JP5194423B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、及び半導体装置 - Google Patents
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しかし、ハロゲン含有化合物は高度な難燃性を付与できるものの、例えば、臭素化芳香族化合物は、熱分解で腐食性を有する臭素、臭化水素を生ずるだけでなく、酸素の存在下で分解した場合には毒性の高いポリブロモジベンゾフラン、ポリブロモジベンゾオキシンを生成する可能性がある。そして、臭素を含有する老朽廃材の処分は極めて困難である。このような理由から、ハロゲン含有化合物に代わる難燃剤が検討されている。
(1)繊維基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる絶縁樹脂組成物であって、前記絶縁樹脂組成物を200℃で2時間加熱成形することによって得られる硬化物の線膨張係数が、25℃において6ppm/℃以上50ppm/℃以下であり、
(a)金属イオン性不純物の濃度が200ppm以下であり、レーザ回折式粒度分布測定
装置により測定した平均粒径が0.1μm以上10μm以下である水酸化アルミニウム、
(b)ノボラック型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂全体の60〜90重量%含み、かつ、ハ
ロゲン化されていないエポキシ樹脂、(c)球状溶融シリカ、(d)エポキシシラン型カップリング剤、(e)硬化促進剤を含有し、 前記絶縁樹脂組成物全体に対する前記(a)水酸化アルミニウムの含有量が1重量%以上50重量%以下であり、 前記絶縁樹脂組成物全体に対する前記(c)球状溶融シリカの含有量が5重量%以上70重量%以下であり、
前記(a)水酸化アルミニウムと前記(c)球状溶融シリカを合わせた100重量部に対する前記(d)エポキシシラン型カップリング剤の添加量が0.05〜3重量%であり、
前記絶縁樹脂組成物全体に対する前記(e)硬化促進剤の含有量が0.05〜5重量%で
あることを特徴とする絶縁樹脂組成物(但し、下記一般式[1]で示されるポリマレイミド化合物を含む場合を除く)。
ばれた同一または異なる一価の原子または基、kは2以上の整数を表わす)
(2)前記絶縁樹脂組成物の300℃における重量減少率が15%以下であることを特徴とする(1)記載の絶縁樹脂組成物。
(3)前記(a)水酸化アルミニウムの300℃における重量減少率が20重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁樹脂組成物。
(4)前記(a)水酸化アルミニウム中に含まれる金属イオン性不純物は、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、フランシウムイオン、ベリリウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン、スズイオン、及び鉛イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類以上である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物。
(5)(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
(6)前記繊維基材がガラス繊維からなることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグ。
(7)前記繊維基材が有機繊維からなることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグ。
(8)(5)ないし(7)のいずれか1項に記載のプリプレグを1枚以上重ね合わせ加熱加圧成形してなることを特徴とする積層板。
(9)(8)に記載の積層板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
なお、重量減少率は、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)により、試料を30℃から500℃まで10℃/分の条件で昇温させ、試料の重量変化を追跡し、((30℃の試料重量)−(300℃の試料重量))/(30℃の試料重量)×100で求まる値とした。
前記上限値を超えると絶縁信頼性が損なわれる恐れがある。
金属イオン性不純物の濃度は、(a)金属水酸化物を純水中で80℃、24h処理し、純水中に金属イオンを抽出した後、ICP−MS(誘導結合プラズマイオン源質量分析装置)を用い測定した。
(a)金属水酸化物の平均粒径が前記下限値未満では、絶縁樹脂組成物からなるワニスの粘度が高くなるため繊維基材への含浸しにくくなり、プリプレグの作製が困難となる。さらに絶縁樹脂組成物をBステージ化した際の最低溶融粘度が高くなるため、加熱加圧時の成形性や内層回路基板の埋め込み性が低下する。また、前記上限値を超えると、Bステージ化あるいは硬化状態の絶縁樹脂組成物よりなるフィルムシートの表面を化学的及び/あるいは物理的な処理によって粗化した際の樹脂表面粗さが大きくなったり、絶縁信頼性が低下したりする。
なお、重量減少率は、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)により、試料を30℃から500℃まで10℃/分の条件で昇温させ、試料の重量変化を追跡し、((30℃の試料重量)−(300℃の試料重量))/(30℃の試料重量)×100で求まる値とした。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの中でもクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、前記効果に加えて、硬化物の吸水率を低下させ、高湿環境下での耐湿性を向上させることができる。
ノボラック型エポキシ樹脂の含有量が前記下限値未満であると、耐熱性を向上させる効果が充分でないことがある。また、前記上限値を超えると、硬化物が硬くなり、ドリル加工性や打ち抜き加工性が低下することがある。
ここで、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用すると、繊維基材への含浸性を向上させることができる。また、固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用すると、銅箔への密着性を向上させることができる。
これにより、実質的にハロゲン化合物を用いることなく、難燃性を付与することができるとともに、硬化物の熱分解時に、ハロゲンに起因する腐食性、毒性を有する成分の発生をなくすことができる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。無機充填材として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
この平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA製、LA−500)により測定することができる。
前記カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、(a)金属水酸化物及び無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
また、前記絶縁樹脂組成物には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の前記成分以外の添加物を添加しても良い。
本発明のプリプレグは、上述の絶縁樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるものである。これにより、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れたプリント配線板を製造するのに好適なプリプレグを得ることができる。
前記樹脂ワニス中の不揮発分濃度としては特に限定されないが、40〜80重量%が好ましく、特に50〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの粘度を好適な範囲に調製することができ、繊維基材への含浸性を更に向上させることができる。前記繊維基材に前記絶縁樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃等で乾燥させることによりプリプレグを得ることが出来る。
本発明の積層板は、上述のプリプレグを少なくとも1枚成形してなるものである。これにより、誘電特性、高温多湿化での機械的、電気的接続信頼性に優れた積層板を得ることができる。
プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔等とを重ねたものを加熱、加圧することで積層板を得ることができる。前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
また、フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
前記積層板に通常行われる導体回路等を形成し、半導体素子を実装して所定の加工をすることにより、半導体装置を作製した。
(1)樹脂ワニスの調整
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(「エピクロンN-690」、エポキシ当量210、大日本インキ化学工業株式会社製)34重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)
(「エピクロン850」、エポキシ当量190、大日本インキ化学工業株式会社製)10重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)(「エピクロン7050」、エポキシ当量1900、大日本インキ化学工業株式会社製)4重量部、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)1重量部、およびエポキシシラン型カップリング剤(A−187、GE東芝シリコーン株式会社製)1重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、洗浄した金属水酸化物(1)(水酸化アルミニウム、HP−360、平均粒径2.7μm、金属イオン性不純物(ナトリウムイオン)濃度10ppm、300℃の重量減少率25%、昭和電工株式会社製)10重量部、無機充填材(球状溶融シリカ、SO−25R、平均粒径0.5μm、株式会社アドマテックス社製)40重量部を添加し、高速撹拌機を用いて10分撹拌して、樹脂ワニスを得た。金属イオン性不純物の濃度は、(a)金属水酸化物を純水中で80℃、24h処理し、純水中に金属イオンを抽出した後、ICP−MSにてナトリウムイオンを測定した。以下特に断りがない場合は同様に測定した。
上述の樹脂ワニスをガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量部のプリプレグを得た。
上述のプリプレグを所定枚数重ね、両面に18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって、両面銅張積層板を得た。
50mm×50mmサイズの上述の両面銅張積層板上に所定の回路配線を形成し、厚さ0.75mm、15mm×15mmサイズの半導体素子をフリップチップボンダー、リフロー炉にて接合し、アンダーフィルを充填することによって、半導体装置を作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を30重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を9重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を5重量部、無機充填材を50重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を25重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を8重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を3重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を2重量部、無機充填材を60重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を19重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を6重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を2重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を1重量部、無機充填材を70重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を17重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を2重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を5重量部、無機充填材を70重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を12重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を4重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を2重量部、無機充填材を70重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を36重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を12重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を5重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を30重量部、無機充填材を15重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
洗浄した金属水酸化物(1)を40重量部、無機充填材を10重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を28重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を5重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を45重量部、無機充填材を10重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を28重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を5重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を50重量部、無機充填材を5重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を36重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を9重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を3重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を29重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を13重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を6重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
洗浄した金属水酸化物(1)の代わりに洗浄した金属水酸化物(2)(水酸化アルミニウム、HP−32、平均粒径8.0μm、金属イオン性不純物(ナトリウムイオン)濃度200ppm、300℃の重量減少率30%、昭和電工株式会社製)を10重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
洗浄した金属水酸化物(1)の代わりに洗浄した金属水酸化物(3)(水酸化アルミニ
ウム、HP−42M、平均粒径1.0μm、金属イオン性不純物(ナトリウムイオン)濃
度400ppm、300℃の重量減少率30%、昭和電工株式会社製)を10重量部とし
た以外は、実施例1と同様に作製した。
洗浄した金属水酸化物(1)の代わりに洗浄した金属水酸化物(4)(水酸化アルミニ
ウム、HP−43M、平均粒径0.6μm、金属イオン性不純物(ナトリウムイオン)濃
度500ppm、300℃の重量減少率30%、昭和電工株式会社製)を10重量部とし
た以外は、実施例1と同様に作製した。
洗浄した金属水酸化物(1)の代わりに洗浄した金属水酸化物(5)(水酸化アルミニウム、HS−320、平均粒径10.0μm、金属イオン性不純物(ナトリウムイオン)濃度20ppm、300℃の重量減少率25%、昭和電工株式会社製)を10重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の代わりにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(「エピクロンN-770」、エポキシ当量190、大日本インキ化学工業株式会社製)を34重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を44重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を14重量部、洗浄した金属水酸化物(1)を20重量部とし、無機充填材を配合しなかった以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を36重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を12重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を5重量部、洗浄した金属水酸化物(1)の代わりに未洗浄の金属水酸化物(6)(水酸化アルミニウム、HP−42I、平均粒径1.0μm、金属イオン性不純物(ナトリウムイオン)濃度2800ppm、300℃の重量減少率25%、昭和電工株式会社製)を30重量部、無機充填材を15重量部とした以外は、実施例1と同様に作製した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を57重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)を18重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)を7重量部、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)を2重量部、無機充填材を15重量部とし、洗浄した金属水酸化物(1)を配合しなかった以外は、実施例1と同様に作製した。
厚さ1.2mmの両面銅張積層板の銅箔を全面エッチングし、得られた積層板から2mm×2mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて5℃/分の条件で、25℃での厚み方向(Z方向)の線膨張係数を測定し、予想通りの線膨張係数が得らたことを確認した。
厚さ0.8mmの両面銅張積層板を用いて半導体装置のテストピースを作製した。得られたテストピースをフロリナート中で−55℃10分、125℃10分、−55℃10分を1サイクルとして、1000サイクル処理し、テストピースにクラックが発生していないか確認した。
○:クラック発生なし
×:クラック発生
厚さ0.4mmの両面銅張積層板を用いて半導体装置を作製し、基板の反りを測定した。
絶縁信頼性試験
厚さ0.4mmの両面銅張積層板に、メカニカルドリルを用いて径0.4mm、壁間距離0.4mmのスルーホールを開け、その後メッキ、回路配線を形成して、85℃、85%RH、印加電圧50Vの条件下で1000h処理し、100Vで絶縁抵抗を測定した。
○:1.0×1010Ω以上
×:1.0×1010Ω以下
内層回路銅の厚さが35μm、20mm径のアンクラッドが配列されたパターンのテスト基板上下に、上述のプリプレグを各1枚、18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形後、銅箔を全面エッチングしてプレス成形ボイドがないか確認した。
○:成形ボイドなし
×:成形ボイドあり
厚さ0.6mmの両面銅張積層板の銅箔を全面エッチング後、膨潤:80℃、5分、粗化:80℃、10分、中和:40℃、5分の条件でデスミアを行い、基板のRaを測定した。
厚さ0.6mmの両面銅張積層板の銅箔を全面エッチングし、得られた積層板から10mm×60mmのテストピースを切り出し、動的粘弾性測定装置(DMA983、TAインスツルメント社製)を用いて3℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
両面銅張積層板の銅箔を全面エッチング後、絶縁樹脂組成物の硬化物を削り取り、TG−DTAを用い30℃から500℃まで10℃/分の条件で昇温し、((30℃の硬化物重量)−(300℃の硬化物重量))/(30℃の硬化物重量)×100から重量減少率(%)を算出した。
UL−94規格に従い、1mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
厚さ0.2mmの両面銅張り積層板を全面エッチングし、得られた積層板から50mm×50mmのテストピースを切り出し、JIS C 6481に従い測定した。
厚さ0.6mmの両面銅張積層板をJIS C 6481に準拠して測定した。
厚さ0.2mmの両面銅張積層板から50mm×50mmに切り出し、JIS C 6481に従い半面エッチングを行ってテストピースを作成した。121℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、260℃のはんだ槽に銅箔面を下にして浮かべ、120秒後の外観異常の有無を調べた。
○:異常なし
×:フクレあり
実施例1〜17はいずれも、絶縁信頼性、難燃性、吸湿耐熱性において良好な結果であった。
これに対し、比較例1は、無機充填材が含有せず、エポキシ樹脂に対するノボラック型エポキシの含有量が少ないため、線膨張係数が大きくなり、熱衝撃試験や吸湿半田耐熱試験でクラックやフクレが発生した。
比較例2は、金属水酸化物中の金属イオン性不純物の濃度が高く、絶縁信頼性試験で絶縁抵抗が低下した。
また、比較例3は、(a)金属水酸化物を含有せず、無機充填材の含有量が少ないため、難燃性が低下した。
Claims (9)
- 繊維基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる絶縁樹脂組成物で
あって、前記絶縁樹脂組成物を200℃で2時間加熱成形することによって得られる硬化
物の線膨張係数が、25℃において6ppm/℃以上50ppm/℃以下であり、
(a)金属イオン性不純物の濃度が200ppm以下であり、レーザ回折式粒度分布測定
装置により測定した平均粒径が0.1μm以上10μm以下である水酸化アルミニウム、
(b)ノボラック型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂全体の60〜90重量%含み、かつ、ハ
ロゲン化されていないエポキシ樹脂、
(c)球状溶融シリカ、
(d)エポキシシラン型カップリング剤、
(e)硬化促進剤
を含有し、
前記絶縁樹脂組成物全体に対する前記(a)水酸化アルミニウムの含有量が1重量%以上50
重量%以下であり、
前記絶縁樹脂組成物全体に対する前記(c)球状溶融シリカの含有量が
5重量%以上70重量%以下であり、
前記(a)水酸化アルミニウムと前記(c)球状溶融シリカを合わせた100重量部に対する前記
(d)エポキシシラン型カップリング剤の添加量が0.05〜3重量%であり、
前記絶縁樹脂組成物全体に対する前記(e)硬化促進剤の含有量が0.05〜5重量%で
あることを特徴とする絶縁樹脂組成物(但し、下記一般式[1]で示されるポリマレイミド化合物を含む場合を除く)。
ばれた同一または異なる一価の原子または基、kは2以上の整数を表わす) - 前記絶縁樹脂組成物の300℃における重量減少率が15%以下であることを特徴とす
る請求項1に記載の絶縁樹脂組成物。 - 前記(a)水酸化アルミニウムの300℃における重量減少率が20重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁樹脂組成物。
- 前記(a)水酸化アルミニウム中に含まれる金属イオン性不純物は、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、フランシウムイオン、ベリリウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン、スズイオン、及び鉛イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の絶縁樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
- 前記繊維基材がガラス繊維からなることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグ。
- 前記繊維基材が有機繊維からなることを特徴とする請求項5に記載のプリプレグ。
- 請求項5ないし7のいずれか1項に記載のプリプレグを1枚以上重ね合わせ加熱加圧
成形してなることを特徴とする積層板。 - 請求項8に記載の積層板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
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