JP2006169427A - 樹脂組成物、プリプレグおよび積層板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物、及び、この樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグと、このプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
【選択図】 なし
Description
(1)基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
(2)上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂全体の60〜90重量%である上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)上記分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物が、アニシジンである上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
(5)上記(4)に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
シアンジアミドと、分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物を含有することを特徴とするものである。
また、本発明のプリプレグは、上述の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の積層板は、上述のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とするものである。
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
性を維持したまま密着性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物においては、ジシアンジアミドとともに分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物を用いるので、ジシアンジアミドとしては、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」ということがある)に溶解できるだけの量を用いることができる。これにより、未反応のジシアンジアミドが析出することによる耐熱性の低下を防止することができる。
また、分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物は、そのアミノ基により、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応するため、樹脂中に未反応のエポキシ基が残存することがなく充分な耐熱性を付与することができる。
さらに、分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物は、その1分子に対し、エポキシ基2つとしか反応しないため、樹脂の硬化過程において樹脂組成物の粘度が上がりにくいという特徴を有する。これにより、エポキシ樹脂に対するジシアンジアミドの溶解度を実質的に低下させることがなく、配合したジシアンジアミドをエポキシ樹脂と効率的に反応させることができる。
本発明の樹脂組成物は、このように、ジシアンジアミドと分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物とが各々有する単独の効果だけでなく、両者を併用することによる上記の相乗効果をも有するものである。そして、ジシアンジアミドの溶解性が低いジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いた場合でも、その低線膨張性とともに、積層板に高い密着性、耐熱性を付与することができるものである。
これらの中でも、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジンを用いると、沸点が高く、作業性の点から好ましい。
が好ましい。
含有量が上記下限値未満であると、エポキシ樹脂の硬化が充分でなく、積層板の耐熱性が低下することがある。一方、上記上限値を超えると、硬化反応に関与できない芳香族アミノ化合物が多くなるため、同様に耐熱性が低下する場合がある。
本発明のプリプレグは、上述の樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。これにより、耐熱性等の各種特性に優れたプリプレグを得ることができる。
本発明のプリプレグで用いる基材としては、例えばガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度、吸水率の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材が好ましい。
上記樹脂ワニス中の固形分は、特に限定されないが、上記樹脂組成物の固形分40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上できる。
上記基材に前記樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、上述のプリプレグを少なくとも1枚成形してなるものである。これにより、
優れた耐熱性を有し、厚み方向の線膨張係数が小さく、密着性が良好な積層板を得ることができる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
次に、プリプレグと金属箔等とを重ねたものを加熱、加圧することで積層板を得ることができる。
上記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。
また、上記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
(1)樹脂ワニスの調製
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270、大日本インキ化学工業社製HP−7200H)75.5重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量400、大日本インキ化学工業社製153)24.5重量部、ジシアンジアミド2.3重量部、p−アニシジン7.4重量部、2−メチルイミダゾール0.1重量部にジメチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度55重量%となるように樹脂ワニスを調製した。
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100重量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂含有量44.4重量%のプリプレグを作製した。
上記プリプレグを6枚重ね、上下に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で120分間、220℃で60分間加熱加圧成形を行い、厚さ1.2mmの両面銅張積層板を得た。
ジシアンジアミドの配合量を2.7重量部、p−アニシジンの配合量を5.3重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
ジシアンジアミドの配合量を3.0重量部、p−アニシジンの配合量を3.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物としてo−アニシジンを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物を用いず、硬化剤としてジシアンジアミドのみを用い、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物を用いず、分子内にアミノ基を2つ有するジアミノジフェニルメタンを用い、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
ジシクロペンタジエンエポキシ樹脂の代わりに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用い、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
1.原材料
(1)ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270、商品名:大日本インキ化学工業社製HP−7200H)
(2)臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量400、臭素化率49%、商品名:大日本インキ化学工業社製153)
(3)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、商品名:大日本インキ化学工業社製N−690)
(1)ガラス転移温度
ガラス転移温度は粘弾性法によりtanδのピーク温度から求めた。
厚み方向線膨張係数はTMA(熱機械分析)で測定し、50℃から150℃の平均値を示した。
半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠して測定した。測定は、煮沸2時間の吸湿処理を行った後、260℃の半田槽に120秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
ピール強度は、JIS C 6481に準拠して測定した。
これに対して比較例1は硬化剤としてジシアンジアミドのみを用いたが、ジシアンジアミドが析出し、半田耐熱性や密着性が低下した。比較例2は分子内にアミノ基を2つ有する芳香族アミノ化合物を用いたが、エポキシ樹脂の硬化が充分でなく、半田耐熱性が低下した。また、比較例3はジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いなかったので、厚み方向の線膨張係数が劣る結果となった。
Claims (5)
- 基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。 - 前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂全体の60〜90重量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記分子内にアミノ基を1つ有する芳香族アミノ化合物が、アニシジンである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項4に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
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