JPH07252370A - 低熱膨張複合材料とその製造方法 - Google Patents

低熱膨張複合材料とその製造方法

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JPH07252370A
JPH07252370A JP10881694A JP10881694A JPH07252370A JP H07252370 A JPH07252370 A JP H07252370A JP 10881694 A JP10881694 A JP 10881694A JP 10881694 A JP10881694 A JP 10881694A JP H07252370 A JPH07252370 A JP H07252370A
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thermal expansion
low thermal
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inorganic particles
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JP10881694A
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Kiyotaka Komori
清孝 古森
Akiyoshi Nozue
明義 野末
Seishiro Yamakawa
清志郎 山河
Hiroki Tamiya
裕記 田宮
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の樹脂系複合材料に比べて、熱膨張係数
が充分低い複合材料およびその製造方法を提供するこ
と。 【構成】 モノフィラメントが集束されてなるストラン
ドからなる補強材により樹脂が強化されてなる複合材料
において、前記ストランドに、金属アルコキシドの反応
生成物および平均粒径1000nm以下の無機粒子のう
ちの少なくとも前記無機粒子からなる低熱膨張化材が前
記補強材100重量部に対して1重量部以上含まれてい
る。この複合材料を製造する際には、前記無機粒子およ
び金属アルコキシドのうちの少なくとも前記無機粒子を
含む処理液を前記補強材に含浸させた後、前記樹脂を含
浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂が補強材で強化さ
れてなり、かつ、低熱膨張である複合材料およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器材料の最近の動向として、小型
化、軽量化と同時に、高速化、高密度化も実現しようと
する試みがある。その目的達成のための一つの手段とし
て、リードレスチップキャリア(LCC)の表面実装技
術(SMT)が挙げられる。アルミナのLCCをプリン
ト回路用基板に直接実装する場合、アルミナとプリント
回路用基板との熱膨張係数が異なると、接合部の半田に
熱履歴によって亀裂が生じる。そのため、直接実装をす
る場合には、プリント回路用基板の熱膨張係数をアルミ
ナの熱膨張係数(7 ppm/℃)にできるだけ近づける必
要がある。さらに、シリコンのベアチップをリードレス
で直接実装しようとする試みもあるが、そのためには、
プリント回路用基板の熱膨張係数をシリコンの熱膨張係
数(3〜4 ppm/℃)にできるだけ近づける必要があ
る。
【0003】このような目的を達成するために、一般
に、アルミナセラミック基板が有用と考えられている。
しかし、セラミック基板は、価格や後加工(切断、孔開
け、接着等)の点で問題が多く、樹脂系複合材料の基板
の研究開発が盛んに行われている。このような樹脂系複
合材料の熱膨張係数の低下のための方策として、補強材
としてQガラスやアラミド等の低熱膨張繊維を用いる方
法、多孔質コージェライトにエポキシ樹脂を含浸する方
法、コージェライトを溶射した銅箔をエポキシ樹脂に接
着する方法、樹脂(ワニス)中にアルミナ粉末、シリカ
ガラス粉末等の低熱膨張フィラーを分散させる方法(特
開平3−5140号および特公昭62−48686号の
各公報参照)、ガラス繊維製基材に金属アルコキシドを
含む液体ゾル/ゲルを付与する方法(特開平5−216
42号公報参照)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した、
樹脂系複合材料の熱膨張係数の低下のための従来の方法
には、以下の問題点があった。Qガラスやアラミド等の
低熱膨張繊維を用いる方法は、低熱膨張繊維の単独使用
では熱膨張係数の低下に限界があり、また、コストが高
い、孔開け加工時のドリル摩耗性が大きい等の問題点が
ある。
【0005】コージェライトを用いる方法は、通常の樹
脂系プリント回路用基板の作製方法(クロスやマットや
ペーパーに含浸する方法)が行えないためコストが高く
つく、コージェライトが硬いためドリル摩耗性が大きい
等の問題点がある。樹脂(ワニス)中にアルミナ粉末、
シリカガラス粉末等の低熱膨張フィラーを分散させる方
法は、含浸方法が使え、また、低熱膨張フィラー自身の
熱膨張係数は低いものであるが、低熱膨張フィラーを樹
脂中に単に分散させても、効率的な低熱膨張化は望めな
い。これは、低熱膨張フィラーが、高熱膨張係数を持つ
樹脂の海に囲まれて孤立した小さな島になっているた
め、低熱膨張化効果を充分に発揮できないからである。
熱膨張係数を効果的に低下させるためには、低熱膨張材
料が樹脂に囲まれて小さく分断されないことが必要であ
る。
【0006】ガラス繊維製基材に金属アルコキシドを含
む液体ゾル/ゲルを付与する方法においては、金属アル
コキシドからの無機膜が連続相を形成することによっ
て、ガラス繊維製基材に残されたポアに樹脂が浸入しに
くくなる。このため、耐湿性が悪くなりやすい。また、
金属アルコキシドから無機膜を作製する工程は、一般的
に煩雑で工業化に不向きである。前記特開平5−216
42号公報の実施例を例にとれば、飽和エタノール蒸気
室中で24時間吊るすこと等が必要となっている。さら
に、熱処理条件によっては、金属アルコキシドの有機側
鎖が残存し、誘電特性を悪くすることも考えられる。
【0007】上記事情に鑑み、本発明は、従来の樹脂系
複合材料に比べて、熱膨張係数が充分低い複合材料、お
よび、この複合材料を容易に製造することのできる方法
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明にかかる低熱膨張複合材料は、第1に、モノ
フィラメントが集束されてなるストランドからなる補強
材により樹脂が強化されてなる複合材料において、前記
ストランドに、平均粒径1000nm以下の無機粒子が
前記補強材100重量部に対して1重量部以上の割合で
含まれていることを特徴とするものである。
【0009】本発明にかかる低熱膨張複合材料は、第2
に、モノフィラメントが集束されてなるストランドから
なる補強材により樹脂が強化されてなる複合材料におい
て、前記ストランドに、平均粒径1000nm以下の無
機粒子と、金属アルコキシドの反応生成物とが、前記補
強材100重量部に対して合計1重量部以上の割合で含
まれていることを特徴とするものである。
【0010】本発明にかかる低熱膨張複合材料の製造方
法は、モノフィラメントが集束されてなるストランドか
らなる補強材で樹脂を強化する際に、平均粒径1000
nm以下の無機粒子を含む処理液を前記補強材に含浸さ
せた後、さらに前記樹脂を含浸させることを特徴とする
方法である。なお、前記無機粒子を含む処理液は、必要
に応じ、金属アルコキシドをも含んでいてもよい。
【0011】補強材としては、モノフィラメントが集束
されてなるストランドからなるものが用いられる。モノ
フィラメントとしては、低熱膨張のものが好ましいが、
特に限定はされない。モノフィラメントの素材は、ガラ
ス(たとえば、Eガラス、Dガラス、Qガラス、Sガラ
ス、Tガラス等)やアラミド樹脂等の1種または2種以
上が好ましい。ストランドの長さについては、長繊維で
用いてもよいし、短繊維で用いてもよい。補強材の形態
としては、低熱膨張の観点から、樹脂含有量ができるだ
け少なくてすむような形態が好ましい。このような形態
の補強材としては、特に限定はされないが、マット、シ
ート(たとえば、クロス(平織、ななこ織等の織り方が
ある)等)、およびこれらの複合物等の繊維成形体等が
例示される。上に挙げた補強材の中でも、ガラスクロス
が特に好ましい。その理由は、クロス形状は、緻密であ
るため樹脂含有量を低くできることや、フィラメントの
連続性が高いことにより、複合材料の低熱膨張化には有
効だからである。また、ガラスが好ましいのは、安価
で、かつ、安定に長繊維を得ることができるからであ
る。
【0012】本発明の低熱膨張複合材料は、補強材を構
成するストランドに、後で詳しく述べるように、平均粒
径1000nm以下の無機粒子のみ、または、この無機
粒子と金属アルコキシドの反応生成物とを低熱膨張化材
として含む。この低熱膨張化材は、低熱膨張化効果をよ
り高くするためには、前記ストランドの内部および表面
のうちの少なくとも内部に含まれていることが好まし
い。また、上記低熱膨張化材は、ストランドの内部およ
び表面の両方に含まれていてもよいが、その場合、低熱
膨張化効果をより高くするためには、低熱膨張化材がス
トランドの表面に比べて内部により多く含まれているこ
とが好ましい。
【0013】ここで、補強材のストランドの内部および
表面とはどの部分を指すのかということについて、補強
材としてガラスクロスを例に挙げ、図面を参照しながら
以下に説明する。図1は、ガラスクロスを表す。この図
にみるように、ガラスクロスを構成する縦糸方向および
横糸方向のストランドは、縦糸のモノフィラメント1a
および横糸のモノフィラメント1bがそれぞれ多数集束
されたものである。これらのストランドの最も表面にあ
る、モノフィラメント1a同士およびモノフィラメント
1b同士をつなぎ合わせた接線2(図1中の太線)をス
トランドと外部との境界線とし、この境界線2よりも内
側で、かつ、モノフィラメント1a同士間、モノフィラ
メント1b同士間およびそれら1aと1bの間の隙間に
相当する部分3がストランドの内部であり、ちょうど境
界線2に相当する部分がストランドの表面である。
【0014】補強材を構成するストランドに含まれてい
る平均粒径1000nm以下の無機粒子は、それ自身、
低熱膨張の材料である。その熱膨張係数は、特に限定さ
れるわけではないが、10 ppm/℃以下であることが好
ましい。無機粒子の熱膨張係数が10 ppm/℃より大き
いと、複合材料の熱膨張係数がアルミナ(7 ppm/℃)
やシリコン(3〜4 ppm/℃)に比べて大きくなりすぎ
るからである。
【0015】ストランドは、平均粒径1000nm以下
の無機粒子のみを低熱膨張化材として含んでいてもよい
が、低熱膨張化効果をより高くするためには、この無機
粒子に加え、金属アルコキシドの反応生成物をも低熱膨
張化材として含んでいることが好ましい。無機粒子とし
て平均粒径1000nm以下のものを用いる理由は、以
下の通りである。ストランドを構成するモノフィラメン
トは、通常、数μmの太さであるため、モノフィラメン
ト間の隙間はミクロンオーダーになるので、ストランド
の内部まで無機粒子を容易に含ませるためには、その平
均粒径が1μm(=1000nm)以下であることが好
ましいからである。さらに、このように平均粒径の小さ
い無機粒子は、水等を媒体とする処理液中で容易に単分
散するので好ましい。
【0016】なお、前記無機粒子としては、平均粒径1
〜100nmのコロイド粒子がさらに好ましい。このよ
うな無機粒子は、その粒径がさらに小さいので、より狭
いストランドの隙間にも入っていけるからである。しか
し、コロイド粒子の平均粒径は、小さければ小さいほど
よいわけではなく、1nm未満になると、コロイド粒子
の比表面積が非常に大きくなる(たとえば、1360m
2 /g以上になる)ため、樹脂との界面制御が困難にな
るので、コロイド粒子の平均粒径の下限は1nmであ
る。
【0017】平均粒径1000nm以下の無機粒子とし
ては、特に限定されるわけではないが、徳山曹達(株)
等が製造している溶融シリカや、昭和電工(株)、住友
化学(株)等が製造している微粒子アルミナ等のサブミ
クロンオーダーの市販粒子等が好ましい。粒径のさらに
小さい前記コロイド粒子としては、特に限定されるわけ
ではないが、日産化学(株)等が製造しているシリカゾ
ル、アルミナゾル、チタニアゾル等のゾル、日本アエロ
ジル(株)等が製造している超微粒子シリカ、石原産業
(株)等が製造している超微粒子チタニア等が好まし
い。これらのコロイド粒子の中でも、シリカが特に好ま
しい。その理由は、シリカは、容易に入手できる粒子の
中で最も熱膨張係数が低い(0.55 ppm/℃)からで
ある。上述した市販の粒子以外にも、径の小さいボール
を用いれば、ボールミル等の機械的粉砕によってもサブ
ミクロン粒子やコロイド粒子を得ることができる。ここ
で、粉砕する材料は、低熱膨張材料であることが望まれ
るので、シリカガラス、Eガラス、Tガラス等のガラ
ス、β−スポジュメンを析出させた結晶化ガラス(日本
電気硝子(株)製のネオセラム等)、窒化ほう素、窒化
珪素、ムライト、窒化アルミニウム、コージェライト、
チタン酸アルミニウム(Al2 3 ・TiO2 )、β−
ユークリプタイト等の結晶等が好ましい。
【0018】一方、前記金属アルコキシドは、アルコー
ル等の溶媒に完全に溶解する。そのため、金属アルコキ
シドは、上記無機粒子と同様に、それを含む処理液を補
強材に含浸させることにより、ストランドの内部まで容
易に入っていくことができるので、好ましい。金属アル
コキシドとしては、特に限定されるわけではないが、シ
リコンアルコキシド、チタニウムアルコキシド、アルミ
ニウムアルコキシド、マグネシウムアルコキシド、リチ
ウムアルコキシド等が好ましい。その理由は、これらの
原料を用いれば、金属アルコキシドの反応生成物を容易
に得ることができるからである。これらの金属アルコキ
シドの中でも、シリコンアルコキシドがより好ましい。
シリコンアルコキシドは、上記金属アルコキシドの中で
は、安価であり、安定性も高いとともに、その反応生成
物であるシリカの熱膨張係数がより低い(0.55 ppm
/℃)からである。
【0019】以下に、上記で例示した各金属アルコキシ
ドについて説明する。シリコンアルコキシド(「ケイ素
アルコキシド」、「アルコキシシラン」とも言う)とし
ては、特に限定されるわけではないが、下記一般式
(1)で表されるものが好ましい。 R1 nSi(OR2)4-n …(1) (式中、R1 は同一または異種の1価の基を示し、R2
は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8
のアルキル基を示し、nは0〜3の整数を示す。ただ
し、R1 とR2 とは互いに同一でも異なっていてもよ
い。) シリコンアルコキシドのより具体的な例を述べると、前
記一般式(1)中、n=0のテトラアルコキシシランと
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
等が例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が例
示できる。また、n=2のジオルガノジアルコキシシラ
ンとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン
等が例示でき、n=3のトリオルガノアルコキシシラン
としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエト
キシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチ
ルイソブチルメトキシシラン等が例示できる。さらに、
一般にシランカップリング剤と呼ばれるオルガノシラン
化合物もシリコンアルコキシドに含まれる。
【0020】チタニウムアルコキシドとしては、特に限
定されるわけではないが、下記一般式(2)で表される
ものが好ましい。 R1 nTi(OR2)4-n …(2) (式中、R1 、R2 およびnは前記式(1)中のものと
同じである。) チタニウムアルコキシドのより具体的な例を述べると、
前記一般式(2)中、n=0のアルコキシドとしては、
チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキ
シド等が例示できる。n=1、2のアルコキシドはあま
り知られていない。n=3のアルコキシドとしては、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロ
ピルトリス(ジオクチパイロホスフェート)チタネー
ト、イソプロピルトリス(N−アミノエチル−アミノエ
チル)チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタ
ネート等が例示できる。さらに、一般にチタネートカッ
プリング剤と呼ばれる化合物もチタニウムアルコキシド
に含まれる。
【0021】アルミニウムアルコキシドとしては、特に
限定されるわけではないが、下記一般式(3)で表され
るものが好ましい。 R1 nAl(OR2)3-n …(3) (式中、R1 およびR2 は前記式(1)中のものと同じ
であり、nは0〜2の整数を示す。) アルミニウムアルコキシドのより具体的な例を述べる
と、前記一般式(3)中、n=0のアルコキシドとして
は、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエ
トキシド等が例示でき、n=1のアルコキシドとして
は、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート
等が例示できる。n=2のアルコキシドはあまり知られ
ていない。
【0022】マグネシウムアルコキシドとしては、マグ
ネシウムジメトキシド、マグネシウムジエトキシド等が
例示でき、リチウムアルコキシドとしては、リチウムメ
トキシド、リチウムエトキシド等が例示できる。ストラ
ンドに含まれている平均粒径1000nm以下の無機粒
子の量(金属アルコキシドの反応生成物を併用する場合
は、その量も含める)は、補強材100重量部に対して
1重量部以上である。この量が1重量部未満であると、
複合材料の熱膨張係数の低下効果が不充分になるからで
ある。より大きな低熱膨張化効果を得るためには、上記
無機粒子の量(金属アルコキシドの反応生成物を併用す
る場合は、その量も含める)は補強材100重量部に対
して10重量部以上であることが好ましい。
【0023】また、複合材料の耐湿性を良くするために
は、 低熱膨張化材として前記無機粒子のみを用いる場
合、その量が補強材100重量部に対して30重量部以
下であること、 低熱膨張化材として前記無機粒子と金属アルコキシ
ドの反応生成物とを併用する場合、それらの合計量が補
強材100重量部に対して30重量部以下であること、 低熱膨張化材として前記無機粒子と金属アルコキシ
ドの反応生成物とを併用する場合、それらの重量比が、
前記無機粒子100重量部に対して金属アルコキシドの
反応生成物20重量部以下の割合であること のいずれか1つの条件または上記およびの両条件が
成立することが好ましい(低熱膨張化材の量はいずれも
ストランドに含まれている量)。その理由はまだ確認は
されていないが、以下の通りであると推定される。
【0024】上記条件が成立する場合、平均粒径100
0nm以下の無機粒子は、粒子間に隙間があることで、
補強材内部に残存するポアへの樹脂の浸入を容易にし、
また、樹脂の浸入時に無機粒子が流動することによって
前記ポアへの樹脂の浸入をさらに容易にするので、複合
材料の耐湿性が良くなる。しかし、前記無機粒子の代わ
りに金属アルコキシドの反応生成物を低熱膨張化材とし
て用いた場合、ならびに、前記無機粒子と、この無機粒
子100重量部に対して20重量部を超える量の金属ア
ルコキシドの反応生成物とを低熱膨張化材として併用し
た場合は、金属アルコキシドからの無機膜(金属アルコ
キシドの反応生成物)が連続相を形成することによっ
て、ガラス繊維製基材に残されたポアに樹脂が浸入しに
くくなる。このため、耐湿性が悪くなりやすい。また、
低熱膨張化材として前記無機粒子を、補強材100重量
部に対して無機粒子が30重量部を超える量用いた場
合、ならびに、低熱膨張化材として前記無機粒子と金属
アルコキシドの反応生成物とを、それらの合計量が補強
材100重量部に対して30重量部を超える量併用した
場合は、これらの低熱膨張化材が緻密になり、その隙間
に樹脂が浸入しにくくなるので、ガラス繊維製基材に残
されたポアに樹脂が浸入しにくくなる。このため、耐湿
性が悪くなりやすい。
【0025】補強材で強化される樹脂としては、特に限
定はされず、使用条件に応じて適宜選択されるが、たと
えば、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フェノール樹脂、P
PO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂、フッ素樹脂
(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン等)ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレンお
よびこれらの各種変性樹脂等が挙げられる。これらは、
1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
【0026】本発明の低熱膨張複合材料は、特に限定さ
れるわけではないが、たとえば、以下の方法により製造
される。まず、補強材を構成するストランドに平均粒径
1000nm以下の無機粒子を含ませるための処理を行
う。その方法としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、水、アルコール等の有機溶媒またはそれらの混合物
からなる媒体中に前記無機粒子を分散および/または溶
解させて、処理液を調製し、この処理液を補強材に含浸
させた後、乾燥させる方法等が挙げられる。金属アルコ
キシドを前記無機粒子と併用する場合は、無機粒子およ
び金属アルコキシドは、それらを同一の処理液に含ませ
て補強材に含浸させてもよいし、あるいは、無機粒子を
含む第1の処理液と、金属アルコキシドを含む第2の処
理液を調製し、これらの処理液を別個に補強材に含浸さ
せてもよい。含浸の方法は、特に限定はされず、たとえ
ば、前記処理液中に補強材を浸漬する方法でもよいし、
補強材として前述の繊維成形体を用いる場合は、その表
面に前記処理液を塗布する方法でもよい。前記無機粒子
(および金属アルコキシド)を含浸させた補強材は、必
要に応じては、シランカップリング剤等で表面処理して
もよい。また、前記無機粒子(および金属アルコキシ
ド)の含浸に用いる前記処理液には、場合によっては、
カップリング剤、硬化触媒等が含まれていてもよい。含
浸後の乾燥は加熱により行ってもよい。
【0027】次に、前記で無機粒子(および金属アルコ
キシド)を含浸させた補強材に、樹脂溶液(ワニス)を
含浸させる。含浸後、乾燥させ、所望の形状に成形、硬
化させることにより、複合材料を得る。なお、成形、硬
化時の温度、圧力等の条件は用途に応じて適宜選択され
る。
【0028】
【作用】モノフィラメントが集束されてなるストランド
からなる補強材により樹脂が強化されてなる複合材料に
おいて、前記ストランドに、金属アルコキシドの反応生
成物および平均粒径1000nm以下の無機粒子のうち
の少なくとも前記無機粒子からなる低熱膨張化材が前記
補強材100重量部に対して1重量部以上含まれている
と、複合材料の熱膨張係数が効果的に低下する。その理
由は、まだ確認はされていないが、以下の通りであると
推定される。
【0029】前記低熱膨張化材が、補強材を構成するス
トランドに含まれているため、補強材の熱膨張係数が低
下し、これにより、複合材料の熱膨張係数も低下する。
また、前記低熱膨張化材が補強材のストランドと結合す
る(無機粒子の場合は、無機粒子同士が接触し合うこと
が加わる;金属アルコキシドの反応生成物の場合は、そ
れら反応生成物同士がさらに反応し合うことが加わる)
ことにより、低熱膨張化材が連続体を形成するため、複
合材料の熱膨張係数がさらに低下する。この低熱膨張化
効果は、低熱膨張フィラーが高熱膨張係数を持つ樹脂の
海に囲まれて孤立した小さな島になっている前述の従来
の複合材料に比べて、高いものとなる。低熱膨張の補強
材だけでは熱膨張係数の低下に限界があり、補強材のス
トランドに前記低熱膨張化材を前記所定量以上含ませる
ことにより、複合材料の熱膨張係数が効果的に低下す
る。もしも、低熱膨張化材の量が前記所定量を下回る
と、この低熱膨張化効果が不十分となる。
【0030】特に、前記金属アルコキシドの反応生成物
と平均粒径1000nm以下の無機粒子とを低熱膨張化
材として併用すると、これらの低熱膨張化材のうちの一
方のみの使用に比べて、低熱膨張化効果がさらに高くな
る。この理由もまだ確認はされていないが、金属アルコ
キシドの反応生成物と前記無機粒子がお互いの隙間を埋
め合うことにより、これらの低熱膨張化材のうちの一方
のみの使用に比べて、低熱膨張化材の連続性がより高く
なるためであると推定される。
【0031】モノフィラメントが集束されてなるストラ
ンドからなる補強材で樹脂を強化する際に、金属アルコ
キシドの反応生成物および平均粒径1000nm以下の
無機粒子のうちの少なくとも前記無機粒子を含む処理液
を前記補強材に含浸させた後、前記樹脂を含浸させる
と、煩雑な工程を必要としないので、上記優れた複合材
料を容易に製造することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を説明する
が、本発明は下記実施例に限定されない。 −実施例1−1− コロイダルシリカ水溶液(日産化学社製、スノーテック
スOL、コロイダルシリカの平均粒径45nm)100
gをA液とした。
【0033】これとは別に、KBM573(アミノシラ
ン系カップリング剤、信越化学社製)2gとエタノール
198gとを15分間攪拌混合することにより、B液を
得た。Eガラスの平織クロス(旭シュエーベル社製の2
16AS450、厚み100μm、繊維径7μm、織密
度(25mm当たり):縦60本・横55本)を、まずA
液に浸漬した後、3mm/sの速度でゆっくり引き上げ
た。その後、1分間室温で乾燥させた後、180℃で3
0分間熱処理を行った。このコーティングの作業を2回
繰り返した。その後、ガラスクロスをB液に浸漬した
後、15mm/sの速度で引き上げた。室温で1分間乾燥
した後、110℃で10分間熱処理した。これにより、
処理済ガラスクロスを得た。
【0034】次に、DER511(エポキシ樹脂、ダウ
ケミカル社製)80g、YDCN220(エポキシ樹
脂、東都化成社製)11g、ジシアンジアミド2g、2
E4MZ(硬化助剤、四国化成社製)0.05g、およ
び、溶剤としてメトキシプロパノール60gを混合し、
ディスパーで30分間攪拌することにより、ワニスを得
た。
【0035】このワニスを、前記で得られた処理済ガラ
スクロスに含浸させ、間隔0.2mmのロールで絞った
後、150℃で5分間乾燥した。このワニス含浸ガラス
クロスを30枚重ね、170℃、30kg/cm2で90分間
プレスして成形することにより、複合材料を得た。 −実施例1−2− 実施例1−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.25mmのロールで絞ったこと以
外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。
【0036】−実施例1−3− 実施例1−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.3mmのロールで絞ったこと以外
は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。 −実施例1−4− 実施例1−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.35mmのロールで絞ったこと以
外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。
【0037】−実施例1−5− 実施例1−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.4mmのロールで絞ったこと以外
は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。 −実施例1−6− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を3回繰り返したこと以外は実施例1−1
と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0038】−実施例1−7− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を3回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.25mmのロール
で絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0039】−実施例1−8− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を3回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロールで
絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、
複合材料を得た。
【0040】−実施例1−9− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を3回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.35mmのロール
で絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0041】−実施例1−10− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を3回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロールで
絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、
複合材料を得た。
【0042】−実施例1−11− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を4回繰り返したこと以外は実施例1−1
と同様の操作を行って、複合材料を得た。 −実施例1−12− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を4回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.25mmのロール
で絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0043】−実施例1−13− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を4回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロールで
絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、
複合材料を得た。
【0044】−実施例1−14− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を4回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.35mmのロール
で絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0045】−実施例1−15− 実施例1−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を4回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロールで
絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、
複合材料を得た。
【0046】−実施例1−16− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびテ
トラエトキシシラン(以下「TEOS」と称する)5.
2gをよく混合した後、これに、コロイダルシリカ水溶
液(実施例1−1で用いたものと同じもの)75gを注
ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液を得たこと
以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料を
得た。
【0047】−実施例1−17− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.25mmのロールで絞ったこと以外は実施
例1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0048】−実施例1−18− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.3mmのロールで絞ったこと以外は実施例
1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0049】−実施例1−19− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.35mmのロールで絞ったこと以外は実施
例1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0050】−実施例1−20− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.4mmのロールで絞ったこと以外は実施例
1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0051】−実施例1−21− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を3回繰り返したこと以外は実施例1−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。
【0052】−実施例1−22− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を3回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.25mmのロールで絞った
こと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0053】−実施例1−23− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を3回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0054】−実施例1−24− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を3回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.35mmのロールで絞った
こと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0055】−実施例1−25− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を3回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0056】−実施例1−26− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を4回繰り返したこと以外は実施例1−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。
【0057】−実施例1−27− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を4回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.25mmのロールで絞った
こと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0058】−実施例1−28− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を4回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0059】−実施例1−29− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を4回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.35mmのロールで絞った
こと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0060】−実施例1−30− 実施例1−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例1−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を4回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0061】−比較例1−1− 実施例1−1において、Eガラスの平織クロスに全く処
理を施さずにワニスを含浸させたこと以外は実施例1−
1と同様の操作を行って、複合材料を得た。 −比較例1−2− 実施例1−1において、Eガラスの平織クロスに全く処
理を施さずにワニスを含浸させるとともに、間隔0.3
mmのロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操
作を行って、複合材料を得た。
【0062】−比較例1−3− 実施例1−1において、Eガラスの平織クロスに全く処
理を施さずにワニスを含浸させるとともに、間隔0.4
mmのロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操
作を行って、複合材料を得た。 −比較例1−4− 実施例1−1において、ワニスにシリカガラス粉末(平
均粒径5.6μm)37.4gとメトキシプロパノール
6gとを追加混合したものを、無処理のEガラス平織ク
ロスに含浸させたこと以外は実施例1−1と同様の操作
を行って、複合材料を得た。得られた複合材料におい
て、平織クロスを除いた樹脂とシリカガラス粉末の合計
体積に対するシリカガラス粉末の含有量は20体積%で
ある。
【0063】−比較例1−5− 実施例1−1において、ワニスにシリカガラス粉末(比
較例1−4で用いたものと同じもの)37.4gとメト
キシプロパノール6gとを追加混合したものを、無処理
のEガラス平織クロスに含浸させるとともに、間隔0.
4mmのロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。得られた複合材料にお
いて、平織クロスを除いた樹脂とシリカガラス粉末の合
計体積に対するシリカガラス粉末の含有量は20体積%
である。
【0064】−比較例1−6− 実施例1−1において、ワニスにシリカガラス粉末(比
較例1−4で用いたものと同じもの)99.7gとメト
キシプロパノール12gとを追加混合したものを、無処
理のEガラス平織クロスに含浸させたこと以外は実施例
1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。得られ
た複合材料において、平織クロスを除いた樹脂とシリカ
ガラス粉末の合計体積に対するシリカガラス粉末の含有
量は40体積%である。
【0065】−比較例1−7− 実施例1−1において、ワニスにシリカガラス粉末(比
較例1−4で用いたものと同じもの)99.7gとメト
キシプロパノール12gとを追加混合したものを、無処
理のEガラス平織クロスに含浸させるとともに、間隔
0.4mmのロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同
様の操作を行って、複合材料を得た。得られた複合材料
において、平織クロスを除いた樹脂とシリカガラス粉末
の合計体積に対するシリカガラス粉末の含有量は40体
積%である。
【0066】−比較例1−8− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たこと以外は実施例1−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。
【0067】−比較例1−9− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0068】−比較例1−10− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.35mmのロールで絞った
こと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0069】−比較例1−11− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0070】−比較例1−12− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を3回繰り返したこと以外は実施例
1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0071】−比較例1−13− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を3回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロ
ールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行
って、複合材料を得た。
【0072】−比較例1−14− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を3回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.35mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0073】−比較例1−15− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を3回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロ
ールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行
って、複合材料を得た。
【0074】−比較例1−16− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を4回繰り返したこと以外は実施例
1−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0075】−比較例1−17− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を4回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.3mmのロ
ールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行
って、複合材料を得た。
【0076】−比較例1−18− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を4回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.35mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0077】−比較例1−19− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を4回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.4mmのロ
ールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を行
って、複合材料を得た。
【0078】−比較例1−20− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.25mmのロールで絞った
こと以外は実施例1−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0079】−比較例1−21− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を3回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.25mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0080】−比較例1−22− 実施例1−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を4回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.25mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例1−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0081】−実施例2−1− コロイダルシリカ水溶液(日産化学社製、スノーテック
スOL、コロイダルシリカの平均粒径45nm)100
gをA液とした。これとは別に、KBM573(アミノ
シラン系カップリング剤、信越化学社製)2gとエタノ
ール198gとを15分間攪拌混合することにより、B
液を得た。
【0082】Eガラスのななこ織クロス(旭シュエーベ
ル社製の6777/330、AS450MV処理品、繊
維径7μm、糸使い:縦E113・横E232、打込密
度(25mm当たり):縦37本・横68本)に、まずA
液を含浸させた。その後、1分間室温で乾燥させた後、
180℃で30分間熱処理を行った。このコーティング
の作業を1回だけ行った。その後、上記ガラスクロスに
B液を含浸させた。室温で1分間乾燥した後、110℃
で10分間熱処理した。これにより、処理済ガラスクロ
スを得た。
【0083】次に、DER511(エポキシ樹脂、ダウ
ケミカル社製)80g、YDCN220(エポキシ樹
脂、東都化成社製)11g、ジシアンジアミド2g、2
E4MZ(硬化助剤、四国化成社製)0.05g、およ
び、溶剤としてメトキシプロパノール60gを混合し、
ディスパーで30分間攪拌することにより、ワニスを得
た。
【0084】このワニスを、前記で得られた処理済ガラ
スクロスに含浸させ、間隔0.14mmのロールで絞った
後、150℃で5分間乾燥した。このワニス含浸ガラス
クロスを30枚重ね、170℃、30kg/cm2で90分間
プレスして成形することにより、複合材料を得た。 −実施例2−2− 実施例2−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.17mmのロールで絞ったこと以
外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。
【0085】−実施例2−3− 実施例2−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.20mmのロールで絞ったこと以
外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。 −実施例2−4− 実施例2−1において、処理済ガラスクロスにワニスを
含浸させた後、間隔0.23mmのロールで絞ったこと以
外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得
た。
【0086】−実施例2−5− 実施例2−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を2回繰り返したこと以外は実施例2−1
と同様の操作を行って、複合材料を得た。 −実施例2−6− 実施例2−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を2回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.17mmのロール
で絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0087】−実施例2−7− 実施例2−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を2回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロール
で絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0088】−実施例2−8− 実施例2−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を2回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.23mmのロール
で絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0089】−実施例2−9− 実施例2−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を3回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロール
で絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0090】−実施例2−10− 実施例2−1において、ガラスクロスにA液をコーティ
ングする作業を4回繰り返すとともに、処理済ガラスク
ロスにワニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロール
で絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を行っ
て、複合材料を得た。
【0091】−実施例2−11− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たこと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、
複合材料を得た。
【0092】−実施例2−12− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.17mmのロールで絞ったこと以外は実施
例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0093】−実施例2−13− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.20mmのロールで絞ったこと以外は実施
例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0094】−実施例2−14− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、処理済ガラスクロスにワニスを含浸させ
た後、間隔0.23mmのロールで絞ったこと以外は実施
例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0095】−実施例2−15− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を2回繰り返したこと以外は実施例2−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。
【0096】−実施例2−16− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を2回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.17mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0097】−実施例2−17− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を2回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0098】−実施例2−18− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を2回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.23mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0099】−実施例2−19− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を3回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0100】−実施例2−20− 実施例2−1において、エタノール22.5gおよびT
EOS5.2gをよく混合した後、これに、コロイダル
シリカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)
75gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液
を得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする
作業を4回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0101】−実施例2−21− 実施例2−1において、エタノール27gおよびTEO
S15.6gをよく混合した後、これに、コロイダルシ
リカ水溶液(実施例2−1で用いたものと同じもの)7
5gを注ぎ込み、15分間攪拌することにより、A液を
得たことと、ガラスクロスにA液をコーティングする作
業を2回繰り返したことと、処理済ガラスクロスにワニ
スを含浸させた後、間隔0.20mmのロールで絞ったこ
と以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材料
を得た。
【0102】−比較例2−1− 実施例2−1において、Eガラスのななこ織クロスに全
く処理を施さずにワニスを含浸させたことと、間隔0.
10mmのロールで絞ったこと以外は実施例2−1と同様
の操作を行って、複合材料を得た。 −比較例2−2− 実施例2−1において、Eガラスのななこ織クロスに全
く処理を施さずにワニスを含浸させたことと、間隔0.
14mmのロールで絞ったこと以外は実施例2−1と同様
の操作を行って、複合材料を得た。
【0103】−比較例2−3− 実施例2−1において、Eガラスのななこ織クロスに全
く処理を施さずにワニスを含浸させたことと、間隔0.
23mmのロールで絞ったこと以外は実施例2−1と同様
の操作を行って、複合材料を得た。 −比較例2−4− 実施例2−1において、ワニスにシリカガラス粉末(平
均粒径5.6μm)37.4gとメトキシプロパノール
6gとを追加混合したものを、無処理のEガラスななこ
織クロスに含浸させたこと以外は実施例2−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。得られた複合材料にお
いて、ななこ織クロスを除いた樹脂とシリカガラス粉末
の合計体積に対するシリカガラス粉末の含有量は20体
積%である。
【0104】−比較例2−5− 実施例2−1において、ワニスにシリカガラス粉末(比
較例2−4で用いたものと同じもの)37.4gとメト
キシプロパノール6gとを追加混合したものを、無処理
のEガラスななこ織クロスに含浸させるとともに、間隔
0.23mmのロールで絞ったこと以外は実施例2−1と
同様の操作を行って、複合材料を得た。得られた複合材
料において、ななこ織クロスを除いた樹脂とシリカガラ
ス粉末の合計体積に対するシリカガラス粉末の含有量は
20体積%である。
【0105】−比較例2−6− 実施例2−1において、ワニスにシリカガラス粉末(比
較例2−4で用いたものと同じもの)99.7gとメト
キシプロパノール12gとを追加混合したものを、無処
理のEガラスななこ織クロスに含浸させたこと以外は実
施例2−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。得
られた複合材料において、ななこ織クロスを除いた樹脂
とシリカガラス粉末の合計体積に対するシリカガラス粉
末の含有量は40体積%である。
【0106】−比較例2−7− 実施例2−1において、ワニスにシリカガラス粉末(比
較例2−4で用いたものと同じもの)99.7gとメト
キシプロパノール12gとを追加混合したものを、無処
理のEガラスななこ織クロスに含浸させるとともに、間
隔0.23mmのロールで絞ったこと以外は実施例2−1
と同様の操作を行って、複合材料を得た。得られた複合
材料において、ななこ織クロスを除いた樹脂とシリカガ
ラス粉末の合計体積に対するシリカガラス粉末の含有量
は40体積%である。 −比較例2−8− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たこと以外は実施例2−1と同様の
操作を行って、複合材料を得た。
【0107】−比較例2−9− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.17mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0108】−比較例2−10− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.20mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0109】−比較例2−11− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、処理済ガラスクロスにワ
ニスを含浸させた後、間隔0.23mmのロールで絞った
こと以外は実施例2−1と同様の操作を行って、複合材
料を得た。
【0110】−比較例2−12− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を2回繰り返したこと以外は実施例
2−1と同様の操作を行って、複合材料を得た。
【0111】−比較例2−13− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を2回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.17mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0112】−比較例2−14− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を2回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.20mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0113】−比較例2−15− 実施例2−1において、エタノール18.8g、純水2
2.9gおよび35%塩酸0.9gをよく混合した後、
これを、TEOS25gとエタノール18.8gとをよ
く混合してなる溶液中に注ぎ込み、15分間攪拌するこ
とにより、A液を得たことと、ガラスクロスにA液をコ
ーティングする作業を2回繰り返したことと、処理済ガ
ラスクロスにワニスを含浸させた後、間隔0.23mmの
ロールで絞ったこと以外は実施例2−1と同様の操作を
行って、複合材料を得た。
【0114】実施例1−1〜1−30、実施例2−1〜
2−21および比較例2−8〜2−15で得られた複合
材料について、重量分率を以下のようにして求めた。補
強材(Eガラスの平織クロスまたはななこ織クロス)
は、面積当たりの重量を予め計量しておいて、使用した
面積から重量を求めた。補強材に含浸させたTEOSの
反応生成物および/またはコロイダルシリカの重量は、
処理クロスの重量を計量し、その値から、予め求めてお
いた処理前のクロス重量を引いて求めた。なお、TEO
Sの反応生成物とコロイダルシリカとを併用した場合、
TEOSの反応生成物の量は、A液に含まれていたTE
OSが完全に加水分解したと仮定して、A液の仕込量よ
り計算した。樹脂の重量は、複合材料の重量を計量し、
その値から、先に求めた処理クロスの重量を引いて求め
た。
【0115】比較例1−1〜1−7および比較例2−1
〜2−7で得られた複合材料については、重量分率を以
下のようにして求めた。補強材(Eガラスの平織クロス
またはななこ織クロス)の重量は、実施例と同様にして
求めた。樹脂の重量は、複合材料の重量を測定後、75
0℃で4時間かけて樹脂を焼却し、その消失重量とし
た。シリカガラス粉末の重量は、焼却後の残分の重量か
ら補強材の重量を引くことによって求めた。
【0116】ここで、TEOSおよびコロイダルシリカ
は、ほぼ重縮合反応が終了しており、ほぼシリカガラス
と同程度の密度になっていると考えられるので、重量分
率が等しければ、体積分率も等しいと考えられる。実施
例1−1〜1−30および比較例1−1〜1−22の複
合材料についてはガラスクロスの縦糸方向のみの熱膨張
係数、ならびに、実施例2−1〜2−21および比較例
2−1〜2−15の複合材料についてはガラスクロスの
縦糸方向および横糸方向の熱膨張係数をそれぞれTMA
(Thermomechanical Analyzer)で測定した。この測定
は、5℃/分の昇温速度で室温から155℃まで行い、
40〜80℃の熱膨張係数の値を求めた。
【0117】また、実施例2−1〜2−21、比較例2
−1〜2−3および比較例2−8〜2−15の複合材料
の耐湿試験後の誘電正接( tanδ)をインピーダンスア
ナライザ(ヒューレット・パッカード社製:HP419
4A)で測定した。吸湿条件は、加速試験をするため
に、サンプル形状を5mmφと小さくし、PCT(プレッ
シャークッカードテスト:134℃、3atm 、4時間)
による。
【0118】それらの結果を表1〜11および図2〜8
に示す。図2〜4および図5〜7は、複合材料の熱膨張
係数(図2〜4はガラスクロスの縦糸方向のみの値;図
5〜7はガラスクロスの縦糸方向と横糸方向との平均
値)に関する。これらの図では、TEOSの反応生成物
および/またはコロイダルシリカで処理したクロスを用
いた複合材料については「○」と実線A10およびA 20
示し、TEOSの反応生成物および/またはコロイダル
シリカによる処理をクロスに施さず、シリカガラス粉末
を用いた複合材料については「△」と一点鎖線S10およ
びS20で示し、TEOSの反応生成物および/またはコ
ロイダルシリカによる処理をクロスに施さず、シリカガ
ラス粉末も用いなかった複合材料については「+」と二
点鎖線で示した。また、実線A10はTEOSの反応生成
物およびコロイダルシリカの合計含有量が複合材料全体
に対して10重量%の場合、実線A20はTEOSの反応
生成物およびコロイダルシリカの合計含有量が複合材料
全体に対して20重量%の場合、一点鎖線S10はシリカ
ガラス粉末の含有量が複合材料全体に対して10重量%
の場合、一点鎖線S20はシリカガラス粉末の含有量が複
合材料全体に対して20重量%の場合を示す。
【0119】図2は、コロイダルシリカのみを含浸させ
たクロスを用いた実施例1−1〜1−15の複合材料
と、比較例1−1〜1−7の複合材料に関し、図3は、
TEOSとコロイダルシリカとの混合溶液を含浸させた
クロスを用いた実施例1−16〜1−30の複合材料
と、比較例1−1〜1−7の複合材料に関し、図4は、
TEOSのみを含浸させたクロスを用いた比較例1−8
〜1−22の複合材料と、比較例1−1〜1−7の複合
材料に関し、図5は、コロイダルシリカのみを含浸させ
たクロスを用いた実施例2−1〜2−10の複合材料
と、比較例2−1〜2−7の複合材料に関し、図6は、
TEOSとコロイダルシリカとの混合溶液を含浸させた
クロスを用いた実施例2−11〜2−21の複合材料
と、比較例2−1〜2−7の複合材料に関し、図7は、
TEOSのみを含浸させたクロスを用いた比較例2−8
〜2−15の複合材料と、比較例2−1〜2−7の複合
材料に関する。
【0120】図2〜4および図5〜7中、各プロットに
付した数値は、TEOSの反応生成物およびコロイダル
シリカの合計含有量またはシリカガラス粉末の含有量
(いずれも複合材料全体に対する重量%)を示す。図8
は、複合材料の耐湿試験(PCT)後の誘電正接に関す
る。これらの図では、コロイダルシリカのみを含浸させ
たクロスを用いた実施例2−1〜2−10の複合材料に
ついては「+」で示し、TEOSとコロイダルシリカと
の混合溶液を含浸させたクロスを用いた実施例2−11
〜2−21の複合材料については「◇」で示し、TEO
Sのみを含浸させたクロスを用いた比較例2−8〜2−
15の複合材料については「△」で示し、TEOSもコ
ロイダルシリカもクロスに含浸させず、シリカガラス粉
末も用いなかった比較例2−1〜2−3の複合材料につ
いては「□」で示した。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】
【表8】
【0129】
【表9】
【0130】
【表10】
【0131】
【表11】
【0132】表1〜5、表8〜10、図2〜3および図
5〜6にみるように、同じ量のシリカガラス粉末と比較
すれば、コロイダルシリカによるクロスの処理、ならび
に、TEOSの反応生成物とコロイダルシリカとによる
クロスの処理は、複合材料の熱膨張係数を効果的に低下
させることができることが確認された。具体的に述べる
と、Eガラス含有量が60重量%で比較すると、シリカ
ガラス粉末を10重量%添加した複合材料の熱膨張係数
は約13 ppm/℃であるのに対し、コロイダルシリカ1
0重量%で処理したクロスを用いた複合材料の熱膨張係
数は約11 ppm/℃と低いものである。特に、TEOS
の反応生成物とコロイダルシリカとを合計10重量%併
用したものは、その熱膨張係数が約10 ppm/℃と著し
く低下することが確認された。
【0133】このように、平均粒径1000nm以下の
無機粒子(実施例ではコロイダルシリカ)による補強材
(実施例ではガラスクロス)の処理、ならびに、この無
機粒子と金属アルコキシド(実施例ではTEOS)の反
応生成物とによる補強材の処理が複合材料の低熱膨張化
に効果的であるのは、前述したように、補強材のストラ
ンドに前記無機粒子またはこの無機粒子と金属アルコキ
シドの反応生成物とが所定量以上含まれているからであ
る。
【0134】実施例1−1〜1−30、実施例2−1〜
2−21、比較例1−4〜1−7および比較例2−4〜
2−7の複合材料についてSEM(走査型電子顕微鏡)
観察を行ったところ、実施例1−1〜1−30および実
施例2−1〜2−21の複合材料については、ストラン
ドの内部にまで充分量の前記無機粒子またはこの無機粒
子と金属アルコキシドの反応生成物とが入り込んでいる
のが確認されたが、比較例1−4〜1−7および比較例
2−4〜2−7においては、シリカガラス粒子がストラ
ンドの内部に入り込んではいたが、平均粒径が大きすぎ
るために、その量はごく少量にすぎず、しかもストラン
ドの表面も含めたストランド全体に含まれるシリカガラ
ス粒子の量が少なすぎることが確認された。
【0135】表6、表7、表11、図4および図7にみ
るように、平均粒径1000nm以下の無機粒子(表お
よび図ではコロイダルシリカ)を用いず、金属アルコキ
シド(表および図ではTEOS)の反応生成物単独でも
同程度の熱膨張低下効果が得られることがわかる。しか
し、表11および図8にみるように、金属アルコキシド
の反応生成物単独で処理したクロスを用いた比較例2−
8〜2−15の複合材料は、耐湿試験(PCT)後の誘
電正接が悪化することが確認された。また、表8、表9
および図8にみるように、平均粒径1000nm以下の
無機粒子単独で処理したがその含有量が多すぎるクロス
を用いた実施例2−10の複合材料、平均粒径1000
nm以下の無機粒子と金属アルコキシドの反応生成物と
で処理したがそれらの合計含有量が多すぎるクロスを用
いた実施例2−20の複合材料、ならびに、平均粒径1
000nm以下の無機粒子と金属アルコキシドの反応生
成物とで処理したが無機粒子に対する金属アルコキシド
の反応生成物の比が高すぎるクロスを用いた実施例2−
21の複合材料は、耐湿試験(PCT)後の誘電正接が
悪化することが確認された。これに対して、表8〜10
および図8にみるように、平均粒径1000nm以下の
無機粒子単独によりその含有量が所定の割合になるよう
に処理したクロスを用いた実施例2−1〜2−9の複合
材料、ならびに、平均粒径1000nm以下の無機粒子
と金属アルコキシドの反応生成物とによりそれらの含有
量の比および合計が所定の割合になるように処理したク
ロスを用いた実施例2−11〜2−19の複合材料の耐
湿試験後の誘電正接は、未処理のクロスを用いた比較例
2−1〜2−3の複合材料と同等の良好な値を示すこと
が確認された。
【0136】
【発明の効果】本発明にかかる低熱膨張複合材料は、従
来の樹脂系複合材料に比べて、熱膨張係数が充分低い。
本発明の低熱膨張複合材料のうち、特に、平均粒径10
00nm以下の無機粒子と金属アルコキシドの反応生成
物とを低熱膨張化材として併用した複合材料は、従来の
樹脂系複合材料に比べて、熱膨張係数が著しく低い。
【0137】本発明にかかる製造方法によれば、従来法
に比べて、樹脂系複合材料の熱膨張係数を効率よく低下
させることができ、熱膨張係数が充分低い複合材料を容
易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストランドの内部および表面の定義を説明する
ためのガラスクロスの縦糸方向に沿った断面図である。
【図2】実施例1−1〜1−15および比較例1−1〜
1−7の複合材料について、Eガラス含有量と熱膨張係
数との相関関係を示すグラフである。
【図3】実施例1−16〜1−30および比較例1−1
〜1−7の複合材料について、Eガラス含有量と熱膨張
係数との相関関係を示すグラフである。
【図4】比較例1−8〜1−22および比較例1−1〜
1−7の複合材料について、Eガラス含有量と熱膨張係
数との相関関係を示すグラフである。
【図5】実施例2−1〜2−10および比較例2−1〜
2−7の複合材料について、Eガラス含有量と熱膨張係
数との相関関係を示すグラフである。
【図6】実施例2−11〜2−21および比較例2−1
〜2−7の複合材料について、Eガラス含有量と熱膨張
係数との相関関係を示すグラフである。
【図7】比較例2−8〜2−15および比較例2−1〜
2−7の複合材料について、Eガラス含有量と熱膨張係
数との相関関係を示すグラフである。
【図8】実施例2−1〜2−21、比較例2−1〜2−
3および比較例2−8〜2−15の複合材料について、
Eガラス含有量とPCT後の誘電正接との相関関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1a 縦糸のモノフィラメント 1b 横糸のモノフィラメント 2 ストランドの表面 3 ストランドの内部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田宮 裕記 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノフィラメントが集束されてなるスト
    ランドからなる補強材により樹脂が強化されてなる複合
    材料において、前記ストランドに、平均粒径1000n
    m以下の無機粒子が前記補強材100重量部に対して1
    重量部以上の割合で含まれていることを特徴とする低熱
    膨張複合材料。
  2. 【請求項2】 ストランドに含まれている平均粒径10
    00nm以下の無機粒子の量が補強材100重量部に対
    して10重量部以上である請求項1記載の低熱膨張複合
    材料。
  3. 【請求項3】 ストランドに含まれている平均粒径10
    00nm以下の無機粒子の量が補強材100重量部に対
    して30重量部以下である請求項1または2記載の低熱
    膨張複合材料。
  4. 【請求項4】 ストランドの内部および表面のうちの少
    なくとも内部に平均粒径1000nm以下の無機粒子が
    含まれている請求項1から3までのいずれかに記載の低
    熱膨張複合材料。
  5. 【請求項5】 モノフィラメントが集束されてなるスト
    ランドからなる補強材により樹脂が強化されてなる複合
    材料において、前記ストランドに、平均粒径1000n
    m以下の無機粒子と、金属アルコキシドの反応生成物と
    が、前記補強材100重量部に対して合計1重量部以上
    の割合で含まれていることを特徴とする低熱膨張複合材
    料。
  6. 【請求項6】 平均粒径1000nm以下の無機粒子
    と、金属アルコキシドの反応生成物とが、前記無機粒子
    100重量部に対して前記金属アルコキシドの反応生成
    物20重量部以下の割合でストランドに含まれている請
    求項5記載の低熱膨張複合材料。
  7. 【請求項7】 ストランドに含まれている平均粒径10
    00nm以下の無機粒子と金属アルコキシドの反応生成
    物との合計量が補強材100重量部に対して10重量部
    以上である請求項5または6記載の低熱膨張複合材料。
  8. 【請求項8】 ストランドに含まれている平均粒径10
    00nm以下の無機粒子と金属アルコキシドの反応生成
    物との合計量が補強材100重量部に対して30重量部
    以下である請求項5から7までのいずれかに記載の低熱
    膨張複合材料。
  9. 【請求項9】 ストランドの内部および表面のうちの少
    なくとも内部に平均粒径1000nm以下の無機粒子と
    金属アルコキシドの反応生成物とが含まれている請求項
    5から8までのいずれかに記載の低熱膨張複合材料。
  10. 【請求項10】 金属アルコキシドがシリコンアルコキ
    シドである請求項5から9までのいずれかに記載の低熱
    膨張複合材料。
  11. 【請求項11】 補強材がガラスクロスである請求項1
    から10までのいずれかに記載の低熱膨張複合材料。
  12. 【請求項12】 無機粒子が平均粒径1〜100nmの
    コロイド粒子である請求項1から11までのいずれかに
    記載の低熱膨張複合材料。
  13. 【請求項13】 コロイド粒子がシリカである請求項1
    2記載の低熱膨張複合材料。
  14. 【請求項14】 モノフィラメントが集束されてなるス
    トランドからなる補強材で樹脂を強化する際に、平均粒
    径1000nm以下の無機粒子を含む処理液を前記補強
    材に含浸させた後、さらに前記樹脂を含浸させることを
    特徴とする低熱膨張複合材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 無機粒子を含む処理液が金属アルコキ
    シドをも含むものである請求項14記載の製造方法。
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