JP2007043184A - 多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートおよびそれを用いたプリント配線板 - Google Patents
多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートおよびそれを用いたプリント配線板 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ハロゲン系難燃剤を使用せずとも優れた難燃性を有し、高耐熱、低熱膨張のICパッケージ用基板を提供する。
【解決手段】絶縁樹脂成分がノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーと無機充填材とを含有することを特徴とする多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートである。
【選択図】なし
【解決手段】絶縁樹脂成分がノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーと無機充填材とを含有することを特徴とする多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートである。
【選択図】なし
Description
本発明は、ハロゲン系およびリン系難燃剤を使用せずとも優れた難燃性を有し、かつ優れた耐熱性、低線膨張係数、高弾性率を発現する多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート及びそれを用いたプリント配線板に関するものである。例えば、高密度実装対応のプリント配線板、ICパッケージ用基板として好適に使用されるものである。
半導体の分野では高密度実装技術の進歩から従来の面実装からエリア実装に移行していくトレンドが進行し、BGAやCSPなど新しいパッケージが登場、増加しつつある。そのため以前にもましてインターポーザ用リジッド基板が注目されるようになり、高耐熱、低熱膨張基板の要求が高まってきた。
一方、これら半導体に用いられる樹脂部材は難燃性が求められることが多い。
従来この難燃性を付与するため、エポキシ樹脂においては臭素化エポキシなどのハロゲン系難燃剤を用いることが一般的であった。しかし、ハロゲン含有化合物からダイオキシンが発生するおそれがあることから、昨今の環境問題の深刻化とともに、ハロゲン系難燃剤を使用することが回避されるようになり、広く産業界にハロゲンフリーの難燃化システムが求められるようになった。このような時代の要求によってリン系難燃剤が脚光を浴び、リン酸エステルや赤リンが検討されたが、これらの従来のリン系難燃剤は加水分解しやすく樹脂との反応に乏しいため、耐半田性が低下したり、ガラス転移温度が低下するという問題があった。
従来この難燃性を付与するため、エポキシ樹脂においては臭素化エポキシなどのハロゲン系難燃剤を用いることが一般的であった。しかし、ハロゲン含有化合物からダイオキシンが発生するおそれがあることから、昨今の環境問題の深刻化とともに、ハロゲン系難燃剤を使用することが回避されるようになり、広く産業界にハロゲンフリーの難燃化システムが求められるようになった。このような時代の要求によってリン系難燃剤が脚光を浴び、リン酸エステルや赤リンが検討されたが、これらの従来のリン系難燃剤は加水分解しやすく樹脂との反応に乏しいため、耐半田性が低下したり、ガラス転移温度が低下するという問題があった。
また、近年の電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型化かつ高密度化が進んでいる。このプリント配線板等の高密度化への対応としてビルドアップ多層配線板が多く採用されている。
しかし、ビルドアップ多層配線板による方法では、微細なビアにより層間接続されるので接続強度が低下し、場合によっては熱衝撃を受けると絶縁樹脂と銅の熱膨張差から発生する応力によりクラックや断線するという問題点があった。
しかし、ビルドアップ多層配線板による方法では、微細なビアにより層間接続されるので接続強度が低下し、場合によっては熱衝撃を受けると絶縁樹脂と銅の熱膨張差から発生する応力によりクラックや断線するという問題点があった。
本発明における第一の課題は、ハロゲン化合物およびリン化合物を使用せずに優れた難燃性を有し、かつ高耐熱、低熱膨張の特性を発現しうる多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート及びプリント配線板を提供するものである。
また、本発明者らは、高密度実装対応の多層プリント配線板の上記のような問題点を鑑み、これらに用いられる多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートの厚み方向の熱膨張係数が、層間接続の機械的、電気的な信頼性に大きく影響することを見出した。
そこで、本発明における第二の課題は、プリプレグ等の厚み方向の熱膨張係数を制御することであり、これにより材料間の熱膨張差から発生する応力を軽減し機械的、電気的な接続信頼性を改善することである。
また、本発明者らは、高密度実装対応の多層プリント配線板の上記のような問題点を鑑み、これらに用いられる多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートの厚み方向の熱膨張係数が、層間接続の機械的、電気的な信頼性に大きく影響することを見出した。
そこで、本発明における第二の課題は、プリプレグ等の厚み方向の熱膨張係数を制御することであり、これにより材料間の熱膨張差から発生する応力を軽減し機械的、電気的な接続信頼性を改善することである。
本発明は、
(1)絶縁樹脂成分がノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーと無機充填材とを含有することを特徴とする多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(2)ノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーが、数平均分子量260〜900のノボラック型シアネート樹脂及び/または数平均分子量260〜900のノボラック型シアネート樹脂のプレポリマーであることを特徴とする第(1)項記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(3)無機充填材が、平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする第(1)又は(2)項記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(4)無機充填材の含有量が、絶縁樹脂成分中30〜70重量%であることを特徴とする第(1)乃至(3)項のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(5)絶縁樹脂成分中にフェノールノボラック樹脂を硬化促進剤として含有することを特徴とする第(1)乃至(4)項のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(6)絶縁樹脂成分中にエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を含有することを特徴とする第(1)乃至(5)項のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(7)第(1)乃至(6)項のいずれか記載の多層配線板用銅箔付き絶縁シートを用いて加熱加工してなるプリント配線板、である。
(1)絶縁樹脂成分がノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーと無機充填材とを含有することを特徴とする多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(2)ノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーが、数平均分子量260〜900のノボラック型シアネート樹脂及び/または数平均分子量260〜900のノボラック型シアネート樹脂のプレポリマーであることを特徴とする第(1)項記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(3)無機充填材が、平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする第(1)又は(2)項記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(4)無機充填材の含有量が、絶縁樹脂成分中30〜70重量%であることを特徴とする第(1)乃至(3)項のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(5)絶縁樹脂成分中にフェノールノボラック樹脂を硬化促進剤として含有することを特徴とする第(1)乃至(4)項のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(6)絶縁樹脂成分中にエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を含有することを特徴とする第(1)乃至(5)項のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート、
(7)第(1)乃至(6)項のいずれか記載の多層配線板用銅箔付き絶縁シートを用いて加熱加工してなるプリント配線板、である。
本発明の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートは、ハロゲン系難燃剤を使用せずとも優れた難燃性を有し、高耐熱、低熱膨張の特性を有している。従って、本発明の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シートから得られた多層プリント配線板は半田耐熱性に優れ、反りの小さいICパッケージ用基板を提供でき、関連産業に大きく寄与することができる。
本発明はノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーを用いるものである。かかる樹脂が難燃性、高弾性、低線膨張性に優れるからである。ここでノボラック型シアネート樹脂とは任意のノボラック樹脂と、ハロゲン化シアン等のシアネート化試薬とを反応させることで得られるものである。また、得られた樹脂を加熱することでプレポリマー化することが出来る。
本発明におけるノボラック型シアネート樹脂の数平均分子量は、260未満であると架橋密度が小さく耐熱性や熱膨張係数に劣る場合があり、900を超えると架橋密度が上がりすぎて反応が完結できない場合があるため、260〜900であることが望ましく、より好ましくは300〜600である。また、プレポリマーを用いる際には、上記数平均分子量のノボラック型シアネート樹脂をメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等の溶媒に可溶な範囲でプレポリマー化して用いることが望ましい。本発明で数平均分子量は、東ソー株式会社製HLC−8120GPC装置(使用カラム:SUPER H4000、SUPER H3000、SUPER H2000×2、溶離液:THF)を用いて、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定した値である。
本発明におけるノボラック型シアネート樹脂の数平均分子量は、260未満であると架橋密度が小さく耐熱性や熱膨張係数に劣る場合があり、900を超えると架橋密度が上がりすぎて反応が完結できない場合があるため、260〜900であることが望ましく、より好ましくは300〜600である。また、プレポリマーを用いる際には、上記数平均分子量のノボラック型シアネート樹脂をメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等の溶媒に可溶な範囲でプレポリマー化して用いることが望ましい。本発明で数平均分子量は、東ソー株式会社製HLC−8120GPC装置(使用カラム:SUPER H4000、SUPER H3000、SUPER H2000×2、溶離液:THF)を用いて、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定した値である。
本発明におけるノボラック型シアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーの配合量は絶縁樹脂成分中30〜70重量%が好ましく、更に好ましくは40〜60重量%である。30重量%未満では、樹脂架橋が少なくなり、耐熱性が低下するようになる。70重量%を越えると、無機充填材の割合が低下し、熱膨張、吸水率が増加するようになる。
本発明では、上記ノボラックシアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーの一部をエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の他の熱硬化樹脂、フェノキシ樹脂、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂と併用しても良い。併用する量はノボラックシアネート樹脂及び/又はそのプレポリマー中の1〜40重量%が好ましい。1重量%未満であると添加効果が発現されにくく、40重量%を超えるとノボラック型シアネートの耐熱性、熱膨張等の特性が損なわれる場合がある。
本発明では、上記ノボラックシアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーの一部をエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の他の熱硬化樹脂、フェノキシ樹脂、溶剤可溶性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂と併用しても良い。併用する量はノボラックシアネート樹脂及び/又はそのプレポリマー中の1〜40重量%が好ましい。1重量%未満であると添加効果が発現されにくく、40重量%を超えるとノボラック型シアネートの耐熱性、熱膨張等の特性が損なわれる場合がある。
本発明は無機充填材を用いるものである。無機充填材は弾性率を高め、熱膨張率を低下させ、且つ難燃性を向上させ、吸水性を低下させるために配合されるものである。無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等が挙げられる。これらの中でも溶融シリカが低膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、絶縁樹脂成分の溶融粘度を下げるためには球状シリカを使うなど、その目的に合わせた使用方法が採用される。
本発明は平均粒径2μm以下の球状溶融シリカを用いることが充填性が向上す
る点で好ましい。平均粒径が2μmを超えるとワニス中の無機充填材の沈降等の現象が起こり望ましくない。また、平均粒径は粘度制御の点で0.2μm以上が好ましい。本発明で平均粒径は株式会社堀場製作所粒度分布測定装置 LA920を用いて、レーザ回折/散乱法で測定を行った。
本発明では無機充填材を絶縁樹脂成分中30〜70重量%使用するのが好ましい。30重量%未満であると熱膨張、吸水率が大きくなる場合がある。また、70重量%を超えるとプレス加工時の流動性が低下し成形不良となる場合がある。
本発明は平均粒径2μm以下の球状溶融シリカを用いることが充填性が向上す
る点で好ましい。平均粒径が2μmを超えるとワニス中の無機充填材の沈降等の現象が起こり望ましくない。また、平均粒径は粘度制御の点で0.2μm以上が好ましい。本発明で平均粒径は株式会社堀場製作所粒度分布測定装置 LA920を用いて、レーザ回折/散乱法で測定を行った。
本発明では無機充填材を絶縁樹脂成分中30〜70重量%使用するのが好ましい。30重量%未満であると熱膨張、吸水率が大きくなる場合がある。また、70重量%を超えるとプレス加工時の流動性が低下し成形不良となる場合がある。
本発明では、カップリング剤を用いることが好ましい。カップリング剤は樹脂と無機充填材の界面のぬれ性を向上させることにより耐熱性、特に吸湿後のはんだ耐熱性を改良することができるからである。カップリング剤としては通常用いられるものなら何でも使用できるが、これらの中でもエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが無機充填材界面とのぬれ性が高く、耐熱性向上の点で好ましい。本発明でカップリング剤は、無機充填材に対して0.05重量%以上、3重量%以下が望ましい。これより少ないと充填材を十分に被覆できず、またこれより多いと機械特性等が低下するようになるためこの範囲で用いることが望ましい。
本発明では、硬化促進剤を用いることが好ましい。硬化促進剤として公知のものを用いることが出来る。たとえば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール、フェノールノボラック樹脂等のフェノール化合物および有機酸等、またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でもフェノールノボラック樹脂が硬化性、イオン性不純物が少ない等の点で好ましい。本発明で硬化促進剤の配合量は使用条件に応じて適宜変更することが可能であるが、ノボラック型シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを基準として0.05重量%以上、10重量%以下であることが望ましい。0.05重量%未満
であると硬化が遅くなる傾向があり、10重量%を超えると硬化が促進されすぎることによる絶縁シートのライフの低下、硬化促進剤に由来する揮発成分による周囲汚染等の悪影響があるため望ましくない。
であると硬化が遅くなる傾向があり、10重量%を超えると硬化が促進されすぎることによる絶縁シートのライフの低下、硬化促進剤に由来する揮発成分による周囲汚染等の悪影響があるため望ましくない。
本発明の樹脂組成物は必要に応じて、上記成分以外の添加剤を特性を損なわない範囲で添加することができる。本発明の絶縁樹脂成分はアルコール類、エーテル類、アセタール類、ケトン類、エステル類、アルコールエステル類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類やエステルエーテル類などの有機溶媒を用いてワニスとして、または無溶剤にて銅箔に塗工、乾燥し銅箔付き絶縁シートを得ることができる。通常、回路加工されたコア材の表裏をこの銅箔付き絶縁シートではさみ、加熱成形することにより多層シールド板が得られ回路加工することにより多層プリント配線板が得られる。これらの多層プリント配線板も本発明に含まれるものである。
<実施例1>
ノボラック型シアネート樹脂PT−60(ロンザ株式会社製、数平均分子量560)40重量部(以下、部と略す)とノボラック型シアネート樹脂PT−30(ロンザ株式会社製、数平均分子量380)24.1部をメチルエチルケトンに溶解し、球状溶融シリカSO−25R(アドマテックス株式会社製)35部、エポキシシランカップリング剤としてMAC−2101を0.04部、A−187を0.16部(ともに日本ユニカー株式会社製)添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌した。作成したワニスを厚さ18μmの銅箔のアンカー面に乾燥樹脂厚60μmとなるようコンマコーターにて塗工し銅箔付き絶縁樹脂シートを得た。
得られた銅箔付き絶縁シートの評価方法を[1]〜[5]に示す。
[1].ガラス転移温度
銅箔付き絶縁シート2枚の樹脂面を内側にはり合わせ、真空プレスにて圧力2MPa、温度220度で1時間加熱加圧成形を行い、250℃の乾燥機で窒素雰囲気下1時間後硬化した後、銅箔を全面エッチングし絶縁樹脂硬化物を得た。得られた絶縁樹脂硬化物から10mm×30mmのテストピースを切り出し、DMA983(TAインスツルメント(株)製)を用いて5℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
[2].線膨張係数
[1]で作成した絶縁樹脂硬化物を4mm×20mmのテストピースを切り出し、TMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて線膨張係数を10℃/分で測定した。
[3].難燃性
銅箔を全面エッチングした弊社ハロゲンフリーFR−4(厚さ0.2mm)の表裏に銅箔付き絶縁シートを[1]と同条件で加熱加圧成形を行った。銅箔を全面エッチングし、UL−94規格に従い、0.5mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
[4].成形性
内層回路板試験片(銅箔厚み35μm、L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、2mmスリット)の表裏に銅箔付き絶縁シートを[1]と同条件で加熱加圧成形を行い、銅箔を全面エッチング後、目視にて成形ボイドの有無を観察した。
[5].吸湿半田耐熱性
[3]で加熱加圧成形を行った積層板より50mm×50mmのサンプルピースを切り出し、片面およびもう片面の1/2の銅箔をエッチングし除去した。125℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、260℃の半田槽に銅箔面を下にして180秒浮かべ、ふくれ・はがれの有無を確認した。
ノボラック型シアネート樹脂PT−60(ロンザ株式会社製、数平均分子量560)40重量部(以下、部と略す)とノボラック型シアネート樹脂PT−30(ロンザ株式会社製、数平均分子量380)24.1部をメチルエチルケトンに溶解し、球状溶融シリカSO−25R(アドマテックス株式会社製)35部、エポキシシランカップリング剤としてMAC−2101を0.04部、A−187を0.16部(ともに日本ユニカー株式会社製)添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌した。作成したワニスを厚さ18μmの銅箔のアンカー面に乾燥樹脂厚60μmとなるようコンマコーターにて塗工し銅箔付き絶縁樹脂シートを得た。
得られた銅箔付き絶縁シートの評価方法を[1]〜[5]に示す。
[1].ガラス転移温度
銅箔付き絶縁シート2枚の樹脂面を内側にはり合わせ、真空プレスにて圧力2MPa、温度220度で1時間加熱加圧成形を行い、250℃の乾燥機で窒素雰囲気下1時間後硬化した後、銅箔を全面エッチングし絶縁樹脂硬化物を得た。得られた絶縁樹脂硬化物から10mm×30mmのテストピースを切り出し、DMA983(TAインスツルメント(株)製)を用いて5℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
[2].線膨張係数
[1]で作成した絶縁樹脂硬化物を4mm×20mmのテストピースを切り出し、TMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて線膨張係数を10℃/分で測定した。
[3].難燃性
銅箔を全面エッチングした弊社ハロゲンフリーFR−4(厚さ0.2mm)の表裏に銅箔付き絶縁シートを[1]と同条件で加熱加圧成形を行った。銅箔を全面エッチングし、UL−94規格に従い、0.5mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
[4].成形性
内層回路板試験片(銅箔厚み35μm、L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、2mmスリット)の表裏に銅箔付き絶縁シートを[1]と同条件で加熱加圧成形を行い、銅箔を全面エッチング後、目視にて成形ボイドの有無を観察した。
[5].吸湿半田耐熱性
[3]で加熱加圧成形を行った積層板より50mm×50mmのサンプルピースを切り出し、片面およびもう片面の1/2の銅箔をエッチングし除去した。125℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、260℃の半田槽に銅箔面を下にして180秒浮かべ、ふくれ・はがれの有無を確認した。
<実施例2〜3及び比較例1〜3>
表1及び表2に示す配合にて、実施例1と同様の方法で銅箔付き絶縁シート、
試験片を得た。評価方法も前述の通りである。評価結果を表1及び表2の下欄に示す。本発明の銅箔付き絶縁シートを用いて得られた多層プリント配線板は、ハロゲンおよびリン化合物を使用していないにもかかわらずガラス転移温度が高く、線膨張係数が低く、吸湿はんだ耐熱性にも優れ、且つ優れた難燃性を有する。
表1及び表2に示す配合にて、実施例1と同様の方法で銅箔付き絶縁シート、
試験片を得た。評価方法も前述の通りである。評価結果を表1及び表2の下欄に示す。本発明の銅箔付き絶縁シートを用いて得られた多層プリント配線板は、ハロゲンおよびリン化合物を使用していないにもかかわらずガラス転移温度が高く、線膨張係数が低く、吸湿はんだ耐熱性にも優れ、且つ優れた難燃性を有する。
表の注
1)平均粒径0.5μmの球状溶融シリカ:株式会社アドマテックス製
2)平均粒径1.5μmの球状溶融シリカ:株式会社アドマテックス製
3)シリコーンオイル型カップリング剤:日本ユニカー株式会社製
4)エポキシシランカップリング剤:日本ユニカー株式会社製
5)2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール:四国化成工業株式会社製
6)ノボラック型シアネート樹脂(数平均分子量約310):ロンザ株式会社製
7)ノボラック型シアネート樹脂(数平均分子量約380):ロンザ株式会社製
8)ノボラック型シアネート樹脂(数平均分子量約560):ロンザ株式会社製
9)ビスフェノールA型シアネート樹脂:旭化成エポキシ株式会社製
1)平均粒径0.5μmの球状溶融シリカ:株式会社アドマテックス製
2)平均粒径1.5μmの球状溶融シリカ:株式会社アドマテックス製
3)シリコーンオイル型カップリング剤:日本ユニカー株式会社製
4)エポキシシランカップリング剤:日本ユニカー株式会社製
5)2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール:四国化成工業株式会社製
6)ノボラック型シアネート樹脂(数平均分子量約310):ロンザ株式会社製
7)ノボラック型シアネート樹脂(数平均分子量約380):ロンザ株式会社製
8)ノボラック型シアネート樹脂(数平均分子量約560):ロンザ株式会社製
9)ビスフェノールA型シアネート樹脂:旭化成エポキシ株式会社製
Claims (7)
- 絶縁樹脂成分がノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーと無機充填材とを含有することを特徴とする多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート。
- ノボラック型シアネート樹脂及び/またはそのプレポリマーが、数平均分子量260〜900のノボラック型シアネート樹脂及び/または数平均分子量260〜900のノボラック型シアネート樹脂のプレポリマーであることを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート。
- 無機充填材が、平均粒径2μm以下の球状溶融シリカであることを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート。
- 無機充填材の含有量が、絶縁樹脂成分中30〜70重量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート。
- 絶縁樹脂成分中にフェノールノボラック樹脂を硬化促進剤として含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート。
- 絶縁樹脂成分中にエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の多層プリント配線板用銅箔付き絶縁シート。
- 請求項1乃至6のいずれか記載の多層配線板用銅箔付き絶縁シートを用いて加熱加工してなるプリント配線板。
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