JP5835401B2 - プリプレグ、回路基板および半導体装置 - Google Patents
プリプレグ、回路基板および半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5835401B2 JP5835401B2 JP2014101960A JP2014101960A JP5835401B2 JP 5835401 B2 JP5835401 B2 JP 5835401B2 JP 2014101960 A JP2014101960 A JP 2014101960A JP 2014101960 A JP2014101960 A JP 2014101960A JP 5835401 B2 JP5835401 B2 JP 5835401B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- prepreg
- thermal expansion
- resin
- expansion coefficient
- ppm
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- MGNZXYYWBUKAII-UHFFFAOYSA-N C1C=CC=CC1 Chemical compound C1C=CC=CC1 MGNZXYYWBUKAII-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Description
一般的なビルドアップ多層配線板は、コア基板に樹脂のみで構成される100μm以下の絶縁層と、導体層とを積み重ねながら積層していくものである。
また、本発明の別の目的は、製造工程を複雑にすること無く、接続信頼性を向上することができるプリプレグ、回路基板およびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
(1)シアネート樹脂と、無機充填材とを含む樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグであって、前記プリプレグの面上で互いに直行するX、Y方向を設定したとき、前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]が10ppm以下であり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]が10ppm以下であることを特徴とするプリプレグ。
(2)前記繊維基材は、縦糸と横糸とを平織りしたものである上記(1)に記載のプリプレグ。
(3)前記X方向は前記繊維基材を構成する繊維の縦糸方向であり、前記Y方向は前記繊維基材を構成する繊維の横糸方向である上記(1)または(2)に記載のプリプレグ。
(4)前記X方向の熱膨張係数[Ax]と、前記Y方向の熱膨張係数[Ay]との差の絶対値が5ppm以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプリプレグ。
(5)前記繊維基材を構成する主な繊維は、ガラス繊維である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプリプレグ。
(6)前記ガラス繊維を構成するガラスは、Tガラスである上記(5)に記載のプリプレグ。
(7)前記無機充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の60〜80重量%である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のプリプレグ。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のプリプレグの硬化物を有する回路基板。
(9)上記(8)に記載の回路基板に半導体素子が搭載されていることを特徴とする半導体装置。
また、本発明によれば、製造工程を複雑にすること無く、接続信頼性を向上することができるプリプレグ、回路基板およびそれを用いた半導体装置を得ることができる。
また、繊維基材として特定のガラス繊維基材を用いた場合、特にプリプレグの面方向の熱膨張係数を小さくすることができ、それによってこのプリプレグを用いて得られる回路基板に半導体素子を搭載した場合の接続信頼性を向上することができる。
本発明のプリプレグは、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーと、無機充填材とを含む樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグであって、前記プリプレグの面上で互いに直行するX、Y方向を設定したとき、前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]が10ppm以下であり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]が10ppm以下である。
また、本発明の回路基板は、上記に記載のプリプレグの硬化物で構成されている。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の回路基板に半導体素子が搭載されている。
前記シアネート樹脂は、シアネート樹脂、シアネート樹脂のプレポリマーの両方を含む意味である。
前記シアネート樹脂は、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これにより、架橋密度増加による耐熱性向上と、樹脂組成物等の難燃性を向上することができる。ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。
前記シアネート樹脂等の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
また、前述したシアネート樹脂(特にノボラック型シアネート樹脂)と無機充填材との組合せにより、特に回路基板の弾性率を向上させることができる。
記エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂等が挙
げられる。これらの中でもアリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、
吸湿半田耐熱性を向上させることができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記フェノール樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
また、前記樹脂組成物には、必要に応じて、顔料、酸化防止剤等の上記成分以外の添加物を添加することが出来る。
前記繊維基材に前記樹脂組成物を含浸させ、例えば80〜200℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることが出来る。
また回路基板の絶縁層の厚さをどれぐらいに設定するかによって、必要なプリプレグの厚さが決定される。
前記プリプレグの厚さは、特に限定されないが、0.01〜1mmが好ましく、特に0.02〜0.2mm、さらには0.02〜0.1mmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、比較的薄いプリプレグにおいても、プリプレグの面方向の異方性を小さくすることができる。
前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]が10ppm以下であり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]が10ppm以下であることを特徴とする。これにより、前記プリプレグを用いた回路基板の面方向における熱膨張係数の等方性が向上でき、それによって回路配線パターンの自由度を広げることができる。
従来の回路基板では、回路基板を構成するプリプレグの面方向(2次元方向)の異方性(面方向での熱膨張差)があるため、回路配線パターンもそれを考慮して設計する必要があった。例えば、熱膨張が大きい方向に沿って配線間ピッチが20μm以下の微細な回路の配線を形成すると、回路がずれてしまうことがあった。したがって、線幅を太くしたり、配線間ピッチを大きくしたりする必要があった。
これに対して、本発明のプリプレグを用いると面方向での異方性を低減することができる。ゆえに、回路配線をどのように設計しても熱膨張係数の差が小さいので、従来のように回路のずれ等を考慮すること無く、自由に配線できる。また、回路基板の方向性を考慮して配線間ピッチを変更する必要も無くなる。
すなわち、図4ないし図6に示すように回路配線の方向を自由に設計することができる。
また、前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は、より具体的には8ppm以下であることが好ましく、特に3〜6ppmであることが好ましい。
さらには、前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は、より具体的には8ppm以下であることが好ましく、特に3〜6ppmであることが好ましく、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は、より具体的には8ppm以下であることが好ましく、特に3〜6ppmであることが好ましい。これにより、半導体素子と前記プリプレグで構成されている基板との熱膨張差を小さくすることができ、それによって接続信頼性をより向上できる。
半導体素子の熱膨張係数(X、Y方向共に)は、およそ3.5ppm/℃である。ゆえに、この半導体素子を搭載する回路基板(半導体素子搭載用基板)のX、Y方向の熱膨張係数と前記半導体素子の熱膨張係数との差が小さくなると、半導体素子と回路基板との間に熱膨張係数の差によって生じる応力、反りが軽減する。応力等が軽減すると、耐熱衝撃性が向上し、その結果として接続信頼性が向上する。
ここで面方向とは、プリプレグの流れ方向(プリプレグの機械方向)を示す縦方向と、プリプレグの幅方向(プリプレグの反機械方向)を示す横方向を意味するものである。
このようなプリプレグの硬化物を得る条件は、特に限定されないが、120〜220℃×30〜180分間加熱処理することが好ましく、特に150〜200℃×45〜120分間加熱処理することが好ましい。
図2は、加熱・加圧前の回路基板を模式的に示した側面図である。
図2に示すように上述したプリプレグ1(1a、1b、1c、1d)複数枚と、プリプレグ1の片面に金属層2とを積層した後、加熱・加圧して図3に示すような回路基板10を得る。これにより、回路配線のパターンの自由度が広い回路基板10を得ることができる。
前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1.5〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。
また、必要に応じて高温漕等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
また、図3の回路基板では、プリプレグ1の片面のみに金属層2が設けられていたが、両面に設けられていても良い。
図7に示すように半導体装置100は、上述した回路基板10に設けられた回路配線21に半導体素子4を、半田ボール41を介して搭載して得られる。
従来の回路基板では、面方向での熱膨張係数の異方性により接続信頼性が不十分となる場合があった。そこで、半導体素子と回路基板との間にアンダーフィルと呼ばれる絶縁樹脂を充填して、接続部分を封止、補強していた。
これに対して、本発明の回路基板10を用いると、面方向での熱膨張係数の異方性が小さいことに加え、その値も小さいので半導体素子と回路基板との間にアンダーフィルを充填すること無く接続信頼性を向上することができるものである。また、アンダーフィルを用いたとしても、そのアンダーフィルは封止する機能を優先して材料の条件を選択すれば良いので(すなわち、補強効果を奏することを要しない)、アンダーフィルの条件等を考慮して選択する際にその範囲を広げることができる。
図4では、半田ボール41を用いて半導体素子4と回路配線21とを接続している実施形態を説明したが、本発明の半導体装置はこれに限定されず、例えばリードフレーム等で半導体素子と回路基板とが接続されていても良い。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
シアネート樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT−60、重量平均分子量約2,600)15重量%(以下、%と略す)、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000P、エポキシ当量275)8%、フェノール樹脂としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−S、水酸基当量203)7%およびカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)を後述する無機充填材100重量部に対して0.3重量部(以下、部と略す)をメチルエチルケトンに常温で溶解し、無機充填材として球状溶融シリカSFP−10X(電気化学工業社製、平均粒径0.3μm)20%および球状溶融シリカSO−32R(アドマテックス社製、平均粒径1.5μm)50%を添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌して樹脂ワニスを調製した。
上述の樹脂ワニスをガラス織布(Eガラスで構成されている平織りの基材、厚さ100μm、縦糸の織密度60本/インチ、横糸の織密度58本/インチ、日東紡績社製、WEA−116E、室温から250℃での熱膨張係数6ppm/℃)に含浸し、120℃の加熱炉で2分間乾燥してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占める割合)が約50%のプリプレグを得た。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向(ガラス織布の縦方向)の熱膨張係数[Ax]は6ppmであり、かつ前記Y方向(ガラス織布の横方向)の熱膨張係数[Ay]は8ppmであった。 ここで、熱膨張係数は、次のように行なった。硬化したプリプレグから縦・横方向それぞれ4mm×20mmのテストピースを切り出し、熱機械分析装置(TAインスツルメント社製TMA2940)を用いてX(縦)・Y(横)方向の熱膨張係数を5℃/分で測定
した。
上述のプリプレグを1枚、両面に18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200
℃で2時間加熱加圧成形することによって0.1mmの両面銅張りプリント配線板を得た
。他の厚さのプリント配線基板は、プリプレグをそれに応じた枚数積層する事によって得
た。
ガラス織布をWEA−05E(Eガラスで構成されている平織りの基材、厚さ53μm、縦糸の織密度60本/インチ、横糸の織密度47本/インチ、日東紡績社製、室温から250℃での熱膨張係数6ppm/℃)に代えた以外は、実施例1と同様にした。
なお、このプリプレグを230℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向(ガラス織布の縦方向)の熱膨張係数[Ax]は6ppmであり、かつ前記Y方向(ガラス織布の横方向)の熱膨張係数[Ay]は7ppmであった。
ガラス織布をWTX−116E(Tガラスで構成されている平織りの基材、厚さ100μm、縦糸の織密度60本/インチ、横糸の織密度58本/インチ、日東紡績社製、室温から250℃での熱膨張係数3ppm/℃)に代えて、樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ノボラック型シアネート樹脂(プリマセット PT−60)20%、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)11%、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(MEH−7851−S)9%およびエポキシシラン型カップリング剤(A−187)0.3部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、球状溶融シリカSFP−10X(電気化学工業社製、平均粒径0.3μm)10%および球状溶融シリカSO−32R(アドマテックス社製、平均粒径1.5μm)50%を添加した。
なお、このプリプレグを230℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向(ガラス織布の縦方向)の熱膨張係数[Ax]は5ppmであり、かつ前記Y方向(ガラス織布の横方向)の熱膨張係数[Ay]は6ppmであった。
ガラス織布をWTX−05E(Tガラスで構成されている平織りの基材、厚さ53μm、縦糸の織密度60本/インチ、横糸の織密度47本/インチ、日東紡績社製、室温から250℃での熱膨張係数3ppm/℃)に代えた以外は、実施例3と同様にした。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は5ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は7ppmであった。
樹脂ワニスの配合を以下の通りにした以外は、実施例1と同様にした。
ノボラック型シアネート樹脂(プリマセット PT−60)5%、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)20%、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(MEH−7851−S)15%、及びエポキシシラン型カップリング剤(A−187)0.3部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、球状溶融シリカ(SFP−10X)10%および球状溶融シリカ(SO−32R)50%を添加した。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は9ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は10ppmであった。
ガラス織布をWTX116E(厚み100μm、日東紡績社製)とし、シアネート樹脂としてビスフェノールA型シアネート樹脂(Acrocy B−30、住友化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は7ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は9ppmであった。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂を以下の通りにした以外は、実施例3と同様にした。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂に代えて、ノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、エピクロン N−775、エポキシ当量190)を用いた。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は8ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は9ppmであった。
ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂およびガラス織布を以下の通りにした以外は、実施例4と同様にした。ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂に代えて、ノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−51714、水酸基当量103)を用い、ガラス織布(WTX−05E)に代えて、ガラス織布(WEA−116E)を用いた。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は8ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は9ppmであった。
球状溶融シリカを以下の通りにした以外は、実施例3と同様にした。球状溶融シリカSFP−10XおよびSO−32Rに代えて、FB−5SDX(電気化学工業社製、平均粒径5μm)を用いた。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は7ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は8ppmであった。
樹脂ワニスの配合を以下の通りにした以外は、実施例1と同様にした。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)23%、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(MEH−7851−S)17%、硬化助剤2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2MZ)0.4部およびエポキシシラン型カップリング剤(A−187)0.3部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、球状溶融シリカ(SFP−10X)10%および球状溶融シリカ(SO−32R)50%を添加した。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は14ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は16ppmであった。
樹脂ワニスの配合を以下の通りにした以外は、実施例3と同様にした。
ノボラック型シアネート樹脂(プリマセット PT−60)20%、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC−3000P)28%、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(MEH−7851−S)22%、球状溶融シリカ(SFP−10X)10%及び球状溶融シリカ(SO−32R)20%を添加した。
なお、このプリプレグを200℃×30分間処理して得られた硬化物の面上での30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]は16ppmであり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]は18ppmであった。
1.反り量
厚さ0.4mmのプリント配線を作製し、一辺に44個、0.2mm間隔のバンプ(0.1mm径、SnAg)を介して、TEGチップ(一辺10mm、厚さ0.55mm)を搭載し、チップの反り量を測定した。
厚さ0.6mmのプリント配線板を全面エッチングし、得られた積層板から10mm×60mmのテストピースを切り出し、TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983を用いて3℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
UL−94規格に従い、1.0mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
厚さ0.6mmの両面プリント配線板を全面エッチングし、得られた積層板から50mm×50mmのテストピースを切り出し、JIS C6481に従い測定した。
厚さ0.6mmの両面プリント配線板から50mm×50mmに切り出し、JIS C 6481に従い半面エッチングを行ってテストピースを作成した。125℃のプレッシャークッカーで処理した後、260℃の半田槽に銅箔面を下にして浮かべ、180秒後に膨れが発生する処理時間を計測した。
回路配線の設計の自由度は、銅箔をエッチングしてテストパターンを形成して加熱処理後のパターンのずれ等を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:配線のずれが、配線幅の1/3以下である。
○:配線のずれが、配線幅の1/3を超え、1/2以下である。
△:配線のずれが、配線幅の1/2を超え、2/3以下である。
×:配線のずれが、配線幅の2/3を超える。
また、実施例1〜9は、ガラス転移温度が高く、難燃性も高かった。
また、実施例1〜6および実施例8〜9は、吸水率が低く、吸湿半田耐熱性にも優れていた。
実施例1〜9および比較例1、2で得られた回路基板に、Pb36重量%−Sn64重量%の共晶半田ペーストを印刷法にて印刷した。接続部の大きさはφ0.08mm、ピッチ0.16mmにてマトリックス状に配設した。
その後、一辺に44個、0.16mm間隔、φ0.08mmの共晶半田ボールを介して、TEGチップ(一辺10mm、厚さ0.55mm)を位置合わせして載置し、リフロー処理を行い、半導体装置を作製した。
得られた半導体装置について、接続信頼性を評価したところ実施例1〜9で得られた半導体装置については優れた接続信頼性が確認された。
本発明の半導体装置は、高い接続信頼性が要求されるような用途に好適に用いることができる。
以下、参考形態の一例を付記する。
<1>
シアネート樹脂と、無機充填材とを含む樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグであって、
前記プリプレグの面上で互いに直行するX、Y方向を設定したとき、前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]が10ppm/℃以下であり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]が10ppm/℃以下であることを特徴とするプリプレグ。
<2>
前記繊維基材は、縦糸と横糸とを平織りしたものである<1>に記載のプリプレグ。
<3>
前記X方向は前記繊維基材を構成する繊維の縦糸方向であり、前記Y方向は前記繊維基材を構成する繊維の横糸方向である<1>または<2>に記載のプリプレグ。
<4>
前記X方向の熱膨張係数[Ax]と、前記Y方向の熱膨張係数[Ay]との差の絶対値が5ppm/℃以下である<1>ないし<3>のいずれかに記載のプリプレグ。
<5>
前記繊維基材を構成する主な繊維は、ガラス繊維である<1>ないし<4>のいずれかに記載のプリプレグ。
<6>
前記ガラス繊維を構成するガラスは、Tガラスである<5>に記載のプリプレグ。
<7>
前記無機充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の50〜80重量%である<1>ないし<6>のいずれかに記載のプリプレグ。
<8>
<1>ないし<7>のいずれかに記載のプリプレグの硬化物を有する回路基板。
<9>
<8>に記載の回路基板に半導体素子が搭載されていることを特徴とする半導体装置。
1a プリプレグ
1b プリプレグ
1c プリプレグ
1d プリプレグ
2 金属層
21 回路配線
4 半導体素子
41 半田ボール
10 回路基板
100 半導体装置
Claims (12)
- シアネート樹脂と、無機充填材とを含む樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグであって、
前記プリプレグの厚さが、0.02〜0.1mmであり、
前記無機充填材が、溶融シリカであり、
前記プリプレグの面上で互いに直行するX、Y方向を設定したとき、前記プリプレグを硬化してなる硬化物の30〜150℃での、前記X方向の熱膨張係数[Ax]が10ppm/℃以下であり、かつ前記Y方向の熱膨張係数[Ay]が10ppm/℃以下であることを特徴とするプリプレグ。 - 前記繊維基材の厚さが、10〜100μmである請求項1に記載のプリプレグ。
- 前記繊維基材は、縦糸と横糸とを平織りしたものである請求項1または2に記載のプリプレグ。
- 前記X方向は前記繊維基材を構成する繊維の縦糸方向であり、前記Y方向は前記繊維基材を構成する繊維の横糸方向である請求項1ないし3のいずれかに記載のプリプレグ。
- 前記X方向の熱膨張係数[Ax]と、前記Y方向の熱膨張係数[Ay]との差の絶対値が5ppm/℃以下である請求項1ないし4のいずれかに記載のプリプレグ。
- 前記繊維基材を構成する主な繊維は、ガラス繊維である請求項1ないし5のいずれかに記載のプリプレグ。
- 前記ガラス繊維を構成するガラスは、Tガラスである請求項6に記載のプリプレグ。
- 前記シアネート樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の5〜60重量%である請求項1ないし7のいずれかに記載のプリプレグ。
- 前記無機充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の50〜80重量%である請求項1ないし8のいずれかに記載のプリプレグ。
- 前記樹脂組成物は、エポキシ樹脂をさらに含む、請求項1ないし9のいずれかに記載のプリプレグ。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載のプリプレグの硬化物を有する回路基板。
- 請求項11に記載の回路基板に半導体素子が搭載されていることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014101960A JP5835401B2 (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | プリプレグ、回路基板および半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014101960A JP5835401B2 (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | プリプレグ、回路基板および半導体装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011248956A Division JP5788297B2 (ja) | 2011-11-14 | 2011-11-14 | プリプレグ、回路基板および半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014141689A JP2014141689A (ja) | 2014-08-07 |
JP5835401B2 true JP5835401B2 (ja) | 2015-12-24 |
Family
ID=51423230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014101960A Active JP5835401B2 (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | プリプレグ、回路基板および半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5835401B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017034224A (ja) * | 2015-07-29 | 2017-02-09 | 京セラ株式会社 | 電子モジュール |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0715527B2 (ja) * | 1987-04-30 | 1995-02-22 | 株式会社日立製作所 | 光・電気集積回路 |
JPH07252370A (ja) * | 1994-01-25 | 1995-10-03 | Matsushita Electric Works Ltd | 低熱膨張複合材料とその製造方法 |
JPH07263586A (ja) * | 1994-03-18 | 1995-10-13 | Hitachi Ltd | 樹脂封止型半導体装置および半導体実装装置 |
JP2003050384A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 反射型液晶表示素子用プラスチック基板 |
JP2003213019A (ja) * | 2002-01-24 | 2003-07-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板 |
JP4322463B2 (ja) * | 2002-03-20 | 2009-09-02 | 住友ベークライト株式会社 | 銅張積層板用プリプレグおよび銅張積層板 |
JP4283514B2 (ja) * | 2002-09-24 | 2009-06-24 | 株式会社日立製作所 | 電子回路装置 |
JP2004115629A (ja) * | 2002-09-25 | 2004-04-15 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | プリプレグの製造方法 |
JP2004223864A (ja) * | 2003-01-23 | 2004-08-12 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 積層板の連続製造方法 |
-
2014
- 2014-05-16 JP JP2014101960A patent/JP5835401B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014141689A (ja) | 2014-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5230059B2 (ja) | プリプレグ、回路基板および半導体装置 | |
US20110120754A1 (en) | Multilayer wiring board and semiconductor device | |
JP5533657B2 (ja) | 積層板、回路板および半導体装置 | |
JP3821728B2 (ja) | プリプレグ | |
JP5157103B2 (ja) | プリプレグ、基板および半導体装置 | |
JP4322463B2 (ja) | 銅張積層板用プリプレグおよび銅張積層板 | |
JP5303826B2 (ja) | 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板 | |
JP4400191B2 (ja) | 樹脂組成物およびそれを用いた基板 | |
JP4132755B2 (ja) | 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板 | |
JP2004277671A (ja) | プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板 | |
WO2015072262A1 (ja) | 金属張積層板、回路基板、および電子装置 | |
JP6778889B2 (ja) | プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 | |
JP2006312751A (ja) | 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いた銅張積層板 | |
JP5256681B2 (ja) | 半導体装置、半導体装置用プリント配線板及び銅張積層板 | |
JP5835401B2 (ja) | プリプレグ、回路基板および半導体装置 | |
JP5428212B2 (ja) | 樹脂組成物、プリプレグおよびそれを用いたプリント配線板 | |
JP2011179001A (ja) | プリプレグ、回路基板および半導体装置 | |
JP2009067852A (ja) | ガラス繊維織布入り絶縁樹脂シート、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置 | |
JP4840303B2 (ja) | ガラス繊維織布入り絶縁樹脂シート、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置 | |
JP5476772B2 (ja) | プリプレグおよび積層板 | |
JP2005209489A (ja) | 絶縁シート | |
JP4150178B2 (ja) | 樹脂組成物、プリプレグ及びそれを用いたプリント配線板 | |
JP5788297B2 (ja) | プリプレグ、回路基板および半導体装置 | |
JP4501475B2 (ja) | 絶縁層付き金属箔及び多層プリント配線板 | |
JP2009070891A (ja) | 半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140516 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150217 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150410 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151006 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151019 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5835401 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |