JP2009120702A - 耐熱基板用樹脂組成物、プリプレグおよび耐熱基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱と振動による、半田接続部に繰返し応力がかかった場合においても、半田部分にクラックを生じることのない、接続信頼性の高い耐熱基板用樹脂組成物、プリプレグ、耐熱基板を提供すること。
【解決手段】 メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を含有し、前記トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、前記メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下であり、前記耐熱基板用樹脂組成物の硬化物は、−25〜125℃での熱膨張係数が15ppm以上、40ppm以下であることを特徴とする耐熱基板用樹脂組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】 メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を含有し、前記トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、前記メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下であり、前記耐熱基板用樹脂組成物の硬化物は、−25〜125℃での熱膨張係数が15ppm以上、40ppm以下であることを特徴とする耐熱基板用樹脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐熱基板用樹脂組成物、プリプレグおよび耐熱基板に関する。
近年、自動車制御用のプリント配線基板が、自動車室内を広くするために、自動車室内からエンジンルームへと搭載場所を変更することが多くなってきている。しかし、エンジンルーム内は高温となるため、プリント配線板の銅配線や実装部品と基板材料との熱膨張係数の差が大きい場合、ヒートサイクル試験後に部品と基板間の半田や、スルーホールのメッキにクラックが発生し、接続信頼性の低下となる。
ヒートサイクル試験でのクラックを防止するためには、プリント配線板の銅配線や実装部品と基板材料との熱膨張係数の差を小さくすれば良い。一般にプリント配線板にはエポキシ樹脂が用いられるが、エポキシ樹脂の熱膨張係数と銅や部品の熱膨張係数の差は大きい。
プリント配線板の熱膨張係数を、銅や部品に近づける方法としてプリント配線板に用いられている耐熱基板用樹脂組成物の熱膨張係数を小さくする方法がある。熱膨張係数を小さくする手段として、無機充填材を樹脂組成物中に添加する。それによって、部品実装時の部品とプリント配線板の熱膨張係数の差に起因するストレスは軽減され、基板の反りやうねりがなくなり実装信頼性が向上する(例えば特許文献1、2)。
しかしながら、上述したように、自動車室内を広くするという新たな要求に対して、プリント配線板を自動車のエンジンルームに搭載場所を変更した場合、以下のことが問題となる。すなわち、一般に、プリント配線板の熱膨張係数を小さくするとともに、それに用いられている樹脂の弾性率も上昇する。そのため、実装時、熱時の熱膨張率が小さいことにより基板の寸法変化が小さくなり、接続信頼性は向上する。しかし、エンジンルーム搭載時のように、熱が常時かかった状態で、かつ、走行中の振動などにより、部品実装部の半田接続部に繰返しの応力がかかるような場合、樹脂の熱時の弾性率が高いため、半田部分に歪みが蓄積され、クラックを生じやすくなる。
特開2005−007783号公報
特開2005−336280号公報
本発明は、熱と振動による、半田接続部に繰返し応力がかかった場合においても、半田部分にクラックを生じることのない、接続信頼性の高い耐熱基板用樹脂組成物、プリプレグ、耐熱基板を提供するものである。
本発明による耐熱基板用樹脂組成物は、メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を含有し、前記トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、前記メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下であることを特徴とする。
本発明によれば、エポキシ樹脂に、前記メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下のトリアジン変性ノボラック樹脂を含む。これにより、低熱膨張でかつ高温での弾性率の低い、すなわち、熱時の応力に抵抗力のある樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の耐熱基板用樹脂組成物を、基材に含浸させてなるプリプレグを提供できる。
さらに、プリプレグを1枚以上成形してなる耐熱基板を提供できる。
本発明によれば、熱と振動による、半田接続部に繰返し応力がかかった場合においても、半田部分にクラックを生じることのない、接続信頼性の高い耐熱基板用樹脂組成物、プリプレグ、耐熱基板を提供することができるものである。
以下、本発明の耐熱基板用樹脂組成物、プリプレグ、耐熱基板について説明する。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物は、メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を含有し、前記トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、前記メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下の構成となっている。
以下、本発明の耐熱基板用樹脂組成物を構成する各要素について説明する。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物は、メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂を含む。メトキシナフタレンの剛直な骨格は分子構造上低吸水化の効果と難燃性、耐熱性の効果が得られる。またメトキシナフタレン変性エポキシ基間の距離が長いため、弾性率率が小さい。またメトキシナフタレン部分が立体障害のため耐熱性が高くなる。またナフタレン構造の分子間相互作用により、熱膨張係数が小さくなる。
本発明の樹脂組成物で用いられるメトキシナフタレン変性エポキシ樹脂としては特に限定されないが、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
上記一般式で表されるメトキシナフタレン変性エポキシ樹脂としては、n(平均値)=2.0〜10.0であるものを用いることが好ましい。これにより、耐熱性と低弾性率を発現させることができる。
本発明の樹脂組成物は、トリアジン変性ノボラック樹脂を含む。これにより、耐熱基板の耐熱性と低弾性率を維持したまま、密着性を向上できる。
トリアジン変性ノボラック樹脂は分子中に窒素原子を含むので、密着性が向上する。また、吸水率を悪化させない。さらにトリアジン環構造の耐熱性が高く、メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂に対する溶解性にも優れているため半田耐熱性を悪化させない。トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、前記エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下が好ましい。トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量がこの範囲であれば、耐熱性と低弾性率が両立でき好ましい。また、耐熱基板用樹脂組成物100重量部中に含まれる窒素含有量が、2%以上、12%以下であることが好ましい。窒素含有量がこの範囲内であれば、難燃性や密着性が向上し好ましい。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物は、無機充填剤を含む。これにより、耐熱基板の熱膨張係数を低減することができる。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物に含まれる無機充填剤の含有量は特に限定されないが、樹脂100重量部中、20〜50重量部が特に好ましい。含有量がこの範囲内にあると、耐熱性と打ち抜き性に優れる。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物に含まれる無機充填剤としては、特に限定されないが、溶融シリカを用いると、熱膨張係数を小さくする効果が大きく好ましい。またタルクを用いると、弾性率を小さくする効果が大きく好ましい。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物の硬化物は、−25〜125℃での熱膨張係数が15ppm以上、40ppm以下であることが好ましく、25ppm以上、40ppm以下であることがより好ましい。
また、本発明の耐熱基板用樹脂組成物の硬化物は、50℃での弾性率が1.5GPa以上、4GPa以下であることが好ましく、1.7GPa以上、3.5GPa以下であることがより好ましい。
一般にチップや部品の熱膨張係数は20ppm以下であるため、耐熱基板用樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数を15ppm以上、40ppm以下と、20ppmに近づけることによりチップや部品と耐熱基板の熱膨張係数の差が小さく、冷熱サイクル試験等の熱衝撃試験においてクラックが発生が抑えられる。熱膨張係数を小さくするためには無機充填材を添加することが好ましいが、無機充填材を添加することにより樹脂の弾性率が増加する。その結果。実装時の接続信頼性は向上するが、エンジンルーム搭載時のように、熱が常時かかった状態で、かつ、走行中の振動などにより、部品実装部の半田接続部に繰返しの応力がかかるような場合、樹脂の熱時の弾性率が高いため、半田部分に歪みが蓄積され、クラックを生じやすくなる。
このように、樹脂硬化物の熱膨張係数を15ppm以上、40ppm以下に保ちつつ、弾性率を1.5GPa以上、4GPa以下にすることにより基板にかかる応力が緩和され、熱衝撃試験においてクラックが発生が抑制できる。弾性率を下げる方法の一つに、トリアジン変性ノボラック樹脂を所定量添加することにより、樹脂の熱膨張係数を15ppm以上、40ppm以下の範囲に保ちつつ樹脂の弾性率を4GPa以下に抑えることが可能となる。
本発明の耐熱基板用樹脂組成物は、上述したメトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を必須成分として含有するが、本発明の目的に反しない範囲において、その他の樹脂、イミダゾール化合物などの硬化促進剤、カップリング剤、リン化合物などの難燃剤、その他の成分を添加することは差し支えない。
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは、上述の耐熱基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。これにより、耐熱性等の各種特性に優れたプリプレグを得ることができる。
本発明のプリプレグで用いる基材としては、例えばガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度、吸水率の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材が好ましい。
本発明で得られる耐熱基板用樹脂組成物を基材に含浸させる方法には、例えば、樹脂組成物を溶媒に溶解して樹脂ワニスを調製し、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーター装置により樹脂ワニスを基材に塗布する方法、樹脂ワニスをスプレー装置により基材に吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上させることができる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布装置を使用することができる。
前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記耐熱基板用樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
前記樹脂ワニス中の固形分は、特に限定されないが、前記耐熱基板用樹脂組成物の固形分40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上できる。
前記基材に前記耐熱基板用樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
前記基材に前記耐熱基板用樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
次に、耐熱基板について説明する。
本発明の耐熱基板は、上述のプリプレグを少なくとも1枚成形してなるものである。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
次に、プリプレグと金属箔等とを重ねたものを加熱、加圧して成形することで耐熱基板を得ることができる。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。
また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
本発明の耐熱基板の用途として、自動車のエンジンルームのように、熱が常時かかった状態で、かつ、走行中の振動などにより、部品実装部の半田接続部に繰返しの応力がかかるような場合に、応力緩和によるクラックを抑制できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂(エポキシ当量270、大日本インキ化学工業社製EXA−9900)39.5重量部、トリアジン変性ノボラック樹脂(水酸基当量145、窒素含有率19重量%、大日本インキ化学工業社製KA−1356)20.4重量部、2−メチルイミダゾール0.1重量部、溶融シリカ(アドマテックス社製SO25R)40.0重量部にメチルエチルケトンを加え、不揮発分濃度70重量%となるように樹脂ワニスを調製した。
(2)プリプレグの製造
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100重量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂含有量47.0重量%のプリプレグを作製した。
(3)耐熱基板の製造
上記プリプレグを6枚重ね、上下に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で120分間、加熱加圧成形を行い、厚さ1.2mmの両面銅張積層板を得た。
(実施例2)
溶融シリカ40.0重量部の代わりに、溶融シリカ(アドマテックス社製SO25R)20.0重量部、タルク(富士タルク社製PKP53ZS)20.0重量部とした他は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た
(実施例3)
トリアジン変性ノボラック樹脂として、大日本インキ化学工業社製KA−7054(水酸基当量125、窒素含有率12重量%)を用い、表1の配合量とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(比較例1)
硬化剤としてトリアジン変性ノボラック樹脂を用いず、硬化剤としてフェノールノボラックを用い、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(比較例2)
トリアジン変性ノボラック樹脂をエポキシ樹脂100重量部に対して、80重量部とし、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(比較例3)
無機充填剤を用いず、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂(エポキシ当量270、大日本インキ化学工業社製EXA−9900)39.5重量部、トリアジン変性ノボラック樹脂(水酸基当量145、窒素含有率19重量%、大日本インキ化学工業社製KA−1356)20.4重量部、2−メチルイミダゾール0.1重量部、溶融シリカ(アドマテックス社製SO25R)40.0重量部にメチルエチルケトンを加え、不揮発分濃度70重量%となるように樹脂ワニスを調製した。
(2)プリプレグの製造
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100重量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂含有量47.0重量%のプリプレグを作製した。
(3)耐熱基板の製造
上記プリプレグを6枚重ね、上下に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で120分間、加熱加圧成形を行い、厚さ1.2mmの両面銅張積層板を得た。
(実施例2)
溶融シリカ40.0重量部の代わりに、溶融シリカ(アドマテックス社製SO25R)20.0重量部、タルク(富士タルク社製PKP53ZS)20.0重量部とした他は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た
(実施例3)
トリアジン変性ノボラック樹脂として、大日本インキ化学工業社製KA−7054(水酸基当量125、窒素含有率12重量%)を用い、表1の配合量とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(比較例1)
硬化剤としてトリアジン変性ノボラック樹脂を用いず、硬化剤としてフェノールノボラックを用い、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(比較例2)
トリアジン変性ノボラック樹脂をエポキシ樹脂100重量部に対して、80重量部とし、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
(比較例3)
無機充填剤を用いず、表1の配合量とした以外は実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び耐熱基板を得た。
各実施例および比較例により得られた樹脂硬化物、耐熱基板について、次の各評価を行った。各評価を、評価方法と共に以下に示す。得られた結果を表1に示す。
表の注
1.原材料
(1)メトキシナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270、商品名:大日本インキ化学工業社製EXA−9900)
(2)トリアジン変性ノボラック樹脂(水酸基当量145、窒素含有率19重量%、商品名:大日本インキ化学工業社製KA−1356)
(3)トリアジン変性ノボラック樹脂(水酸基当量125、窒素含有率12重量%、商品名:大日本インキ化学工業社製KA−7054)
(4)溶融シリカ(商品名:アドマテックス社製SO25R)
(5)タルク(商品名:富士タルク社製PKP−53ZS)
(6)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、商品名:大日本インキ化学工業社製N−690)
(7)フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、商品名:住友ベークライト社製PR−51470)
2.評価方法
(1)樹脂の熱膨張係数
樹脂の熱膨張係数は、樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱したプレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、TMA(熱機械分析)で測定し、−25℃〜125℃での平均値を値とした。
(2)樹脂の弾性率
樹脂の弾性率は、樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱したプレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、DMA(熱機械分析)で50℃での値を測定した。
(3)樹脂の窒素含有量
樹脂の窒素含有量は、樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱したプレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、不活性ガス中で燃焼させ、差動熱伝導度法で測定した。
(4)耐熱基板の密着性
耐熱基板の密着性は銅泊のピール強度を、JIS C 6481に準拠して測定した。
(5)耐熱基板の半田耐熱性
耐熱基板の半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠して測定した。測定は、煮沸2時間の吸湿処理を行った後、260℃の半田槽に120秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
(6)ヒートサイクル試験
ヒートサイクル試験は以下のようにして行った。
1.原材料
(1)メトキシナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量270、商品名:大日本インキ化学工業社製EXA−9900)
(2)トリアジン変性ノボラック樹脂(水酸基当量145、窒素含有率19重量%、商品名:大日本インキ化学工業社製KA−1356)
(3)トリアジン変性ノボラック樹脂(水酸基当量125、窒素含有率12重量%、商品名:大日本インキ化学工業社製KA−7054)
(4)溶融シリカ(商品名:アドマテックス社製SO25R)
(5)タルク(商品名:富士タルク社製PKP−53ZS)
(6)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、商品名:大日本インキ化学工業社製N−690)
(7)フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、商品名:住友ベークライト社製PR−51470)
2.評価方法
(1)樹脂の熱膨張係数
樹脂の熱膨張係数は、樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱したプレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、TMA(熱機械分析)で測定し、−25℃〜125℃での平均値を値とした。
(2)樹脂の弾性率
樹脂の弾性率は、樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱したプレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、DMA(熱機械分析)で50℃での値を測定した。
(3)樹脂の窒素含有量
樹脂の窒素含有量は、樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱したプレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、不活性ガス中で燃焼させ、差動熱伝導度法で測定した。
(4)耐熱基板の密着性
耐熱基板の密着性は銅泊のピール強度を、JIS C 6481に準拠して測定した。
(5)耐熱基板の半田耐熱性
耐熱基板の半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠して測定した。測定は、煮沸2時間の吸湿処理を行った後、260℃の半田槽に120秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
(6)ヒートサイクル試験
ヒートサイクル試験は以下のようにして行った。
(i)得られた耐熱基板に3216チップをSn3Ag0.5Cuの鉛フリー半田を用いて100個実装した。
(ii)ヒートサイクル試験機を用いて−25℃で9分保持125℃で9分保持を1サイクルとして、3000サイクル試験を行った。
(iii)断面を観察し、3216チップと半田にクラックが生じているかを確認した。
表から明らかなように、実施例1〜3は、メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を含有する本発明の樹脂組成物を用いた耐熱基板であり、ヒートサイクル試験でのクラック発生率が低く信頼性に優れていた。
これに対して比較例1は硬化剤としてフェノールノボラックのみを用いたが、密着性が低下し、クラック発生率が高かった。また、比較例2はトリアジン変性ノボラック樹脂を多く用いたので、未反応の水酸基が残存し、耐熱性が悪化したためクラック発生率が悪化した。また、比較例3は、無機充填剤を用いなかったため、樹脂の線膨張係数が大きくなり、クラック発生率が高かった。
Claims (9)
- メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂とトリアジン変性ノボラック樹脂と無機充填剤を含有し、前記トリアジン変性ノボラック樹脂の含有量は、前記メトキシナフタレン変性エポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以上、70重量部以下であることを特徴とする耐熱基板用樹脂組成物。
- 前記耐熱基板用樹脂組成物の硬化物は、−25〜125℃での熱膨張係数が15ppm以上、40ppm以下である請求項1に記載の耐熱基板用樹脂組成物。
- 前記耐熱基板用樹脂組成物の硬化物は、50℃での弾性率が4GPa以下である請求項2に記載の耐熱基板用樹脂組成物。
- 前記無機充填剤の含有量は、耐熱基板用樹脂組成物100重量部中に、10重量部以上、40重量部以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の耐熱基板用樹脂組成物。
- 前記無機充填剤は、溶融シリカを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の耐熱基板用樹脂組成物。
- 前記無機充填剤は、タルクを含む請求項1ないし5のいずれかに記載の耐熱基板用樹脂組成物。
- 前記耐熱基板用樹脂組成物100重量部中に含まれる窒素含有量が、2%以上、12%以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の耐熱基板用樹脂組成物。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の耐熱基板用樹脂組成物を、基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項8に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする耐熱基板。
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2007
- 2007-11-14 JP JP2007295649A patent/JP2009120702A/ja active Pending
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