JPH03215458A - ジフエニルジカルボン酸アミド化合物およびこれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ジフエニルジカルボン酸アミド化合物およびこれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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JPH03215458A
JPH03215458A JP891490A JP891490A JPH03215458A JP H03215458 A JPH03215458 A JP H03215458A JP 891490 A JP891490 A JP 891490A JP 891490 A JP891490 A JP 891490A JP H03215458 A JPH03215458 A JP H03215458A
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amide compound
resin
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rubber
resin composition
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JP891490A
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Yuri Uragami
浦上 由利
Hitoshi Kobashi
小橋 仁
Yoshihito Kadoma
義仁 門磨
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、分子内にペンダントなフエニル基を有スる新
規なジフェニルジカルボン酸アミド化合物と、この化合
物をゴム含有スチレン系樹脂に添加してなる熱可塑性樹
脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
ジアミンと脂肪酸とのアミド化反応により、エチレンビ
スステアリルアミドなどの脂肪族ビスアミド化合物が得
られることは公知であり、同様の化合物がジカルボン酸
と脂肪族アミンとのアミド化反応により得られることも
よ《知られている。
また、この種のアミド化合物は、その滑性や光沢性など
を利用して高分子添加剤として応用できることも知られ
ており、たとえばエチレンビスステアリルアミドをゴム
含有スチレン系樹脂に添加してその成形加工性を改良す
る試みがなされている(特開昭62−257951号公
報)。
上記のゴム含有スチレン系樹脂とは、通常ゴム成分の存
在下でスチレン系単量体をグラフト重合させて得られる
もので、耐衝撃性、成形加工性にすくれる樹脂として、
自動車部品、弱電部品をはじめとする種々の分野で幅広
く使用されている。
しかし、近年、この種の樹脂に求められる性能特性は、
年を追うごとに厳しくなりつつある。特に、成形体の熱
変形温度がより高くなることが求められている。さらに
、より成形加工性を向上させることも求められている。
成形加工性を向上させるためにはゴム含有率を低下させ
ればよいことは公知であるが、これによると耐衝撃性の
低下が起こり、好ましくない。
そこで、耐衝撃性を損なうことなく、成形加工性を改良
するために、前記のようにエチレンビスステアリルアミ
ドなどのビスアミド化合物をゴム含有スチレン系樹脂に
添加するという試みがなされたが、この種のアミド化合
物は、熱安定性などの安定性に劣るためが、成形加工性
を改良するという所期の目的を充分に達成できるものと
は言えなかった。
ゴム含有スチレン系樹脂の成形加工性を改良するため、
他の添加剤として、ネオベンチルポリオルなどの多価ア
ルコールと脂肪酸とのエステル(特開昭61−2310
45号公報、同61〜275341号公報)、高級脂肪
酸とその金属塩(特開昭62−132951号公報)、
高級脂肪酸の金属塩と特定の亜りん酸エステル(特開昭
62190242号公報)などを用いることも知られて
いる。
しかし、これら公知の添加剤によっても、成形加工性の
改良効果がやはり不充分であったり、その効果がある程
度認められるものでは耐衝撃性の低下を伴ったり、成形
体の熱変形温度を充分に保持できないなどの問題が多か
った。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、エチレンビスステアリルアミドなどの公知
のビスアミド化合物は、熱安定性などの安定性に劣るこ
とから、高分子添加剖などとして応用したとき、その本
来の性能を発揮させにくく、特にゴム含有スチレン系樹
脂に添加したときの成形加工性の改良効果が充分に得ら
れないという問題があった。
また、上記のゴム含有スチレン系樹脂において、その用
途の拡大を図るためには、耐衝撃性の低下を伴うことな
く、成形加工性を大きく改良でき、かつ成形体に高い熱
変形温度を保持させうろことが望まれるが、これに応え
うる有効な添加剤は、上記のビスアミド化合物を除く他
の化合物においてもほとんど見い出されていない。
本発明は、上記の事情に鑑み、ゴム含有スチレン系樹脂
に添加することにより、耐衝撃性を損なうことなく成形
加工性を改良できると共に、成形体に高い熱変形温度を
保持させうる、熱安定性にすぐれた新規なビスアミド化
合物を提供すること、またこの化合物とゴム含有スチレ
ン系樹脂とを含有する上記特性にすぐれた熱可塑性樹脂
組成物を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討し
た結果、特定のジカルボン酸とモノアミンとから合成さ
れる、分子内にペンダントなフエニル基を有する新規な
ジフエニルジカルボン酸アミド化合物が熱安定性などの
安定性に非常にすぐれており、この化合物をゴム含有ス
チレン系樹脂に添加することにより、耐衝撃性および成
形加工性にすぐれ、かつ成形体に高い熱変形温度を保持
させうる熱可塑性樹脂組成物が得られるものであること
を知り、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、つぎの一般式〔■〕 ;0   
  φ         O It      l          I+RNHC
{CHz}icH  CHイCH2ト6CNHRφ  
   ・・・(1) (式中、Rは炭素数8〜22の飽和アルキル基またはア
リールアルキル基、φはフェニル基である) で表される分子構造を有することを特徴とするジフエニ
ルジカルボン酸アミド化合物に係る第1の発明と、この
ジフエニルジカルボン酸アミド化合物をゴム含有スチレ
ン系樹脂100重量部に対し少なくとも0.05重量部
含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に係る第
2の発明とからなるものである。
〔発明の構成・作用〕
本発明の新規なジフェニルジヵルポン酸アミド化合物は
、前記の一般式〔I〕で表される分子内にペンダントな
フエニル基(φ)を含有するビスアミド化合物であって
、その融点が通常40〜85℃の範囲となる常温で固体
の化合物であり、分子内に含まれる上記フェニル基によ
り熱安定性などの安定性に非常にすぐれるという特徴を
有するものである。
一般式〔I〕において、Rは炭素数8〜22の飽和アル
キル基であるが、ベンジル基などの了りールアルキル基
である。前者の飽和アルキル基において、その炭素数が
上記範囲外となると、熱安定性、樹脂に対する適度な非
相溶性、取り扱い性、生産性さらにはアミド化合物本来
の滑性や光沢性などのいずれかの性能が損なわれるため
、好ましくない。これと同じ理由により、後者の了りー
ルアルキル基においても、炭素数の上限が22以下であ
るのが好ましい。
上記の飽和アルキル基は、カブリロイル基、ペラルゴノ
イル基、カブリル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリ
デシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、バルミチル
基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、ア
ラキル基、ヘンエイコシル基、ベヘニル基、トリコシル
基、リグノセリル基、ペンタコシル基、セロチル基、ヘ
ブタコシル基、モンタニル基、ノナコシル基、メリシル
基なとの直鎖飽和アルキル基であってもよいし、2−エ
チルヘキシル基、3・5・5−トリメチルヘキシル基、
ピバリル基、イソステアリル基などの分技飽和アルキル
基であってもよい。
本発明の上記ジフエニルジカルボン酸アミド化合物は、
ジカルポン酸成分として7・8−ジフエニル−1・14
−テトラデカンジカルボン酸を用い、これと前記した炭
素数8〜22の飽和アルキル基またはアリールアルキル
基を有する第一級アミン、つまりR−NH2で表される
アミン成分の1種または2種以上とをアミド化反応させ
ることにより、合成することができる。
上記のアミド化反応において、ジカルポン酸成分とアミ
ン成分との反応モル比は、ジカルポン酸成分1モルに対
してアミン成分が通常1.5〜2.5モル、好適には1
.8〜2.2モルの範囲内となるようにするのがよい。
アミン成分が過少では目的とするアミド化合物の収率が
低くなり、逆に過多となると未反応のアミンを除去する
ための精製操作が面倒で、経済的にも不利である。
アミド化反応は、窒素ガス気流下無触媒にて行うことが
でき、この場合の反応条件としては一般に180〜22
0℃で4〜8時間とすればよい。
このようなアミド化反応後、必要に応じて未反応のアミ
ンを減圧下で除去する精製処理や、さらに中和,水洗,
吸着処理などの適宜の手段を付加して未反応のジカルボ
ン酸成分などを除去する精製処理を施すことにより、高
純度のジフエニルジカルボン酸アミド化合物が得られる
本発明の上記ジフェニルジカルボン酸アミド化合物は、
上記方法以外に、ジカルボン酸成分として7・8−ジフ
エニル−1・14−テトラデカンジカルボン酸のジクロ
リドを用い、これと前記アミン成分との反応によっても
合成することができ、またジカルボン酸の低級アルコー
ルジエステルと前記アミン成分とのアミノリシスによっ
ても合成することか可能である。
このように合成される本発明のジフェニルジカルボン酸
アミド化合物は、赤外線吸収スペクトルにより、アミド
基のN−H結合およびC=0結合と、ペンダントなフェ
ニル基を構成するベンゼン蔗 核のC−H結合とが確認され、またxp磁気共鳴スO 11 ベクトルにより、−CH.−  −C−CHt −0 の構造を明らかにすることにより、同定できるものであ
る。
本発明のジフェニルジカルボン酸アミド化合物は、その
すぐれた熱安定性と良好な滑性などの性能に基づき、こ
れをゴム含有スチレン系樹脂に添加することにより、そ
の成形加工性を大きく改善することができ、しかもその
際に耐衝撃性を損なう心配が全くなく、そのうえ高い熱
変形温度を保持させることもできる。
このような特性を備えた本発明の熱可塑性樹脂組成物の
調製に用いられるゴム含有スチレン系樹脂とは、既述の
ように、ゴム成分の存在下でスチレン系単量体をグラフ
ト重合させて得られる樹脂であるが、これに限られるこ
となく、たとえば上記のグラフト重合に際しゴム成分と
なりうる単量体を同時に共重合させた樹脂など上記以外
のゴム変性スチレン系樹脂も同様に使用可能である。
ゴム成分を構成する単量体には、ブタジエン、イソブレ
ン、クロロプレンなどの共役ジェン系単量体、2・5−
ノルボルナジエン、1・4−シクロヘキサジエンなどの
非共役ジエン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン
などのスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどのニトリル系単量体、メチルメタクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、エチ
レン、プロピレン、ブテンなどのオレフイン系単量体な
どがあり、これらの単量体を単独でまたは二種以上を混
合して用いることができる。また、これらの単量体とと
もに架橋用単量体として、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレートなどの多官能ビニル系単量
体を使用することも可能である。
また、このゴム成分の存在下でグラフト重合させるスチ
レン系単量体としては、スチレン、αメチルスチレン、
ビニルトルエンなどのスチレン系単量体をこれ単独で用
いてもよいし、この単量体とともにアクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体、メチルメ
タクリレト、エチルアクリレート、プチルアクリレート
、オクチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N
一エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−フエニルマレイミドなどのマレイミド系単量体など
の他の各種単量体を、スチレン系単量体との合計量中通
常90重量%以下となる割合で適宜併用してもよい。
ゴム含有スチレン系樹脂を得るためのグラフト重合の方
法は、特に限定されるものではなく、乳化重合法、溶液
重合法などの従来公知の重合法をいずれも用いることが
できる。その際、ゴム成分は一種に限らず二種以上を混
合して使用できるが、全使用量は、スチレン系単量体を
必須とした重合用単量体(ゴム成分となりうるものを除
く)との合計量中、一般にlθ〜30重量%、特に15
〜20重量%となるようにするのが好ましい。
本発明で用いるゴム含有スチレン系樹脂の例を、ゴム成
分を含めた全構成単位で表すと、たとえばABS (ア
クリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂、耐熱性
ABS (アクリ口ニトリルーブタジエンースチレンー
α−メチルスチレン)樹脂、AAS (アクリロニトリ
ルーアクリル酸エステルースチレン)樹脂、MBAS 
(メチルメタクリレートーブタジエンーアクリロニトリ
ルースチレン)樹脂などを挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記のゴム含有スチレ
ン系樹脂に前記本発明に係るジフエニルジカルボン酸ア
ミド化合物を添加混合することにより、調製される。こ
こで、上記のジフェニルジカルボン酸アミド化合物は、
未反応のアミン成分やジカルボン酸成分などがほぼ完全
に除去された高純度品である必要は特になく、これらの
未反応成分が多少含まれたものであってもよい。すなわ
ち、酸価が10以下、アミン価がlO以下であれば充分
に使用可能である。
このジフエニルジカルボン酸アミド化合物の使用量は、
ゴム含有スチレン系樹脂100重量部に対して、少なく
とも0.05重量部とすることが必要で、これ未満とな
ると本発明の目的とする良好な成形加工性は得られない
。使用量の上限は、ゴム含有スチレン系樹脂の種類によ
り異なり、一概には決められないが、一般には、ゴム含
有スチレン系樹脂100重量部に対して、15重量部ま
で、特に好適には10重量部程度までとするのがよい。
これは、この化合物をあまりに多く用いすぎると、耐衝
撃性や成形体の熱変形温度が低下してくるおそれがある
ためである。
ゴム含有スチレン系樹脂と上記のジフエニルジカルボン
酸アミド化合物との混合は、たとえば上記アミド化合物
の融点以上の温度に加温して撹拌混合するか、バンバリ
ーミキサーなどの混練装置を用いて混練するなど、両成
分の種類に応じた適宜の手段で行うことができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の両成分を必須成
分として含むほか、滑剤、可塑剤、耐候剤、安定剤など
の他の公知の添加剤を用途目的に応して任意に添加する
ことができる。
なお、本発明のジフエニルジカルボン酸アミド化合物は
、既述のように、その熱安定性にすぐれてかつ良好な滑
性が期待されるため、ゴム含有スチレン系樹脂とは異な
る、たとえばポリカーボネト系樹脂、ポリアセタール系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリオレフ
イン系樹脂、ポリアミド系樹脂などの他の樹脂に対して
も、滑剤として、また離型剤や結晶化剤などとして使用
することができる。さらに、このような高分子添加剤以
外に、表面光沢剤、腐食防止剤、付着防止剤、金属加工
用平滑剤などとしても応用することができる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明においては、分子内にペンダント
なフエニル基を有する熱安定性にすぐれた新規なジフエ
ニルジカルボン酸アミド化合物を提供でき、この化合物
をゴム含有スチレン系樹脂に添加することにより、耐衝
撃性、成形加工性にすぐれ、かつ高い熱変形温度を有す
る熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
〔実施例〕
つぎに、本発明の実施例を記載してより具体的に説明す
る。なお、以下、部とあるのは重量部を意味する。また
、以下の実施例および比較例で用いたゴム含有スチレン
系樹脂としての樹脂1.2は、つぎのようにして合成し
たものである。
〈ゴム含有スチレン系樹脂の合成〉 9樹脂1 ポリブタジエンラテックス〔日本合成ゴム■のJSR−
0700 (固形分57重量%)〕44部、アクリロニ
トリル〔住友化学fi))20部およびスチレン〔新日
鉄化学■〕55部を、120部の水に市販カリウム石鹸
〔日本油脂一のノンサールON〕6部を用いて乳化させ
、過硫酸カリ〔片山化学工業fi)  1部によって5
5℃で12時間重合を行い、樹脂1を得た。
S樹脂2 ポリブタジエンラテックス(前出のJSR−0700)
26部、アクリロニトリル28部、スチレン47部およ
びα−メチルスチレン〔片山化学工業■〕 10部を用
いたほかは、樹脂1と同様の操作により、樹脂2を得た
実施例l 7・8−ジフエニル−1・14−テトラデカンジカルボ
ン酸〔岡村製油一のST−2P.以下ST−2Pという
〕 228部と、市販ステアリルアミン〔日本油脂一の
アミンAB)257部とを仕込み、窒素ガス気流下、2
00℃で5時間アミド化反応を行い、酸価3.9、アミ
ン価0.45、融点74.7℃の粗ジフェニルジカルボ
ン酸アミド化合物(以下、アミド化合物aという)を得
た。
つぎに、このアミド化合物a5gにアセトン500gを
加えて溶解し、1晩放置して再結晶を行い、アセトンで
3回洗浄したのち、脱溶剤し、ろ過を行って、精製ジフ
エニルジカルボン酸アミド4gを得た。
この精製アミド化合物は、精製前後で薄層クロマトグラ
フイー(T L C’)分析を行い、精製後のTLCの
スポットが1点のみとなっていることにより、不純物が
全く含まれないものであることを確認した。つぎに、こ
のアミド化合物の赤外線吸収スペクトル(第1図)の特
性吸収波長と、核磁気共鳴スペクトル(第2図)のδ値
、強度はつぎのとおりであった。
台,、外線  スペクトル 3, 3 0 0 cm−’および1.550C!l一
凰(アミド基のN−H結合) 1,6 4 0CI1−’ (アミド基のC=O結合)
g  気北鳴スペクトル 0.90ppm   (6H) 1.25 ppm   (84H) 2.00ppm    (4H) 3.20ppm    (4H) 7.20ppm   (10H) 以上の分析結果から、この精製アミド化合物は、つぎの
分子構造を有するジフエニルジカルボン酸アミド化合物
であることが確認された。
0       φ 11 CH3 {CHz)−+ ?NH  CイCHz}−6
CH   (※)0 11 (※)   CH−{CHz)−b C  NH {C
Hz)−1 7CH3φ 実施例2 ST−2Pを228部、市販のラウリルアミン〔日本油
脂■のアミンBB)を177部仕込み、実施例1と同様
のアミド化反応を行って、酸価6.6、アミン価0.2
4、融点52.4℃の粗ジフエニルジカルボン酸アミド
化合物(以下、アミド化合物bという)を得た。
つぎに、このアミド化合物bを実施例1と同様に精製し
て、TLC分析にて確認された不純物が全く含まれてい
ない精製アミド化合物を得、この化合物の赤外線吸収ス
ペクトルの特性吸収波長および核磁気共鳴スペクトルの
δ値、強度を調べた。
その結果は、つぎのとおりであった。
1,6 4 0cm−’ (アミド基(7) C = 
O 結合)S  気丑鳴スペクトル 0.90ppm   (6H) 1.25ppm  (60H) 2.00ppm   (4H) 3.20ppm   (4H) 7.20ppm  (IOH) 以上の分析結果から、この精製アミド化合物は、つぎの
分子構造を有するジフエニルジカルボン酸アミド化合物
であることが確認された。
O      φ 11 CI+3 4GHz}− t tNH  C {CHz
}−6CH   (※)0 11 (※)   CH {CHz}−hc  NHイCH2
ト11CH3φ 実施例3 ST−2Pを228部、市販のミリスチルアミン〔日本
油脂一のアミンMB)を106部、市販の2−エチルヘ
キシルアミン〔片山化学工業■〕を58部仕込み、実施
例1と同様のアミド化反応を行って、酸価6.7、アミ
ン価0.32、融点46.3℃の粗ジフエニルジカルボ
ン酸アミド化合物(以下、アミド化合物Cという)を得
た。
つぎに、このアミド化合物Cを実施例1と同様に精製し
て、TLC分析にて確認された不純物が全く含まれてい
ない精製アミド化合物を得、この化合物の赤外線吸収ス
ペクトルの特性吸収波長および核磁気共鳴スペクトルの
δ値、強度を調べた。
その結果は、つぎのとおりであった。
I1,、   収スペクトル 1,6 4 0CI1−’ (アミド基のC=O結合)
9ノ 1制スペクトル 0.90ppm   (6H) 1.25ppm  (56H) 2.OOppm   (4H) 3.20ppm   (4H) 7.20ppm  (IOH) 以上の分析結果から、この精製アミド化合物は、つぎの
分子構造を有するジフエニルジカルボン酸アミド化合物
であることが確認された。
φ 〔R′は、{CHI}llcH3と、 CH2   CH3 C Ht  C H {C Hz)−3C H3との混
合物である〕 実施例4 ST−2Pを228部、市販のステアリルアミン〔日本
油脂一のアミンAB)を203部、市販のヘンジルアミ
ン〔片山化学工業■〕を21部仕込み、実施例1と同様
のアミド化反応を行って、酸価3.3、アミン価0.0
5、融点55.2℃の粗ジフエニルジカルボン酸アミド
化合物(以下、アミド化合物dという)を得た。
つぎに、このアミド化合物dを実施例1と同様に精製し
て、TLC分析にて確認された不純物が全く含まれてい
ない精製アミド化合物を得、この化合物の赤外線吸収ス
ペクトルの特性吸収波長および核磁気共鳴スペクトルの
δ値、強度を調べた。
その結果は、つぎのとおりであった。
1,640ロー′(アミド基のC=O結合)5核石気共
鳴スペクトル 0.90ppm     (6H) 1.25ppm   (72H) 2.00ppm     (4H) 3.20ppm    (4H) 7.20ppm   (12H) 以上の分析結果から、この精製アミド化合物は、つぎの
分子構造を有するジフェニルジカルボン酸アミド化合物
であることが確認された。
0       φ          OII   
    I          IIR” − NH 
 C −{CHz}− bcH  Cl {CHzト.
c−NH−vφ (R’は、−{CHI}I?CH3 と、一CH.−φ
との混合物である〕 以上の実施例1〜4で得られたアミド化合物a〜dにつ
いて、下記の要領で熱安定性試験を行った結果、つぎの
第1表に示されるように、いでれも良好な熱安定性を有
していた。なお、同表には、比較のために、エチレンビ
スステアリルアミド〔日本油脂一のアルフロー50H;
以下EBSという〕の試験結果も併記した。
〈熱安定性試験〉 熱天秤分析(温度範囲50〜600℃、昇温速度10℃
/分、N2流量Loom//分、試料量10■)を行い
、重量−$i量曲線より、熱分解開始温度を求めた。
第   1   表 つぎに、上記のアミド化合物a % dを用いて、以下
の実施例および比較例で示す熱可塑性樹脂組成物を調製
して、その特性を評価した。
実施例5 樹脂1に対し、アミド化合物a − dをそれぞれ第2
表に示す割合で添加し、これをヘンシエルミキサーで混
合して、同表に示す試料番号1〜8の熱可塑性樹脂組成
物を調製した。
比較例1 樹脂1に対し、アミド化合物無添加とするか、アミド化
合物a − cをその添加量がそれぞれ本発明の範囲外
となるように添加するか、あるいは従来公知の添加剤で
あるPETS (ペンターエリスリトールテトラステア
レート;日本油脂一のユニスターH−476)またはE
BS (前出のエチレンビスステアリルアミド)を添加
したほかは、実施例5と同様にして、第2表に示す試料
番号9〜14の熱可塑性樹脂組成物を調製した。
上記の実施例5および比較例1に係る各熱可塑性樹脂組
成物の特性を評価するために、ヘンシエルミキサーで混
合した直後の各組成物を、直径20fiの一軸押出機(
東洋精機社製ラボプラストミル30C150形)を用い
て、樹脂温度220〜230℃で溶融押出し、ペレタイ
ザーによりペレットを得た。
このペレットを用いて、以下の方法により、耐衝撃性(
アイゾット衝撃値)、熱変形温度および成形加工性(ス
パイラルフロー値)を測定,評価した。これらの結果は
、第2表に併記されるとおりであった。
く耐衝撃性〉 東洋精機社製のアイゾット試験機を用い、ASTM  
D−790に準拠して、アイゾット衝撃強度(ノツチ付
)を測定した。
〈熱変形温度〉 東洋精機社製のHDTS3−FHを用い、JIS  K
−7207に準拠して、熱変形温度を測定した。なお、
テストビースはアニーリングなしのサンプルを用いた。
〈成形加工性〉 下記の方法にしたがい、一定条件下で射出成形したとき
の樹脂組成物の流動長さ、つまりスパイラルフロー値を
測定した。
成形機 :東芝製 Is  25  EP実施例6 樹脂2に対し、アミド化合物a−%−dをそれぞれ第3
表に示す割合で添加し、これをヘンシェルミキサーで混
合して、同表に示す試料番号15〜18の熱可塑性樹脂
組成物を調製した。
比較例2 樹脂2に対し、アミド化合物無添加とするが、アミド化
合物aをその添加量が本発明の範囲外となるように添加
するか、あるいは従来公知の添加剤であるPETSまた
はEBSを添加したほかは、実施例6と同様にして、第
3表に示す試料番号19〜22の熱可塑性樹脂組成物を
調製した。
実施例7 樹脂1と樹脂2との重量比1:1の混合物に対し、アミ
ド化合物aまたはアミド化合物aとアミド化合物bとの
混合物をそれぞれ第3表に示す割合で添加し、これをヘ
ンシェルミキサーで混合して、同表に示す試料番号23
.24の熱可塑性樹脂組成物を調製した。
比較例3 樹脂1と樹脂2との重量比1:1の混合物に対し、化合
物無添加とするか、アミド化合物aとアミド化合物bと
の混合物をその添加量が本発明の範囲外となるように添
加したほかは、実施例7と同様にして、第3表に示す試
料番号25.26の熱可塑性樹脂組成物を調製した。
上記の実施例6,7および比較例2.3に係る各熱可塑
性樹脂組成物の特性を前記と同様にして調べた結果は、
つぎの第3表に併記されるとおりであった。
以上の第2.3表の結果から明らかなように、本発明の
熱可塑性樹脂組成物は、いずれの場合も、耐衝撃性と成
形加工性との両特性に共にすぐれ、そのうえ成形体の熱
変形温度も高いものであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得た本発明のジフエニルジカルボン
酸アミド化合物の赤外線吸収スペクトルを示す特性図、
第2図は上記アミド化合物の核磁気共鳴スペクトルを示
す特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)つぎの一般式〔 I 〕; ▲数式、化学式、表等があります▼・・・〔 I 〕 (式中、Rは炭素数8〜22の飽和アルキル基またはア
    リールアルキル基、φはフェニ ル基である) で表される分子構造を有することを特徴とするジフェニ
    ルジカルボン酸アミド化合物。
  2. (2)ゴム含有スチレン系樹脂100重量部に対し、請
    求項(1)に記載の一般式〔 I 〕で表されるジフェニ
    ルジカルボン酸アミド化合物を少なくとも0.05重量
    部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP891490A 1990-01-18 1990-01-18 ジフエニルジカルボン酸アミド化合物およびこれを含有する熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH03215458A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265329A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Kaneka Corp ポリエステル樹脂組成物およびそれから得られる成形体

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