を示し、1≦m≦25、1≦n≦25、2≦m+n≦50である。)で表されるものが、無機化合物の分散性および熱安定性の点から好ましい。
本発明におけるポリエーテル化合物の使用量は、前記無機化合物とポリエステル樹脂との親和性、ポリエステル樹脂組成物中での無機化合物の分散性が充分に高まるように調製し得る。必要であるならば、異種の官能基を有する複数種のポリエーテル化合物を併用し得る。従って、ポリエーテル化合物の使用量は一概に数値で限定されるものではないが、無機化合物100重量部に対するポリエーテル化合物の使用量下限値は、0.1重量部であり、好ましくは0.2重量部であり、より好ましくは0.3重量部であり、更に好ましくは0.4重量部であり、特に好ましくは0.5重量部である。無機化合物100重量部に対するポリエーテル化合物の使用量の上限値は、200重量部であり、好ましくは180重量部であり、より好ましくは160重量部であり、更に好ましくは140重量部であり、特に好ましくは120重量部である。前記ポリエーテル化合物の使用量下限値が0.1重量部未満であると、無機化合物の微分散化効果が充分で無くなる傾向がある。また、ポリエーテル化合物量使用量上限が200重量部以上では微分散化効果が変わらないので、200重量部より多く使用する必要はない。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、品質を損なわない範囲において、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体(ランダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重合体も含み、これらの混合物であっても良い)、またはオレフィン系エラストマーなどの耐衝撃性改良剤を添加することができる。これらは無水マレイン酸等の酸化合物、またはグリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物で変性されていても良い。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物には、品質を損なわない範囲で、他の任意の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂等を、単独または2種以上組み合わせて使用しても良い。
更に、本発明のポリエステル樹脂組成物には、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、難燃剤、および帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物から得られる成形体は表面光沢や耐熱性に優れるため、ヘッドランプエクステンション、ヘッドランプリフレクター、リアランプハンジングなどの自動車ランプ部品、施設照明のリフレクターなどの種々の照明部品に好適に使用できる。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物から成形体を得る製造方法としては、例えば、6000番以上の研磨剤を用いて研磨して鏡面仕上げされた金型を用いて成形体を成形することが好ましい。成形方法としては、通常の成形加工法が採用でき、例えば、射出成形、押出成形、吹き込み成形などの熱溶融成型法が採用できるが、中でも射出成形法が好ましい。
本発明においては、得られた成形体表面に対し、アンダーコート等の下塗り無しでアルミニウム膜を施した場合での、JIS D5705に従って測定した成形体表面の拡散反射率は、2.0%以下が好ましく、1.8%以下がより好ましく、1.5%以下が更に好ましい。拡散反射率が2.0%を超えると光沢が十分でなく、照明部品用途に支障が生じる場合がある。拡散反射率の下限は特に無いが、0.6%程度である。
本発明における得られた成形体の0.45MPa荷重の条件にて測定した荷重たわみ温度は、150℃以上が好ましく、155℃以上がより好ましく、160℃以上がさらに好ましい。荷重たわみ温度が150℃より低い場合には、光源の熱により成形品が変形する場合がある。荷重たわみ温度の上限は特に無いが、180℃程度である。
本発明のポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステル成形体は、耐熱性に優れるため、その表面に対しアンダーコート等の下塗り無しでアルミニウム膜を施した成形体を高温下に晒しても、成形体表面の拡散反射率を低く抑えることが可能である。
本発明においては、ポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステル成形体表面に対しアンダーコート等の下塗り無しでアルミニウム膜を施した成形体を、150℃で10時間加熱処理した際の成形体表面の拡散反射率は3.0%以下が好ましく、2.8%以下がより好ましく、2.5%以下がさらに好ましい。
なお、成形体表面に対しアルミニウム膜を施す方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。アルミニウム膜を施す方法としては、例えば、ドライメッキ法(PVD法)がある。ドライメッキ法の中でも、真空蒸着法やスパッタ法であることが望ましい。更に高輝度を有し、良好な光反射表面を得る方法としては、予めアルゴンガスを直流電流または高周波によってプラズマ化し、得られたアルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処理をした後、アルミニウム膜を形成する方法も用いられる。更に、表面活性化処理後、酸素、窒素またはそれらの混合気体に曝すことによって成形品表面に官能基を導入した後、あるいは反応性モノマーに曝すことによって表面に活性分子膜あるいは親水性ポリマー膜を施した後にアルミニウム膜を形成する方法があり、この方法を用いることにより輝度感が高く、良好な光反射表面を有する成形品が得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例および比較例で使用する主要原料を以下にまとめて示す。なお、特に断らない場合は、原料の精製は行っていない。
(原料)
・ポリエステル樹脂A1:ポリブチレンテレフタレート樹脂(KOLON社製、KP210)
・ポリエステル樹脂A2:ポリエチレンテレフタレート樹脂(鐘紡合繊社製、EFG70)
・脂肪族ビスアミド系化合物B1:花王社製、カオーWAX EB−FF(アミン価=2.2mgKOH/g)
・脂肪族ビスアミド系化合物B2:製造例1で得られたもの
・脂肪族ビスアミド系化合物B3:製造例2で得られたもの
・比較添加剤C1:製造例3で得られたもの
・比較添加剤C2:製造例4で得られたもの
・無機化合物D1:カオリン(エンゲルハード社のASP170)
・無機化合物D2:タルク(IMI FABI製、HTPultra 5C)
・無機化合物D3:製造例5で得られた表面処理した膨潤性雲母
・無機化合物D4:製造例6で得られた表面処理したモンモリロナイト
(製造例1)
エチレンジアミンとステアリン酸を反応させてエチレンビスステアリンアミドを合成した。得られたエチレンビスステアリン酸アミドとステアリルグリシジルエーテルと反応させた。得られた化合物のアミン価は1.2mgKOH/gであった。
(製造例2)
ヘキサメチレンジアミンとステアリン酸を反応させてヘキサメチレンビスステアリルアミドを合成した。得られたヘキサメチレンビスステアリルアミドとステアリルグリシジルエーテルと反応させた。>得られた化合物のアミン価は3.8mgKOH/gであった。
(製造例3)
エチレンジアミンとステアリン酸を反応させてエチレンビスステアリルアミドを合成した。得られたもののアミン価は6.6mgKOH/gであった。
(製造例4)
ヘキサメチレンジアミンとステアリン酸を反応させてヘキサメチレンビスステアリルアミドを合成した。得られたもののアミン価は9.4mgKOH/gであった。
(製造例5)
湿式混合機を用い、純水100重量部に対し、膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製、ソマシフME100)8部を混合した。ついで、ポリエーテル化合物(東邦化学社製、ビスオール)1.3部を添加して15〜30分間混合を続けることによって処理した。その後、乾燥して粉体化して、ポリエーテル処理した膨潤性雲母を得た。
(製造例6)
湿式混合機を用い、純水100重量部に対し、モンモリロナイト(クニミネ社製、クニピアF)5部を混合した。ついで、シラン化合物(日本ユニカー社製、A1120)1部を添加して15〜30分間混合を続けることによって処理した。その後、乾燥して粉体化して、シラン処理したモンモリロナイトを得た。
実施例および比較例にて得られたポリエステル樹脂組成物に関する各種物性の評価方法は、以下のとおりである。
(離型性)
得られたポリエステル樹脂組成物に対し、直径約70mm、深さ約80mm、厚み約2.5mmおよび抜き勾配3度の円筒形であり、表面が14000番の研磨剤を用い研磨し鏡面仕上げした金型を用いて、射出成形(樹脂温度設定270℃および金型温度設定80℃)を行った。離型性評価は、金型温度80℃で離型できる回数により評価した。離型できる回数が多いほど優れている。
(荷重たわみ温度)
得られたポリエステル樹脂組成物を用い、射出成形(樹脂温度設定270℃および金型温度設定80℃)した。得られた測定用サンプルを、ASTM D−648に従い、0.45MPa荷重の条件にて荷重たわみ温度を測定した。なお、荷重たわみ温度は、値が高いほど好ましい。
(表面光沢/拡散反射率)
表面外観は、アルミニウムを製膜した成形品表面の拡散反射率で評価した。得られたポリエステル樹脂組成物を用い、14000番の研磨剤を用い研磨し鏡面仕上げした金型を用い、射出成形(樹脂温度設定270℃および金型温度設定80℃)により、平板状試験片(約80mm×約50mm×約2mm厚)を成形した。前記試験片表面上にアルミニウムを厚み約800Åとなるよう製膜した。
アルミを製膜した直後の試験片表面の拡散反射率を、ミラー反射率計(東京電色(株)製、TR−1100AD)を用いて測定した。なお、拡散反射率は、値が小さいほど好ましい。
(表面光沢の耐熱性)
表面光沢の耐熱性は、上記アルミニウムを製膜した試験片を熱処理(160℃×50時間)した後の、試験片表面の拡散反射率を測定することにより、評価した。表面光沢の耐熱性は、熱処理後でも拡散反射率が小さいほど優れている。
(実施例1〜7)
ポリエステル樹脂およびアミン価の低い脂肪族ビスアミド系化合物を表1に示した組成比にてブレンドした後、二軸押出機(日本製鋼(株)製、TEX44)を用い、樹脂温度設定220〜250℃で溶融混練することによりポリエステル樹脂組成物を得、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
アミン価の低い脂肪族ビスアミド系化合物の代わりに比較添加剤を用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006265329
(実施例8〜15)
ポリエステル樹脂、アミン価の低い脂肪族ビスアミド系化合物および無機化合物を表2に示した組成比にてブレンドした後、二軸押出機(日本製鋼(株)製、TEX44)を用い、樹脂温度設定約220〜250℃で溶融混練することによりポリエステル樹脂組成物を得、各種物性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例4〜7)
アミン価の低い脂肪族ビスアミド系化合物の代わりに比較添加剤を用いた以外は実施例7と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得、各種物性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006265329
本発明で得られるポリエステル樹脂組成物は離型性および表面光沢に優れるため、照明用途や外観部品に用いられる。ポリエステル樹脂組成物から成形体を得るための加工法としては、射出成形または熱プレス成形に適用でき、ブロー成形にも適用できる。得られる成形品は、表面光沢性に優れ、かつ、高温で処理してもその表面光沢が低下しない。また、耐熱変形性等に優れる等の特長を有するため、上記照明部品用途以外にも、外観を重視する部品をはじめ、自動車部品、家庭用電気製品部品、家庭日用品、包装資材、その他一般工業用資材に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂およびアミン価が5mgKOH/g以下の脂肪酸ビスアミド系化合物を含有するポリエステル樹脂組成物
  2. 無機化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 無機化合物が膨潤性層状ケイ酸塩であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物で一部または全部を形成されることを特徴とするポリエステル樹脂成形体。
  6. 下記(a)および(b)の条件を満たすことを特徴とする、請求項5に記載のポリエステル樹脂成形体。
    (a)下塗りすることなくアルミニウム膜を施した成形体表面の拡散反射率が2.0%以下である
    (b)0.45MPa荷重で測定した荷重たわみ温度が150℃以上である。
  7. 下記(c)の条件を満たすことを特徴とする、請求項5または6に記載のポリエステル樹脂成形体。
    (c)下塗りすることなくアルミニウム膜を施した成形体を150℃にて10時間熱処理した後の、該成形体表面の拡散反射率が3.0%以下であること。
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