JP4706468B2 - 樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板 Download PDF

Info

Publication number
JP4706468B2
JP4706468B2 JP2005372674A JP2005372674A JP4706468B2 JP 4706468 B2 JP4706468 B2 JP 4706468B2 JP 2005372674 A JP2005372674 A JP 2005372674A JP 2005372674 A JP2005372674 A JP 2005372674A JP 4706468 B2 JP4706468 B2 JP 4706468B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
aluminum hydroxide
resins
inorganic filler
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005372674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007146095A (ja
Inventor
正人 宮武
曜 村井
郁夫 菅原
伸治 島岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2005372674A priority Critical patent/JP4706468B2/ja
Publication of JP2007146095A publication Critical patent/JP2007146095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4706468B2 publication Critical patent/JP4706468B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、耐熱性およびピール強度などが改善された金属張積層板が得られる樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板に関するものである。
電子機器の小型化、高性能化に伴い、プリント配線板の高密度化、薄型化が進んでいる。薄型化に対応するため、金属張積層板では高弾性率化の要求が高まり、充填剤が使用されるケースが多くなってきている。充填剤を使用する場合、硬度が高い充填剤を高充填すると積層板の高弾性率化に有効である一方、ドリル加工の際にドリルの磨耗量が大きくなるという問題がある。高弾性を維持しつつ、ドリル磨耗を改善させる手法として,硬度が比較的低い水酸化アルミニウム等を併用する方法がある。
しかしながら、水酸化アルミニウムは燃焼時に冷却効果を発現する水を多くトラップしているため、ある程度の量以上配合すると樹脂組成物や積層板の耐熱性が急激に低下する問題がある。これは、水酸化アルミニウムが水をリリースする温度がはんだの溶融温度よりも低いことに起因しており、今後溶融温度が更に高くなる鉛フリーはんだではより顕著になると思われる。さらにプリント配線板の薄型化が進む中で、極薄の積層板においてフィラー中に粗大粒子が含有される場合、粗大粒子が存在する部分で不良が発生したり、十分な絶縁信頼性が確保できなくなる。
一般にプリント配線板や半導体パッケージに用いられる基板には、難燃性を付与するためにハロゲン難燃剤(主に臭素系)やリン化合物が用いられているが、燃焼時に猛毒のダイオキシン類等の発生が懸念されるため、使用しない方向にある。一方、部品の実装においては、従来Sn−Pb系はんだが主に使用されていたが、近年、廃棄処理時などに土壌を汚染するので鉛を用いないはんだ材料への転換が進んでいる。鉛フリーはんだでは、融点が10℃から40℃ほど上昇するため、実装時におけるリフロー温度も同程度上昇する。
このような状況下で、環境に対応するパッケージ用基板には、ハロゲン化合物やリン化合物を用いずに優れた難燃性を有すると共に、鉛フリーはんだに対応可能な、優れた耐熱性が要求されている。
さらに、パッケージのパッド面積の微小化が進んでおり、鉛フリーはんだボールの特性変化と相まって、はんだボール接続の信頼性が高いことが要求されている。そのため、用いられる基板にはピール強度(金属箔引き剥がし強さ)の向上が強く望まれている。
また,高温域での強度や弾性率等の高温特性を向上させるためには、従来以上の高いガラス転移温度(Tg)が必要となる。この低熱膨張率化や高弾性率化に対する要求を満たすために充填剤の添加による方法がある(例えば特許文献1を参照)。
特開2003−64198号公報
本発明の目的は、こうした現状に鑑み、耐熱性およびピール強度などが改善された金属張積層板が得られる樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の水酸化アルミニウムを含む無機充填剤と熱硬化性樹脂からなる樹脂組成物が、上記目的に沿うものであることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の樹脂組成物、プリプレグならびに積層板およびプリント配線板を提供するものである。
1.無機充填剤と熱硬化樹脂を必須成分とし、無機充填剤として、平均粒子径が1.0μm〜5.0μm、0.5μm以下の粒子が0.2質量%以下、BET比表面積が1.5m2/g以下、粒子径45μm以上の粗大粒子量が20ppm以下である水酸化アルミニウムを含むことを特徴とする樹脂組成物。
2.熱硬化樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂及びこれら樹脂を変性した変性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である上記1の樹脂組成物。
3.水酸化アルミニウム以外の無機充填剤として、平均粒径0.4〜0.7μmの球状シリカを含むものである上記1又は2の樹脂組成物。
4.樹脂組成物中の無機充填剤が40〜70質量%であり、無機充填剤の25〜75質量%が球状シリカ、25〜75質量%が水酸化アルミニウムである上記3の樹脂組成物。
5.上記1〜4のいずれかの樹脂組成物を、繊維基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。
6.上記5のプリプレグを1枚以上重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
7.重ねたプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である上記6の積層板。
8.上記6又は7の積層板を使用し、回路加工して得られるプリント配線板。
本発明の樹脂組成物は、耐熱性やピール強度などが改善された金属張積層板が得られるので、プリント配線板などに好適に用いることができる。
すなわち、本発明の樹脂組成物より作製した積層板は、粒度分布がシャープでありかつ微粒子の少ない水酸化アルミニウムを用いるため、高い耐熱性を発現する。また同時に良好なピール強度(金属箔引き剥がし強さ)が得られる。
本発明の樹脂組成物は、無機充填剤と熱硬化樹脂を必須成分とし、特定の水酸化アルミニウムを含む無機充填剤を用いることを特徴とするものである。
先ず、本発明で使用する水酸化アルミニウムについて詳細に説明する。
本発明で使用される水酸化アルミニウムは、平均粒子径が1.0μm〜5.0μm、好ましくは2.5〜4.0μmのものである。平均粒子径を1.0μm以上とすることにより、樹脂材料に水酸化アルミニウムを加えてワニスを作製する際に大幅に増粘し、ガラス基材等への含浸することや、プリプレグをプレスした時の成形が困難になることがなくなり、また、粒子の凝集が発生し水酸化アルミニウムの分散性が不十分となることがなくなる。一方、平均粒子径を5.0μm以下とすることにより、ワニスを作製した際に沈降が早いため作業性が悪くなることがなくなり、また、近年の薄型化に対応した絶縁信頼性等を高いプリント基板を得ることができる。
また、本発明で使用する水酸化アルミニウムは,0.5μm以下の粒子が0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、BET比表面積が1.5m2/g以下、好ましくは1.3m2/g以下のものである。
水酸化アルミニウムの脱水開始温度はギブサイト型からベーマイト型へ転移する温度と等しいため、ベーマイト化を抑制することにより水酸化アルミニウムの耐熱性が向上する。0.5μm以下の微粒子は比表面積が高いため表面吸着水分が多く、240℃付近の低い温度で脱水を開始するが、本発明の水酸化アルミニウムはそのような微粒子が0.2質量%以下であり、シャープな粒度分布を示すのでベーマイト化が抑制され、樹脂組成物や積層板、プリント配線板とした時に耐熱性が大きく改善される。
また、BET比表面積が1.5m2/g以下と小さく、0.5μm以下の粒子が0.2質量%以下と微粒子が少ないことから、樹脂材料と水酸化アルミニウム表面との濡れ性が向上し、界面の接着性が良くなっている。そのため、積層板において金属箔の引き剥がし強さが向上する効果が得られる。
さらに、本発明で使用する水酸化アルミニウムは、45μm以上の粗大粒子量が20ppm以下、好ましくは10ppm以下のものである。20ppm以下とすることにより,絶縁信頼性が確保され、優れた耐電圧性が得られる。
本発明で使用する水酸化アルミニウムは、微粒子が少なくシャープな粒度分布を示しており耐熱性に優れることから、はんだ付けのような加工の際に水の放出に起因した樹脂のふくれが発生することがない。特に溶融温度が高い鉛フリーはんだにも耐える良好な耐熱性を示す。
さらに本発明で使用する水酸化アルミニウムは、粗大粒子量が非常に少ないため,薄物の基板においても絶縁信頼性や耐電圧性が良好である。
本発明においては、充填剤として水酸化アルミニウムと共に平均粒径0.4〜0.7μmの球状シリカを用いることが好ましい。このような球状シリカを使用することで剛性の向上が得られる。また、平均粒径を0.4μm以上とすることにより、樹脂組成物の粘度が増加して作業性が悪化することが避けられ、0.7μm以下とすることにより、ドリル加工時にドリル刃のチッピング等の問題の発生が避けられる。
また、本発明においては、上記の水酸化アルミニウムおよびシリカの他に、それら以外の無機充填剤を併用することもできる。併用する無機充填剤の種類や形状、粒径は特に限定するものではなく、例えば炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、マイカ、炭酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス短繊維やホウ酸アルミニウムや炭化ケイ素等の各種ウィスカ等が挙げられる。なお、これらを数種類用いてもよい。
樹脂組成物中の無機充填剤の配合量は40〜70質量%とすることが好ましく、さらに好ましくは45〜60質量%である。40質量%以上とすることによりドリル加工性が良くなり、70質量%以下とすることにより流動性に優れ、プレス時の成形性が良くなる。
また、平均粒径0.4〜0.7μmの球状シリカを無機充填剤中で25〜75質量%、水酸化アルミニウムが25〜75質量%とすることが好ましい。球状シリカおよび水酸化アルミニウムを該範囲とすることにより、前述のように、優れた難燃性を有すると共に、鉛フリーはんだに対応する耐熱性を有し、優れたピール強度、ドリル加工性、絶縁信頼性および成形性を有する金属張積層板が得られる樹脂組成物となる。
また本発明においては、これらの無機充填剤には、樹脂と充填剤の界面接着性や無機充填剤の分散性を向上させるために、各種カップリング剤やシリコーン重合体等を用いて無機充填剤の表面処理をすることが好ましい。
プリプレグに水酸化アルミニウムのような金属水酸化物を適用する際の課題としては、充填量の増加と共に難燃性が向上する一方で耐熱性が低下する点が挙げられる。そのため従来は難燃化に必要な量を充填した場合、鉛フリーはんだに対応可能な高い耐熱性を得ることができなかった。
本発明においては、無機充填剤を充填し、優れた難燃性(UL94 V−0)を維持したまま耐熱性を向上させる手段として、無機充填剤として特定の水酸化アルミニウムと共に球状シリカを用い、これを熱硬化性樹脂に配合して無機充填剤の表面に嵩高い応力緩和処理層を形成することにより、無機充填剤中から水分が発生しても樹脂に直接ダメージを与えることがなくなり、そのため積層板の実装温度領域において水分発生に起因した樹脂クラックが抑制され、耐熱性が大幅に向上する。
また、本発明においては、充填剤の高分散性が発現され、充填剤を高充填化した際に発生する樹脂ワニスの粘度上昇を抑えることができる。このため、樹脂に充填剤を高充填化しても、ガラス基材への良好な含浸性を示し、この材料で作製した基板の耐電食性は非常に良好である。また、界面接着性が大きく向上すること等から、ピール強度、ドリル加工性および絶縁信頼性が優れたものとなり、本発明の樹脂組成物を用いて製造された積層板から回路を形成して得られるプリント配線板は、鉛フリーはんだへの対応が可能であり、かつ高い信頼性が得られる。
カップリング剤としては、例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が用いられる。シラン系カップリング剤としては、炭素官能性シランが用いられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラン;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)ジメトキシシランのようなアミノ基含有シラン;3−(トリメトキシリル)プロピルテトラメチルアンモニウムクロリドのようなカチオン性シラン;ビニルトリエトキシシランのようなビニル基含有シラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなアクリル基含有シラン;および3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基含有シランが例示される。
一方、チタネート系カップリング剤としては、チタンプロポキシド、チタンブトキシドのようなチタン酸アルキルエステルが例示される。
これらのカップリング剤やシリコーン重合体は2種以上併用してもよい。
本発明で用いる熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、例えばエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂及び、これら樹脂を変性した変性樹脂が用いられる。また,これらの樹脂は2種類以上を併用してもよく、必要に応じて各種硬化剤、硬化促進剤等を使用し、これらを溶剤溶液として配合しても構わない。
これらの熱硬化性樹脂の中で、耐熱性、耐湿性等の特性やコスト等のバランスを考慮するとエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物が用いられ、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多官能フェノール類のグリシジルエーテル化合物、二官能アルコール類のグリシジルエーテル化合物、およびそれらの水素添加物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、硬化後の樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)や耐熱性を向上するために、分子内に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂等がある。
硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができ、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等をあげることができる。これら硬化剤は何種類か併用することも可能である。
硬化促進剤としては、例えばイミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられ、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、さらに着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線遮蔽剤などを適宜配合することができる。
本発明においては上記の無機充填剤および熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物をワニス化し、基材に含浸させた、加熱、乾燥して、Bステージ化することによりプリント配線板用プリプレグを得ることができる。
これら樹脂材料及び無機充填剤を希釈してワニス化するために溶剤が用いられる。この溶剤は、特に限定されず、例えばアセトン,メチルエチルケトン,トルエン,キシレン,メチルイソブチルケトン,酢酸エチル,エチレングリコールモノメチルエーテル,N,N−ジメチルホルムアミド,メタノール,エタノール等が挙げられる。これらの溶剤は何種類かを混合してもよい。また、ワニスの固形分濃度は、特に限定されず、樹脂組成や無機充填剤の種類及び配合量等により適宜変更できるが,50質量%〜80質量%の範囲が好ましい。50質量%以上とすることより適度のワニス粘度とプリプレグの樹脂分となり、80質量%以下とすることによりワニスの増粘等によるプリプレグの外観等の悪化が回避される。
前記各成分を配合して得たワニスは、基材に含浸させ、例えば乾燥炉中で80〜200℃の範囲で乾燥させることにより、プリント配線板用プリプレグが得られる。
基材としては,金属箔張り積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが,通常織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材としては,たとえばガラス,アルミナ,アスベスト,ボロン,シリカアルミナガラス,シリカガラス,チラノ,炭化ケイ素,窒化ケイ素,ジルコニア等の無機繊維やアラミド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルイミド,ポリエーテルサルフォン,カーボン,セルロース等の有機繊維等及びこれらの混抄系があり,特にガラス繊維の織布が好ましく用いられる。
上記により得られたプリプレグを少なくとも1枚以上重ね、加熱加圧成形することにより積層板が得られる。加熱温度は150〜200℃、好ましくは170〜190℃であり、圧力は1.0〜8.0MPa、好ましくは2.0〜6.0MPaであり、プリプレグ特性や、プレス機の能力、目的積層板の厚み等により適宜決定する。
また、プリプレグを少なくとも1枚以上重ねて、その片側又は両側に金属箔を配して、加熱加圧成形して金属張積層板を製造することができる。金属箔としては主に銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属箔を用いても良い。金属箔の厚みは通常3〜200μmである。
さらに、これらの積層板を使用し、回路加工してプリント配線板が得られる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、部は質量部を表す。また、耐熱性、ピール強度(金属箔引き剥がし強さ)、ドリル加工性、絶縁信頼性(耐電圧性)および成形性の評価方法は以下の通りである。
(1)耐熱性:
両面銅張積層板(プリプレグ4枚重ね)を50mm×50mmに切断し、260℃および288℃のはんだにフローティングし、ふくれが発生するまでの時間を測定した。
(2)ピール強度(金属箔引き剥がし強さ):
JIS C 5016に準じて測定した。銅箔の厚さは18μmとした。
(3)ドリル加工性:
両面銅張積層板(プリプレグ4枚重ね)を用いて,ドリル径0.1mm、回転数160krpm、送り速度1.6m/min,重ね枚数2枚,エントリーボード150μmアルミ板にて加工を実施し、穴位置精度および壁面粗さを測定した。
(4)絶縁信頼性(耐電圧性):
両面銅張積層板(プリプレグ1枚重ね)を用いて,全面エッチングした基板の上下に1000Vの電圧を30秒印加して,絶縁不良の有無を評価した。各試料につき30枚を測定し,絶縁不良の発生枚数を評価した。
(5)成形性:目視によった。
実施例1
以下の樹脂材料および無機充填剤を配合し、メチルエチルケトンを加えて固形分70質量%のワニスを調製した。
(熱硬化性樹脂)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂 69部
(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865)
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂 31部
(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロン153)
フェノールノボラック樹脂 42部
(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトTD−2106)
(硬化促進剤)
2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.2部
(無機充填剤)
水酸化アルミニウム(I) 70部
(昭和電工(株)製HP−360、平均粒径3.2μm)
球状シリカ 70部
(アドマテックス製 SO−25H、平均粒径0.6μm)
得られたワニスを厚さ約0.06mmのガラス布(#1080,E−ガラス)に含浸後,150℃で3〜10分加熱乾燥して樹脂分60質量%のプリプレグを得た。これらプリプレグ4枚または1枚を重ね,その両側に厚みが18μmの銅箔を重ね,175℃,90分,3.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。
ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
実施例2
水酸化アルミニウム(I)に代えて、水酸化アルミニウム(II)(昭和電工(株)製HP−360、平均粒径4.0μm)を用いてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
比較例1
ワニス固形分の比率と、水酸化アルミニウム(I)に代えて、水酸化アルミニウム(III)(住友化学(株)製CL−303)を用いてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
比較例2
水酸化アルミニウム(I)に代えて、水酸化アルミニウム(IV)(昭和電工(株)製H−32)を用いてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
比較例3
水酸化アルミニウム(I)に代えて、水酸化アルミニウム(V)(住友化学(株)製CL−310)を用いてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
比較例4
水酸化アルミニウム(I)に代えて、水酸化アルミニウム(VI)(昭和電工(株)製H−43)を用いてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
実施例3
シリカの配合量を15部としてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
実施例4
シリカの配合量を240部としてワニスを調製した他は、実施例1と同様に行った。ワニス固形分の比率と、使用した水酸化アルミニウムの物性および得られた両面銅張積層板の評価結果を第1表に示す。
Figure 0004706468

Claims (8)

  1. 無機充填剤と熱硬化樹脂を必須成分とし、無機充填剤として、平均粒子径が1.0μm〜5.0μm、0.5μm以下の粒子が0.2質量%以下、BET比表面積が1.5m2/g以下、粒子径45μm以上の粗大粒子量が20ppm以下である水酸化アルミニウムを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 熱硬化樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂及びこれら樹脂を変性した変性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 水酸化アルミニウム以外の無機充填剤として、平均粒径0.4〜0.7μmの球状シリカを含むものである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂組成物中の無機充填剤が40〜70質量%であり、無機充填剤の25〜75質量%が球状シリカ、25〜75質量%が水酸化アルミニウムである請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を、繊維基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。
  6. 請求項5に記載のプリプレグを1枚以上重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
  7. 重ねたプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である請求項6に記載の積層板。
  8. 請求項6又は7に記載の積層板を使用し、回路加工して得られるプリント配線板。
JP2005372674A 2005-11-02 2005-12-26 樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板 Active JP4706468B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372674A JP4706468B2 (ja) 2005-11-02 2005-12-26 樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319438 2005-11-02
JP2005319438 2005-11-02
JP2005372674A JP4706468B2 (ja) 2005-11-02 2005-12-26 樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007146095A JP2007146095A (ja) 2007-06-14
JP4706468B2 true JP4706468B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=38207881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005372674A Active JP4706468B2 (ja) 2005-11-02 2005-12-26 樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4706468B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5194423B2 (ja) * 2006-10-17 2013-05-08 住友ベークライト株式会社 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、及び半導体装置
EP2113524A4 (en) * 2007-02-23 2011-03-30 Panasonic Elec Works Co Ltd EPOXY RESIN COMPOSITION, PREPREG, LAMINATES AND PCB
KR101718178B1 (ko) * 2009-11-20 2017-03-20 파나소닉 아이피 매니지먼트 가부시키가이샤 프리프레그, 적층판, 금속박 피복 적층판, 회로 기판 및 led 탑재용 회로 기판

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002187937A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び金属箔張り積層板
JP2002212397A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2004175895A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Matsushita Electric Works Ltd 積層板用樹脂組成物、電気用プリプレグ、電気用樹脂付き金属箔、電気用積層板、プリント配線板、多層プリント配線板
JP2005239760A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂組成物、プリプレグおよび金属箔張積層板
JP2006124420A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2006199565A (ja) * 2004-05-13 2006-08-03 Showa Denko Kk 水酸化アルミニウム及びその用途
JP2007051267A (ja) * 2005-07-20 2007-03-01 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、難燃性積層板及び印刷配線板

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002187937A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び金属箔張り積層板
JP2002212397A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2004175895A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Matsushita Electric Works Ltd 積層板用樹脂組成物、電気用プリプレグ、電気用樹脂付き金属箔、電気用積層板、プリント配線板、多層プリント配線板
JP2005239760A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂組成物、プリプレグおよび金属箔張積層板
JP2006199565A (ja) * 2004-05-13 2006-08-03 Showa Denko Kk 水酸化アルミニウム及びその用途
JP2006124420A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2007051267A (ja) * 2005-07-20 2007-03-01 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、難燃性積層板及び印刷配線板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007146095A (ja) 2007-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6109569B2 (ja) 回路基板用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板用積層基材、プリント配線板、及び半導体装置
JP5703547B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線および半導体装置
JP5493853B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、半導体装置、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板の製造方法
JP2007051267A (ja) 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、難燃性積層板及び印刷配線板
JPWO2003018675A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板および半導体パッケージ
JP6512521B2 (ja) 積層板、金属張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板
JP2009138201A (ja) 印刷配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、及びこれを用いたプリント配線板
JP5703570B2 (ja) プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び、半導体装置
JP2007308640A (ja) 積層板用樹脂組成物、有機基材プリプレグ、金属張積層板およびプリント配線板
JP2007211182A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、金属張積層板およびプリント配線板
JP2010285523A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線、および半導体装置
JP4706468B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグならびにそれを用いた積層板およびプリント配線板
JP4706332B2 (ja) 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板および印刷配線板
JP2016023294A (ja) 樹脂フィルム付プリプレグ、これを用いた金属張り積層板及びプリント配線板
JP6624545B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、金属張積層板、絶縁シート、プリント配線板、プリント配線板の製造方法及びパッケージ基板
JP5508342B2 (ja) プリント配線板用bステージフィルム及び多層基板
JP2005209489A (ja) 絶縁シート
JP2011088950A (ja) プリプレグ、金属張積層板及びこれらを用いた印刷配線板
JP2008207396A (ja) 銅張り積層板
JP2016201510A (ja) プリント配線板用プリプレグ、それを用いた金属張り積層板及びプリント配線板
JP2006222409A (ja) プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板およびプリント配線板
JP2014055226A (ja) プリプレグ及びそれを用いた金属張り積層板、プリント配線板
JP4858359B2 (ja) プリプレグ用エポキシ樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板
JP2005002226A (ja) 難燃性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた積層板関連製品
JP2004256822A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板および半導体パッケージ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100506

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4706468

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140325

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350