JP5245809B2 - 回路基板用樹脂組成物、プリプレグおよび積層板 - Google Patents
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Description
また、エポキシ樹脂と共重合させた場合、硬化後に極性基を生じるため誘電率や誘電正接が大きくなる欠点がある。
(1) 分子内に2つ以上のマレイミド基を含有する化合物(A)と、下記一般式(1)で表される、分子内に1,2−ジヒドロキノリン構造を含有する化合物(B)とを含有することを特徴とする回路基板用樹脂組成物(但し、シロキサン結合とイミド結合とを有するシラン化合物、シロキサン結合とアミド結合とを有するシラン化合物、アミド結合を有するシラン化合物又はイミド結合を有するシラン化合物を含むものを除く)。
(2) 前記化合物(B)は、下記化学式(2)で表される(1)に記載の回路基板用樹脂組成物。
(3) 前記化合物(A)は、2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンである(1)又は(2)のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物。
(4) 前記化合物(A)は、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンである(1)ないし(3)のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物。
(5) 前記回路基板用樹脂組成物の硬化物の、1GHzにおける誘電率が、2.3以上、3.3以下である(1)ないし(4)のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物。
(6) 前記回路基板用樹脂組成物の硬化物の、1GHzにおける誘電正接が、0.005以上、0.018以下である(1)ないし(5)のいずれかに記載の回路基板用樹脂
組成物。
(7) (1)ないし(6)のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
(8) (7)に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
また、本発明のプリプレグは、上述の回路基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の積層板は、上述のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とするものである。
上記化合物(A)のマレイミド基の2重結合は、2つのカルボニル基によって、電子不足状態の2重結合となっている。これに対し、化合物(B)の1,2−ジヒドロキノリンノ構造の2重結合は、フェニル部分からの電子の流れ込みにより、電子過剰状態の2重結合となっている。このため、マレイミド基の2重結合と1,2−ジヒドロキノリン構造の2重結合は加熱により、容易に反応する。
このような樹脂材料の硬化物を得る条件としては、例えば、120〜220℃で、30〜180分間処理することが好ましく、特に、150〜200℃で、45〜120分間処理することが好ましい。
本発明のプリプレグで用いる基材としては、例えばガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度、吸水率の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材が好ましい。
前記樹脂ワニス中の固形分は、特に限定されないが、前記回路基板用樹脂組成物の固形分40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上できる。
前記基材に前記回路基板用樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
次に、プリプレグと金属箔等とを重ねたものを加熱、加圧して成形することで積層板を得ることができる。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、150〜240℃が好ましく、特に180〜220℃が好ましい。
また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
(1)樹脂ワニスの調製
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを56重量部、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンを44重量部にN、N−ジメチルホルムアミドを加え、不揮発分50%となるように調整し、樹脂ワニスを得た。
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100重量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80重量部含浸させて、190℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂含有量44.4重量%のプリプレグを作製した。
上記プリプレグを6枚重ね、上下に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度220℃で180分間加熱加圧成形を行い、厚さ1.2mmの両面銅張積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを60.8重量部、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンを39.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを50.8重量部、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンを49.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンを50.5重量部、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンを49.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを59.0重量部、2,2,4,6−テトラメチル−1,2−ジヒドロキノリンを41.0重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを53.6重量部、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンを46.4重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを49.8重量部、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンを40.2重量部、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製1256)を10重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを52.6重量部、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンを42.4重量部、トリフェニルホスフィンオキサイドを5重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを20重量部、分子内に1つ以上のスチリル基を含有する化合物を用いず、代わりにシアネート樹脂(チバガイギー社製B−40S)を80重量部用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンを50重量部、分子内に1つ以上のスチリル基を含有する化合物を用いず、代わりにクレゾールノボラックエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製N−690)を15重量部、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製PR−51470)を35重量部用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
(1)樹脂の1GHzでの誘電特性測定
樹脂の1GHzでの誘電特性測定は、回路基板用樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱し、プレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、トリプレート共振器法で測定した。
積層板の1GHzでの誘電特性測定は、トリプレート共振器法で測定した。
積層板の吸湿後の1GHzでの誘電特性測定は、積層板を23℃の水に24時間浸漬物した後にトリプレート共振器法で測定した。
半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠して測定した。測定は、煮沸2時間の吸湿処理を行った後、288℃の半田槽に120秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
ピール強度は、JIS C 6481に準拠して測定した。
これに対して比較例1は分子内に分子内に1,2−ジヒドロキノリン構造を含有する化合物の代わりに、シアネート樹脂を用いたが、吸湿後の誘電特性が悪化し、吸湿後半田耐熱性も悪化した。十分に誘電率、誘電正接が低くならなかった。また、比較例2は分子内に分子内に1,2−ジヒドロキノリン構造を含有する化合物の代わりにエポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂を用いたので、十分に誘電率、誘電正接が低くならなかった。
Claims (8)
- 分子内に2つ以上のマレイミド基を含有する化合物(A)と、
下記一般式(1)で表される、分子内に1,2−ジヒドロキノリン構造を含有する化合物(B)とを含有することを特徴とする回路基板用樹脂組成物(但し、シロキサン結合とイミド結合とを有するシラン化合物、シロキサン結合とアミド結合とを有するシラン化合物、アミド結合を有するシラン化合物又はイミド結合を有するシラン化合物を含むものを除く)。
- 前記化合物(B)は、下記化学式(2)で表される請求項1に記載の回路基板用樹脂組成物。
- 前記化合物(A)は、2,2’−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンである請求項1または2に記載の回路基板用樹脂組成物。
- 前記化合物(A)は、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンである請求項1ないし3のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物。
- 前記回路基板用樹脂組成物の硬化物の、1GHzにおける誘電率が、2.3以上、3.3以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物。
- 前記回路基板用樹脂組成物の硬化物の、1GHzにおける誘電正接が、0.005以上、0.018以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項7に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
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