JP4517699B2 - 樹脂組成物、プリプレグおよび積層板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグおよび積層板 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグおよび積層板に関するものである。
半導体の分野では、高密度実装技術の進歩から、従来の面実装からエリア実装に移行していくトレンドが進行し、BGA(ボールグリッドアレイ)やCSP(チップスケールパッケージ)など新しいパッケージが増加しつつある。また情報伝達速度の高速化も進んでいる。
このため、以前にも増してインターポーザ用リジッド基板が注目されるようになり、高耐熱、低熱膨張、低誘電基板の要求が高まってきている。
さらに近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型化かつ高密度化が進んでいる。このプリント配線板等の高密度化への対応としてビルドアップ多層配線板が多く採用されている。
しかし、ビルドアップ多層配線板による方法では、微細なビアにより層間接続されるので接続強度が低下するため、高温多湿雰囲気中での機械的、電気的な接続信頼性を保持することが困難であるという問題点があった。
このような目的を達成するためには、基板に用いられる樹脂の高耐熱化、低線膨張性化が有効な手段であり、耐熱性に優れる樹脂としてシアネート樹脂が用いられ、また、シアネート樹脂の反応を促進するためにイミダゾール化合物が用いられる。これにより、得られる絶縁層の低熱膨張性、低誘電性、低吸水性を発現させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、イミダゾール化合物は一般的に昇華温度が低いため、樹脂組成物を基材に含浸・乾燥させてプリプレグを製造する際に昇華しやすく、シアネート樹脂等の硬化反応の促進作用が得られない場合があった。
特開2003−253018号公報
本発明は、硬化性に優れ、低熱膨張率、低誘電率、耐熱性を有する積層板を製造することができる樹脂組成物、及び、これを用いたプリプレグ、積層板を提供するものである。
このような目的は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。
(1)基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーと、実質的にハロゲン原子を含まないアリールアルキレン型エポキシ樹脂と、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールと、無機充填材とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
(2)上記シアネート樹脂は、ノボラック型シアネートである上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)上記1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールの含有量は、シアネート樹脂とエポキシ樹脂の合計重量に対して0.05〜5重量%である上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4)上記(1)ないし()のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
(5)上記()に記載のプリプレグを成形してなることを特徴とする積層板。
本発明によれば、硬化性に優れ、低膨張率、低誘電率、高耐熱性を有する積層板を製造することができる樹脂組成物、及び、これを用いたプリプレグと積層板を得ることができる。
以下、本発明の樹脂組成物、プリプレグおよび積層板について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーと、実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂と、200℃における昇華、分解による重量減少が15%以下であるイミダゾール化合物と、無機充填材とを含有することを特徴とする。
また、本発明のプリプレグは、上記本発明の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とする。
そして、本発明の積層板は、上記本発明のプリプレグを成形してなることを特徴とする。
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物では、シアネート樹脂を用いる。これにより、低誘電特性、低熱膨張性を向上させることができる。
上記シアネート樹脂としては、シアネート基を有する樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、ビスフェノールF型シアネート樹脂等が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(I)で示されるノボラックシアネート樹脂を含むことが好ましい。これにより、ガラス転移温度を高くすることができ、硬化後の樹脂特性や難燃性をより向上することができる。
Figure 0004517699
上記一般式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、500〜4,500が好ましく、特に600〜3,000が好ましい。ノボラック型シアネート樹脂の重量平均分子量が上記下限値未満であると機械的強度が低下す
る場合があり、上記上限値を超えると樹脂組成物の硬化速度が速いため保存性が低下する場合がある。
上記ノボラック型シアネート樹脂は、例えばノボラック樹脂と塩化シアン、臭化シアン等の化合物とを反応させることで得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
また、上記シアネート樹脂をプレポリマー化したものも成形性、流動性を調整するために好ましく使用され、本発明のシアネート樹脂に含まれるものである。
プレポリマー化は、通常加熱溶融して行われる。本発明でプレポリマーとは、例えば3量化率が20〜50%のものをいう。
上記3量化率は、例えば赤外分光分析装置を用いて求めることができる。なお、シアネート樹脂と上記シアネート樹脂をプレポリマー化したものとを併用しても構わない。
上記シアネート樹脂の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、5〜70重量%が好ましく、特に10〜60重量%が好ましい。含有量が上記下限値未満であると、低誘電特性を向上させる効果が低下する場合があり、上記上限値を超えると反応を制御するのが困難となり成形性が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物では、実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂を用いる。これにより、吸水率を低下させることができる。ここで、実質的にハロゲン原子を含まないとは、例えばエポキシ樹脂中のハロゲン原子の含有量が1重量%以下のものをいう。
エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもアリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、難燃性、吸湿半田耐熱性を向上することができる。
アリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいう。例えばキシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(II)で示すものを用いることができる。
Figure 0004517699
上記一般式(II)で示されるビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂のnは、特に限定されないが、1〜10が好ましく、特に2〜5が好ましい。これより少ないとビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は結晶化しやすくなり、汎用溶媒に対する溶解性が比較的低下するため、取り扱いが困難となる場合がある。また、これより多いと樹脂の流動性が低下し、成形不良等の原因となる場合がある。
上記エポキシ樹脂の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して5〜60重量%が好ましく、特に15〜55重量%が好ましい。含有量が上記下限値未満であると密着性を向上させる効果が低下する場合があり、上記上限値を超えると低熱膨張性が充分に付与できないことがある。
上記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量が4,000以下であることが好ましく、さらに500〜4,000が好ましく、特に600〜3,000が好ましい。重量平均分子量が上記下限値未満であると、プリプレグにタックが生じる場合があり、上記上限値を超えると半田耐熱性が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物では、200℃で昇華、分解による重量減少が15%以下であるイミダゾール化合物を用いる。これにより、樹脂組成物の諸特性を低下させることなく、上記シアネート樹脂やエポキシ樹脂の反応を促進することができ、硬化性に優れたものとすることができる。このような目的のためには、上記重量減少が10%以下であることがさらに好ましい。
200℃で昇華、分解による重量減少が15%以下であるイミダゾール化合物としては、例えば、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドルキシメチルイミダゾール等を挙げることができる。
これらの中でも、特に1−ベンジルー2−フェニルイミダゾールが好ましい。これにより、樹脂組成物を含浸し、乾燥させる際にイミダゾールの昇華を抑制することができ、樹脂組成物の耐熱性を向上させ、得られる絶縁層の熱膨張率、誘電率を低下させることができる。
ここで、200℃における昇華、分解による重量減少量は、TGA(熱重量測定装置)を用い、50℃を基準として、試料を10℃/分で昇温させたときの、200℃における重量減少を測定したものである。
上記の方法で測定した場合、上記イミダゾール化合物の重量減少率はそれぞれ、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾール(7.3重量%)、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン(12.0重量%)、2−フェニルイミダゾール(7.1重量%)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドルキシメチルイミダゾール(2.8重量%)である。
上記イミダゾール化合物の含有量は、特に限定されないが、シアネート樹脂とエポキシ樹脂の合計重量に対して0.05〜5重量%が好ましく、特に0.5〜2重量%が好ましい。含有量が上記下限値未満であるとシアネート樹脂やエポキシ樹脂の硬化反応を促進する効果が小さくなる場合があり、また、上記上限値を超えると反応を制御できなくなり、成形が困難となる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、無機充填材を含有する。これにより、低熱膨張性、難燃性の向上を図ることができる。
また、上記シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマー(特にノボラック型シアネート樹脂)と無機充填材との組合せにより、弾性率を向上することができる。
上記無機充填材としては特に限定されないが、例えば、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましく、溶融シリカが低膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、ガラス基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用方法が採用される。
上記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmが好ましく、特に0.2〜2μmが好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値未満であるとワニスの粘度が高くなるため、樹脂付き金属箔を作製する際の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値を超えると、ワニス中で無機充填剤の沈降等の現象が起こる場合がある。
本発明の樹脂組成物においては、特に、上記平均粒径を有する球状溶融シリカを用いることが好ましい。これにより、無機充填剤の充填性を向上させることができる。
上記無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体に対して5〜70重量%が好ましく、特に15〜60重量%が好ましい。含有量が上記下限値未満であると低熱膨脹性、密着性が充分でない場合があり、上記上限値を超えると流動性の低下により成形性が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物では、特に限定されないが、更にカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、樹脂と無機充填剤との界面の濡れ性を向上させることにより、基材に対して樹脂および充填剤を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を向上させることができる。
上記カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、これらの中でもエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用すること好ましい。これにより、無機充填剤の界面との濡れ性を高くでき、耐熱性をより向上させることができる。
上記カップリング剤の含有量は特に限定されないが、無機充填剤100重量部に対して0.05〜3重量部であることが好ましい。含有量が上記下限値未満であると無機充填剤を十分に被覆できず耐熱性を向上させる効果が低下する場合があり、上記上限値を超えると積層板の曲げ強度が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物は、以上に説明した成分のほかにも、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。添加剤としては例えば、消泡材、レベリング材等を挙げることができる。
次に、本発明のプリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは、上記本発明の樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。これにより、誘電特性、高温多湿下での機械的特性、電気的接続信頼性等の各種特性に優れたプリプレグを得ることができる。
本発明のプリプレグで用いる基材としては特に限定されないが、例えば、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも機械的強度、吸水率の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材が好ましい。
本発明で得られる樹脂組成物を基材に含浸させる方法として特に限定されないが、例えば、上記本発明の樹脂組成物を溶媒に溶解・分散させた樹脂ワニスを調製し、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーター装置により樹脂ワニスを基材に塗布する方法、スプレー装置により樹脂ワニスを基材に吹き付ける方法等が挙げられる。
これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場
合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
上記樹脂ワニスの調製に用いられる溶媒は、上記樹脂組成物中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記樹脂ワニス中の固形分は特に限定されないが、40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に向上させることができる。
本発明のプリプレグは、上記基材に上記樹脂ワニスを含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃等で乾燥させることにより得ることができる。
次に、本発明の積層板について説明する。
本発明の積層板は、上記本発明のプリプレグを少なくとも1枚成形してなるものである。これにより、低誘電特性、高温多湿下での機械的特性、電気的接続信頼性に優れた積層板を得ることができる。
プリプレグ1枚を用いるときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層して用いることもできる。プリプレグを2枚以上用いるときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔等とを重ねたものを加熱、加圧することで積層板を得ることができる。
加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。また、加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
上記金属箔を構成する金属としては、例えば銅および銅系合金、アルミおよびアルミ系合金、鉄および鉄系合金等が挙げられる。また、フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセット PT−30、重量平均分子量約700)30重量部、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセット PT−60、重量平均分子量約2600)5重量部、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、NC−3000H、エポキシ当量275)35重量部、およびエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー株式会社製、A187)0.2重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス社製、球状溶融シリカ SO−32R、平均粒径1.5μm)30重量部を添加し、高速攪拌機を用いて10分間攪拌した。これに、イミダゾール化合物として、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製・キュアゾール「1B2PZ」)をシアネート樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対して1.0重量部添加し、高速攪拌機を用いて10分間攪拌して、固形分65重量%の樹脂ワニスを得た。
(2)プリプレグの製造
上記樹脂ワニスをガラス織布(日東紡績製、WEA−2319)に含浸し、150℃の
加熱炉で3.5分間乾燥して、プリプレグ中に占める樹脂ワニス中の固形分が50重量%のプリプレグを得た。
(3)積層板の製造
上述のプリプレグを4枚、及び、8枚重ね、それぞれ両面に18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって、厚さ0.4mm、及び、0.8mmの両面銅張積層板を得た。
(実施例2)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、及び積層板を得た。
イミダゾール化合物として、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾールをシアネート樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対して0.7重量部用いた。その他は実施例1と同様にした。
(実施例3)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、及び積層板を得た。
イミダゾール化合物として、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾールをシアネート樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対して0.4重量部用いた。その他は実施例1と同様にした。
(実施例4)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、及び積層板を得た。
イミダゾール化合物として、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾールをシアネート樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対して2.0重量部用いた。その他は実施例1と同様にした。
(比較例1)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、及び積層板を得た。
イミダゾール化合物として、2−フェニル−4−メチル−イミダゾール(四国化成工業株式会社製・キュアゾール「2P4MZ」、200℃における重量減少21%)を、シアネート樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対して1.0重量部用いた。その他は実施例1と同様にした。
(比較例2)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、及び積層板を得た。
イミダゾール化合物として、2−フェニル−4−メチル−イミダゾールを、シアネート樹脂とエポキシ樹脂との合計100重量部に対して2.0重量部用いた。その他は実施例1と同様にした。
(比較例3)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ、及び積層板を得た。
ノボラック型シアネート樹脂としてPT−30を17重量部、PT−60を3重量部、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂としてNC−3000Hを11重量部、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−HHH)を9重量部、
およびエポキシシラン型カップリング剤としてA187を0.2重量部、球状溶融シリカとしてSO−32Rを60重量部用いた。その他は実施例1と同様にした。
実施例および比較例で得られた積層板について、次の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004517699
評価は、下記の方法で実施した。
(1)プリプレグ製造時(塗布乾燥時)のイミダゾール化合物の昇華の有無
樹脂組成物を基材に含浸させ、乾燥させる際に、乾燥装置内にイミダゾールの昇華による白煙が見られるか否かを目視で確認した。
(2)硬化反応開始温度
プリプレグ中の樹脂組成物を採取し、これをDSC(示差走査熱量分析装置)を用いて、10℃/minで昇温し、反応開始の温度を測定し、これを5℃単位で読み取った。
(3)硬化反応温度
プリプレグ中の樹脂組成物を採取し、これをDSC(示差走査熱量分析装置)を用いて、10℃/minで昇温し、反応ピークの温度を測定した。
(4)成形性
積層板製造時の樹脂流れ量を、積層板端部からの樹脂フロー量を測定し、樹脂の流動性を確認した。また、両面積層板を両面全面エッチングして、成形性を確認した。符号は下記の通りである。
◎:プレス成形時のフロー量が1ミリ以上5ミリ以下であり、成形性良好
○:プレス成形時のフロー量が1ミリ未満であり、成形性良好
(5)線膨張係数
厚さ0.8mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から5mm×5mmのテストピースを切り出し、TMA(熱機械分析装置)を用いて、厚み方向(Z方向
)の線膨張係数を10℃/分で測定した。
(6)誘電特性
厚さ0.4mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から60mm×60mmのテストピースを切り出し、誘電率、誘電正接の測定をJIS C 6481に準拠して行った。
(7)ガラス転移温度
厚さ0.8mmの両面銅張積層板を全面エッチングし、得られた積層板から5mm×5mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて10℃/分で測定した。
実施例1〜4は、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーと、実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂と、200℃における昇華、分解による重量減少が15%以下であるイミダゾール化合物と、無機充填材とを含有する本発明の樹脂組成物を用いたプリプレグと積層板であり、200℃における昇華、分解による重量減少が大きいイミダゾール化合物を用いた比較例1、2と比べて、プリプレグ製造時のイミダゾール化合物の昇華を抑えるとともに、イミダゾール化合物の硬化促進作用を有効に発現させることができ、硬化性を向上させることができた。
また、比較例3は硬化剤としてイミダゾール化合物の代わりにフェノール樹脂を用い、無機充填材の配合量を多くしたものであるが、実施例はいずれも、これより誘電率を向上させることができた。
本発明によれば、硬化性に優れ、低熱膨張性、低誘電性、高耐熱性を有する積層板を製造することができる樹脂組成物と、これを用いたプリプレグと積層板を得ることができる。本発明の積層板は、高密度実装対応のプリント配線板用途などに好適に用いられるものである。

Claims (5)

  1. 基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーと、実質的にハロゲン原子を含まないアリールアルキレン型エポキシ樹脂と、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールと、無機充填材とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記シアネート樹脂は、ノボラック型シアネートである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールの含有量は、シアネート樹脂とエポキシ樹脂の合計重量に対して0.05〜5重量%である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
  5. 請求項に記載のプリプレグを成形してなることを特徴とする積層板。
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