JP2006220200A - 防振構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属基材と防振材本体との間で高い接着性能が発現される防振構造体を提供する。
【解決手段】 防振構造体10は、金属基材11,12に弾性を有する材料で形成された防振材本体13が樹脂接着剤17により接着固定されてなる。樹脂接着剤17は、シランカップリング剤を含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属基材に弾性を有する材料で形成された防振材本体が樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体及びその製造方法に関する。
防振構造体は、振動する側と振動を受ける側との間に介設されて、それらの間の振動伝達を防止する。かかる防振構造体として、例えば、同心状に配置された金属基材としての内筒及び外筒と、それらの間に介装された防振材本体としての防振ゴム本体とからなるブッシュタイプのものが自動車等の分野で広く使用されている。
上記のような防振構造体は、金属とゴムとの複合体であるが、このような異種材料の複合体にとって重要なのがそれらの接着技術である。
例えば、特許文献1には、金具と加硫済フッ素ゴムの接着方法において、ポリオール加硫の加硫済フッ素ゴムにアミン加硫の未加硫フッ素ゴムを共のりとし、アミン系シランカップリング剤にて処理した金具と加熱下にて圧着することが開示されている。そして、これによれば、加硫済フッ素ゴムにおいて、接着強度も大きく、安定した接着力が得られ、ゴム単体で仕上げができるため、従来行っていた加硫接着方法でのバリ除去問題も回避でき、防塵を必要とする部品への対応が容易となる、と記載されている。
特許文献2には、ゴムと接着される防振ゴム用アルミニウム合金金具の接着面に微細粒子を含むアルカリ水溶液を衝突させて、その表面をウェットブラスト処理し、接着面をアルカリ水溶液で洗浄、エッチングするとともに、微細粒子で粗すことが開示されている。そして、これによれば、アルカリ水溶液による接着面の脱脂、洗浄、酸化被膜の除去、及び、微細粒子による接着面におけるゴムとの接着面積の増加が同時にでき、安全且つ安価に接着面の耐食性及び接着性能の向上を図れる、と記載されている。
特許文献3には、金属材料の表面に、酸性表面処理剤を接触させ、金属材料の表面上に被覆層を形成し、ついで、被覆層の一部もしくは全部を剥離した後、シランカップリング剤を含有する樹脂組成物を塗布、乾燥し、次に、ゴム/金属用水性接着剤プライマー、ついで、ゴム/金属用水性接着剤を、塗布、乾燥した後に、ゴム材料を加硫接着するゴムと金属との接着方法が開示されている。そして、これによれば、防錆性、接着性、高荷重下での耐せん断歪性、長期の耐老化性に優れると共に、接着性、耐食性に優れる、と記載されている。
特許文献4には、防振作用を呈する防振ゴム体にアルミニウム系金属による金具が接着されてなる金属・ゴム複合防振体であって、金具の表面に陽極酸化皮膜が形成され、その陽極酸化皮膜の上にシランカップリング剤による有機シラン化合物皮膜が形成されているとともに、有機シラン化合物皮膜の表面における防振ゴム体との接着面に熱硬化型接着剤が熱硬化してなる接着剤硬化層が形成されており、金具の接着剤硬化層に防振ゴム体の表面活性化処理されてなる接着面がイソシアナート系接着剤によって接着されているものが開示されている。そして、これによれば、公害の問題を招くことなく、金具の表面に有機シラン化合物皮膜を隙間なく形成して耐蝕性を向上させることができるとともに、金具表面に対する接着剤層の接着安定性を高めることが可能になり、腐蝕性環境下で使用しても長期間にわたって金具と防振ゴム体との強固な接着を維持させることができる、と記載されている。
特許文献5には、金属基材の被接着面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させ、電磁誘導加熱により被接着面を熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域に昇温させる工程と、防振材本体に熱硬化性樹脂接着剤を付着させる工程と、金属基材のゲル状温度域まで昇温させた被接着面と、防振材本体の熱硬化性樹脂接着剤の付着部とを圧接させる工程とを備えた防振構造体の製造方法が開示されている。そして、これによれば、金属基材が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆されているような場合でも、焼付塗膜の劣化を最小限に抑えつつ電磁誘電加熱により金属基材と防振ゴム本体との接着一体化が図れる、と記載されている。
特許第2900269号公報 特開平4−289074号公報 特開2001−260235号公報 特許第3222959号公報 特開2001−271859号公報
ところで、自動車用のブッシュタイプの防振構造体では、軽量化の観点から、金属基材である内筒及び外筒としてアルミニウム製、或いは、アルミニウム合金製のものが用いられるようになってきている。
しかしながら、アルミニウムやアルミニウム合金は、相対的に接着性能が低い材料であるため、アルミニウム製、或いは、アルミニウム合金製の金属基材を有する防振構造体において、金属基材と防振ゴム本体との間の接着性能の向上が望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、金属基材と防振材本体との間で高い接着性能が発現される防振構造体及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明は、金属基材に弾性を有する材料で形成された防振材本体が樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体であって、
上記樹脂接着剤は、シランカップリング剤を含有していることを特徴とする。
上記の構成によれば、金属基材と防振材本体とを接着する樹脂接着剤がシランカップリング剤を含有しているので、接着剤の金属基材への接着性能が高められると共に、接着剤自身の強度、特に、高温時における強度が高まり、それによって金属基材と防振材本体との間で高い接着性能が発現することとなる。
ここで、樹脂接着剤には、室温硬化性樹脂接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト型接着剤、感圧性接着剤等が含まれる。
本発明の防振構造体は、上記金属基材がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されているものであってもよい。
上記の構成によれば、金属基材が難接着性のアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されているので、本発明による作用効果がより顕著となる。ここで、アルミニウム合金とは、アルミニウムを主成分として50質量%以上含有し、他に、例えば、銅、マグネシウム、マンガン等を含有する合金をいう。
本発明の防振構造体は、上記樹脂接着剤が、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、上記シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであることが望ましい。本発明による作用効果が最も顕著に発現される樹脂接着剤の構成だからである。
その場合、本発明の防振構造体は、上記樹脂接着剤が、上記イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100質量部に対する上記γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの含有量が3〜100質量部であるのが好ましい。さらに好ましくは、上記イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100質量部に対する上記γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの含有量が15〜70質量部である。
また、本発明の防振構造体は、
防振材本体にシランカップリング剤を含有した樹脂接着剤を付着させる工程と、
金属基材を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
上記昇温させた上記金属基材の被接着面と上記防振材本体の上記樹脂接着剤の付着部とを圧接させる工程と、
を経ることで製造することができる。
本発明の防振構造体の具体的構成として、互いに同心状に間隔をおいて配置された金属製の内筒及び外筒と、それらの間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体と、を備え、該内筒及び該外筒のうち少なくとも一方に該防振ゴム本体が樹脂接着剤により接着固定されたブッシュタイプのものを挙げることができる。
このようなブッシュタイプの防振構造体では、仮に、圧縮率が10〜40%といった低圧縮状態で防振ゴム本体が内筒及び外筒の間に嵌め入れられていて、露出した端面が、膨出した曲面ではなく、平面に形成されていても、それらの間に高い接着性能を得ることができる。
ブッシュタイプの防振構造体には、内筒及び外筒のそれぞれに防振ゴム本体が樹脂接着剤により接着固定されたもの、及び、内筒に防振ゴム本体がハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤により接着固定されている一方、外筒に防振ゴム本体が樹脂接着剤により接着固定されたものがある。
前者の防振構造体は、
加硫成形された防振ゴム本体の内周面及び外周面のそれぞれにシランカップリング剤を含有した樹脂接着剤を付着させる工程と、
内筒を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
上記昇温させた上記内筒を上記樹脂接着剤を付着させた上記防振ゴム本体に挿入する工程と、
外筒を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
上記樹脂接着剤を付着させた上記防振ゴム本体を上記昇温させた上記外筒に挿入する工程と、
を経ることで製造することができる。
後者の防振構造体は、
内筒の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を付着させ、該ゴム接着剤を付着させた該内筒を覆うように防振ゴム本体となる未加硫ゴム組成物を設け、該内筒と該防振ゴム本体との一体物を加硫成形する工程と、
上記内筒と一体に成形された上記防振ゴム本体の外周面にシランカップリング剤を含有した樹脂接着剤を付着させる工程と、
外筒を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
上記樹脂接着剤を付着させた上記防振ゴム本体を上記昇温させた上記外筒に挿入する工程と、
を経ることで製造することができる。
本発明によれば、金属基材と防振材本体とを接着する樹脂接着剤がシランカップリング剤を含有しているので、金属基材と防振材本体との間で高い接着性能を発現させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
実施形態1としてブッシュタイプの防振構造体10について説明する。
図1は、ブッシュタイプの防振構造体10を示す。
このブッシュタイプの防振構造体10は、例えば、自動車等の分野で広く用いられるものである。
この防振構造体10は、互いに同心状に間隔をおいて配置された金属製の内筒(金属基材)11及び外筒(金属基材)12と、それらの間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体(防振材本体)13と、を備えている。
内筒11及び外筒12のそれぞれは、金属筒11a,12aの表面に表面被膜11b,12bが形成されたものである。金属筒11a,12aは、例えば、鉄製の他、アルミニウム製、或いは、アルミニウム合金製である。表面被膜11b,12bは、例えば、リン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜である。また、表面被膜11b,12bが無く、金属筒11a,12aをそのまま内筒11及び外筒12としてもよい。
防振ゴム本体13は、未架橋ゴム組成物により肉厚円筒状に加硫成形されたものである。ゴム組成物は、例えば、天然ゴム等のものである。防振ゴム本体13は、内周面が内筒11の外周面に樹脂接着剤17により接着固定されている。また、防振ゴム本体13は、外周面が外筒12の内周面に樹脂接着剤17により接着固定されている。樹脂接着剤17は、シランカップリング剤を含有している。樹脂接着剤17は、例えば、シランカップリング剤が添加された、室温硬化性樹脂接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト型接着剤、感圧性接着剤等であり、具体的には、シランカップリング剤が添加された、ゲル化開始温度が100℃以上で且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等である。シランカップリング剤は、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランやエポキシシランやアミノシランである。樹脂接着剤17として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。
また、防振ゴム本体13は、高圧縮率で内筒11及び外筒12の間に圧入されて端面が膨出した形状のものであっても、圧縮率が10〜40%といった低圧縮率で内筒11及び外筒12の間に圧入されて端面が平面に形成されていてもよい。
次に、この防振構造体10の製造方法について図1〜6に基づいて説明する。
<内筒、外筒及び防振ゴム本体準備工程>
小径及び大径の一対の金属筒11a,12aのそれぞれの表面に、樹脂塗料の焼付塗膜やリン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜からなる表面被膜11b,12bを形成させ、図2に示すような内筒(金属基材)11及び外筒(金属基材)12を作製する。なお、表面被膜11b,12bを形成させずに、金属筒11a,12aに対して、脱脂及び洗浄のためのウエットブラスト処理を施すようにしてもよい。
また、未架橋のゴム組成物から肉厚円筒状の防振ゴム本体13を加硫成形する。
<接着剤塗布工程>
防振ゴム本体13の内周面及び外周面のそれぞれに、脱脂、洗浄、酸化被膜の除去のための表面処理を施す。表面処理は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液の表面塗布等を挙げることができる。
次いで、表面処理した防振ゴム本体13の内周面及び外周面のそれぞれに、図3に示すように、樹脂接着剤17を塗布する。樹脂接着剤17として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者の固形分100質量部に対する後者の固形分含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。樹脂接着剤17は、具体的には、広野化学工業社製の商品名クラタイトT−10(ポリオール)及び商品名クラタイトT−200(イソシアネート)を混合してなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤として日本ユニカー社製の商品名A−189を添加した室温硬化型のものなどである。
<電磁誘導加熱工程>
図4(a)に示すように、内筒11及び外筒12を同心状に配置すると共に、把持具14aにより保持された環状電磁石14bを外筒12を囲うように配置する。
次いで、図4(b)に示すようなマルチターンの電磁誘導加熱用ワークコイル15を、図4(a)に示すように、コイル内側に内筒11が及びコイル外側に外筒12がそれぞれ位置付けられるように、内筒11及び外筒12の間隙に挿入する。
そして、ワークコイル15に繋がった発振器16を10〜300kHzの発振周波数で発振させることにより、内筒11の外周面及び外筒12の内周面を電磁誘電加熱により昇温させる。このとき、内筒11の外周面及び外筒12の内周面を、一旦、樹脂接着剤17の硬化温度以上の温度(例えば、180〜230℃)に昇温させ、その後、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤17がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
なお、この工程は、接着剤塗布工程と並行して行うようにしてもよい。
<圧入工程>
図5に示すように、昇温した内筒11及び外筒12をそれらが同心状に配置されるように載置台18aに設置する。載置台18aには、内筒設置用凹部18b及び外筒設置用凹部18cが形成されており、それらに内筒11及び外筒12をそれぞれ嵌め入れる。
次いで、内筒押さえ治具18dにより内筒11の上端部を下方に押すようにして内筒11を固定する。内筒押さえ治具18dは、下部に内筒11に嵌入させるための内筒嵌入突起18eを有すると共に、それに連続して上方に行くに従って先細りに形成された円錐台状の上方突出部18fを有し、それらの内筒嵌入突起18e及び上方突出部18fの境界部分に形成された段差部が内筒11の上端部の当接部となっている。上方突出部18fは、下端の外径が内筒11の外径と同一に形成されている。また、外筒押さえ治具18gにより外筒12の上端部を下方に押すようにして外筒12を固定する。外筒押さえ治具18gは、下部に外筒12を嵌入させるための外筒嵌入孔18hを有すると共に、それに連続して上方に行くに従って孔径が大きく形成されたテーパ孔18iを有し、それらの外筒嵌入孔18h及びテーパ孔18iの境界部分に形成された段差部が外筒12の上端部の当接部となっている。テーパ孔18iは、下側開口部の径が外筒12の内径と同一に形成されている。
そして、内筒押さえ治具18d及び外筒押さえ治具18gにより形成された環状孔に樹脂17を塗布した防振ゴム本体13を載置し、その防振ゴム本体13を圧入治具19により上方から押圧することにより内筒押さえ治具18d及び外筒押さえ治具18gのテーパ面に沿って下方に移動させて内筒11及び外筒12の間隙に圧入する。圧入治具19は、内径が内筒押さえ治具18dの上方突出部18fの下端の外径よりも大きく且つ外径が外筒押さえ治具18gのテーパ孔18iの下側開口部の径より小さい筒状に形成されていると共に、下面側に防振ゴム本体13を押圧するための環状突条19aが形成されている。このとき、樹脂接着剤17が硬化して、内筒11と防振ゴム本体13とが接着されると共に、外筒12と防振ゴム本体13とが接着され、全体が一体化する。
なお、内筒11及び外筒12を別々に加熱し、防振ゴム本体13に内筒11を挿入する工程と防振ゴム本体13を外筒12に挿入工程とを分けてもよい。
<放冷工程>
内筒11及び外筒12の間隙に防振ゴム本体13を圧入した状態で1〜10秒間放冷する。
その後、内筒押さえ治具18d、外筒押さえ治具18g及び圧入治具19による拘束を解除し、載置台18aへの固定を外すことにより、図1に示すようなブッシュタイプの防振構造体10が製造される。
次に、図6に基づいて、内筒11の外周面及び外筒12の内周面における被接着面の温度の経時的変化と、防振ゴム本体13の内筒11及び外筒12との接触面の温度の経時的変化とについて説明する。
図6によれば、電磁誘導加熱工程において、内筒11の外周面及び外筒12の内周面は電磁誘導加熱により、一旦、樹脂接着剤17の硬化温度以上の温度に昇温され、その後放冷されて伝導均質化することにより樹脂接着剤17のゲル化開始温度以上であって且つ硬化温度より低い温度(ゲル状温度域)となる。その間に、接着剤塗布工程において、防振ゴム本体13に樹脂接着剤17が塗布されて室温下で風乾された状態にある。
次いで、圧入工程において、樹脂接着剤17が塗布された防振ゴム本体13を内筒11及び外筒12の間隙に圧入することにより、内筒11及び外筒12の温度がさらに低下すると共に、防振ゴム本体13の内筒11及び外筒12との接触面が昇温する。
そして、放冷工程において、内筒11及び外筒12の間隙に防振ゴム本体13を圧入した状態で放冷することにより、内筒11及び外筒12と防振ゴム本体13との温度が均一化する。
以上に説明した防振構造体10であれば、内筒11及び外筒12のそれぞれと防振ゴム本体13とを接着する樹脂接着剤17がシランカップリング剤を含有しているので、接着剤の内筒11及び外筒12への接着性能が高められると共に、接着剤自身の強度、特に、高温時における強度が高まり、それによって内筒11及び外筒12のそれぞれと防振ゴム本体13との間で高い接着性能が発現することとなる。特に、内筒11及び外筒12が難接着性のアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている場合には、その作用効果が顕著となる。また、樹脂接着剤17がポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである場合に最大の効果を得ることができる。しかも、圧縮率10〜40%といった低圧縮率で防振ゴム本体13が内筒11及び外筒12の間に圧入されて、防振ゴム本体13の内筒11及び外筒12への圧接力が低く、防振ゴム本体13の露出した端面が平面に形成されているような場合であっても、内筒11及び外筒12のそれぞれと防振ゴム本体13との間で高い接着性能を得ることができる。
(実施形態2)
実施形態2として実施形態1とは異なる構成のブッシュタイプの防振構造体について説明する。
このブッシュタイプの防振構造体は、防振ゴム本体の内周面が内筒の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤により接着固定されている点を除いては、実施形態1のものと同一構成である。
次に、この防振構造体の製造方法について図7〜10に基づいて説明する。
<内筒及び外筒準備工程>
小径及び大径の一対の金属筒21a,22aのそれぞれの表面に、樹脂塗料の焼付塗膜やリン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜からなる表面被膜21b,22bを形成させ、内筒(金属基材)21及び外筒(金属基材)22を作製する。なお、表面被膜21b,22bを形成させずに、金属筒21a,22aに対して、脱脂及び洗浄のためのウエットブラスト処理を施すようにしてもよい。
<内筒と防振ゴム本体との一体加硫成形工程>
内筒21の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を塗布し、そのゴム接着剤を塗布した内筒21を覆うように天然ゴム等の未架橋ゴム組成物を設け、これらを所定の金型にセットして所定時間加熱及び加圧することにより、図7に示すような内筒21と防振ゴム本体23との一体物を加硫成形する。このとき、内筒21と防振ゴム本体23とは、ゴム接着剤により接着される。ゴム接着剤は、具体的には、例えば、米国ヒューソンケミカル社製の商品名 ケムロック220、ケムロック250、ケムロック252などである。
<接着剤塗布工程>
内筒21と一体となった防振ゴム本体23の外周面に、脱脂、洗浄、酸化被膜の除去のための表面処理を施す。表面処理は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液の表面塗布等を挙げることができる。
次いで、表面処理した防振ゴム本体23外周面に、図7に示すように、樹脂接着剤27を塗布する。樹脂接着剤27として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者の固形分100質量部に対する後者の固形分含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。
<電磁誘導加熱工程>
図8(a)及び9に示すように、外筒22をロッド24により把持すると共に、図8(b)及び9に示すような強磁性体28aを挟んだシングルターンの電磁誘導加熱用ワークコイル25aを、外筒22の内側に挿入する。
そして、ワークコイル25aに繋がった発振器26を10〜300kHzの発振周波数で発振させることにより、外筒22の内周面を電磁誘電加熱により昇温させる。このとき、外筒22の内周面を、一旦、防振ゴム本体23との接着に使用される樹脂接着剤27の硬化温度以上の温度(180〜230℃)に昇温させ、その後、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤27がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
なお、電磁誘導加熱用ワークコイルとして、シングルターンのものではなく、図10に示すような強磁性体28bを巻くように形成されたダブルターンのワークコイル25bを用いてもよい。また、 なお、この工程は、接着剤塗布工程と並行して行うようにしてもよい。
<圧入工程>
昇温した外筒22を載置台に設置する。
次いで、実施形態1の場合と同一の外筒押さえ治具により外筒22を固定する。
そして、圧入治具を用いて外筒押さえ治具のテーパ孔に沿わせるようにして樹脂接着剤27が塗布された防振ゴム本体23を内筒21と共に外筒22に圧入する。このとき、樹脂接着剤27が硬化して、内筒21と防振ゴム本体23とが接着されると共に、外筒22と防振ゴム本体23とが接着され、全体が一体化する。
<放冷工程>
外筒22に防振ゴム本体23を圧入した状態で所定時間放冷する。
その後、外筒押さえ治具及び圧入治具による拘束を解除し、載置台への固定を外すことにより、ブッシュタイプの防振構造体が製造される。
以上に説明した防振構造体であれば、外筒22と防振ゴム本体23とを接着する樹脂接着剤27がシランカップリング剤を含有しているので、接着剤の外筒22への接着性能が高められると共に、接着剤自身の強度、特に、高温時における強度が高まり、それによって外筒22と防振ゴム本体23との間で高い接着性能が発現することとなる。特に、外筒22が難接着性のアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている場合には、その作用効果が顕著となる。また、樹脂接着剤27がポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである場合に最大の効果を得ることができる。しかも、圧縮率10〜40%といった低圧縮率で防振ゴム本体23が内筒21及び外筒22の間に圧入されて、防振ゴム本体23の内筒21及び外筒22への圧接力が低く、防振ゴム本体23の露出した端面が平面に形成されているような場合であっても、内筒21及び外筒22のそれぞれと防振ゴム本体23との間で高い接着性能を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態3としてマウンティングラバータイプの防振構造体30について説明する。
図11は、マウンティングラバータイプの防振構造体30を示す。
この防振構造体30は、ボウルを裏返したような形状に形成されてた内側金属基材31及び外側金属基材32と、重なるように設けられたそれらの内側金属基材31及び外側金属基材32の間に介装された肉厚ドーナツ型の防振ゴム本体(防振材本体)33と、を備えている。
内側金属基材31及び外側金属基材32のそれぞれは、ドーナツ形状の金属板をプレス成形した金属成形体31a,32aの表面に表面被膜31b,32bを形成させたものである。表面被膜31b,32bは、例えば、リン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜である。また、表面被膜31b,32bが無く、金属成形体31a,32aをそのまま内側金属基材31及び外側金属基材32としてもよい。
防振ゴム本体33は、未架橋のゴム組成物により肉厚ドーナツ型に加硫成形されたものである。ゴム組成物は、例えば、天然ゴム等のものである。防振ゴム本体33は、内周面が内側金属基材31の外側面に樹脂接着剤37により接着固定されている。また、防振ゴム本体33は、外周面が外側金属基材32の内側面に樹脂接着剤37により接着固定されている。樹脂接着剤37は、シランカップリング剤を含有している。樹脂接着剤37は、例えば、シランカップリング剤が添加された、室温硬化性樹脂接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト型接着剤、感圧性接着剤等であり、具体的には、シランカップリング剤が添加された、ゲル化開始温度が100℃以上で且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等である。シランカップリング剤は、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランやエポキシシランやアミノシランである。樹脂接着剤37として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。
次に、この防振構造体30の製造方法について図11〜15に基づいて説明する。
<内側金属基材、外側金属基材及び防振ゴム本体準備工程>
ドーナツ形状の金属板から中心部に突起部が形成された金属成形体31aをプレス成形する。その金属成形体31aの表面に樹脂塗料の焼付塗膜やリン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜からなる表面被膜31bを形成させた内側金属基材31を作製する。同様に、ドーナツ形状の金属板から皿型の金属成形体32aをプレス成形する。その金属成形体32aの表面に樹脂塗料の焼付塗膜やリン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜からなる表面被膜32bを形成させた外側金属基材32を作製する。なお、表面被膜31b,32bを形成させずに、金属成形体31a,32aに対して、脱脂及び洗浄のためのウエットブラスト処理を施すようにしてもよい。
また、未架橋のゴム組成物から図12に示すような肉厚ドーナツ型の防振ゴム本体33を加硫成形する。
<接着剤塗布工程>
防振ゴム本体33の内周面及び外周面のそれぞれに、脱脂、洗浄、酸化被膜の除去のための表面処理を施す。表面処理は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液の表面塗布等を挙げることができる。
次いで、表面処理した防振ゴム本体33の内周面及び外周面のそれぞれに樹脂接着剤37を塗布する。樹脂接着剤37として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者の固形分100質量部に対する後者の固形分含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。
<電磁誘導加熱工程>
図13に示すように、載置台38の上に置いた内側金属基材31を、とぐろ型に形成された電磁誘導加熱用ワークコイル35aで覆われるように配置する。また、図14に示すように、外側金属基材32を、とぐろ型に形成された電磁誘導加熱用ワークコイル35bを覆うように配置する。
そして、両ワークコイル35a,35bに繋がった発振器を10〜300Hzの発振周波数で発振させることにより、外側金属基材32の内側面及び内側金属基材31の外側面を電磁誘電加熱により昇温させる。このとき、外側金属基材32の内側面及び内側金属基材31の外側面を、一旦、防振ゴム本体33との接着に使用される樹脂接着剤37の硬化温度以上の温度(180〜230℃)に昇温させ、その後、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤37がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
なお、とぐろ型の電磁誘導加熱用ワークコイルを内側金属基材31及び外側金属基材32で挟むように配置することにより、1つのワークコイルで両方を昇温させるようにしてもよい。また、この工程は、接着剤塗布工程と並行して行うようにしてもよい。
<複合化工程>
図15に示すように、載置台38に載置された昇温した内側金属基材31の上に、樹脂接着剤37が塗布された防振ゴム本体33及び外側金属基材32を順に積層し、これらに上方から圧力をかけて複合化させる。このとき、内側金属基材31の突起部が防振ゴム本体33の中心の穴に嵌まり、防振ゴム本体33が外側金属基材32の凹部に嵌まる。また、樹脂接着剤37が硬化して、内側金属基材31と防振ゴム本体33とが接着されると共に、外側金属基材32と防振ゴム本体33とが接着され、全体が一体化する。
<放冷工程>
内側金属基材31と外側金属基材32との間に防振ゴム本体33を挟んで上方から圧力をかけた状態で所定時間放冷する。
その後、その圧力を解除することにより、図11に示すようなマウンティングラバータイプの防振構造体30が製造される。
以上に説明した防振構造体30であれば、内側金属基材31及び外側金属基材32のそれぞれと防振ゴム本体33とを接着する樹脂接着剤37がシランカップリング剤を含有しているので、接着剤の内側金属基材31及び外側金属基材32への接着性能が高められると共に、接着剤自身の強度、特に、高温時における強度が高まり、それによって内側金属基材31及び外側金属基材32のそれぞれと防振ゴム本体13との間で高い接着性能が発現することとなる。特に、内側金属基材31及び外側金属基材32が難接着性のアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている場合には、その作用効果が顕著となる。また、樹脂接着剤37がポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである場合に最大の効果を得ることができる。
(実施形態4)
実施形態1として自動車のチェンジレバーの防振構造体40について説明する。
図16は、チェンジレバーの防振構造体40を示す。
この防振構造体40は、ロッド状に形成された金属製の下側レバー部材41と、キャップ型に形成された金属製の上側レバー部材42と、それらの間に介装された防振ゴム本体(防振材本体)43と、を備えている。
上側レバー部材41は、上部のグリップ取付部411と、その下側に連続して設けられて下向きに開口した筒状本体部412と、を有している。上側レバー部材41は、例えば、鉄製の他、アルミニウム製、或いは、アルミニウム合金製である。
下側レバー部材42は、上から小、中及び大の順に3つの金属円柱を同軸に積み重ねたような形状に形成されていると共に小及び中の円柱部分の表面に表面被膜42bが形成されたロッド状本体部421と、ロッド状本体部421の下側に連続して設けられた切替部422と、を有している。下側レバー部材42は、例えば、鉄製の他、アルミニウム製、或いは、アルミニウム合金製である。表面被膜42bは、例えば、リン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜である。また、表面被膜42bが無くてもよい。
防振ゴム本体43は、未架橋のゴム組成物により大小2つの肉厚円筒体を同軸に積み重ねたような形状に加硫成形されたものである。ゴム組成物は、例えば、天然ゴム等のものである。防振ゴム本体43は、内周面が下側レバー部材42のロッド状本体部421の外周面に樹脂接着剤47により接着固定されている。また、防振ゴム本体43は、外周面が上側レバー本体41の筒状本体部412の内周面に樹脂接着剤47により接着固定されている。樹脂接着剤47は、シランカップリング剤を含有している。樹脂接着剤47は、例えば、シランカップリング剤が添加された、室温硬化性樹脂接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト型接着剤、感圧性接着剤等であり、具体的には、シランカップリング剤が添加された、ゲル化開始温度が100℃以上で且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等である。シランカップリング剤は、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランやエポキシシランやアミノシランである。樹脂接着剤47として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。
次に、この防振構造体40の製造方法について図16〜20に基づいて説明する。
<上側レバー部材、下側レバー部材及び防振ゴム本体の準備工程>
キャップ型に形成された金属製の上側レバー部材41及びロッド状に形成された下側レバー部材42を準備する。下側レバー部材42には、ロッド状本体部421の小及び中の円柱部分の表面に樹脂塗料の焼付塗膜やリン酸亜鉛被膜やノンクロム被膜からなる表面被膜42bを形成させる。なお、表面被膜42bを形成させずに、ロッド状本体部421に対して、脱脂及び洗浄のためのウエットブラスト処理を施すようにしてもよい。
また、未架橋ゴム組成物から大小2つの肉厚円筒体を同軸に積み重ねたように形成された防振ゴム本体43を加硫成形する。
<接着剤塗布工程>
防振ゴム本体43の内周面及び外周面のそれぞれに、脱脂、洗浄、酸化被膜の除去のための表面処理を施す。表面処理は、例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液の表面塗布等を挙げることができる。
次いで、図17に示すように、表面処理した防振ゴム本体43を載置台48cに固定し、その内周面及び外周面のそれぞれに樹脂接着剤47を塗布する。樹脂接着剤47として最も好適なのは、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者の固形分100質量部に対する後者の固形分含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである。
<電磁誘導加熱工程>
図18に示すように、上側レバー部材41を載置台48aに固定し、マルチターンの電磁誘導加熱用ワークコイル45aのコイル内に上側レバー部材41の筒状本体部412を位置付ける。
そして、電磁誘導加熱用ワークコイル45aに繋がった発振器を10〜300Hzの発振周波数で発振させることにより、上側レバー部材41の筒状本体部412の内周面を電磁誘電加熱により昇温させる。このとき、上側レバー部材41の筒状本体部412の内周面を、一旦、防振ゴム本体43との接着に使用される樹脂接着剤47の硬化温度以上の温度(180〜230℃)に昇温させ、その後、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤47がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
一方、図19に示すように、下側レバー部材42を載置台48bに固定し、マルチターンの別の電磁誘導加熱用ワークコイル45bのコイル内に下側レバー部材42のロッド状本体部421の小及び中の円柱部分を位置付ける。
そして、電磁誘導加熱用ワークコイル45bに繋がった発振器を10〜300Hzの発振周波数で発振させることにより、下側レバー部材42のロッド状本体部412の外周面を電磁誘電加熱により昇温させる。このとき、下側レバー部材42のロッド状本体部421の外周面を、一旦、防振ゴム本体43との接着に使用される樹脂接着剤47の硬化温度以上の温度(180〜230℃)に昇温させ、その後、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤47がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
なお、この工程は、接着剤塗布工程と並行して行うようにしてもよい。
<圧入工程>
図20に示すように、昇温した上側レバー部材41を別の載置台48dに固定し、樹脂接着剤47が塗布された防振ゴム本体43をその上側レバー部材42に挿入すると共に、昇温させた下側レバー部材42を防振ゴム本体43に挿入することにより、上側レバー部材41及び下側レバー部材42をそれぞれ防振ゴム本体43に固定する。
<放冷工程>
上側レバー部材42及び下側レバー部材41を防振ゴム本体43に固定した状態で1〜10秒間放冷する。
その後、その固定を解除することにより、図16に示すようなチェンジレバーの防振構造体40が製造される。
以上に説明した防振構造体40であれば、上側レバー部材41及び下側レバー部材42のそれぞれと防振ゴム本体43とを接着する樹脂接着剤47がシランカップリング剤を含有しているので、接着剤の上側レバー部材41と下側レバー部材42への接着性能が高められると共に、接着剤自身の強度、特に、高温時における強度が高まり、それによって上側レバー部材41及び下側レバー部材42のそれぞれと防振ゴム本体13との間で高い接着性能が発現することとなる。特に、上側レバー部材41及び下側レバー部材42が難接着性のアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている場合には、その作用効果が顕著となる。また、樹脂接着剤47がポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであって、前者100質量部に対する後者の含有量が3〜100質量部(さらに好ましくは15〜70質量部)のものである場合に最大の効果を得ることができる。
(試験評価1)
<試験評価サンプル>
上記実施形態2と同タイプであるブッシュタイプの防振構造体の以下の試験評価サンプルをそれぞれ数個ずつ作成した。それらの構成については表1にも示す。
−発明例1−
アルミニウム製の小径及び大径の一対の金属筒に、各々、ウエットブラスト処理を施した内筒及び外筒を作製した。
内筒の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を塗布し、そのゴム接着剤を塗布した内筒を覆うように天然ゴムの未架橋ゴム組成物を設け、これらを金型にセットして所定時間加熱及び加圧することにより、内筒と防振ゴム本体との一体物を加硫成形した。
内筒と一体となった防振ゴム本体の外周面に、脱脂、洗浄、酸化被膜の除去のための表面処理を施した後、防振ゴム本体の外周面に室温硬化型樹脂接着剤を塗布した。室温硬化型樹脂接着剤として、広野化学工業社製の商品名クラタイトT−10(ポリオール)及び商品名クラタイトT−200(イソシアネート)を、重量比が前者:後者=3:1の割合となるように混合してなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、シランカップリング剤の日本ユニカー社製の商品名A−189(メルカプトシラン)を、イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分3.2質量部(イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100gに対して1g)となるように添加したものを用いた。なお、クラタイトT−10の組成は、o−ジクロロベンゼン30質量%、トルエン15質量%、酢酸エチル25質量%及びポリエステルポリオール30質量%である。クラタイトT−200の組成は、100質量%ポリイソシアネートである。A−189の組成は、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン90〜100質量%及びγ−クロロプロピルトリメトキシシラン0〜10質量%である。
電磁誘電加熱により180℃に昇温させた外筒に防振ゴム本体を内筒と共に圧入して冷却した。
以上のようにして作製した防振構造体を発明例1とした。
−発明例2−
室温硬化型樹脂接着剤として、シランカップリング剤の日本ユニカー社製の商品名A−189を、イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分15.8質量部(イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100gに対して5g)となるように添加したものを用いたことを除いて発明例1と同一構成の防振構造体を発明例2とした。
−発明例3−
室温硬化型樹脂接着剤として、シランカップリング剤の日本ユニカー社製の商品名A−189を、イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分31.6質量部(イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100gに対して10g)となるように添加したものを用いたことを除いて発明例1と同一構成の防振構造体を発明例3とした。
−発明例4−
室温硬化型樹脂接着剤として、シランカップリング剤の日本ユニカー社製の商品名A−189を、イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分63.2質量部(イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100gに対して20g)となるように添加したものを用いたことを除いて発明例1と同一構成の防振構造体を発明例4とした。
−発明例5−
アルミニウム製の小径及び大径の一対の金属筒に、各々、ウエットブラスト処理を施すのではなく、表面にリン酸亜鉛被膜を形成させたことを除いて発明例2と同一構成の防振構造体を発明例5とした。金属筒表面へのリン酸亜鉛被膜の形成は、金属筒を脱脂処理液に攪拌しながら5分間浸漬して脱脂し、次いで、表面調整処理液に30秒間付着させて表面調整を図り、続いて、リン酸亜鉛被膜形成処理液に攪拌しながら5分間浸漬して被膜を形成し、その後、純水(室温)で30秒間洗浄することにより行った。
−発明例6−
アルミニウム製の小径及び大径の一対の金属筒に、各々、ウエットブラスト処理を施すのではなく、表面にノンクロム被膜を形成させたことを除いて発明例2と同一構成の防振構造体を発明例6とした。金属筒表面へのノンクロム被膜の形成は、金属筒を脱脂処理液に攪拌しながら浸漬して脱脂し、洗浄後、ノンクロム被膜形成処理液に攪拌しながら浸漬して被膜を形成し、その後、純水で洗浄することにより行った。
−発明例7−
シランカップリング剤として日本ユニカー社製の商品名A−187(エポキシシラン)を用いたことを除いて発明例2と同一構成の防振構造体を発明例7とした。
−発明例8−
シランカップリング剤として日本ユニカー社製の商品名A−187(エポキシシラン)を用いたことを除いて発明例5と同一構成の防振構造体を発明例8とした。
−発明例9−
シランカップリング剤として日本ユニカー社製の商品名A−187(エポキシシラン)を用いたことを除いて発明例6と同一構成の防振構造体を発明例9とした。
−比較例1−
シランカップリング剤が添加されていない室温硬化型樹脂接着剤を用いたことを除いて発明例1と同一構成の防振構造体を比較例1とした。
−比較例2−
シランカップリング剤が添加されていない室温硬化型樹脂接着剤を用いたことを除いて発明例5と同一構成の防振構造体を比較例2とした。
−比較例3−
シランカップリング剤が添加されていない室温硬化型樹脂接着剤を用いたことを除いて発明例6と同一構成の防振構造体を比較例3とした。
−比較例4−
外筒の内周面にシランカップリング剤型プライマーを塗布して被膜を形成したことを除いて比較例1と同一構成の防振構造体を比較例4とした。
Figure 2006220200
<試験評価方法>
−破壊試験−
発明例1〜9及び比較例1〜3のそれぞれについて、JIS K6854−1に準拠して破壊試験を行った。具体的には、図21に示すように、サンプル支持台51に形成された貫通孔の周縁に外筒52が位置付けられるように防振構造体50のサンプルをセットし、島津製作所社製のオートグラフ試験機55に取り付けた押圧治具53を50mm/minのスピードで下方に移動させて内筒54を押圧し、内筒54及び防振ゴム本体56が外筒52から外れるように破壊させた。そして、外筒の内周面、つまり、破壊面を目視にて観察し、破壊面がゴムである割合、つまり、ゴム凝集破壊している部分の面積割合をゴム破壊率として求めた。
−塩水噴霧後破壊試験−
発明例1〜9及び比較例1〜3のそれぞれについて、JIS Z2371に準拠して塩水噴霧後破壊試験を行った。具体的には、5% NaClaq.、35℃、45%RTの雰囲気を実現するスガ試験機社製の塩水噴霧試験機に防振構造体のサンプルを入れて72時間放置後、軽く水洗いして常温で乾燥させた。また、放置時間を720時間として同様の操作を行った。そして、上記と同様の破壊試験を行った。
−熱老化後破壊試験−
発明例2〜6のそれぞれについて、熱老化後破壊試験を行った。具体的には、70℃に温度設定されたタバイエスペック社製のデジタル温度指標調節器に防振構造体のサンプルを入れて240時間放置後、取り出して室温で冷却した。そして、上記と同様の破壊試験を行った。
−温間破壊試験−
発明例2〜4及び比較例4のそれぞれについて、温間破壊試験を行った。具体的には、上記と同様の破壊試験を所定温度に設定したチャンバー内で行った。試験温度は、−35℃、70℃、100℃及び120℃の4水準とした。また、破壊試験は、サンプルの防振構造体を30分間、試験温度に設定したチャンバ内に放置した後に行った。
<試験評価結果>
試験結果を表1に示す。
表1によれば、発明例1〜9及び比較例1〜3を比較すると、シランカップリング剤を含む室温硬化型樹脂接着剤を用いた発明例1〜9の方がシランカップリング剤を含まない室温硬化型樹脂接着剤を用いた比較例1〜3よりも全体的に接着性能が高いことが分かる。
発明例2と発明例7を比較すると、メルカプトシランを用いた発明例2の方がエポキシシランを用いた発明例7よりも接着性能が高いことが分かる。同様のことは、発明例5と発明例8との比較、及び、発明例6と発明例9との比較からも分かる。
発明例1〜4を比較すると、メルカプトシランの含有量がイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分15.8、31.6、63.2質量部である発明例2〜4の方が固形分3.2質量部である発明例1よりも接着性能が高いことが分かる。また、固形分15.8、31.6、63.2質量部である発明例2〜4の間では、試験評価の範囲内では接着性能の差は見られない。
発明例2、5及び6を比較すると、外筒の表面被膜の種類及び有無による接着性能の影響はほとんど認められないことが分かる。同様のことは、発明例7〜9の比較、及び、比較例1〜3の比較からも分かる。
発明例1と比較例4とを比較すると、同様に、イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤とシランカップリング剤との接着系であるにも関わらず、両者を混合したものを用いた発明例1の方が両者を層状に設けた比較例4よりも高温時の接着性能が優れることが分かる。これは、イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤にシランカップリング剤を混合することにより耐熱性が向上する



(試験評価2)
<試験評価サンプル>
外筒の昇温温度を100℃、110℃、120℃、130℃、・・・220℃、230℃及び240℃として、試験評価1の発明例2と同タイプの15種のブッシュタイプの防振構造体を作成し、試験評価用サンプルとした。
<試験評価方法>
各試験評価用サンプルについて、試験評価1と同様の破壊試験を行った。また、破壊面の観察によりゴム破壊率を求めるだけでなく、破壊荷重も計測した。
<試験評価結果>
試験結果を表2に示す。
Figure 2006220200
表2によれば、破壊荷重からは、用いた室温硬化型樹脂接着剤の硬化温度として110〜240℃が適していると考えられる。しかしながら、破壊面の観察結果をも加味すると、室温硬化型樹脂接着剤の硬化温度として120〜210℃が適しているといえる。
(試験評価3)
<試験評価サンプル>
アルミニウム板(A−5052)と天然ゴム組成物板とを試験評価1の発明例2で用いた室温硬化型樹脂接着剤で接着して、JIS K6256に基づき、90度はくり試験評価用サンプルを数個作成した。室温硬化型樹脂接着剤は、120℃のオーブンに20分間入れることにより硬化させた。
同様に、発明例3〜5で用いた各室温硬化型樹脂接着剤を用いたものについてもそれぞれ90度はくり試験評価用サンプルを数個ずつ作成した。
接着剤種毎の試験評価用サンプルについて、オリジナルのもの、ゴムをアルミニウム板側に5%圧縮したもの、10%圧縮したもの、及び、20%圧縮したものを準備した。
<試験評価方法>
上記試験評価用サンプルについて、JIS K6256に基づいて90度はくり試験を行った。そして、破壊面を目視にて観察し、破壊面がゴムである割合、つまり、ゴム凝集破壊している部分の面積割合をゴム破壊率として求めた。
<試験評価結果>
試験結果を表3に示す。
Figure 2006220200
表3によれば、室温硬化型樹脂接着剤に含まれるシランカップリング剤の量が多いほど、接着性能が高いことが分かる。また、ゴムの圧縮率が高いほど、接着性能が高いことが分かる。
シランカップリング剤の含有量がイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分3.2質量部1%でゴムの圧縮率を20%とした場合とシランカップリング剤の含有量がイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤固形分100質量部に対して固形分63.2質量部でゴムの圧縮率を5%とした場合とで同水準の接着性能が発現されていることが分かる。つまり、シランカップリング剤の含有量が少なくても、ゴムの圧縮率を高くすれば高い接着性能が得られ、一方、シランカップリング剤の含有量が多ければ、ゴムの圧縮率が低くても高い接着性能を得ることができる、ということである。
以上説明したように、本発明は、金属基材に弾性を有する材料で形成された防振材本体が樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体及びその製造方法に有用である。
実施形態1に係る防振構造体の断面図である。 実施形態1の内筒及び外筒の断面図である。 実施形態1の防振ゴム本体の断面図である。 実施形態1の電磁誘導加熱工程の説明図である。 実施形態1の圧入工程の説明図である。 実施形態1の内筒の外周面及び外筒の内周面における被接着面の温度の経時的変化と防振ゴム本体の内筒及び外筒との接触面の温度の経時的変化とを示すグラフである。 実施形態2の内筒と防振ゴム本体との一体物の断面図である。 実施形態2の電磁誘導加熱工程の説明図(側断面)である。 実施形態2の電磁誘導加熱工程の説明図(上面)である。 ダブルターンのワークコイルの側面図(a)及び上面図(b)である。 実施形態3に係る防振構造体の断面図である。 実施形態3の防振ゴム本体の断面図である。 実施形態3の電磁誘導加熱工程(内側金属基材)の説明図である。 実施形態3の電磁誘導加熱工程(外側金属基材)の説明図である。 実施形態3の複合化工程の説明図である。 実施形態4に係る防振構造体の断面図である。 実施形態4の接着剤塗布工程の説明図である。 実施形態4の電磁誘導加熱工程(上側レバー)の説明図である。 実施形態4の電磁誘導加熱工程(下側レバー)の説明図である。 実施形態4の圧入工程の説明図である。 実施例の破壊試験の方法の説明図である。
符号の説明
10,20,30,40 防振構造体
11,21 内筒(金属基材)
12,22 外筒(金属基材)
13,23,33,43 防振ゴム本体(防振材本体)
17,27,37,47 樹脂接着剤
31 内側金属基材
32 外側金属基材
41 上側レバー部材(金属基材)
42 下側レバー部材(金属基材)

Claims (9)

  1. 金属基材に弾性を有する材料で形成された防振材本体が樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体であって、
    上記樹脂接着剤は、シランカップリング剤を含有していることを特徴とする防振構造体。
  2. 請求項1に記載された防振構造体において、
    上記金属基材がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする防振構造体。
  3. 請求項1に記載された防振構造体において、
    上記樹脂接着剤は、ポリオールとイソシアネートとからなるイソシアネート系ウレタン樹脂接着剤に、上記シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが添加されたものであることを特徴とする防振構造体。
  4. 請求項3に記載された防振構造体において、
    上記樹脂接着剤は、上記イソシアネート系ウレタン樹脂接着剤100質量部に対する上記γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの含有量が3〜100質量部であることを特徴とする防振構造体。
  5. 互いに同心状に間隔をおいて配置された金属製の内筒及び外筒と、それらの間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体と、を備え、該内筒及び該外筒のうち少なくとも一方に該防振ゴム本体が樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体であって、
    上記樹脂接着剤は、シランカップリング剤を含有していることを特徴とする防振構造体。
  6. 請求項5に記載された防振構造体において、
    上記防振ゴム本体は、露出した端面が平面に形成されていることを特徴とする防振構造体。
  7. 金属基材に弾性を有する材料で形成された防振材本体が樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体の製造方法であって、
    防振材本体にシランカップリング剤を含有した樹脂接着剤を付着させる工程と、
    金属基材を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
    上記昇温させた上記金属基材の被接着面と上記防振材本体の上記樹脂接着剤の付着部とを圧接させる工程と、
    を備えていることを特徴とする防振構造体の製造方法。
  8. 互いに同心状に間隔をおいて配置された金属製の内筒及び外筒と、それらの間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体と、を備え、該内筒及び該外筒のそれぞれに防振ゴム本体が樹脂接着剤により接着固定された防振構造体の製造方法であって、
    加硫成形された防振ゴム本体の内周面及び外周面のそれぞれにシランカップリング剤を含有した樹脂接着剤を付着させる工程と、
    内筒を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
    上記昇温させた上記内筒を上記樹脂接着剤を付着させた上記防振ゴム本体に挿入する工程と、
    外筒を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
    上記樹脂接着剤を付着させた上記防振ゴム本体を上記昇温させた上記外筒に挿入する工程と、
    を備えていることを特徴とする防振構造体の製造方法。
  9. 互いに同心状に間隔をおいて配置された金属製の内筒及び外筒と、それらの間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体と、を備え、該内筒に該防振ゴム本体がハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤により接着固定されている一方、該外筒に該防振ゴム本体が樹脂接着剤により接着固定された防振構造体の製造方法であって、
    内筒の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を付着させ、該ゴム接着剤を付着させた該内筒を覆うように防振ゴム本体となる未加硫ゴム組成物を設け、該内筒と該防振ゴム本体との一体物を加硫成形する工程と、
    上記内筒と一体に成形された上記防振ゴム本体の外周面にシランカップリング剤を含有した樹脂接着剤を付着させる工程と、
    外筒を上記樹脂接着剤の硬化温度域に昇温させる工程と、
    上記樹脂接着剤を付着させた上記防振ゴム本体を上記昇温させた上記外筒に挿入する工程と、
    を備えていることを特徴とする防振構造体の製造方法。
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