JP5292942B2 - 回路基板用樹脂組成物、プリプレグおよび積層板 - Google Patents
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Description
(1) 分子内に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂と、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を有する回路基板用樹脂組成物であって、前記分子内に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂と、前記2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体との当量比は0.8以上、1.2以下の範囲であり、前記分子内に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂はビフェニルアラルキルエポキシ樹脂及びナフタレンアラルキルエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする回路基板用樹脂組成物。
(2) 前記回路基板用樹脂組成物の硬化物の、1GHzにおける誘電正接が、0.0
05以上、0.020以下である請求項1に記載の回路基板用樹脂組成物。
(3) (1)ないし(2)のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
(4) (3)に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
また、本発明のプリプレグは、上述の回路基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の積層板は、上述のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とするものである。
上記回路基板用樹脂組成物の硬化物とは、回路基板用樹脂組成物を構成する硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂成分が有する官能基の反応が実質的に完結した状態を意味し、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置により発熱量を測定することにより評価することができ、具体的には、この発熱量がほとんど検出されない状態を指すものである。
このような樹脂材料の硬化物を得る条件としては、例えば、120〜220℃で、30〜180分間処理することが好ましく、特に、150〜200℃で、45〜120分間処理することが好ましい。
本発明のプリプレグで用いる基材としては、例えばガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度、吸水率の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材が好ましい。
前記樹脂ワニス中の固形分は、特に限定されないが、前記回路基板用樹脂組成物の固形分40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上できる。
前記基材に前記回路基板用樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることができる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。
次に、プリプレグと金属箔等とを重ねたものを加熱、加圧して成形することで積層板を得ることができる。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、150〜240℃が好ましく、特に180〜220℃が好ましい。
また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
(1)樹脂ワニスの調製
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製N−690、エポキシ当量220)を56.0重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(大内新興化学製ノクラック224)を43.9重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部にN、N−ジメチルホルムアミドを加え不揮発分60%となるように調整し、樹脂ワニスを得た。
上述の樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(厚さ0.18mm、日東紡績社製)100重量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80重量部含浸させて、190℃の乾燥炉で7分間乾燥させ、樹脂含有量44.4重量%のプリプレグを作製した。
上記プリプレグを6枚重ね、上下に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で150分間加熱加圧成形を行い、厚さ1.2mmの両面銅張積層板を得た。
クレゾールノボラックエポキシ樹脂を61.4重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を38.5重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
クレゾールノボラックエポキシ樹脂を51.4重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を48.5重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び
積層板を得た。
ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬製NC−3000H、エポキシ当量275)を61.4重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を38.5重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
ナフタレンアラルキルエポキシ樹脂(東都化成製ESN−175、エポキシ当量255)を59.5重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を40.4重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)メタン(大日本インキ化学工業製HP−4700、エポキシ当量168)を49.3重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を50.6重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
ジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製HP−7200H、エポキシ当量275)を61.4重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を38.5重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
クレゾールノボラックエポキシ樹脂を56.0重量部、フェノールアラルキル樹脂(三井化学社製XLC−LL)を43.9重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
クレゾールノボラックエポキシ樹脂を78.0重量部、4,4‘−ジアミノジフェニルスルホンを21.9重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.1重量部とした以外は、参考例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ及び積層板を得た。
1)大日本インキ化学工業製N−690、エポキシ当量220
2)日本化薬製NC−3000H、エポキシ当量275
3)東都化成製ESN−175、エポキシ当量255
4)大日本インキ化学工業製HP−4700、エポキシ当量168
5)大日本インキ化学工業製HP−7200H、エポキシ当量275
6)大内新興化学製ノクラック224
7)三井化学製XLC−LL、水酸基当量175
(1)樹脂の1GHzでの誘電特性測定
樹脂の1GHzでの誘電特性測定は、回路基板用樹脂組成物をキャリアフィルムに塗工し、加熱し、プレスした後にキャリアフィルムを除去したものを、トリプレート共振器法で測定した。
積層板の1GHzでの誘電特性測定は、トリプレート共振器法で測定した。
ガラス転移温度は、TMAにて熱膨張係数を測定し、熱膨張係数の変移点をガラス転移温度とした。
ピール強度は、JIS C 6481に準拠して測定した。
これに対して比較例1は、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体の代わりに、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体とほぼ同じ当量であるフェノールアラルキル樹脂を、エポキシの硬化剤として用いたが、密着性およびガ
ラス転移温度が悪化し、また誘電正接も十分低くならなかった。また、比較例2は2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体の代わりに、アミン化合物として、4,4‘−ジアミノジフェニルスルホンを用いたので、十分に誘電率、誘電正接が低くならなかった。
Claims (4)
- 分子内に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂と、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を有する回路基板用樹脂組成物であって、
前記分子内に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂と、前記2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体との当量比は0.8以上、1.2以下の範囲であり、
前記分子内に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂はビフェニルアラルキルエポキシ樹脂及びナフタレンアラルキルエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする回路基板用樹脂組成物。 - 前記回路基板用樹脂組成物の硬化物の、1GHzにおける誘電正接が、0.005以上、0.020以下である請求項1に記載の回路基板用樹脂組成物。
- 請求項1ないし2のいずれかに記載の回路基板用樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項3に記載のプリプレグを1枚以上成形してなることを特徴とする積層板。
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